JP4514367B2 - 半導体レーザモジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザモジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザモジュールは、図5に示すように、半導体レーザ素子21aが設けられたLDキャリア21、レンズホルダ22を固定した固定部材23、フォトダイオード24aが設けられたPDキャリア24及び光アイソレータ25を固定した固定部材26等、多くの部品がベース20上に配置されている。このような半導体レーザモジュールでは、半導体レーザ素子21aからの出力光を、レンズホルダ22に挿着したレンズ22aで集光して平行光とした後、光アイソレータ25を介して光ファイバに導き、光ファイバ内を導波して所望の用途に供している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の半導体レーザモジュールでは、レンズ22aが低融点ガラス27(図6参照)でレンズホルダ22に固定され、レンズホルダ22は固定部材23に溶接点PでYAGレーザによって溶接固定されたり、直接ベース20にYAGレーザによって溶接固定されている。
【0004】
このとき、従来の半導体レーザモジュールでは、レンズ22aが低融点ガラスでレンズホルダ22に固定される位置と、レンズホルダ22を固定部材23に溶接固定する溶接点Pとが近接している。具体的には、図5に示すように、光軸方向において一致している。このため、図6に示すように、レンズホルダ22をYAGレーザによって固定部材23に溶接するときの衝撃が、低融点ガラス27迄伝わってひびが入り、レンズ22aがレンズホルダ22から剥落してしまうことがあった。
【0005】
このため、このような不具合を生じない溶接条件にすると、レンズホルダ22と固定部材23との溶接強度が不十分となり、製造される半導体レーザモジュールの信頼性が満たされなくなるという問題があった。
また、レーザ溶接の熱がレンズ22aとレンズホルダ22との固定状態に悪影響を及ぼすことも考えられる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、レンズのレンズホルダに対する固定状態への影響を低減しつつ、レンズホルダをベース或いは固定部材に固定することができ、信頼性に優れた半導体レーザモジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の半導体レーザモジュールにおいては、半導体レーザ素子から出射される光をレンズを用いて光ファイバに光結合させる半導体レーザモジュールにおいて、前記レンズをレンズホルダに固定した固定位置に対し、該レンズホルダを固定部材にレーザ溶接する溶接位置が光軸方向で異なっている構成としたのである。
【0008】
また、前記レンズホルダが、前記固定部材に第1の溶接点で仮固定され、前記固定位置に対して前記第1の溶接点よりも離れた第2の溶接点で前記固定部材に固定されている構成とする。また、上記目的を達成するため本発明の半導体レーザモジュールの製造方法においては、半導体レーザ素子から出射される光をレンズを用いて光ファイバに光結合させる半導体レーザモジュールの製造方法において、前記レンズをレンズホルダに固定した固定位置に対し、該レンズホルダを固定部材に位置を離してレーザ溶接する構成としたのである。
【0009】
また、前記レンズホルダを前記固定部材に第1の溶接点で仮固定し、前記固定位置に対して前記第1の溶接点よりも離れた第2の溶接点で前記レンズホルダを前記固定部材に固定する構成とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の半導体レーザモジュール及びその製造方法に係る一実施形態を図1乃至図4に基づいて詳細に説明する。
半導体レーザモジュール1は、図1に示すように、パッケージ2、温度制御素子3、ベース4、LDキャリア5、PDキャリア6、レンズホルダ11及び光アイソレータ16等を備えている。
【0011】
パッケージ2は、図1に示したように、温度制御素子3、ベース4、LDキャリア5、PDキャリア6、レンズホルダ11及び光アイソレータ16等を収納する。パッケージ2は、底板2a、周壁2b及び周壁2bの上部に被着されるカバー2cを有している。また、パッケージ2は、周壁2bにフランジ2dが突設され、フランジ2d端面に第2レンズホルダ7がYAGレーザによって溶接固定されている。
【0012】
温度制御素子3は、図1に示すように、パッケージ2内の底板2aに設置され、後述する半導体レーザ素子5aの作動に伴う発熱を冷却して所定温度に制御するぺルチェ素子で、この上にベース4が設けられている。温度制御素子3は、半導体レーザ素子5a(図2参照)の近傍に配置されたサーミスタ5b(図3参照)によって測定された温度に基づき、電流値を調整することで半導体レーザ素子5aの温度を制御している。
【0013】
ベース4は、例えば図1乃至図3に示すように、光軸方向(図1の左右方向)の一方が高い第1搭載部4aと、他方が低い第2搭載部4bとを有する板状の部材である。ベース4は、第1搭載部4aにLDキャリア5とPDキャリア6が、第2搭載部4bに第1固定部材10と第2固定部材15が、それぞれ設けられている。
【0014】
ここで、第1固定部材10と第2固定部材15は、それぞれ後述するレンズホルダ11と光アイソレータ16を固定する固定部材である。
LDキャリア5は、図2に示すように、第1固定部材10側に半導体レーザ素子5aが設けられている。半導体レーザ素子5aは、所定波長のレーザ光を前端面から第1レンズ12に向けて出射すると共に、後端面からフォトダイオード6aにモニタ光を出射する。このとき、半導体レーザ素子5aは、例えば、活性層と第1レンズ12の光軸との高さ方向の差が数μm以内となるように位置決めされる。
【0015】
PDキャリア6は、LDキャリア5側の半導体レーザ素子5aと対向する斜面にフォトダイオード6aが設けられている。フォトダイオード6aは、半導体レーザ素子5aの後端面から出射されるモニタ光をモニタする。
第2レンズホルダ7は、内部に第2レンズ7aが挿着された筒体で、端部にはファイバ固定部材8が設けられている。ファイバ固定部材8には、フェルール8aがYAGレーザによって溶接固定され、フェルール8aからは光ファイバ8b延出している。
【0016】
第1固定部材10は、図2及び図3に示すように、略U字状に成形され、レンズホルダ11が2つの溶接点P1,P2で溶接固定されている。
レンズホルダ11は、ステンレス等の金属から成形され、第1レンズ12を取り付け、光を通過させるように円形の筒状体に形成されている。レンズホルダ11の半導体レーザ素子5a側には、第1レンズ12が挿着され、第1レンズ12の外周が低融点ガラスで内周に固定されている。
【0017】
一方、第1レンズ12は、半導体レーザ素子5aから出射される光を平行光とするコリメーションレンズである。
このとき、レンズホルダ11は、図2に示すように、第1レンズ12をレンズホルダ11に固定した固定位置に対し、右方向に離れた第1溶接点P1で第1固定部材10にYAGレーザによる溶接によって仮固定され、前記固定位置に対して第1溶接点P1よりも更に右方へ離れた第2溶接点P2で第1固定部材10に同様に固定されている。第1溶接点P1は、第1固定部材10とレンズホルダ11との位置決めのため、第1固定部材10の光軸方向中央位置に設定されている。
【0018】
第2固定部材15は、図2及び図3に示すように、第1固定部材10と同様に略U字状に成形され、光アイソレータ16を固定支持する。
光アイソレータ16は、図2及び図3に示すように、第1固定部材10に隣接して配置され、外観が円柱状に形成されている。
半導体レーザモジュール1は以上のように構成され、以下に説明する製造方法に従って製造される。
【0019】
先ず、第1搭載部4aに半導体レーザ素子5aを設けたLDキャリア5と、フォトダイオード6aを設けたPDキャリア6を、それぞれ半田で固定する。LDキャリア5及びPDキャリア6は、予めワイヤボンディングにより半導体レーザ素子5a及びフォトダイオード6aとそれぞれ電気的に接続されている。
次に、第2搭載部4bに第1固定部材10をPDキャリア6に隣接させて配置し、レンズホルダ11を第1固定部材10に嵌め合わせる。そして、半導体レーザ素子5aを駆動しながら、半導体レーザ素子5aから出射され、第1レンズ12を通過した光が平行光となるように、第1固定部材10及びレンズホルダ11を光軸に沿って動かし、光軸方向の位置を調節する。
【0020】
このようにして、第1レンズ12を通過した光が平行光となったら、先ず、第1固定部材10をベース4に、次に、レンズホルダ11を第1固定部材10に、それぞれYAGレーザにより溶接固定する。
このとき、レンズホルダ11は、図2に示したように、第1レンズ12をレンズホルダ11に固定した固定位置に対し、右方向に離れた第1溶接点P1で通常よりもパワーを小さくしてYAGレーザにより第1固定部材10に仮固定する。次いで、前記固定位置に対して第1溶接点P1よりも更に右方へ離れた第2溶接点P2で通常のパワーあるいはそれ以上のパワーのYAGレーザによりレンズホルダ11を第1固定部材10に固定する。
【0021】
このようにすると、レンズホルダ11は、YAGレーザによる溶接の際の衝撃が、第1レンズ12を固定している低融点ガラスに伝わり難くなる。このため、レンズホルダ11は、低融点ガラスにひびが入ることが抑えられ、第1レンズ12の剥落が抑制される。従って、このようなレンズホルダ11を用いた半導体レーザモジュール1は、第1レンズ12がレンズホルダ11から剥落することがないので、信頼性に優れたものとなる。
【0022】
次いで、第1固定部材10に隣接させて第2搭載部4bに予め搭載された第2固定部材15に、光アイソレータ16を第2固定部材15に嵌め合わせる。この状態で半導体レーザ素子5aから出射され、第1レンズ12を通過した光を光アイソレータ16に入射させながら光アイソレータ16を光軸周りに回転させる。
そして、光アイソレータ16の出射面から出射される光強度が最大となる回転位置で、光アイソレータ16を第2固定部材15にYAGレーザで溶接固定する。
【0023】
しかる後、パッケージ2の底板2aに温度制御素子3を取り付け、リード(図示せず)をパッケージ2に半田で接続する。
次に、上記のようにして半導体レーザ素子5aが設けられたLDキャリア5,フォトダイオード6aが設けられたPDキャリア6,レンズホルダ11を固定した第1固定部材10及び光アイソレータ16を固定した第2固定部材15を備えたベース4を温度制御素子3の上に半田固定する。
【0024】
この後、金ワイヤ(図示せず)でLDキャリア5及びPDキャリア6の電極とパッケージ2のリード(図示せず)とを接続する(ワイヤボンド)。
そして、周壁2bの上部にカバー2aを被着し、フランジ2d端面に第2レンズホルダ7をYAGレーザによって溶接固定する。
最後に、第2レンズホルダ7の端部にファイバ固定部材8をYAGレーザによって溶接固定し、半導体レーザモジュール1の組み立てが完了する。
【0025】
ここで、本発明の半導体レーザモジュール及びその製造方法は、第1レンズ12をレンズホルダ11に固定した固定位置に対し、レンズホルダ11を第1固定部材10にYAGレーザによって溶接する溶接位置が離れている(光軸方向で異なっている)ことを特徴とする。
尚、レンズホルダ11は、図4に示すように、第1レンズ12をレンズホルダ11に固定した固定位置に対し、右方向に離れた第1溶接点P1で第1固定部材10に仮固定し、次いで、第1溶接点P1より下方の第2溶接点P2で第1固定部材10に固定すると、部品の配置精度が良く、かつ、部品の固定強度が高くなり好ましい。
【0026】
また、上記実施形態の半導体レーザモジュール1とその製造方法は、レンズホルダ11を第1固定部材10に溶接する場合について説明した。しかし、本発明の半導体レーザモジュール及びその製造方法は、レンズホルダ11をベース4にYAGレーザによって直接溶接固定する場合にも適用可能なことは言うまでもない。
【0027】
更に、本発明においては、光アイソレータ16は必ずしも必要ではない。
また、本発明の半導体レーザモジュールは、低融点ガラスでレンズをレンズホルダに固定するものに限定されるものではなく、例えば、レンズホルダ内にレンズが圧入されている構成であってもよい。
【0028】
【発明の効果】
請求項1乃至4の発明によれば、レンズのレンズホルダに対する固定状態への影響を低減しつつ、レンズホルダをベース或いは固定部材に固定することができ、信頼性に優れた半導体レーザモジュール及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザモジュール及びその製造方法に係る一実施形態を示すもので、本発明方法によって製造された半導体レーザモジュールの断面正面図である。
【図2】図1の半導体レーザモジュールの基板を、基板上に配置される主要部品及び固定部材に対するレンズホルダの溶接点と共に示した正面図である。
【図3】図2の基板の斜視図である。
【図4】本発明の半導体レーザモジュール及びその製造方法に係る他の実施形態を示す図2に対応する正面図である。
【図5】従来の半導体レーザモジュールの基板を、基板上に配置される主要部品及び固定部材に対するレンズホルダの溶接点と共に示した正面図である。
【図6】図5の固定部材及びレンズホルダの側面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザモジュール
2 パッケージ
3 温度制御素子
4 ベース
5 LDキャリア
5a 半導体レーザ素子
6 PDキャリア
6a フォトダイオード
7 第2レンズホルダ
7a 第2レンズ
8 ファイバ固定部材
10 第1固定部材
11 レンズホルダ
12 第1レンズ
15 第2固定部材
16 光アイソレータ
P1 第1溶接点
P2 第2溶接点
Claims (2)
- 半導体レーザ素子から出射される光をレンズを用いて光ファイバに光結合させる半導体レーザモジュールにおいて、
前記レンズをレンズホルダに固定した固定位置に対し、該レンズホルダを固定部材にレーザ溶接する溶接位置が光軸方向で異なっており、
前記レンズホルダが、前記固定部材に第1の溶接点で仮固定され、前記第1の溶接点よりも、前記レンズをレンズホルダに固定した固定位置に対して更に離れた第2の溶接点で前記固定部材に固定されていることを特徴とする半導体レーザモジュール。 - 半導体レーザ素子から出射される光をレンズを用いて光ファイバに光結合させる半導体レーザモジュールの製造方法において、
前記レンズをレンズホルダに固定した固定位置に対し、該レンズホルダを固定部材に位置を離してレーザ溶接により、前記レンズホルダを前記固定部材に第1の溶接点で仮固定し、前記第1の溶接点よりも前記レンズをレンズホルダに固定した固定位置に対して更に離れた第2の溶接点で前記レンズホルダを前記固定部材に固定することを特徴とする半導体レーザモジュールの製造方法。
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