JP4662487B2 - 卵加工食品 - Google Patents

卵加工食品 Download PDF

Info

Publication number
JP4662487B2
JP4662487B2 JP2006321386A JP2006321386A JP4662487B2 JP 4662487 B2 JP4662487 B2 JP 4662487B2 JP 2006321386 A JP2006321386 A JP 2006321386A JP 2006321386 A JP2006321386 A JP 2006321386A JP 4662487 B2 JP4662487 B2 JP 4662487B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
egg
boiled
hydrogen sulfide
amount
processed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006321386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008131911A (ja
Inventor
聖美 坂部
重夫 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kewpie Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP2006321386A priority Critical patent/JP4662487B2/ja
Publication of JP2008131911A publication Critical patent/JP2008131911A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4662487B2 publication Critical patent/JP4662487B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

本発明は、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダやタルタルソース等の卵加工食品に関する。
茹で卵の截断物とマヨネーズ等を和えたタマゴサラダやタルタルソース等は、茹で卵に由来する卵風味とマヨネーズ等の酸味が調和した大変人気のある料理である。これらを家庭で作る場合は、まず、殻付き生卵を茹でた後に殻を剥いて茹で卵を作り、次いで、この茹で卵を包丁等で截断してマヨネーズ等と和えている。このようにして作られたタマゴサラダやタルタルソース等は、調理されてすぐに食され、卵風味のある美味しいものである。
一方、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の惣菜等として販売するため、惣菜工場等で食品工業的に大量生産されるタマゴサラダやタルタルソース等は製造直後に食されることは殆どなく、店舗等で販売後食されるまでに少なくとも半日以上、場合によっては1週間以上、更には1ヵ月以上が経過する。そのため、食する時には卵風味が消失してしまうという問題があった。
保存後においても卵風味に優れたタマゴサラダを得る技術に関しては、例えば特開2001−333742号公報(特許文献1)に、タマゴサラダの原料として卵黄油を用い、タマゴサラダのpHを特定範囲とする技術が提案されている。しかしながら、この技術は、卵黄油等を添加するものであり、原料コストの点でやや問題があった。
特開2001−333742号公報
そこで、本発明の目的は、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダやタルタルソース等の卵加工食品を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意研究を行ったところ、従来の一般的な加熱条件よりも強い加熱条件で得た茹で卵の截断物は、硫化水素臭が強く特有の強い風味を有すること、そして、この茹で卵截断物は、卵黄部と卵白部の境界面にいわゆる硫化黒変が生じてタマゴサラダやタルタルソース等の原料として相応しくない色調であるものの、酸性水中油型乳化状調味料と混合すると意外にも硫化黒変が徐々に消失する傾向があることを見出した。
これらの結果から、本発明者等は、上述した一般的な加熱条件よりも強い加熱条件で得た茹で卵截断物をタマゴサラダやタルタルソース等の原料として用いるならば、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダやタルタルソース等の卵加工食品が得られるのではないかと推察し、更に鋭意研究を行った。そして、少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合し、前記茹で卵截断物の一方を、当該茹で卵截断物に含まれる硫化水素量が特定量以上の茹で卵截断物とするならば、意外にも、得られたタマゴサラダやタルタルソース等の卵加工食品は、保存後においても優れた卵風味を有することを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合してある卵加工食品であって、前記茹で卵截断物の一方が、20%w/v濃度の酢酸鉛水溶液0.07gを直径55mmの濾紙に染み込ませて乾燥させた酢酸鉛紙の白度Zと、該酢酸鉛紙を100mL容量の蓋付きガラス瓶の蓋内面に貼り付け、茹で卵截断物の卵白部20gを充填密封し、3分間保管した後の酢酸鉛紙の白度Zとから次式
硫化水素量=Z−Z
により算出した硫化水素量が40以上の茹で卵截断物である卵加工食品、
(2) 前記硫化水素量が40以上の茹で卵截断物を、茹で卵截断物全体に対して1〜50%配合する(1)記載の卵加工食品、
(3) 前記茹で卵截断物の他方が、硫化水素量が35以下の茹で卵截断物である(1)又は(2)記載の卵加工食品、
(4) 製品のpHが7未満である(1)乃至(3)のいずれかに記載の卵加工食品、
(5) 製品のpHが4以上である(1)乃至(4)のいずれかに記載の卵加工食品、
(6) (1)乃至(5)のいずれかに記載の卵加工食品が容器詰めされてなる容器詰め卵加工食品、
である。
本発明によれば、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダやタルタルソース等の卵加工食品を提供できる。したがって、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等において惣菜等として販売される業務用のタマゴサラダやタルタルソース等の更なる需要を拡大できる。
以下、本発明の卵加工食品を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明の卵加工食品は、茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とが混合された食品である。このような卵加工食品としては、特に制限は無く、具体的には、例えば、使用用途によりタマゴスプレッド、タマゴフィリング等とも称されるタマゴサラダ、あるいは、ピクルス等が配合されたタルタルソース等が挙げられる。また、本発明の前記卵加工食品としては、茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、ハム等の蓄肉加工品、きゅうり、玉ねぎ、人参等の野菜等の具材を配合したものであってもよい。
本発明の卵加工食品は、少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合してあり、前記茹で卵截断物の一方が、硫化水素量が40以上、好ましくは42以上の茹で卵截断物であることに特徴を有する。
ここで、前記硫化水素量とは、酢酸鉛紙が硫化水素と反応して硫化鉛を生成し、黒かっ色に変色する現象を利用して以下のように測定した値である。つまり、まず、20%w/v濃度の酢酸鉛水溶液に直径55mmの濾紙を浸漬して0.07g染み込ませた後に乾燥して、酢酸鉛紙を得る。次に、密封可能な100mL容量の蓋付きガラス瓶を用意し、この蓋の内面に前記酢酸鉛紙を貼り付けて、硫化水素測定用容器とする。この硫化水素測定用容器を3つ用意する。続いて、茹で卵截断物の卵白部を前記容器に20gずつ充填して密封し、3分間20℃の室内に放置後、蓋を開け、酢酸鉛紙の白度(XYZ表色系のZ値)を測色差計(日本電色工業(株)、Color Meter ZE2000、30mm径の投光パイプを使用、光源D65/10)を用いて測定する。同様の測定を3回行い、その平均値をZ値とする。同様の白度の測定を、酢酸鉛紙を硫化水素測定用容器に密封する前のものについても行い、その3回の平均値をZ値とする。本発明の硫化水素量は、Z値とZ値とから、次式
硫化水素量=Z−Z
により算出した値である。
前記酢酸鉛紙は、硫化水素の量が多くなるにつれて、硫化鉛が多く生成してより黒くなり、前記白度の測定値が小さくなる。したがって、前記式により算出された硫化水素量の値は、硫化水素の量が多い程、つまり、茹で卵截断物に含まれる硫化水素の量が多い程、大きくなることを表す。
前記本発明で用いる硫化水素量が40以上の茹で卵截断物は、後述の試験例で示すように、卵黄部と卵白部の境界面にいわゆる硫化黒変が生じる程度に硫化水素を多く含むものである。硫化黒変は、卵黄部と卵白部の境界面が黒色又は暗緑色の色調となる現象であり、卵白から発生した硫化水素と卵黄に由来する鉄分が反応して硫化第一鉄等が生成することにより生じるとされている。本発明においては、このように硫化水素が多く含まれる茹で卵截断物を原料の一部として用いることにより、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダやタルタルソース等の卵加工食品を得ることができる。なお、前記硫化水素量の値があまりにも大きい茹で卵截断物は、過度の加熱により硫化黒変による色調の悪化が激しかったり卵白部の食感が硬かったりして好ましくない傾向があることから、前記本発明の茹で卵截断物の硫化水素量は、好ましくは100以下、より好ましくは70以下である。
通常、硫化黒変が生じた茹で卵は色調が悪いため、茹で卵を製造する際には、過度の加熱処理により硫化黒変が生じないように細心の注意を払って製造される。一方、本発明においては、このような硫化黒変が生じる程度に過度に加熱処理された茹で卵截断物を原料の一部として用いるが、これを酸性水中油型乳化状調味料と混合して用いることから、硫化黒変を消失させて外観上問題がないタマゴサラダやタルタルソース等を製造することができる。このように硫化黒変が消失するのは、茹で卵截断物に酸性水中油型乳化状調味料が染み込んでpHを低下させ、その結果、硫化第一鉄等の硫化黒変による反応物が化学変化するためであると考えられる。
ところで、過度に加熱処理された茹で卵截断物を用いるのではなく、後述の試験例に示すように、例えば、タマゴサラダを製造した後に加熱処理をしても、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダが得られない。これは、酸性水中油型乳化状調味料と混合してpHが低下した卵白は、加熱されても硫化水素を発生し難いためであると推察される。これに対し、本発明は、硫化水素を多く含む茹で卵截断物を酸性水中油型乳化状調味料と混合して用いることで、保存後においても優れた卵風味を有するタマゴサラダ等の卵加工食品を得ることができる。換言すると、前記本発明の茹で卵截断物が卵加工食品中に硫化水素を持ち込んで、当該硫化水素が酸性水中油型乳化状調味料と混合されることで卵加工食品中に閉じ込められた状態となっており、保存後においても優れた卵風味を有するのではないかと推察される。
以上のように、本発明の卵加工食品は、少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合してあり、前記茹で卵截断物の一方を、硫化水素量が40以上、好ましくは42以上の茹で卵截断物とするものであるが、前記茹で卵截断物の他方は、一般的に用いられる茹で卵截断物とすればよい。具体的には、前記茹で卵截断物の他方は、より柔らかい食感の卵加工食品が得られ易いことから、硫化水素量が35以下の茹で卵截断物とすることが好ましい。前記硫化水素量が35以下の茹で卵截断物としては、その卵黄部が完全に凝固したものの他に半熟状の状態であってもよい。
本発明においては、硫化水素量が前記特定範囲の茹で卵截断物を用いるが、このような硫化水素量の茹で卵截断物を得るには、茹で卵截断物の加熱条件を調整すればよい。卵白は、加熱条件が強いほど、つまり、加熱温度が高く、加熱時間が長い程、硫化水素の発生量が多くなる性質を有する。したがって、本発明においては、加熱条件をかえることにより、茹で卵截断物の硫化水素量の値が前記特定範囲となるように調整することができる。この際、加熱温度は低すぎても卵が加熱凝固し難く高すぎても卵が熱により硬くなり易いことから、加熱温度を好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜100℃とし、加熱時間を増減させることにより調整することが好ましい。加熱時間は、用いる殻付き生卵の卵重や鮮度、加熱処理装置の加熱媒体の種類等により異なるが、例えば、卵重によりMSサイズに分類された殻付き生卵を用いてボイル槽で加熱処理する場合、前記茹で卵截断物の硫化水素量を40以上とするには、95℃で20分間以上程度とすればよい。また、前記茹で卵截断物の硫化水素量を35以下とするには、95℃で15分間以下程度とすればよい。
本発明における上述した茹で卵截断物の配合量に関し、前記硫化水素量が40以上の茹で卵截断物は、過度に加熱されているために、卵白部の食感が硬い傾向がある。そのため、配合量が多いと卵加工食品全体の食感が口当たりの悪いものとなる場合がある。一方、前記硫化水素量が40以上の茹で卵截断物の配合量が少なすぎても保存後においても優れた卵風味を有する卵加工食品が得られる本発明の効果が得られ難い。したがって、上述した硫化水素量が40以上の茹で卵截断物の配合量は、用いる茹で卵截断物全体に対して、好ましくは1〜50%、より好ましくは5〜40%である。
上述したように本発明においては茹で卵を截断処理した茹で卵截断物を用いる。このように茹で卵を截断処理して用いることにより、茹で卵截断物に硫化黒変が生じていても酸性水中油型乳化状調味料と混合した際に茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料との接触面積が増加して硫化黒変をより消失させ易くすることができる。一方、茹で卵截断物の大きさはあまり小さすぎても茹で卵截断物の食感が感じられ難くなる。したがって、本発明の茹で卵截断物の大きさは、好ましくは0.1〜10cm、より好ましくは0.1〜5cmである。
また、本発明の卵加工食品に用いる酸性水中油型乳化状調味料とは、一般的に酸性水中油型乳化状調味料と称されるpHが3〜5の半固体状又は液状乳化状調味料のことであり、このような酸性水中油型乳化状調味料としては、具体的には、マヨネーズやサラダクリーム等の半固体状ドレッシング、サウザンドレッシングやフレンチドレッシング等の乳化液状ドレッシング等が挙げられる。
本発明の卵加工食品における茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料の配合量は、タマゴサラダやタルタルソース等の卵加工食品の種類等により適宜調節すればよいが、茹で卵の風味と酸性水中油型乳化状調味料の酸味のバランスを考慮すると、茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料の合計配合量を100部とした時に、茹で卵截断物を10〜80部、酸性水中油型乳化状調味料を20〜90部とすることが好ましい。
更に、本発明の卵加工食品は、pHが特定の範囲であることが好ましい。具体的には、本発明の卵加工食品は、製品のpHが好ましくは7未満、より好ましくは6.8以下、更に好ましくは6.5以下である。上述した硫化水素量が40以上となるような加熱条件で得られた茹で卵截断物は、硫化黒変が生じたものとなるが、このようにpHを酸性とすることにより、茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料と混合した際に硫化黒変をより消失させ易くすることができる。一方、製品のpHがあまり低すぎると茹で卵截断物の卵白部が酸変性して硬い舌触りの悪い食感となる場合がある。したがって、本発明の卵加工食品は、そのpHが好ましくは4以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6以上である。
本発明の卵加工食品のpHを調整するには、茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料との配合割合を調整したり、有機酸等の酸材を添加する等により調整することができる。前記有機酸としては、例えば、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸、アスコルビン酸、あるいは、これらの混合物等が挙げられる。なお、これらの有機酸は、これら有機酸を含有する食酢等を添加することにより製品に添加してもよい。本発明の卵加工食品のpHを調整するには、具体的には、例えば、茹で卵截断物に対する酸性水中油型乳化状調味料の配合量が比較的少ないタマゴサラダの場合には、製品のpHが中性程度となることから、有機酸等の酸材を添加して製品のpHが前記範囲となるように調整すればよい。一方、茹で卵截断物に対する酸性水中油型乳化状調味料の配合量が比較的多いタルタルソースは、製品のpHが低くなり易い。したがって、このようなタルタルソースにおいては、茹で卵截断物に対する酸性水中油型乳化状調味料の配合量をできるだけ減らしたり、食酢等の配合量が少ないpHが5程度の酸性水中油型乳化状調味料を用いる等して調整すればよい。
本発明の卵加工食品には、上述した原料の外に、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、動植物等のエキス類等の各種調味料、からし粉、胡椒等の香辛料、オリゴ糖、水あめ等の糖類、酢酸ナトリウム、グリシン、ポリリジン、卵白リゾチーム、プロタミン等の保存料等を適宜配合することができる。
本発明の卵加工食品の製造方法は、特に限定するものではなく、上述した原料を常法により混合して製造すればよい。具体的には、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、まず、卵重により選別された鶏卵等の殻付き生卵を用意し、ボイル槽やスチーマー等により加熱処理して凝固させる。ここで、本発明においては、少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物を用いることから、殻付き生卵を少なくとも2種類以上のグループに分け、これらを別々の加熱条件で加熱処理して凝固させる。また、この際の加熱条件の一方は、後述する茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料との混合時の茹で卵截断物の硫化水素量が40以上、好ましくは42以上となるような加熱条件とする。更に、加熱条件の他方は、後述する茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料との混合時の茹で卵截断物の硫化水素量が好ましくは35以下となるような加熱条件とする。以上のような少なくとも2種類の異なる加熱条件で加熱凝固させた殻付き卵をそれぞれ冷却後、殻剥きし、ダイサー等の截断処理機を用いて截断処理することにより、少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物を製造する。
以上のようにして得られた少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物に加えて、その他の原料として、酸性水中油型乳化状調味料、更に必要に応じて、清水、調味料、香辛料、保存料、その他の食品原料や食材等を用意し、これらを、ホバートミキサー、攪拌装置付き二重釜等の混合機等に投入し、常法により攪拌混合することにより本発明の卵加工食品を製造することができる。
なお、上述した硫化水素量が40以上、好ましくは42以上の茹で卵截断物は、硫化水素を多く含み卵黄部と卵白部の境界面に硫化黒変が生じるが、酸性水中油型乳化状調味料と混合されると混合直後から徐々に硫化黒変の消失が始まる。用いる茹で卵截断物の硫化黒変の程度や酸性水中油型乳化状調味料の配合量等にもよるが混合処理後好ましくは1時間、より好ましくは3時間、更に好ましくは6時間放置することにより製品として問題がない程度に硫化黒変を消失させることができる。
以上のようにして製した本発明の卵加工食品は、必要に応じて、ポリエチレン製のパウチ等に充填後、好ましくはヒートシールして密封して容器詰めし、チルド温度(0〜15℃)や常温(15〜30℃)で流通させる容器詰め製品とすることができる。このような容器詰めした卵加工食品は、製造後食するまでの保存期間が半日以上、1週間以上、更には1ヵ月以上であっても卵風味が消失し難く優れた卵風味を有するものとなる。
以下、本発明の実施例、比較例及び試験例を述べ、本発明を更に説明する。なお、以下の実施例及び比較例においてpHの値は、品温20℃においてpHメーター(MP225、メトラー・トレド社製)を用いて測定した値である。この際、卵加工食品のpHは、卵加工食品10gをストマッカー袋に採り、清水で10質量倍に希釈し、オレガノ社製ストマッカー(400−T)を用いてノーマルスピードで60秒間、ストマッカー処理し、その処理物を試料として測定した値である。
[試験例1]
茹で卵截断物の加熱条件が、茹で卵截断物に含まれる硫化水素の量に与える影響を調べるために、以下の試験を行った。つまり、まず、殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)を100個ずつ、95℃のボイル槽でそれぞれ15分間、20分間及び30分間加熱した後10℃の冷却水槽に浸漬して冷却し、それぞれ殻を剥いて加熱条件の異なる3種類の茹で卵を得た。得られた茹で卵をそれぞれダイサーで一辺がlcmのダイス状に截断することにより体積が0.5〜1cmの加熱条件の異なる茹で卵截断物を5kgずつ得た。これらの茹で卵截断物の硫化水素量を以下の方法で測定した。また、これらの茹で卵截断物の硫化黒変の程度を以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
<硫化水素量の測定方法>
まず、20%w/v濃度の酢酸鉛水溶液に直径55mmの濾紙を浸漬して0.07g染み込ませた後に乾燥して、酢酸鉛紙を得た。次に、ツイストキャップ(金属製)で密封可能な100mL容量のガラス瓶を用意し、このツイストキャップの内面に前記酢酸鉛紙を貼り付けて、硫化水素測定用容器とした。この硫化水素測定用容器を3つ用意した。続いて、品温20℃の茹で卵截断物の卵白部を前記容器に20gずつ充填して密封し、3分間20℃の室内に放置後、ツイストキャップを開け、酢酸鉛紙の白度(XYZ表色系のZ値)を測色差計(日本電色工業(株)、Color Meter ZE2000、30mm径の投光パイプを使用、光源D65/10)を用いて測定した。同様の測定を3回行い、その平均値をZ値とした。同様の白度の測定を、酢酸鉛紙を硫化水素測定用容器に密封する前のものについても行い、その3回の平均値をZ値とした。以上のようにして得られたZ値とZ値とから、硫化水素量を次式
硫化水素量=Z−Z
により算出した。
<硫化黒変の評価基準>
0:無し
1:卵白部と卵黄部の境界面に部分的に硫化黒変が見られる。
2:卵白部と卵黄部の境界面全体に硫化黒変が見られる。
Figure 0004662487
表1より、加熱条件が強くなるにつれて、茹で卵截断物の硫化黒変が強くなることが確認できる。ここで、硫化黒変は、硫化水素により生じる現象であり、加熱条件が強い程、茹で卵截断物に含まれる硫化水素の量が多いと考えられる。また、加熱条件が強くなるにつれて、前記酢酸鉛紙を用いて測定した本発明の硫化水素量の値も大きくなっている。したがって、前記酢酸鉛紙を用いて測定する本発明の硫化水素量の値は、茹で卵截断物に含まれる硫化水素の量の測定に有効であることが理解できる。更に、表1より、加熱条件が強くなるにつれて、前記本発明の硫化水素量の値が大きくなることが確認でき、これより、前記本発明の硫化水素量の値は、加熱条件の強さを変えることにより調整できることが理解できる。
[実施例1]タマゴサラダ
試験例1で得た2種類の加熱条件の異なる茹で卵截断物、つまり、硫化水素量が34の茹で卵截断物及び硫化水素量が42の茹で卵截断物を用い、下記の配合に基づいて、以下に説明するようにタマゴサラダを製造した。
硫化水素量が34の茹で卵截断物 640
硫化水素量が42の茹で卵截断物 160
マヨネーズ※1 200
食酢※2 20
食塩 5
―――――――――――――――――――――――
合計1025g
※1:植物油脂70%、液卵黄15%、食酢12%、調味、香辛料3%から常法により調製したもの、pH4.0
※2:食酢(穀物酢)、酢酸換算酸度4.2%
カントーミキサー(関東混合機工業(株)製、60L容量)にマヨネーズ、食酢及び食塩を投入し、次いで、硫化水素量が42の茹で卵截断物及び硫化水素量が34の茹で卵截断物を投入した後、5分間混合処理して茹で卵截断物をマヨネーズ中に略均一に分散してタマゴサラダを得た。続いて得られたタマゴサラダをポリエチレン製のパウチに充填密封して容器詰めタマゴサラダを得た。なお、得られたタマゴサラダのpHは6であった。また、得られたタマゴサラダは、茹で卵截断物とマヨネーズの混合処理後1時間経過した時点で、硫化黒変が消失しており好ましい外観であった。
[実施例2]タマゴサラダ
実施例1において、硫化水素量が42の茹で卵截断物に代えて、硫化水素量が58の茹で卵截断物用いた他は、実施例1と同様にして、容器詰めタマゴサラダを得た。なお、得られたタマゴサラダのpHは6であった。また、得られたタマゴサラダは、茹で卵截断物とマヨネーズの混合処理後1時間経過した時点で、硫化黒変が消失しており好ましい外観であった。
[比較例1]タマゴサラダ
実施例1において、硫化水素量が42の茹で卵截断物を配合せず、硫化水素量が34の茹で卵截断物のみを800g配合した他は、実施例1と同様にして、容器詰めタマゴサラダを得た。
[比較例2]タマゴサラダ
比較例1と同様にして容器詰めタマゴサラダを得た。次いで、この容器詰めタマゴサラダを80℃のボイル槽で30分間加熱処理した。加熱処理後のタマゴサラダの品温は80℃であった。続いて、この加熱処理後のパウチ詰めタマゴサラダを5℃の冷却水槽に浸漬して30分間冷却処理してタマゴサラダの品温を5℃とした。
[試験例2]
実施例1及び2、並びに比較例1及び2で得た容器詰めタマゴサラダを5℃の冷蔵庫に10日間保存した後、それぞれ開封して食し、風味を評価した。風味の評価は、パネル20人が下記評価基準により官能的に評価した点数の平均であり、表2においては、平均点が3点以上のものを「S」、平均値が2点以上のものを「A」、平均値が1点以上のものを「B」、平均点が1点未満のものを「C」と示した。結果を表2に示す。
<評価基準>
0点:卵風味が非常に弱い、あるいは、感じられない。
1点:卵風味が感じられるが弱い。
2点:卵風味が感じられる。
3点:卵風味が強く感じられる。
4点:卵風味が非常に強く感じられる。
Figure 0004662487
表2より、少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合してあり、前記茹で卵截断物の一方が、硫化水素量が40以上の茹で卵截断物である実施例1及び2のタマゴサラダは、保存後においても大変優れた卵風味を有することが理解できる。これに対して、硫化水素量が34の茹で卵截断物のみを用いた比較例1のタマゴサラダ、更に、この比較例1のタマゴサラダを加熱処理した比較例2のタマゴサラダは、卵風味が弱く好ましいものではなかった。なお、ここでは示していないが、硫化水素量が42の茹で卵截断物のみを用いて同様に製したタマゴサラダは、卵白部の食感が硬く、タマゴサラダ全体として口当たりが悪いものであった。
[実施例3]タルタルソース
試験例1で得た2種類の加熱条件の異なる茹で卵截断物、つまり、硫化水素量が34の茹で卵截断物及び硫化水素量が42の茹で卵截断物を用い、下記の配合に基づいて、以下に説明するようにタルタルソースを製造した。
硫化水素量が42の茹で卵截断物 50
硫化水素量が34の茹で卵截断物 100
ピクルス(5mm角に截断したもの) 50
玉ねぎ(5mm角に截断したもの) 100
マヨネーズ(実施例1と同じ) 700
――――――――――――――――――――――
合計1000g
カントーミキサー(実施例1と同じ)にマヨネーズを投入し、次いで、硫化水素量が42の茹で卵截断物及び硫化水素量が34の茹で卵截断物を投入し、更に、ピクルス及び玉ねぎを投入した後、5分間混合処理して茹で卵截断物、ピクルス及び玉ねぎをマヨネーズ中に略均一に分散してタルタルソースを得た。続いて得られたタルタルソースを1kgずつポリエチレン製のパウチに充填密封して容器詰めタルタルソースを得た。なお、得られたタルタルソースのpHは4.1であった。また、得られたタルタルソースは、茹で卵截断物とマヨネーズの混合処理後1時間経過した時点で、硫化黒変が消失して好ましい外観であった。
[比較例3]タルタルソース
実施例3において、茹で卵截断物として、硫化水素量が34の茹で卵截断物のみを150g配合した他は、実施例3と同様にして容器詰めタルタルソースを得た。
[試験例3]
実施例3及び比較例3で得られた容器詰めタルタルソースを、室温(20℃)で1ヵ月間保存した後にそれぞれ試食した。その結果、少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合してあり、前記茹で卵截断物の一方が、硫化水素量が40以上の茹で卵截断物である実施例3のタルタルソースは、保存後においても大変優れた卵風味を有することが理解できる。これに対して、硫化水素量が34の茹で卵截断物のみを用いた比較例3のタルタルソースは、卵風味が弱く好ましいものではなかった。

Claims (5)

  1. 少なくとも二種類の加熱条件が異なる茹で卵截断物と酸性水中油型乳化状調味料とを混合してある卵加工食品であって、
    前記茹で卵截断物の少なくとも一種類が、20%w/v濃度の酢酸鉛水溶液0.07gを直径55mmの濾紙に染み込ませて乾燥させた酢酸鉛紙の白度Z0と、該酢酸鉛紙を100mL容量の蓋付きガラス瓶の蓋内面に貼り付け、茹で卵截断物の卵白部20gを充填密封し、3分間保管した後の酢酸鉛紙の白度Z1とから次式
    硫化水素量=Z0−Z1
    により算出した硫化水素量が40〜100の茹で卵截断物であり、
    前記茹で卵截断物の少なくとも一種類が、硫化水素量が35以下の茹で卵截断物であることを特徴とする卵加工食品。
  2. 前記硫化水素量が40〜100の茹で卵截断物を、茹で卵截断物全体に対して1〜50%配合する請求項1記載の卵加工食品。
  3. 製品のpHが7未満である請求項1又は2に記載の卵加工食品。
  4. 製品のpHが4以上である請求項1乃至のいずれかに記載の卵加工食品。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の卵加工食品が容器詰めされてなる容器詰め卵加工食品。
JP2006321386A 2006-11-29 2006-11-29 卵加工食品 Expired - Fee Related JP4662487B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006321386A JP4662487B2 (ja) 2006-11-29 2006-11-29 卵加工食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006321386A JP4662487B2 (ja) 2006-11-29 2006-11-29 卵加工食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008131911A JP2008131911A (ja) 2008-06-12
JP4662487B2 true JP4662487B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=39557211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006321386A Expired - Fee Related JP4662487B2 (ja) 2006-11-29 2006-11-29 卵加工食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4662487B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4712764B2 (ja) * 2007-05-31 2011-06-29 キユーピー株式会社 卵加工食品及び卵加工食品用の品質保持材
JP5654840B2 (ja) * 2010-10-25 2015-01-14 キユーピー株式会社 タマゴサラダの製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07255429A (ja) * 1994-03-23 1995-10-09 Ajinomoto Co Inc 卵白硬化防止卵
JPH07327639A (ja) * 1994-06-13 1995-12-19 Ajinomoto Co Inc 卵白硬化防止卵
JPH08103248A (ja) * 1994-10-06 1996-04-23 Ajinomoto Co Inc 卵白硬化防止法
JP2708738B2 (ja) * 1995-07-20 1998-02-04 キユーピー株式会社 サラダ用袋詰め食品
JP4262797B2 (ja) * 1998-03-12 2009-05-13 太陽化学株式会社 卵加工食品の硫化変防止方法
JP2923508B1 (ja) * 1998-08-26 1999-07-26 キユーピー株式会社 卵食品及びその製造方法
JP3506134B2 (ja) * 2001-11-20 2004-03-15 キユーピー株式会社 卵スプレッド
JP2005130829A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Q P Corp タマゴサラダ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008131911A (ja) 2008-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101686717A (zh) 速食油炸面食及其制造方法
EP0275717A1 (en) Acidified pasta salad
JP4644698B2 (ja) 食品の静菌用組成物及び静菌方法。
JP2017042164A (ja) 食品の離水抑制方法
RU2355255C2 (ru) Способ подкисления и консервирования пищевых композиций с использованием электродиализированных композиций
JP5869838B2 (ja) 加工卵黄含有液の製造方法、加工卵黄含有液の冷凍品、食品の製造方法およびおにぎりの製造方法
EP0602953A2 (en) Cooked and packaged starchy foodstuffs
JP4662487B2 (ja) 卵加工食品
JPH022323A (ja) 調理されパッケージに入った澱粉質の食品
EP3738444B1 (en) Ingredient-containing liquid seasoning in hermetically sealed container
JP4675353B2 (ja) タマゴサラダの製造方法
JP2014096993A (ja) 豆腐、及びその製造方法、並びに豆腐含有飲食品及びその製造方法
US20030012863A1 (en) Cooking salt formulations and methods
JPS6024695B2 (ja) 調理済卵加工食品の製造法
JP4651517B2 (ja) タマゴサラダの製造方法
JP4712764B2 (ja) 卵加工食品及び卵加工食品用の品質保持材
RU2797860C1 (ru) Долма с мясом креветок
JP4633021B2 (ja) タマゴサラダの製造方法
JP6616601B2 (ja) 乾麺
JPS58165757A (ja) 密封包装サラダ・マリネ類の製造法
JP5106458B2 (ja) サラダ
KR0177355B1 (ko) 김치의 보존기간 연장방법
JP2594509B2 (ja) 生ラーメン
JP6416507B2 (ja) ポテトサラダの製造方法
CN115460931A (zh) 含蔬菜的调味酱的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4662487

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees