JP4656351B2 - エステル交換反応によるエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は周期律表のII族及び/又はIV族の金属を含有する1つの金属化合物とホスフィン化合物とを触媒として用いる、アルコールとカルボン酸エステルとのエステル交換反応によるエステルの製造方法である。詳しくは、本発明は不飽和カルボン酸エステルの優れた製造方法に関し、更に詳しくは、高い収率と純度のモノ又はポリ(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
古くから多くの不飽和カルボン酸エステル類が、多岐の分野の樹脂ポリマー、例えば塗料樹脂、印刷インキ、UV硬化性樹脂、成形樹脂、フィルム、接着剤等の種々の樹脂ポリマーの重要な反応性モノマーとして利用されている。
【0003】
これらの不飽和カルボン酸エステル類の一般的製法は2つに大別される。即ち、1つは不飽和カルボン酸をモノ又はポリ水酸基を有するアルコールと反応させる直接エステル化法であり、もう1つは不飽和カルボン酸エステルとモノ又はポリ水酸基を有するアルコールとのエステル交換反応法である。
【0004】
直接エステル化法の良く知られた欠点は、製品の着色、多量の副生成物、低い純度と低い収率であり、特に2つ以上のエステル基を有する不飽和カルボン酸エステル類を高い収率と純度で得ることは困難で、多くの研究者達が2つ以上のエステル基を有する不飽和カルボン酸エステル類を高い収率と純度で得ることに特別な興味を抱いてきた。
【0005】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)らは高い収率で得ることが比較的困難で、例えばエステル基を1、2又は3基有するものの混合物となるのみならず、不飽和結合の重合によりオリゴマーも生じる為に、得られるエステルの粘度が高くなり易い問題点があった。
【0006】
これらのエステルの製造方法に用いられる重合触媒としては、例えば、芳賀は特開平3−41051号公報で、金属錫、金属鉛、錫化合物及び鉛化合物から成る群から選ばれる少なくとも1つを触媒として用いる、ポリアクリレート基を有する(メタ)アクリル酸エステル類の直接エステル化法を開示している。
【0007】
また松田らは、特開昭54−70215号公報で、酸触媒の存在下でトリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸とを反応させる直接エステル化法によるトリメチロールプロパントリアクリレートの製造方法を開示しており、その中で、反応後、反応混合物をシクロヘキサンで抽出し、抽出物をアルカリ溶液と水で洗浄した後、蒸留し蒸留物を活性炭で処理することにより、純度98%のトリメチロールプロパントリアクリレートを得ることを開示している。
【0008】
一方、亀谷らは、特開昭54−41814号公報で、種々の錫化合物、例えば、アルキル錫化合物、錫酸化物、ジアルキル錫酸化物、錫アルコキサイド、錫ハロゲン化物及びジアルキル錫ジ塩化物から選ばれる少なくとも1種の錫化合物により触媒されたエステル交換による(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法を開示している。
【0009】
トラパソらは、欧州特許公報646567A2で、ジアルキル錫酸化物とジアルキル錫ジ塩化物のブレンド物の存在下で、1,2−や1,3-ポリオールとカルボン酸エステルとのエステル交換による製造法を開示しており、ジアルキル錫ジ塩化物は反応中の加熱により、その場(in situ)でジアルキル錫酸化物とジアルキル錫ジ塩化物のブレンド物に変換されると述べている。
【0010】
トラパソらは、更に、その場(in situ)でのジアルキル錫ジ塩化物のジアルキル錫酸化物とジアルキル錫ジ塩化物のブレンド物への変換はNaOMeのようなHCl受容体(HCl−acceptor)の存在により促進されると述べている。
NaOMeが用いられた場合は、生成物の純度と収率は比較的高い、しかしながら、NaOMeは不安定で、特に水が存在すると、危険性があり取扱が面倒である。
【0011】
亜鉛塩はアルコールとカルボン酸エステルとのエステル交換反応の有用な触媒として知られており、例えば、特開昭57−60331号公報には、種々の亜鉛化合物から選ばれる少なくとも1種の亜鉛化合物を触媒として用いるアクリレートの製造方法が開示されている。
【0012】
一方、ホスフィン化合物は、エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸、特に(メタ)アクリル酸とのエステル化反応の触媒として用いられた例が、特開昭60−71627号公報や特開昭60−104121号公報に開示されている。またホスフィン化合物とCCl4、CBr4又はCHI3とを組合せて触媒として用いるエステル交換反応が、特開平10−306053号公報に記載されている。
【0013】
金属とホスフィンとの触媒コンプレックスに関しては、山本らは、特開昭55−7244号公報に銅にアルコキソ基又はフェノキソ基を有する化合物、例えば、フェノキソビス(トリフェニルホスフィン)銅を触媒(例えば、C6H5OCu(PPh3)2やC2H5OCu(PPh3))として用いて、アルコールやフェノール又は置換フェノールの存在下にカルボン酸エステル又はジアルキルカルボン酸エステルのアルコキシ基やアリールオキシ基を他のアルコキシ基やアリールオキシ基に変換出来ること、例えば、エチルアルコールとメタクリル酸メチルとのエステル交換反応により、メタクリル酸エチルを製造する方法を開示している。
【0014】
ミカエル・ジェー・グリーンらは米国特許4753912号公報に、リンが3価であるオルガノホスフォラス化合物がアクリル酸と触媒前駆体を形成し、アクリル酸エステルのエステル交換反応の触媒に有用であると記載している。しかしながら、その反応収率は高いものではなかった。
【0015】
上述のように、これまでエステル交換触媒に関して、多くの種類の金属触媒が使用できることが報告されているが、周期律表のII族及び/又はIV族の金属を含有する化合物とホスフィン化合物とを組合せて使用すると、極めて優れた触媒作用が得られることは何等報告されていなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、煩雑な反応工程や取り扱いにくい触媒を使用することなく、エステル類、特に2つ以上のエステル基を有するエステル類、なかでも2つ以上の(メタ)アクリレート基を有する(メタ)アクリル酸エステル類を高い収率と純度で簡便に製造する方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述の課題を解決する為に、鋭意研究した結果、周期律表のII族及び/又はIV族の金属を含有する1つの金属化合物とホスフィン化合物とを組み合わせて触媒として用いることにより、エステル類、特に2つ以上のエステル基を有するエステル類、なかでも(メタ)アクリル酸エステル類を高い収率と純度で簡便に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、本発明は、
(1)周期律表のII族及び/又はIV族の金属を含有する1つの金属化合物とホスフィン化合物とを触媒として用いる、アルコールとカルボン酸エステルとのエステル交換反応によるエステルの製造方法と、
【0019】
(2)カルボン酸エステルが不飽和カルボン酸エステルである(1)に記載の製造方法と、
【0020】
(3)ホスフィン化合物がターシャリーホスフィンである(1)に記載の製造方法と、
【0021】
(4)周期律表のII族の金属が、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、バリウム及び水銀から成る群から選ばれる1つ以上である(1)に記載の製造方法と、
【0022】
(5)周期律表のIV族の金属が、錫、ジルコニウム及び鉛から成る群から選ばれる1つ以上である(1)に記載の製造方法と、
【0023】
(6)金属が亜鉛である(4)に記載の製造方法と、
【0024】
(7)金属が錫又はジルコニウムである(5)に記載の製造方法と、
【0025】
(8)金属化合物が亜鉛塩である(1)に記載の製造方法と、
【0026】
(9)金属化合物がジアルキル錫ジハロゲン化物である(1)に記載の製造方法と、
【0027】
(10)アルコールが2つ以上の水酸基を有し、且つ得られるエステルが2つ以上のエステル基を有する(1)〜(9)のいずれか1つに記載の製造方法と、
【0028】
(11)エステル交換反応に重合禁止剤を存在させる(1)〜(9)のいずれか1つに記載の製造方法と、
【0029】
(12)ホスフィン化合物を添加して混合攪拌し、次に金属化合物を添加する(1)〜(9)のいずれか1つに記載の製造方法と、
【0030】
(13)不飽和カルボン酸エステルが(メタ)アクリル酸エステルである(1)〜(9)のいずれか1つに記載の製造方法と、
【0031】
(14)得られるエステルが2つ以上の(メタ)アクリレート基を有する(1)〜(9)のいずれか1つに記載の製造方法と、及び、
【0032】
(15)得られるエステルがトリメチロールプロパントリアクリレートである(1)〜(9)のいずれか1つに記載の製造方法とを含むものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明に原料として用いられるアルコール類は、分子内に水酸基を含有するものであれば、特に制限されず、脂肪族アルコール、脂環族アルコール、芳香族アルコール又はポリオールが用いられる。それらのアルコール類は、アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、環状脂肪族基、フェニル基、複素環式基、2級又は3級水酸基、カルボニル基、エーテル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、ハロゲン原子、有機リン基から選ばれる1種以上の官能基で置換されていてもよい。
【0034】
それらのアルコール類は飽和であっても不飽和であっても良く、また直鎖であっても分岐鎖を有していても良く、アルキル基等の残基部分の炭素数は、好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20である。特に好ましいアルコールは、炭素数2〜20のアルカノールであり、例えば、
【0035】
水酸基を2つ以上有するアルコール類は、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロデカンジオール、トリシクロデカンジオール、ブチンジオール、ブテンジオール、ヘキセンジオール、オクテンジオール、デセンジオールが挙げられる。
【0036】
水酸基を3つ以上有するアルコール類は、ヘキサントリオール、オクタントリオール、デカントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エチルオキシルトリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、グリセリンが挙げられる。
【0037】
更に水酸基を4つ以上有するアルコール類は、ペンタエリスリトール、ヘキシトール、ソルビトール、マンニトール等である。その他、一般式(1)で示されるポリアルキレングリコール類が挙げられる。
一般式(1)
【0038】
【化1】
HO−(R1O)m−H
【0039】
(式中、R1は炭素数2〜8のアルキレン基、mは2以上の整数である。)
また一般式(2)で示される、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類が挙げられる。
一般式(2)
【0040】
【化2】
HO−(R2O)n−R3
【0041】
(式中、R2は炭素数2〜8のアルキレン基、R3は炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基、nは1以上の整数である。)
【0042】
更に、フルフリルアルコール、テトラヒドロフリルアルコール、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、キシロースや、また含窒素アルコール類としては、ヒドロキシルアミン類、及びヒドロキシアルキルピリジン、N−(ヒドロキシアルキル)ピペリジン、N−(ヒドロキシアルキル)ピペラジン等のヒドロキシアルキル含窒素複素環類等を挙げることができる。
【0043】
本発明のエステル交換反応よるエステル製造方法は、基本的には如何なるカルボン酸エステル類の製造にも用いることができ、用いられるカルボン酸エステル類は、芳香族、脂肪族、脂環式カルボン酸エステルのいずれであって良く、芳香族カルボン酸エステル類は、単環でも多環でも縮合多環のいずれでも良い。
【0044】
該カルボン酸基は直接に芳香族環に置換されているか、環に置換されている置換基の一部であって良く、またこれらの酸は直鎖でも分岐鎖を有していても良く、好ましくは2〜20個の炭素原子、より好ましくは3〜16個の炭素原子を有する。脂肪族又は脂環族のカルボン酸エステルが不飽和結合を有する場合は、それらの不飽和結合は重合点として作用する可能性があるので、反応に際し重合禁止剤を添加する等の注意が必要である。
【0045】
本発明のエステル交換反応は可逆的であることが知られており、反応を完結させる為には、反応生成物の一つを系外に除去することが好ましい。カルボン酸エステルのアルコール残基部分が低級アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であるカルボン酸エステルを選ぶと、低沸点のモノ水酸基含有アルコール(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール)がエステル交換工程で生成し、それらは反応系外に連続的に除去し易いので好ましい。
【0046】
本発明で触媒として用いられる周期律表第II族に属する金属は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、カドミニウム、バリウム、水銀及びラジウムである。これらの内でも、本発明で用いられる触媒として用いられる周期律表第II族に属する好ましい金属は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、カドミニウム、バリウム及び水銀であり、更に好ましい金属はマグネシウム及び亜鉛であり、最も好ましい金属は亜鉛である。
【0047】
本発明で触媒として用いられる周期律表第IV族に属する金属は、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、チタン、錫、ジルコニウム、鉛、ハフニウムである。これらの内でも、本発明で用いられる触媒として用いられる周期律表第IV族に属する好ましい金属は、錫、ジルコニウム及び鉛であり、より好ましくは、錫及びジルコニウムであり、最も好ましいのは錫である。
【0048】
本発明で触媒の一つとして用いられる金属化合物は、例えば金属錫、金属鉛、金属亜鉛のような金属それ自体と、金属の有機又は無機化合物のいずれでも良くその形態も粉末等いかなる形であっても良い。金属化合物としては、一つは金属の塩であり、有機塩及び無機塩がある。それらは一般的にMX2で示される。
ここでMは周期律表のII族又はIV族から選ばれる2価の金属、Xは−OCOR又はハロゲン原子であり、Rは1〜20の炭素原子を含むアルキル基である。
【0049】
好ましい金属塩は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、水銀及び鉛から選ばれる金属のカルボン酸塩であり、例えば、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酪酸、オクチル酸、マレイン酸、ホウ酸、クエン酸、カプロン酸、ステアリン酸の塩である。又はそれら金属の塩素化物、臭素化物等のハロゲン化物であり、最も好ましい金属塩は亜鉛、マグネシウム又は鉛のカルボン酸塩で、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸鉛、アセト酢酸鉛等が挙げられる。
【0050】
本発明に用いられる金属化合物は下記の一般式3〜6で示される有機金属化合物であっても良い。
【0051】
【化3】
【0052】
(式中、M1は周期律表の第IV族の金属であり、R1は炭素数1〜20のアルキル基、Yは−R2,−OCOR2,−CH(COCH3)2,水素原子、ハロゲン原子であり、R2は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
【0053】
この種の好ましい金属化合物は、ジアルキル金属酸化物、ジアルキル金属ジハロゲン化物、ジアルキル金属ジカルボキシレート、金属アセチルアセトネート等であり、より具体的には、ジアルキル錫酸化物、ジアルキル錫ジハロゲン化物、ジアルキル錫ジカルボキシレート、ジルコニウムアセチルアセトネート等が挙げられる。なかでも、ジメチル錫ジ塩化物、ジエチル錫ジ塩化物、ジブチル錫ジ塩化物、ジルコニウムアセチルアセトネート等が特に好ましい。
【0054】
本発明で用いられるホスフィン化合物は、下記の一般式(7)で示される。
一般式(7)
【0055】
【化4】
【0056】
(式中、R1,R2,R3は各々脂肪族基、脂環式基又は芳香族基を表し、脂肪族基又は脂環式基は飽和又は不飽和の炭素数2〜20の炭化水素であり、芳香族基は単環、多環又は縮合環であっても良く、置換されていてもいなくても良い。)
【0057】
具体的には、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリペンチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリフリルホスフィン、ジフェニル2−ピリジルホスフィン、
【0058】
4−ジメチルアミノフェニルジフェニルホスフィン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン、1,2−ビスジフェニルホスフィノプロパン、1,2−ビスジフェニルホスフィノフェロセン、2,2’−ビスジフェニルホスフィノ1,1−ビナフチル、トリジメトキシフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、が挙げられる。
【0059】
特に、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類やトリフェニルホスフィン類が好ましく用いられる。
【0060】
本発明の製造方法で得られるエステル類は、脂肪族、脂環式又は芳香族カルボン酸のエステルであり、不飽和結合を含んでいても良く、又、種々の置換基により置換されていても良い。しかし、不飽和結合を有する脂肪族、脂環式族のエステル類は、エステル交換反応の際に、該不飽和結合が重合しやすく、特に、(メタ)アクリレート基を含有するエステル類は、含有する(メタ)アクリレート基の数が増加するほど、目的エステルを高純度、高収率で得ることが困難になる。
【0061】
しかしながら、本発明によれば、2つ以上の(メタ)アクリレート基を含有するエステル類、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)であっても、ガスクロマトグラフィーでの純度が90%以上、93〜98%程度の高純度の製品を高収率で得ることができ、このことは本発明の利点の一つである。
【0062】
不飽和カルボン酸エステル又は不飽和アルコールを原料として用いるエステル交換反応は、重合禁止剤により反応中に起こる不飽和結合の重合を抑止することが好ましく、これらの重合禁止剤としては、公知慣用のポリマー合成の重合禁止剤を特に制限無く用いることができる。
【0063】
これらの重合禁止剤としては、ベンゾキノン、ハイドロキノン、カテコール、ジフェニルベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ナフトキノン、t−ブチルカテコール、t−ブチルフェノール、ジメチル−t−ブチルフェノール、t−ブチルクレゾール、フェノチアジン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0064】
用いるべき重合禁止剤の量は、生産物や不飽和エステルの量や不飽和アルコールの量に依存するが、反応物に対して、通常、5〜10000重量ppm、好ましくは、20〜7000重量ppmである。
【0065】
本発明のエステル交換反応に用いるカルボン酸エステルのアルコール類に対するモル比は、広い範囲で変化させられるが、その比率は通常1以上であり、好ましくは、カルボン酸エステルのアルコール類の水酸基に対するモル比は1.1:1から10:1の間である。
【0066】
触媒として用いる金属化合物の量は、好ましくはアルコール類の水酸基に対して、0.01〜5.0モル%であり、より好ましくは、0.05〜3.0モル%である。ターシャリ(tert−)ホスフィン化合物の金属化合物に対するモル比は、1:10から10:1まで変えられるが、好ましくは、1:5〜5:1の範囲である。
【0067】
本発明に用いる触媒は、金属化合物とホスフィン化合物の2つの成分を含んでおり、これらは同時に反応系に添加しても良いし、別々に反応系に添加しても良い。2つの成分を同時に添加する場合は、反応開始時に一回投与で添加しても良いし、2回以上に分割して反応系に投与しても良い。また用いる金属触媒の特性が、各々少しずつ異なるので、原料アルコールに含有される水酸基の数と目的とするエステルのエステル基数により、これらの金属触媒を適宜、選択し使用することが好ましい。
【0068】
また2つの成分を別々に添加しても良く、例えば、反応開始時にホスフィン化合物のみを反応系に添加し、暫く反応させた後(例えば2時間後)に、金属化合物を反応系に添加すると、反応速度は2つの成分を同時に反応開始時に添加するよりも早くなり、反応時間が短縮されるので、好ましい。
【0069】
本発明のエステル交換反応は、溶媒の非存在下でも、エステル交換反応の反応物に影響を与えない適切な溶媒の存在下でも行うことが出来る。通常は、以下の場合を除き、溶媒は不要である。
【0070】
(1)エステル交換反応を完結させるために、反応生成物の一つ(通常は生成するアルコール)を系外に除去する必要があるが、反応混合物に該アルコールと更に低い共沸点を形成する脂肪族又は脂環式炭化水素溶媒の如き補助溶媒を添加することによりアルコールをより効率的に除去することができる。
【0071】
エステル交換反応の反応物に影響を与えない、上記の溶媒は出発原料の約5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%を反応混合物に添加しても良い。適切な溶媒は炭素数4〜10、より好ましくは炭素数5〜7の脂肪族、脂環式の炭化水素、又はその混合物である。これらの炭化水素系溶媒は共沸により回収され、更に水でアルコールを抽出することにより再生できる。
【0072】
(2)不活性で且つ高沸点の溶媒の添加が反応温度を増加させる為に必要である場合がある。この種の溶媒は脂肪族又は脂環式炭化水素、及び数種の芳香族炭化水素であり、反応終了後に蒸留により回収できる。
【0073】
(3)カルボン酸エステルに溶解し難いポリオールを用いる場合は、ポリオールの適切な溶媒を反応混合物中に加えることにより、不均一反応を均一反応に変えて反応速度を速めることが出来る。それらの溶媒は窒素原子又は硫黄原子を含む極性の高い非プロトン性溶媒(polar aprotic solvent)であり、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルフォラン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルスルフォン等である。
【0074】
反応は大気圧で十分に行われ、反応温度は反応物、特に使用されるカルボン酸エステルや反応溶媒によって大幅に変わりうるが、一般的に反応温度が高いほど反応速度も速くなる。本発明の反応温度は、通常20〜160℃、好ましくは30〜150℃、更に好ましくは60〜130℃である。
【0075】
反応温度が160℃を越えると、重合が起こる危険性があり、好ましくない副生成物が生成され易くなる。一方、反応温度が20℃未満であると反応速度が遅く実用的でない。また生成するアルコールを除去する為に、反応が減圧下で行われ、除去するアルコールの沸点により反応温度が規定される場合は、反応温度は通常60〜120℃である。
【0076】
本発明の製造方法で得られるエステル類は、上述した種々の原料アルコールの水酸基に原料として用いたカルボン酸エステル(R1−CO−OR2)の−OR2基が転移しエステル基を形成したエステル類であり、用いる原料アルコールにより多岐に渡るエステル類が容易に得られる。
【0077】
本発明の製造方法では、水酸基を2つ以上有するアルコール類を原料として、2つ以上のエステル基を有するエステル類を高い収率、純度で製造できる。中でも従来困難であった(メタ)アクリレートを原料として、2つ以上の水酸基を有するアルコール類をエステル化する際に、高い収率、純度が得られる。
【0078】
それらの具体例を挙げれば、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エトキシ変性トリメチロールプロパントリアクリレート(EOTMPTA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、プロポキシ変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(PONPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
【0079】
ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、ジエチレングリコールジアクリレート(DEGDA)、エチレングリコールジアクリレート(EGDA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート等であり、各々がその対応するメタクリレート類をも含むものである。本発明の製造方法によれば、これらの生成物はガスクロマトグラフィー分析で純度90%以上であり、しばしば95%以上である。
【0080】
本発明の製造方法を概説すれば、原料アルコールとカルボン酸エステルとを適切な比率で、温度計、攪拌機、分留管及び乾燥空気の導入管を備えた反応器に仕込む。次に、適切な量の触媒、重合禁止剤及び必要に応じて溶媒を反応混合物中に添加する。触媒の添加方法は、用いる触媒の種類によっても異なり、反応開始時にホスフィン化合物と金属化合物とを同時に反応混合物に添加する場合と、ホスフィン化合物のみを先に反応混合物中に添加した方が、反応速度が速く、反応時間が短縮出来る場合もある。
【0081】
反応混合物を攪拌しながら、適切な温度範囲、通常20〜160℃、好ましくは30〜150℃、更に好ましくは60〜130℃で、通常は反応系の還流温度まで加熱する。反応混合物を攪拌しながら、反応を完結させる為に、反応中にエステル交換反応により生じるアルコールを多くの場合は過剰のカルボン酸エステル又は反応溶媒との共沸物として、分留管により除去する。同時に必要に応じて同量のカルボン酸エステル又は反応溶媒を反応混合物中に加えて、反応器の内容物の量を一定に保つ。
【0082】
反応中、反応混合物中の目的生成物の含量をガスクロマトグラフィー分析等により追跡し、目的生成物の含量が90%以上になるまで反応を続ける。反応時間は通常6〜40時間である。反応終了後、過剰のカルボン酸エステル又は反応溶媒を反応器内から留去後、反応器から必要に応じて少量の不活性な溶剤、例えばトルエンやヘプタンを加えて粗生成エステルを取り出すか、もしくは少量のカルボン酸エステルを残したまま反応生成物を反応容器から取り出す。
【0083】
反応生成物を濾過するか、水洗又はアルカリ溶液で洗浄して触媒金属等の不要物を除去し、最終的に粗生成エステルを簡単に蒸留し、純度95%以上の目的エステル類を90%以上の収率で得る。
【0084】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明するが、これはあくまでも本発明の代表的態様を例示するものであり、本発明はこれに限定されるものではない。また実施例中に記載する部は、特に記載が無い限り重量部を表す。また使用薬品は、特に工業製品と記載したもの以外は試薬品である。
【0085】
(ガスクロマトグラフィーによる純度分析法)
ガスクロマトグラフィーによる純度分析法は以下の通りである。
使用したガスクロマトグラフィー装置:バリアン社製3800型GC、又はヒューレットパッカード社製6890型ガスクロマトグラフィー装置。GCカラム:30mDB−1(メチルシリコンキャピラリカラム)、注入部温度:300℃、カラム温度:150〜300℃(昇温速度:15℃/分)、検出器:水素炎イオン化検出器、検出部温度:300℃、キャリアガス:N2ガス1.8ml/分。
【0086】
(実施例1)トリメチロールプロパントリアクリレートの製造例
トリメチロールプロパン20部、メチルアクリレート80部、及びP−メトキシフェノール0.4部とを、温度計、攪拌機、分留管及び乾燥空気を流すガラス管とを備えた250mlの反応フラスコに仕込んだ。次にジメチル錫ジクロライド1.0部とトリフェニルホスフィン0.8部を攪拌下に反応混合物中に添加した。
【0087】
反応混合物を攪拌しながら加熱還流し、反応系からメタノールとメチルアクリレートとの共沸混合物を分留管の上部から除去した。同時に、同量のメチルアクリレートを反応器の内容物の量を保つように反応系に添加した。反応は反応物中のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が90%を越えるまで続けた。
【0088】
反応終了後、反応物を冷却した後、10%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄して錫触媒と過剰の重合禁止剤を除去し、最終的に減圧蒸留により過剰のメチルアクリレートを除去してTMPTAを得た。収率と純度を表1に示す。
【0089】
(実施例2)ネオペンチルグリコールジアクリレートの製造例
実施例1に記載した反応器を用いて、ネオペンチルグリコール20部、メチルアクリレート80部、及びp−メトキシフェノール0.4部とにジメチル錫ジクロライド1.0部とトリフェニルホスフィン0.6部とを触媒として添加した。実施例1と同様に、反応混合物を攪拌しながら加熱還流し、反応系からメタノールとメチルアクリレートとの共沸混合物を分留管の上部から除去した。
【0090】
16時間後に反応を終了させ、過剰のメチルアクリレートを減圧下に留去した。反応物を冷却した後、10%の水酸化ナトリウム水溶液で洗浄して錫触媒と過剰の重合禁止剤を除去し、最終的に減圧蒸留により過剰のメチルアクリレートを除去した。収率と純度を表1に示す。
【0091】
(実施例3)エチレングリコールジアクリレートの製造例
実施例1と同様の反応器を用いて、エチレングリコール20部、メチルアクリレート60部、ヘプタン20部、ジメチル錫ジクロライド1.0部及びトリフェニルホスフィン0.6部、p−メトキシフェノール0.4部を実施例1と同様に90%以上が変換されるまで反応させ、実施例1と同様に後処理した。結果を表1に示す。
【0092】
(実施例4)トリメチロールプロパントリメタクリレートの製造例
実施例1と同様の反応器を用いて、触媒であるジメチル錫ジクロライド1.0部及びトリフェニルホスフィン0.8部を反応前にトリメチロールプロパン20部とメチルメタクリレート100部に加え、p−メトキシフェノール0.2部を重合禁止剤とし、他は実施例1と同様にして反応させた。結果を表1に示す。
【0093】
(実施例5)トリメチロールプロパントリアクリレートの製造例
実施例1と同様の反応器を用いて、トリメチロールプロパン20部、メチルアクリレート100部及びP−メトキシフェノール0.2部とを、触媒としてZn(OAc)2・2H2Oの0.9部とトリフェニルホスフィン1.1部とを用いて実施例1と同様に反応させた。
【0094】
反応混合物を攪拌しながら加熱還流し、反応系からメタノールとメチルアクリレートとの共沸混合物を分留管の上部から除去した。同時に、同量のメチルアクリレートを反応器の内容物の量を保つように、反応系に添加した。反応は反応物中のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が90%を越えるまで続けた。冷却した反応混合物を濾過して触媒の沈殿物を除去し、最終的に蒸留によりメチルアクリレートの無い製品を得た。結果を表1に示す。
【0095】
(実施例6)トリメチロールプロパントリアクリレートの製造例
実施例1と同様の反応器を用いて、トリメチロールプロパン20部、メチルアクリレート100部、P−メトキシフェノール0.4部、及びトリフェニルホスフィン1.1部とを実施例5と同様に反応させた。
【0096】
2時間後に0.9部のZn(OAc)2・2H2Oを添加し、反応物中のトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が90%を越えるまで反応を続けた。実施例5と同様に反応生成物を処理した。結果を表1に示す。
【0097】
(実施例7)ヘキサノールアクリレートの製造例
ヘキサノール19部、メチルアクリレート30部、P−メトキシフェノール0.2部、ジメチル錫ジクロライド0.4部、及びトリフェニルホスフィン0.24部とを実施例1に記載した反応器を用いて反応させた。反応は90%以上の変換率が得られるまで続けた。反応物を冷却後、錫触媒と過剰の重合禁止剤を除去する為に10%水酸化ナトリウムで洗浄した。過剰のメチルアクリレートは減圧下で留去した。結果を表1に示す。
【0098】
(実施例8)エチルグリコールモノフェニルエーテルアクリレートの製造例
実施例1と同様の反応器を用いて、エチルグリコールモノフェニルエーテル30部、メチルアクリレート50部、及びp−メトキシフェノール0.4部を、0.5部のZn(OAc)2・2H2Oと0.5部のトリフェニルホスフィンとを触媒として反応させた。
【0099】
反応は加熱還流下で行い、メタノールとメチルアクリレートとの共沸物を蒸留管の塔頂から除去した。同時に同量のメチルアクリレートを反応器の内容物量を保つように加えた。反応は変換率が90%以上になるまで続けた。冷却後、反応物を濾過して触媒を除去し、最終的に過剰のメチルアクリレートを減圧下で留去した。結果を表1に示す。
【0100】
(実施例9)トリメチロールプロパントリアクリレートの製造例
実施例1と同様の反応器を用いて、トリメチロールプロパン20部、ブチルアクリレート100部、p−メトキシフェノール0.4部、ジメチル錫ジクロライド1.0部及びトリフェニルホスフィン0.8部を、軽度の減圧下(330mmHg)で還流(約120℃)して反応させた。
【0101】
ブタノールとブチルアクリレートとの共沸物を蒸留管の塔頂から除去し、同時に同量のブチルアクリレートを滴下管から添加した。反応は変換率が90%以上になるまで続けた。反応物は実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
【0102】
(実施例10)トリメチロールプロパントリアクリレートの製造例
実施例1と同様の反応器に、トリメチロールプロパン20部、エチルアクリレート100部、p−メトキシフェノール0.4部、及びトリフェニルホスフィン1.0部を仕込んで加熱還流し、2時間後に、0.9部のZn(OAc)2・2H2Oを添加した。
【0103】
反応中は、エタノールとエチルアクリレートとの共沸物を蒸留管の塔頂から除去し、同時に同量のエチルアクリレートを滴下管から添加した。28時間後に、ガスクロマトグラフィーでの測定によるトリアクリレートの変換率が90%に達した。反応物を実施例5と同様に処理した。結果を表1に示す。
【0104】
(実施例11)トリメチロールプロパントリアクリレートの製造例
トリメチロールプロパン20部をメチルアクリレート100部と0.9部のMg(OAc)2・4H2Oと1.0部のトリフェニルホスフィン、及び0.4部のp−メトキシフェノールの存在下に実施例1と同様に反応させ後処理した。結果を表1に示す。
【0105】
(実施例12)トリメチロールプロパントリアクリレートの製造例
トリメチロールプロパン20部、メチルアクリレート100部、ジメチル錫ジクロライド1.0部、p−メトキシフェノール0.4部、トリブチルホスフィン1.0部を、実施例1と同様に、メタノールとメチルアクリレートとの共沸物を除去しながら反応させた。40時間後にトリアクリレートの変換率は90%に達した。結果を表1に示す。
【0106】
(比較例1)
実施例1と同様の反応器を用いて、トリメチロールプロパン20部、メチルアクリレート100部、p−メトキシフェノール0.4部、及びトリフェニルホスフィン1.0部を、実施例1と同様にメタノールとメチルアクリレートとの共沸物を除去し、反応物量が一定であるように同量のメチルアクリレートを添加しながら反応させた。反応は反応時間を延長しても、もはやトリメチロールプロパントリアクリレートの含量が増加しなくなるまで続けた。反応物を実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
【0107】
(比較例2)
実施例1と同様の反応器を用いて、トリメチロールプロパン20部、メチルアクリレート100部、p−メトキシフェノール0.4部、及び1.0部のZn(OAc)2・2H2Oを実施例1と同様にメタノールとメチルアクリレートとの共沸物を除去し、反応物量が一定であるように同量のメチルアクリレートを添加しながら反応させた。反応30時間後でも、トリアクリレートは得られなかった。
反応物を実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
【0108】
(比較例3)
実施例1と同様の反応器を用いて、トリメチロールプロパン20部、メチルアクリレート100部、p−メトキシフェノール0.4部、及び1.0部のジメチル錫ジクロライドを実施例1と同様にメタノールとメチルアクリレートとの共沸物を除去し、反応物量が一定であるように同量のメチルアクリレートを添加しながら反応させた。反応30時間後でも、トリアクリレートは得られなかった。反応物を実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。
【0109】
表中の比は比較例を、記号は次の意味を表す。TMP:トリメチロールプロパン(Hansol Chemical Co. Ltd.製、工業製品)、EGMPE:エチルグリコールモノフェニルエーテル(上海試剤社製)、NPG:ネオペンチルグリコール(上海試剤社製)、EG:エチレングリコール(済南化学試剤社製)、MA:メチルアクリレート(天津化学試剤社製)、MMA:メチルメタクリレート(北京東方化工製、工業製品)、
【0110】
TPP:トリフェニルホスフィン(上海化学試剤社製)、TBP:トリブチルホスフィン(上海化学試剤社製)、Sn/TPP:Me2SnCl2/TPP、(Me2SnCl2は東京化成工業社製)、ZnOAc:Zn(OAc)2・2H2O(金泰化学試剤社製)、Zn/TPP:Zn(OAc)2・2H2O/TPP、Mg/TPP:Mg(OAc)2・2H2O/TPP、(Mg(OAc)2・2H2Oは温州化学試剤社製)、
【0111】
【表1】
【0112】
【発明の効果】
本発明は、煩雑な反応工程や取り扱いにくい触媒を使用することなく、エステル類、特に2つ以上のエステル基を有するエステル類、なかでも2つ以上の(メタ)アクリレート基を有する(メタ)アクリル酸エステル類を高い収率と純度で簡便に製造する方法を提供することが出来る。特に亜鉛触媒を用いる場合は、錫触媒よりも安価で、人体や環境に対する安全性も高く、且つ反応終了後に、濾過のみで容易に製品から除去できる利点をも有している。
Claims (6)
- マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、バリウム、水銀、錫、ジルコニウム、及び鉛からなる群から選ばれる金属を含有する1つの金属化合物とターシャリーホスフィン化合物とを触媒として用いる、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサノール、エチルグリコールモノフェニルエーテルからなる群から選ばれるアルコールと(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応によるエステルの製造方法。
- 金属化合物がカルボン酸亜鉛、又はハロゲン化亜鉛である請求項1に記載の製造方法。
- 金属化合物がジアルキル錫ジハロゲン化物である請求項1に記載の製造方法。
- エステル交換反応に重合禁止剤を存在させる請求項1〜3のいずれか1つに記載の製造方法。
- ターシャリーホスフィン化合物を添加して混合攪拌し、次いで金属化合物を添加する請求項1〜4のいずれか1つに記載の製造方法。
- 得られるエステルがトリメチロールプロパントリアクリレートである請求項1〜5のいずれか1つに記載の製造方法。
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