JP3742246B2 - ライブラリ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、多数の記録媒体を保管し、かつその記録媒体のデータを記録、再生するライブラリ装置を制御するためのライブラリ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンピュータで処理される大量のデータの保存には、磁気テープや光ディスクなどを用いて行われている。この磁気テープなどの保管には、ライブラリ装置と呼称される完全自動化された保管装置が用いられている。
【0003】
上記ライブラリ装置では、磁気テープなどが保管される格納庫と、磁気テープなどのデータを記録、再生する記録再生装置(以下「ドライブ」という)とが備えられ、両者の間の磁気テープなどの搬送は、アクセッサと呼称されるロボットによって行われている。
【0004】
図6は、このライブラリ装置を含むライブラリシステムの回路ブロック図である。ライブラリ装置Lは、この装置の動作を統括的に制御するホストコンピュータ1に接続されており、ホストコンピュータ1とのインターフェースを司るホストI/F部2と、これに接続されたメカ制御部3と、これに接続されたアクセッサ制御部4と、ホストコンピュータ1に直接接続されたドライブ5とを備えている。
【0005】
ホストコンピュータ1は、ライブラリ装置Lを動作させる場合、所定のコマンド(以下「上位コマンド」という)をライブラリ装置Lに対して発行する。図7は、ホストコンピュータ1とライブラリ装置Lとの間の通信シーケンスフローを示す図である。同図によると、ホストコンピュータ1は、メカ制御部3にホストI/F部2を介して上位コマンドを送ると、メカ制御部3では、上位コマンドを複数の動作コマンド(同図A,B,C,D参照)に分け、この動作コマンドを順次、アクセッサ制御部4に与える。
【0006】
アクセッサ制御部4は、上記アクセッサに備えられ、アクセッサは、上記動作コマンドに基づいて、それらに対応した動作を行い、格納庫とドライブ5との間で磁気テープを搬送する。アクセッサ制御部4は、アクセッサの動作終了毎にその旨の応答信号をメカ制御部3に返送する。
【0007】
メカ制御部3では、動作コマンド毎に、応答信号が返信されるべき所定時間(以下「処理制限時間」という)が固定値として予め決められており、処理制限時間内に応答信号が返信されない場合は、エラーと認識し、その旨をホストコンピュータ1に送る。
【0008】
また、メカ制御部3は、全ての動作コマンドに対応する応答信号が返送されると、上位コマンドに対応した動作が終了したことを認識する。そして、ホストI/F部2を介してホストコンピュータ1に上位コマンドによる動作が終了した旨の処理終了信号を送る。
【0009】
ホストコンピュータ1は、上位コマンドをメカ制御部3に発行した後、これから返送される処理終了信号を上位コマンド毎に監視し、所定時間(以下「上位制限時間」という)tlmt 内に処理終了信号が返送されない場合、タイムアウトエラーと認識する。
【0010】
ここで、アクセッサ制御部4は、アクセッサの個々の動作コマンドによる動作においてエラーが発生すると、アクセッサにリトライ動作を行わせる。図7のフローは、アクセッサの動作が全てリトライ動作なしで終了した場合を示し、上位コマンドが発行されてから処理終了時間が返送されるまでの処理時間tall は、制限時間tlmt 内である。
【0011】
制限時間tlmt は、ある程度のリトライ動作を考慮した値に予め設定されるが、全ての動作コマンドに対してリトライ動作が行われ、エラーリカバリーされることを考慮して設定されると、制限時間tlmt は、非現実的な非常に大きな値となり、ライブラリ装置Lの全体的な制御に支障をきたすおそれがある。そこで、制限時間tlmt には、実際の制御に即した値、たとえば、全ての動作コマンドのうち1つの動作コマンドについてリトライ動作が行われることを考慮した値を設定する場合が多い。
【0012】
しかしながら、図8に示すように、アクセッサの動作において、複数の動作コマンドによる動作に対してリトライ動作が行われた場合、全体の処理時間tall は、制限時間tlmt を上回ってしまい、制限時間tlmt 内での処理の終了が不可能となり、タイムアウトとなることがある。同図は、動作コマンドA,Bに対して、リトライ動作が行われた場合を示す。
【0013】
すなわち、tlmt <tea+teb+tmc+tmdとなる。ここで、teaおよびtebは、動作コマンドAおよび動作コマンドBのリトライ動作に要した時間、tmcおよびtmdは、動作コマンドCおよび動作コマンドDの動作に最低必要な時間とする。
【0014】
ホストコンピュータ1では、上記のようにタイムアウトエラーを認識すると、当該アクセッサが使用できない状態にあると認識してしまうので、以降のライブラリ装置Lの制御に大きな弊害をもたらすことになる。
【0015】
また、同図によれば、動作コマンドC,Dによる動作が正常に終了すると仮定しても、動作コマンドAおよび動作コマンドBによるリトライ動作によって、全体としての処理時間tall はタイムアウトとなり、ホストコンピュータ1では、どの動作コマンドによる動作において、エラーが発生したのかが認識できず、エラー原因の究明が困難であるといった問題が発生する。
【0016】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、複数の動作コマンドによる動作においてリトライ動作が行われた場合でも、タイムアウトエラーを発生させることなく安定した制御を行うことのできるライブラリ制御装置を提供することを、その課題とする。
【0017】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0018】
本願発明の第1の側面によれば、複数の記録媒体を保管する格納庫と、記録媒体にデータを記録、再生する記録再生装置と、格納庫と記録再生装置との間で記録媒体を搬送する搬送装置とを有するライブラリ装置を制御するライブラリ制御装置であって、上位装置からの第1指示信号を複数の第2指示信号に分けて下位装置に順次供給する供給手段と、下位装置に各第2指示信号を供給するときに、第1指示信号の種類毎に予め決められた制限時間に至るまでの残り時間に基づいて、供給する第2指示信号に対する処理制限時間を設定する設定手段とを備えたことを特徴とする、ライブラリ制御装置が提供される。
【0019】
好ましい実施の形態によれば、複数の第2指示信号のうち供給手段によって下位装置に未だ供給されていない第2指示信号に基づく下位装置の最小処理時間の合計が残り時間を越えるか否かを判別する判別手段と、判別手段によって最小処理時間の合計が残り時間を越えると判別されたときに、上位装置にその旨を通知する通知手段とを有する。
【0020】
他の好ましい実施の形態によれば、設定手段は、処理制限時間を、残り時間に予め決められた所定の係数を乗じて算出する。
【0021】
他の好ましい実施の形態によれば、設定手段は、処理制限時間を、残り時間に過去における第2指示信号に基づく下位装置の処理時間の実績に応じた係数を乗じて算出する。
【0022】
他の好ましい実施の形態によれば、設定手段は、処理制限時間を、残り時間に外部から指示された係数を乗じて算出する。
【0023】
他の好ましい実施の形態によれば、下位装置は、搬送装置の動作を制御する搬送制御装置であり、設定手段は、各第2指示信号に基づく搬送装置の動作時間を計時する計時手段と、この計時手段による計時時間と制限時間とに基づいて残り時間を算出する算出手段とを有する。
【0024】
他の好ましい実施の形態によれば、設定手段は、第2指示信号に基づく搬送装置の動作が、初期停止位置から動作を行うべき所定位置までの移動を含むものである場合、処理制限時間を、残り時間に初期停止位置から所定位置までの搬送装置の移動時間に応じた係数を乗じて算出する。
【0025】
本願発明によれば、上位装置からの第1指示信号を受けると第1指示信号を複数の第2指示信号に分け、それらを下位装置に供給し、第1指示信号の制限時間に至るまでの残り時間に基づいて、第2指示信号に対する処理制限時間を設定する。そのため、たとえば、従来の構成のように、処理制限時間が固定値になっていたために、複数の動作コマンドに対するリトライ動作が発生した場合、第1指示信号の制限時間を越えてしまい、上位装置においてタイムアウトエラーを認識する、ということがない。したがって、安定した制御を行うことができる。
【0026】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、従来の技術の欄で説明した同じ機能を有するものについては、同符号を記す。
【0028】
図1は、本願発明に係るライブラリ装置の外観斜視図であり、図2は、図1に示すライブラリ装置の内部構成を示す外観図である。このライブラリ装置Lは、、磁気テープなどのカートリッジ式記憶媒体を保管する保管装置であり、複数の筐体(以下「フレーム」という)6を備えている。
【0029】
各フレーム6には、多数の磁気テープを格納する保存棚を有する格納庫7、磁気テープのデータを記録、再生する多数のドライブ5、およびオペレータが磁気テープをライブラリ装置Lに搬入する、あるいはライブラリ装置Lから搬出するための窓口となるCAS(Cartridge Access Station)8などがそれぞれ設けられている。なお、上記磁気テープに代わり、光ディスクやその他の記録媒体が格納庫7に格納されていてもよく、光ディスクが格納される場合、ドライブ5は光ディスク用のドライブが適用される。
【0030】
また、ライブラリ装置Lの内部には、格納庫7とドライブ5とCAS8との相互間で磁気テープを搬送するためのアクセッサ9が備えられている。
【0031】
アクセッサ9は、ライブラリ装置L内の図示しないレール上を走行するための走行駆動部11、磁気テープなどを掴むための掴み部12、掴み部12を略円柱状の支持棒13に沿って上下方向に移動させる上下駆動部14を備え、上下駆動部14は、フレーム6の内側面に設けられた格納庫7に保管されている磁気テープを掴むために、掴み部12を平面視で約180°回転自在に移動させる首振り機能と、掴み部12を手前または奥行き方向に進退自在に移動させる進退機能とを備えている。
【0032】
上記各部には、後述する動作コマンドの内容に対応して動作するモータがそれぞれ備えられている。なお、アクセッサ9は、作業のないときガレージフレーム15と呼称されるフレーム内に退避する。また、アクセッサ9は、リトライ動作が発生したとき、リトライ動作の最初に一旦ガレージフレーム15に退避する。また、アクセッサ9は、同図のように1台に限らない。
【0033】
ライブラリ装置Lは、図6に示したように、ホストコンピュータ1とのインターフェースを司るホストI/F部2と、これに接続されたメカ制御部3と、これに接続されたアクセッサ制御部4と、ホストコンピュータ1に直接接続されたドライブ5とを備えている。
【0034】
なお、ここでは、ホストコンピュータ1が特許請求の範囲に記載の上位装置に、メカ制御部3がライブラリ制御装置に、アクセッサ制御部4が下位装置にそれぞれ対応している。
【0035】
ホストコンピュータ1は、ライブラリ装置Lの動作を統括的に制御するものであり、制御用のソフトウェアが搭載されている。ホストコンピュータ1は、ライブラリ装置Lを動作させる場合、上位コマンドをライブラリ装置Lに対して発行する。
【0036】
ホストコンピュータ1は、所定のコマンドをメカ制御部3に発行後、これらから返送される処理終了信号をコマンド毎に監視し、上位制限時間内に処理終了信号が通知されない場合、タイムアウトエラーと認識する。
【0037】
メカ制御部3は、ホストコンピュータ1から発行される上位コマンドを複数の動作コマンドに分け、この動作コマンドを順次、アクセッサ制御部4に与える。メカ制御部3は、アクセッサ制御部4からの応答信号が処理制限時間内に返送されない場合、ホストコンピュータ1に対してエラーが発生した旨の信号を送る。
【0038】
また、メカ制御部3は、上位コマンドに対するアクセッサ制御部4の動作が全て終了したとき、ホストI/F部2を介してホストコンピュータ1に対して上位コマンドに応じた動作が終了した旨の処理終了信号を送る。
【0039】
アクセッサ制御部4は、アクセッサ9を接続し、メカ制御部3からの動作コマンドに基づいて、アクセッサ9に対して動作の指示を出す。アクセッサ9は、これにより所定の動作を行う。このとき、アクセッサ9は、何らかの動作エラーが発生すれば、正常動作を終えるまでリトライ動作を行う。そして、所定の動作が終了すれば、動作コマンド毎に応答信号をアクセッサ制御部4を介してメカ制御部3に返す。
【0040】
また、ドライブ5は、ホストコンピュータ1からのコマンドに基づいて、直接制御され、磁気テープのデータを記録、再生する。ドライブ5は、その動作が終了したとき、ホストコンピュータ1に対して動作が終了した旨の処理終了信号を送る。
【0041】
なお、ホストコンピュータ1は、ドライブ5に対しても、所定のコマンドを発行するようにし、上記のような上位制限時間を設けるようにしてもよい。また、メカ制御部3は、上述したCAS8に接続され、CAS8を制御するように構成されていてもよい。
【0042】
図3は、メカ制御部3が行う処理動作を示すフローチャートである。図4は、複数の動作コマンドによる動作においてリトライ動作が発生したときの、ホストコンピュータ1とライブラリ装置Lとの間の通信シーケンスフローを示す図である。以下、メカ制御部3の処理動作を、図3,4を参照して説明する。
【0043】
まず、メカ制御部3は、ホストコンピュータ1から発行される上位コマンドをホストI/F部2を介して受信すると(S1)、その上位コマンドに付加されたそのコマンドにおける上位制限時間tlmt を認識する(S2)。
【0044】
次いで、メカ制御部3は、アクセッサ9の動作毎に、4個の動作コマンドA,B,C,Dに分ける(S3)。なお、動作コマンドの分割数は、4個に限らず、ホストコンピュータ1から送られる上位コマンドの内容に応じて、その分割数が決定される。
【0045】
次に、メカ制御部3は、動作コマンドによる動作において実際にかかった実行時間の合計を算出する(S4)。もちろん、メカ制御部3が、未だ動作コマンドをアクセッサ制御部4に与えていない場合は、実行時間は「0」である。
【0046】
メカ制御部3は、ステップS4で算出した実行時間の合計の値に基づいて、上位制限時間tlmt までの残り時間を算出する(S5)。具体的には、上位制限時間tlmt から実行時間を差し引くことにより残り時間を求める。たとえば、図4に示すように、動作コマンドA,Bによる動作を行い、それぞれの実行時間がteaおよびtebであるとき、残り時間tr は、tlmt −(tea+teb)によって求められる。メカ制御部3は、この残り時間tr のうちに、ホストコンピュータ1に対して処理終了信号を送ることができれば、ホストコンピュータ1ではタイムアウトエラーを認識せずに済む。
【0047】
そして、上記残り時間tr に基づいて、残りの動作コマンドC,Dを上位制限時間tlmt までに実行し終えるか否かの判別を行う(S6)。すなわち、残りの各動作コマンドC,Dの実行予想時間は、動作の内容に基づいて予め決められている。そのため、上記残り時間tr の値から各動作コマンドC,Dの実行予想時間の合計の値を差し引き、その差し引いた値が正の値であれば、残りの動作コマンドC,Dを上位制限時間tlmt までに実行し終えると判別し(S6:YES)、ステップS7に進む。なお、上記実行予想時間は、リトライ動作の時間を考慮した時間であってもよいし、リトライ動作の時間を含んでいない、動作に最低必要な時間(最小処理時間)であってもよい。
【0048】
一方、上記差し引いた値が負の値であれば、残りの動作コマンドC,Dを上位制限時間tlmt までに実行し終えることはできないと判別する(S6:NO)。次いで、メカ制御部3は、上位コマンドに対する動作が実行不可能であるとして、ホストコンピュータ1に対してその旨を通知する(S8)。この場合、メカ制御部3は、どの動作コマンドにおいてリトライ動作が発生したかを示す内容を含む通知を、ホストコンピュータ1に対して行うことが望ましい。その後、メカ制御部3は、以降の動作コマンドC,Dをアクセッサ制御部4に対して送らない。
【0049】
ホストコンピュータ1では、この通知をメカ制御部3から受けると、発行した上位コマンドに対する動作において、エラーが発生したと認識する。そして、エラーが発生したことを図示しないコンソールに表示したり、エラーを記憶するためのログファイルにエラーの発生時間、内容などを格納する。
【0050】
このように、メカ制御部3は、複数の動作コマンドによる動作が上位制限時間内に処理できるか否かを判別し、処理できないと判別すれば、ホストコンピュータ1にその旨を通知する。したがって、ホストコンピュータ1では、エラーが発生したことを確実にかつ早期に認識できるので、タイムアウトエラーになることを防止することができる。したがって、タイムアウトになってアクセッサ9を使用不可と認識することがなくなるので、安定した制御を行い得る。
【0051】
また、ホストコンピュータ1に対する通知に、どの動作コマンドにおいてリトライ動作が発生したかを示す内容を含ませれば、アクセッサ9のどの動作においてエラーが発生したのかを認識することができるので、エラーの原因究明が容易となる。
【0052】
さらに、メカ制御部3においては、ホストコンピュータ1にエラーの通知をした後、アクセッサ制御部4に対して無駄な動作コマンドの発行を行う必要がなくなるので、処理時間の短縮化が図れる。
【0053】
ステップS6において、残りの動作コマンドC,Dが上位制限時間tlmt までに実行を終えると判別した場合、メカ制御部3は、残り時間tr を配分して、各動作コマンドC,D毎に処理制限時間を設定する(S7)。たとえば、残り動作コマンドがC,Dの2個である場合、残り時間tr を2等分して、それぞれを各動作コマンドC,Dの処理制限時間とする。
【0054】
メカ制御部3は、各動作コマンドC,D毎に処理制限時間を設定した後、次の動作コマンドCをアクセッサ制御部4に対して発行する(S9)。同時に、その動作コマンドCを発行したときから応答信号を受け取るまでの経過時間を計時するために、図示しないタイマーをスタートさせる。上記動作コマンドCを受けたアクセッサ9は、動作コマンドCの内容に応じた動作を行い、動作が終了すれば、メカ制御部3に対して、アクセッサ制御部4を介して動作が終了した旨の応答信号を返す。
【0055】
メカ制御部3は、アクセッサ制御部4からこの応答信号を受けると(S10)、動作コマンドCを発行したときから応答信号を受け取るまでの経過時間を認識する(S11)。
【0056】
次に、メカ制御部3は、全ての動作コマンドを発行したか否かの判別処理を行い(S12)、残り動作コマンドがある場合(S12:NO)、ステップS4の処理に戻る。そして、ステップS4において、実行済みの全ての動作コマンドの実行時間を加算して、上位制限時間から残り時間を算出する。このように、各動作コマンド毎の処理制限時間の設定は、動作コマンドを実行する毎に行われる。
【0057】
一方、残り動作コマンドがない場合(S12:YES)、動作コマンドの発行処理を終了し、ホストコンピュータ1に対して処理終了信号を通知する(S13)。
【0058】
このように、本実施形態によれば、従来の構成では、処理制限時間が固定値になっており、複数の動作コマンドに対するリトライ動作が発生した場合に、ホストコンピュータ1ではタイムアウトエラーを認識していたが、上位制限時間から動作コマンドによる動作の実行時間を差し引いた残り時間に基づいて、以降の動作コマンドの処理制限時間を適当な値に設定するので、タイムアウトエラーになることを防止できる。
【0059】
また、たとえば、残り時間が多い場合には、各動作コマンドの処理制限時間を長く設定することができる。そのため、動作コマンドによる動作においてリトライ動作が発生しても、処理制限時間に余裕があるので、復旧する可能性を高くすることができる。したがって、動作の安定性を図ることができる。
【0060】
図5は、ステップS7における動作コマンドの処理制限時間の設定の一例を示す図である。同図によると、(a) は、動作コマンドの処理制限時間を上位制限時間(残り時間でもよい)に対して50%ずつ割り当てた場合を示す。すなわち、上位制限時間が10分とすれば、動作コマンドAの処理制限時間を、10分の50%である5分に設定する。そして、動作コマンドBの処理制限時間は、2.5分に、動作コマンドCおよびDの処理制限時間は、1.25分にそれぞれ設定する。なお、動作コマンドAの実際の動作が終了したとき、残り時間は必ず10分を下回っているので、動作コマンドAの処理制限時間を5分に設定したときの、動作コマンドB,C,Dの処理制限時間の設定は、その時点では特に意味をなさない。
【0061】
このように、直後に行う動作コマンドの処理制限時間を、後から行う動作コマンドの処理制限時間より比較的長く設定することにより、直後に行う動作コマンドによる動作では、時間の許す範囲でリトライ動作が可能となるため、異常な状態から復旧できる可能性が高くなる。そのため、即座にタイムアウトを判別してホストコンピュータ1に通知する可能性を低くすることができ、制御の円滑化を図ることができる。
【0062】
なお、残り時間に対する動作コマンドの処理制限時間の割合は、上記のように、50%に限らず、動作の内容に応じて、つまりリトライ動作の発生する可能性の高い動作には上記配分を高くするというように、設定値を変更するようにしてもよい。
【0063】
また、(b) は、動作コマンドAの実際の動作が2分かかったときの、処理制限時間を割り当てた場合を示す。動作コマンドAの実際の動作が2分であるので、残り時間は8分となる。この場合、動作コマンドBの処理制限時間を8分の50%である4分に設定する。そして、動作コマンドC,Dの処理制限時間は、2分にそれぞれ設定する。
【0064】
このように、直後に行う動作がリトライ動作なしで終了すれば、以降の動作コマンドの処理制限時間に余裕ができ、上記制限時間を有効に使用することができる。
【0065】
なお、上記のような各動作コマンドの処理制限時間の設定は、メカ制御部3において行われるだけでなく、ホストコンピュータ1において行い、メカ制御部3に対して指示するようにしてもよい。また、上位コマンドを複数の動作コマンドに分ける処理は、ホストコンピュータ1において行われてもよい。
【0066】
また、メカ制御部3では、各動作コマンドに対する過去の動作時間を統計的に求めておくようにし、これらの値から動作コマンドの処理制限時間を設定するようにしてもよい。たとえば、ある動作コマンドによる動作時間において、エラーの発生する、つまりリトライ動作の発生する頻度が高い場合は、処理制限時間を長く設定する。また、逆にエラーの発生する頻度の低い場合は、処理制限時間を短く設定する。
【0067】
このように、動作コマンドの処理制限時間の設定を過去の実績に基づいて行う、いわゆる学習機能をメカ制御部3にもたせることにより、エラーの発生しやすい傾向のある動作については、リトライ動作のための時間を長くとるようにして、エラーから復旧する可能性を高くすることができる。
【0068】
ところで、通常、動作異常時のリトライ動作には、所定のイニシャライズ動作が含まれる。すなわち、たとえば、動作コマンドによる動作がフレーム6内の所定位置で行われる場合、アクセッサ9は、リトライ動作の度ごとにホームポジション(通常、ガレージフレーム15)に戻る。そのため、リトライ動作を繰り返した場合に、アクセッサ9の動作がガレージフレーム15の近傍で行われる場合と、ガレージフレーム15の遠方で行われる場合とでは、動作時間が大幅に異なる。すなわち、ガレージフレーム15の遠方で行う動作では、多くの時間を必要とするが、ガレージフレーム15の近傍で行う動作では、それほどの時間を必要としない。
【0069】
そこで、アクセッサ9が動作を行う場所に基づいて、動作コマンドの処理制限時間を適当な値に設定するようにする。具体的には、動作コマンドによる動作がガレージフレーム15の遠方で行なわれる場合には、動作コマンドの処理制限時間を比較的長くとるようにする。一方、動作コマンドによる動作がガレージフレーム15の近傍で行なわれる場合には、動作コマンドの処理制限時間を比較的短くとるようにし、ガレージフレーム15からの距離が短いほど、処理制限時間を短く設定する。
【0070】
このようにすれば、アクセッサ9の動作位置がガレージフレーム15から遠い場合、リトライ動作が繰り返し行われても、処理制限時間内でリトライ動作を行い得る可能性が高くなり、さらに、場所におけるリトライ動作時間の格差を少なくすることができる。
【0071】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態においては、ライブラリ制御装置としてのメカ制御部3がライブラリ装置L内に組み込まれた構成としたが、メカ制御部3がライブラリ装置Lの外部に設けられてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、アクセッサに対する動作コマンドに関して、上述した処理を適用したが、アクセッサ以外の他の機器、たとえば、ドライブやCASなどに対するコマンドに関して適用させてもよい。この場合、動作コマンドは、さらに複数のコマンドに分けられて、同様な処理を行ってもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、第1指示信号の制限時間に至るまでの残り時間に基づいて、第2指示信号に対する処理制限時間を設定するので、従来の構成のように、処理制限時間が固定値になっていたために、複数の第2指示信号に対するリトライ動作が発生した場合、上位装置においてタイムアウトエラーを認識する、といったことがない。したがって、ライブラリ装置の制御の安定性を図ることができる。
【0074】
また、上位装置に対する通知に、どの動作指示信号による動作においてリトライ動作が発生したかを示す内容を含ませれば、上位装置においてどの動作においてエラーが発生したのかを認識することができるので、エラーの原因究明が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るライブラリ制御装置に制御されるライブラリ装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示すライブラリ装置の内部構成を示す外観図である。
【図3】アクセッサ制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】ホストコンピュータとライブラリ装置との間の通信シーケンスフローを示す図である。
【図5】各動作コマンドの処理制限時間の配分を示した図である。
【図6】ライブラリ装置の回路ブロック図である。
【図7】ホストコンピュータとライブラリ装置との間の通信シーケンスフローを示す図である。
【図8】ホストコンピュータとライブラリ装置との間の通信シーケンスフローを示す図である。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ
3 メカ制御部
4 アクセッサ制御部
5 ドライブ
6 フレーム
7 格納庫
9 アクセッサ
15 ガレージフレーム
L ライブラリ装置
tlmt 上位制限時間
tr 残り時間
Claims (7)
- 複数の記録媒体を保管する格納庫と、
前記記録媒体にデータを記録、再生する記録再生装置と、
前記格納庫と前記記録再生装置との間で前記記録媒体を搬送する搬送装置とを有するライブラリ装置を制御するライブラリ制御装置であって、
上位装置からの第1指示信号を複数の第2指示信号に分けて下位装置に順次供給する供給手段と、
前記下位装置に前記各第2指示信号を供給するときに、前記第1指示信号の種類毎に予め決められた制限時間に至るまでの残り時間に基づいて、供給する第2指示信号に対する処理制限時間を設定する設定手段とを備えたことを特徴とする、ライブラリ制御装置。 - 前記複数の第2指示信号のうち前記供給手段によって前記下位装置に未だ供給されていない第2指示信号に基づく前記下位装置の最小処理時間の合計が前記残り時間を越えるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって前記最小処理時間の合計が前記残り時間を越えると判別されたときに、前記上位装置にその旨を通知する通知手段とを有する、請求項1に記載のライブラリ制御装置。 - 前記設定手段は、前記処理制限時間を、前記残り時間に予め決められた所定の係数を乗じて算出する、請求項1または2に記載のライブラリ制御装置。
- 前記設定手段は、前記処理制限時間を、前記残り時間に過去における前記第2指示信号に基づく前記下位装置の処理時間の実績に応じた係数を乗じて算出する、請求項1または2に記載のライブラリ制御装置。
- 前記設定手段は、前記処理制限時間を、前記残り時間に外部から指示された係数を乗じて算出する、請求項1または2に記載のライブラリ装置。
- 前記下位装置は、前記搬送装置の動作を制御する搬送制御装置であり、
前記設定手段は、前記各第2指示信号に基づく前記搬送装置の動作時間を計時する計時手段と、この計時手段による計時時間と前記制限時間とに基づいて前記残り時間を算出する算出手段とを有する、請求項1ないし5のいずれかに記載のライブラリ制御装置。 - 前記設定手段は、
前記第2指示信号に基づく前記搬送装置の動作が、初期停止位置から動作を行うべき所定位置までの移動を含むものである場合、
前記処理制限時間を、前記残り時間に前記初期停止位置から前記所定位置までの前記搬送装置の移動時間に応じた係数を乗じて算出する、請求項6に記載のライブラリ制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07886599A JP3742246B2 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | ライブラリ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07886599A JP3742246B2 (ja) | 1999-03-24 | 1999-03-24 | ライブラリ制御装置 |
Publications (2)
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