JP4155366B2 - 光学センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検知エリア内の輻射波を受光することにより、被検出体の存在の有無を検出する光学温度センサ等、光を受光し、その受光量による信号処理を行う光学センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図7(A) に示すように、梱包ライン53における梱包物51に付着したホットメルト54の付着の良否を判定するといった用途においては、所定の検知エリア52が設定された検出素子50によって、被検出体95a,95bであるホットメルト54の熱放射を受光し、付着の良否を判定する技術がある。この検出素子50は、図8に示すように、熱放射を受光する受光部50aおよびこの受光部50aにより受光された受光エネルギに基づいて被検出体95a,95bの有無を検出する検出部50bによって構成されている。従来のこうした装置構成においては、検出素子50から放射される光束は平面ミラーなどの単一ミラーによって検知エリア52に導かれる構成となっている。この構成では、図9に示すように検出素子50が放射角度に関係なく感度が均一ならば、光束51は放射状となる。しかし、検知エリア52においては、検出素子50との距離が大きくなるにしたがい光束51は疎となり、距離が近くなるにしたがい光束51は密になる(dn <dw )。
この検出素子50の感度分布は図8に示すように、感度は中央部が密、外側になるに従って疎となる感度分布99となっており、均一とはなっていない。
【0003】
また、図7(B)に示すような複数の被検出体がある場合、複数の小さな温度センサ81‥81を並べる構成を用いたり、あるいはCCDセンサ等が用いられる。また、他の手段として、図7(C)に示すように、1つのセンサ82を用い、ライン幅をカバーするように検知エリア83を広げる方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように上記の従来技術においては、均一な感度分布とはなっていないため、例えばホットメルト付着良否判定検出装置では、ビードが通る位置にばらつきが生じるとビードの存在の有無は認識できるものの、その信号量はセンサの感度分布に左右され正確な検出ができない。また、図7(B)の構成やCCDを用いた構成では高価でコスト高となる上、判定処理も複雑となる問題がある。さらに、図7(c)の構成を用いた場合、視野内の感度分布は図8に示すような感度分布であるため、同じ温度であって、「良」と判定されるべき場合であっても、被検出体の通過位置によって「不良」と判定されてしまう問題があった。
【0005】
本発明はこうした問題を解決するためになされたもので、検知エリアよりも小さな被検出体の発する光信号を感度分布に左右されずに、視野内のどこを通過しても一定の信号を得ることができ、感度が均一化された光学センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光学センサは、その基本ブロック図である図1を参照しながら説明すると、検知エリア内の輻射波を受光する受光部2と、この受光部2により受光された受光エネルギに基づいて、検知エリア4内における被検出体の有無を判別する検出部3と、上記受光部2の前段に検知エリア4内の感度を均一とするための光学的補正手段1とが設けられた光学センサにおいて、上記光学的補正手段1は、表面の形状が当該ミラー面の内側に向かって曲率半径が小さくなる球面の集合体からなるミラーであり、このミラーは、当該ミラーを反射する輻射波の反射角度を横軸に、その反射角度における感度を縦軸にとることにより得られる感度分布図として示される検知エリア領域が上記横軸に沿って所定の分割数で等間隔に分割された各検知エリア領域の面積の当該検知エリア領域全体の面積に対する比である各エネルギ比率を、上記各エネルギ比率の総和に対する上記分割数の比である当該エネルギ比率の平均値となるように、上記受光エネルギを順次隣接する検知エリア領域に分散させるよう、反射光の反射角度が設定された反射面とされていることによって特徴付けられる。
【0009】
【作用】
被検出体5a,5bが図中における矢符Xの向きに移動し、検知エリア4を通過する時、検出が行われる。光学的補正手段1により、この検知エリア4の感度が均一とされるので、被検出体5a,5bからの光の受光量が等しければ、受光部2で受光される受光エネルギは等しく、各々の受光エネルギに基づく電流値が検出部3に入力されるので、被検出体5a,5bは検知エリア内の通過領域が異なっても等しい感度で検出される。
【0010】
光学的補正手段1として、本願の実施の形態に対応する図2に示すような複合ミラー30を用いた場合、この実施の形態を説明するための図4を参照しながら、本発明の作用を具体的に説明する。なお、ここではセンサを発光源とみなした場合、検知エリアの照度が均一となることと等価であるのでセンサを発光源とみなして説明する。
【0011】
単一ミラーによって放射される光束はミラー面の内側に向かうにしたがって密になり、感度分布はその中央部が非常に高い形状となっている。そこで、ミラー面がそのミラー面の外側に向かうにしたがって曲率半径が大きくなる球面形状をもつ構成とすれば、単一ミラー面で反射される例えば点m2 から点m21に向かう光はミラー部分M3 (ミラー部分M3 の曲率半径<ミラー部分M4 の曲率半径)によって点n2 から点s16に向かう光となり、エリア領域Aにおける反射光はエリア領域Aw に広がり、反射光をよりミラー面の外側に分散させることができる。同様に点m3 から点m31に向かう光はミラー部分M4 によって点n3 から点s20に向かう光となり、エリア領域Bにおける反射光はエリア領域Bw に広がり、さらに反射光を順にミラー面の外側に分散させていくことができる。このようにして光エネルギを中央部分から外側部分に分散させることができ、感度は均一化される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0014】
図7(A)は本願の実施の形態に適用されるホットメルト付着良否判定装置の要部構成図である。
【0015】
このホットメルト付着検出装置は、搬送ベルト53によって搬送されるワーク51‥51に付着されたビード54についてその付着の良否を判定する赤外線温度センサ50を備えた構成となっている。この赤外線温度センサ50には、図示していないが、光学的補正手段、すなわち、投光素子から出射される所定の放射角度をもった光束を、設定すべき検知エリア52の中央部分から外側部分に分散させるための光学系として、図2に示す複合ミラー30が設けられており、さらに検知エリア52内の輻射波を受光する受光素子と、この受光素子により受光された受光エネルギに基づいて、そのビード54の有無を判別する検出部が備えられている。この複合ミラー30の構成により、この赤外線温度センサ50の感度は均一化された構成となっている。以下に、この複合ミラー30について説明する。
【0016】
図2(A)は本実施の形態の複合ミラーの斜視図、図2(B)は図2(A)におけるA−A断面図、図2(C)は図2(A)におけるB−B断面図である。
【0017】
この複合ミラー30は、表面がアルミニウム蒸着によって被覆され、反射面31における形状がその反射面31の内側に向かって曲率半径が小さくなる球面31a,31bの集合体からなる。この曲率半径は複合ミラー30の感度設定によって適宜決定される。この反射面31の形状を決定する方法を図3および図4を参照しながら、以下に説明する。
【0018】
図3は単一ミラーを用いた場合の光学センサ20の感度分布を示す図である。横軸は角度、縦軸は感度を示す。ここで横軸を等間隔のエリア領域に分ける。本実施の形態では10等分に分けて、それぞれの面積の比率を求めると表1のようになる。
【0019】
【表1】
【0020】
検知エリアA‥Eのエネルギ比率の平均を求めると10%となり、各エリア領域のエネルギ比率を10%とすることでエネルギを均一化できる。本実施の形態における感度を均一化する手法は、この平均値10%を超えるエネルギ比率を有する検知エリア領域において、その超えた光エネルギをその外側の検知エリア領域へ順次隣接する検知エリアへ拡げるための光学系を配設することによって光の進路を制御し、エネルギ比率の均一化を図るようにするものである。
【0021】
図4はこうした光の進路を制御するための光学系としてミラーを用い、そのミラー表面の形状を決定する方法を説明するための図である。
【0022】
点O1 は素子位置を示し、点O2 はミラーM1 がなかった場合の素子位置で、点O1 の虚像である。ミラーM1 は素子に対して45度傾いて設置されている。素子からの光の進路はそれぞれ矢印で示される。点O1 から放射された光L1 はミラーM1 上の点m1 で反射し、その反射光は検知エリア上の点m11に到達する。一方この光L1 より10°の広がった放射角度の光L2 はミラーM1 が存在する場合はミラーM1 上の点m2 で反射し、その反射光は検知エリア上の点m21に到達する。このような光束によって形成される検知エリア領域Aにおけるエネルギ比率は表1に示すように、平均より6%多い。この6%分のエネルギを隣接する検知エリア領域Bに拡散させるために、O2-m1-m11の直線から16度拡がった直線O2-s16の範囲に反射光を拡散させるようミラーM3 を設定する。このミラーM3 の反射面の形状は、直線O1-m2 と直線O2-s16との交点n2 と点m1 を通り、且つミラーM1 を点m1 における接平面とする球の球表面に該当する。以上の方法によりミラーM3 を設けることによって、検知エリア領域Bにおけるエネルギ比率は6%増加し、20%となる。ここでさらに、検知エリア領域Bの角度範囲を10°から20°に拡げることにより、同様に反射光を拡散させることができる。この場合のミラーM4 の反射面の形状は、O2 を中心としてO2-m2-m21の直線から20度拡がる直線O2-s20と直線O1-m3 との交点n3 と交点n2 を通り、且つミラーM2 (ミラーM1 に平行且つ点n2 を含む平面)を点n2 における接平面とする球の球表面に該当する。以下同様にして、検知エリア領域Cで10%を超えるエネルギを検知エリア領域Dに分散させ、さらに検知エリア領域Eへと順に隣接する検知エリアに分散させることにより、各検知エリア領域のエネルギ比率は10%となり、均一化される。
【0023】
このように設定された複合ミラー用いた光学センサ20の感度分布を図5に示す。図に示すように、感度分布は均一化されるとともに、バラツキを10%以内とすることができた。
【0024】
この例では、検知エリア領域を10等分にした例を示したが、これに限ることなく、分割数は適宜設定できる。この場合もまた、各エリア領域のエネルギ拡散量については、上記実施の形態と同様にエネルギ比率の平均値となるように反射光の角度範囲を設定すればよい。
【0025】
また、この実施の形態では、複合ミラーを光学的補正手段としてあげたが、複合ミラーに代えて、図6に示すような透過フィルタ70の構成としてもよい。この構成では、検知エリア74は、この透過フィルタ70によって感度に反比例する比率で透過率の制限が行われることとなり、ピークの感度は低くなるが、感度の均一性を実現できる。
【0026】
以上の実施の形態においては、多条のホットメルトの有無検知において、どの位置のビードが欠けても量の変化が一定であるため1つのセンサで実現できるとともに、感度の均一化が図られているためワーク変更に伴いビードの吐出位置変更があってもエリアを再調整する必要がないという効果がある。
【0027】
なお、本実施の形態では温度を検知する装置に適用したが、これに限ることなく、光を受光して受光量による信号処理を行うセンサならば汎用的に応用が可能である。例えば、色センサを利用して特定の色の濃度によって良否判定をする装置にも適用できる。さらに、汎用的に用いられている光電センサでも被検出体が小さな部品の場合、感度分布により通過する位置によって良否判定にミスが生じていたが、この解消方法としても本願は有効である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光学センサによれば、検知エリア内の輻射波を受光する受光部と、この受光部により受光された受光エネルギに基づいて、検知エリア内における被検出体の有無を判別する検出部を備えた光学センサにおいて、この検知エリア内の感度を均一とするための光学的補正手段を受光部の前段に設けた構成としたので、検知エリアよりも小さな被検出体の発する光信号を感度分布に左右されずに、視野内のどこを通過しても一定の信号を得ることができ、感度が均一化された光学センサが得られる。この結果、通過位置が不安定な被検出体であっても精度よく検出することが可能となる。また、光学的補正手段は、その表面の形状が当該ミラー面の内側に向かって曲率半径が小さくなる球面の集合体からなるミラーや、あるいは感度に反比例する比率の透過率の透過フィルタとしたので、装置構成は簡略化され、しかも、複数のセンサを用いなくてもよく、複数の被検出体や、あるいはラインの幅の中で通過する位置が一定でない被検出体の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本ブロック図
【図2】 本発明の実施の形態に適用されるミラーを示す図
【図3】 図2に示すミラーのミラー面の形状を決定する方法を説明するための図
【図4】 図2に示すミラーのミラー面の形状を決定する方法を説明するための図
【図5】 本発明の実施の形態の光学温度センサの感度分布を示す図
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す図
【図7】 ホットメルト付着良否判定装置の使用状態を説明するための図
【図8】 従来技術を説明するための図
【図9】 従来技術を説明するための図
【符号の説明】
1‥‥光学的補正手段
2‥‥受光部
3‥‥検出部
4‥‥検知エリア
5a,5b‥‥被検出体
30‥‥複合ミラー
70‥‥透過フィルタ
Claims (1)
- 検知エリア内の輻射波を受光する受光部と、この受光部により受光された受光エネルギに基づいて、検知エリア内における被検出体の有無を判別する検出部と、上記受光部の前段に上記検知エリア内の感度を均一とするための光学的補正手段とが設けられた光学センサにおいて、上記光学的補正手段は、表面の形状が当該ミラー面の内側に向かって曲率半径が小さくなる球面の集合体からなるミラーであり、このミラーは、当該ミラーを反射する輻射波の反射角度を横軸に、その反射角度における感度を縦軸にとることにより得られる感度分布図として示される検知エリア領域が上記横軸に沿って所定の分割数で等間隔に分割された各検知エリア領域の面積の当該検知エリア領域全体の面積に対する比である各エネルギ比率を、上記各エネルギ比率の総和に対する上記分割数の比である当該エネルギ比率の平均値となるように、上記受光エネルギを順次隣接する検知エリア領域に分散させるよう、反射光の反射角度が設定された反射面とされていることを特徴とする光学センサ。
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