JP3962940B2 - フレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物 - Google Patents

フレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性及び硬化時の低収縮性の点で優れ、特に高温に長時間放置した場合でも塗膜の硬質化、反り量の増加などの変質が起こりにくいフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物、さらにはその組成物を主成分とするオーバーコート剤を塗布したフィルムキャリア及びそのフィルムキャリアを用いたキャリアデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フレキシブル配線回路基板の表面保護膜は、カバーレイフィルムと呼ばれるポリイミドフィルムをパターンに合わせた金型をつくり打ち抜いたのち、接着剤を用いて張り付ける方法や、可とう性を持たせた紫外線硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂を主成分とするオーバーコート剤をスクリーン印刷法により塗布し硬化させる方法により形成してきた。しかし、カバーレイフィルム法は作業性の点で好ましくなく、オーバーコート剤を用いた方法では硬化時の反りや、柔軟性という点で未だ不十分であり、要求性能を十分に満足するようなフレキシブル配線回路基板の表面保護膜形成方法は見出されていない。
【0003】
一方、近年、液晶駆動用ICのパッケージとし高密度化や薄型化に適したフィルムキャリアを用いたTAB方式がますます用いられるようになってきている。フィルムキャリアの基本構成は主に、ポリイミドなどの耐熱性絶縁フィルム基材と、エポキシ系樹脂を主成分とする接着剤を介して接着された銅箔などの導体から成り立っており、この銅箔をエッチングして配線パターンを形成している。また、フィルムキャリアデバイスは、このテープキャリアにICを接続し、封止樹脂で封止して製造されるのであるが、IC接続前に工程中のパターンショートや腐食、マイグレーション、ホイスカーの発生などによる信頼性の低下を防ぐために、このフィルムキャリアにもオーバーコート剤により表面保護膜を形成することが一般的である。フィルムキャリアに用いられるオーバーコート剤としては、エポキシ系のものやポリイミド系のものが使用されているが、前者は硬化時の反りや塗膜の柔軟性、後者はIC封止樹脂との密着性や作業特性などの点で満足するものがなく、複数のオーバーコート剤を併用して補いあっているのが現状である(特開平6−283575号公報)。
【0004】
一方、本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、特願平9−219610号公報、および特願平9−219611号公報において、数平均分子量が1,000〜8,000で1分子当たり2〜10個の水酸基を持つポリオール、または、数平均分子量が200〜600で1分子当たり2〜10個の水酸基を持つポリオールと、数平均分子量が13,000〜30,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を持つポリオールと、ポリブロックイソシアネートを所定の比で混合することにより、柔軟性、硬化時の低収縮性、密着性、電気絶縁性、耐薬品性、耐熱性などの諸特性を十分に満足できる性能を有する樹脂組成物が得られることを見いだしており、中でもポリブタジエン骨格を有するポリオールあるいはポリブロックイソシアネートを用いることが柔軟性や硬化時の低収縮性の点でより有効であることを見出している。
【0005】
しかし、ポリブタジエン骨格を有する樹脂を用いる場合、酸化を受けやすいため、例えば高温環境下に長時間放置されると塗膜の硬質化、反り量の増加などの変質が起こりやすい。特にフレキシブル基板などのプリント回路基板などは製造工程において数回あるいは長時間、150℃以上の環境を経由することとなるため、そのオーバーコート剤として使用する場合、塗膜の硬質化や反り量の増加などのトラブル発生が懸念される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高温に長時間放置した場合でも塗膜の硬質化、反り量の増加などの変質が起こりにくいオーバーコート剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために検討した結果、ポリブタジエン骨格中の2重結合部に水素添加した樹脂を使用することにより塗膜の硬質化や反り量の増加などのトラブル発生を防止することをみいだし、このような知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、(a)(A)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール、および(Xa)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個のブロックイソシアネート基を有する水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネートを含み、ポリブロックイソシアネートの量が、ポリオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数となるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物、(b)(A)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール、(Xa)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個のブロックイソシアネート基を有する水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート、および(B)数平均分子量が13,000〜30,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオールを含み、このうち2種のポリオールの重量比が固形分において(A):(B)=40:60〜90:10の範囲とし、ポリブロックイソシアネートの量が、ポリオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数となるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物、あるいは、(c)(C)数平均分子量が200〜600で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオール、(Xa)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個のブロックイソシアネート基を有する水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート、および(B)数平均分子量が13,000〜30,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオールを含み、このうち2種のポリオールの重量比が固形分において(C):(B)=20:80〜50:50の範囲とし、ポリブロックイソシアネートの量が、ポリオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数となるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物、ならびに、これらのいずれかの樹脂組成物に、ゴム状微粒子または/及びポリアミド微粒子を添加してなるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物、配線パターン面側に以上のいずれかに示す樹脂組成物を主成分とするオーバーコート剤を塗布したことを特徴とするフィルムキャリア、およびそのようなフィルムキャリアを用いたフィルムキャリアデバイスに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール(A)は、耐熱性や耐薬品性などのような高い架橋密度で得られる特性と、可とう性、低収縮性などのような低い架橋密度で得られる特性の両方をバランス良く付与させるのに重要である。分子量がこの範囲よりも小さくなる場合や、1分子当たりの水酸基の数がこの範囲よりも大きくなる場合は、硬化時の架橋密度が高くなるため、より固い硬化物となり、硬化塗膜の柔軟性や硬化時の低収縮性に関して十分な物性は得られない。一方、分子量がこの範囲よりも大きくなる場合や、1分子当たりの水酸基の数がこの範囲よりも小さくなる場合は、硬化時の架橋密度が低くなるため、より柔軟な硬化物となる反面、硬化塗膜の耐熱性や耐薬品性が著しく低下する。
【0010】
数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個のブロックイソシアネート基を有する水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート(Xa)も同様に、耐熱性や耐薬品性などのような高い架橋密度で得られる特性と、可とう性、低収縮性などのような低い架橋密度で得られる特性の両方をバランス良く付与させるのに重要である。分子量がこの範囲よりも小さくなる場合や、1分子当たりの水酸基の数がこの範囲よりも大きくなる場合は、硬化時の架橋密度が高くなるため、より固い硬化物となり、硬化塗膜の柔軟性や硬化時の低収縮性に関して十分な物性は得られない。一方、分子量がこの範囲よりも大きくなる場合や、1分子当たりのブロックイソシアネート基の数がこの範囲よりも小さくなる場合は、硬化時の架橋密度が低くなるため、より柔軟な硬化物となる反面、硬化塗膜の耐熱性や耐薬品性が著しく低下する。
【0011】
数平均分子量が13,000〜30,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール(B)は、より架橋密度を低下させ、可とう性向上や硬化時の低収縮性などの特性を大きくするのに重要である。
【0012】
数平均分子量が200〜600で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオール(C)は架橋密度を高め、耐熱性や耐薬品性を向上させる役割を果たす。
【0013】
ポリオール(A)とブロックイソシアネート(Xa)を硬化させる場合、耐薬品性および耐熱性と、可とう性および硬化時の低収縮性とのバランスが比較的良好であるが、より塗膜の可とう性や硬化時の反りを小さくするためには、ポリオール(B)を添加し、架橋密度を低下させる。この場合、特性全体のバランスより、2種のポリオールの重量比が固形分において(A):(B)=40:60〜90:10の範囲とすることが必要で、この比よりもポリオール(B)の割合が多くなると、架橋密度が下がりすぎるため塗膜の耐熱性、耐薬品性などの特性が著しく低下する。
【0014】
一方、ポリオール(C)をブロックイソシアネート(Xa)で硬化させる場合、塗膜の可とう性や硬化時の反りについて不十分であり、ポリオール(B)との組み合わせが必要になる。この場合、特性全体のバランスより、2種のポリオールの重量比が固形分において(C):(B)=20:80〜50:50の範囲で混合して用いるのが好ましく、この範囲よりもポリオール(C)が少ない場合は、架橋密度が下がりすぎるため、塗膜の耐熱性、耐薬品性などの特性が著しく低下し、ポリオール(C)が多い場合は、架橋密度が上がりすぎるため、塗膜の柔軟性や硬化時の低収縮性が低下する。
【0015】
ポリオール(A)、(B)及びポリブロックイソシアネート(Xa)について、ブタジエン骨格中の2重結合を水添しているのは、高温において2重結合の反応により塗膜の硬質化、反り量の増加などが起こるのを防ぐためである。
【0016】
水添ポリブタジエンポリオール(A)としては、数平均分子量が1,000〜8,000で、水酸基の数が1分子当たり2〜10個持ち、ブタジエン骨格中の2重結合を水素付加させたものであればどのようなものでも良く、例えば、「GI−1000」、「GI−3000」(いずれも日本曹達(株)社製)などの既存製品、あるいは、「G1000」、「GQ1000」(いずれも日本曹達(株)社製)、「R−45EPI」(出光石油化学(株)社製)などのポリブタジエンポリオールを水添したものなどが含まれる。
【0017】
水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート(Xa)としては、数平均分子量が1,000〜8,000で、ブロックイソシアネート基の数が1分子当たり2〜10個持ち、ブタジエン骨格中の2重結合を水素付加させたものであればどのようなものでも良く、例えば、「TP1002」(日本曹達(株)社製)や「HTP−9」(出光石油化学(株)社製)などのポリブタジエンポリイソシアネートをブロック剤でブロックし更に水添したもの、あるいは「GI−1000」、「GI−3000」(いずれも日本曹達(株)社製)などの水酸基末端水添ポリブタジエンに水酸基当量数に対し2倍当量数のジイソシアネートを反応させて末端イソシアネートとし、更にブロック剤でブロックしたものなどが含まれる。ブロック剤としては、イソシアネート基と反応しうる活性水素を1分子中に1個だけ有する化合物で、イソシアネート基と反応した後も170℃以下の温度で再び解離するものが好ましく、ε−カプロラクタム、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、フェノール、クレゾールなどが挙げることができる。
【0018】
水添ポリブタジエンポリオール(B)としては、数平均分子量が13,000〜30,000で水酸基の数が1分子当たり2〜10個持ち、ブタジエン骨格中の2重結合を水素付加させたものであればどのようなものでも良く、例えば、「GI−1000」、「GI−3000」(いずれも日本曹達(株)社製)などのような分子量が1,000から3,000程度の水添ポリブタジエンポリオールを、ジイソシアネートと反応させて分子量が13,000から30,000程度になるよう高分子量化したもの、あるいは、「G1000」(日本曹達(株)社製)、「R−45EPI」(出光石油化学(株)社製)などのポリブタジエンポリオールをジイソシアネートと反応させて分子量が13,000から30,000程度になるよう高分子量化したのち、水添したものなどが含まれる。
【0019】
ポリオール(C)としては数平均分子量が200〜600で、水酸基の数が1分子当たり2〜10個持つものであるならば、樹脂の構造はどのようなものでも良く、例えば、EO変成ペンタエリスリトール「PE555」(東邦化学(株)社製)、EO変成トリメチロールプロパン「TP880」(東邦化学(株)社製)、ポリカプロラクトントリオール「プラクセル303」、「同305」(いずれもダイセル化学工業(株)社製)、などを挙げることができる。
【0020】
また、本発明は、以上の必須要素の他に必要に応じて、ポリオールとイソシアネートの硬化促進剤や、充填剤、添加剤、チキソ剤、溶剤等を添加しても差し支えない。特に、耐折り曲げ性をより向上させるためにはゴム微粒子を添加することが好ましく、また、下地の銅回路や、ポリイミド、ポリエステルフィルムなどのベース基材、接着剤層との密着性をより向上させるためにはポリアミド微粒子を添加することが好ましい。
【0021】
ゴム微粒子としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴムなどのゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を行施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体であるものならばどのようなものでも良く、例えば、「XER−91」(日本合成ゴム(株)社製)、「スタフィロイドAC3355」、「AC3832」、「IM101」(以上、武田薬品工業(株)社製)、「パラロイドEXL2655」、「同EXL2602」(以上、呉羽化学工業(株)社製)などが挙げられる。
【0022】
ポリアミド微粒子としては、ナイロンのような脂肪族ポリアミドやケブラーのような芳香族ポリアミド、さらには、ポリアミドイミドなど、アミド結合を有する樹脂の50ミクロン以下の微粒子であればどのようなものでも良く、例えば、「VESTOSINT 2070」(ダイセルヒュルス(株)社製)や、「SP500」(東レ(株)社製)なども挙げることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明に用いられるポリオールとブロックイソシアネートの製造例及び、本発明の実施例を比較例とともに以下に挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0024】
<樹脂Eの製造>
反応容器にエチルジグリコールアセテート(ダイセル化学工業(株)社製)165g、トリメチロールプロパン(OH当量=44.72g/eq.)33g、及びトルエン−2,4−ジイソシアネート(NCO当量=87.08g/eq.)132gを仕込み、徐々に80℃まで昇温し以後2時間その温度で反応を続けた。2時間後のイソシアネート基含量は10%(NCO当量=420g/eq.)であった。続いてこれに、エチルジグリコールアセテート79.8g、「GI−1000」(OH末端水添ポリブタジエン、Mn=約1,500、OH当量=801g/eq.、そして固形分=100w%:日本曹達(株)社製)139gを80℃に保持しつつ1時間かけて滴下し、以後80℃で4時間付加反応を行った。この生成物のイソシアネート基含量は4.7%(NCO当量=894g/eq.)であった。更に80℃に保持しながら、メチルエチルケトオキシム(分子量87.12)63.2gを2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けた。FT−IR(フーリェ変換赤外分光法)より2,250cm−1のNCOピークの消失が確認されたところで降温し、樹脂Eを得た。樹脂Eの性状:Mn=約1,600、ブロックNCO当量(溶剤含)=1,013g/eq.、そして固形分=60w%。
【0025】
<樹脂Fの製造>
反応容器に「GI−1000」(OH末端水添ポリブタジエン、Mn=約1,500、OH当量=801g/eq.、そして固形分=100w%:日本曹達(株)社製)1,000g、イプゾール150(出光石油化学(株)社製)591gおよびジブチル錫ジラウレート0.1gを投入混合し均一に溶解させた。均一になったところで70℃に昇温し、更に撹拌しながら、トルエン−2,4−ジイソシアネート(NCO当量=87.08g/eq.)97.8gを2時間かけて滴下し、更に1時間保持、FT−IRより2,250cm−1のNCOピークの消失が確認されたところで降温し、樹脂Fを得た。樹脂Fの性状:Mn=約17,000、OH当量(溶剤含)=13,521g/eq.、そして固形分=65w%。
【0026】
<樹脂Gの製造>
反応容器に「TP1OO2」(NCO末端ポリブタジエン、Mn=約1,500、OH当量=1,050g/eq.、そして固形分=50w%:日本曹達(株)社製)1,000gおよびジブチル錫ジラウレート0.1gを仕込み80℃に昇温した後、メチルエチルケトオキシム(分子量87.12)99.6gを2時間かけて滴下し、更に1時間反応を続けた。FT−IRより2,250cm−1のNCOピークの消失が確認されたところで降温し、樹脂Gを得た。樹脂Gの性状:Mn=約1,500、ブロックNCO当量(溶剤含)=1,154.5g/eq.、そして固形分=54.5w%。
【0027】
<樹脂Hの製造>
反応容器に「G−1000」(OH末端ポリブタジエン、Mn=約1,600、OH当量=800g/eq.、そして固形分=100w%:日本曹達(株)社製)1,000g、「イプゾール150」(出光石油化学(株)社製)591gおよびジブチル錫ラウレート0.1gを投入混合し均一に溶解させた。均一になったところで70℃に昇温し、更に撹拌しながら、トルエン−2,4−ジイソシアネート(NCO当量=87.08g/eq.)97.8gを2時間かけて滴下し、更に1時間保持、FT−IRより2,250cm−1のNCOピークの消失が確認されたところで降温し、樹脂Hを得た。樹脂Hの性状:Mn=約17,000、OH当量(溶剤含)=13,523g/eq.、そして固形分=65w%。
【0028】
後記実施例及び比較例に用いた各成分を以下に示す。
<水添ポリブタジエンポリオール(A)>
・「GI−1000」(Mn=約1,500、OH当量=801g/eq.、そして固形分=100w%:日本曹達(株)社製)
<水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート(Xa)>
・樹脂E(Mn=約1,600、ブロックNCO当量(溶剤含)=1,013g/eq.、そして固形分=60w%)
<水添ポリブタジエンポリオール(B)>
・樹脂F(Mn=約17,000、OH当量(溶剤含)=13,521g/eq.、そして固形分=65w%)
<ポリオール(C)>
・「PE555」(EO変成ペンタエリスリトール、Mn=約550、OH当量=138g/eq.、そして固形分=100w%:東邦化学(株)社製)
<ポリオール(A’):(A)相当の未水添ポリブタジエンポリオール>
・「G−1000」(Mn=約1,600、OH当量=800g/eq.、そして固形分=100w%:日本曹達(株)社製)
<ポリオール(Xa’):(Xa)相当の未水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート>
・樹脂G(Mn=約1,500、ブロックNCO当量(溶剤含)=1,154.5g/eq.、そして固形分=54.5w%)
<ポリオール(B’):(B)相当の未水添ポリブタジエンポリオール>
・樹脂H(Mn=約17,000、OH当量(溶剤含)=13,523g/eq.、そして固形分65w%)
<ポリアミド微粒子>
・「VENTSINT 2070」(ダイセルヒュルス(株)社製)
<ゴム微粒子>
・「EXR-91」(日本合成ゴム(株)社製)
【0029】
<硬化性樹脂組成物の調製>
実施例1〜5
前記のポリオール(A)、(B)および(C)、並びに、ポリブロックイソシアネート(Xa)、ゴム微粒子、およびポリアミド微粒子を適宜配合し、更にその他の成分として、硬化促進剤としてジブチル錫ラウレート、ダレ防止剤として「アエロジル200」(日本アエロジル(株)社製)、そして粘度調整溶剤としてカルビトールアセテートを配合ごとに適量加えて混合し、3本ロールを用いて混練りして、試料A1〜5を調製した。各実施例の組成物の内容及び結果を後記第1表に併せ記載した。
【0030】
比較例1〜7
ポリオール(A’)、(B’)及び(C)、並びに、ポリブロックイソシアネート(Xa’)、ゴム微粒子およびポリアミド微粒子を適宜配合し、更にその他の成分として、硬化促進剤としてジブチル錫ラウレート、ダレ防止剤として「アエロジル200」(日本アエロジル(株)社製)、そして粘度調整溶剤としてカルビトールアセテートを配合ごとに適量加えて混合し、3本ロールを用いて混練りして、実施例と同様に比較試料B1〜5を調製した。また、現行のフィルムキャリアに一般に用いられるオーバーコート剤の一例として、「CCR−232GF」(アサヒ化学研究所製、エポキシ系)を比較例B6に、そして「FS−100L」(宇部興産社製、ポリイミド系)を比較例B7に挙げた。各比較例の組成物の内容及び結果を後記第2表に併せ記載した。
【0031】
<試験片の作製>
前記により調製した試料A1〜5、及び比較試料B1〜7について、任意の基材に硬化時で約25μm厚になるよう塗布し、150℃×60分の条件で硬化を行い、試験サンプルを作製した。
【0032】
<塗膜特性の測定>
前記により作製した塗膜について、下記の特性を測定した。
【0033】
▲1▼硬化収縮による反り量:35mm×60mm×75μmのポリイミドフィルム上に25mm×35mm×25μmで塗布し、硬化後の反り量を測定。また、試験片をさらに150℃で7時間熱処理したときの反り量を測定。
【0034】
▲2▼耐折曲性:75μmのポリイミドフィルム上に塗布し硬化させた試験片を、180度に折り曲げ、爪でしごいたときのクラックの有無や白化などを観察。
→×:クラック発生、△:白化、そして○:異常なし。
【0035】
▲3▼半田耐熱性:塗膜にフラックスJS−64MS−Sを塗布し、それを260℃のハンダ浴に10秒間浸漬。
→ ○:異常なし、そして×:膨れ発生。
【0036】
▲4▼電気絶縁性:導体幅0.318mmのくし型電極に塗布し、煮沸1時間後の電気抵抗を測定。
【0037】
▲5▼耐薬品性:イソプロパノールをしみ込ませたウエスで、塗膜をラビング。
→○:異常なし、そして×:塗膜劣化。
【0038】
▲6▼密着性(銅/ポリイミド):JIS D0202に準じる。基材として、銅、ポリイミド上で行った。
→×:0/100〜50/100、△:51/100〜99/100、そして
○:100/100。
【0039】
▲7▼密着性(IC封止樹脂):銅をエッチングして、接着剤層がむき出しになったTABテープに樹脂組成物を約25μm厚に塗布し硬化させる。この塗膜上にIC封止樹脂を約200μm厚に塗布し硬化させ試験片を作成。手で試験片を折り曲げ、封止樹脂の剥がれ具合を観察する。
IC封止樹脂A:「XS8103」(ナミックス(株)社製)
IC封止樹脂B:「XS8107」(ナミックス(株)社製)
→×:組成物塗膜/封止樹脂間界面剥離、
△:組成物塗膜及び封止樹脂の凝集破壊と界面剥離が共存し、
割合として凝集破壊<界面剥離、
○:組成物塗膜及び封止樹脂の凝集破壊と界面剥離が共存し、
割合として凝集破壊>界面剥離、
◎:組成物塗膜と封止樹脂の各々で凝集破壊。
【0040】
作成した途膜の上記項目について測定した途膜特性の試験結果を下記第1表及び下記第2表に示した。これより、本発明の硬化性樹脂組成物の塗膜は、高温に長時間放置した後でも、従来の組成物と比べ反り量の増加が特に小さく、柔軟性や、耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性、耐折り曲げ性、および密着性にも優れ、各特性が良くバランスしている。
【0041】
【表1】
Figure 0003962940
【0042】
【表2】
Figure 0003962940
【0043】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は従来の組成物と比べ、高温に長時間放置した後でも反り量の増加が特に小さく、かつ柔軟性、耐薬品性、耐熱性、および電気絶縁性に優れた熱硬化性の樹脂組成物であり、フレキシブル回路のオーバーコート剤として適しており、また、フィルムキャリアのオーバーコート剤としても十分に期待できる。

Claims (6)

  1. 下記成分(A)および(Xa)を含み、ポリブロックイソシアネートの量が、ポリオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数となるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
    (A)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール、
    (Xa)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個のブロックイソシアネート基を有する水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート。
  2. 下記(A)、(Xa)および(B)の3成分を含み、このうち2種のポリオールの重量比が固形分において(A):(B)=40:60〜90:10の範囲とし、ポリブロックイソシアネートの量が、ポリオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数となるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
    (A)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール、
    (Xa)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個のブロックイソシアネート基を有する水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート、
    (B)数平均分子量が13,000〜30,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール。
  3. 下記(C)、(Xa)および(B)の3成分を含み、このうち2種のポリオールの重量比が固形分において(C):(B)=20:80〜50:50の範囲とし、ポリブロックイソシアネートの量が、ポリオールの総水酸基当量数に対し、0.8〜3.5倍当量数となるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
    (C)数平均分子量が200〜600で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリオール、
    (Xa)数平均分子量が1,000〜8,000で、1分子当たり2〜10個のブロックイソシアネート基を有する水添ポリブタジエンポリブロックイソシアネート、
    (B)数平均分子量が13,000〜30,000で、1分子当たり2〜10個の水酸基を有する水添ポリブタジエンポリオール。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂組成物に、ゴム状微粒子または/及びポリアミド微粒子を添加してなるフレキシブル回路オーバーコート用樹脂組成物。
  5. 配線パターン面側に請求項1〜のいずれかに示す樹脂組成物を主成分とするオーバーコート剤を塗布したことを特徴とするフィルムキャリア。
  6. 請求項に記載のフィルムキャリアを用いたフィルムキャリアデバイス。
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