JP3700404B2 - 冷凍炒飯及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍炒飯及びその製造方法に関し、詳しくは、卵を具材の一つとして使用した冷凍炒飯及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
卵を含む炒飯を手作りするときには、一般に、喫食直前に米飯や卵液を混合して加熱調理するので、卵の加熱風味が逃げる前に喫食することができ、独特の風味を味わうことができる。また、卵,油,米飯を同時に加熱調理するため、その複合香りも発生する。
【0003】
これに対し、炒飯を工場で商業的に生産する場合は、大量に調理するため、加熱,冷却に時間がかかり、加熱風味が次第に逃げてしまい、喫食時には風味が落ちたものとなってしまう。また、卵,油,米飯を同時に加熱するための炒めラインを導入すると、生産性が低下したり、生産コストが高くなるなどの問題があった。
【0004】
このため、商業的に生産される従来の冷凍炒飯等は、予め炒めたり油調した卵や具材を米飯に加えたり、香料を添加して風味を補ったりして製造することが行われている。例えば、特開平8−228694号公報には、冷凍又は冷蔵加工食品の製造に際し、原料の一部を油調して添加することにより、炒め感や調理感をもつ食品を製造する方法が開示されている。また、特開平7−39337号公報には、食用油に乳化剤を混合した油と具材とからなる炒めもどき調理食品のもとが開示されている。
【0005】
しかし、これらの製法で作られる冷凍炒飯は、具材に高い熱が加えられているため、風味が逃げてしまったり、発生していた香りが冷凍保管中に逃げてしまうなどの欠点があり、喫食する際には、卵の風味に欠けるきらいがあった。また、卵,油,米飯を同時に加熱していないため、複合的な香りを得られなかった。
【0006】
そこで本発明は、加熱解凍後の喫食時に、卵の加熱風味や複合的な風味を味わうことができる冷凍炒飯及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の冷凍炒飯は、米飯と加熱凝固していない卵液とを含むことを特徴とし、特に、米飯に対する前記卵液の添加割合が2〜50%であることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の冷凍炒飯は、米飯と具材と加熱凝固していない卵液とを含むことを特徴とし、特に、米飯と具材との合計量に対する前記卵液の添加割合が2〜45%であることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明の冷凍炒飯は、前記卵液が、全卵,卵黄,卵白,これらの乾燥品の水もどし品の群から選ばれる一つであること、調味料及び/又は油を含んでいること、また、前記米飯の粒の周囲に前記卵液が付着していることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の冷凍炒飯の製造方法は、米飯、あるいは、米飯と具材とに、加熱凝固していない卵液を添加混合して冷凍することを特徴としている。
【0011】
本発明の冷凍炒飯は、米飯に卵液を添加混合して冷凍したものであり、必要に応じてこれに具材を添加したものである。ここで卵液とは、全卵,卵黄,卵白,これらの粉末を水で還元したもの(乾燥卵を水もどししたもの)の一種又はこれらを組み合わせたものであって、加熱凝固していないものをいう。この卵液には、必要に応じて調味料や油を添加したものも使用できる。
【0012】
本発明の炒飯において、米飯に対する上記卵液の添加割合(卵液÷米飯×100[重量%])は、2〜50%が適当であり、好ましくは5〜45%である。卵液の添加割合が2%未満であると、添加混合の操作において、米飯一粒一粒の周囲に卵液が付着し難くなり、炒飯としてのこくや旨味が十分に得られない。一方、添加割合が50%を超えると、米飯をバラ状に凍結させることが困難となり、この種の冷凍食品として好ましくないものとなる。
【0013】
また、卵以外の具材を含む場合は、米飯と具材との合計量に対する卵液の添加割合(卵液÷(米飯+具材)×100[重量%])は、2〜45%が適当であり、好ましくは5〜40%である。上記同様に、添加割合が2%未満になると卵の加熱風味や複合的香りが乏しくなり、添加割合が45%を超えるとバラ状凍結が困難となる。
【0014】
本発明の冷凍炒飯の素材としては、通常の炒飯と同様のものが使用できる。例えば、卵は鶏卵等、具材は肉類,ネギ,生姜,人参,しいたけ,グリンピース,とうもろこし,たまねぎ,なると,えび等、調味料はしょうゆ,塩,こしょう,グルタミン酸ナトリウム,中華だし等、油はサラダ油,しらしめ油,ラード等を任意に用いることができる。
【0015】
次に、本発明の冷凍炒飯を製造する手順の一例を説明する。まず、常法に従って原料米を洗浄し、浸漬した後、水を加えて炊飯することにより、炒飯の主体となる米飯を製造する。炊飯時の水に適当な調味料を添加することにより、米飯自体に所望の味付けを行うこともできる。また、具材は、その種類の特性に適した方法で、通常の炒飯を作成するときと同じようにして調理すればよい。さらに、米飯や具材は、このときにある程度炒めておくこともできる。
【0016】
一方、卵液は、凝固しないように加熱して低温殺菌を行い、米飯等と混合する際にも、米飯等の熱により凝固しないようにする。このとき、卵の風味が落ちるので、高温の状態に長時間保たないことが望ましい。
【0017】
米飯と具材,卵液の配合順序は任意であり、米飯に所定量の卵液を加えて混ぜ合わせた後に具材を加えて更に混ぜ合わせるようにしてもよく、米飯と具材とを混ぜ合わせた後に卵液を加えて更に混ぜ合わせるようにしてもよい。
【0018】
上述のようにして調理された炒飯の冷凍は、従来の冷凍炒飯の製造における冷凍処理と同様にして行うことができる。すなわち、得られた炒飯をほぐしながらドライアイスや液体窒素等の寒剤と接触させることにより、米飯等をバラ状に冷凍すればよい。これにより、米飯の粒の周囲に卵液が付着した状態の冷凍炒飯が得られる。
【0019】
このようにして得られた本発明の冷凍炒飯は、電子レンジにより加熱して喫食することもできるが、フライパンで加熱することにより、卵の加熱風味及び米飯,卵,油等の複合風味をより好ましい状態で発生させることができる。
【0020】
200〜350gの冷凍炒飯を加熱解凍する際の条件は、フライパンでは150〜250℃の温度で約2〜6分間、300〜600Wの電子レンジで3〜8分間が適当であるが、好みに応じて適宜な条件で行うことができる。また、加熱時には、油を使用することもできる。
【0021】
そして、喫食時の加熱により、米飯に混合した加熱凝固していない卵液が加熱され、この加熱によって卵を加熱したときの独特の風味が発生し、卵を具材の一つとした炒飯特有の卵の加熱風味を得ることができる。また、米飯,卵及び油を同時に加熱する状態となるので、本来的な炒飯らしい複合的な風味が得られる。さらに、米飯の一粒一粒の周囲に卵液を付着させておくことにより、こくのある旨味に富んだ炒飯が得られ、卵液に調味料や油を加えたものを使用することにより、食味を更に向上させることができる。
【0022】
なお、本発明の冷凍炒飯は、炒飯そのものとしてだけでなく、卵の加熱風味が求められる様々な食品に応用することもでき、例えば雑炊の味付けに応用するなど、幅広い商品展開を図ることが可能になる。
【0023】
【実施例】
実施例
原料米5kgを洗浄して浸漬した後、食塩50g,グルタミン酸ナトリウム15g,サラダ油100gを添加した水5kgで炊飯した。炊き上がった米飯は10.8kgとなった。この米飯に、豚肉800g,しいたけ50g,食塩20g,しょうゆ100gを炒めてあらかじめ調理しておいた具材870gを混合した。
【0024】
上記米飯及び具材の混合品に、鶏卵(全卵)920g及びしょうゆ80gを加えて混合した後、周知のドラム式バラ状急速凍結機を使用し、ドライアイスを吹き付けながら−30℃に冷却してバラ状に凍結した。
【0025】
得られた凍結炒飯を270gずつ小分けして包装し、−18℃で3ケ月保存した。この冷凍炒飯270gを、10gのサラダ油をひいたフライパンで4分間混ぜながら加熱解凍した後に喫食した。その結果、卵入り炒飯特有の卵の加熱風味があり、さらに、米飯,卵,油を同時に加熱した手作り品と同じような複合的な香り,甘い香りがあり、米飯には、こくや旨味があった。
【0026】
比較例
実施例と同じ手順で米飯と具材との混合品を製造するとともに、しょうゆ80gと鶏卵(全卵)920gとをフライパンで3分間炒めて炒り卵を作り、両者を混合した後、実施例と同様にして凍結させた。得られた冷凍炒飯は、実施例と同様に、270gずつ小分け包装して−18℃で3ケ月保存した後、フライパンで加熱解凍して、これを喫食した。その結果、卵の加熱風味に乏しく、米飯,卵,油を同時に加熱するときの複合的な香りにも乏しく、米飯には、こくや旨味が少なかった。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の冷凍炒飯は、米飯に混合する卵として、加熱凝固していない卵液を使用するので、喫食する際の加熱時に卵が加熱されて独特の風味が発生し、従来の冷凍炒飯にはない風味や香りが得られるとともに、米飯のこくや旨味にも優れたものとなる。

Claims (9)

  1. 米飯と加熱凝固していない卵液とを含むことを特徴とする冷凍炒飯。
  2. 米飯と具材と加熱凝固していない卵液とを含むことを特徴とする冷凍炒飯。
  3. 前記卵液が、全卵,卵黄,卵白,これらの乾燥品の水もどし品の群から選ばれる一つであることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍炒飯。
  4. 前記卵液が、調味料及び/又は油を含んでいることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍炒飯。
  5. 前記米飯の粒の周囲に前記卵液が付着していることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍炒飯。
  6. 前記米飯に対する前記卵液の添加割合が2〜50%であることを特徴とする請求項1記載の冷凍炒飯。
  7. 前記米飯と具材との合計量に対する前記卵液の添加割合が2〜45%であることを特徴とする請求項2記載の冷凍炒飯。
  8. 米飯と加熱凝固していない卵液とを混合して冷凍することを特徴とする冷凍炒飯の製造方法。
  9. 米飯と具材と加熱凝固していない卵液とを混合して冷凍することを特徴とする冷凍炒飯の製造方法。
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