JP3740708B2 - 摺動装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、互いに対向する両側面部に斜面を有する案内軌条と、この案内軌条に跨設された摺動体とを具備した、いわゆるスライドシフタ等の摺動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
互いに対向する両側面部に斜面を有する案内軌条に摺動体を跨設し、摺動体と斜面との間に、摺動部材を介在せしめてなる摺動装置は、摺動体に、直動させるべき装置、例えばロボット等(以下被摺動体という)が取り付けられ、これを直動自在に支持するために使用される。そして、がたをなくして、被摺動体の正確な移動を確保するため、摺動部材は、一般に、摺動体にぴったりと取り付けられ、案内軌条に対しては、ほぼクリアランスなしに摺動自在に接触して設けられている。そして、横幅の大きい被摺動体を直動自在に支持させる場合には、図6に示すように、通常、一対の案内軌条1及び2を平行に配置して、案内軌条1及び2のそれぞれに摺動体3、3、・・を跨設し、摺動体3、3、・・上に基台4を取り付け、この基台4上に横幅の大きい被摺動体を配置する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように一対の案内軌条1及び2を平行に配置し、案内軌条1及び2のそれぞれに摺動体3、3、・・を跨設する場合、案内軌条1及び2の全案内領域において基台4を介して被摺動体を滑らかにA方向に直動自在に支持するためには、案内軌条1及び2並びに摺動体3、3、・・のそれぞれの製作精度に加えて、一対の案内軌条1及び2の取り付け精度が関与することとなり、案内軌条1及び2の取り付け精度、換言すれば、一対の案内軌条1及び2の平行度が悪いと、案内軌条1及び2の一方の端部5及び6側では、例えばその間隔7が広くなり、その他方の端部8及び9側では、その間隔10が間隔7よりも狭くなり、この間隔差が大きいと、端部5及び6側若しくは端部8及び9側のいずれかで、基台4を介して連結された摺動体3、3、・・の滑らかな移動ができなくなり、したがって案内軌条1及び2並びに摺動体3、3、・・のそれぞれ自体の製作精度が所望に得られていても、全案内領域において基台4を介して被摺動体を直動自在に支持することが困難となる。換言すれば、上記の従来の摺動装置では、所望の平行度を得るために、一対の案内軌条1及び2の取り付けに多くの時間と手間とを要することとなる。
【0004】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、一対の案内軌条の平行度が所望に得られない場合であっても、摺動体の移動を確保し得、而して被摺動体を直動自在に支持することができ、しかも一対の案内軌条の取り付け時間及び手間を低減し得る摺動装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば前記目的は、互いに対向する両側面部のそれぞれに斜面を有する案内軌条と、この案内軌条に跨設された摺動体とを具備しており、摺動体は、支持部及びこの支持部に一体的に形成されており、それぞれが案内軌条の斜面に対向して配された一対の脚部を具備した摺動本体と、案内軌条の各斜面に摺動自在に接触して各脚部に取り付けられた摺動部材とを具備しており、少なくとも一方の脚部とこれに取り付けられた摺動部材との間にばね手段を介在させてなる摺動装置によって達成される。
【0006】
本発明では、摺動体が、案内軌条の上面に摺動自在に接触して支持部に取り付けられた他の摺動部材を更に具備していてもよい。ばね手段は、好ましい例では、皿ばね又は板ばねからなるが、その他のばねであってもよい。板ばねとしては、短冊状であって、長手方向の両端部に山部を、この山部に挟まれて配された谷部をそれぞれ有したものであってもよく、この場合、山部の表面側を摺動部材に、谷部の裏面側を脚部にそれぞれ接触するようにして、当該短冊状の板ばねを摺動部材と脚部との間に介在させてもよい。谷部は、平坦であっても、又は鋭角状若しくは鈍角状に屈曲若しくは湾曲していてもよい。また、短冊状の板ばねは、谷部を複数個設けて形成してもよく、この場合、少なくとも中央の谷部は、平坦であっても、又は鋭角状若しくは鈍角状に屈曲若しくは湾曲していてもよい。なお、両脚部とこれにそれぞれ取り付けられた摺動部材との間に、それぞればね手段を介在させてもよい。
【0007】
ばね手段として短冊状の板ばねを用いる場合には、一例として、板厚0.4mm程度のばね用冷間圧延鋼帯(JIS G 4802 S55C−CSPB)を熱処理により硬度Hv380〜420とし、これを短冊状にプレス成形後、熱処理として焼鈍(350度〜450度 1時間)して得たものを挙げることができる。短冊状の板ばねのばね反力としては、変位1.00mm〜1.50mmにおいて5kgf〜20kgf程度のものが好ましい。
【0008】
【作用】
本発明の摺動装置では、摺動本体の各脚部に、ばね手段を介在させて摺動部材が取り付けられており、摺動体は、案内軌条の斜面に対する摺動部材の摺動により、案内軌条に案内されるように、移動可能である。そして少なくとも一方の摺動部材は、ばね手段を介在させて摺動本体の脚部に取り付けられているため、一対の案内軌条の取り付け精度にそれほど拘束されることなしに、ばね手段の伸縮により摺動体の案内軌条に対する滑動が保証される。
【0009】
次に本発明を、図に示す好ましい具体例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら具体例に何等限定されないのである。
【0010】
【具体例】
図1から図4において、本例の摺動装置21は、互いに対向する両側面部22及び23に斜面24及び25を有する案内軌条26と、案内軌条26に跨設された摺動体27とを具備している。
【0011】
案内軌条26は、滑らかな平坦な上面28とこれに隣接した上述の斜面24及び25とを有した断面逆三角形状の案内部29を基部30上に一体的に形成してなる。なお、案内部29としては、このような断面逆三角形状のものに限らず、例えば断面台形状のものであってもよい。
【0012】
摺動体27は、厚板状の支持部31、支持部31から一体的に下方に伸びて形成されており、それぞれが案内軌条26の斜面24及び25に対向して配された一対の脚部32及び33並びに支持部31、脚部32及び33のそれぞれに一体的に形成された補強リブ部34及び35を具備した摺動本体36と、案内軌条26の斜面24及び25の各々に摺動面37及び38が摺動自在に接触して脚部32及び33の各々に取り付けられた摺動部材39及び40と、案内軌条26の上面28に摺動自在に接触した摺動面材41が設けられており、ボルト42により支持部31に取り付けられた摺動部材43とを具備している。摺動部材39は、基部39aと、基部39aに固着された摺動面材39bとからなり、摺動面材39bの一方の面が摺動面37を構成している。摺動部材40も摺動部材39と同様に形成されている。
【0013】
少なくとも一方の脚部、本例では、両方の脚部32及び33とこれに取り付けられた摺動部材39及び40との間にはそれぞればね手段44及び45が配されており、ばね手段44は、短冊状の板ばね46からなり、長手方向の両端部47及び48に山部49を、山部49に挟まれて配された平坦な谷部50をそれぞれ有しており、山部49の表面51側が摺動部材39に、谷部50の裏面52側が脚部32に接触するように、摺動部材39と脚部32との間に介在されている。摺動部材39及び板ばね46は、脚部32の内面53に形成された凹所54に、それぞれ配されて位置決めされており、板ばね46の両端部47及び48は、基部39aに形成された凹所39cに、当該板ばね46の長手方向の弾性的伸長が可能なように、配されて位置決めされている。ばね手段45も、板ばね46と同様に形成された短冊状の板ばね55からなり、板ばね55は、板ばね46と同様にして摺動部材40と脚部33との間に介在されている。なお、板ばね46及び55は、摺動体27が案内軌条26に嵌装された状態で、若干伸張し得るように、摺動部材39と脚部32との間及び摺動部材40と脚部33との間にそれぞれ配されている。換言すれば、摺動部材39及び40は、対応の板ばね46及び55により弾性的にそれぞれ対面する斜面24及び25に向かって付勢されて、脚部32及び33に対して可動となるように、当該脚部32及び33にそれぞれ取り付けられている。
【0014】
摺動部材39、板ばね46及び脚部32には、貫通孔61、62及び63がそれぞれ形成されおり、貫通孔62及び63に緩く挿入されたスプリングピン64が貫通孔61に密に嵌着されて摺動部材39及び板ばね46は脚部32に保持されている。貫通孔63にはプラグ65が装着されている。摺動部材40及び板ばね55もまた、上記と同様に、貫通孔72及び73に緩く挿入されたスプリングピン74が貫通孔71に密に嵌着されて、脚部33に保持されおり、貫通孔73にはプラグ75が装着されている。
【0015】
以上のように形成された摺動装置21は、横幅の大きい被摺動体を直動自在に支持する場合には、案内軌条26に対応する図6に示すような案内軌条1及び2のそれぞれに複数の摺動体27が嵌装され、支持部31上に基台4が取り付けられて、用いられる。そして摺動装置21では、摺動部材39及び40が、対応の板ばね46及び55により弾性的にそれぞれ対面する斜面24及び25に向かって付勢されて、脚部32及び33に対して可動となるように、当該脚部32及び33にそれぞれ取り付けられているため、図6に示す案内軌条1及び2の一方の端部5及び6側で、その間隔7が広くなり、その他方の端部8及び9側で、その間隔10が間隔7よりも狭くなるように、すなわち平行度が悪く案内軌条1及び2が固定されたとしても、脚部32及び33に対する摺動部材39及び40のそれぞれの変位により、これを補償して案内軌条1及び2に対する摺動体27のA方向の滑動を保証するようになる。
【0016】
ところで、弾性手段の板ばねとしては、上記の板ばね46及び55に代えて、例えば、図5(a)又は(b)に示すような板ばね81又は82であってもよい。図5(a)に示す板ばね81は、短冊状であって、長手方向の両端部83及び84に滑らかに湾曲した山部85を、山部85に挟まれて配された滑らかに湾曲した谷部86をそれぞれ有しており、そして山部85の表面87側を摺動部材39(40)に、谷部86の裏面88側を脚部32(33)に接触させるようにして、板ばね81を摺動部材39(40)と脚部32(33)との間に介在させてもよく、図5(b)に示す板ばね82は、長手方向の両端部91及び92に滑らかに湾曲した山部93を、山部93に挟まれて配された滑らかに湾曲した複数の谷部94をそれぞれ有しており、そして山部93の表面側95を摺動部材39(40)に、中央の谷部94の裏面96側を脚部32(33)に接触させるようにして、板ばね82を摺動部材39(40)と脚部32(33)との間に介在させてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、一対の案内軌条の平行度が悪い場合であっても、摺動体の移動を確保し得、而して被摺動体を直動自在に支持することができ、しかも一対の案内軌条の取り付け時間及び手間を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の好ましい一具体例の一部破断斜視図であり、(b)は、本一具体例に用いられている板ばねの詳細斜視図である。
【図2】図1に示す一具体例のII−II線断面図である。
【図3】図1に示す一具体例に用いられている板ばねの詳細図である。
【図4】図2に示すIV−IV線断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明に用いることができる板ばねの他の例の詳細図である。
【図6】従来の摺動装置の説明図である。
【符号の説明】
21 摺動装置
24、25 斜面
26 案内軌条
27 摺動体
31 支持部
32、33 脚部
36 摺動本体
39、40 摺動部材
44、45 ばね手段
Claims (7)
- 互いに対向する両側面部のそれぞれに斜面を有する案内軌条と、この案内軌条に跨設された摺動体とを具備しており、摺動体は、支持部及びこの支持部に一体的に形成されており、それぞれが案内軌条の斜面に対向して配された一対の脚部を具備した摺動本体と、案内軌条の各斜面に摺動自在に接触して各脚部に取り付けられた摺動部材とを具備しており、少なくとも一方の脚部とこれに取り付けられた摺動部材との間に板ばねからなるばね手段を介在させてなり、摺動部材、板ばね及び脚部には貫通孔がそれぞれ形成されており、板ばね及び脚部の各貫通孔に緩く挿入されたスプリングピンが摺動部材の貫通孔に密に嵌着されて摺動部材及び板ばねは脚部に保持されている摺動装置。
- 摺動体は、案内軌条の上面に摺動自在に接触して支持部に取り付けられた他の摺動部材を更に具備している請求項1に記載の摺動装置。
- 板ばねは、短冊状であって、長手方向の両端部に山部を、この山部に挟まれて配された谷部をそれぞれ有しており、山部の表面側が摺動部材に、谷部の裏面側が脚部にそれぞれ接触するように、摺動部材と脚部との間に介在されている請求項1又は2に記載の摺動装置。
- 谷部は、平坦であり、又は屈曲若しくは湾曲している請求項3に記載の摺動装置。
- 板ばねは、短冊状であって、長手方向の両端部に山部を、この山部に挟まれて配された複数の谷部をそれぞれ有しており、山部の表面側が摺動部材に、中央の谷部の裏面側が脚部にそれぞれ接触するように、摺動部材と脚部との間に介在されている請求項1又は2に記載の摺動装置。
- 少なくとも中央の谷部は、平坦であり、又は屈曲若しくは湾曲している請求項5に記載の摺動装置。
- 両脚部とこれにそれぞれ取り付けられた摺動部材との間に、それぞればね手段を介在させてなる請求項1から6のいずれか一項に記載の摺動装置。
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