JP3731908B2 - 管端防食継手 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は給水用の配管システムに用いられる管端防食継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的に普及している上記配管システムでは、配管に用いられる管体の内面や接続部分での発錆に伴う水質低下を防止するため、管体として鋼管の内面を合成樹脂のライニング層で被覆した内面被覆鋼管を用いることのほか、上記接続部分に管端防食継手を用いることが行われている。
【0003】
そして、従来の管端防食継手として実開平1−11492号公報に開示されたものが知られており、この管端防食継手を図7および図8に示してある。図8のように、この管端防食継手は、テーパ内ねじ2を具備する継手本体1の内部に合成樹脂製のスリーブ部3が設けられている。このスリーブ部3はその基端部に一体に設けられた鍔部を上記テーパ内ねじ2の所定箇所にねじ合わせることにより上記継手本体1に固定されている。また、スリーブ部3における先端部近傍箇所の外周面に弾力性を備えた環状のリップ部(スリーブ部3と同種の合成樹脂で一体成形されている)5が一体に設けられており、このリップ部5の根元部分の外側に隣接して設けられた環状の凹入部7に弾力性を備えたリング状のシール材8が嵌合状に保持されている。
【0004】
このような管端防食継手において、シール材8には合成ゴムで製作されたOリングが用いられている。そして、図8の矢印aのように継手本体1に内面被覆鋼管100をねじ込んでスリーブ部3をその内面被覆鋼管100に徐々に内嵌合させていくと、内面被覆鋼管100の内面102に先ずシール材8が圧接し、そのシール材8が弾力性を備えたリップ部5により弾性的にバックアップされながら次第に変形する。そして、同図のように内面被覆鋼管100を完全にねじ込んだ状態では、シール材8が、内方へ撓んだリップ部5にバックアップされたまま押し潰された状態になる。そのため、上記シール材8はそれ自体の弾力性による復元力と上記リップ部5の弾力性によるバックアップ力とによって内面被覆鋼管100の内面102に強く圧接し、また、場合によってはリップ部5もその外周部が上記内面102に圧接してその箇所の水密性が確実に保たれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の管端防食継手において、リップ部5は継手本体1にねじ込まれる内面被覆鋼管100の内面102に圧接するシール材8が内面被覆鋼管100に追随して後退してしまうことを防ぐと共に、それ自体の弾力性に伴う復元力でシール材8をバックアップし、内面被覆鋼管100の内面102に対してシール材8を強く圧接させてシール材8による水密性保持機能を確実に発揮させる機能を有している。このことから、リップ部5自体には水密性を保つ機能は必ずしも要求されない。
【0006】
ところで、従来の管端防食継手において、内面被覆鋼管100を継手本体1にねじ込んでいくときには、シール材8の外周面が、内面被覆鋼管100の内面102に密着して周方向で擦れ合いながら軸方向に無理に押されるという状況になる反面で、そのシール材8がリップ部5によって後退しないようにバックアップされている。このため、内面被覆鋼管100の内面102に密着して周方向で擦れ合いながら軸方向に無理に押されたシール材8がその断面形状を変形させるように引き延ばされながらその延びた部分がリップ部5の外周を乗り越えたり、場合によってはリップ部5の外周を乗り越えたシール材8の一部が引きちぎられてしまうといった事態を生じるおそれがないとは言えない。このような事態は、内面被覆鋼管100の被覆層の厚みに公差範囲内のばらつきがあるある場合、内面被覆鋼管100に形成したテーパ外ねじ103や継手本体1のテーパ内ねじ2に公差範囲内の偏心がある場合などに生じやすいと考えられる。そして、仮にそのような事態が生じることがあるとすれば、シール材8がリップ部5によってバックアップされているとしても、シール材8による水密性保持機能の信頼性が低下することを避けられない。
【0007】
本発明は以上の状況のもとでなされたものであり、内面被覆鋼管などの管体を継手本体にねじ込んでいくときに、Oリングなどのシール材が管体の内面に密着して周方向で擦れ合いながら軸方向に無理に押されるといった事態が生じないような対策を講じると共に、そのような対策を講じても、管体の内面とその管体に内嵌合された合成樹脂製のスリーブ部との隙間を確実に水密状態に保ち、管端への水の浸入を防いで水の付着による管端の発錆を確実に防止することが可能な管端防食継手を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る管端防食継手は、管体がねじ込まれる継手本体に、上記管体に内嵌合される合成樹脂製のスリーブ部が具備されてなる管端防食継手において、上記スリーブ部の外周面に合成樹脂で作られた柔軟な環状のシール用リップ部が一体に設けられ、このリップ部の根元部分の内側に隣接して弾力性を備えたバックアップ材が上記スリーブ部に位置決めされた状態で嵌合状に保持されていると共に、上記リップ部が上記バックアップ材の外周面よりも径方向外方に張り出されており、このリップ部におけるバックアップ材の外周面からの突出長さが、継手本体にねじ込まれてきた上記管体の内面に接触して当該リップ部が追随することにより上記バックアップ材を押し潰しながらそのバックアップ材を覆って内方に倒れ込むことのできる長さになっており、かつ、そのバックアップ材を覆った状態に倒れ込んだリップ部が上記バックアップ材によりバックアップされた状態で上記管体の内面に密着することにより管体の内面とスリーブ部との間の隙間の水密性が保たれるとともに、上記バックアップ材が上記管体の内面に非接触状態になるよう構成されている、というものである。
【0009】
【作用】
本発明に係る管端防食継手によれば、管体を継手本体にねじ込んでいくときに、管体の内面に接触した合成樹脂製の柔軟なシール用リップ部の外周面が管体の内面と周方向で擦れ合いながら軸方向に押されることにより管体に追随して倒れ変形する。ここで、シール用リップ部は合成樹脂製のスリーブ部に一体に設けられた合成樹脂製のものであるので、このシール用リップ部が管体の内面に密着しているとしても管体の内面と擦れ合うときの摺動抵抗は小さく、そのシール用リップが管体の内面に密着したまま軸方向に引き延ばされるといった事態は起こらない。そして、シール用リップ部が管体に追随して倒れ変形すると、そのシール用リップ部がその根元部分の内側に隣接して配備されている弾力性を備えたバックアップ材を押し潰しながらそのバックアップ材を覆って内方に倒れ込む。このため、シール用リップ部がバックアップ材によりバックアップされた状態で管体の内面に密着し、管体の内面とスリーブ部との間の隙間の水密性が保たれる。
【0010】
【実施例】
図1はこの発明の実施例による管端防食継手の部分断面図である。この管端防食継手において、継手本体1の端部にテーパ内ねじ2が具備されている点、及び継手本体1の内部に上記テーパ内ねじ2と同心状に合成樹脂製のスリーブ部3が設けられている点は図7で説明した従来の管端防食継手と同様である。
【0011】
図1の管端防食継手において、スリーブ部3はポリ塩化ビニルなどの合成樹脂で一体成形されており、そのスリーブ部3における先端部近傍箇所の外周面に、柔軟な環状のシール用リップ部9が一体に設けられている。このシール用リップ部9はスリーブ部3と同じ種類の合成樹脂でそのスリーブ部3と共に一体成形されているもので、成形材料にポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂が用いられているときには、その肉厚が薄いために一定の柔軟性を有するものとなっている。図示例のシール用リップ部9は、薄肉の鏃形断面形状に構成されているが、リップ部9の断面形状はこれに限定されない。即ち、シール用リップ部9は内方へ撓むことが可能で、かつ撓んでも折損したり破損したりしない断面形状であればよい。
【0012】
スリーブ部3において、シール用リップ部9の根元部分の内側に隣接して環状溝部11が設けられており、この環状溝部11にゴム製のOリングなどでなる弾力性を備えたバックアップ材12が嵌合状に保持されて、バックアップ材12が環状溝部11によってスリーブ部3に位置決めされている。このバックアップ材12の軸方向での幅は上記環状溝部11の溝幅より短くても同等であってもよいが、後述するシール用リップ部9の倒れ込みによって押し潰されたときに環状溝部11を塞ぎ得るようになっていることが好ましい。なお、図例では環状溝部11の内側に環状突起13を設けてあるので、シール用リップ部9の倒れ込みによってバックアップ材12が押し潰されたときに、この環状突起13によってバックアップ材12の環状溝部11からはみ出しが防止される。
【0013】
図2に詳細に示したように、シール用リップ部9がスリーブ部3の外周面から寸法H1だけ径方向外方に張り出しているのに対し、上記環状溝部11に嵌合保持されたバックアップ材12はスリーブ部3の外周面から寸法H2(H2<H1)だけ径方向外方に張り出している。そして、シール用リップ部9の張出寸法H1とバックアップ材12の張出寸法H2との差(H1−H2)、すなわちシール用リップ部9におけるバックアップ材12の外周面12aからの突出長さHが、継手本体1にねじ込まれてきた上記管体100の内面102に接触して当該リップ部9が追随することにより上記バックアップ材12を押し潰しながらそのバックアップ材12を覆って内方に倒れ込むことのできる長さになっている(図3・図4参照)。
【0014】
次に、スリーブ部3はその軸方向全長部分がこのスリーブ部3に一体に設けられた軸方向に延びるリブ部14…により補強されている。このリブ部14…はスリーブ部3における内周面の周方向複数箇所に膨出状に設けられている。リブ部14…をこのようにスリーブ部3の軸方向全長部分に亘って設けておくと、管体(たとえば後述する内面被覆鋼管100)にスリーブ部3が内嵌合して上記リップ部9が管体の内面に圧接しそのリップ部9をバックアップ材12がバックアップしたときにスリーブ部3における薄肉の上記環状溝部11が内方に向けて押し出されて内向きに膨出変形するという事態が防止される。なお、スリーブ部3の内周面はその先端部近傍箇所において先拡がりテーパ面15になっている。
【0015】
図1の管端防食継手の継手本体1に内面被覆鋼管100をねじ込み、スリーブ部3をその内面被覆鋼管100に徐々に内嵌合させていくと、その途中の段階では、図3から類推できるように、内面被覆鋼管100の内面102に接触したシール用リップ部9の外周面が内面被覆鋼管100の内面102と周方向で擦れ合いながら軸方向に押される。これにより、シール用リップ部9が内面被覆鋼管100に追随して内方に向けて倒れ変形し、その倒れ変形に伴ってバックアップ材12がそれ自体の弾力性に抗して次第に押し潰される。この場合、シール用リップ部9が合成樹脂であることにより、内面被覆鋼管100の内面102とシール用リップ部9とが擦れ合うときの摺動抵抗は小さいので、そのシール用リップ9が内面被覆鋼管100の内面102に密着したまま軸方向に引き延ばされるといった事態は起こらない。
【0016】
図3および図4のように、内面被覆鋼管100を継手本体1に完全にねじ込んだ状態では、内面被覆鋼管100に追随して倒れ変形したシール用リップ部9がバックアップ材12を押し潰して環状溝部11がバックアップ材12で埋まり、しかもバックアップ材12はシール用リップ部9によって外方から覆われる。このため、シール用リップ部9がバックアップ材12によりバックアップされた状態で内面被覆鋼管100の内面102に密着し、内面被覆鋼管100の内面102とスリーブ部3との間の隙間の水密状態が確実に保たれるため、その隙間を通じて管端101や継手本体1側のテーパ内ねじ2の残りねじ部2aに水が浸入してそれらを発錆させるおそれはない。
【0017】
ところで、バックアップ材12はシール用リップ部9を裏側から弾性的に支えてそのシール用リップ部9を内面被覆鋼管100の内面102に強く押し付ける機能を持っているに過ぎず、たとえバックアップ材12に一般的にはシール材として用いられるOリングを用いたとしても、そのバックアップ材12を内面被覆鋼管100の内面102に接触させる必要はない。したがって、バックアップ材12に用いたOリングが引き延ばされたり引きちぎられたりするといった事態は生じる余地がない。
【0018】
図5および図6に示した実施例は、バックアップ材12の断面形状が図1のものと異なるだけであり、その他の構成や作用は図1のものと同じである。すなわち、図1の実施例に用いられているバックアップ材12は、その断面形状が円形であるのに対し、図6の実施例に用いられているバックアップ材12の断面形状はT字形であり、図7の実施例に用いられているバックアップ材12の断面形状は砲弾形である。なお、バックアップ材12の断面形状は図例以外の形状であってもよい。図5および図6において、図1と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0019】
【発明の効果】
本発明の管端防食継手によると、継手本体にねじ込んだ管体の内面に、バックアップ材の弾力によってバックアップされたシール用リップ部が接触して管体の内面とスリーブ部との隙間を水密状態に保つので、その隙間を通って管端まで水が浸入することがなくなり確実な管端防食効果が発揮される。
【0020】
また、本発明に係る管端防食継手によれば、管体を継手本体にねじ込んでいくときに、継手本体のスリーブ部に設けられた合成樹脂製の柔軟なシール用リップ部が上記管体の内面に接触し、このシール用リップ部の外周面が管体の内面と周方向で擦れ合いながら軸方向に押され管体に追随して倒れ変形する。この場合、シール用リップ部は合成樹脂製のスリーブ部に一体に設けられた合成樹脂製のものであるので、このシール用リップ部が管体の内面に密着しているとしても管体の内面と擦れ合うときの摺動抵抗は小さく、そのシール用リップが管体の内面に密着したまま軸方向に延び出すといった事態は起こらない。また、バックアップ材にOリングなどのゴムリングが用いられているとしても、このバックアップ材は、上記のように倒れ変形したシール用リップ部により覆われるので、バックアップ材が管体の内面と擦れ合って引き延ばされたり引きちぎられたりするといった事態を生じる余地がなくなる。したがって、管端防食信頼性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例による管端防食継手の部分断面図である。
【図2】 図2は図1のII部を拡大した断面図である。
【図3】 図1の管端防食継手の使用状態を示す部分断面図である。
【図4】 図3のIV部を拡大した断面図である。
【図5】 変形例によりバックアップ材を採用した管端防食継手の部分断面図である。
【図6】 他の変形例によりバックアップ材を採用した管端防食継手の部分断面図である。
【図7】 従来例の管端防食継手を示す部分断面図である。
【図8】 図8の管端防食継手の使用状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 継手本体
3 スリーブ部
9 シール用リップ部
12 バックアップ材
12a バックアップ材の外周面
14 リブ部
15 先拡がりテーパ面
100 内面被覆鋼管(管体)
102 内面被覆鋼管の内面
H シール用リップ部におけるバックアップ材の外周面からの突出長さ
Claims (1)
- 管体がねじ込まれる継手本体に、上記管体に内嵌合される合成樹脂製のスリーブ部が具備されてなる管端防食継手において、
上記スリーブ部の外周面に合成樹脂で作られた柔軟な環状のシール用リップ部が一体に設けられ、このリップ部の根元部分の内側に隣接して弾力性を備えたバックアップ材が上記スリーブ部に位置決めされた状態で嵌合状に保持されていると共に、上記リップ部が上記バックアップ材の外周面よりも径方向外方に張り出されており、このリップ部におけるバックアップ材の外周面からの突出長さが、継手本体にねじ込まれてきた上記管体の内面に接触して当該リップ部が追随することにより上記バックアップ材を押し潰しながらそのバックアップ材を覆って内方に倒れ込むことのできる長さになっており、かつ、そのバックアップ材を覆った状態に倒れ込んだリップ部が上記バックアップ材によりバックアップされた状態で上記管体の内面に密着することにより管体の内面とスリーブ部との間の隙間の水密性が保たれるとともに、上記バックアップ材が上記管体の内面に非接触状態になるよう構成されていることを特徴とする管端防食継手。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21268194A JP3731908B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 管端防食継手 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21268194A JP3731908B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 管端防食継手 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0875057A JPH0875057A (ja) | 1996-03-19 |
| JP3731908B2 true JP3731908B2 (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=16626655
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21268194A Expired - Lifetime JP3731908B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 管端防食継手 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3731908B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017180578A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 | 筐体のシール構造及びそれを備えた圧縮機 |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP21268194A patent/JP3731908B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0875057A (ja) | 1996-03-19 |
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