JP4132046B2 - シート状透明体の欠点を検査する装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ガラス板等の透明板、あるいは透明膜が被覆された透明板のようなシート状透明体に存在する光学歪みを伴う欠点の検査方法および欠点検査装置に関する。
背 景 技 術
透明板、例えばガラス板に存在する欠点には、表面に存在する凹凸,表面に落下した異物による欠点である落下異物、落下異物跡に存在するクレータ状の凹凸、内部に存在する異物,泡等がある。また、表面に透明膜が被覆されたガラス板の場合、透明膜の欠点には、ピンホールなどがある。これら欠点が光学歪みを伴うと、光学歪みにより光が屈折する。このため、光学歪みを伴うガラス板等は、光学基板として欠陥品となり利用できないため検査により除く必要がある。
ガラス板等の光学歪みを検査して評価する光学歪みの測定方法が、特開平8−247954号公報に開示されている。この公報に記載の測定方法では、光源および撮像素子に対する被測定物の位置を相対的に変化させながら、被測定物が拡散光部と遮光部の境界のエッジ部を通過する前の画像情報と後の画像情報との差の絶対値を用いて光学歪みを測定している。しかし、エッジ部を通過する前の画像情報と後の画像情報との差の絶対値では、光学歪みを持った欠点、例えば異物と泡を区別することができない。
また、日本国特許第3178644号(US 5691811A,EP 0726457A2)公報には、光源からの光を光源近くに設けた複数の微小な遮光部と透光部が交互に形成されたスリット板を通して透明板状体に投光し、透明板状体を挟んで光源とは反対側に設けた1次元カメラにより、濃淡の変化を撮像し、画像処理装置により欠点を検出する際に、カメラの焦点をスリット板より離れる方向に移動させたときに、スリット板の遮光部の黒(暗部)と透光部の白(明部)とが重なった灰色状態、つまり濃淡レベルの合成波形の最大値と最小値の差が最初にゼロとなる位置近傍を欠点検出用の焦点位置とし、得られた画像信号がフラッグ状で構成される場合を欠点と判定して、埃や汚れと区別できるようにした透明板状体の欠点検出方法が開示されている。
しかし、この欠点検出方法では、光学歪みを持たない埃や汚れと、光学歪みを持った欠点とを区別して検出することは可能であるが、共に光学歪みを持った異なる欠点、例えば異物と泡を区別することはできない。なぜならば、投光部と遮光部が線状で一方向に平行に設置された複数の線列スリット、あるいは線列スリットを二方向に設置しクロスさせた格子状スリット、あるいはチェッカー模様状に複数の微小な遮光部と透光部が交互に形成されたチェッカー状スリットでは、遮光部と透光部が複数であるが故に、それらの間隔や光学歪み欠点の屈折率の違いで、欠点の明部と暗部のパターンは、同じ種別の欠点であっても、同じパターンになるとは限らないし、別の種別の欠点同士が同じパターンになることもある。例えば、透明板状体の搬送方向にある異物が、「明暗明暗明」のパターンを、別の異物が「暗明暗明」のパターンを持ち、ある泡が「暗明暗明」のパターンを持つことが考えられる。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、シート状透明体における光学歪みを有する欠点を、その種類を区別可能に検査する方法および装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、シート状透明体における光学歪みを有する欠点を、シート状透明体の表面に付着し光学歪みを有しない埃とを区別可能に検査する装置を提供することにある。
本発明の第1の態様は、搬送されるシート状透明体に存在する、光学歪みを伴う欠点を検出する欠点検査方法である。この欠点検査方法では、シート状透明体の一方の側に照明手段を設け、シート状透明体の他方の側に1次元の撮像手段を設ける。照明手段は明部と暗部を有し、明部と暗部の境界部を実質的に1次元の撮像手段に平行な直線状とし、前記撮像手段の視野を前記境界部とする。撮像手段の1次元出力から2次元の画像データを作成し、画像データを3値化処理した画像データに変換し、3値化画像データに基づく表示画像中に、シート状透明体の搬送方向に順次表れる明部,暗部よりなる欠点パターンにより欠点を検出し且つ欠点の種類を識別する。
本発明の第2の態様は、搬送されるシート状透明体に存在する、光学歪みを伴う欠点を検出する欠点検査装置である。この欠点検査装置は、シート状透明体の一方の側に設けられた1次元の撮像手段と、シート状透明体の他方の側に設けられた照明手段とを備える。照明手段は明部と暗部を有し、明部と暗部の境界部を実質的に前記1次元の撮像手段に平行な直線状とし、撮像手段の視野を前記境界部とする。さらに、撮像手段の1次元出力から2次元の画像データを作成し、画像データを3値化処理した画像データに変換し、3値化画像データに基づく表示画像を形成する画像処理手段を備え、表示画像中に、シート状透明体の搬送方向に順次表れる明部,暗部よりなる欠点パターンを表示する。
本発明の検査方法および装置では、前記欠点の種類の識別は、前記欠点パターンを構成する明部,暗部が前記シート状透明体の搬送方向に表れる順序、および明部,暗部の組合わせにより行う。このようにして識別される欠点の種類は、異物欠点,泡欠点,凸部欠点,凹部欠点,落下異物欠点,落下異物跡欠点のうちの少なくともいずれか1つである。
発明を実施するための最良の形態
(実施例1)
図1に、本発明による欠点検査装置1の第1の実施例の構成を示す。この欠点検出装置は、照明手段2と撮像手段4と画像処理手段6とを備えている。照明手段2は、照明手段の暗部を構成する遮光板22と、照明手段の明部を構成する光源21とから構成されている。撮像手段4は1次元走査を繰り返すラインセンサ(分解能50μm)であり、ラインセンサカメラ41とレンズ42とから構成されている。以上のような照明手段2と撮像手段4との間を、ガラス板3は搬送手段5によって搬送される。搬送方向は矢印で示すように、図において左方向である。ラインセンサ4からの1次元出力信号は、画像処理手段6へ送られ、画像処理手段では、1次元出力信号により画像データを形成し、この画像データを3値化処理し、3値化処理画像データに基づく画像を表示し、欠点を表す「明部」,「暗部」パターンを観察できるようにする。
照明手段2の明部を構成する光源21としては、直管の蛍光灯を用いた。通常の商用電源による点灯では、光量むらが大きいので、高周波点灯とした。なお、駆動周波数は30kHz以上とした。このように蛍光灯を高周波で点灯させる照明は安価であり、光量むらが少ないので好ましい。特に長さの長い光源が必要な場合に、蛍光灯を用いると有効である。
蛍光灯21の上方に、照明手段2の暗部を構成する遮光板22を配置した。配置する位置としては、ラインセンサ4の光軸7に遮光板のエッジが一致するようにして、光軸7に対してガラス板の搬送方向下流側である。遮光板22は、明部とのコントラストを大きくするために、黒色とするのが好ましく、艶消しとなっているとさらに好ましい。さらには、明部の明るさを大きくするには、図1に示すように、蛍光灯21の中心がラインセンサ4の光軸7に対して、右側へずれるように配置するのが望ましい。
図2は、ラインセンサ4の位置から照明手段側を見た図である。遮光板22が暗部を構成し、遮光板22で隠されていない蛍光灯21の発光表面が明部を構成している。明部と暗部の境にある×印の位置がラインセンサの視野中心である。そして、ラインセンサは、明部と暗部の境界部を1次元に走査して観察する。
照明手段の上方には、被検査対象物であるガラス板3を搬送するための搬送手段5が設けられている。図1においては、ローラによって矢印方向へ搬送を行っている。すなわち、照明手段2における明部と暗部の境界部の長さ方向が、搬送方向と直交している。
搬送手段の上方には、ラインセンサカメラ41およびレンズ42より構成されるラインセンサ4を設置している。このとき、ラインセンサカメラの観察範囲は、前述したように照明手段2の明部と暗部の境界部に合わせている。なお、ラインセンサカメラの観察可能な長さは決まっているので、被検査対象物の幅に合わせて、適宜設置台数を決めることができる。なお、ラインセンサカメラ42の焦点位置は、透明板近傍とする。好ましくは、透明板の表面とする。
画像処理手段6としては、例えばコンピュータを利用できる。ラインセンサの出力がアナログ信号の場合は、コンピュータにはデジタル信号に変換して取り込む必要があるので、画像出力手段6は、少なくともアナログ/デジタル変換機能を有する画像入力装置をさらに有することが要求される。ラインセンサカメラがデジタルカメラである場合には、アナログ/デジタル変換は不要である。
以上の欠点検出装置において、ガラス板3に欠点がある場合に、表示画像において欠点を表す「明部」,「暗部」よりなる欠点パターンを観察できる原理を、以下に説明する。
図1において、ラインセンサ4の位置から、ガラス板の表面上にある光学歪みを伴う凸部欠点を、目視して観察したときの照明手段の見え方を、模式的に図に示す。図3Aは、ガラス板に凸部欠点が無い場合を示す。左半分の黒地部分は照明手段の暗部である遮光板22を表し、右半分の白地部分は照明手段の明部である光源21の発光部分を表している。黒地部分と白地部分との境の上方にガラス板の凸部欠点があると、凸部欠点のレンズ作用によって光が屈折し、図3Bに10で示すように、明部21と暗部22との境の明部21背景中に暗部が、暗部22背景中に明部が表れる。図3A,図3Bは、あくまでも人間が目視により観察した場合であるが、焦点距離をガラス板表面に合わせたラインセンサで観察した場合には、明部21と暗部22との境がぼやけて見え、明部と暗部の明るさの比率により中間の明るさとなる。なお、この中間の明るさを、正確に明部の明るさと暗部の明るさとの中間の明るさに設定するためには、まず遮光板22を設けない状態でラインセンサの出力を求め、この出力を100とする。つぎに遮光板を設置して、ラインセンサの出力が50となるように、遮光板22の配置位置を調整することにより行う。
そして、ガラス板は搬送されているので、後述するように、ラインセンサはまず欠点10による光の屈折の結果、明部21を検出し、続いて暗部22を検出することになる。ラインセンサの出力信号を、画像処理手段で画像データにし、この画像データを3値化処理して画像表示すると、画像上には「明部」と「暗部」よりなるパターンが観察される。この「明暗」パターンが観察されれば、欠点は少なくとも凸部欠点であることが推定される。
以上は凸部欠点について、観察される欠点パターンについて説明したが、凸部欠点について、「明暗」パターンが発生する原理をさらに詳述すると共に、併せて泡欠点の場合に観察される欠点パターンについても説明する。
図4は、図3A,図3Bにおいて説明したと同様に、ガラス板の表面に凸部が存在する場合を説明するための図である。図4Aは、ラインセンサ4が、搬送されてくるガラス板3の表面の凸部31の前半部分を観察している状態を示す。ラインセンサ4に主として入射する光の光軸は、凸部31のレンズ作用により、遮光板22のエッジから蛍光灯21の発光面側へ偏移している。このため、光学歪みのない正常な部分を観察している場合に比べて、ラインセンサに入射する光量が増加する。
図4Bは、ラインセンサ4が、搬送されてくるガラス板の表面の凸部31の後半部分を観察している状態を示す。ラインセンサ4に主として入射する光の光軸は、凸部31のレンズ作用により、遮光板22のエッジから遮光板の内側へ偏移している。このため、光学歪みのない正常な部分を観察している場合に比べて、ラインセンサに入射する光量が減少する。
上述のような表面に凸部が存在するガラス板を移動させながらラインセンサで観察した場合、ラインセンサの出力1(明るさを表している)は図4Cのようになる。なお、図4Cは、ラインセンサの1画素における出力を示しており、横軸Lは、ガラス板の移動距離である。
図4Cにおいて、出力I0は、図3Aにおいて明部21と暗部22との境のぼやけた部分を観察している場合のラインセンサの前記画素の出力のレベルを示している。凸部欠点が移動してくると、ラインセンサの出力はまずレベルI0より大きくなり、続いてレベルI0より小さくなる。
ラインセンサの出力は、画像入力装置によりコンピュータに取り込まれ、画像データが形成される。この画像データは、3値化処理されて、3値化画像がディスプレイ上に表示される。ディスプレイ上には、凸部欠点の存在に対応して、「明部」と「暗部」がこの順で現れ、「明部」と「暗部」とよりなる「明暗」パターンが表示される。
なお光学歪みを伴う異物欠点の場合も、凸部欠点と同様に「明暗」パターンとして現れることが確かめられた。
また、ガラス板の表面に存在する凹部欠点の場合、3値化画像には、凸部欠点とは逆に、「暗明」パターンが現れることは、容易に理解できるであろう。さらに、ガラス板の表面に被覆された膜のピンホール欠点も、「暗明」パターンが現れることを確認している。
つぎに、ガラス板内に泡欠点が存在する場合の例を説明する。図5Aは、ラインセンサ4が、搬送されてくるガラス板内の泡欠点32の前半部を観察している状態を示す図である。ラインセンサ4に主として入射する光の光軸は、泡欠点のレンズ作用により、遮光板22のエッジから遮光板の内側へ偏移している。このため、正常な部分を観察している場合に比べて、ラインセンサに入射する光量が減少する。
図5Bは、ラインセンサ4が、搬送されてくるガラス板内の泡欠点32の後半部を観察している状態を示す。ラインセンサ4に主として入射する光の光軸は、泡欠点のレンズ作用により、遮光板22のエッジから蛍光灯21の発光面側へ偏移している。このため、正常な部分を観察している場合に比べて、ラインセンサに入射する光量が増加する。
上述のような泡欠点が存在するガラス板を移動させながらラインセンサで観察した場合、ラインセンサの1画素の出力Iは図5Cのようになる。泡部欠点が移動してくると、出力はまずレベルI0より小さくなり、続いてレベルI0より大きくなる。ラインセンサの出力は、コンピュータに取り込まれ、画像データが形成され、3値化処理される。泡欠点の存在に対応して、3値化画像上に「暗部」と「明部」がこの順で現れ、「暗部」と「明部」よりなる「暗明」パターンが表示される。
以上のように、欠点の種類によって、つまり光を屈折させる性質の違いによって、ガラス板の搬送方向に「明部」と「暗部」の現れる順序が決まり、「明部」と「暗部」とで構成される欠点パターンに違いが生じる。この欠点パターンの違いによって、欠点の種類を識別することができる。なおこのような欠点の種類の識別は、[発明の背景]で述べたように、日本国特許第3178644号公報に記載の遮光部と透光部が複数であるスリット板では困難であり、本発明の1次元の撮像手段に平行な直線状の透光部が1つしかない、言い換えれば複数でないスリット照明でのみ可能である。なお実際の欠点では、搬送方向以外も含めると「明部」と「暗部」よりなる複雑な欠点パターンを形成する場合が多いが、そのような欠点は、各種の欠点がまざり合った複合欠点と見なすことも可能である。
上述した検査装置によって、具体的にガラス板に存在する泡欠点を観察した例を示す。図6は、ラインセンサカメラ41からの信号を、画像入力装置にてコンピュータに取り込んで画像データを形成し、3値化処理を行うことなくディスプレイ上に表示した画像である。また、画面上の縦カーソルC1および横カーソルC2上における濃淡プロファイルも併せて示している。画像において、横方向はガラス板の搬送方向であり、縦方向はラインセンサの走査方向である。この画像では、画像の濃淡が不鮮明であり、したがって「明部」,「暗部」よりなる欠点パターンは不明瞭である。
本発明では、コンピュータにおいて、この2次元画像データについて、3値化処理を行い、明部と暗部とのコントラストを大きくする。3値化処理は、まず2次元画像データの全体の平均した明るさを求める。それを基準にして、+側と−側のしきい値を適宜設定して、+側のしきい値以上の画素データの部分を「明部」とし、−側のしきい値以下の画素データの部分を「暗部」とし、+側と−側のしきい値の間の範囲を「灰部」とする。なお、前記平均した明るさは、2次元画像データの全体から求めたが、これに限られるものではない。例えば、2次元画像の周辺部のみに対応する画像データから求めてもよい。
3値化された画像データをディスプレイに表示した画像を図7に示す。画像の濃淡がより鮮明になっている。このように3値化処理を行うと、「明部」,「暗部」よりなる欠点パターンを明瞭に表示することができる。
泡欠点の場合、ガラス板の搬送にしたがって、搬送方向にまず「暗部」が、続いて「明部」が現れ、「暗明」パターンを形成していることがわかる。図7に示した例では、「明部」パターンの後方ににさらに「暗部」が現れている。これは、泡欠点が大きく光学歪みが大きな場合に、観察している視野が蛍光灯の範囲から外れることによって起こる現象である。以上のことから、「暗明」パターンはラインセンサの分解能の整数倍を基準にして小さい泡欠点を示し、「暗明暗」パターンはラインセンサの分解能の整数倍を基準にして大きい泡欠点を示すことがわかる。
図8は、単純な凸部を伴う異物欠点を観察した場合の3値化処理前の画像データによる画像である。同様に3値化処理を行い、3値化された画像データによる画像を図9に示す。このような異物欠点の場合、ガラス板の進行にしたがって、まず「明部」が、続いて「暗部」が現れ、「明暗」パターンを形成していることがわかる。
以上、図1に示した欠点検査装置では、少なくとも異物欠点と泡欠点を区別することができる。
なお図1に示した欠点検査装置において、ガラス板3の搬送方向を逆にすれば、欠点パターンを構成する明部,暗部がガラス板の搬送方向に表れる順序は逆になることは、当業者には容易に理解できるであろう。
(実施例2)
上述した実施例1では、遮光板22を1枚用いた例であったが、この実施例ではさらに他の遮光板を追加して用いる。図10は、この例を示す図である。この他の遮光板23は、光源である蛍光灯21からの暗視野照明となる間接光を調整して、欠点からの乱反射光の発生を抑制するために設けている。このような遮光板23は、ラインセンサの視野に入らない範囲で、その位置を調整することができる。
図11は、図10の検査装置において、ラインセンサ4の位置から照明手段側を見た図である。遮光板22,23が暗部を構成し、遮光板22,23で隠されていない蛍光灯21の発光表面が明部21を構成している。明部21と暗部22の境にある×印の位置がラインセンサの視野中心である。
この検査装置を用いて、ラインセンサの分解能の整数倍を基準にして大きな泡欠点を検出すると、図6に示した様な「暗部」,「明部」,「暗部」が続く「暗明暗」パターンが発生しやすくなる。図12A,図12B,図12C,図12Dに、図5A,図5B,図5Cに対応した図を示し、「暗明暗」パターン発生の原理を示す。図12Aでは、泡欠点の先端部付近を観察しており、図12Dに示すようにラインセンサの出力がレベルI0より小さくなる。図12Bでは、泡欠点の中央部よりやや後方を観察しており、出力がレベルI0より大きくなり、図12Cでは、泡欠点の後端部付近を観察しており、出力がレベルI0より小さくなる。
つぎに、ガラス板上に存在する落下異物,落下異物の跡に存在するクレータ状の凹凸(この凹凸を落下異物跡という)の検査について説明する。
図13A,図13Bは、ガラス板3上に存在する、周りに盛り上がりを伴う落下異物と、クレータ状の凹凸である落下異物跡を示す。図13Aに示すように異物62が付着したままの落下異物欠点63は周りに盛り上がりを伴っており、3値化画像では凸部欠点と同様の「明暗」パターンを示した。この「明暗」パターンの例を、図14Aに示す。また、図13Bに示すようにクレータ状の落下異物跡欠点64は、3値化画像では「明暗明暗」パターンを示した。これらパターンを図14Bに示す。また、ラインセンサの分解能の整数倍を基準にして小さな落下異物跡は、「明暗」パターンになることを確かめた。
つぎに、図10に示した検査装置を用いて、ラインセンサの焦点位置をガラス板表面にし、ガラス板表面に付着した埃を観察した場合のパターンを図15に示す。図より明らかなように、埃では「暗部」しか観察されていないことがわかる。これは、付着している埃では、光を屈折することがないので、埃の存在によって遮光されることによって、入射光量が低下することのみを観察しているためである。
したがって、ラインセンサの焦点をガラス板表面にし、さらに遮光板23により乱反射光の発生を抑制することにより、3値化画像の「明部」,「暗部」のパターンを判断することで、光学歪みを伴う欠点と埃を区別することが可能である。
なお図10に示した欠点検査装置において、ガラス板3の搬送方向を逆にすれば、欠点パターンを構成する明部,暗部がガラス板の搬送方向に表れる順序は逆になることは、当業者には容易に理解できるであろう。
上記した埃と同様に、ガラス板表面に付着するものとして、ガラス板を切断したときの切断屑がある。このような切断屑は、光を屈折するので、光学歪みを伴う欠点と同様に検出することが可能である。ただし、切断屑の場合には、切断屑の大きさや形状に基づいて、「明部」および/または「暗部」よりなる複雑な欠点パターンを形成する場合が多い。
以上の実施例1,2では、照明手段2における明部と暗部の境界部の長さ方向と、透明板の搬送方向とは90°の角度をなしているが、90°に近い角度であってもよい。なお、ガラス製造における流れ方向の欠点を特に検出したい場合には、適宜斜めに交わらせるとよい。
(変形例)
上述した実施例1では、照明手段を、1本の蛍光灯と、1枚の遮光板により構成したが、これに限るものではない。例えば、図16に示すように、2本の蛍光灯21を設けてもよい。
また、図17に示すように、複数本の蛍光灯21を配置し、上方に遮光板24と散乱板25とを設けた照明手段としてもよい。
また、図18に示すように、1本の蛍光灯21の表面に遮光膜26を直接形成して、照明手段としての明部と暗部を構成してもよい。
なお、以上の実施例および変形例では、光源として蛍光灯を用いたが、光源としては蛍光灯のほかに、例えばハロゲンランプを光源とし、ハロゲンランプからの光をファイバにて導いたファイバ照明でもよい。また棒状のLED照明を用いてもよい。
なお、本発明による検査方法が適用可能な透明板は、必ずしも平板に限られるものではなく、パネルなどのように、ゆるやかな曲率を有している板でもよい。また透明板は、適宜切断された板材でも、連続的に供給される板材でもよい。さらに本発明による検査方法は、透光性を有していれば半透明な板にも適用可能である。
産業上の利用可能性
以上詳細に説明してきたように本発明による検査方法および装置では、光学歪みを伴う欠点を、コントラストがはっきりした「明部」と「暗部」よりなるパターンとして観察することができ、さらには上記パターンの状態、すなわち「明部」と「暗部」とがシート状透明体の搬送方向に表れる順序,およびその組合せによって、欠点の種類を識別することが可能である。
また本発明による検査方法および装置では、透明板の表面に付着した除去可能で、欠点とならない埃も検出することが可能であるので、透明板の表面に存在する凹凸や透明板に内在する異物、泡等の欠点と区別して処理することができる。このため、特に清浄な空間において検査をする必要がなく、クリーンブース等の新たな設備を必要としないので、検査にかかるコストを抑えることができる。さらには、例えばハンドリングによる埃の付着が多いといった情報も得ることができる。この情報をもとに、工程の改善を図ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、発明による検査装置の基本的構成を説明する概略図である。
図2は、図1においてラインセンサの位置から照明手段側を見た図である。
図3Aおよび図3Bは、照明手段を目視した場合に、その見え方を模式的に示す図である。
図4A,図4B,図4Cは、ガラス板の表面に凸部が存在する場合を説明する図である。
図5A,図5B,図5Cは、ガラス板内に泡欠点が存在する場合を説明する図である。
図6は、泡欠点を観察した画像データに基づく画像を示す図である。
図7は、泡欠点を観察した画像データを3値化処理し、3値化画像データに基づく画像を示す図である。
図8は、異物欠点を観察した画像データに基づく画像を示す図である。
図9は、異物欠点を観察した画像データを3値化処理し、3値化画像データに基づく画像を示す図である。
図10は、さらに他の遮蔽板を用いた検査装置を示す図である。
図11は、図10においてラインセンサの位置から照明手段側を見た図である。
図12A,図12B,図12C,図12Dは、図10の検査装置において、ガラス板内に泡欠点が存在する場合を説明する図である。
図13A,図13Bは、ガラス板上に存在する落下異物と、落下異物跡に存在するクレータ状の凹凸を示す図である。
図14A,図14Bは、落下異物欠点およびクレータ状欠点に対応する「明部」,「暗部」のパターンを示す図である。
図15は、埃を観察した画像データを3値化処理し、3値化画像データに基づく画像を示す図である。
図16は、他の照明手段を示す図である。
図17は、他の照明手段を示す図である。
図18は、さらに他の照明手段を示す図である。
Claims (8)
- 搬送されるシート状透明体に存在する、光学歪みを伴う欠点を検出する欠点検査装置において、
前記シート状透明体の一方の側に設けられた1次元の撮像手段と、
前記シート状透明体の他方の側に設けられた照明手段とを備え、
前記照明手段は明部と暗部を有し、前記照明手段の明部と暗部は、直線状の光源と、前記光源と前記シート状透明体の間に設けられ、前記光源の長手方向に平行に延びるエッジ部を有し、前記エッジ部を含む側が前記光源の一部分を長手方向に沿って覆うように配置された第1の遮光板とで形成され、前記明部と暗部との境界部は、前記直線状の光源に平行な直線状をなし、前記第1の遮光板のエッジ部は、前記撮像手段の光軸に位置するように配置され、前記撮像手段の観察範囲を前記境界部とし、
前記光源と前記シート状透明体との間に設けられ、前記第1の遮光板のエッジ部に平行に延びるエッジ部を有し、前記光源からの暗視野照明となる間接光を調整して欠点が乱反射光を発生することを抑制するための第2の遮光板を、前記照明手段がさらに備え、
前記シート状透明体が、前記直線状の境界部と直交する方向に搬送されるときに、前記撮像手段は前記境界部を観察し、前記撮像手段の1次元出力から2次元の画像データを作成し、画像データを3値化処理した画像データに変換し、3値化画像データに基づく表示画像を形成する画像処理手段を備え、前記表示画像中に、前記シート状透明体の搬送方向に順次表れる明部,暗部よりなる欠点パターンを表示することを特徴とする欠点検査装置。 - 請求項1に記載の欠点検査装置において、
前記欠点の種類の識別は、前記欠点パターンを構成する明部,暗部が前記シート状透明体の搬送方向に表れる順序、および明部,暗部の組合わせにより行うことを特徴とする欠点検査装置。 - 請求項1または2に記載の欠点検査装置において、
前記1次元の撮像手段は、レンズとラインセンサカメラとにより構成されることを特徴とする欠点検査装置。 - 請求項1,2または3に記載の欠点検査装置において、
前記直線状の光源は直管の蛍光灯であることを特徴とする欠点検査装置。 - 請求項4に記載の欠点検査装置において、
前記蛍光灯は、30kHz以上で高周波点灯させることを特徴とする欠点検査装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の欠点検査装置において、
前記第1および2の遮光板は、黒色であることを特徴とする欠点検査装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の欠点検査装置において、
前記シート状透明体は、ガラス板であることを特徴とする欠点検査装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の欠点検査装置において、
前記シート状透明体は、透明膜が被覆されたガラス板であることを特徴とする欠点検査装置。
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