JP4139907B2 - イオン注入方法、集積回路製造プロセス、および集積回路mos製造プロセス - Google Patents
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Description
この発明は、浅い注入領域を形成し、かつ集積回路におけるドーパント拡散を抑制するためのプロセスに関する。
背景技術
WO85/00694は、浅い接合部の半導体装置を形成するためのプロセスを開示する。このプロセスは、さまざまな用量およびエネルギで、半導体本体の領域へと中性種を注入することを含む。その後、活性種がこの構造にもたらされ、後に標準的な活性化アニールが行なわれる。中性種の注入に用いられる記載の用量によって、アモルファスシリコンが形成される。
FR−A−2 578 096は、不活性イオンの注入と活性ドーパントイオンの注入との両方が行なわれる、MOSトランジスタを形成するプロセスを開示する。
集積回路がより小型かつ高速になるにつれ、MOSデバイスはますます短いチャネルおよび浅い接合深さを必要とするように発展してきた。これによって、ソース領域、ドレイン領域、および軽くドープされたドレイン(LDD)領域を形成するためにドーパントのイオン注入を行なうことを含む、これらの構造のプロセスにおいて課題が与えられる。
イオンはターゲットへと高エネルギビームで導かれることによって注入される。イオンはターゲットへの距離だけ浸透し、その距離はイオン質量、イオンエネルギ、ターゲットの材料およびターゲットの配向のような要因によって決定される。イオンは、2つのタイプの一連の衝突または散乱事象、すなわち、ターゲット材料の中枢となる電子および核との衝突またはそれからの散乱と、ターゲット材料の外部電子とのクーロン相互作用とによって、ターゲット内で減速させられる。ターゲットにおけるその軌跡に沿ういずれかの点でのイオンのエネルギがEによって与えられれば、核衝突によるエネルギ損失は核阻止と呼ばれる単位長さ当りのエネルギ損失Sn(E)によって特徴付けられる。ターゲットの外部の電子との相互作用によるエネルギ損失は電子阻止と呼ばれる単位長さ当りのエネルギ損失Se(E)によって特徴付けられる。単位長さ当りの総エネルギ損失率はSn(E)およびSe(E)の和によって与えられる。
核阻止能Sn(E)を計算するための広く用いられる散乱モデルは変形トーマス−フェルミのスクリーニングされた原子散乱ポテンシャルを利用する。このモデルに基づき、核阻止は低エネルギで線形的に増大し、ある中程度のエネルギで最大に達し、高エネルギで低減する。核阻止は注入されたイオンの質量で増大する。ターゲットの外部電子からの非弾性散乱による電子阻止は粘性のある媒体における発射物の阻止と同様に作用し、
の式におけるE1/2とほぼ比例し、keはイオンおよびターゲット材料に軽く依存する定数である。
イオンエネルギが低いと核阻止が支配し、それより上では電子散乱が支配的となるしきい値エネルギがある。クロスオーバーエネルギはイオン質量に依存し、より重いイオンに対して高くなる。たとえばボロンでは、Se(E)はほぼ10keVよりも大きいイオンエネルギのための有力なエネルギ損失機構である。
注入されたイオンの理論上の分布はガウス形であり、投射範囲(projected range)Rpと呼ばれる深さでピークを有するであろう。実際の分布は、注入の間に起こるチャネリング効果と注入後のドーパント拡散とによって理想から逸脱する。
注入の間のチャネリングは高エネルギイオンが単結晶基板においてチャネルに対応する方向に移動する際に生じる。単結晶格子内のチャネルは、イオンがいかなるターゲット核とも遭遇しない方向に整列させられる。イオンは格子のこのような開いたチャネルに沿ってチャネリングされるか向けられる。チャネルに沿って移動するそれらの注入されたイオンは主として電子阻止によって減速され、したがって、チャネリングされないイオンよりも深く格子に浸透できる。チャネリングはターゲット内の格子に対する入射ビームの方向に過度に敏感である。これを制御するのは困難であり、これは異常な注入プロファイルを引き起こしがちである。
注入には一般に電子的に「活性した」注入されたイオンの熱処理が続き、これは基板にアクセプタまたはドナーの作用を与える。後の処理における他の熱処理とともに、この熱処理もまた注入されたイオンの拡散を引き起こし、これはソース/ドレイン注入物のための接合深さを増大させるような逆効果を有し、それによって装置の性能を劣化させる。拡散率は一般に用いられるドーパント、すなわち、ボロン、ヒ素およびリンに対して変化し、ボロンが最も高い拡散率を有する。したがって、拡散効果はp型ドーパントとしてアクセプタのボロン原子を利用するPMOSデバイスにおいて最も高くなる。
注入間および注入後のMOSデバイスのプロセス時において、ボロンのようなドーパントの望ましくない位置決めおよび位置変化を阻止する方法を求めるために多くの努力が行なわれてきた。位置変化を阻止するこれらの方法の多くは注入に関連した損傷の影響を利用する。注入によって引き起こされる損傷の効果的な使用のためには損傷プロファイルと損傷生成の物理的特性とについて理解が求められる。
高エネルギの注入イオンとターゲットとの間の核衝突がターゲットに損傷を与え得る。単結晶ターゲット基板では、この損傷は一般に結晶格子の場所からのシリコン原子のずれからなる。ずれ事象が生じるためには、衝突によってシリコン原子に与えられるエネルギがそれをその格子の場所からずらすために必要なエネルギであるEdiよりも大きくなくてはならない。Siでは、この値は
である。Siにおけるずれ事象は空格子点という占有されていない格子の場所を生じ得る。空格子点には、格子間Si原子と呼ばれる、格子の場所間の位置を占有するSi原子が伴い得る。この空格子点−格子間Si原子の対がフレンケル対として知られる点欠陥を形成する。注入イオンは、それらが運動エネルギを与える領域において欠陥のある著しい不規則のゾーンを生じる。格子は、a)本質的に結晶シリコンにおける孤立した点欠陥または欠陥集団、b)さもなければ結晶層における局所的アモルファスゾーン、またはc)完全なアモルファス化という、いくつかの損傷程度を示し得る。アモルファス領域は結晶周期性に欠く領域として定義され、単位体積当りのずれた原子の密度が半導体の原子密度に近づく領域として説明され得る。
電子散乱事象のみが生じる場合、ずれを引き起こすにはSi原子へのエネルギ移転が不十分であり、したがって、核阻止が顕著になる点にイオンエネルギが低下するまで広い範囲の損傷が起こり始めない。イオンエネルギがさらにEdiより下に低下すると、ずれによる損傷が停止する。したがって、Siにおけるひどく損傷された領域はドーパント注入領域よりも幾分浅く位置決めされる。対応のドーパント分布に対する損傷プロファイルのグラフが以下により十分に説明されるように図2に示される。
結晶シリコン格子を介するドーパントイオンの拡散は拡散の基本的な微分方程式に従う。有限体積のマトリクス物質に注入濃度勾配dC/dxが存在すれば、勾配が小さくなるように注入材料が移動する傾向がある。この流れが十分に長い時間持続すれば、材料は均質的になり、物質の正味の流れが終わる。フィックの第1法則によると、
J=-D[dC(x,t)]/dx
であり、ここで、Jは所与の面における物質の流れであり、Dは特定の温度で特定のホスト媒体へと拡散している材料に対する拡散定数である。フィックの第1法則が時間とともに小さくなる濃度勾配を含むように変形され、ドーパントの薄層を初期条件と仮定すると、ある期間の特定の温度での熱アニールの後のドーパント濃度がガウス分布によって近似される。
集積回路の製造の際にドーパントとして用いられるイオンのボロン、ヒ素、リンおよびアンチモンは皆、シリコン格子における格子点に位置する置換不純物である。最近のモデルによると、多くのイオン種にとって、格子における空格子点間の拡散が空格子点濃度とシリコン格子間原子の濃度、すなわちその格子の場所からずれたSi原子の濃度とによって制御される。これらの拡散機構は単結晶シリコンで起こる。それらは、多結晶またはアモルファスシリコンで生じるさまざまな拡散機構とは区別されるべきである。単結晶の場合、置換不純物の拡散定数Dは以下のように表わすことができる。
D=D1+Dv
ここで、D1およびDvは拡散係数の格子間原子および空格子点成分である。D1およびDvの相対的値は種々のイオンで変化する。ドーパントのボロン、インジウムおよびリンは、エス・クラウダー(S.Crowder)が博士論文「スタンフォード・ユニバーシティ」(“Stanford University”)、1995、pp41−43において説明する、図3に示すような格子間原子機構または侵入欠陥機構(interstitial or interstitialcy mechanisms)を主として介して拡散すると考えられる。したがって、これらのドーパントの拡散率は主としてSi格子間原子濃度によって制御される。アンチモンの拡散は、イオンが格子間の空間を介して移動することを物理的に防ぐその大きなサイズのために主として空格子点によって制御される。これはしたがってある空格子点から隣接する空格子点へと跳躍するゆっくりとしたプロセスによって拡散する。ヒ素のようないくつかのイオンは格子間原子機構および空格子点機構の両方によって移動できる。空格子点はほとんど注入の間に点欠陥が生じることによってのみ引き起こされるが、シリコン格子間原子もまたアニールの開始時におけるキックアウト効果によって引き起こされ得る。この場合、ドーパントイオンが置換物となるようにSi原子を追い出し(キックアウト)、シリコン原子が余分な格子間原子となる。+1モデルとして知られるこの機構に基づく格子間原子プロファイルのモデルがエム・ジャイルズ(M.Giles)の“J.Electrochem Soc”、138、1160(1991)によって説明される。
ボロンのような、注入ドーパント分布の近辺にある余分なシリコン格子間原子の存在によって過渡増速拡散(TED)として知られる効果が生じる。この効果は、負の勾配の「下り」方向においてドーパント拡散速度を大幅に高める余分な格子間原子の濃度プロファイルの勾配によって特徴付けられる。この効果の持続時間は短く、800℃もの低い温度ではわずか数分しか持続せず、より高い温度では数秒のみであり、これは余分な格子間原子が再結合するか他の方法でドーパントの近辺から取除かれるまでである。しかしながら、この短い期間の間にドーパントの有効拡散率は10,000倍よりも大きく高められ得る。損傷ピークがドーパントピークよりわずかに浅く位置決めされるので、増速された拡散はドーパントをシリコンへとより深く移動させる傾向がある。結果として、注入プロセスによって生じる損傷によるドーパント原子の移動が最終的な接合深さおよびプロファイル形状の主な決定要因となる。
電子的に不活性な種を注入することによって損傷された領域を意図的に作ることがドーパントの望ましくない位置決めまたは移動を減速するために利用されてきた。ケース(kase)らは米国特許♯5,145,794(1992)において注入時にチャネリングを減速する方法を説明している。この方法によると、アルゴンが部分的に結晶である不規則なシリコン層を作るために予め注入され、その後ボロンが不規則領域に直接注入される。この方法を用いると、ボロンのチャネリングがかなり避けられる。シリコンの損傷は後のアニールによって修復することができる。
同様の方法が注入後のアニール時にドーパント拡散を減速するために提案されている。ミルグラム(Milgram)らは、“Appl.Phy.Lett.42,878”(1983)において、アモルファス層を作るのに十分なアルゴン用量を予め注入し、次にボロンをアモルファス領域へと注入することを説明している。注入されたアルゴンは900℃までの温度での注入後のアニールの間においてシリコン内のボロン拡散を低減させる。この著者は混入されたアルゴン原子によってボロン原子が捕捉されると結論付けている。アモルファス層を作ることによってドーパント拡散を減速すると、それによってシリコン結晶内にもたらされる欠陥が後のアニールによって完全には除去されず、部分的に維持され、半導体デバイスの特性を劣化させるために問題が生じることがわかる。アモルファス化を起こさずに単結晶シリコンにおいてドーパント拡散を抑制する方法がしたがって必要である。
発明の開示
発明者は、結晶シリコンにおけるドーパント拡散を抑制するために注入損傷によって引き起こされる格子間原子勾配を利用し、それによって、浅い注入接合部を維持し、MOS構造のゲートの下のドーパントの横方向への広がりを抑制させるためのプロセスを与えた。
この発明に従うと、結晶シリコンにおける注入ドーパント原子の領域の後の拡散を減速させ、それによって電気的に不活性な種がドーパント注入物より十分下に注入されるようにするために、集積回路プロセスおよびこのプロセスを利用して形成される生成物が提供される。
この発明の1つの局面は、MOSデバイスのための浅いソース/ドレイン領域接合部を与えるための改良されたプロセスである。
この発明の別の局面は、結晶シリコンへと注入されたドーパント原子の、後の高温処理サイクル時の拡散を減速させるためのプロセスである。
この発明のさらなる局面は、シリコンにおいてアモルファス層を形成させない、結晶シリコンに注入されたドーパント原子の領域の後の拡散を減速させるためのプロセスである。
この発明のさらなる局面は、ゲートの下のLDD領域の横方向の広がりを減速させる、MOSデバイスにおける注入された軽くドープされたドレイン(LDD)構造を形成するためのプロセスである。
この発明のさらなる局面は、このプロセスを用いて形成され、浅いソース/ドレイン接合部を有し、ゲート下のLDD注入物の横方向の拡散が低下させられたMOSデバイスである。
【図面の簡単な説明】
図1は、さまざまな温度でアニールした後の単結晶シリコンにおける注入ボロンプロファイルのグラフである。
図2は、さまざまなエネルギでのボロン注入から生じる計算された損傷プロファイルのグラフである。
図3は、ボロン拡散機構の概略図である。
図4は、この発明を利用する二重注入のための注入イオンプロファイルおよび損傷プロファイルのグラフである。
図5は、この発明の好ましい実施例のプロセスのフローである。
図6aは、LDD注入物を有する先行技術のMOS構造の概略断面図である。
図6bは、この発明を利用するLDD注入物および減速注入物を有するMOS構造の概略断面図である。
図7は、さまざまなエネルギのLDDおよびソース/ドレイン注入物ならびに減速注入物を有するMOS構造の断面図である。
発明を実施するための形態
この発明に従うと、半導体をドープするためにイオン注入を用いる集積回路製造プロセスにおいて、半導体のより深くへの注入物の拡散を減速させるために電気的に不活性な種がドーパント注入物より十分下に注入される。
図1は、単結晶シリコンにおけるボロンドーパント原子の一般的な周知の注入時のプロファイルと、700℃から1100℃にわたる温度で35分間炉でアニールした後のプロファイルとを示す。アニールサイクル時に生じる拡散はドーパントプロファイルを広め、前端を基板のより深くへと移動させ、MOS装置の性能における上述の問題を引き起こす。
図2は、10KeVから1000KeVにわたるエネルギでのボロン注入によって生じる、周知の計算された損傷密度プロファイルを示す。サンプルへの深さXは注入されたイオン自体の投射範囲Rpによって正規化される。計算された損傷密度プロファイルの形状は理想的な注入時のボロンプロファイルと類似しているが、ピーク位置はドーパントのピーク位置よりも浅い深さにある。注入物のエネルギがより高いと、損傷ピークがドーパントピークとよりぴったりと一致する。
図3は、格子間原子機構、侵入欠陥機構および空格子点機構による、シリコン格子を介するドーパントの移動のモデルを示す。格子間原子キックアウトでは、シリコン格子4の格子場所での置換ドーパント原子2がシリコン格子間原子6によって「追い出され」、その後ドーパント原子2は、別の空の場所に遭遇するかそれ自体が原子をその占有場所から追い出すまで格子間領域10を介して格子場所8の間を移動する。侵入欠陥機構の概略図はシリコン原子15とともにシリコン格子場所14を二重に占有するシリコン格子間原子12を示す。格子間原子12は次に移動して格子場所16をドーパント原子18とともに二重に占有し、これは次に移動してシリコン原子22とともに格子場所20を二重に占有する。ボロン、インジウムおよびリンのための支配的な拡散機構であるこれらの格子間原子機構および侵入欠陥機構は、ドーパント原子24が格子場所26のみから隣接する空格子点28へと移動し、空格子点29を残す、空格子間機構よりもはるかに速い拡散速度を与える。
図4を参照すると、この発明のプロセスを利用する二重注入物構造のための濃度プロファイルが示される。この構造は、深さd1で濃度ピーク30を有するドーパント種、たとえばボロンと、d1よりもずっと下の深さd2で濃度ピーク32を有する電気的に不活性な種、たとえばアルゴンとを含む。ドーパント種の注入からの損傷はドーパントピーク30の深さd1よりもわずかに浅い深さd3でシリコン格子間原子ピーク34を生じる。同様に、電気的に不活性な種の注入からの損傷がピーク32の深さd2よりもわずかに浅いがドーパントピーク30の深さd1よりも深い深さd4でシリコン格子間原子ピーク36を生じる。深くなる方向が負である格子間原子勾配38は格子間原子ピーク34と関連付けられ、後のアニール時にシリコンへのドーパントの過渡増速拡散を引き起こす。これはドーパント注入物がソース/ドレインまたはLDD注入物であれば接合深さを増大させるであろう。しかしながら、電気的に不活性な種の注入からの格子間原子ピーク36と関連付けられた格子間原子勾配40の負または「下り」方向は表面に向かっている。したがって、勾配40は後のアニール時のシリコンのより深くへのドーパント拡散に対抗するであろう。勾配38は「加速勾配」(accelerating gradient)と呼ばれ、勾配40は「減速勾配」(retarding gradient)と呼ばれる。減速効果を達成するために、ピーク32は格子間原子勾配40が減速されるべきドーパント原子よりも深いようにドーパントピーク30よりも十分深く位置決めされる。電気的に不活性な種の注入、したがって「減速注入物」の形成はドーパント種の注入に先行しても従ってもよい。
図5を参照すると、図7に示すようにポリシリコンゲートを備えるPMOSトランジスタのソース/ドレインおよびLDD注入物に適用されるようなこの発明の好ましい実施例のためのプロセスのフローが示される。ステップ42において、表面にゲート酸化物が成長し、その上にポリシリコンゲートを有するシリコン基板が設けられる。ステップ44において、注入物マスクとして役立つポリシリコンゲートと、ポリシリコンによって覆われていない領域において基板に浸透する注入ドーパント種とでの標準的な方法を用いてボロンLDD構造の注入が行なわれる。ステップ44の注入のための一般的な用量は注入されるボロンを含む種としてBF2 +イオンを用いて4−5E13/cm2、25−35KeVのエネルギである。ステップ46において、今回は1E13から1E14の用量範囲のアルゴンでさらなる注入が行なわれ、ポリシリコンゲートは注入物マスクとして役立ち、一般に300KeVから400KeVの範囲である注入エネルギが、結果として生じる不活性アルゴン濃度ピークがLDD注入物(図6b、62)より十分下に位置決めされるように選択される。ステップ48において、1000−1500オングストロームの幅のゲートサイドウォールスペーサが一般に標準的蒸着およびエッチバック技術を用いて形成される(図7、72)。サイドウォールスペーサは必ずしも必要とされないので、このステップは任意であり得る。ステップ50において、ソース/ドレイン構造の注入が標準的な方法を用いて行なわれ、ポリシリコンゲート(およびサイドウォールスペーサ)が注入物マスクとして役立つ。一般的なソース/ドレイン注入パラメータは50−100KeVのエネルギと1E15から5E15の用量の範囲とである。標準的な高速熱アニールステップがこのプロセスの間に実施されてもよい。これらは一般に30から60秒間に980−1050℃の範囲である。
先行技術の図6aを参照すると、たとえばボロンの注入物52を備えたLDD領域が接合部54、59を介在させて表面51を有するシリコン基板53内に示される。端縁55′を有するポリシリコンゲート55はゲート酸化物56の上であり、注入物52のためのマスクとして役立つ。注入されたイオンはポリシリコン55によって覆われていない領域57を介して基板へと浸透する。注入時の側部への散乱によって、LDD注入物がゲート55の下を横方向の距離58だけ横方向の接合部59まで横方向に延びる。縦方向にずらされた深さ64′の接合部54と横方向の接合部59がともにLDD注入物の「前端」を構成する。チャネル60が注入物52間に配置される。この発明を利用しなければ、アニールが注入物52の拡散を引き起こし、矢印61の方向へのドーパント原子の移動を生じ、接合部54を深くさせ、チャネル60を短くさせる。
図6bを参照すると、この発明に従って、電気的に不活性な種、たとえばアルゴンの付加的な減速注入物62が、不活性注入物62と基板53との間の境界部を形成する後端部63で、LDD注入物接合部54の深さ64′よりも十分下の縦方向の深さ64に位置決めされる。ポリシリコンゲート55は減速注入物62のためのマスクとして役立ち、注入されたイオンはポリシリコン55によって覆われていない領域65を介して基板へと浸透する。側部への散乱によって、注入物62の横方向の後端部67がLDD活性種注入物の端縁59の横方向の距離58よりも大きい横方向の距離68だけゲート55の下に延び、それによって端縁部67は第2の境界部を形成する。この場合、横方向のドーパントおよび損傷プロファイルは上述のような基板へと縦方向に延びるものと等価である。しかしながら、ゲートのさらに下の減速注入物の存在がチャネル領域60へのLDD活性種注入物の横方向の拡散を防ぎ、それによって所与のゲート寸法に対して短チャネル効果を減少させ、また基板への活性種の縦方向の拡散を防ぐ。
LDD領域52、サイドウォールスペーサ72、およびソース/ドレイン構造を示す図7を参照すると、LDD注入物52はゲート55の下を距離58′だけ接合部59まで延びる。ソース/ドレイン注入物70はポリシリコンゲート55およびサイドウォールスペーサ72によってマスキングされ、横方向に延びて接合部74を形成する。ソース/ドレインの縦方向にずらされた接合部76はLDD接合部54よりも深いが、ソース/ドレインの横方向の接合部74はLDDの横方向の接合部59ほどゲート55の下を遠くは延びない。異なった注入エネルギを有する電気的に不活性な減速注入物78、62が示される。より低いエネルギの注入物78はソース/ドレイン接合部76およびLDD接合部54よりも深く延びる。しかしながら、その横方向の端縁80はLDD注入物の接合部59とソース/ドレイン注入物の接合部74との間である。したがって、注入物78がソース/ドレイン注入物70の横方向の拡散を減速するが、これはLDD注入物52の横方向の広がりを高め、加速させるであろう。より高いエネルギの減速注入物62がソース/ドレイン接合部76およびLDD接合部54よりも深く(63)位置決めされる。さらに、その横方向の端縁67はLDD注入物の接合部59とソース/ドレイン注入物の接合部74とよりもゲート55のさらに下に延びる。注入物62はソース/ドレイン注入物の縦および横の拡散を減速させるであろう。減速注入物の最適のエネルギはLDD注入物のエネルギおよび用量、ソース/ドレインのエネルギおよび用量、サイドウォールスペーサの幅、ならびに注入後の熱サイクルの温度および持続時間に依存する。たとえば、LDDスペーサ酸化物の幅がほぼ1300オングストロームであり、N+注入物が80KeVで注入されたAs+であり、NLDD注入物が25KeVで注入されたリンであり、約45分間900℃でベークされる場合、減速注入物62は3000オングストロームで(縦ではなく、ゲートの下で横に測定される)そのRpに達するために300KeVから400KeVの範囲で選択されるエネルギで注入され、結果として生じる格子間原子のピークは2400オングストロームである。
産業上の利用性
この発明を利用すると、高温アニール後処理時のドーパント拡散が対抗する格子間原子勾配によって減速させられる。過渡的な性質ではあるが、この効果は最終的なドーパントプロファイルに大きな影響を与えると予期される。なぜなら、これは減速注入物からの損傷によって起きる過渡増速拡散の重要な期間の間に生じるためである。この発明の結果として、ソース−ドレイン接合部の拡散はより少なくなり、したがってより浅くとどまり、チャネル領域へのLDD注入物の横方向の広がりが低減される。このプロセスは減速注入物の用量が1E13から1E14の範囲であるに過ぎないのでアモルファス層を形成させず、したがって注入物損傷は後のアニールステップによって修復される。このプロセスは標準的なMOS製造プロセスのフローへと容易に組入れられる。
説明されたようなこの発明はボロンのLDDおよびソース/ドレイン注入とアルゴンの減速注入とをLDD注入に続いて利用するが、このとおりのプロセスが従うのは不可欠ではない。たとえば、減速注入がLDD注入の前にゲートをマスクとして用いて行なわれてもよく、または、ソース/ドレイン注入の前または後にサイドウォールスペーサが形成された後に行なわれてもよい。この場合、LDD注入物の横端縁よりもゲートのさらに下に減速注入物の横端縁を位置付けるためにより高い減速注入エネルギが必要とされるであろう。また、たとえば、この発明はヒ素またはリンのLDDおよびソース/ドレイン注入物拡散を減速させるのにも効果的であろう。さらに、減速注入物はどのような電気的に不活性な種を含んでもよく、好ましくは比較的原子質量の小さいものを含む。この発明の範疇は請求の範囲に照らして解釈されるべきである。
Claims (7)
- 半導体基板(53)の高温処理の間に活性ドーパントにおける位置変化を低減するためのイオン注入方法であって、前記基板は前記基板上にマスキングパターンを設けられ、前記マスキングされた基板は前記基板への第1の深さでピークドーパント濃度(30)を有するように第1の用量の活性ドーパントを注入され、
高エネルギイオンで前記マスキングされた基板(53)に衝撃を与えて、前記基板への第2の深さでピーク濃度(32)を有するように第2の用量の電気的に不活性なイオン種を注入するステップを含み、前記第2の深さは好ましくは前記第1の深さよりも500−1000オングストローム(500−1000×10-10m)大きく、前記第2の用量は300〜400KeVの範囲内の第2のエネルギで注入され、前記第2の用量は1E13/cm 2 から1E14/cm 2 までの範囲内にあり、さらに、
前記基板をアニールするステップを含むことを特徴とする、イオン注入方法。 - 結晶シリコンをドープするためにイオン注入を用いる集積回路製造プロセスであって、
第1および第2のパターン表面部を有するマスキングパターンを上に備えるように、表面(51)を有する単結晶シリコン基板(53)を設けるステップを含み、前記第1のパターン表面部は端縁(55′)を有し、前記第1および第2のパターン表面部は異なったイオン透過特性を有し、さらに、
第1の用量の活性ドーパントイオンを第1のイオンエネルギで前記基板へと前記第1の表面部(65)を介して注入して、前記基板において第1の注入ドーパント領域(52)を形成するステップを含み、前記第1の注入ドーパント領域は前記活性ドーパントのドーパント濃度ピークを有し、前記第1の領域はさらに前記第1の領域と前記基板との間に第1の接合部を形成する第1の前端(54、59)を有し、前記第1の接合部は、前記第1の表面部より下の第1の深さ(64′)で第1の接合部分(54)を有し、前記第1の表面パターン部の前記端縁から前記シリコン表面に沿って測定される第1の横方向の距離(58)で前記基板の前記表面と交差するように後方に湾曲する(curve back)第2の接合部分(59)を有し、さらに、
第2の用量の電気的に不活性なイオン種を第2のイオンエネルギで前記基板へと前記第1の表面部を介して注入して、前記基板において結晶注入領域(62)を形成するステップを含み、前記結晶注入領域は電気的に不活性な種の濃度ピークをそこに有し、前記結晶注入領域はまた後端(63、67)を有し、前記後端は前記結晶注入領域と前記基板との間に境界を形成し、前記境界は、前記第1の表面部より下の第2の深さ(64)で第1の境界部(63)を有し、前記第1の表面パターン部の前記端縁から前記シリコン表面に沿って測定される第2の横方向の距離(68)で前記基板の前記表面に交差するように後方に湾曲する第2の境界部(67)を有し、前記第2の深さは前記第1の深さよりも大きく、前記第2の横方向の距離は前記第1の横方向の距離よりも大きく、前記第2のイオンエネルギは300〜400KeVの範囲内にあり、前記第2の用量は1E13/cm 2 から1E14/cm 2 までの範囲内にあり、さらに、
前記活性ドーパントを活性化させ、結晶損傷をアニールするのに十分に高い温度で前記結晶シリコンを加熱するステップを含み、それによって、前記結晶基板への前記活性ドーパントの縦および横の移動が前記非活性イオン種の注入により減速される、集積回路製造プロセス。 - 前記シリコン基板を設けるステップはその上にゲート酸化物を設けるステップを含み、前記第2のパターン表面部は前記ゲート酸化物の上方に導電ゲートを含む、請求項2に記載のプロセス。
- 前記第1のイオンエネルギは25KeVから100KeVの範囲である、請求項2または請求項3に記載のプロセス。
- 後の高温処理の間に注入されたドーパントの拡散を減速させるための集積回路MOS製造プロセスであって、前記プロセスは、第1および第2のパターン表面部を有するマスキングパターンを上に備えるように、表面(51)を有する単結晶シリコン基板(53)を設けるステップを含み、前記第1のパターン表面部は端縁(55′)を有し、前記第1および第2のパターン表面部は異なったイオン透過特性を有し、さらに、
第1の用量の活性ドーパントイオンを第1のイオンエネルギで前記基板へと前記第1の表面部(65)を介して注入して、前記基板において第1の注入ドーパント領域(52)を形成するステップを含み、前記第1の注入ドーパント領域は前記活性ドーパントのドーパント濃度ピークを有し、前記第1の領域はさらに前記第1の領域と前記基板との間に第1の接合部を形成する第1の前端(54、59)を有し、前記第1の接合部は、前記第1の表面部より下の第1の深さ(64′)で第1の接合部分(54)を有し、前記第1の表面パターン部の前記端縁から前記シリコン表面に沿って測定される第1の横方向の距離(58)で前記基板の前記表面と交差するように後方に湾曲する(curve back)第2の接合部分(59)を有し、さらに、
第2の用量の電気的に不活性なイオン種を第2のイオンエネルギで前記基板へと前記第1の表面部を介して注入して、前記基板において結晶注入領域(62)を形成するステップを含み、前記結晶注入領域は電気的に不活性な種の濃度ピークをそこに有し、前記結晶注入領域はまた後端(63、67)を有し、前記後端は前記結晶注入領域と前記基板との間に境界を形成し、前記境界は、前記第1の表面部より下の第2の深さ(64)で第1の境界部(63)を有し、前記第1の表面パターン部の前記端縁から前記シリコン表面に沿って測定される第2の横方向の距離(68)で前記基板の前記表面に交差するように後方に湾曲する第2の境界部(67)を有し、前記第2の深さは前記第1の深さよりも大きく、前記第2の横方向の距離は前記第1の横方向の距離よりも大きく、前記第2の用量は基板におけるアモルファス層の形成を避けるのに十分なほど少なく、さらに、
前記活性ドーパントを活性化させ、結晶損傷をアニールするのに十分に高い温度で前記結晶シリコンを加熱するステップを含み、それによって、前記結晶基板への前記活性ドーパントの縦および横の移動が前記非活性イオン種の注入により減速され、さらに
ゲート酸化物(56)を上に備えるように、表面(51)を有する単結晶シリコン基板(53)を設けるステップを含み、前記表面は端縁(55′)を備えたゲート電極(55)を上に有し、前記表面は前記ゲート電極によって覆われない第1の表面部(65)を有し、さらに、
第1の用量のドーパントイオンを第1のイオンエネルギで前記基板へと前記第1の表面部を介して注入して、前記基板において第1の注入ドーパント領域(52)を形成するステップを含み、前記第1の注入ドーパント領域は第1のドーパント濃度ピークをそこに有し、前記第1の注入ドーパント領域と前記基板との間に第1の接合部を形成する第1の前端(54、59)を有し、前記第1の接合部は、前記第1の表面部より下の第1の深さ(64′)で第1の接合部分(54)を有し、前記第1の表面部の前記端縁から前記シリコン表面に沿って測定される第1の横方向の距離(58)で前記基板の前記表面と交差するように後方に湾曲する第2の接合部分(59)を有し、さらに、
前記ゲート端縁と当接する絶縁サイドウォールスペーサ(72)を形成するステップを含み、前記スペーサは幅(74′)を有し、前記表面の第2の部分を付加的に覆い、前記表面は前記ゲートまたは前記サイドウォールスペーサによって覆われない第3の部分を有し、さらに、
第3の用量のドーパントイオンを第3のイオンエネルギで前記基板へと前記第3の表面部を介して注入して、前記基板において第2の注入ドーパント領域(70)を形成するステップを含み、前記第2の注入ドーパント領域は第2のドーパント濃度ピークをそこに有し、前記第2の注入ドーパント領域と前記基板との間に第2の接合部を形成する第2の前端(74、76)を有し、前記第2の接合部は、前記表面より下の第3の深さ(76′)で第1の接合部分(76)を有し、前記基板の前記表面に沿って測定される第2の横方向の距離(74′)だけ前記サイドウォールスペーサの下に延びた後に前記シリコン基板の前記表面に向かって後方に湾曲し、それと交差する第2の接合部分(74)を有し、前記第2の横方向の距離は前記サイドウォールスペーサの幅と前記第1の横方向の距離との和よりも小さく、さらに、
前記サイドウォールスペーサを形成する前記ステップに続き、第3の用量のドーパントイオンを注入する前記ステップの前または後に、第2の用量の電気的に不活性なイオンを第2のイオンエネルギで前記基板へと前記第3の表面部を介して注入して、前記基板において結晶注入領域(62)を形成するステップを含み、前記結晶注入領域は電気的に不活性な種の濃度ピークをそこに有し、後端(67、63)を有し、前記後端は前記注入領域と前記基板との間に境界を形成し、前記境界は、前記シリコン基板の前記表面より下の前記第2の深さ(64)で第1の境界部を有し、前記ゲート端縁から前記基板の前記表面に沿って測定される第3の横方向の距離(68)で前記ゲートの下の前記基板の前記表面に向かって後方に湾曲し、かつそれと交差する第2の境界部(67)とを有し、前記第2の深さ(64)は前記第1の深さ(64´)および前記第3の深さ(76´)の両方よりも大きく、前記第3の横方向の距離は前記第1の横方向の距離よりも大きく、前記第2のイオンエネルギは300〜400KeVまでの範囲内にあり、前記第2の用量は1E13/cm 2 から1E14/cm 2 までの範囲内にある、集積回路MOS製造プロセス。 - 前記電気的に不活性な種の前記濃度ピークは前記第1の領域の前記ドーパント濃度ピークから500オングストロームから1000オングストローム(500−1000×10-10m)の範囲の距離であり、
前記ドーパントイオン種はボロン、ヒ素およびリンからなるグループから選択され、
前記電気的に不活性なイオンはアルゴンを含む、請求項2から5のいずれか1つに記載のプロセス。 - 前記第1のイオンエネルギは10KeVから50KeVの範囲であり、前記第1のイオン用量は1E13から5E13の範囲であり、前記第3のイオンエネルギは50KeVから100KeVの範囲であり、前記第3のイオン用量は1E15から5E15の範囲であり、前記サイドウォールスペーサの幅は1000オングストロームから1500オングストローム(500−1000×10-10m)の範囲である、請求項5、または請求項5に従属する場合の請求項6に記載のプロセス。
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