JP3776647B2 - 海水接触構造物の防汚装置およびその性能劣化監視方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は海水に接触する海水接触構造物への海生生物の付着を防止する海水接触構造物の防汚装置に係り、とりわけ、海水接触構造物の海水側表面上に設けられた電気的触媒を介して酸素を発生させることにより海水接触構造物への海生生物の着性を抑制する海水接触構造物の防汚装置およびその性能劣化監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
海水を冷却水として取水する発電所においては、熱交換器の管板(伝熱管の入口および出口に位置する支持部材)上に、イガイやフジツボ、ヒドロ虫、海藻類等の生物(以下「海生生物」という)が付着することがある。これらの海生生物は、伝熱管の管端部を塞いで洗浄用スポンジの通過障害となったり、伝熱管の内面を閉塞したりする。このため、このような発電所においては、これらの海生生物の除去作業のためにしばしば操業の停止を余儀なくされている。なお、これらの海生生物は、銅合金製の管板や伝熱管等よりも、耐海水性であるチタン製の管板や伝熱管等に付着しやすい。
【0003】
また、このような発電所においては、熱交換器の上方に設置された鋼製の水室の側壁に、ストレーナーの網を通り抜けた幼生の海生生物が着生することがある。このような鋼製の水室の表面には通常ゴムライニング等が施されているので、水室の側壁上に着生した海生生物は、水室の側壁上で一定期間成育した後に脱落し、水室の下方に位置する伝熱管の管端部や内面等を閉塞する。
【0004】
従来においては、これらの海生生物の駆除や付着防止等を行うための防汚対策として、海生生物の防汚に有効な毒性物質を利用する手法が提案されている。このような手法としては例えば、取水した海水中へ塩素や塩素化合物等を投入したり、熱交換器の管板や伝熱管等に毒性イオン生成顔料含有防汚塗料を塗布したり、海水の電解により塩素や銅等の毒性イオンを生成する等の手法がある。
【0005】
しかしながら、毒性物質を利用する手法では、防汚自体は効果的に行われるが、大量の海水に対する塩素等の毒性物質の量や濃度等の管理が容易でなく、一般には確実な防汚効果を期待してその量や濃度等を過大に設定しやすく、その結果、環境汚染を引き起こす可能性が高い。また、このような毒性物質の使用自体が今日では禁止または抑制される方向にある。
【0006】
このため、無公害でかつ無毒性の防汚対策の開発が、最近多くの研究者や技術者等によって進められている。具体的には例えば、無公害でかつ無毒性であるが有効な防汚効果を発揮する防汚塗料としてシリコーン系防汚塗料が注目されており、これを熱交換器の管板や伝熱管等に塗布する手法が提案されている。
【0007】
しかしながら、シリコーン系防汚塗料を利用する手法では、シリコーン系防汚塗料自体に次のような欠点、すなわち貝殻等の異物の接触により防汚寿命が短くなること、施工コストが高いこと、大面積の対象物や既存の施設等への簡単でかつ容易な施工手段がないこと、海水の流れを止めると防汚効果が減少すること等の欠点があることから、広く実用化されるには至っていない。
【0008】
一方、上述した手法以外の防汚対策として、特公平1−46595号公報および特願平10−292142号公報に記載された手法も知られている。
【0009】
このうち、特公平1−46595号公報に記載された手法は、海水と接触するチタン製部材の表面に、主として白金族金属の混晶、または白金族金属とこれらの金属の酸化物との混合物からなる電気的触媒皮膜を形成し、これを陽極として電解することにより、塩素ガスを実質的に発生させないで十分な酸素を発生させる手法であり、これにより海水中の生物や貝殻等の沈積を抑制することができる。
【0010】
ところで、このような防汚対策が講じられる熱交換器は一般に、伝熱管や管板等のみがチタン製部材であり、本体胴や水室、熱交換器へ海水を導く導水管、海水を海へ戻す放水管等は鋼製部材である。また、伝熱管および管板等のチタン製部材と、水室、導水管および放水管等の鋼製部材とは電気的に導通している。
【0011】
このため、上記特公平1−46595号公報に記載された手法のように、海水と接するチタン製部材の表面に電気的触媒を形成して陽極として作用させる場合には、チタン製部材と導通している水室、導水管および放水管等の鋼製部材も陽極として負荷されることとなる。そして、この状態で、水室、導水管および放水管等の鋼製部材が海水と接触すると、鋼製部材の表面がガルバニ腐食により激しく腐食されることとなる。なお、鋼製部材の表面には通常、腐食防止のためにゴムライニング等が施されているので、このような事態は通常の使用状態では生じないが、仮に、ゴムライニング等が何らかの理由で破損した場合には、この破損部位を介して海水中に電流が流れ水氷室、導水管および放水管等の鋼製部材が異常腐食する可能性がある。
【0012】
なお、このようなゴムライニング等の破損により生じる異常腐食は通常、陰極防食法を採用して鋼製部材を電気的に鋼材の防食電位まで下げることにより回避することができる。しかしながら、上記特公平1−46595号公報に記載された手法では、チタン製部材が陽極として負荷され、かつ、それに導通している鋼製水室、導水管および放水管等も陽極として負荷されているので、理論上陰極防食法を採用することができない。
【0013】
これに対し、上記特願平10−292142号公報に記載された手法は、このような上記特公平1−46595号公報に記載された手法の欠点を解消するものであり、熱交換器のチタン製管板上に絶縁性接着剤を介して陽極形成部材および電気的触媒を設け、この電気的触媒を介して塩素ガスを実質的に発生させないで十分な酸素を発生させる手法である。これにより、仮に、チタン製管板と導通する鋼製部材を保護するゴムライニング等が何らかの理由で破損した場合でも、陰極防食法を採用して鋼製部材を電気的に鋼材の防食電位まで下げることが可能となり、水室、導水管および放水管等の鋼製部材が異常腐食することを防止することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特願平10−292142号公報に記載された手法では、陽極形成部材および電気的触媒等の耐用状態(健全性および性能劣化等)を十分に把握することができないので、経時的または外的な要因により以下のような問題が生じる。
【0015】
第1に、陽極形成部材および電気的触媒等を長時間使用した場合に、陽極形成部材および電気的触媒等の性能が劣化し、その性能劣化に起因して海生生物の付着を引き起こすおそれがある。
【0016】
第2に、絶縁性接着剤が劣化した場合に、陽極形成部材とチタン製管板等との間の電気的絶縁が破れ、それに起因して上記特公平1−46595号公報に記載された手法と同様の問題が生じる。すなわち、陽極形成部材とチタン製管板等との間の電気的絶縁が破れた状態で、チタン製管板等と導通する鋼製部材を保護するゴムライニング等が何らかの理由で破損した場合には、この破損部位を介して海水中に電流が流れ、水室、導水管および放水管等の鋼製部材が異常腐食する可能性があり、信頼性の面で問題がある。
【0017】
第3に、海水中を漂う導電性異物(例えば針金等)がたまたま熱交換器の伝熱管の入口等に引っかかり、陽極形成部材と伝熱管(すなわちチタン製管板)とが導通した場合に、上述した絶縁性接着剤が劣化した場合と全く同じ事態が生じる可能性があり、信頼性の面で問題がある。
【0018】
第4に、陽極形成部材および電気的触媒等が大面積を有している場合に、その大面積の陽極形成部材および電気的触媒等の性能劣化がどの部位で起きているのか、また絶縁性接着剤の劣化がどの部位で起きているのか、さらに導電性異物がおおよそどこの部位の伝熱管の入口等に引っかかっているのか等を特定することが難しく、ひとたび不具合が生じると、全ての陽極形成部材および電気的触媒等を更新しなければならず、補修や更新等の保守管理の費用が膨大となるという問題がある。
【0019】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、陽極形成部材および電気的触媒等の経時的または外的な要因による問題の発生の有無および部位等を確実かつ容易に把握し、海生生物の付着や、海水と接触する鋼製部材の異常腐食等を未然に防止することができる海水接触構造物の防汚装置およびその性能劣化監視方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
第1の解決手段は、海水接触構造物への海生生物の着生を抑制する海水接触構造物の防汚装置において、海水接触構造物の海水側表面上に絶縁部を介して設けられた陽極側導電体であって、電気化学的に活性な電気的触媒を有する陽極側導電体と、海水中に設けられた陰極側導電体と、前記陽極側導電体に正極が接続されるとともに前記陰極側導電体に負極が接続された外部電源であって、前記陽極側導電体の前記電気的触媒を介して海水中で酸素を発生させるよう前記正極と前記負極との間の電位を制御する外部電源と、前記陽極側導電体に流れる電流を監視する電流監視装置と、前記電流監視装置による監視結果に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定する判定装置とを備えたことを特徴とする海水接触構造物の防汚装置である。
【0021】
ここで、上述した第1の解決手段においては、前記陽極側導電体は互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素からなり、前記電流監視装置は前記各陽極側導電体要素に流れる電流をそれぞれ監視することが好ましい。また、前記判定装置は前記電流監視装置で監視された積算電流値または電流値の変化に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定することが好ましい。さらに、前記判定装置は前記電流監視装置で監視された電流値の変化を前記各陽極側導電体要素間で相対的に比較し、その比較結果を考慮しつつ前記各陽極側導電体要素ごとの電流値の変化に基づいて前記各陽極側導電体要素の耐用状態を判定することが好ましい。なお、前記絶縁部は前記海水接触構造物の海水側表面と前記陽極側導電体とを互いに接着するための絶縁性接着剤、前記海水接触構造物の海水側表面と前記陽極側導電体との間に配置された絶縁シート、または前記海水接触構造物の海水側表面に被覆された絶縁体であることが好ましい。また、前記陽極側導電体の前記電気的触媒は白金系金属、白金系金属酸化物、およびコバルトまたはマンガンの酸化物のうちの少なくとも一種を含む単一体、混晶体または複合体であることが好ましい。
【0022】
第2の解決手段は、海水接触構造物への海生生物の着生を抑制する海水接触構造物の防汚装置の性能劣化監視方法において、海水接触構造物の海水側表面上に絶縁部を介して設けられた陽極側導電体と、海水中に設けられた陰極側導電体との問に電流を流すことにより、前記陽極側導電体の有する電気化学的に活性な電気的触媒を介して海水中で酸素を発生させる工程と、前記酸素発生工程中に前記陽極側導電体に流れる電流を監視する工程と、前記監視工程による監視結果に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定する工程とを含むことを特徴とする性能劣化監視方法である。
【0023】
ここで、上述した第2の解決手段においては、前記陽極側導電体は互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素からなり、前記監視工程において、前記各陽極側導電体要素に流れる電流をそれぞれ監視することが好ましい。また、前記判定工程において、前記監視工程で監視された積算電流値または電流値の変化に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定することが好ましい。さらに、前記判定工程において、前記監視工程で電流値の急激な増加が監視されたときに、前記陽極側導電体に絶縁不良の可能性があると判定することが好ましい。さらにまた、前記判定工程において、前記陽極側導電体に絶縁不良の可能性があると判定した後、所定時間の経過を待って、または海水接触構造物に対する海水の流れ方向を逆向きにした上で前記陽極側導電体の絶縁不良の有無を再度判定することが好ましい。
【0024】
さらにまた、前記判定工程において、前記監視工程で電流値の急激な減少が検知されたときに、前記陽極側導電体に剥離または一部破損の可能性があると判定することが好ましい。なお、前記判定工程において、前記監視工程で監視された電流値の変化を前記各陽極側導電体要素間で相対的に比較し、その比較結果を考慮しつつ前記各陽極側導電体要素ごとの電流値の変化に基づいて前記各陽極側導電体要素の耐用状態を判定することが好ましい。
【0025】
上述した第1および第2の解決手段によれば、陽極側導電体に流れる電流を監視し、陽極側導電体に流れる電流の積算電流値または電流値の変化に基づいて陽極側導電体の耐用状態(健全性および性能劣化等)を判定するので、陽極側導電体の耐用状態を確実に把握し、陽極側導電体の性能劣化に起因した海生生物の付着を未然に防止することができる。また、絶縁部が劣化した場合や、海水中を漂う導電性異物が海水接触構造物に引っかかった場合等に生じる絶縁不良現象に起因した、海水と接触する鋼製部材の異常腐食等を未然に防止することができる。
【0026】
また、陽極側導電体を互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素に分割し、各陽極側導電体要素に流れる電流をそれぞれ監視することにより、陽極側導電体が大面積を有している場合でも、その大面積の陽極側導電体の性能劣化がどの部位で起きているのか等を容易に特定することができ、補修や更新等の保守管理を簡易かつ安価に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は本発明による海水接触構造物の防汚装置の一実施の形態を示す図である。図1に示すように、海水接触構造物の防汚装置1は、海水15に接するチタン製の熱交換器(海水接触構造物)2への海生生物の着生を抑制するためのものであり、陽極側導電体4、陰極側導電体8、外部直流電源(外部電源)7、電流監視装置9および判定装置10を備えている。なお、熱交換器2は、チタン製の管板2aと、この管板2aにより支持された複数のチタン製の伝熱管2bとを有している。また、熱交換器2には、内面にゴムライニング11が施された鋼製の水室13が設置されている。
【0029】
図1に示すように、熱交換器2の海水15側表面に位置する管板2aの略全面上には、絶縁性接着剤(絶縁部)3を介して陽極側導電体4が設けられている。陽極側導電体4は、厚さが0.1〜0.3mmの陽極形成部材5と、陽極形成部材5上に被覆された電気的触媒6とを有している。このうち、電気的触媒6は、電気化学的に活性で安定な触媒であり、陽極形成部材5上にあらかじめ触媒被覆処理によって被覆され、電気抵抗加熱等により350〜450℃で数時間加熱処理を行って熱活性化処理されたものである。なお、電気的触媒6としては、例えば、白金系金属、白金系金属酸化物、およびコバルトまたはマンガンの酸化物のうちの少なくとも一種を含む単一体、混晶体または複合体を用いることができる。
【0030】
また、絶縁性接着剤3および陽極側導電体4は、複数の伝熱管2bの管径に対応する複数の開孔を有している。また、陽極側導電体4は、互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素4a,4b(陽極形成部材要素5a,5bおよび電気的触媒要素6a,6b)からなっており、隣接する陽極側導電体要素4a,4b同士は絶縁性接着剤17を介して絶縁されている。なお、隣接する陽極側導電体要素4a,4b同士の絶縁方法としては、これ以外にも、絶縁部材を介して陽極側導電体要素4a,4b同士を重ね合わせたり、防汚効果が得られる範囲で陽極側導電体要素4a,4b同士を所定距離だけ離間させたりする方法を用いることができる。
【0031】
一方、熱交換器2に設置された水室13の側壁上には、ゴムライニング11から海水15側に向かって陰極側導電体8および照合電極12が突出して設けられている。
【0032】
ここで、陽極側導電体4および陰極側導電体8はそれぞれ、外部直流電源(外部電源)7の正極7aおよび負極7bに接続されている。また、照合電極12は外部直流電源7の照合極7rに接続されている。なお、陽極側導電体4は複数の陽極側導電体要素4a,4bからなっているので、各陽極側導電体要素4a,4bごとに対応する正極7aが設けられている。外部直流電源7は、自動電位制御部7cを内蔵しており、陽極側導電体4の電気的触媒6を介して海水15中で塩素ガスを実質的に発生させないで酸素を発生させるよう、正極7aと負極7bとの間に形成される通電回路の電位を制御することができるようになっている。なお、正極7aと負極7bとの間に形成される通電回路の具体的な電位値としては、標準海水で塩素ガスを発生させる塩素発生電位(SCE)1.13Vよりも低く、かつ標準海水で酸素を発生させる酸素発生電位0.52Vよりも高い値が用いられる。また、正極7aと負極7bとの間に形成される通電回路の具体的な電流値としては、電気的触媒6の種類によって若干の違いはあるが通常0.3〜3.0A/m2程度の値が用いられる。なお、照合電極12の電位値は、海水15の電位により自動電位制御部7cを校正するために用いられる。
【0033】
また、外部直流電源7の各正極7aには電流監視装置9が接続されており、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流をそれぞれ監視することができるようになっている。
【0034】
さらに、電流監視装置9には判定装置10が接続されており、電流監視装置9からの出力データ(各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流の積算電流値または電流値の変化)に基づいて各陽極側導電体要素4a,4bの耐用状態(健全性および性能劣化等)を判定することができるようになっている。なお、判定装置10は、電流監視装置9で監視された電流値の変化を各陽極側導電体要素4a,4b間で相対的に比較し、その比較結果を考慮しつつ各陽極側導電体要素4a,4bごとの電流値の変化に基づいて各陽極側導電体要素4a,4bの耐用状態を判定する。なお、判定装置10での判定結果は外部直流電源7に出力され、外部直流電源7から各陽極側導電体要素4a,4bへの電流供給の遮断等に用いられるようになっている。
【0035】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0036】
図1において、外部電流電源7を介して陽極側導電体4(陽極形成部材5および電気的触媒6)と陰極側導電体8との間に電流を流す。なおこのとき、外部直流電源7の自動電位制御部7cの制御の下で各陽極側導電体要素4a,4bと陰極側導電体8との間の電位は0.52〜1.13Vの範囲に保たれ、かつその電流値は0.3〜3.0A/m2程度に保たれる。これにより、電気的触媒6を介して海水15中で塩素ガスを実質的に発生させないで酸素を発生することができ、熱交換器2の管板2aおよび伝熱管2bへの海生生物の着生を防止することができる。
【0037】
このとき、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流は電流監視装置9によりそれぞれ監視され、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流についての積算電流値または電流値の変化に基づいて各陽極側導電体要素4a,4bの耐用状態(健全性および性能劣化等)が判定される。
【0038】
図2は図1に示す判定装置10における具体的な判定方法を説明するための図である。
【0039】
図2に示すように、判定装置10においては、まず、電流監視装置9からの出力データを取り込み、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流の積算電流値または電流値の変化を取得する(ステップ101)。
【0040】
次に、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流の積算電流値が所定値を越えているか否かを判断し(ステップ102)、各陽極側導電体要素4a,4bの中でそれに流れる電流の積算電流値が所定値を越えているものが存在している場合には、該当する陽極側導電体要素4a,4bの電気的触媒6a,6bが消耗しているものと判定する(ステップ103)。
【0041】
ここで、各陽極側導電体要素4a,4bの各電気的触媒要素6a,6bは積算電流値に比例して溶解および消耗するので、積算電流値に対する消耗量を電気的触媒の厚さ(μm)に換算することにより、各電気的触媒要素6a,6bの消耗寿命を算出することができる(図3参照)。具体的には例えば、電気的触媒がコバルト系触媒である場合には、積算電流値に対する消耗量は520mg/A・年と予測することができ、電気的触媒の厚さを0.5μmとすると、積算電流値が16.7A・年を越えたところで消耗することが分かる。なお、この場合には、電流値1.0A/m2で連続通電した場合に約8年で消耗する。このため、このような消耗寿命を考慮してステップ102における所定値を設定することにより、各電気的触媒6a,6bの消耗状態を適切に判定することが可能である。
【0042】
一方、ステップ102において、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流の積算電流値が所定値を越えていないと判断された場合には、ステップ104の処理へ進み、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の変化が所定範囲を越えて行われているか否かを調べる。
【0043】
ステップ104において、各陽極側導電体要素4a,4bの中でそれに流れる電流値の変化が所定範囲を越えて行われているものが存在している場合には、ステップ105の処理へ進み、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の変化が経時的なものであるか否かをさらに判断する。一方、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の変化が所定範囲内で行われている場合には、ステップ101の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0044】
なお、ステップ105において、該当する陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の変化が経時的なものであると判断された場合には、該当する陽極側導電体要素4a,4bの陽極形成部材5a,5bが性能劣化したものと判定する(ステップ106)。
【0045】
ここで、各陽極側導電体要素4a,4bの各陽極形成部材5a,5bの性能が劣化すると、各陽極側導電体要素4a,4bと陰極側導電体8との間の電位を所定値に保つために必要とされる電流値が低下してくる(図4(a)(b)参照)。このため、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の変化を監視することにより、各陽極形成部材5a,5bの性能劣化を適切に判定することが可能である。なお、各陽極形成部材5a,5bの性能劣化により電流値が低下すると、それに比例して各電気的触媒要素6a,6bからの酸素の発生量も低下するので、海生生物に対する防汚効果自体も当然に低下することになる。具体的には、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の初期値の1/5〜1/10程度まで電流値が低下した場合に各陽極形成部材5a,5bが性能劣化したものと判定するようにするとよい。なおこのとき、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値は、海水性状等の外的な要因、例えば赤潮や汚染海水の流入等によって変動することがあるので、電流監視装置9で監視された電流値の変化を各陽極側導電体要素4a,4b間で相対的に比較し、その比較結果を考慮しつつ各陽極側導電体要素4a,4bごとの電流値の変化に基づいて各陽極側導電体要素4a,4bの各陽極形成部材5a,5bの性能劣化を判定するようにするとよい。
【0046】
一方、ステップ105において、該当する陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の変化が経時的なものでないと判断された場合には、ステップ107の処理へ進み、該当する陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値が急激に増大したか否かを判断する(ステップ107)。
【0047】
ステップ107において、該当する陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の急激な増加が検知されたときには、該当する陽極側導電体要素4a,4bの陽極形成部材5a,5bに絶縁不良の可能性があると判定する(ステップ108)。
【0048】
ここで、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の急激な増加は、絶縁性接着剤3が劣化した場合や、海水15中を漂う導電性異物(例えば針金等)が伝熱管2bの入口等に引っかかり、各陽極形成部材要素5a,5bと伝熱管2b(すなわち管板2a)とが導通した場合に引き起こされる絶縁不良現象であり、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の変化を監視することにより判定することができる。しかし、後者の場合には、海水15中を漂う導電性異物(例えば針金等)が一時的に伝熱管2bの入口等に引っかかり、その後、流出してしまう場合も多い。
【0049】
このため、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の急激な増加を検知した場合には、所定時間の経過を待って電流値の変化を検知し、各陽極側導電体要素4a,4bの各陽極形成部材要素5a,5bの絶縁不良の有無を再度判定するようにするとよい。具体的には、図5(a)(b)に示すように、最初の急激な電流値の増加によって、各陽極側導電体要素4a,4bに絶縁不良の可能性があると判定し、一旦各陽極側導電体要素4a,4bへの電流供給を遮断した後(時間A)、数秒から数10秒の経過を待って時間Bのタイミングで各陽極側導電体要素4a,4bへの電流供給を再開する。このとき、電流値の急激な増加が検知されない場合には、各陽極側導電体要素4a,4bの絶縁不良の可能性がないと判定する(図5(a)参照)。一方、再び電流値の急激な増加がある場合には、各陽極側導電体要素4a,4bの絶縁不良の可能性があると判定し、時間Cのタイミングで各陽極側導電体要素4a,4bへの電流供給を遮断する(図5(b)参照)。
【0050】
なお、海水15中を漂う導電性異物(例えば針金等)は、海水15の流れ方向を逆向きにすると流出することが多いので、各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の急激な増加を検知した場合において、熱交換器2に対する海水15の流れ方向を逆向きにした上で各陽極側導電体要素4a,4bの絶縁不良の有無を再度判定するようにしてもよい。
【0051】
一方、ステップ107において、該当する陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流値の急激な減少が検知されたときには、該当する陽極側導電体要素4a,4bの面積の減少によるものであるので、該当する陽極側導電体要素4a,4bに打痕や摩耗等による剥離または一部破損の可能性があると判定する(ステップ109)。
【0052】
このように本実施の形態によれば、陽極側導電体4に流れる電流を電流監視装置9により監視し、陽極側導電体4に流れる電流の積算電流値または電流値の変化に基づいて陽極側導電体4の耐用状態(健全性および性能劣化等)を判定装置10により判定するので、陽極側導電体4の耐用状態を確実に把握し、海生生物の付着や、海水15と接触する鋼製部材(水室13等)の異常腐食等を未然に防止することができる。具体的には例えば、陽極側導電体4に流れる電流の積算電流値に基づいて電気的触媒6の消耗状態を判定することにより、電気的触媒6を長時間使用した場合における性能劣化を未然に予測することができ、電気的触媒6の性能劣化に起因した海生生物の付着を防止することができる。また、陽極側導電体4に流れる電流値の変化に基づいて陽極形成部材5の性能劣化を判定することにより、陽極形成部材5を長時間使用した場合における性能劣化を未然に予測することができ、陽極形成部材5の性能劣化に起因した海生生物の付着を防止することができる。さらに、陽極側導電体4に流れる電流値の変化(電流値の急激の増加)に基づいて、絶縁性接着剤3が劣化した場合や、海水15中を漂う導電性異物(例えば針金等)が伝熱管2bの入口等に引っかかった場合に生じる絶縁不良の有無を確実に把握することにより、海水15と接触する鋼製部材(水室13等)の異常腐食を未然に防止することができる。さらにまた、陽極側導電体4に流れる電流値の変化(電流値の急激の減少)に基づいて、陽極側導電体4の剥離または一部破損を確実に判定することにより、陽極側導電体4が流出して熱交換器2や水室13等に悪影響を及ぼすことを効果的に防止することができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、陽極側導電体4を互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素4a,4bに分割し、電流監視装置9により各陽極側導電体要素4a,4bに流れる電流をそれぞれ監視するので、陽極側導電体4(陽極形成部材5および電気的触媒6)が大面積を有している場合でも、その大面積の陽極形成部材5および電気的触媒6の性能劣化がどの部位で起きているのか、また絶縁性接着剤3の劣化がどの部位で起きているのか、さらに導電性異物がおおよそどこの部位の伝熱管2bの入口等に引っかかっているのか等を容易に特定することができ、補修や更新等の保守管理を簡易かつ安価に行うことができる。
【0054】
さらに、本実施の形態によれば、各陽極側導電体要素4a,4b間で電流値の変化を相対的に比較し、その比較結果を考慮しつつ各陽極側導電体要素4a,4bごとの電流値の変化に基づいて前記各陽極側導電体要素4a,4bの耐用状態を判定するので、海水性状等の外的な要因による電流偵の変動の影響を除外して陽極側導電体4の耐用状態を精度良く判定することができる。
【0055】
さらにまた、本実施の形態によれば、陽極側導電体4に流れる電流値の急激な増加を検知した場合には、所定時間の経過を待って電流値の変化を検知し、陽極側導電体4の陽極形成部材5の絶縁不良の有無を再度判定するので、海水15中を漂う導電性異物が一時的に伝熱管2bの入口等に引っかかり、その後流出した場合等における絶縁不良誤動作を防止することができる。なおこのとき、陽極側導電体4の陽極形成部材5の絶縁不良の有無を再度判定する前に海水15の流れ方向を逆向きにすることにより、海水15中を漂う導電性異物を効果的に流出させることができる。
【0056】
なお、本実施の形態によれば、電気的触媒6があらかじめ被覆された陽極形成部材5を、絶縁性接着剤3を介して常温で管板2a上に接着しているので、電気的触媒6の触媒活性のために必要とされる、350〜450°での数時間の電気抵抗加熱処理等を管板2a上で行う必要がなくなり、発生熱や熱応力等により管板2aが損傷する危険性を効果的に回避することができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態においては、熱交換器2の管板2a上に絶縁性接着剤3を介して陽極側導電体4を設けているが、図6に示すように、絶縁性接着剤3と陽極側導電体4との間に絶縁シート18を配置するようにしてもよい。これにより、管板2aと陽極側導電体4との間の電気的絶縁を強固に実現することができる。なお、この場合には、管板2aと絶縁シート18との間、および絶縁シート18と陽極側導電体4との間を接着するための接着剤は必ずしも絶縁性を有している必要はない。
【0058】
また、上述した実施の形態においては、熱交換器2の管板2a上に陽極側導電体4を設けているが、これに限らず、海水接触構造物にあらかじめ設けられている絶縁体上に陽極側導電体4を設けるようにしてもよい。具体的には例えば、図7に示すように、海水接触構造物である水室13の表面に施されたゴムライニング(絶縁体)11上に接着剤16を介して陽極側導電体4を設けることができる。また、図8に示すように、海水接触構造物であるコンクリート製取水路14上に接着剤16を介して陽極側導電体4を設けることができる。なお、図8に示す場合には、冷却用海水取入れコンクリート製取水路14の補強用鉄筋(一部が海水15と接触している)が導電体8として作用する。また、図7および図8に示すいずれの場合も、ゴムライニング11およびコンクリート製取水路14が絶縁性を有していることから、接着剤16自体は絶縁性を有している必要はない。なお、図7および図8に示すゴムライニング11およびコンクリート製取水路14に限らず、海水接触構造物に設けられた樹脂材等の種々の絶縁体上にも同様にして陽極側導電体4を設けることが可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、陽極側導電体に流れる電流を監視し、陽極側導電体に流れる電流の積算電流値または電流値の変化に基づいて陽極側導電体の耐用状態(健全性および性能劣化等)を判定するので、陽極側導電体の耐用状態を確実に把握し、陽極側導電体の性能劣化に起因した海生生物の付着を未然に防止することができる。また、絶縁部が劣化した場合や、海水中を漂う導電性異物が海水接触構造物に引っかかった場合等に生じる絶縁不良現象に起因した、海水と接触する鋼製部材の異常腐食等を未然に防止することができる。
【0060】
また、陽極側導電体を互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素に分割し、各陽極側導電体要素に流れる電流をそれぞれ監視することにより、陽極側導電体が大面積を有している場合でも、その大面積の陽極側導電体の性能劣化がどの部位で起きているのか等を容易に特定することができ、補修や更新等の保守管理を簡易かつ安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による海水接触構造物の防汚装置の一実施の形態を示す概略図。
【図2】図1に示す海水接触構造物の防汚装買の性能劣化監視方法を説明するためのフローチャート。
【図3】図1に示す海水接触構造物の防汚装置における電気的触媒の消耗状態の判定の仕方を説明するための図。
【図4】図1に示す海水接触構造物の防汚装置における陽極形成部材の性能劣化の判定の仕方を説明するための図。
【図5】図1に示す海水接触構造物の防汚装置において電流値の急激な増加が検知された場合の陽極形成部材の判定の仕方を説明するための図。
【図6】図1に示す海水接触構造物の防汚装置の一変形例を示す概略図。
【図7】図1に示す海水接触構造物の防汚装置の別の変形例を示す概略図。
【図8】図1に示す海水接触構造物の防汚装置のさらに別の変形例を示す概略図。
【符号の説明】
1 海水接触構造物の防汚装置
2 熱交換器
2a 管板
2b 伝熱管
3 絶縁性接着剤(絶縁部)
4 陽極側導電体
5 陽極形成部材
6 電気的触媒
7 外部直流電源(外部電源)
7a 正極
7b 負極
7r 照合極
7c 自動電位制御部
8 陰極側導電体
9 電流監視装置
10 判定装置
11 ゴムライニング(絶縁体)
12 照合電極
13 水室
14 コンクリート製取水路(絶縁体)
15 海水
16 接着剤
17 絶縁性接着剤
18 絶縁シート(絶縁部)
Claims (18)
- 海水接触構造物への海生生物の着生を抑制する海水接触構造物の防汚装置において、
海水接触構造物の海水側表面上に絶縁部を介して設けられた陽極側導電体であって、電気化学的に活性な電気的触媒を有する陽極側導電体と、
海水中に設けられた陰極側導電体と、
前記陽極側導電体に正極が接続されるとともに前記陰極側導電体に負極が接続された外部電源であって、前記陽極側導電体の前記電気的触媒を介して海水中で酸素を発生させるよう前記正極と前記負極との間の電位を制御する外部電源と、
前記陽極側導電体に流れる電流を監視する電流監視装置と、
前記電流監視装置による監視結果に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定する判定装置とを備えたことを特徴とする海水接触構造物の防汚装置。 - 前記陽極側導電体は互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素からなり、前記電流監視装置は前記各陽極側導電体要素に流れる電流をそれぞれ監視することを特徴とする請求項1記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 前記判定装置は前記電流監視装置で監視された積算電流値に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定することを特徴とする請求項1記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 前記判定装置は前記電流監視装置で監視された電流値の変化に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定することを特徴とする請求項1記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 前記判定装置は前記電流監視装置で監視された電流値の変化を前記各陽極側導電体要素間で相対的に比較し、その比較結果を考慮しつつ前記各陽極側導電体要素ごとの電流値の変化に基づいて前記各陽極側導電体要素の耐用状態を判定することを特徴とする請求項2記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 前記絶縁部は前記海水接触構造物の海水側表面と前記陽極側導電体とを互いに接着するための絶縁性接着剤であることを特徴とする請求項1記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 前記絶縁部は前記海水接触構造物の海水側表面と前記陽極側導電体との間に配置された絶縁シートであることを特徴とする請求項1記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 前記絶縁部は前記海水接触構造物の海水側表面に被覆された絶縁体であることを特徴とする請求項1記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 前記陽極側導電体の前記電気的触媒は白金系金属、白金系金属酸化物、およびコバルトまたはマンガンの酸化物のうちの少なくとも一種を含む単一体、混晶体または複合体であることを特徴とする請求項1記載の海水接触構造物の防汚装置。
- 海水接触構造物への海生生物の着生を抑制する海水接触構造物の防汚装置の性能劣化監視方法において、
海水接触構造物の海水側表面上に絶縁部を介して設けられた陽極側導電体と、海水中に設けられた陰極側導電体との間に電流を流すことにより、前記陽極側導電体の有する電気化学的に活性な電気的触媒を介して海水中で酸素を発生させる工程と、
前記酸素発生工程中に前記陽極側導電体に流れる電流を監視する工程と、
前記監視工程による監視結果に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定する工程とを含むことを特徴とする性能劣化監視方法。 - 前記陽極側導電体は互いに絶縁された複数の陽極側導電体要素からなり、前記監視工程において、前記各陽極側導電体要素に流れる電流をそれぞれ監視することを特徴とする請求項10記載の性能劣化監視方法。
- 前記判定工程において、前記監視工程で監視された積算電流値に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定することを特徴とする請求項10記載の性能劣化監視方法。
- 前記判定工程において、前記監視工程で監視された電流値の変化に基づいて前記陽極側導電体の耐用状態を判定することを特徴とする請求項10記載の性能劣化監視方法。
- 前記判定工程において、前記監視工程で電流値の急激な増加が監視されたときに、前記陽極側導電体に絶縁不良の可能性があると判定することを特徴とする請求項13記載の性能劣化監視方法。
- 前記判定工程において、前記陽極側導電体に絶縁不良の可能性があると判定した後、所定時間の経過を待って前記陽極側導電体の絶縁不良の有無を再度判定することを特徴とする請求項14記載の性能劣化監視方法。
- 前記判定工程において、前記陽極側導電体に絶縁不良の可能性があると判定した後、海水接触構造物に対する海水の流れ方向を逆向きにした上で前記陽極側導電体の絶縁不良の有無を再度判定することを特徴とする請求項14記載の性能劣化監視方法。
- 前記判定工程において、前記監視工程で電流値の急激な減少が検知されたときに、前記陽極側導電体に剥離または一部破損の可能性があると判定することを特徴とする請求項13記載の性能劣化監視方法。
- 前記判定工程において、前記監視工程で監視された電流値の変化を前記各陽極側導電体要素間で相対的に比較し、その比較結果を考慮しつつ前記各陽極側導電体要素ごとの電流値の変化に基づいて前記各陽極側導電体要素の耐用状態を判定することを特徴とする請求項11記載の性能劣化監視方法。
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