JP4057459B2 - バケット式削孔装置および鋼管杭形成装置 - Google Patents

バケット式削孔装置および鋼管杭形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バケット式削孔装置および鋼管杭形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アースドリル工法などの場所打ち杭工法では、掘削装置などを用いて鋼管を地面に埋め込みながら掘削することがあり、このような掘削に用いられる掘削装置として、実公平7−540号公報(特許文献1)に開示された掘削装置がある。この掘削装置は、ケーシング(鋼管)およびケーシングの内部を昇降するバケットを備えている。ケーシングの先端およびバケットの底板にはカッタが取り付けられており、グリッパ装置を介してケーシングの回転力をバケットに伝達している。そして、ケーシングを回転させることにより、ケーシングおよびバケットの回転力で地盤を掘削するというものである。ここで用いられるグリッパは、油圧シリンダと、グリップとを備え、油圧シリンダを作動させることにより、ケーシングにバケットを固定、解放するというものである。
【0003】
また、実開平8−1470公報(特許文献2)では、すべり止め加工付の可動アームを介してケーシングの回転力をバケットに伝達するバケットが開示されている。
【0004】
他方、鋼管の内部の下端位置に掘削部材を取り付け、鋼管に回転力を与えて、鋼管とともに掘削部材を回転させ掘削部材によって鋼管内部を掘削する鋼管杭形成装置がある。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−540号公報
【特許文献2】
実開平8−1470号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に開示された掘削装置では、ケーシング(鋼管)の回転力をバケットに伝達するために、油圧シリンダなどの油圧機構を用いている。このため、油圧制御などを行うための手間がかかるとともに、装置が大掛かりとなるものであった。
【0007】
また、上記特許文献2に開示されたバケットでは、ケーシングの回転力をバケットに伝達するためにすべり止め可動アームを用いており、摩擦抵抗を利用して回転力を伝達するものである。このため、空回りなどが生じて回転力を確実に伝達することができず、エネルギを無駄にするおそれがあるものであった。
【0008】
さらに、上記の鋼管杭形成装置においても、鋼管の回転力を掘削部材に伝達する方式が利用されている。このため、バケット式削孔装置に見られた上記の問題は鋼管杭形成装置にも生じるものである。
【0009】
そこで、本発明の課題は、大掛かりな装置を要することなく、かつ鋼管の回転力をバケットに確実に伝達することができるバケット式削孔装置および鋼管杭形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係るバケット式削孔装置は、下端部にカッタが設けられた鋼管と、鋼管の内側で昇降するバケットとを有し、回転装置で回転させられる鋼管の回転力を、回転力伝達機構を介してバケットに伝達するバケット式削孔装置において、回転力伝達機構は、鋼管の内側面に形成された突出部と、鋼管の半径方向に沿って進退可能となるようにバケットに設けられた着脱部材と、を備え、着脱部材は、バケットが昇降する際に後退し、地盤に接地した際に進出するリンク機構を介してバケットに取り付けられており、リンク機構は、バケットに一端がピン接合された第一リンクと、着脱部材に一端がピン接合された第二リンクと、第一リンクの他端および第二リンクの他端に一端がピン接合された第三リンクと、着脱部材を鋼管の半径方向に案内するレール部材と、第三リンクをバケットに対して相対的に上下方向に移動させるスライダ部材と、を備えるものである。
【0011】
本発明に係るバケット式削孔装置においては、鋼管の回転力をバケットに伝達するために、リンク機構によって進退させられる着脱部材を用いている。このため、油圧機構などの大掛かりな装置を要することなく、鋼管の回転力をバケットに伝達することができる。また、鋼管に形成された突出部に進出した着脱部材が係止された鋼管の回転力がバケットに伝達されるので、摩擦抵抗を用いた場合のようなすべりが生じない。したがって、鋼管の回転力をバケットに確実に伝達することができる。
【0013】
このようなリンク機構を用いることにより、昇降する際に後退し、地盤に接地した際に進出する着脱部材を簡素な構成として形成することができる。
【0014】
また、スライダ部材が、バケットを地盤に接地した際に、着脱部材を鋼管の半径方向外側に進出させる重量物であるのが好適である。
【0015】
このように、スライダ部材に重量物を用いることにより、スライダ部材が自重によって下降して着脱部材を進出させることができる。したがって、バケットが地盤に接地した際に着脱部材を進出させる手段を別途設ける必要がなくなる。
【0016】
さらに、突出部は、上下方向に延在する長尺突出部である態様とするのが好適である。
【0017】
このように、突出部が上下方向に延在する長尺突出部であることにより、バケットを下降させる際に、鋼管に対する高さ方向の位置を厳密に調整することなく、着脱部材を進出させて、突出部に係止させることができる。
【0018】
また、長尺突出部が、鋼管の内面に固定された上下方向に延在する突条である態様とすることができる。
【0019】
このような突条を鋼管の内側面に固定することにより、長尺突出部を容易に形成することができる。
【0020】
突条の上端部に、着脱部材の前記鋼管に対する相対的な上方向への移動を規制する規制部材が設けられている態様とするのが好適である。
【0021】
このような規制部材が設けられていることにより、掘削が進行して鋼管が下降する際に、鋼管の下降に対してバケットも確実に下降させることができる。
【0022】
また、長尺突出部が、鋼管を上下方向に切り欠いて形成された溝により、相対的に突出して形成されたリブである態様とすることもできる。
【0023】
このように、長尺突出部が鋼管に形成された溝によって相対的に突出して形成されたリブであることにより、溝の上端部が規制部材と同様の機能を果たすので、規制部材を設けることなく鋼管とともにバケットを確実に下降させることができる。
【0024】
さらに、着脱部材を進出方向に付勢する付勢部材が設けられている態様とすることもできる。
【0025】
このような付勢部材が設けられていることにより、バケットが地盤に接地した際に、着脱部材を確実に進出させることができる。
【0026】
さらに、鋼管の外側に拡幅翼が固定されており、拡幅翼の下端にカッタが設けられている態様とすることができる。
【0027】
このように、鋼管の外側に拡幅翼が形成されたバケット式削孔装置を用いることにより、たとえば橋梁における場所打ち杭、シールド工事における立坑などに用いる大径の孔を削孔することができる。このような場合でも、本発明により、油圧機構などの大掛かりな装置を要することなく、鋼管の回転力をバケットに伝達することができる。さらには、摩擦抵抗を用いた場合のようなすべりが生じないので、鋼管の回転力をバケットに確実に伝達することができる。
【0028】
また、上記課題を解決した本発明に係る鋼管杭形成装置は、鋼管を地中に設置して杭体を形成する鋼管杭形成装置において、鋼管の内側に掘削部材が配設され、鋼管の回転力を掘削部材に伝達する回転力伝達機構が設けられており、回転力伝達機構は、鋼管の内側面に形成された突出部と、鋼管の半径方向に沿って進退可能となるようにバケットに設けられた着脱部材と、を備え、着脱部材は、掘削部材が昇降する際に後退し、地盤に接地した際に進出するリンク機構を介して掘削部材に取り付けられており、リンク機構は、バケットに一端がピン接合された第一リンクと、着脱部材に一端がピン接合された第二リンクと、第一リンクの他端および第二リンクの他端に一端がピン接合された第三リンクと、着脱部材を鋼管の半径方向に案内するレール部材と、第三リンクをバケットに対して相対的に上下方向に移動させるスライダ部材と、を備えるものである。
【0029】
本発明に係る鋼管杭形成装置では、鋼管の回転力を掘削部材に伝達するために、リンク機構によって進退させられる着脱部材を用いている。このため、油圧機構などの大掛かりな装置を要することなく、鋼管の回転力を掘削部材に伝達することができる。また、掘削部材から進出した着脱部材の先端部が、鋼管に形成された突出部に当接することによって、掘削部材に対して、鋼管の回転方向に鋼管の回転力が伝達される。したがって、摩擦抵抗を用いた場合のようなすべりが生じないので、鋼管の回転力を掘削部材に確実に伝達することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0031】
図1は本発明の第1の実施形態に係るバケット式削孔装置の全体側面図、図2はバケット式削孔装置の要部側断面図、図3は図2のIII−III線断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るバケット式削孔装置1は、ケーシングとなる鋼管2を備えている。削孔される孔は、この鋼管2とほぼ同等の径の孔である。鋼管2の下端部にはカッタ3が設けられており、鋼管2が回転しながら圧入されることにより、カッタ3が地盤を掘削して削孔を進行する。地表面Gにおける削孔が行われる位置には、回転圧入装置、たとえば全周回転掘削機Mが設けられており、鋼管2を回転させながら地盤に圧入していく。
【0032】
鋼管2の内側には、吊持手段となるクレーンCに対してワイヤWを介して吊持されたバケット4が昇降可能に配置されている。バケット4は、図2および図3に示すように、筒状のバケット本体11を有しており、バケット本体11の底部に開閉扉12が設けられている。開閉扉12は、常時は閉塞しており、鋼管2とともにバケット4が下降する際、削孔された孔部の底に溜まった掘削土によって開放させられる。開閉扉12が開放することにより、掘削土がバケット本体11に内部に導入される。鋼管2およびバケット4の下降が終了したら、開閉扉12は自重によって自動的に閉塞する。また、バケット本体11には、扉開放機構が設けられており、操作ハンドル13を回転させることにより、開閉扉12が開放するようになっている。開閉扉12の下面には、カッタ14が設けられており、バケット4の回転に伴い、カッタ14によって孔の底部を掘削する。また、バケット4は、天板15を備えており、天板15は、ロッド16を介してバケット本体11の上部に取り付けられている。
【0033】
また、鋼管2およびバケット4には、鋼管2の回転力をバケット4に伝達する回転力伝達機構5が設けられている。回転力伝達機構5は、鋼管2の内側面に設けられた本発明の長尺突出部となる突条21を備えている。この突条21は、平面視して120°の間隔をおいて3本等間隔に配置され、それぞれ鋼管2の内側面に溶接固定されている。3本の突条の上端部は同じ高さに調整されており、これら突条21の上端部における鋼管2の内側面には、本発明の規制部材となる規制リング22が鋼管2の全周に渡って配設されている。
【0034】
一方、バケット4には、本発明のレール部材となるシリンダ23が固定されており、各シリンダ23の内部には、本発明の着脱部材となるピストン24がシリンダ23に対して摺動可能となるように配置されている。シリンダ23は、鋼管2の半径方向に沿って配設されており、ピストン24は、シリンダ23に沿って鋼管2の半径方向に沿って進退可能とされている。また、ピストン24は、リンク機構25を介してバケット4の天板上に取り付けられている。リンク機構25は、第一リンク31、第二リンク32、第三リンク33、および第四リンク34を備えている。第一リンク31は、その一端がバケット4の天板に設けられたリンク用ブラケット35を介してバケット4にピン接合されている。また、第二リンク32は、その一端がピストン24の後端部に設けられたリンク用ブラケット36を介してピストン24にピン接合されており、他端が第一リンク31の他端とピン接合されている。さらに、第三リンク33の一端は、第一リンク31および第二リンク32がピン接合されている位置にあわせてピン接合されている。
【0035】
これらのシリンダ23および24は、それぞれ3個づつ設けられており、図3に示すように、平面視した状態で鋼管2の周方向に120°の間隔で離間して等間隔で配置されている。
【0036】
また、バケット4の天板の中央部には、円柱状の案内部材26が設けられており、案内部材26には、スライドレール27が挿入されている。案内部材26は、上下方向に沿って配置されており、スライドレール27は、この案内部材26に沿って上下方向に移動可能とされている。スライドレール27の側面には、スライドレール27を覆うようにして、本発明のスライダ部材となるスライダ28が配置されている。スライダ28は、スライドレール27に沿って、スライドレール27に対して相対的に移動可能に配置されている。スライドレール27の上端部には、上フランジ27Aが形成され、下端部には下フランジ27Bが形成されている。これらの上下フランジ27A,27Bによって、スライダ28のスライドレール27に対する相対的な移動が抑制されている。さらに、スライダ28には、ある程度の自重を有する重量物が用いられており、スライダ28の自重により、バケット4を地盤に載置した際に、ピストン24がシリンダ23から進出するようになっている。
【0037】
また、スライダ28には、リンク機構25における第四リンク34が固定されている。第四リンク34は、水平方向に沿って延在しており、その他端部に第三リンク33の他端部がピン接合されている。さらに、バケット4の天板に設けられた案内部材26の内部には、スプリング用ブラケット26Aが配設され、スライドレール27の上部には、スプリング用ブラケット27Cが配設されており、これらの両スプリング用ブラケット26A,27Cの間に、本発明の付勢部材であるスプリング29が掛け渡されている。このスプリング29は、スプリング用ブラケット26A,27Cを引っ張る方向に付勢している。
【0038】
さらに、スライドレール27の上部には、鋼管2の半径方向に延在するスタビライザー30が設けられている。スタビライザー30は、バケット4の回転を鋼管2の回転とほぼ同軸となるように規制するものである。スタビライザー30よりも上方におけるスライドレール27の上端部には、吊持用ブラケット27Dが設けられている。この吊持用ブラケット27Dにたとえば図1に示すクレーンCに吊持されたワイヤWの下端に取り付けられた図示しないフックが引っ掛けられ、クレーンCによってバケット4が吊持される。
【0039】
以上の構成を有する本実施形態に係るバケット式削孔装置1の動作、作用について説明する。本実施形態に係るバケット式削孔装置1では、地盤に孔が形成されていない状態のときには、全周回転掘削機Mによって鋼管2を回転させながら地盤に圧入する。鋼管2の下端部には、カッタ3が設けられているので、鋼管2を回転、圧入することによって、地盤が掘削される。また、鋼管2を回転させるのと同時に、鋼管2の内側に設けられたバケット4も回転させる。バケット4を回転させる際には、回転力伝達機構5を介して鋼管2の回転量をバケット4に伝達する。
【0040】
ここで、回転力伝達機構5は、鋼管2に設けられた突条21およびリンク機構25に取り付けられたピストン24を備えている。鋼管2を回転させるにあたり、バケット4は地盤に接地された状態にあり、この状態では、スライダ28の自重およびスプリング29の付勢力により、ピストン24は進出した状態とされている。また、突条21およびピストン24はそれぞれ3個づつあり、それぞれ平面視して鋼管2の周方向に120°離間して等間隔に配置されている。このため、鋼管2が回転すると、各突条21にそれぞれピストン24の先端部が当接し、鋼管2に回転力をバケット4に伝達する。このとき、突条21からはピストン24の先端部に対してその回転方向に向けて力が伝達されるので、鋼管2の回転力を確実にバケット4に伝達することができる。こうしてバケット4を回転させることにより、バケット4に孔の中央部に集まった掘削土が収容される。また、削孔が進行して鋼管2が下降すると、鋼管2に対してバケット4が相対的に上昇しようとする。このとき、鋼管2における突条21の上端部には、規制リング22が設けられているので、鋼管2に対するバケット4の相対的な上昇が抑制され、その結果、鋼管2とともにバケット4を確実に下降させることができる。
【0041】
バケット4に掘削土が収容されたバケット4が一杯になったときには、クレーンCによってバケット4を引き上げる。バケット4を引き上げる際には、バケット4の上部に設けられたスライドレール27に形成された吊持用ブラケット27Dが引き上げられる。吊持用ブラケット27Dを引き上げると、スライドレール27がバケット4に対して相対的に上昇し、スライドレール27の下端部に形成された下フランジ27Bにスライダ28が当接する。下フランジ27Bにスライダ28が当接すると、スライドレール27とともにスライダ28が引き上げられ、スライダ28とともに、リンク機構25における第四リンク34および第三リンク33が引き上げられる。第三リンク33が引き上げられると、第三リンク33の一端でピン接合される第一リンク31および第二リンク32がそれぞれそのピン接合部分で引き上げられる。その結果、図4に示すように、第一リンク31にピン接合されたピストン24が鋼管2の周方向に沿って後退し、第二リンク32にピン接合されたバケット4が引き上げられる。第一リンク31によってピストン24が後退させられることにより、鋼管2に設けられた突条21とピストン24との当接状態が解除されて、ピストン24が規制リング22に引っかかることなく、バケット4を引き上げることができる。
【0042】
さらに、地上においては、バケット4に設けられた操作ハンドル13を操作して開閉扉12を開放させて、バケット本体11から掘削土を排出し、操作ハンドル13を操作して再び開閉扉12を閉塞する。開閉扉12を閉塞した後、クレーンCでバケット4を吊持して、鋼管2内にバケット4を挿入し、下降させる。このとき、バケット4はクレーンCに吊持されていることから、引き上げるときと同様にしてピストン24は後退した状態にある。したがって、規制リング22に引っかかることなく、バケット4を孔の接地位置まで下降させることができる。バケット4を接地させた後は、再び鋼管2の突条21にピストン24の先端部を当接させる必要があるが、突条21が高さ方向に長い形状を有していることから、バケット4の高さ位置を厳密に調整することなく、ピストン24の先端部を突条21に当接させる高さ位置にバケット4を配置することができる。
【0043】
バケット4を孔の底部に接地したら、クレーンCに吊るされたワイヤWが緩み、スライドレール27が自重によって下降する。スライドレール27が下降すると、リンク機構25を介して、ピストン24が鋼管2の半径方向外側に進出し、鋼管2が回転した際に、ピストン24の先端部と突条21とが当接するようになる。この状態で、全周回転掘削機Mによって鋼管2を回転することにより、地盤の削孔を再開することができる。
【0044】
このように、本実施形態に係るバケット式削孔装置1では、リンク機構25によってピストン24を進退させている。このため、油圧機構などの大掛かりな装置を用いることなく、鋼管2の回転力をバケット4に伝達することができる。また、鋼管2に設けられた突条21からバケット4に設けられたピストン24の先端部に、鋼管2の回転方向に回転力を伝達しているので、鋼管2の回転力を確実にバケット4に伝達することができる。また、本実施形態に係るバケット式削孔装置1では、バケット4を昇降させることによって、ピストン24を進退させることができる。したがって、ピストン24を進退させるための制御を必要としないので、その分簡素な装置構成とすることができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るバケット式削孔装置は、上記第1の実施形態と比較して、鋼管2に形成された長尺突出部の態様が主に異なる。
【0046】
図5は、本実施形態に係るバケット式削孔装置の側断面図、図6は、図5のVI−VI線断面図である。図5および図6に示すように、本実施形態に係るバケット式削孔装置40は、鋼管41を備えている。鋼管41には、鋼管41の長手方向に沿って切り欠くことによって溝42が形成されており、鋼管41は、この溝42によって相対的に突出して形成されたリブ43を備えている。リブ43は、図5に示すように、鋼管41の長手方向、すなわち上下方向に延在しており、平面視して3本のリブ42が形成されている。これらのリブ43は、鋼管41の周方向に等間隔で120°の角度をあけて形成されている。また、鋼管41におけるリブ43の上端部の間には、溝42を形成することによって、溝42から相対的に突出する上端片44が形成されている。その他の点については、上記第1の実施形態と同様の構成を有している。
【0047】
以上の構成を有する本実施形態に係るバケット式削孔装置40においては、上記第1の実施形態と同様の方法によって鋼管41の回転力をバケット4に対して伝達することができる。したがって、大掛かりな装置を要することなく、かつ鋼管41の回転力をバケット4に確実に伝達することができる。
【0048】
また、鋼管41に溝42を形成し、溝42に対して相対的に突出するリブ43にピストン24を当接させて、鋼管41の回転力をバケット4に伝達する。このため、上記第1の実施形態のような突条を設ける必要がないので、鋼管41の管径とほぼ同一の外径を有するバケット4を用いることができる。したがって、バケット4を1回昇降させるたびに回収する掘削土の量を、その分多くすることができる。さらに、上端片44が上記第1の実施形態における規制リング22と同等の機能を果たすことから、別途規制部材を設ける必要がないので、その分部材を少なくすることができる。
【0049】
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係るバケット式削孔装置の要部側断面図である。図7に示すように、本実施形態に係るバケット式削孔装置50は、上記第1の実施形態と同様の鋼管2およびバケット4を備えており、鋼管2の下端にはカッタ3が設けられている。また、鋼管2およびバケット4には、回転力伝達機構5が設けられている。鋼管2の外側には、拡幅翼51が固定されており、拡幅翼51の下部には、カッタ52,52が設けられている。そして、鋼管2が回転することにより、拡幅翼51が回転する。また、拡幅翼51の下面には、中央が低くなるテーパが付されており、拡幅翼51は、略逆三角錐形状をなしている。
【0050】
以上の構成を有する本実施形態に係るバケット式削孔装置50は、全周回転掘削機Mで鋼管2を回転させることにより、鋼管2に固定された拡幅翼51が回転する。拡幅翼51の回転により、拡幅翼51の下端部に設けられたカッタ52により、鋼管2より大径の孔を削孔することができる。拡幅翼51の下面には、中央が低くなるテーパが付されているので、拡幅翼51に設けられたカッタ52によって削孔されて生じた掘削土は、中央のバケット4の近傍に集められる。バケット4では、自らの掘削によって生じた掘削土のほか、拡幅翼51で掘削されて集められた掘削土を収容して排出する。
【0051】
また、本実施形態に係るバケット式削孔装置50においても、上記第1の実施形態と同様に、鋼管2に突条21が形成され、突条21にピストン24を当接させて、鋼管2の回転力をバケット4に伝達する。このため、大掛かりな装置を要することなく、かつ鋼管2の回転力をバケット4に確実に伝達することができる。なお、本実施形態において、鋼管に形成した突条に代えて、第2の実施形態のような溝およびこの溝に対して相対的に突出するリブを形成する態様とすることもできる。
【0052】
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。図8は、本発明の第4の実施形態に係る鋼管杭形成装置の要部側断面図である。図8に示すように、本実施形態に係る鋼管杭形成装置60は、上記第1の実施形態と同様の鋼管2を備えており、鋼管2の内側には、本発明の掘削部材である掘削翼61が設けられている。掘削翼61は、たとえば鋼管2の中央位置に設けられた中央掘削部62と、中央掘削部62から放射状に延びる複数の翼部63を備えており、中央掘削部62および各翼部63の下端部にカッタ64が設けられている。中央掘削部62には、揚泥水管70の吸引口71が配設されており、中央掘削部62は吸引口71の開口位置から突出して設けられている。また、鋼管2内には、別途設けられた図示しない配管から注水された水で満たされており、揚泥水管70によって掘削土が吸引される。
【0053】
また、鋼管2および掘削翼61には、上記第1の実施形態と同様の回転力伝達機構5が設けられており、図示しない全周回転掘削機によって鋼管2を回転させることにより、回転力伝達機構5を介して鋼管2の回転力が掘削翼61に伝達される。
【0054】
以上の構成を有する本実施形態に係る鋼管杭形成装置60においては、全周回転掘削機によって鋼管2を回転させると、回転力伝達機構5を介して掘削翼61に鋼管2の回転力が伝達される。回転力伝達機構5は、上記第1の実施形態と同様にリンク機構25によってピストン24を進退させている。このため、油圧機構などの大掛かりな装置を用いることなく、鋼管2の回転力を掘削翼61に伝達することができる。また、鋼管2に設けられた突条21から掘削翼61に設けられたピストン24の先端部に、鋼管2の回転方向に回転力を伝達しているので、鋼管2の回転力を確実に掘削翼61に伝達することができる。なお、本実施形態において、鋼管に形成した突条に代えて、第2の実施形態のような溝およびこの溝に対して相対的に突出するリブを形成する態様とすることもできる。
【0055】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態ではスライダ28として重量物を用いているが、たとえばスプリング29のみによって、バケット4が接地したときにピストン24が進出するのであれば、軽量のスライダを用いることができる。逆に、スライダ28の自重等によってバケット4が接地したときにピストン24が進出するのであれば、スプリング29を設けない態様とすることもできる。また、上記実施形態では、3組のピストン、シリンダ、リンク機構等を設ける態様としているが、これらを2組、あるいは4組以上設ける態様とすることもできる。さらに、上記第1の実施形態において、規制部材として規制リングを用いているが、リング状のものではなく、たとえば突条の上端部に、側方に伸びるフランジを設けて、このフランジを規制部材として利用することもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、大掛かりな装置を要することなく、かつケーシングの回転力をバケットに確実に伝達することができるバケット式削孔装置および鋼管杭形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るバケット式削孔装置の全体側面図である。
【図2】第1の実施形態に係るバケット式削孔装置の要部側断面図である。
【図3】図2のIII-III線断面図である。
【図4】ピストンが後退した状態のバケット式削孔装置の要部側断面図である
【図5】第2の実施形態に係るバケット式削孔装置の要部側断面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】第3の実施形態に係るバケット式削孔装置の要部側断面図である。
【図8】第4の実施形態に係る鋼管杭形成装置の要部側断面図である。
【符号の説明】
1,40,50…バケット式削孔装置
2,41…鋼管
3…カッタ
4…バケット
5…回転力伝達機構
21…突条
22…規制リング
23…シリンダ
24…ピストン
25…リンク機構
26…案内部材
26A…スプリング用ブラケット
27…スライドレール
27A…上フランジ
27B…下フランジ
27C…スプリング用ブラケット
27D…吊持用ブラケット
28…スライダ
29…スプリング
31…第一リンク
32…第二リンク
33…第三リンク
34…第四リンク
35,36…リンク用ブラケット
42…溝
43…リブ
51…拡幅翼
52…カッタ
60…鋼管杭形成装置
61…掘削翼
62…中央掘削部
63…翼部
64…カッタ

Claims (9)

  1. 下端部にカッタが設けられた鋼管と、前記鋼管の内側で昇降するバケットとを有し、前記鋼管の回転力を、回転力伝達機構を介して前記バケットに伝達するバケット式削孔装置において、
    前記回転力伝達機構は、前記鋼管の内側面に形成された突出部と、前記鋼管の半径方向に沿って進退可能となるように前記バケットに設けられた着脱部材と、を備え、
    前記着脱部材は、前記バケットが昇降する際に後退し、地盤に接地した際に進出するリンク機構を介して前記バケットに取り付けられており、
    前記リンク機構は、
    前記バケットに一端がピン接合された第一リンクと、
    前記着脱部材に一端がピン接合された第二リンクと、
    前記第一リンクの他端および前記第二リンクの他端に一端がピン接合された第三リンクと、
    前記着脱部材を前記鋼管の半径方向に案内するレール部材と、
    前記第三リンクを前記バケットに対して相対的に上下方向に移動させるスライダ部材と、
    を備えることを特徴とするバケット式削孔装置。
  2. 前記スライダ部材が、前記バケットを地盤に接地した際に、前記着脱部材を前記鋼管の半径方向外側に進出させる重量物である請求項1に記載のバケット式削孔装置。
  3. 前記突出部は、上下方向に延在する長尺突出部である請求項1または請求項2に記載のバケット式削孔装置。
  4. 前記長尺突出部が、前記鋼管の内側面に固定された上下方向に延在する突条である請求項3に記載のバケット式削孔装置。
  5. 前記突条の上端部に、前記着脱部材の前記鋼管に対する相対的な上方向への移動を規制する規制部材が設けられている請求項4に記載のバケット式削孔装置。
  6. 前記長尺突出部が、前記鋼管を上下方向に切り欠いて形成された溝により、相対的に突出して形成されたリブである請求項3に記載のバケット式削孔装置。
  7. 前記着脱部材を進出方向に付勢する付勢部材が設けられている請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載のバケット式削孔装置。
  8. 前記鋼管の外側に拡幅翼が固定されており、
    前記拡幅翼の下端部にカッタが設けられている請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載のバケット式削孔装置。
  9. 鋼管を地中に設置して杭体を形成する鋼管杭形成装置において、
    鋼管の内側に掘削部材が配設され、前記鋼管の回転力を前記掘削部材に伝達する回転力伝達機構が設けられており、
    前記回転力伝達機構は、前記鋼管の内側面に形成された突出部と、前記鋼管の半径方向に沿って進退可能となるように前記掘削部材に設けられた着脱部材と、を備え、
    前記着脱部材は、前記掘削部材が昇降する際に後退し、地盤に接地した際に進出するリンク機構を介して前記掘削部材に取り付けられており、
    前記リンク機構は、
    前記バケットに一端がピン接合された第一リンクと、
    前記着脱部材に一端がピン接合された第二リンクと、
    前記第一リンクの他端および前記第二リンクの他端に一端がピン接合された第三リンクと、
    前記着脱部材を前記鋼管の半径方向に案内するレール部材と、
    前記第三リンクを前記バケットに対して相対的に上下方向に移動させるスライダ部材と、
    を備えることを特徴とする鋼管杭形成装置。
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