JP4045741B2 - おからの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、色調、風味を損なうことなくレトルト加熱殺菌されたおからを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のおからは、保存性の点から乾燥品にされることが圧倒的に多かった。しかし、乾燥おからは乾燥前に比べて、保水性や水戻り性に劣るのみならず、乾燥にエネルギーコストが高くなると言う欠点があった。
【0003】
他方、バッチ式のレトルト加熱殺菌されたおからは僅かに流通しているが、経時的に黒くなったり、硬くなったりする問題があり、また水が存在するとレトルト加熱処理してあっても、耐熱菌の存在により腐敗する傾向があった。本発明者の知見によれば、これはおからの粒子径が大きいため十分に内部まで殺菌できないこと、及びおからに含まれる厭味成分(糖質)によるためである。従い、F0値が4分以上の条件でも十分殺菌できず、経時で腐敗していた。よって充填の量も限られ、少量充填によるレトルト加熱殺菌がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、風味と色調に優れ、保存性にも優れたレトルト加熱殺菌された包装おからを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題を解決すべく、まず市販の豆腐おからを密封充填してレトルト加熱殺菌することを試みたが、色調が黒ずみ、えぐ味を感じて食するに耐えられるものではなかった。またおからの粒子が大きいため、及びおからの中に大豆のへそとよばれる胚芽部分や皮が混在しているため、十分加熱されずに5℃保存でも10日すれば腐敗に至った。
【0006】
本発明者らは更に鋭意研究の結果、丸大豆には温水で浸漬したものを使用し、糖質を抽出し、厭味な成分を除いた(即ちブランチング)のち、特定の粒度に微細化し、デカンターで遠心分離して得られた残渣おからを包材中に密封充填し、レトルト加熱殺菌を行った後冷却すると、目的のおからを得ることができる知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、糖質含量を5重量%以下、粒子径が10〜100ミクロン、水分が70重量%以上の状態でおからをレトルト加熱することを特徴とする包装おからの製造法である。おからの粒子径は20〜50ミクロンが好ましい。レトルト加熱の条件はF0値で4〜20分が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるおからは、全脂大豆由来のものでも脱脂大豆由来のものでも良い。前者おからは主に豆腐や全脂豆乳の製造工程で得ることができ、後者は大豆油製造工程などで得られる脱脂大豆を用いて分離大豆蛋白などを製造する工程で得ることができる。
【0009】
本発明において、おからの糖質含量を5重量%(以下、「%」と略す。)以下にする態様は、これらおからを水洗しても良いが、丸大豆をブランチングする方法が好ましい。ブランチングは通常50〜65℃の温水で行うことも可能であるが、85〜95℃の高温の温水で行う方が糖質を効率的に抽出することができ、好ましい。ブランチング時間は50〜65℃の温水では少なくとも30分以上、好ましくは60分以上行うのが良い。また85〜95℃の高温の温水では30〜60分行うことが好ましい。
【0010】
糖質の除去により、おからに含まれる糖質を0〜5g/100g、好ましくは0〜3g/100g、更に好ましくは0〜1g/100gにするのが適当である。糖質が5g/100gを超える量のままであるとレトルト加熱による糖質の褐変反応が強くなり、経時的に黒ずみ、風味が損なわれる。
【0011】
また本発明において、おからの水分量は70%以上にするのが適当であり、通常70〜95%、好ましくは75〜90%、更に好ましくは80〜90%にするのが適当である。おからの水分が70%未満では、水分が少なくパサパサした状態となり、加熱時の熱伝導性が悪いためか、十分な殺菌ができず腐敗を起こす。逆に水分が95%を超えると、包材中でおから分が沈殿すると同時に風味が水っぽくなる。
【0012】
本発明において、おからの平均粒子径は湿潤状態で、10〜100ミクロンメーター(以下、「ミクロン」と略す。)、好ましくは20〜50ミクロンが適当である。ただし粒度の測定はコールターカウンターによる。なお市販おからはコールターカウンターで測定できないため湿式ふるい分け法によって平均粒子径を測定した。
【0013】
おからの製造例の一つを以下に示すが、この製造例には限定されない。
脱皮・脱胚軸を行った大豆に10倍量の水を加水し、85〜95℃で60分以上浸漬して充分に吸水させる(水分含量40〜50%)。加水された大豆に対して90℃の熱水3倍量を加えたものを例えば、コミットロール(URSCHEL社製)等による回転刃型剪断力によって裁断(好ましくは、2回以上処理)し、平均粒子径45ミクロンの微細スラリーを得ることができる。
【0014】
得られたスラリーは次に高圧ホモゲナイザー(APV社製)を用いて200kg/cm2の圧力で(好ましくは、2回以上)処理して均質化し、平均粒子径25ミクロンの微細大豆スラリーを得ることができる。おからを微細化する方法は上記以外の方法でも、例えばマイコロイダーや湿式のジェットミル等でもかまわない。
【0015】
おからはの粒子径が細かいと、流動性が増し熱伝導性が良くなり殺菌しやすくなるが、逆に通常の豆腐製造工程で得られるようなおからの平均粒子径は通常200〜1000ミクロンと高く、例え水分が80%以上でも、見かけはパサパサ状態で空隙があるためか、十分に中央部まで加熱できず腐敗を起こす。
【0016】
本発明に用いるレトルト加熱殺菌手段は公知のものを用いることができる。例えばレトルト加熱殺菌機は、熱水式、熱シャワー方式、加圧蒸煮釜方式等の何れでも良い。またレトルト加熱の機種により一度に多量のおからを殺菌することが可能である。
【0017】
本発明において、おからのレトルト加熱殺菌条件は、F0値で4〜20分好ましくは4〜10分となることが適当である。なお、F0値は微生物の殺菌度合いの指標となる数値であり、通常、殺菌温度(被殺菌物の品温(℃))と保持時間(分)を基準に以下の式より算出される。
F0値=10( t − 121.1 )/ 10×a
ただし、tは殺菌温度(℃)、aは保持時間(分)である。
【0018】
しかしながら、レトルト加熱殺菌機中の充填おからの品温は、熱水によって経時的に変化(上昇)していくため、充填した包材の中心部分に埋め込み式の温度センサー(例えば、精華産業株式会社製)を取付け、経時による温度変化のデータを取り、微小時間(Δa)ごとに上記算式により微小時間ごとに計算されたΔF0値を積算することによってF0値を算出する。
【0019】
この時、F0値4〜20分のレトルト加熱殺菌は、釜温度と保持時間にすると、装置、包材、包装重量、仕込み量等により多少異なるが、本発明者の用いた装置では、1個当たり2kg袋の充填おからとして、概ね釜温度115℃で60〜90分保持、同120℃で30〜50分保持、同125℃で25〜40分保持、同130℃では20〜30分保持(いずれも昇温時間(カムアップタイム)を除く。)の範囲に相当する。保持時間が長すぎると、加熱オーバーとなり色調が黒ずみ、風味が悪くなり、また5℃保存下で1週間を過ぎると、おからが硬くなり分散性が悪くなる。保持時間が短すぎると、殺菌不足となり日持ちがせず腐敗してしまう。
【0020】
これにより加熱殺菌されたおからは、加圧状態下で100℃以下まで冷却されアセプテック(無菌)の製品となる。以上のように本発明によりおからのレトルト加熱殺菌が可能となった。
【0021】
【実施例】
以下実施例により本発明の実施態様を説明する。
◎製造例1(浸漬温度が高い湯の場合)
脱皮・脱胚軸大豆に10倍量の水を加え、85〜95℃で60分以上浸漬(ブランチング)し、充分に吸水した脱皮・脱胚軸大豆(水分含量40〜50%)1部に対し、熱水(90℃)3部を加えたものを回転刃型剪断力により裁断するコミットロール(URSCHEL社製造)を用いて処理することを2回反復し、平均粒子径45ミクロンの微細スラリーを得た。
【0022】
得られたスラリーを次に高圧ホモゲナイザー(APV社製造)を用いて200kg/cm2で2回処理して均質化し、平均粒子径25ミクロンの微細大豆スラリーを得た。この均質化した微細スラリーを遠心分離機(巴工業社製造)によって3000Gで5分間処理しておからを得た。このおからの水分は86%であり、糖質含量は0.2%であった。
【0023】
◎製造例2(市販おからの場合)
市販の豆腐おからは、脱皮・脱胚軸されずに丸大豆のままで水浸漬され、石臼(マイコロイダー)で粗粉砕されるので、大豆の皮や胚軸が残っていた。また水分が81%と製造例1の水分86%に比べて低く、平均粒子径400ミクロン以上と大きく、糖質含量は6.4%であり、おからそのものは黒みがかっていた。
【0024】
◎製造例3(浸漬温度が低い湯の場合)
脱皮・脱胚軸大豆1重量部(以下、部)に水10部を加え50〜65℃で60分以上浸漬処理した。以下は製造例1と同様の方法により、平均粒子径25ミクロンのおからを得た。このおからの水分は86%、糖質含量は2.5%であった。
【0025】
◎実施例1
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおからをポリエチレンとポリプロピレンの積層包材に2kgずつ、50℃でピロー充填した。充填したおから300kg分(150袋分)を3車に各々100kg(50袋)ずつ分けてレトルト加熱釜(日阪製作所製造)に投入した。釜に投入する熱湯は100℃に設定し、殺菌条件を釜温度120℃で保持30分に設定した。このとき釜内部の前、中、後の温度むら(F0値むら)を解消すべく釜内部の液温度が設定温度120℃となる時間(カムアップタイム)を20分に設定した。釜温度が120℃に到達して30分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は8分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で3時間かかって10℃以下まで冷却された。
【0026】
このときの物性は、色調が極めて白く、焦げつき、変色は見られず,5℃で1週間後の硬さも良好であった。風味については、豆腐様の良好なものであり、焦げ臭はなかった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが、いずれも風味、食感、色調等の物性に優れ、菌数も0×101個/g以下であった。よって無菌性が確認された。
【0027】
◎実施例2
製造例3と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量2.5%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、実施例1と同様にレトルト加熱殺菌を行った。
【0028】
このときの物性は、色調が実施例1の場合に比べるとやや黒みがかっていたものの、風味については焦げ臭は全くなかった。硬さについても5℃で1週間保存後も良好であった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが、いずれも風味、食感、色調等の物性に優れ、菌数も0×101個/g以下であった。よって無菌性が確認された。
【0029】
◎実施例3
製造例1で得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%、50℃のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌した。殺菌温度はカムアップタイムを除いて釜温度が120℃に到達して40分間に設定した。釜温度が120℃に到達して40分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は17分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で3時間かかって10℃まで冷却された。
【0030】
このときの物性は、色調が極めて白く、焦げつきは見られず、5℃で1週間後の硬さも良好であった。風味については、豆腐に似た美味なものであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが、いずれも風味、食感、色調等の物性に優れ、菌数も0×101個/g以下であった。よって無菌性が確認された。
【0031】
◎比較例1
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌温度はカムアップタイムを除いて釜温度が120℃に到達して60分間に設定した。釜温度が120℃に到達して60分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は25分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で3時間かかって10℃まで冷却された。
【0032】
このときの物性は、色調がやや黒く、焦げつきが見られた。5℃で1週間後の硬さは硬く水分散性が悪かった。風味については、焦げ臭が感じられ食するに耐えられるものではなかった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は0×101個/g以下であり無菌性は確認された。
【0033】
◎実施例4
脱皮・脱胚軸大豆1重量部(以下、部)に水10部を加え50〜65℃で30分浸漬処理した。以下は製造例1と同様の方法により、平均粒子径25ミクロンのおからを得た。このおからの水分は86%、糖質含量は4.5%であった。このおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、実施例1と同様にレトルト加熱殺菌を行った。
【0034】
このときの物性は、実施例1の場合に比べると色調がやや黒みがかっており、風味については若干のえぐ味が感じられたものの焦げ臭は感じられず、食するに可能な風味であった。硬さは5℃で2ヵ月保存したが良好であった。
菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は0×101個/g以下であり無菌性は確認された。
【0035】
◎比較例2
製造例2と同様にして得られた平均粒子径400ミクロン以上、糖質含量6.4%、水分81%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、実施例1と同様にレトルト加熱殺菌した。
【0036】
物性は色調が明らかに黒く、焦げついており、風味についても厭味があり、食するに相応しい味ではなかった。硬さについては5℃で2ヵ月保存したが良好であった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。しかし、この充填おからを35℃に3日間保存すると菌数は106個/g以上であり無菌ではなかった。風味についても強いえぐ味を感じ、色調もかなり黒ずんでいた。
【0037】
◎実施例5
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌条件は釜温度115℃で保持60分と設定した。このとき釜内部の前、中、後の温度むら、即ちF0値のむらを解消すべく、釜温度が設定温度115℃に到達する時間、すなわちカムアップタイムを15分と設定した。釜温度が115℃に到達して60分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は10分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で3時間かかって10℃まで冷却された。
【0038】
このときの物性は、色調が実施例1の場合に比べるとやや黒かったものの、5℃で1週間後の硬さは良好であり、風味についても豆腐様の美味なものであった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は0×101個/g以下であり無菌性は確認された。
【0039】
◎比較例3
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌条件は釜温度115℃で保持90分と設定した。このとき釜内部の前、中、後の温度むら、即ちF0値のむらを解消すべく、釜温度が設定温度に到達する時間、すなわちカムアップタイムを15分と設定した。釜温度が115℃に到達して60分間のF0値は充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は22分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で3時間かかって10℃まで冷却された。
【0040】
このときの物性は、色調がやや黒く、焦げつきが見られた。5℃で1週間後の硬さは良好であったが、風味についても焦げ臭が強く食するに相応しいものではなかった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は0×101個/g以下であり無菌性は確認された。
【0041】
◎実施例6
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌条件は110℃で90分と設定した。このとき釜内部の前、中、後の温度むら、即ちF0値のむらを解消すべく、釜温度が設定温度に到達する時間、すなわちカムアップタイムを15分と設定した。釜温度が110℃に到達して90分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は9分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で3時間かかって10℃まで冷却された。
【0042】
このときの物性は、色調が実施例1の場合に比べるとがやや黒かったものの、5℃で1週間後の硬さは良好であり、風味についても豆腐様の美味な味であった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は0×101個/g以下であり無菌性が確認された。
【0043】
◎比較例4
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌条件は釜温度110℃で保持60分と設定した。このとき釜内部の前、中、後の温度むら、即ちF0値のむらを解消すべく、釜温度が設定温度に到達する時間、すなわちカムアップタイムを15分と設定した。釜温度が110℃に到達して60分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は2分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で3時間かかって10℃まで冷却された。
【0044】
このときの物性は、色調は白く、焦げつきもなく風味は良好であった。硬さについては5℃で2ヵ月保存後も良好であった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは1×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は106個/g以上であり無菌ではなかった。
【0045】
◎実施例7
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌条件は釜温度130℃で保持20分と設定した。このとき釜内部の前、中、後の温度むら、即ちF0値のむらを解消すべく、釜温度が設定温度に到達する時間、すなわちカムアップタイムを15分と設定した。釜温度が130℃に到達して20分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は20分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で4時間かかって10℃まで冷却された。
【0046】
このときの物性は、色調と焦げつきは全く問題はなかった。5℃で1週間後の硬さは良好であり、風味についても豆腐様の美味な味であった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は0×101個/g以下であり無菌性が確認された。
【0047】
◎比較例5
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌条件は釜温度130℃で保持40分と設定した。このとき釜内部の前、中、後の温度むら、即ちF0値のむらを解消すべく、釜温度が設定温度に到達する時間、すなわちカムアップタイムを15分と設定した。釜温度が130℃に到達して40分間のF0値は、充填した袋中に置いた温度センサーを殺菌終了後取り出して温度変化を読み取り、算出した。このときのF0値は40分であった。殺菌終了したおからは、5℃のチルド水で加圧下で冷却され、釜から取り出し、2℃の冷風が行き渡った冷蔵庫内で4時間かかって10℃まで冷却された。
【0048】
このときの物性は、色調は明らかに焦げついており、風味についても厭味があり食するに相応しい物ではなかった。硬さについては5℃で2ヵ月後でやや硬くなっており水分散性は悪かった。菌数は原料の細菌が105個/gであったのに対して、本殺菌処理したものは0×101個/gであった。この充填おからを35℃に3日間保存したが菌数は0×101個/g以下であり無菌性が確認されたが、風味は影響はえぐ味と焦げ臭が強かった。
【0049】
◎比較例6
製造例1と同様にして得られた平均粒子径25ミクロン、糖質含量0.2%、水分86%のおから2kgを実施例1と同包材に50℃で充填し、レトルト加熱殺菌を行った。殺菌条件は釜温度135℃で保持20分と設定したが、包材が熱に耐えられず殺菌を断念した。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、色調、風味を損なうことなくレトルト加熱殺菌されたおからが製造可能になったものである。
Claims (2)
- 糖質含量を5重量%以下、平均粒子径が10〜100ミクロン、水分が70〜95重量%の状態でおからをF 0 値で4〜21分レトルト加熱することを特徴とするおからの製造法。
- 平均粒子径が20〜50ミクロンである請求項1の製造方法。
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