JP4729152B2 - 流体継手装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機の回転トルクを伝達するための流体継手装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体継手(フルードカップリング)は船舶用、産業機械用の動力伝達継手として従来から用いられている。流体継手は、原動機である例えばディーゼルエンジンのクランクシャフト(流体継手としての入力軸)に連結されたケーシングと、該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、該ポンプとケーシングによって形成された室にポンプ対向して配設され入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンとを具備している。また、上記ケーシングとタービンとの間には、ケーシングとタービンとを摩擦係合するロックアップクラッチが配設されている。このロックアップクラッチは、ケーシングとタービンとの間に配設されケーシングとの間に外側室を形成するとともにタービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、ポンプとタービンとによって形成される作動室から内側室を通して外側室に流れる作動流体の内側室側と外側室側との圧力差によってケーシングとタービンとを摩擦係合するように構成されている。そして、ロックアップクラッチによるケーシングとタービンとを摩擦係合を解除するときには、作動流体を外側室から内側室を通してポンプとタービンとによって形成される作動室に流れるように循環せしめ、外側室の流体圧が内側室の流体圧より高くなるようにしている。このような流体継手を例えば車両の駆動装置に装備する場合には、一般に摩擦クラッチを介して変速機に伝動連結されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両の駆動装置に装備した上記流体継手においては、車両停止状態でエンジンが駆動され変速機の変速ギヤが投入されてる状態、即ち入力軸が回転し出力軸が停止している状態では、その特性上ドラッグトルクを有する。このドラッグトルクは、流体継手の設計点を最大効率となる回転速度比、即ちポンプとタービンとの回転速度比を0.95〜0.98位にとると、かなり大きくなる。ドラッグトルクが大きいと、エンジンのアイドリング運転が著しく不安定となるとともに、この不安定な回転が駆動系に異常振動を発生させる原因となる。また、ドラッグトルクが大きいことにより、アイドリング運転時の燃費が悪化する原因にもなっている。
【0004】
上述したドラッグトルクが大きくなる原因の一つは、上記ロックアップクラッチの作動形態に起因している。即ち、ドラッグトルクによりポンプとタービンとによって形成される作動室内の負荷が大きくなり作動流体圧が上昇する。また、流体継手による伝達トルクは上記作動室内を循環する作動流体によって生ずるもので、その原理上外周側の方が圧力が高くなる。更に、ポンプの回転による作動流体の遠心力によって外周側の圧力が高くなる。しかるに、従来の流体継手においては、エンジンのアイドリング運転時のようにロックアップクラッチを作動しない状態では、上述したように作動流体が外側室から内側室を通してポンプとタービンとによって形成される作動室に流れるように構成されている。このため、循環する作動流体は圧力が高い外周側から作動室内に流入することになるので、作動流体の循環が制約されて作動室内の作動流体圧が更に上昇するからである。一方、上記ドラッグトルクを下げるためには供給する作動流体の圧力を下げることが考えられるが、供給する作動流体の圧力を下げるとロックアップクラッチの作動圧が不足して、最悪の場合ロックアップ不能となる。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、ロックアップクラッチの作動圧を不足させることなく、ドラッグトルクを減少することができる流体継手装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するために、
「内燃機関によって駆動される入力軸に連結されたケーシングと、
該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、
該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンと、
該ケーシングと該タービンとの間に配設され該ケーシングとの間に外側室を形成するとともに該タービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、該外側室と該内側室との流体圧差によって該ケーシングと該タービンとの係合および係合解除を行うロックアップクラッチと、
該外側室、該内側室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室に作動流体を循環せしめる作動流体循環手段とを具備しており、
該作動室内では、作動流体が該ポンプ内を外周に向かって流れ該タービン内に流入する循環流が形成される流体継手装置において、
該ロックアップクラッチに備えられた該クラッチディスクは、軸方向に摺動可能であり、該クラッチディスクの外周端部が該作動室側に延出され、該外周端部の端面には摩擦面が形成されるとともに、該ケーシングの内面に装着された摩擦盤と係合する複数の摩擦盤が設けられ、該クラッチディスクおよび該摩擦盤により該外側室と該内側室が区画されており、かつ、該外側室と該内側室とは該クラッチディスクの外周端部の該摩擦盤および該摩擦面を介してのみ作動流体が連通可能とされ、
該ロックアップクラッチの該ケーシングと該タービンとを係合するときにおいては、該作動流体循環手段が、作動流体を該外側室から該クラッチディスクの外周端部の該摩擦盤および該摩擦面を介して該内側室へ通した後、該作動室に流すことにより、該クラッチディスクの該摩擦面が該摩擦盤を押圧して係合が行われるとともに、少なくとも該内燃機関のアイドリング回転時においては、該作動流体循環手段が、作動流体を該作動室の内周側から外周側に向けて流入し、該作動室の外周側から該内側室を通した後、該クラッチディスクの外周端部の該摩擦盤および該摩擦面を介して該外側室に流すことにより、該摩擦盤の押圧を解除して該ロックアップクラッチの係合解除を行うように構成されている」
ことを特徴とする流体継手装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された流体継手装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0008】
図1には、本発明に従って構成された流体継手装置を自動車用エンジンと摩擦クラッチとの間に配設した駆動装置の一実施形態が示されている。図示の実施形態における駆動装置は、原動機としての内燃機関2と本発明に従って構成された流体継手装置4および摩擦クラッチ8とによって構成されている。内燃機関2は図示の実施形態においてはディーゼルエンジンからなっており、クランク軸21の端部には流体継手装置4の後述するポンプ側が取り付けられる。
【0009】
流体継手装置4は、ディーゼルエンジン2に装着されたハウジング22にボルト23等の締結手段によって取り付けられた流体継手ハウジング40内に配設されている。図示の実施形態における流体継手装置4は、ケーシング41とポンプ42およびタービン43を具備している。
【0010】
ケーシング41は、上記クランク軸21にボルト24によって内周部が装着されたドライブプレート44の外周部にボルト441、ナット442等の締結手段によって装着されている。なお、上記ドライブプレート44の外周には、図示しないスタータモータの駆動歯車と噛合する始動用のリングギヤ45が装着されている。
【0011】
ポンプ42は上記ケーシング41と対向して配設されている。このポンプ42は、椀状のポンプシェル421と、該ポンプシェル421内に放射状に配設された複数個のインペラ422とを備えており、ポンプシェル421が上記ケーシング41に溶接等の固着手段によって取り付けられている。従って、ポンプ42のポンプシェル421は、ケーシング41およびドライブプレート44を介してクランク軸21に連結される。このため、クランク軸21は流体継手装置4の入力軸として機能する。
【0012】
タービン43は上記ポンプ42とケーシング41によって形成された室にポンプ42と対向して配設されている。このタービン43は、上記ポンプ42のポンプシェル421と対向して配設された椀状のタービンシェル431と、該タービンシェル431内に放射状に配設された複数個のランナ432とを備えている。タービンシェル431は、上記入力軸としての上記クランク軸21と同一軸線上に配設された出力軸46にスプライン嵌合されたタービンハブ47に溶接等の固着手段によって取り付けられている。
【0013】
図示の実施形態における流体継手装置4は、上記ケーシング41とタービン43とを直接伝動連結するためのロックアップクラッチ50を具備している。ロックアップクラッチ50は、ケーシング41とタービン43との間に配設されケーシング41との間に外側室40aを形成するとともにタービン43との間に内側室40bを形成するクラッチディスク51を備えている。このクラッチディスク51は、内周縁が上記タービンハブ47の外周に相対回転可能でかつ軸方向に摺動可能に支持されており、その外周部には図において右方に突出して形成された環状の摩擦面511を備えている。また、クラッチディスク51の外周部には、上記摩擦面511と対向する位置に複数枚の摩擦盤52が図において左右方向に移動可能に装着されており、この複数枚の摩擦盤52が上記ケーシング41に装着された複数枚の摩擦盤53と交互に配置されている。更に、クラッチディスク51における上記摩擦面511より内周側には、環状の凹部512が形成されており、この凹部512にそれぞれ支持片54によって支持された複数個のダンパースプリング55が所定の間隔を置いて配設されている。この複数個のダンパースプリング55の両側には上記クラッチディスク51に取り付けられた入力側リテーナ56が突出して配設されているとともに、各ダンパースプリング55間には上記タービン43のタービンシェル431に取り付けられた出力側リテーナ57が突出して配設されている。
【0014】
図示の実施形態におけるロックアップクラッチ50は以上のように構成されており、その作動について説明する。
上記内側室40b側の作動流体の圧力が外側室40aの作動流体の圧力より高い場合、即ち後述する作動流体循環手段によって供給される作動流体がポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aから内側室40bを通して外側室40aに流れる場合には、上記クラッチディスク51が図1において左方に押圧されるので、上記複数枚の摩擦盤52と複数枚の摩擦盤53とは摩擦係合せず、従って、ケーシング41とタービン43との伝動連結は解除されている。一方、上記外側室40aの作動流体の圧力が内側室40b側の作動流体の圧力より高い場合、即ち後述する作動流体循環手段によって供給される作動流体が外側室40aから内側室40bを通してポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aに循環する場合には、上記クラッチディスク51が図1において右方に押圧されるので、環状の摩擦面511が上記複数枚の摩擦盤52および複数枚の摩擦盤53を押圧するため、両摩擦盤が摩擦係合する。従って、ケーシング41とタービン43は、摩擦盤52および摩擦盤53、クラッチディスク51、入力側リテーナ56、ダンパースプリング55、出力側リテーナ57を介して直接伝動連結される。
【0015】
図示の実施形態における流体継手装置4は後述する作動流体循環手段の油圧作動源としての油圧ポンプ60を具備している。この油圧ポンプ60は上記流体継手ハウジング40にボルト61等の固着手段によって取り付けられポンプハウジング62に配設されている。この油圧ポンプ60は、上記ポンプ42のポンプシェル421に取り付けられたポンプハブ48によって回転駆動されるように構成されている。なお、ポンプハブ48は上記出力軸46を包囲するように突出形成されたポンプハウジング62の筒状支持部620に軸受490によって回転可能に支持されている。また、図2および図3に示すように後述する作動流体循環手段に関連して、出力軸46に作動流体の通路460が設けられているとともに、出力軸46と筒状支持部620との間に作動流体の通路461が設けられている。通路460は、その一端が出力軸46の図において左端面に開口し上記外側室40aと連通しており、その他端が出力軸46の外周面に開口する径方向の通路462と連通している。また、通路461は、上記ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aと筒状支持部620に設けられた連通穴621とを連通するように構成されている。
【0016】
次に、流体継手に作動流体を循環せしめる作動流体循環手段について、図2および図3を参照して説明する。
作動流体循環手段は作動流体を収容するリザーブタンク65を具備しており、該リザーブタンク65内の作動流体は上記油圧ポンプ60によって通路66に吐出される。通路66に吐出された作動流体は、電磁方向制御弁67を介して上記連通穴621と連通する通路68または上記通路462と連通する通路69に供給される。電磁方向制御弁67が除勢(OFF)している図2に示す状態のときには、通路66に吐出された作動流体は矢印で示すように通路68、連通穴621、通路461、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a、内側室40b、外側室40a、通路460、通路462、通路69、戻り通路70、冷却器71および通路72を通してリザーブタンク65に循環される。作動流体が図2において矢印で示すように循環するときは、内側室40bの流体圧が外側室40aの流体圧より高いので、ロックアップクラッチ50は上述したように摩擦係合しない。一方、電磁方向制御弁67が付勢(ON)されると図3で示す状態となり、通路66に吐出された作動流体は矢印で示すように通路69、通路462、通路460、外側室40a、内側室40b、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a、通路461、連通穴621、通路68、戻り通路70、冷却器71および通路72を通してリザーブタンク65に循環される。作動流体が図3において矢印で示すように循環するときは、外側室40aの流体圧が内側室40bの流体圧より高いので、ロックアップクラッチ50は上述したように摩擦係合する。図示の実施形態における流体回路には、上記通路66とリザーブタンク65を結ぶリリーフ通路73が設けられており、このリリーフ通路73にリリーフ弁74が配設されている。リリーフ弁74は、開弁圧が例えば6kg/cm2 に設定されており、通路66内の作動流体圧が6kg/cm2 を越えると作動流体をリリーフ通路73を介してリザーブタンク65に戻す。以上のように、図示の実施形態における流体回路はオープン回路に構成されている。
【0017】
次に、上記摩擦クラッチ8について説明する。
摩擦クラッチ8は、上記流体継手ハウジング40にボルト81によって装着されたクラッチハウジング80内に配設されている。図示の実施形態における摩擦クラッチ8は、上記流体継手の出力軸46に装着されたフライホイール82と、出力軸46と同一軸線上に配設された伝動軸83(図示の実施形態においては、図示しない変速機の入力軸)と、該伝動軸83にスプライン嵌合されたクラッチハブ84に取り付けられ外周部にクラッチフェーシング85が装着されているドリブンプレート86と、該ドリブンプレート86をクラッチドライブプレート82に押圧するプレッシャープレート87と、該プレッシャープレート87をフライホイール82に向けて付勢するダイアフラムスプリング88と、該ダイアフラムスプリング88の内端部に係合してダイアフラムスプリング88を中間部を支点881として作動するレリーズベアリング89と、該レリーズベアリング89を軸方向に作動せしめるクラッチレリーズフォーク90とを具備している。このように構成された摩擦クラッチ8は、図示の状態においてはダイアフラムスプリング88のばね力によってプレッシャープレート87がクラッチドライブプレート82に向けて押圧されており、従って、ドリブンプレート86に装着されたクラッチフェーシング85がクラッチドライブプレート82に押圧されて流体継手の出力軸46に伝達された動力がクラッチドライブプレート82およびドリブンプレート86を介して伝動軸83に伝達される。この動力伝達を遮断する場合は、図示しないスレーブシリンダに油圧を供給してクラッチレリーズフォーク90を作動し、レリーズベアリング89を図1において左方に移動すると、ダイアフラムスプリング88が図において2点鎖線で示すように作動せしめられ、プレッシャープレート87への押圧力を解除することにより、フライホイール82からドリブンプレート86への動力伝達が遮断される。
【0018】
図示の実施形態における流体継手装置を装備した駆動装置は以上のように構成されており、以下その作動について説明する。
先ず、ディーゼルエンジン2がアイドリング回転以上の回転速度で運転され、流体継手によって駆動トルクを伝達する状態について説明する。この場合、作動流体循環手段の上記電磁方向制御弁67は除勢(OFF)されており、作動流体は図2において矢印で示す方向に循環せしめられている。
ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、ドライブプレート44を介して流体継手4のケーシング41に伝達される。ケーシング41とポンプ42のポンプシェル421は一体的に構成されているので、上記駆動力によってポンプ42が回転せしめられる。ポンプ42が回転するとポンプ42内の作動流体は遠心力によりインペラ422に沿って外周に向かって流れ、矢印で示すようにタービン43側に流入する。タービン43側に流入した作動流体は、中心側に向かって流れ矢印で示すようにポンプ42に戻される。このように、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内の作動流体がポンプ42とタービン43内を循環することにより、ポンプ42側の駆動トルクが作動流体を介してタービン43側に伝達される。タービン43側に伝達された駆動力は、タービンシェル431およびタービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ8を介して図示しない変速機に伝達される。
【0019】
次に、ディーゼルエンジン2がアイドリング運転している状態について説明する。なお、この場合も作動流体循環手段の上記電磁方向制御弁67は除勢(OFF)されており、作動流体は図2において矢印で示す方向に循環せしめられている。
ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、上述したようにドライブプレート44を介して流体継手装置4のケーシング41に伝達され、該ケーシング41と一体的に構成されているポンプ42が回転せしめられる。このとき、図示していない変速機の変速ギヤが投入され摩擦クラッチ8が接続された状態においては、出力軸46が停止しタービン42が停止しているためにドラッグトルクが発生する。このドラッグトルクにより、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内の負荷が大きくなり、作動流体圧が上昇する。また、流体継手による伝達トルクはポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内を図において矢印で示すように循環する作動流体によって生ずるもので、その原理上外周側の方が圧力が高くなる。更に、ポンプ42の回転による作動流体の遠心力によって外周側の圧力が高くなる。従って、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内の作動流体が外周側から流出して循環するように作動流体循環手段が形成されていれば、作動室4a内の作動流体は流出し易くなる。しかるに、図示の実施形態においては、ロックアップクラッチ50を作動しないときには作動流体が図2において矢印で示すように循環せしめられ、ポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4aの外周側から流出するように構成されているので、作動室4a内の作動流体が積極的に流出する。即ち、図示の実施形態においては、ドラッグトルクによるポンプ42とタービン43とによって形成される作動室4a内の作動流体の外部への流出を補助するような作動流体の循環流を形成している。従って、作動室4aへの作動流体の充填効率が低下するため、ディーゼルエンジン2のアイドリング運転時におけるドラッグトルクが減少する。
【0020】
次に、ロックアップクラッチ50を作動して、ケーシング41とタービン43を直結して駆動トルクを伝達する状態について説明する。この場合、作動流体循環手段の上記電磁方向制御弁67は付勢(ON)され、作動流体は図3において矢印で示す方向に循環せしめられている。従って、上述したように外側室40aの作動流体の圧力が内側室40b側の作動流体の圧力より高く、クラッチディスク51が図1および図3において右方に押圧されるので、環状の摩擦面511が上記複数枚の摩擦盤52および複数枚の摩擦盤53を押圧するため、両摩擦盤が摩擦係合する。この結果、ケーシング41とタービン43は、摩擦盤52および摩擦盤53、クラッチディスク51、入力側リテーナ56、ダンパースプリング55、出力側リテーナ57を介して直接伝動連結される。従って、ディーゼルエンジン2のクランク軸21(入力軸)に発生した駆動力は、ドライブプレート44、ケーシング41、ロックアップクラッチ50、タービン43、タービンハブ47を介して出力軸46に伝達され、更に上記摩擦クラッチ8を介して図示しない変速機に伝達される。なお、図示の実施形態においては上述したようにドラッグトルクを減少することができるので、ドラッグトルクを低下させるために作動流体の供給圧力を下げる必要はないので、ロックアップクラッチの作動圧不足が生ずることはない。
【0021】
【発明の効果】
本発明による流体継手装置は以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0022】
即ち、本発明による流体継手装置においては、作動流体が外側室から内側室を通して作動室に流れるときロックアップクラッチがケーシングとタービンとを係合し、作動流体が作動室から内側室を通して外側室に流れるときロックアップクラッチによるケーシングとタービンとの係合を解除するように構成されているので、ドラッグトルク発生時における作動室内の作動流体の外部への流出を補助するような作動流体の循環流が形成され、作動室への作動流体の充填効率が低下するため、エンジンのアイドリング運転時におけるドラッグトルクが減少する。従って、エンジンのアイドリング運転が円滑となり、異常振動の発生を防ぐことができるとともに、アイドリング運転時の燃費を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された流体継手装置を装備した駆動装置の一実施形態を示す断面図。
【図2】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、ロックアップクラッチが作動していない状態の説明図。
【図3】図1に示す流体継手装置の作動流体循環手段の作動状態を示すもので、ロックアップクラッチを作動した状態の説明図。
【符号の説明】
2:内燃機関
21:クランク軸
4:流体継手
40:流体継手ハウジング
41:ケーシング
42:ポンプ
421:ポンプシェル
422:インペラ
43:タービン
431:タービンシェル
432:ランナ
44:ドライブプレート
45:リングギヤ
46:出力軸
47:タービンハブ
48:ポンプハブ
50:ロックアップクラッチ
51:クラッチディスク
52:摩擦盤
53:摩擦盤
54:支持片
55:ダンパースプリング
56:入力側リテーナ
57:出力側リテーナ
60:油圧ポンプ
62:ポンプハウジング
65:リザーブタンク
67:電磁方向制御弁
71:冷却器
74:リリーフ弁
8:摩擦クラッチ
80:クラッチハウジング
82:クラッチドライブプレート
83:伝動軸
84:クラッチハブ
85:クラッチフェーシング
86:ドリブンプレート
87:プレッシャープレート
88:ダイアフラムスプリング
89:レリーズベアリング
90:クラッチレリーズフォーク
Claims (1)
- 内燃機関によって駆動される入力軸に連結されたケーシングと、
該ケーシングと対向して配設され該ケーシングに取り付けられたポンプと、
該ポンプと該ケーシングによって形成された室に該ポンプと対向して配設され該入力軸と同一軸線上に配置された出力軸に取り付けられたタービンと、
該ケーシングと該タービンとの間に配設され該ケーシングとの間に外側室を形成するとともに該タービンとの間に内側室を形成するクラッチディスクを備え、該外側室と該内側室との流体圧差によって該ケーシングと該タービンとの係合および係合解除を行うロックアップクラッチと、
該外側室、該内側室および該ポンプと該タービンとによって形成される作動室に作動流体を循環せしめる作動流体循環手段とを具備しており、
該作動室内では、作動流体が該ポンプ内を外周に向かって流れ該タービン内に流入する循環流が形成される流体継手装置において、
該ロックアップクラッチに備えられた該クラッチディスクは、軸方向に摺動可能であり、該クラッチディスクの外周端部が該作動室側に延出され、該外周端部の端面には摩擦面が形成されるとともに、該ケーシングの内面に装着された摩擦盤と係合する複数の摩擦盤が設けられ、該クラッチディスクおよび該摩擦盤により該外側室と該内側室が区画されており、かつ、該外側室と該内側室とは該クラッチディスクの外周端部の該摩擦盤および該摩擦面を介してのみ作動流体が連通可能とされ、
該ロックアップクラッチの該ケーシングと該タービンとを係合するときにおいては、該作動流体循環手段が、作動流体を該外側室から該クラッチディスクの外周端部の該摩擦盤および該摩擦面を介して該内側室へ通した後、該作動室に流すことにより、該クラッチディスクの該摩擦面が該摩擦盤を押圧して係合が行われるとともに、少なくとも該内燃機関のアイドリング回転時においては、該作動流体循環手段が、作動流体を該作動室の内周側から外周側に向けて流入し、該作動室の外周側から該内側室を通した後、該クラッチディスクの外周端部の該摩擦盤および該摩擦面を介して該外側室に流すことにより、該摩擦盤の押圧を解除して該ロックアップクラッチの係合解除を行うように構成されていることを特徴とする流体継手装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06347499A JP4729152B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 流体継手装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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