JP3768723B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インジェクタの噴射燃料の燃圧および弁体の開弁駆動時間を制御して運転状態に応じた燃料量を内燃機関に供給する燃料噴射制御装置に関し、特にインジェクタの弁体の開閉時の動作時間を短縮して燃料制御量のダイナミックレンジを拡大させた燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、たとえば筒内噴射式の車両用内燃機関の燃料噴射制御装置においては、特開平9−209807号公報などに参照されるように、インジェクタの弁体(電磁弁)が内開き方式により構成されている。
【0003】
このように筒内噴射方式の燃料噴射制御装置においては、通常の吸気管噴射方式の場合と比べて、燃料噴射時期の制約が厳しく、また、良好な混合気を形成するための噴射時間の制約などが厳しいので、噴射燃料の燃圧を高く設定する必要がある。
【0004】
また、燃圧を設定する際には、車両の最大負荷時の燃料噴射量(最大噴射量)と、アイドル時の成層燃焼運転による最小噴射量とを考慮して、燃料制御量のダイナミックレンジを確保する必要がある。
【0005】
燃料制御量のダイナミックレンジを確保するためには、燃圧を可変設定する方法が考えられる。
このように燃圧を可変設定する方法は、インジェクタからの燃料噴射時に最適な噴霧状態を実現するためにも有効と考えられる。
【0006】
また、上述したように、内開き方式の弁体構成を有するインジェクタを用いた場合、噴射燃料の燃圧は、弁体を閉弁する方向に作用するので、最大燃圧時に所望の開弁動作ができるようにインジェクタの弁体を設計する必要がある。
【0007】
さらに、インジェクタの噴射パルス時間(弁体の開弁駆動時間)に対する噴射量の直線性(燃料制御量のダイナミックレンジ)を拡大するためには、インジェクタの弁体のオンオフ時の動作時間を短縮して、弁体を高精度に開閉制御する必要がある。
【0008】
したがって、インジェクタの弁体開弁(オン)時においては、インジェクタ駆動手段により、インジェクタの弁体駆動用の電磁コイルに所定の過励磁電流を急峻な勾配で供給するとともに、弁体のオン動作がほぼ完了するまでの期間にわたって、過励磁電流の供給を確保する必要がある。
【0009】
一方、弁体のオン動作が完了した後は、電磁コイルの電磁的吸引力が大きくなるので、インジェクタの弁体の全開状態を保持するためには、過励磁電流よりも小さい必要最小限の保持電流を電磁コイルに供給すればよい。
【0010】
しかしながら、上記公報などに記載された従来装置においては、使用範囲内の最大燃圧に適合させて過励磁電流および保持電流を設定しているので、燃圧が可変範囲内の低い側に制御された場合においても、最大燃圧時の過励磁電流(および保持電流)が設定されることになる。
【0011】
したがって、たとえば最小の燃料噴射量を安定に制御する場合には、燃圧を低い側に設定し、且つ電磁コイルの励磁時間をインジェクタの弁体オン時間にできるだけ接近させる必要があるが、過励磁期間が最大値(一定)に設定されているので、励磁時間が過励磁期間よりも短くなるおそれがある。
【0012】
この場合、保持電流の供給期間が実質的になくなってしまい、過励磁電流による電磁吸引状態からオフ状態に移行することになる。
したがって、実質的なインジェクタの弁体の開弁時間が長くなり、安定に噴射可能な最小燃料量の絶対値が大きくなるので、燃料制御量のダイナミックレンジが小さくなってしまう。
【0013】
なぜなら、前述の通り、燃料制御量のダイナミックレンジを大きくするためにはインジェクタの弁体オフ時間を短縮する必要があるのに対して、弁体の吸引に必要最小限電流(保持電流)の供給状態からオフした場合と比べて、過励磁電流(>保持電流)の供給状態からオフした場合には、弁体オフ動作の初動が遅れるからである。
【0014】
図4は従来の燃料噴射制御装置によるインジェクタの制御動作を示す波形図であり、インジェクタの弁体開弁駆動時間に対応した噴射パルスJと、電磁コイルに供給される励磁電流iと、インジェクタの弁体開度θとの関係を示している。
【0015】
また、図4内の各波形において、実線はエンジン負荷が大きい(燃料噴射量が大きく燃圧が高い)場合、破線はエンジン負荷が小さい(燃料噴射量が少なく燃圧が低い)場合の時間変化をそれぞれ示している。
【0016】
図4において、噴射パルスJは、運転状態に応じて図示しないECU(電子式制御ユニット)から生成され、たとえばエンジン負荷が大きい場合には比較的長いパルス幅t1(実線参照)に設定され、エンジン負荷が小さい場合には比較的短いパルス幅t2(破線参照)に設定される。
【0017】
励磁電流iは、電磁コイルの励磁開始初期の過励磁期間TEにおいては過励磁電流ieに設定され、過励磁期間TEの終了後の噴射パルスJの期間においては保持電流ihに設定される。
なお、過励磁期間TE内の過励磁電流ieは、ここでは便宜的に平坦波形で示されているが、急峻に立ち上げるために昇圧用コンデンサの放電現象に起因した電流であることから、実際のピーク電流レベルは平坦ではなく変動する。
【0018】
この場合、過励磁期間TEは、制御燃圧が比較的高い高負荷時(実線参照)において適正となるように、一定値に設定されている。
したがって、低負荷時(破線参照)においては、図示したように噴射パルス幅t2よりも過励磁期間TEが長くなり、励磁電流iが保持電流ihに低減される期間が存在しない場合がある。
【0019】
インジェクタの弁体開度θは、開弁駆動時の初期において、過励磁電流ieにより速やかに全開(オン状態)となり、その後、高負荷時(実線参照)においては、保持電流ihにより全開状態が保持され、励磁電流iのオフにより全閉(オフ状態)に復帰する。
【0020】
このとき、実線のように、保持電流ihからのオフ動作であれば、弁体開度θは、比較的短い動作遅れ時間τ1で全閉状態に復帰する。
しかし、破線のように、過励磁電流ieからのオフ動作であれば、弁体開度θは、τ1よりも長い動作遅れ時間τ2の経過後に全閉状態に復帰する。
【0021】
なお、低負荷時においては、制御される燃圧が高負荷時よりも低いので、一定の過励磁電流ieの供給により駆動される弁体開度θは、破線のように、高負荷時(実線参照)よりも速く全開状態となる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃料噴射制御装置は以上のように、インジェクタの弁体の開弁駆動時間および噴射燃料の燃圧の違いによらず、電磁コイルに対して一定の過励磁期間で過励磁電流を供給してインジェクタの弁体を開弁しているので、所要燃料量が少ない運転状態であって燃圧が小さい場合には、過剰な過励磁期間が設定されてしまい、無駄な電力が消費されるという問題点があった。
【0023】
また、過剰な過励磁期間が設定された場合には、実質的に保持電流の供給期間がなくなることから、インジェクタの弁体の閉弁(オフ)動作に遅れが生じて、最小燃料噴射量を安定に制御することができなくなり、燃料制御量のダイナミックレンジを拡大することができないという問題点があった。
【0024】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、インジェクタからの噴射燃料の燃圧(運転状態に応じて制御される)に応じて、弁体の開弁動作初期の過励磁期間を必要最小限に可変設定することにより、無駄な電力消費を防止するとともに、燃料制御量のダイナミックレンジを拡大した燃料噴射制御装置を得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る燃料噴射制御装置は、内燃機関に所要量の燃料を噴射するために電磁コイルおよびバネにより開閉駆動される弁体を有するインジェクタと、インジェクタから噴射される燃料の燃圧を調整する燃圧レギュレータ手段と、インジェクタの弁体を開弁駆動するためのインジェクタ駆動手段と、内燃機関の運転状態を検出する各種センサと、運転状態に応じて燃圧レギュレータ手段およびインジェクタ駆動手段を制御して、運転状態に応じた燃料量をインジェクタから噴射させるための噴射制御手段とを備え、各種センサは、少なくとも燃圧を検出する燃圧センサを含み、噴射制御手段は、運転状態および燃圧に応じて電磁コイルの励磁電流および励磁時間を制御して、弁体の開弁駆動時間を制御するためのインジェクタ制御部を含み、インジェクタ制御部は、運転状態に応じた燃料噴射量に対応して電磁コイルの励磁時間を設定する噴射タイマと、励磁時間の初期に電磁コイルに過励磁電流を供給するための過励磁タイマと、燃圧に応じて過励磁タイマのカウント初期値を可変設定して、過励磁電流が供給される過励磁期間を調整する過励磁期間制御部とを含み、過励磁期間制御部は、燃圧が高いほど過励磁期間が長くなるように、励磁時間よりも短い必要最小限の範囲内で過励磁期間を設定するものである。
【0026】
また、この発明の請求項2に係る燃料噴射制御装置は、請求項1において、過励磁期間制御部は、電磁コイルが励磁されてからインジェクタの弁体が全開位置まで移動するまでに要する時間に応じて過励磁期間を設定するものである。
【0027】
また、この発明の請求項3に係る燃料噴射制御装置は、請求項1または請求項2において、インジェクタ制御部は、過励磁期間の終了後の励磁時間にわたって、過励磁電流よりも小さい保持電流を電磁コイルに供給するものである。
【0028】
また、この発明の請求項4に係る燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項3までのいずれかにおいて、噴射制御手段は、燃圧レギュレータ手段の制御目標となる燃圧を演算する燃圧制御部を含み、燃圧制御部は、燃圧センサとして機能し、制御目標となる燃圧を過励磁期間制御部に入力するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を示す機能ブロック図である。
【0030】
図2は電磁コイル(後述する)に供給される励磁電流iを示す波形図であり、励磁時間Tj(インジェクタの弁体の開弁駆動時間)、過励磁期間Teに相当する噴射パルスJ、過励磁パルスE、各タイマ値Cj、Ce(カウント値)と関連させて示している。
【0031】
図2において、励磁時間Tjの初期の過励磁期間Teにおいては、電磁コイルに過励磁電流ieが供給され、過励磁期間Teの終了後の励磁時間Tjにおいては、電磁コイルに保持電流ihが供給される。
【0032】
図1において、1はECUからなる噴射制御手段であり、燃料噴射制御装置の本体を構成している。
2は電磁コイルおよびバネにより開閉駆動される弁体を有するインジェクタであり、噴射制御手段1の制御下で内燃機関に所要量の燃料を噴射する。
ここでは、インジェクタ2の弁体、弁体を開弁駆動するための電磁コイル、および、弁体を閉弁復帰させるためのバネは、いずれも図示されていない。
【0033】
3は内燃機関の運転状態を検出して噴射制御手段1に入力する各種センサであり、内燃機関の吸気量Qaを検出する吸気量センサと、エンジン回転数Neを検出する回転数センサと、インジェクタ2での噴射燃料の燃圧Pfを検出する燃圧センサとを含む。
【0034】
4はインジェクタ2から噴射される燃料の燃圧Pfを調整する燃圧レギュレータ手段、5は電磁コイルを励磁してインジェクタ2の弁体を開弁駆動するためのインジェクタ駆動手段である。
【0035】
燃圧レギュレータ手段4およびインジェクタ駆動手段5は、それぞれ、噴射制御手段1とインジェクタ2との間に介在され、噴射制御手段1の制御下で、燃圧Pfおよび噴射信号Jをインジェクタ2に供給する。
【0036】
各種センサ3は、少なくとも燃圧Pfを検出する燃圧センサを含み、また、内燃機関の吸気量Qaを検出する吸気量センサと、エンジン回転数Neを検出する回転数センサとを含む。燃圧Pf、吸気量Qaおよびエンジン回転数Neは、運転状態として噴射制御手段1に入力される。
【0037】
噴射制御手段1は、運転状態に応じて燃圧レギュレータ手段4およびインジェクタ駆動手段5を制御して、運転状態に応じた燃料量をインジェクタ2から噴射させるために、以下の機能要素11〜15を具備している。
【0038】
11は燃圧レギュレータ手段4を制御する燃圧制御部であり、運転状態に応じた所要の燃圧Pfを燃圧レギュレータ手段4からインジェクタ2に供給させる。12は励磁電流制御部であり、インジェクタ駆動手段5を介して電磁コイルに供給される励磁電流iを、過励磁電流ieまたは保持電流ihに制御する。
【0039】
13はインジェクタ2の弁体の開弁駆動時間(励磁時間Tj)に対応した噴射パルスJを生成する噴射タイマ、14は弁体の開弁駆動時間の初期の過励磁期間Teに対応した過励磁パルスEを生成する過励磁タイマ、15は燃圧Pfに応じて過励磁タイマ14のカウント初期値Co(図2参照)を可変設定して過励磁期間Teを調整する過励磁期間制御部である。
【0040】
励磁電流制御部12、噴射タイマ13、過励磁タイマ14および過励磁期間制御部15は、インジェクタ制御部を構成しており、燃圧Pfを含む運転状態に応じて電磁コイルの励磁電流iおよび励磁時間Tjを制御して、インジェクタ2の弁体の開弁駆動時間を制御する。
【0041】
噴射タイマ13は、励磁電流制御部12と関連して動作し、運転状態に応じた燃料噴射量に対応して電磁コイルの励磁時間Tjを設定する。
過励磁タイマ14は、励磁電流制御部12と関連して動作し、電磁コイルの励磁時間Tj(弁体の開弁駆動時間)の初期において電磁コイルに過励磁電流ieを供給する。
【0042】
過励磁期間制御部15は、燃圧Pfが高いほど過励磁期間Teが長くなるように、励磁時間Tjよりも短い必要最小限の範囲内で過励磁期間Teを設定する。
過励磁期間Teは、電磁コイルが励磁されてからインジェクタ2が全開位置まで移動するまでに要する時間に応じて設定される。
【0043】
噴射タイマ13は、過励磁期間Teの終了後の励磁時間Tj(噴射パルスJの継続期間)にわたって、過励磁電流ieよりも小さい保持電流ihを電磁コイルに供給する。
【0044】
励磁電流制御部12は、運転状態に応じて噴射タイマ13のカウント初期値を設定し、噴射パルスJの長さ(励磁時間Tj)を設定する。
また、過励磁期間制御部15は、燃圧Pfに応じて過励磁タイマ14のカウント初期値Coを設定し、過励磁パルスEの長さ(過励磁期間Te)を可変設定する。
【0045】
以下、図2とともに図3の波形図を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1の具体的な動作について説明する。
ここでは、特に弁体開度θの動作遅れが問題となる低負荷時のみを説明対象とし、図3においては、噴射パルスJが短いパルス幅t2の場合を示している。
【0046】
図3のように、パルス幅t2の噴射パルスJによって短い励磁時間Tjが設定される場合には、噴射燃料の燃圧Pfが高負荷時よりも小さいので、過励磁期間制御部15は、前述(図4参照)の過励磁期間TEよりも短い過励磁期間Teを設定する。
【0047】
このとき、過励磁期間Teは、パルス幅t2(励磁時間Tj)よりも短く設定されるので、過励磁期間Teの経過後の噴射パルスJのオン期間にわたって、電磁コイルに保持電流ihが供給される。
【0048】
この結果、インジェクタ2の弁体は、保持電流ihからオフ動作することになり、インジェクタ2の弁体開度θは、前述(図4参照)のτ2よりも短い動作遅れ時間τ3で全閉(オフ)状態に復帰する。
【0049】
したがって、図3内の弁体開度θの波形において、燃料噴射量に相当する斜線面積は、前述(図4参照)の斜線面積よりも小さくなり、最小燃料噴射量が小さく制御され得ることが分かる。
【0050】
また、運転状態(燃圧Pf)に応じて必要最小限の過励磁期間Teを設定することができるので、無駄な電力消費を防止することもできる。
【0051】
このように、噴射制御手段1内に過励磁期間制御部15を設けることにより、燃圧Pfに応じて過励磁期間を可変制御して、電磁コイルに対して必ず保持電流ihが供給された後に噴射パルスJをオフし、保持電流ihの供給状態からインジェクタ2の弁体がオフ動作することができる。
【0052】
たとえば、燃圧レギュレータ手段4により制御される燃圧が比較的高い場合には、過励磁期間を長く設定し、燃圧が比較的低い場合には、過励磁期間を短く設定する。すなわち、燃圧の上昇にともなって、インジェクタ2の弁体のオン動作時間が長くなり、噴射パルスJは長く設定されるので、過励磁期間も長く設定されることになる。
【0053】
これにより、燃圧Pfを可変制御する必要のある内燃機関において、インジェクタ2の弁体オフ動作遅れ時間を低減して最小燃料噴射量の制御が可能となるので、燃料制御量のダイナミックレンジを損なうことなく、インジェクタ2を高精度に制御することができる。
【0054】
したがって、特に燃料制御量のダイナミックレンジが大きいターボ車両や超リーンバーン制御される車両などにおいて、安定した精度で燃料噴射量を制御することができる。
【0055】
以上、この発明を好適な実施例により開示したが、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされ得るものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【0056】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、各種センサ3内の個別センサとして燃圧センサを設けたが、燃圧制御部11により他の運転状態から演算される制御目標の燃圧Pfを用いれば、燃圧センサを省略してコストダウンを実現することもできる。
【0057】
この場合、燃圧制御部11は、燃圧センサとして機能し、燃圧レギュレータ手段4の制御目標として演算された燃圧Pfは、検出値と見なされて過励磁期間制御部15に入力されることになる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、内燃機関に所要量の燃料を噴射するために電磁コイルおよびバネにより開閉駆動される弁体を有するインジェクタと、インジェクタから噴射される燃料の燃圧を調整する燃圧レギュレータ手段と、インジェクタの弁体を開弁駆動するためのインジェクタ駆動手段と、内燃機関の運転状態を検出する各種センサと、運転状態に応じて燃圧レギュレータ手段およびインジェクタ駆動手段を制御して、運転状態に応じた燃料量をインジェクタから噴射させるための噴射制御手段とを備え、各種センサは、少なくとも燃圧を検出する燃圧センサを含み、噴射制御手段は、運転状態および燃圧に応じて電磁コイルの励磁電流および励磁時間を制御して、弁体の開弁駆動時間を制御するためのインジェクタ制御部を含み、インジェクタ制御部は、運転状態に応じた燃料噴射量に対応して電磁コイルの励磁時間を設定する噴射タイマと、励磁時間の初期に電磁コイルに過励磁電流を供給するための過励磁タイマと、燃圧に応じて過励磁タイマのカウント初期値を可変設定して過励磁期間を調整する過励磁期間制御部とを含み、過励磁期間制御部は、燃圧が高いほど過励磁期間が長くなるように、励磁時間よりも短い必要最小限の範囲内で過励磁期間を設定し、インジェクタからの噴射燃料の燃圧に応じて、弁体の開弁動作初期の過励磁期間を必要最小限に可変設定するようにしたので、無駄な電力消費を防止するとともに、燃料制御量のダイナミックレンジを拡大した燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0059】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、過励磁期間制御部は、電磁コイルが励磁されてからインジェクタの弁体が全開位置まで移動するまでに要する時間に応じて過励磁期間を設定するようにしたので、無駄な電力消費を防止するとともに、燃料制御量のダイナミックレンジを拡大した燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0060】
また、この発明の請求項3によれば、請求項1または請求項2において、インジェクタ制御部は、過励磁期間の終了後の励磁時間にわたって、過励磁電流よりも小さい保持電流を電磁コイルに供給するようにしたので、無駄な電力消費を防止するとともに、燃料制御量のダイナミックレンジを拡大した燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0061】
また、この発明の請求項4によれば、請求項1から請求項3までのいずれかにおいて、噴射制御手段は、燃圧レギュレータ手段の制御目標となる燃圧を演算する燃圧制御部を含み、燃圧制御部は、燃圧センサとして機能し、制御目標となる燃圧を過励磁期間制御部に入力するようにしたので、燃圧センサを省略することができ、コストダウンを実現するとともに、燃料制御量のダイナミックレンジを拡大した燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による励磁電流を示す波形図である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるインジェクタの制御動作を示す波形図である。
【図4】 従来の燃料噴射制御装置によるインジェクタの制御動作を示す波形図である。
【符号の説明】
1 噴射制御手段、2 インジェクタ、3 各種センサ、4 燃圧レギュレータ手段、5 インジェクタ駆動手段、11 燃圧制御部、12 励磁電流制御部、13 噴射タイマ、14 過励磁タイマ、15 過励磁期間制御部、Co カウント初期値、E 過励磁パルス、J 噴射パルス、i 励磁電流、ie 過励磁電流、ih 保持電流、Ne エンジン回転数、Pf 燃圧、Qa 吸気量、Te 過励磁期間、Tj 励磁時間(開弁駆動時間)。
Claims (4)
- 内燃機関に所要量の燃料を噴射するために電磁コイルおよびバネにより開閉駆動される弁体を有するインジェクタと、
前記インジェクタから噴射される燃料の燃圧を調整する燃圧レギュレータ手段と、
前記インジェクタの弁体を開弁駆動するためのインジェクタ駆動手段と、
前記内燃機関の運転状態を検出する各種センサと、
前記運転状態に応じて前記燃圧レギュレータ手段および前記インジェクタ駆動手段を制御して、前記運転状態に応じた燃料量を前記インジェクタから噴射させるための噴射制御手段とを備え、
前記各種センサは、少なくとも前記燃圧を検出する燃圧センサを含み、
前記噴射制御手段は、前記運転状態および前記燃圧に応じて前記電磁コイルの励磁電流および励磁時間を制御して、前記弁体の開弁駆動時間を制御するためのインジェクタ制御部を含み、
前記インジェクタ制御部は、
前記運転状態に応じた燃料噴射量に対応して前記電磁コイルの励磁時間を設定する噴射タイマと、
前記励磁時間の初期に前記電磁コイルに過励磁電流を供給するための過励磁タイマと、
前記燃圧に応じて前記過励磁タイマのカウント初期値を可変設定して、前記過励磁電流が供給される過励磁期間を調整する過励磁期間制御部とを含み、
前記過励磁期間制御部は、前記燃圧が高いほど前記過励磁期間が長くなるように、前記励磁時間よりも短い必要最小限の範囲内で前記過励磁期間を設定することを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 前記過励磁期間制御部は、前記電磁コイルが励磁されてから前記インジェクタの弁体が全開位置まで移動するまでに要する時間に応じて前記過励磁期間を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記インジェクタ制御部は、前記過励磁期間の終了後の前記励磁時間にわたって、前記過励磁電流よりも小さい保持電流を前記電磁コイルに供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
- 前記噴射制御手段は、前記燃圧レギュレータ手段の制御目標となる燃圧を演算する燃圧制御部を含み、
前記燃圧制御部は、前記燃圧センサとして機能し、前記制御目標となる燃圧を前記過励磁期間制御部に入力することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
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