JP4492903B2 - 踏み板楔止用部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段を造作する際に両側桁間に踏み板を固定するのに使用される踏み板楔止用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、階段を造作するに当たり、側桁に対する踏み板の固定は、図6に示されるように、階段両側面に配置される側桁50の踏み板取付け位置に側面視で略台形状の大入れ溝51を形成しておき、踏み板52の仕口を前記大入れ溝51に差し込んだならば、踏み板52の裏面側において、踏み板52と側桁大入れ溝51との隙間に楔53を狭入するとともに、この楔53に釘54を打ち込んで、前記踏み板52を固定するようにしていた。
【0003】
しかしながら、前記楔53を釘着する作業が踏み板裏面のごく近傍位置となるため、金槌による叩打作業が非常にし難いとともに、苦渋姿勢を強いられるなどの問題があった。そこで、図7に示されるように、アングル部材の一辺のみについて、その肉厚を長手方向に傾斜を付したクサビ片とした踏み板楔止用部材55や、図8に示されるように、厚さに勾配を有する長方形板を設け、2枚の前記長方形板を屏風曲がりに形成した踏み板楔止用部材56などが提案されている。
【0004】
かかる踏み板楔止用部材によれば、前記大入れ溝51の外側面に当接する部材側を釘着することが可能となり釘着作業が格段にし易くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記踏み板楔止用部材の背面を金槌等で叩打して大入れ溝の隙間に狭入させる際に、叩打の力の方向によっては、踏み板楔止用部材が前記大入れ溝の隙間から逃げる方向に狭入され、クサビ面の掛かりが浅くなってしまうなどの問題があった。また、踏み板楔止用部材の後端部側では大入れ溝の隙間にきっちりと嵌合しているが、先端部側が大入れ溝から逸れてクサビ面の掛かりが浅くなっている場合もあった。
【0006】
そこで本発明の主たる課題は、踏み板楔止用部材の後端面を正規の狭入方向からずれた方向に叩打しても、自然に踏み板楔止用部材が大入れ溝の底部側に導かれながら狭入されるようにした踏み板楔止用部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は、部材長手方向に沿って断面L字状の切欠き部が形成されるとともに、前記L字状切欠き部の一方側面および他方側面の裏面側にそれぞれ厚みを漸次変化させたクサビ部が形成された踏み板楔止用部材であって、
前記L字状切欠き部の一方側面の幅寸法および他方側面の幅寸法をそれぞれ、前記クサビ部の厚みが増大する方向側に沿って漸次減少させることによって、前記クサビ部の外側稜線が厚み方向および幅方向に傾斜する傾斜稜線になっているとともに、この傾斜稜線部位に該傾斜稜線に沿って前記クサビ部の狭入壁面に刻入する凸条を形成したことを特徴とするものである。この場合、前記対のクサビ部のそれぞれにおいて、部材長手方向に適宜の間隔位置に釘孔を形成してあることが望ましい。
【0008】
本発明に係る踏み板楔止用部材は、側桁の両側にそれぞれ共通的に使用可能となるように、部材長手方向に沿って断面L字状の切欠き部が形成されるとともに、前記L字状切欠き部の一方側面および他方側面の裏面側にそれぞれ厚みを漸次変化させたクサビ部が夫々形成されている。換言すれば、2つのクサビ部が断面的に直交配置するように連設され、部材長手方向に沿って断面L字状の切欠き部が形成された構造となっている。
【0009】
また、前記L字状切欠き部の一方側面の幅寸法および他方側面の幅寸法をそれぞれ、前記クサビ部の厚みが増大する方向側に沿って漸次減少させるとともに、傾斜稜線部位に該傾斜稜線に沿って前記クサビ部の狭入壁面に刻入する凸条を形成するようにしている。その結果、図5に示されるように、本踏み板楔止用部材を大入れ溝3に挿入した状態を平面から視ると、大入れ溝3に挿入されるクサビ部11の外側稜線13が大入れ溝の奥側に行くに従って溝底面側に傾斜させた傾斜線となっているとともに、この稜線部分に部材長手方向に沿う刻入用凸条15が形成されている。
【0010】
したがって、踏み板楔止用部材の後端面を金槌等により多少、正規の狭入方向からずれた方向に叩打しても、前記刻入用凸条15が大入れ溝の上面壁に刻入すると、刻入用凸条15の形成方向、すなわち大入れ溝の底面側方向に傾斜を持った方向に導かれながら侵入するようになるため、踏み板楔止用部材がきっちりと大入れ溝3の隙間に打ち込まれるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本踏み板楔止用部材1の使用状態を示す要部斜視図であり、図2は踏み板楔止用部材1の斜視図である。
【0012】
図1に示されるように、階段両側面に配置される側桁2の踏み板取付け位置に側面視で手前側が幅広とされる略台形状の大入れ溝3を形成しておき、踏み板4の仕口を前記大入れ溝3の上部側に差し込んだならば、踏み板4の裏面側において、前記踏み板楔止用部材1を、踏み板4と前記大入れ溝3との隙間に狭入するとともに、該踏み板楔止用部材1を貫通させて側桁2に向けて釘を打ち込み固定することにより前記踏み板4を固定する。
【0013】
以下、前記踏み板楔止用部材1について図2〜図5に基づいて詳述すると、
踏み板楔止用部材1は、部材長手方向に沿って断面L字状の切欠き部10が形成された樹脂等からなる部材であって、前記L字状切欠き部10の一方側面10aおよび他方側面10bの裏面側にはそれぞれ、部材長手方向に厚みを漸次変化させたクサビ部11、12が形成されている。クサビ部11、12を直交配置で対で形成するのは、該踏み板楔止用部材1を左右両側の側桁2、2に対して共通的に使用可能とするためである。したがって、仮に左右の側桁2、2毎の部材とするには、片側のクサビ部11(12)に代えて平板を設ければよい。
【0014】
本発明踏み板楔止用部材1では特に、前記L字状切欠き部10の一方側面10aの幅寸法および他方側面10bの幅寸法はそれぞれ、前記クサビ部11、12の厚みが増大する方向側に沿って漸次減少させることによって、厚み方向および幅方向に傾斜する傾斜稜線13、14を形成するようにしている。すなわち、図3に示されるように、先端側のL字状切欠き部10の幅寸法をB、後端側のL字状切欠き部10の幅寸法をBとすると、クサビ部11、12の厚みが増大する後端側の方向に沿って幅寸法が漸次減少し、B>Bの関係が成立している。その結果、前記L字状切欠き部10のそれぞれの面形状は、後端側が相対的に幅狭で、先端側が相対的に幅広の台形状となるとともに、クサビ部11、12の外側稜線13、14が厚み方向および幅方向に共に傾斜する傾斜稜線となっている。寸法Sは傾斜量を示し、この寸法は概ね2〜10mm、好ましくは2〜5mm程度とされる。
【0015】
そして、この傾斜稜線13、14部位に該傾斜稜線に沿って前記クサビ部が狭入される溝壁面(踏み板下面)に刻入される凸条15、16が形成されている。図示例では、断面三角形状の小さな凸条15、16が形成されている。また、前記対のクサビ部11、12のそれぞれにおいて、部材長手方向に適宜の間隔位置に釘孔17、17…が形成されている。
【0016】
なお、上記例に係る踏み板楔止用部材1では、素材樹脂の使用量低減によるコスト削減のために肉抜きを行っているが、もちろん無垢形状としてもよい。
【0017】
踏み板4の固定に当たって、図5に示されるように、大入れ溝3内の踏み板4の下面と大入れ溝3の下面壁3bとの隙間に前記踏み板楔止用部材1を差し入れ、踏み板楔止用部材1の後端面を金槌等により叩打して狭入させると、クサビ部11の上面外側稜線部に位置する凸条15は、大入れ溝3の方向から底面3a側の方向に傾斜を持った方向となり、前記凸条15が踏み板4の下面に接触する段階から、この凸条15の方向に導かれながら踏み板楔止用部材1が狭入されるようになる。従って、金槌等による叩打の方向が多少正規の方向からずれていたとしても、踏み板楔止用部材1はきっちりと大入れ溝3の隙間に打ち込まれるようになる。また、踏み板固定後の状態においても、前記凸条15が踏み板下面に刻入していることにより、容易に外れることもなくなる。
【0018】
前記踏み板楔止用部材1の狭入作業を終え、踏み板4の固定を完了したならば、大入れ溝3の下縁がわ外部に垂下している、もう一方のクサビ部12に形成された釘孔17、17…に対して釘を打ち込んで堅固に固定するようにする。
【0019】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、踏み板楔止用部材の後端面を正規の狭入方向からずれた方向に叩打しても、自然に踏み板楔止用部材が大入れ溝の底部側に導かれながら狭入されるようになるため、前記踏み板楔止用部材はきっちりと大入れ溝の隙間に打ち込まれるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本踏み板楔止用部材1の使用状態を示す要部斜視図である。
【図2】踏み板楔止用部材1の斜視図である。
【図3】踏み板楔止用部材1を示す、(A)は側面図、(B)は(A)のB-B線矢視図、(C)は(A)のC-C線矢視図である。
【図4】踏み板楔止用部材1を示す、(A)は底面図、(B)は(A)のB-B線矢視図である。
【図5】踏み板楔止用部材1による楔止要領説明図である。
【図6】従来の踏み板楔止要領図である。
【図7】従来の踏み板楔止用部材を示す斜視図(その1)である。
【図8】従来の踏み板楔止用部材を示す斜視図(その2)である。
【符号の説明】
1…踏み板楔止用部材、2…側桁、3…大入れ溝、4…踏み板、10…断面L字状切欠き部、11・12…クサビ部、13・14…傾斜稜線、15・16…凸条、17…釘孔

Claims (2)

  1. 部材長手方向に沿って断面L字状の切欠き部が形成されるとともに、前記L字状切欠き部の一方側面および他方側面の裏面側にそれぞれ厚みを漸次変化させたクサビ部が形成された踏み板楔止用部材であって、
    前記L字状切欠き部の一方側面の幅寸法および他方側面の幅寸法をそれぞれ、前記クサビ部の厚みが増大する方向側に沿って漸次減少させることによって、前記クサビ部の外側稜線が厚み方向および幅方向に傾斜する傾斜稜線になっているとともに、この傾斜稜線部位に該傾斜稜線に沿って前記クサビ部の狭入壁面に刻入する凸条を形成したことを特徴とする踏み板楔止用部材。
  2. 前記対のクサビ部のそれぞれにおいて、部材長手方向に適宜の間隔位置に釘孔を形成してある請求項1記載の踏み板楔止用部材。
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