JP4765193B2 - ガラスペースト - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、封着に用いられるガラスペーストに関し、特に陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、蛍光表示管(VFD)、電界放射型ディスプレイ(FED)等の表示管の封着や、ICパッケージの封着等に用いられるガラスペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
陰極線管、プラズマディスプレイ、蛍光表示管、電界放射型ディスプレイ等の表示管の封着には、封着温度が430〜500℃、熱膨張係数が70〜100×10-7/℃程度の特性をもつ封着材料を含むガラスペーストが使用されている。
【0003】
従来、この種の材料には、低温度で封着可能なPbO−B2O3系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末が主成分として用いられている。しかしながら、最近では環境問題の観点から、鉛を含まない封着材料が求められており、P2O5−SnO系ガラス、P2O5−SnO−B2O3系、P2O5−SnO−SiO2系等のSnO含有ガラス粉末を用いた封着材料が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
表示管を封着する場合、樹脂としてエチルセルロースやニトロセルロース、溶媒としてテルピネオール、酢酸イソアミル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)等を用いたビークルに封着材料を混練したガラスペーストが広く用いられている。
【0005】
しかしながら、上記したSnO含有ガラス粉末を含む封着材料と、従来のビークルとを混練して作製したガラスペーストを空気中で焼成した場合、SnO含有ガラス粉末が十分に軟化流動せず、封着ができないという問題を生じることがある。
【0006】
本発明の目的は、空気中で焼成してもSnO含有ガラス粉末が十分に軟化流動し、良好な封着が可能なガラスペーストを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラスペーストは、SnO含有ガラス粉末を含む封着材料とビークルとを含むガラスペーストであって、ビークルとして、イソトリデシルアルコール又はジヒドロ−α−テルピネオールを用いることを特徴とする。
【0008】
【作用】
本発明のガラスペーストは、SnO含有ガラス粉末を主成分とする封着材料とイソトリデシルアルコールやジヒドロ−α−テルピネオールからなるビークルとを含む。
【0009】
SnO含有ガラスは、従来から広く使用されているPbO−B2O3系ガラスとは異なり、ガラス成分中のSnOが酸化され易い。その結果、ガラス粉末の軟化流動が阻害される。SnOの酸化は、焼成時に発生する有機成分起因のカーボンによるものと考えられる。
【0010】
これに対し、本発明では、ビークルとして、空気中で焼成してもガラス成分中のSnOを酸化させない溶液を使用する。具体的には、エチルセルロース等の樹脂を使用せず、イソトリデシルアルコールやジヒドロ−α−テルピネオールをビークルとして使用することにより、ガラス成分中のSnOの酸化を防止することができる。SnOの酸化が防止されるメカニズムは明らかではないが、従来のビークルと比べ、ガラスペーストを焼成したときに発生するCO2の発生量が少ないか、或いはCO2の発生する温度が異なることによるものと推測される。
【0011】
以下、本発明のガラスペーストを詳述する。
【0012】
本発明のガラスペーストは、封着材料としてSnO含有ガラス粉末を含む。一般に、ガラス成分であるSnOは酸化されてSnO2に変化しやすいが、組成中にSnO2が多くなるとガラスが不安定になり、ガラス状態を維持しにくくなる。この傾向は、SnO含有量が多くなるほど、具体的には約40mol%以上、特に50mol%以上になると顕著になる。
【0013】
本発明においては、SnO成分が40mol%以上、特に50mol%以上である高SnO含有ガラスに対して有効である。なおSnO成分の含有量が40mol%未満のガラスを使用しても差し支えないことは言うまでもない。またSnO含有量の上限は特に制限はないが、ガラスの溶融安定性を考慮すると70mol%以下のガラスを使用することが好ましい。
【0014】
ガラス系に関しては、P2O5−SnO系ガラス、P2O5−SnO−B2O3系ガラス、P2O5−SnO−SiO2系ガラスの何れについても良好に使用できる。
【0015】
P2O5−SnO系ガラスの好適な例としては、mol%でP2O5 25〜50%、SnO 40〜70%、ZnO 0〜20%、Li2O 0〜10%、Al2O3 0〜10%、SiO2 0〜10%の組成を有するガラスが挙げられる。
【0016】
P2O5−SnO−B2O3系ガラスの好適な例としては、mol%でP2O5 15〜35%、SnO 40〜65%、B2O3 15〜25%、ZnO 0〜15%、Li2O 0〜10%、Al2O3 0〜10%、SiO2 0〜5%の組成を有するガラスが挙げられる。
【0017】
P2O5−SnO−SiO2系ガラスの好適な例としては、mol%でP2O5 10〜50%、SnO 40〜80%、SiO2 5.5〜20%、ZnO 0〜15%、Li2O 0〜10%、Al2O3 0〜10%の組成を有するガラスが挙げられる。
【0018】
なお封着材料には、熱膨張係数の調整、機械的強度の向上、流動性の改善等の目的で、耐火性フィラー粉末を含有させることができる。例えばコージエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム、ウイレマイト、ムライト、NbZr(PO4)セラミック等のフィラー粉末を使用することができる。さらに上記したような耐火性物質粉末は、2種以上を混合して使用しても良い。またガラス粉末と耐火性物質粉末の混合割合は0〜55体積%であることが好ましい。
【0019】
また本発明のガラスペーストは、ビークルとして、イソトリデシルアルコールやジヒドロ−α−テルピネオールを使用する。代表的な高級アルコールとしては、CnC2n+1OH(n=8〜20)で表されるイソへキシルアルコールからイソアイコシルアルコールを例示できるが、粘性を考慮するとイソデシルアルコール(n=10)以上の分子量を持つものが、粉末と混合した場合の適性粘性にしやすいため好ましい。また、焼成時の焼却しやすさを考慮するとイソへキサデシルアルコール(n=16)以下の分子量を持つものが好ましい。従って、使用する高級アルコールはイソドデシルアルコールやイソトリデシルアルコール等が好適であるが、トータルバランスからイソトリデシルアルコールが最適である。
【0020】
なお従来から溶媒として使用されている酢酸イソアミルやBCAを単独で使用した場合、焼成は可能であるが、これらは即乾性が強いためにレベリング性が悪く、実使用に耐えない。またテルピネオール単独の場合は、ガラス成分中のSnOをSnO2に酸化させるため、焼成不可能である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明のガラスペーストを説明する。
【0022】
表1は、本実施例で使用する封着材料(試料a、b、c)を示している。
【0023】
【表1】
【0024】
各試料は次のようにして調製した。まず表1の組成となるように、ガラス原料を調合し、空気中で1〜2時間溶融した。次いで溶融ガラスを水冷ローラー間に通して薄板状に成形し、ボールミルにて粉砕後、目開き105μmの篩を通過させて、平均粒径約10μmのガラス粉末を得た。
【0025】
さらに各ガラス粉末を表1に示す割合で耐火性フィラー粉末と混合し、封着材料を作製した。これらの材料のガラス転移点、熱膨張係数、及び流動性を評価したところ、ガラス転移点が288〜332℃、30〜250℃における熱膨張係数が71〜78×10-7/℃、流動径が22.1〜24.5mmと、何れも封着用に適した特性を有していた。なお流動性の評価は、ビークルと混合せず、粉末のみを焼成して行ったものであるが、これらの焼成状態は何れも光沢のある表面を持っており、ガラス粉末が十分に軟化流動していることが認められた。
【0026】
尚、ガラス転移点は示差熱分析(DTA)により、また熱膨張係数は押棒式熱膨張測定装置により求めた。流動性は次のようにして評価した。まず材料の密度分に相当する重量の試料粉末を金型により外径20mmのボタン状にプレスした。次にこのボタンを窓板ガラスの上に乗せ、空気中、表の焼成温度まで10℃/分の速度で昇温して10分間保持した後、ボタンの直径を測定した値を示した。
【0027】
表2は上記封着材料を用いた本発明のガラスペーストの実施例(試料No.1〜4)を、表3は比較例(試料No.5〜8)をそれぞれ示している。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
実施例の各試料は次のようにして調製した。まず用意した封着材料と、表2に示した溶媒を3本ロールミルにより混練して均一分散処理を行いペースト状の試料を得た。また比較例の各試料は次のようにして調製した。まず用意した封着材料と、表3に示した溶媒および樹脂からなるビークルとを、重量比で10:1の割合で混合し、同様にして均一分散処理を行いペースト状の試料を得た。なお樹脂量は、溶媒に対して5重量%とした。
【0031】
次に得られた試料をソーダガラス板上にスクリーン印刷法で均一厚みに塗布した。焼成は、すべて空気中で行い、乾燥(溶剤の揮発)のために150℃で10分間保持し、続いて封着材料の焼成温度まで昇温して、その温度で10分間保持して本焼成を行った。このようにして焼成した後の試料表面を目視で評価した。
【0032】
その結果、本発明の実施例であるNo.1〜4の試料は滑らかな光沢のある表面を呈しており、ガラス粉末が十分に軟化流動していることが分かった。またペーストのレベリング性も良好であり、使用に適していた。
【0033】
一方、比較のために作製したNo.6はレベリング性が悪く、実用上使用できないレベルであった。またNo.5、7、8の試料は、いずれも光沢がなく、粉末がそのまま焼結した様な状態であり、ガラス粉末が軟化流動しなかったことが分かる。
【0034】
尚、ペーストのレベリング性は、塗布後のペースト表面を観察し、平滑で光沢があれば「良好」、そうでないものを「不良」とした。焼成状態は、平滑で光沢があるものを「良好」、そうでないものを「不良」とした。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガラスペーストは、空気中で焼成してもSnO含有ガラスが十分に軟化流動するため、良好な封着が可能である。またレベリング性も良好であり、実使用に耐え得るものである。それゆえ陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、蛍光表示管(VFD)、電界放射型ディスプレイ(FED)等の表示管の封着に用いられるガラスペーストとして好適である。また本明細書では表示管用途について説明したが、本発明の用途はこれに限られるものではなく、例えばICパッケージの封着用途に用いることも可能である。
Claims (2)
- SnO含有ガラス粉末を含む封着材料とビークルとを含むガラスペーストであって、ビークルとして、イソトリデシルアルコール又はジヒドロ−α−テルピネオールを用いることを特徴とするガラスペースト。
- SnO含有ガラス粉末が、SnOを40〜70mol%含有するガラスからなることを特徴とする請求項1に記載のガラスペースト。
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