JP3831804B2 - 排ガスの脱硝装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料を燃焼させて発生した排ガスにアンモニア(以下「NH3」とも云う)を注入して窒素酸化物(以下「NOx」とも云う)を除去する排ガスの脱硝装置に係り、特に加圧流動層ボイラ(PFBCボイラ)から発生する排ガスの窒素酸化物を除去する排ガスの脱硝装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題として、環境汚染物質の排出規制が厳しくなってきている。化石燃料を燃焼し発電する火力発電は、環境性能向上、発電効率向上に向け、研究開発がなされている。この中で現在注目されているのがボイラを圧力容器の中に入れ加圧化で石炭を燃焼させ発電する加圧流動層ボイラを利用した発電装置である。
【0003】
加圧流動層ボイラを利用した発電装置は、ガスタービン(以下「GT」との云う)とスチームタービンを組み合わせた複合発電によって発電効率の向上を図り、流動層を形成する石灰石によって炉内脱硫を行なうことにより脱硫装置を省き、更に比較的低温で燃焼させること及び流動層中のカーボン等の還元物質による還元反応で流動層出口のNOx濃度を低減すること等のメリットを有するものである。
【0004】
しかし、従来の排ガスの脱硝技術では触媒のみによる脱硝によりガスタービン排気ガス中のNOx濃度を低減しており、脱硝装置の性能上、脱硝効率には上限があり、それ以上の脱硝性能の向上は出来なかった。
【0005】
図10は、加圧流動層ボイラを利用した発電装置に使用された従来の排ガスの脱硝装置の一例を示す系統図である。コンプレッサ6に導入された燃焼空気5は、火炉入口配管4を通って圧力容器3内の加圧流動層ボイラ1に導入される。燃料(CWP(Coal Water Paste)と云う)供給ノズル23を介して流動層を形成する流動媒体(BM)2に供給される燃料が燃焼することによって発生する排ガスは、火炉出口配管7を通りガスタービン8に導入され発電を行なうと同時にコンプレッサ6を駆動する。ガスタービン8を出た排ガスは、ガスタービン出口ダクト9を通って節炭器10に導入されるが、排ガス温度が約400℃と高温であるため、節炭器10で熱回収され、煙突出口ダクト12を通り煙突29より放出される。
【0006】
上記加圧流動層ボイラを利用した発電装置の中でNOxを低減、除去する装置は、節炭器10内に設けられた脱硝触媒を有する触媒脱硝装置11のみである。触媒脱硝装置11入口に設けられた有触媒入口NOx濃度計測装置22aにより有触媒必要アンモニア量が計算され、アンモニア気化器15から送られたアンモニアは、有触媒アンモニア流量調整弁19で流量調整され、アンモニア希釈空気14が加えられ有触媒アンモニア注入ノズル13より注入される。有触媒脱硝装置11入口NOx濃度が計画値以上の場合、アンモニアを過剰に注入する必要があり、有触媒脱硝装置11出口の漏洩アンモニア(以下「リークアンモニア」とも云う)も多くなり煙突29より排出されることになるが、一方ではこれにより煙突29から排出されるNOx濃度を低減している。
【0007】
図11は、ボイラ燃焼装置に使用された従来の別の排ガスの脱硝装置の例を示す系統図である。このボイラ燃焼装置は、燃焼室40の出口側に設けられた無触媒脱硝手段41と、同無触媒脱硝手段41の下流部で煙道42に設けられた触媒脱硝手段43とを有すると共に、熱交換器44にて排ガスと空気とが熱交換されるものである(実開昭53−163347号)。
【0008】
図12は、加圧流動層ボイラを利用した発電装置に使用された従来の更に別の排ガスの脱硝装置の例を示す系統図である。この排ガスの脱硝装置は、GT55下流の触媒脱硝装置58入口のNOx濃度56に応じて、触媒脱硝装置58入口でのアンモニア注入57と、加圧容器50内の火炉51で発生した排ガスに対して無触媒脱硝用のアンモニア注入52、54とを調整して行なうものである。尚、符号53は脱塵装置、符号59は低圧給水ヒータ、符号60は高圧給水ヒータ、符号61は煙突である。(特表平5−504290号)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図10に示した排ガスの脱硝装置は、触媒脱硝装置11により排ガス中のNOx濃度を低減し、環境規制値以下として煙突より排出するものであるが、脱硝効率の上限値以上を出すことが出来ず、リークアンモニアも過剰となり、それ以上の脱硝効率の向上を行なうことは困難であった。
【0010】
図11に示した排ガスの脱硝装置は、高温度の熱還元雰囲気下で熱還元による無触媒脱硝を行ない低温度域で触媒脱硝を行なうものであるが、消費するアンモニア量を最小とする目的で各箇所に注入するアンモニア量を最適に制御する手段がない。この従来技術を加圧流動層ボイラに適用する場合、高温度の熱還元雰囲気領域は、図10に示したガスタービン8の上流側に該当するが、加圧流動層ボイラではガスタービン入口までは高温条件に加えて高圧条件であるため、排ガス中の酸素分圧は図11に示したボイラ燃焼装置の約10倍程度であり、その結果この領域に注入するアンモニアが酸素により窒素と水蒸気に分解する反応が顕著となり、注入アンモニアが充分有効に脱硝反応に使用されないことになる。更に加圧流動層ボイラは部分負荷においては排ガス圧力が10気圧から5気圧程度まで減少するため、注入アンモニアの分解反応も運転圧力に大きく影響を受ける。
【0011】
更に、このボイラ燃焼装置に使用された排ガスの脱硝装置は、注入するアンモニアの有効利用効率が運転負荷によって大きく左右される加圧流動層ボイラにおいて、注入するアンモニア量を最小とする経済的な制御を実施することは出来ない。
【0012】
図12に示した排ガスの脱硝装置は、無触媒脱硝と触媒脱硝の組み合わせにより煙突入口までの脱硝効率向上が可能であるが、ガスタービン55上流の無触媒脱硝でのアンモニア注入量は、触媒脱硝装置58入口NOx濃度56を設定値になるように決定され、触媒脱硝装置58入口でのアンモニア注入量は触媒脱硝装置入口NOx濃度56に応じて決定されるため、排ガス中の残存アンモニア濃度、即ちリークアンモニアを最小にするアンモニア注入配分については、特に配慮されていなかった。
【0013】
本発明の課題は、上記問題点を解決し、外部に排出される窒素酸化物濃度を環境規制値以下に維持すると共に、排ガスの脱硝に使用するアンモニア量と外部に排出される漏洩アンモニア量を最小にすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、燃料を燃焼させて発生した燃焼排ガスにアンモニアを注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減した低減処理排ガスとし、更に該低減処理排ガスにアンモニアを注入し触媒の存在の基に該低減処理排ガスの窒素酸化物を除去する排ガスの脱硝装置において、前記燃焼排ガスにアンモニアを注入する注入位置より上流側で該燃焼排ガスの窒素酸化物濃度を計測し、該計測した窒素酸化物濃度による制御信号に基づいて前記燃焼排ガスに注入するアンモニア注入量を制御する第1のアンモニア注入制御手段を備えたことである。
【0015】
第1のアンモニア注入制御手段を備えたことにより、燃料、例えばCWPを燃焼させる加圧流動層ボイラで発生した燃焼排ガス中のNOxは、第1のアンモニア注入制御手段により注入されるアンモニアで気相還元反応を起こして窒素と水に分解され低減される。この際、低減されるべき燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度を計測し、この計測信号から演算された制御信号に基づいてアンモニア注入量が決められるので必要以上の過剰なアンモニアが注入されることがない。
【0016】
更に、上記排ガスの脱硝装置において、前記低減処理排ガスにアンモニアを注入する注入位置より上流側で前記低減処理排ガスの窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度を計測し、該計測した窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号に基づいて前記低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御する第2のアンモニア注入制御手段を備えたことである。
【0017】
第2のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置は、上記排ガスの脱硝装置の作用に加え、第1のアンモニア注入制御手段により低減されたNOxが、第2のアンモニア注入制御手段により更に除去され流動層ボイラ全体としての脱硝性能を向上させる。ここで、第1のアンモニア注入制御手段は、無触媒脱硝反応又は気相還元反応で利用され、第2のアンモニア注入制御手段は、有触媒脱硝反応で利用される。
【0018】
更に、上記第2のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置において、前記第2のアンモニア注入制御手段は、前記触媒を通過した触媒通過排ガスの窒素酸化物濃度を計測し、該計測した窒素酸化物濃度の計測信号で、前記計測した低減処理排ガスの窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号を補正して前記低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御することである。
【0019】
第2のアンモニア注入制御手段が窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号を補正して低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御する排ガスの脱硝装置は、上記第2のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置の作用に加え、触媒脱硝装置出口煙道又は煙突入口にNOx濃度計測装置を設置して、触媒脱硝装置出口NOx濃度値が規制値に対して一定偏差以上の差異を生じた場合には、偏差幅に応じて、有触媒脱硝装置入口又は流動層ボイラ出口でのアンモニア注入量を補助的に制御することで、応答性を向上することが可能である。
【0020】
更に、上記第2のアンモニア注入制御手段を備えたいずれかの排ガスの脱硝装置において、前記第2のアンモニア注入制御手段は、前記触媒を通過した触媒通過排ガスのアンモニア濃度を計測し、該計測したアンモニア濃度の計測信号で、前記計測した低減処理排ガスの窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号を補正して前記低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御することである。
【0021】
第2のアンモニア注入制御手段が窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号を補正して前記低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御する排ガスの脱硝装置は、上記第2のアンモニア注入制御手段を備えたいずれかの排ガスの脱硝装置の作用に加え、触媒脱硝装置出口煙道又は煙突入口にアンモニア濃度計測装置を設置して、触媒脱硝装置出口残存アンモニア濃度が一定値以下になるように、計測値との偏差に応じて有触媒脱硝装置入口又は流動層ボイラ出口でのアンモニア注入量を補助的に制御することで、リークアンモニア量を補助的に制御することが出来る。
【0022】
更に、先の第1のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置において、前記触媒を通過した触媒通過排ガスの窒素酸化物濃度を計測し、該計測した窒素酸化物濃度の計測信号から演算された制御信号に基づいて、前記低減処理排ガスにアンモニアを注入し、前記触媒通過排ガスの窒素酸化物濃度が予め設定された濃度範囲に収まるように制御する第3のアンモニア注入制御手段を備えたことである。
【0023】
第3のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置は、先の第1のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置の作用に加え、触媒脱硝装置出口NOx濃度が規制値以下になるということは、アンモニアが過剰の状態であることを示し、アンモニア流出量が増加している可能性を示す。逆に触媒脱硝装置出口のNOx濃度が規制値以上になるということはアンモニアは脱硝反応に消費されて排出量が減少している一方で系外への流出NOxが増加していることを示す。従って、触媒脱硝装置出口又は下流ダクトで計測するNOx濃度が規制値上限と下限の範囲内に維持出来るよう触媒脱硝装置入口又は上流ダクトに注入するアンモニア量を制御することにより触媒脱硝装置出口のNOx排出量及びアンモニア排出量を低減することが出来る。
【0024】
そして、先の第1のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置において、前記触媒を通過した触媒通過排ガスのアンモニア濃度を計測し、該計測したアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号に基づいて、前記低減処理排ガスにアンモニアを注入し、前記触媒通過排ガスのアンモニア濃度が予め設定された濃度範囲に収まるように制御する第4のアンモニア注入制御手段を備えたことである。
【0025】
第4のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置は、先の第1のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置の作用に加え、触媒脱硝装置出口NOx濃度が規制値以下になるということは、アンモニアが不足の状態であることを示し、NOx流出量が増加している可能性を示す。逆に触媒脱硝装置出口のNH3濃度が規制値以上になるというとこは、アンモニアが過剰に存在している状態でNOxの排出は抑制されているが系外への流出アンモニアが増加していることを示す。従って、触媒脱硝装置出口又は下流ダクトで計測するNH3濃度が規制値上限と下限の範囲内に維持出来るよう触媒脱硝装置入口又は上流ダクトに注入するアンモニア量を制御することにより触媒脱硝装置出口のNOx排出量及びアンモニア排出量を低減することが出来る。
【0026】
ところで、アンモニアは物性上熱分解を起こしやすい特性を有しているため、注入されたアンモニアが熱分解を起こす前にNOxを還元することが出来る能力には上限がある。即ち、第1のアンモニア注入手段において一定量以上の過剰のアンモニアを注入しても、ある割合からはNOx濃度は平衡傾向となる。そこで、アンモニア注入位置の上流側でNOx濃度を計測し、この計測信号から演算される必要NOx/NH3のモル比率に相当する適正アンモニア(NOx低減に寄与する必要最小限の過剰アンモニア)を注入することで、不必要に過剰なアンモニア注入を避けることが出来る。
【0027】
熱分解やNOxとの気相還元反応を起こさずに残留したアンモニアは、第2のアンモニア注入手段によって注入されるアンモニアと合わせて再利用される。脱硝触媒を設けた触媒脱硝装置入口のアンモニア注入位置より上流側に設置するNOx濃度計測装置から触媒脱硝装置出口のNOx濃度を規制値に維持するのに必要なアンモニア量が計算出来、アンモニア濃度計測装置から低減処理排ガス中に残存するアンモニア量が計算出来るため、必要アンモニア量から残存アンモニア量を差し引いた量のアンモニアを触媒脱硝装置入口に注入すれば、必要最小限の過剰アンモニア量以上に注入することがなくなるのでリークアンモニア量を最小化出来る。
【0028】
無触媒脱硝は、NH3によるNOxの気相直接熱還元反応を利用したものであるが、同時にNH3自体も熱分解してN2とH2Oになる。
【0029】
4NH3+6NO → 5N2 +6H2O
4NH3+3O2 → 2N2 +6H2O
従って、注入したNH3は一部がNOxの還元に寄与し、残りの一部は酸素によって分解されN2とH2Oとなり、残りの他の一部はリークアンモニアとなる。本発明者等の試験実績によれば、NH3/NOモル比で2〜3以上はNH3を過剰に投入してもNOxは殆ど平衡値に達し、投入NH3の脱硝としての有効利用率は低下する。
【0030】
図8は、加圧流動層ボイラ排ガスの無触媒脱硝におけるNH3/NOxモル比とNOx濃度、注入NH3の関係曲線図である。この図に示すように、出口NOx濃度に応じてNH3を注入する場合は、NH3/NOxモル比が過剰であっても一定割合以上はNH3の有効利用率が低く経済的でない。
【0031】
本発明においては、入口NOx濃度に応じて一定モル比のNH3を注入することでNH3を有効に利用出来る範囲までNOx濃度を低減するものである。加圧流動層ボイラにおいては最適モル比は約2〜3であり、この場合無触媒脱硝だけだと出口NOx濃度が規制値を守れない恐れがあるが、加圧流動層ボイラにおいてはガスタービン(GT)出口に有触媒脱硝装置があるので、規制値までの低減は有触媒脱硝で行なう。
【0032】
有触媒脱硝では、触媒脱硝装置入口のNOx濃度を触媒脱硝装置出口で規制値まで除去するのに必要なNH3を入口NOx濃度計測値から計算で予測する。但し、触媒脱硝装置入口の低減処理排ガス中に上流の無触媒脱硝での残留NH3が含まれるため、触媒脱硝装置入口で注入するNH3量は、計算予想値(必要値)から残留NH3分を除いた差分に相当するNH3を注入すれば良い。
【0033】
図9は、加圧流動層ボイラ排ガスの触媒脱硝における運転負荷とNOx濃度、残留NH3濃度、有触媒入口NH3濃度の関係曲線図である。加圧流動層ボイラにおいては、ボイラ出口〜GTまでのガス温度、ガス圧力が負荷によって変動するため上記の関係を横軸を運転負荷で整理すると、無触媒脱硝は熱還元反応のため注入NH3モル比が一定でも排ガス温度が低下する部分負荷時には脱硝効率が低下するため触媒脱硝装置入口でのNOx濃度は上昇傾向となる(図9の▲1▼)。
【0034】
一方、無触媒脱硝の余剰NH3の熱分解反応は部分負荷で温度が低下することと、排ガス圧力低下に伴うO2分圧低下に伴い分解が抑制される傾向であるため、残留NH3としての存在割合が上昇する(図9の▲2▼)。従って、有触媒入口においては、部分負荷でNOx濃度が上昇するため排ガス量に対して必要NH3割合も増加する(図9の▲3▼)が、無触媒脱硝での残留NH3濃度も増加するので、必要量から残留NH3量を引いた有触媒入口でのNH3注入量は著しく増加することはない(図9の▲4▼)。
【0035】
有触媒入口でのNOx濃度に対して一定割合のNH3を注入する場合は、既に排ガス中に存在する残留NH3量がNH3に加算されるので、必要以上に過剰なNH3がリークNH3として煙突へ排出されることになるので経済的ではない。尚、無触媒脱硝での残留NH3量は、上記のように加圧流動層特有の排ガス温度と排ガス圧力によって変動するので計算等で精度よく予想することは困難であり、実際の測定値を制御信号として使用することが応答性の面でも効果的である。以上より、煙突入口ダクトでのNOx及びリークアンモニアを最小レベルに抑えることが出来る。
【0036】
次に、燃料を燃焼させて発生した燃焼排ガスにアンモニアを注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減した低減処理排ガスとし、更に該低減処理排ガスにアンモニアを注入し触媒の存在の基に該低減処理排ガスの窒素酸化物を除去する排ガスの脱硝装置において、前記燃料を燃焼させる燃焼装置にかかる負荷の負荷信号に応じて前記燃焼排ガスに注入するアンモニア注入量を制御する第5のアンモニア注入制御手段を備え、先の第3のアンモニア注入制御手段又は第4のアンモニア注入制御手段を備えたことである。
【0037】
第5のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置は、先の第3のアンモニア注入制御手段又は第4のアンモニア注入制御手段を備えた排ガスの脱硝装置の作用に加え、例えば流動層ボイラの運転条件を負荷によって一定のパターンに固定して運転する場合は、NOx濃度を計測しなくても、注入するアンモニア量を負荷と相関させた制御関数として予め設定し、負荷信号により、気相還元脱硝部に注入するアンモニア量を制御することも可能である。
【0038】
本発明の排ガスの脱硝装置は、第1のアンモニア注入制御手段31又は第5のアンモニア注入制御手段35である無触媒脱硝装置により低減されたNOxは、触媒脱硝装置11で第2〜第4のアンモニア注入制御手段32、33、34により注入されたアンモニアによって更に除去され脱硝効率を触媒脱硝装置11のみによる場合の上限値以上に向上させることが可能となり、厳しい環境規制値に対応することが出来る。
【0039】
又、無触媒脱硝と有触媒脱硝で使用するアンモニア量を、煙突入口NOx濃度を規制値以下に維持しつつ、分解消失するアンモニア量と未反応で系外に排出されるアンモニア量を最小にするように制御する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る排ガスの脱硝装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、図1〜7において、同一又は同等部分には同一符号を付けて示し、図2〜7における図1と同じ符号部分の説明は省略する。
【0041】
図1は、加圧流動層ボイラを利用した発電装置に使用された本発明に係る排ガスの脱硝装置の第1実施形態を示す系統図である。ガスタービン8によって駆動されるコンプレッサ6に導入された燃焼空気5は、火炉入口配管4を通って圧力容器3内の加圧流動層ボイラ1に導入される。流動層を形成する流動媒体(BM)2にCWP供給ノズル23によって供給された燃料としてのCWPは、燃焼することによって燃焼排ガスG1を発生する。加圧流動層ボイラ1で発生した燃焼排ガスG1は、火炉出口配管7内で気相還元反応による無触媒脱硝が行なわれる。窒素酸化物が低減された低減処理排ガスG2は、更に火炉出口配管7を通りガスタービン8に導入され発電を行なうと同時にコンプレッサ6を駆動する。ガスタービン8を出た低減処理排ガスG2は、ガスタービン出口ダクト9より上流側の節炭器10に導入されるが、排ガス温度が約400℃と高温であるため、上流側の節炭器10及び下流側の節炭器10を通って熱回収され煙突入口ダクト12を通過し煙突29より放出される。
【0042】
ここで、第1実施形態の排ガスの脱硝装置は、燃料としてCWPを燃焼させる加圧流動層ボイラ1で発生した燃焼排ガスG1にアンモニアを注入して燃焼排ガスG1中の窒素酸化物を低減して低減処理排ガスG2とし、更にこの低減処理排ガスG2にアンモニアを注入し脱硝触媒(触媒)を有する脱硝触媒装置11で低減処理排ガスG2の窒素酸化物を除去し、触媒通過排ガスG3として系外に排出するものである。そして、燃焼排ガスG1にアンモニアを注入する注入位置I1より上流側で燃焼排ガスG1の窒素酸化物濃度を計測する火炉出口NOx濃度計測装置21を有し、このNOx濃度計測装置21で計測した窒素酸化物濃度による制御信号c0に基づいて燃焼排ガスG1に注入するアンモニア注入量を制御する第1のアンモニア注入制御手段31を備えている。
【0043】
更に、低減処理排ガスG2にアンモニアを注入する注入位置I2より上流側に低減処理排ガスG2の窒素酸化物濃度を計測する有触媒入口NOx濃度計測装置22a及びアンモニア濃度を計測する有触媒入口NH3濃度計測装置22bが設置され、これらの計測装置で計測した窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号i2、i3から演算された制御信号c1に基づいて低減処理排ガスG2に注入するアンモニア注入量を制御する第2のアンモニア注入制御手段32を備えている。
【0044】
そして、第1実施形態の排ガスの脱硝装置において、第1のアンモニア注入制御手段31は、火炉出口NOx濃度計測装置21によって火炉出口NOx濃度を計測し、この計測信号によってアンモニア必要量が計算された後、制御信号c0を無触媒アンモニア流量調整弁20に送って制御する。制御信号c0を受けた無触媒アンモニア流量調整弁20は、触媒脱硝と共用されるアンモニア気化器15から必要量のアンモニアを火炉出口配管7内の圧力以上に昇圧する無触媒アンモニア昇圧ファン(コンプレッサ)16に送る。無触媒アンモニア昇圧ファン16から送られたアンモニアは、混合器30においてアンモニア希釈空気17を混合され無触媒アンモニアノズル18より火炉出口配管7内に注入される。
【0045】
注入されたアンモニアは、火炉出口配管7内の排ガス中に拡散し気相還元反応によりNOxを低減すると同時に熱分解を起こしながらガスタービン8を経て触媒脱硝装置11入口まで到達する。このときのNOx濃度及びアンモニア濃度をNOx濃度計測装置22a及びNH3濃度計測装置22bにて計測し、その計測信号i2、i3を触媒層入口NH3注入量演算装置25に取り込み、触媒脱硝で必要とする注入アンモニア量を演算し、演算された制御信号c1を有触媒アンモニア流量調整弁19に送って制御し、この有触媒アンモニア流量調整弁19から送られたアンモニアをアンモニア希釈空気14で希釈し、有触媒アンモニア注入ノズル13より注入する。
【0046】
触媒脱硝装置11入口でのNOxは、触媒により更に除去され、無触媒脱硝の第1のアンモニア注入手段31と組み合わせることで脱硝触媒のみで行なう脱硝効率の限界値を結果的にさらに向上させることになる。又、無触媒脱硝でのリークアンモニアを有触媒脱硝で有効利用することから煙突から排出されるアンモニア濃度も最小とすることが出来る。消費するアンモニアは常に注入位置の上流側のNOx濃度に必要な最小限に過剰な量とすることが出来るので、アンモニア消費量を最小とすることが出来る。
【0047】
図2は、第2実施形態を示す系統図である。第2実施形態の排ガスの脱硝装置は、上記第2のアンモニア注入制御手段32に、触媒脱硝装置11を通過した触媒通過排ガスG3の窒素酸化物濃度を計測する有触媒出口NOx濃度計測装置24aを有し、この有触媒出口NOx濃度計測装置24aで計測した窒素酸化物濃度の計測信号i4で、先に計測した低減処理排ガスG2の窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号i2、i3から演算された制御信号c1を触媒層入口NH3注入量補正演算装置26で補正して制御信号c2を有触媒アンモニア流量調整弁19に送って制御し、有触媒アンモニア注入ノズル13よりアンモニアを低減処理排ガスG2に注入、制御する。出口NOx濃度が設定又は規制NOx濃度値より小さくなるように補正する。
【0048】
図3は、第3実施形態を示す系統図である。第3実施形態の排ガスの脱硝装置は、上記第2のアンモニア注入制御手段32に、触媒脱硝装置11を通過した触媒通過排ガスG3のアンモニア濃度を計測する有触媒出口NH3濃度計測装置24bを有し、この有触媒出口NOx濃度計測装置24bで計測したNH3濃度の計測信号i5で、先に計測した低減処理排ガスG2の窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号i2、i3から演算された制御信号c1を触媒層入口NH3注入量補正演算装置26で補正して制御信号c3とし、制御信号c3を有触媒アンモニア流量調整弁19に送って制御し、低減処理排ガスG2に注入するアンモニア注入量を制御する。出口NH3濃度が設定濃度値より小さくなるように補正を加え有触媒アンモニア流量調整弁19を制御し有触媒アンモニア注入ノズル13よりアンモニアを注入する。
【0049】
図4は、第4実施形態を示す系統図である。第4実施形態の排ガスの脱硝装置は、触媒通過排ガスG3の窒素酸化物濃度が予め設定された濃度範囲に収まるように制御する第3のアンモニア注入制御手段33を備えている。第3のアンモニア注入制御手段33は、触媒脱硝装置11を通過した触媒通過排ガスG3の窒素酸化物濃度を計測する有触媒出口NOx濃度計測装置24aを有し、この有触媒出口NOx濃度計測装置24aで計測した窒素酸化物濃度の計測信号i4を触媒層入口NH3注入演算装置27に入力し、この触媒層入口NH3注入演算装置27から演算された制御信号c4に基づいて、有触媒アンモニア流量調整弁19を制御して低減処理排ガスG2にアンモニアを注入する。
【0050】
更に、第4実施形態の排ガスの脱硝装置において、火炉出口配管7の気相還元脱硝部に注入するアンモニアは、第1のアンモニア注入手段31で注入する。一方、触媒脱硝装置11入口部に注入するアンモニアは、触媒脱硝装置11出口NOx濃度を計測して、その値が設定した濃度範囲以内になるように第3のアンモニア注入制御手段33で注入する。触媒脱硝装置11出口NOx濃度が設定値以下になるということは、アンモニアが過剰の状態であることを示し、アンモニアが流出している可能性があることを示す。逆に、触媒脱硝装置11出口NOx濃度が設定値以上になるということは、アンモニアは反応に使用され流出の心配がなくなるが、NOxは系外に流出することになる。従って、有触媒出口NOx濃度計測装置24aにより計測したNOx濃度が、設定上限及び下限の範囲内の値になるように有触媒アンモニア注入ノズル13からのアンモニア注入量を制御することにより、NOx及びNH3の排出を低減させることが出来る。この場合、有触媒出口NOx濃度計測装置24aだけで、上記の効果を発揮させ得るので、NOx計測装置及びNH3計測装置を多くいらない。
【0051】
図5は、第5実施形態を示す系統図である。第5実施形態の排ガスの脱硝装置は、触媒通過排ガスG3のアンモニア濃度が予め設定された濃度範囲に収まるように制御する第4のアンモニア注入制御手段34を備えている。第4のアンモニア注入制御手段34は、触媒脱硝装置11を通過した触媒通過排ガスG3のアンモニア濃度を計測する有触媒出口NH3濃度計測装置24bを有し、この有触媒出口NH3濃度計測装置24bで計測したアンモニア濃度の計測信号i5を触媒層入口NH3注入演算装置27に入力し、この触媒層入口NH3注入演算装置27から演算された制御信号c5に基づいて、有触媒アンモニア流量調整弁19を制御して低減処理排ガスG2にアンモニアを注入する。
【0052】
更に、第5実施形態の排ガスの脱硝装置において、火炉出口配管7の気相還元脱硝部に注入するアンモニアは、第1のアンモニア注入手段31で注入する。一方、触媒脱硝装置11入口部に注入するアンモニアは、触媒脱硝装置11出口NH3濃度を計測して、その値が設定した濃度範囲以内になるように第4のアンモニア注入制御手段34で注入する。触媒脱硝装置11出口NH3濃度が設定値以下になるということは、NOxが過剰の状態であることを示し、NOxが流出している可能性があることを示す。逆に、触媒脱硝装置11出口NH3濃度が設定値以上になるということは、NOxは反応に使用され流出の心配が無くなるが、NH3は系外に流出することになる。従って、有触媒出口NH3濃度計測装置24bにより計測したNH3濃度が、設定上限及び下限の範囲内の値になるように有触媒アンモニア注入ノズル13からのアンモニア注入量を制御することにより、NOx及びNH3の流出を低減させることが出来る。この場合、有触媒出口NH3濃度計測装置24bだけで、上記効果を発揮させ得るので、NOx計測装置及びNH3計測装置を多くいらない。
【0053】
図6は、第6実施形態を示す系統図である。第6実施形態の排ガスの脱硝装置は、CWPの燃料を燃焼させる加圧流動層ボイラ1にかかる負荷の負荷信号fに応じて燃焼排ガスG1に注入するアンモニア注入量を制御する第5のアンモニア注入制御手段35を備えている。更に、触媒脱硝装置11の出口のNOx濃度を計測し、触媒脱硝装置11の入口のアンモニア注入位置I2でのアンモニア注入量を制御する第3のアンモニア注入制御手段33を備えている。
【0054】
第1〜5実施形態の排ガスの脱硝装置は、火炉出口に注入するアンモニア量を加圧流動層ボイラ火炉出口配管7のアンモニア注入位置より上流側に火炉出口NOx濃度計測装置を設置して、このNOx計測装置の計測信号c0に応じて加圧流動層ボイラ出口煙道へのアンモニア注入量を制御するが、第6実施形態の排ガスの脱硝装置は、加圧流動層ボイラの運転条件を負荷によって一定のパターンに固定して運転する場合は、NOx濃度を計測しなくても、注入するアンモニア量を負荷と相関させた制御関数として予め設定し、負荷信号fにより、気相還元脱硝部に注入するアンモニア量を制御する。
【0055】
図7は、第7実施形態を示す系統図である。第7実施形態の排ガスの脱硝装置は、第6実施形態の排ガスの脱硝装置と同様にCWPの燃料を燃焼させる加圧流動層ボイラ1にかかる負荷の負荷信号fに応じて燃焼排ガスG1に注入するアンモニア注入量を制御する第5のアンモニア注入制御手段35を備えているが、第6実施形態の排ガスの脱硝装置における触媒脱硝装置11の出口のNOx濃度を計測する有触媒出口NOx計測装置24aの代わりに有触媒出口NH3計測装置24bを有する第4のアンモニア注入制御手段34を備えている。
【0056】
第6実施形態の排ガスの脱硝装置と同様に、第7実施形態の排ガスの脱硝装置は、加圧流動層ボイラの運転条件を負荷によって一定のパターンに固定して運転する場合は、NOx濃度を計測しなくても、注入するアンモニア量を負荷と相関させた制御関数として予め設定し、負荷信号fにより、気相還元脱硝部に注入するアンモニア量を制御する。
【0057】
【発明の効果】
本発明の排ガスの脱硝装置によれば、外部に排出される窒素酸化物濃度を環境規制値以下に維持すると共に、排ガスの脱硝に使用するアンモニア量と外部に排出される漏洩アンモニア量を最小にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧流動層ボイラを利用した発電装置に使用された本発明に係る排ガスの脱硝装置の第1実施形態を示す系統図である。
【図2】第2実施形態を示す系統図である。
【図3】第3実施形態を示す系統図である。
【図4】第4実施形態を示す系統図である。
【図5】第5実施形態を示す系統図である。
【図6】第6実施形態を示す系統図である。
【図7】第7実施形態を示す系統図である。
【図8】加圧流動層ボイラ排ガスの無触媒脱硝におけるNH3/NOxモル比とNOx濃度、注入NH3の関係曲線図である。
【図9】加圧流動層ボイラ排ガスの触媒脱硝における運転負荷とNOx濃度、残留NH3濃度、有触媒入口NH3濃度の関係曲線図である。
【図10】加圧流動層ボイラを利用した発電装置に使用された従来の排ガスの脱硝装置の一例を示す系統図である。
【図11】ボイラ燃焼装置に使用された従来の別の排ガスの脱硝装置の例を示す系統図である。
【図12】加圧流動層ボイラを利用した発電装置に使用された従来の更に別の排ガスの脱硝装置の例を示す系統図である。
【符号の説明】
31 第1のアンモニア注入手段
32 第2のアンモニア注入手段
33 第3のアンモニア注入手段
34 第4のアンモニア注入手段
35 第5のアンモニア注入手段
I1、I2 注入位置
i2〜i5 計測信号
c0〜c5 制御信号
f 負荷信号
G1 燃焼排ガス
G2 低減処理排ガス
G3 触媒通過排ガス

Claims (3)

  1. 燃料を燃焼させて発生した燃焼排ガスにアンモニアを注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物を低減した低減処理排ガスとし、更に該低減処理排ガスにアンモニアを注入し触媒の存在の下に該低減処理排ガスの窒素酸化物を除去する排ガスの脱硝装置において、前記燃焼排ガスにアンモニアを注入する注入位置より上流側で該燃焼排ガスの窒素酸化物濃度を計測し、該計測した窒素酸化物濃度による制御信号に基づいて前記燃焼排ガスに注入するアンモニア注入量を制御する第1のアンモニア注入制御手段と、前記低減処理排ガスにアンモニアを注入する注入位置より上流側で前記低減処理排ガスの窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度を計測し、該計測した窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号に基づいて前記低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御する第2のアンモニア注入制御手段を備えたことを特徴とする排ガスの脱硝装置。
  2. 請求項1において、前記第2のアンモニア注入制御手段は、前記触媒を通過した触媒通過排ガスの窒素酸化物濃度を計測し、該計測した窒素酸化物濃度の計測信号で、前記計測した低減処理排ガスの窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号を補正して前記低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御することを特徴とする排ガスの脱硝装置。
  3. 請求項1又は2において、前記第2のアンモニア注入制御手段は、前記触媒を通過した触媒通過排ガスのアンモニア濃度を計測し、該計測したアンモニア濃度の計測信号で、前記計測した低減処理排ガスの窒素酸化物濃度及びアンモニア濃度の計測信号から演算された制御信号を補正して前記低減処理排ガスに注入するアンモニア注入量を制御することを特徴とする排ガスの脱硝装置。
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