JP3779451B2 - 移動観覧席 - Google Patents

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JP3779451B2 JP32124197A JP32124197A JP3779451B2 JP 3779451 B2 JP3779451 B2 JP 3779451B2 JP 32124197 A JP32124197 A JP 32124197A JP 32124197 A JP32124197 A JP 32124197A JP 3779451 B2 JP3779451 B2 JP 3779451B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、体育館、講堂等の屋内に適用される他、屋外の競技場その他に適用されて、複数段のデッキを所要に応じて階段状に展開し、また、使用後にはそれらのデッキを上下方向に整列させて収納することができる、全体としてほぼ入子状構造の移動観覧席に関し、とくには、可動デッキを展開方向に進出変位させ、また収納方向に後退変位させるに際してのその可動デッキの直進性を大きく向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】
複数段の可動デッキをほぼ入子式に収納・展開可能ならしめた移動観覧席は従来から各種のものが提案されており、多くは、可動デッキ上に、セパレートタイプのまたはベンチタイプの椅子を配設することで、移動観覧席への所定数の観客の着座を可能ならしめている。
【0003】
かかる移動観覧席において、それぞれの可動デッキの、展開方向への進出変位および収納方向への後退変位に際する直進性を担保すべく、出願人は先に、実開昭55−40718号に記載の伸縮構造を提案した。
【0004】
図7〜10はこの従来技術を示す図であり、図7は、上下方向に所定の間隔をおいて水平に配置した複数段のデッキ111〜115の全てを可動タイプとするとともに、それぞれのデッキ111〜115の進退変位をもたらすそれぞれの台車116〜120でそれらのデッキ111〜115を支持し、これらのデッキおよび台車を全体としてほぼ入子構造とした移動観覧席を示す。ここでは、下段側のデッキおよび台車を上段側のそれらの内側に完全に入れ込み、また、最上段のデッキ115および台車120を壁面その他に設けた窪み121内に入れ込むことによって図8に示すような収納状態をもたらすことができ、この一方で、全てのデッキ111〜115を、台車116〜120の作用下でそれらの進出限位置まで進出させることで、図7に示すような展開状態をもたらすことができる。
【0005】
ここで各段のデッキおよび台車は、図9にデッキ114と台車118とを例にとって背面斜視図で示すように組付けられており、ここにおけるデッキ114は、垂直姿勢で左右方向に水平に延びる貫材114aと、この貫材114aの長さ方向に間隔をおいた複数個所で、後端部をその貫材114aに固定されて前方側へ水平に突出する複数本の鉤状アーム114bと、鉤状アーム114bの水平突出部分に張り渡した床材114c,114dとを具えてなり、また、台車118は、前後方向に延在し、走行ローラ118aを介して床面に接触する一対の支持脚118bと、それぞれの支持脚118bの後端部分に直立されて、上端近傍部分を前記貫材114aに固定した一対の支柱118cとを具えてなる。
【0006】
なお図中122は、各支柱118cから前方側へ突出させて設けられ、貫材114aおよび床材114c,114dのそれぞれを支持する梁部材を、また、123は、各支柱118cの下端部と、中央部寄りに配設した鉤状アーム114bの後端部とを連結するブレースを示す。
またここでは、床材114dの先端にベンチタイプの椅子124を取り付けている。
【0007】
ところで、このような移動観覧席の伸縮構造は、最下段を除く、各段のデッキ114で、とくに中央部寄りに配設した二本の鉤状アーム114bを一対とし、図10に一部を破断除去した要部斜視図で示すように、各鉤状アーム114bの前後端に設けたそれぞれのワイヤプーリ125に、一本のワイヤロープ126をたすき掛け様に掛け回し、そして、そのワイヤロープ126の両端を、下段デッキの両アーム114bのそれぞれの後端部分で鉤部を形成するそれぞれの立上り部114eに突設したそれぞれのブラケット114fのいずれか一方に、張力の調節下で連結し、また、そのワイヤロープ126の中央部を、他方のブラケット114fにクランプ固定したものである。
【0008】
この伸縮構造は、上段デッキの鉤状アーム114bに掛け回したワイヤロープ126をもって、下段デッキの進退運動を規制するものであり、これによれば、一本のワイヤロープ126をたすき掛け様に掛け回すとともに、その両端を下段側の一方のブラケット114fに連結し、またその中央部を他方のブラケット114fにクランプ固定することにより、下段デッキの進退運動に当り、そのデッキのそれぞれのブラケット114fは、ワイヤロープ126の拘束下で、上段デッキに対してともに等量ずつ変位されることになるので、進退運動の直進性が確保されることにる。
【0009】
なお図中127は、各鉤状アーム114bの先端部から上方へ突設されて椅子124を支持する補強部材を示す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、かかる従来技術にあっては、それぞれの段毎のワイヤロープ張力を正確に一致させることが困難であり、各段のデッキの直進性が不揃いとなるため、移動観覧席全体としてのすぐれた直進性を確保することが難かしく、隣接する観覧席との干渉のおそれがあり、これを回避するためには、各段のデッキの複数回にわたる進退変位を繰り返して、あるいはまた作業者の手作業による矯正操作を行って、所要の直進精度を収得することが必要になる。
【0011】
また、ワイヤロープ126の初期張力が大きすぎると、それの破断のおそれがある一方で、ワイヤロープ126の経時的な伸長が大きすぎる場合には、再度の張力調整なしには十分な直進性を確保することができず、そしてさらには、ワイヤロープ126の張力調整が適正であっても、ワイヤロープそれ自体の可撓性の故に、デッキ114の直進精度には自ら限界があった。
【0012】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題として検討した結果なされたものであり、それの目的とするところは、各段のデッキの直進精度を十分に高め得ることはもちろん、それぞれの段の直進精度を十分均一ならしめることができ、使用中における再調整の必要がなく、破損のおそれもない移動観覧席、なかでもそれの直進ガイド機構を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の移動観覧席は、上下方向に間隔をおいて水平配置した複数段のデッキと、可動配置したそれぞれのデッキの進退変位をもたらすそれぞれの台車とを具え、それらのデッキおよび台車を、ほぼ入子式に収納・展開可能ならしめた、従来技術で述べたとほぼ同様の移動観覧席において、可動デッキの上段に位置するデッキの、進退変位方向の中間部の裏面に、相互に平行な一対の上部リンクの一端を、たとえば、従来技術で述べたようなアームを介して、垂直面内で揺動可能にヒンジ連結するとともに、それらの上部リンクの他端を、上段に位置する前記デッキの下段側の可動デッキの後端部分で、その裏面に、これもたとえばアームを介して垂直面内で揺動可能にヒンジ連結した、一対の平行な下部リンクの遊端部にヒンジ連結し、そして、ともに対をなす上部リンクの相互および下部リンクの相互を、左右方向に互いに平行に延びるクロスメンバによって連結し、上部および下部リンクのそれぞれの長さを、前記可動デッキの収納下で上部リンクが水平姿勢となり、その可動デッキの展開下で、上部および下部リンクが下側に凸姿勢となる長さに選択したものである。
【0014】
この移動観覧席では、ともに平行に延びる上部リンク対および下部リンク対の各対をクロスメンバをもって相互連結することで、上下部のそれぞれのリンクが左右方向に大きな剛性を有することになり、しかも、剛性材料からなるそれらのリンクは、使用中に破断したり伸びたりすることもないので、上部リンクおよび下部リンクの揺動運動に基き、それぞれの可動デッキを、ともに均一にして高精度の直進性をもって円滑に進退変位させることができ、また、使用中におけるリンクの交換、補修等を全く不要ならしめることができる。
【0015】
加えてここでは、上下部のそれぞれのリンクの長さを、可動デッキの収納下で上部リンクが水平姿勢となるように選択して、その上部リンクの、上下いずれのデッキとの干渉をも有効に防止することで、上下段デッキの間隔を従来通りの所要寸法に維持して、移動観覧席全体の収納時の占有体積を十分小ならしめることができ、併せて、可動デッキの展開下で、上部および下部リンクを下側に凸姿勢として、それらの両リンクの連結部の下側方向への変位を円滑ならしめることで、可動デッキの後退変位に基く収納作動を常に容易ならしめることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基いて説明する。
図1はこの発明の実施形態を移動観覧席の展開姿勢で示す、センタラインに沿う断面図であり、図2はそれを収納姿勢で示す要部背面図である。
【0017】
ここでは上下方向に間隔をおいて水平配置した五段のデッキ1〜5のうち、下段側の三段のデッキ1〜3を可動デッキとし、これらの可動デッキ1〜3を、それらのそれぞれに組付けた台車6〜8をもって前後方向に進退変位可能ならしめる。
【0018】
ここで、最上段のデッキ5を除くデッキ1〜4は、左右方向に水平に延びる貫材9〜12と、各貫材9〜12の長さ方向に間隔をおいた複数個所でその貫材から前方側へ水平に突出させて設けたそれぞれのアーム13〜16と、これらのアーム上に張り渡した床材17〜20とを具える。
【0019】
また、台車6〜8は、前後方向に延在して、走行ローラを介して床面21に接触する、従来技術で述べたと同様の一対の支持脚22〜24と、それぞれの支持脚22〜24の後端部に直立されて、上端近傍部分を貫材9〜11に固定した一対の支柱25〜27とを具える。なお、ここにおけるこれらの各支柱25〜27はその上端に、上段側のアーム14〜16を支持するとともに、それらの各アームとの間の前後方向の相対変位を円滑ならしめるローラを有する。
【0020】
ところで、固定支柱28に組付けられた最上段のデッキ5は、固定支柱28に掛け渡した梁部材29から前方側へ突出させた複数本のアーム30と、それらのアーム上に張り渡した床材31とを具える。なお、図に示すところでは、最上段デッキ5の下段側のデッキ4もまた、固定支柱32に組付けられた不作動デッキである。
【0021】
以上のような構造を有する移動観覧席の各デッキ上には、所要に応じて、セパレートタイプの各個が独立した椅子を配設し得ることはもちろんであるが、図に示すところでは、ベンチタイプの連続椅子33〜37を配設することで、所定数の観客の着座を可能ならしめる。
【0022】
なお図2に示すところにおいて、39〜41はそれぞれ、台車7の支柱26の下端部と貫材10、台車8の支柱27の下端部と貫材11および、固定支柱32の下端部と貫材12とをそれぞれ連結するブレースを示す。
【0023】
このような移動観覧席の直進ガイド機構は、図3に要部を拡大して例示するように、可動デッキ3の上段に位置するデッキ4の裏面、図では床材20を支持する複数本のアーム16(図2参照)のうち、中央部側に位置する二本のアームの内側面に、スペーサ部材51を介して、相互に平行な一対の上部リンク52の一端を垂直面内で揺動可能にヒンジ連結し、これらの上部リンク52の他端を、下段側可動デッキ3の後端部分裏面で、前述したと同様位置に配設された二本のアーム15の内側面に、スペーサ部材51を介して、垂直面内で揺動可能に一端をヒンジ連結した一対の平行な下部リンク54の遊端部にヒンジ連結し、そして、ともに対をなす上部リンク52の相互および下部リンク54の相互を、互いに平行に延びるクロスメンバ55,56によってそれぞれ連結してリンク機構部の剛性を高めたものである。
【0024】
ここにおいて、上部リンク52および下部リンク54のそれぞれの長さは、図1、3に示すように、可動デッキを進出変位させたそれの展開状態の下では、相互にヒンジ連結した上下部の両リンク52,54が下側に凸となる姿勢をとるとともに、可動デッキを、それが固定デッキ4の下側に入り込む、図4に示すような収納状態としたときには、スペーサ部材51の先端部にヒンジ連結した上部リンク52が、そのスペーサ部材を取付けたアーム16に沿った水平姿勢となるように選択する。なお可動デッキのこのような収納状態の下では、下段側デッキの裏面で、スペーサ部材51の後端部に連結した下部リンク54は、デッキの背面側で、上部リンク52から斜め下方へ延在する。
【0025】
このように構成してなる直進ガイド機構では、図5にAで示すような収納状態の可動デッキ、たとえば可動デッキ3を、図にBおよびCで示す進出位置を順次に辿って図にDで示す位置まで展開変位させるに当り、上部リンク52は、それのスペーサ部材51へのヒンジ位置の周りで次第に下向きに回動し、そして、下部リンク54もまた、それのヒンジ位置の周りで下向き回動してデッキ3の直線状の進出変位を案内する。なおここで、可動デッキ3が図にCで示す位置からDで示す展開位置に達するまでの間では、上下部の両リンク52,54の交角がとくに大きく増大することにより、下部リンク54は、それのヒンジ位置の周りで幾分上向きに回動することになる。
【0026】
この一方で、展開状態の可動デッキ3を収納するに当っては、上下部のそれぞれのリンク52,54は、上述したところとは逆方向に回動変位して、可動デッキ3の、図にAで示す位置への直線状の後退変位を案内する。
ちなみに、図1は、直進ガイド機構のこのような作用の下で、全ての可動デッキ1〜3を展開した状態を示し、図6は、全ての可動デッキ1〜3を収納した状態を示す。
【0027】
直進ガイド機構のこのような作用に当り、上下部のそれぞれのリンク52,54は垂直面内でのみ揺動変位し、しかも、対をなす上部リンク52の相互および下部リンク54の相互は、クロスメンバ55および56により連結されて、図5の紙面と直交する左右方向には十分大きな剛性を有しているので、それぞれの可動デッキ1〜3の展開および収納はいずれも、高い直進性をもって円滑に行なわれることになる。
【0028】
加えて、この直進ガイド機構では、従来技術におけるような張力調整が不要であるのみならず、剛性材料からなるそれぞれのリンク52,54に所要の強度を付与することで、リンク52,54に伸び、破断等が生じることもないので、特別の調整を行なうことなしに、常に高い直進性を維持することができる。
【0029】
以上この発明の実施の形態を図面に基いて説明したが、図に示すところから不作動デッキ5および固定支柱28を省くこと、全てのデッキを可動デッキとすること等も可能である。
【0030】
【発明の効果】
かくしてこの発明によれば、張力調整のような特別の作業を必要とすることなく直進ガイド機構を構成することができ、また、各段のデッキの直進精度を大きく向上させるとともに、各段の直進精度を十分均一ならしめることができ、さらには、使用中の調整をもまた不要としてなお、破損のおそれなしに、高い直進性を常に確実に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を移動観覧席の展開姿勢で示すセンタラインに沿う断面図である。
【図2】この発明の実施形態を移動観覧席の収納姿勢で示す要部背面図である。
【図3】直進ガイド機構を示す要部拡大図である。
【図4】上下部リンクの長さを示す拡大断面図である。
【図5】直進ガイド機構の作動説明図である。
【図6】移動観覧席を収納姿勢で示す図1と同様の断面図である。
【図7】従来技術を移動観覧席の展開姿勢で示す図1と同様の断面図である。
【図8】従来技術を移動観覧席の収納姿勢で示す図1と同様の断面図である。
【図9】一のデッキおよび台車の背面斜視図である。
【図10】伸縮構造を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1〜5 デッキ
6〜8 台車
9〜12 貫材
13〜16 アーム
17〜20 床材
21 床面
22〜24 支持脚
25〜27 支柱
33〜37 連続椅子
51 スペーサ部材
52 上部リンク
54 下部リンク
55,56 クロスメンバ

Claims (1)

  1. 上下方向に間隔をおいて水平配置した複数段のデッキと、可動配置したデッキの進退変位をもたらすそれぞれの台車とを具え、それらのデッキおよび台車を、ほぼ入子式に収納・展開可能ならしめた移動観覧席であって、可動デッキの上段に位置するデッキの、進退変位方向の中間部の裏面に、相互に平行な一対の上部リンクの一端を、垂直面内で揺動可能にヒンジ連結するとともに、これらの上部リンクの他端を、上段に位置する前記デッキの下段側の可動デッキの後端部分で、その裏面に垂直面内で揺動可能にヒンジ連結した一対の平行な下部リンクの遊端部にヒンジ連結し、ともに対をなす上部リンクの相互および下部リンクの相互を、互いに平行に延びるクロスメンバで連結し、上部および下部リンクのそれぞれの長さを、前記可動デッキの収納下で上部リンクが水平姿勢となり、その可動デッキの展開下で、上部および下部リンクが下側に凸姿勢となる長さに選択してなる移動観覧席。
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