JP4797366B2 - 焦電型赤外線検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、焦電素子を用いて、人体から輻射される赤外線エネルギーを検出し、人体の存在や移動の検知を行なったり、輻射エネルギーや室温を検出することで放射温度計として機能する赤外線検出装置に関するものである。
図10は、従来の焦電型赤外線検出装置の基本構成を示し、焦電素子1は一端をグランドに接続し、他端を演算増幅器2の反転入力端子に接続しており、演算増幅器2の出力端子−反転入力端子間には、コンデンサからなる帰還容量Cfを接続して交流帰還回路を構成している。また、演算増幅器2の出力端子−反転入力端子間には、さらに直流帰還回路3と入力抵抗Riとの直列回路を設けて、入力抵抗Riによって帰還を行っている。また、演算増幅器2の非反転入力端子にはバイアス電位Vrを印加している。このような回路は、熱線感知時に焦電素子1で発生する電流信号を電圧信号に変換して出力する電流電圧変換回路を構成するものである。なお、演算増幅器2の反転入力端子をSin、演算増幅器2の出力端子をSout、直流帰還回路3の出力端子をSfoとする。
このような焦電型赤外線検出装置は、人体から輻射される赤外線エネルギーを検出し、人体の存在や移動の検知を行なったり、輻射エネルギーや室温を検出することで放射温度計として機能するものである。一般に人体検知を行う場合の検出周波数は1Hz中心であるので、本電流電圧変換回路の後段に設けられる電圧増幅部(図示無し)において、1Hzを中心とした0.1〜10Hz付近の周波数帯が選択的に増幅される。そこで図11に示すように、演算増幅器2の出力端子SoutはコンデンサC2と抵抗R2とから構成されるハイパスフィルタに接続される場合が多く、0.1Hz以上の周波数成分を通過させている。ここで、コンデンサC2の一端は演算増幅器2の出力端子Soutに接続され、コンデンサC2の他端は抵抗R2の一端に接続され、抵抗R2の他端はバイアス電位Vrに接続されており、コンデンサC2と抵抗R2との接続点Vx1が本焦電型赤外線検出装置の出力となる。
また図11は、図10の直流帰還回路3の具体回路も示しており、直流帰還回路3は、非反転入力端子に演算増幅器2の出力を接続した演算増幅器31と、演算増幅器31の出力端子−反転入力端子間に接続したコンデンサC1と、演算増幅器31の反転入力端子−バイアス電位Vr間に接続した抵抗R1とからなる積分回路で構成され、演算増幅器31の出力が直流帰還回路3の出力となる。
このような構成の電流電圧変換回路においては、焦電素子1から出力される電流信号は帰還容量Cfのインピーダンスを用いて電圧信号に変換され、変換インピーダンスの周波数特性がバンドパスフィルタの役割を果たす。このバンドパスフィルタの中心周波数ω0、選択度Qは、数1で表される。
Figure 0004797366
そして、焦電素子1の最大のアプリケーションである人体検知における検出周波数が1Hz中心であることから、0.1Hz以上の周波数帯では帰還容量Cfのインピーダンス特性によって電圧信号の出力特性が決まるようにしようとすると、中心周波数ω0は0.1Hz以下でなければならない。したがって、この電流電圧変換回路の時定数は非常に遅くなる。
また、ノイズ成分の1つとして入力抵抗Riによる熱雑音が支配的であるので、この熱雑音を抑制するために、通常は入力抵抗Riの値を1T(テラ)Ω以上の高抵抗としている。このような高抵抗は一般に温度変化によって抵抗値が大きく変動する特性を有している。(例えば、特許文献1参照)
特開平10−267759号公報(段落番号[0013]、[0014]、図1)
上記従来例のように、遅い時定数を有する電流電圧変換回路においては、電源投入から回路動作が安定するまでの間(回路安定時間)や、回路動作中に大きな外来ノイズが印加された場合等に動作点が飽和してしまうと、元の正常な状態に復帰するのに長い時間を必要とするという問題があった。
ここで、図11に示すように直流帰還回路3を積分回路で構成した電流電圧変換回路についてのシミュレーション結果を、図12〜図14に示す。ここで回路定数は、帰還容量Cf=10pF、入力抵抗Ri=3TΩ、コンデンサC1=10nF、抵抗R1=6GΩとしている。
図12は電源投入時、および外来ノイズ印加時の過渡解析の結果であり、図12(a)は演算増幅器2の出力端子Soutの電圧波形、図12(b)はコンデンサC2と抵抗R2との接続点Vx1の電圧波形(ハイパスフィルタの出力波形)を各々示す。そして時間t=0で、演算増幅器2,31の電源電位3V、バイアス電位Vr=1.5Vを印加し、演算増幅器2の反転入力端子Sinには1Hzの正弦波からなる電流信号を時間t=0より入力し続ける。さらに、時間t=500秒(電源投入後の安定動作している状態)には、外来ノイズを想定して演算増幅器2の反転入力端子Sinに60pCの負の電荷を印加する。ここで、図12(a)に示すように演算増幅器2の出力端子Soutの電圧波形は非常に遅い周波数で変動しているが、図12(b)に示すように接続点Vx1の電圧波形では抵抗R2、コンデンサC2によるハイパスフィルタによってその変動はカットされており、後段の回路に非常に遅い周波数の変動が伝わらないようになっている。
そして、電源投入時は演算増幅器2の出力端子Soutの電位が正側に飽和しており、図13(a)(b)に時間t=23〜30秒における各波形の拡大図を示すように、電源投入後約25秒間(時間t=0〜25秒)は入力信号に対して正常に応答せず、回路動作が安定していない。
また、時間t=500秒で外来ノイズが印加された場合には、演算増幅器2の出力端子Soutの電位が負側に飽和しており、図14(a)(b)に時間t=594〜610秒における各波形の拡大図を示すように、外来ノイズ印加後約100秒間(時間t=500〜600秒)は入力信号に対して正常に応答せず、正常動作に復帰していない。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、電源投入から回路動作が安定するまでの時間が短く、且つ回路動作時に外来ノイズが印加されても速やかに復帰可能な焦電型赤外線検出装置を提供することにある。
請求項1の発明は、熱線感知時に電流信号を発生する焦電素子と、第1のコンデンサからなる交流帰還回路、および直流帰還回路と第1の抵抗素子との直列回路を入出力間に接続した演算増幅器で構成されて前記電流信号を電圧信号に変換して出力する電流電圧変換回路とを備え、交流帰還回路を演算増幅器の出力端子−反転入力端子間に接続し、直流帰還回路の一端を演算増幅器の出力側に接続し、第1の抵抗素子を直流帰還回路の他端−演算増幅器の反転入力端子間に接続し、焦電素子を演算増幅器の反転入力端子に接続して、リミッタ回路は、ソース端子を第1の抵抗素子の一端に接続し、ゲート端子、ドレイン端子を第1の抵抗素子の他端に接続した第1のMOSトランジスタと、ゲート端子、ドレイン端子を第1の抵抗素子の一端に接続し、ソース端子を第1の抵抗素子の他端に接続した第2のMOSトランジスタとから構成され、第1、第2のMOSトランジスタがP型の場合は各基板端子を電源電位に接続し、第1、第2のMOSトランジスタがN型の場合は各基板端子をグランドに接続し、電源電位とグランドとの間に接続された第2の抵抗素子と第2のコンデンサとの直列回路と、第1,第2のMOSトランジスタのうち少なくともいずれか一方のMOSトランジスタのゲート端子とドレイン端子との間に接続された第1のスイッチ素子と、第2の抵抗素子および第2のコンデンサの接続中点と前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタのゲート端子との間に接続された第2のスイッチ素子を有して、電源投入後、第1のスイッチ素子がオフ、第2のスイッチ素子がオンして、前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタがオンし、第2のコンデンサの充電電圧によって前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタがオフした後、第1のスイッチ素子がオン、第2のスイッチ素子がオフすることによって、前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタを、電源投入時に所定期間導通させることを特徴とする。
この発明によれば、遅い時定数を有する電流電圧変換回路においても、電源投入から回路動作が安定するまでの時間が短く、且つ回路動作時に外来ノイズが印加されても速やかに復帰可能とすることができる。また、MOSトランジスタの基板端子から演算増幅器の反転入力端子へのリーク電流を小さくできるので、このリーク電流によるショットノイズ成分は無視できる程度に抑制可能で、S/N比の悪化を防ぐことができる。またリミッタ回路をMOSトランジスタで構成しているので、回路の集積化、小型化に有利となる。さらにリミッタ回路にスタートアップ回路を併用させることにより回路のさらなる小型化を図ることができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記リミッタ回路の各MOSトランジスタに第3の抵抗素子を各々直列接続したことを特徴とする。
この発明によれば、第3の抵抗素子によって、PMOSトランジスタがオンしたときに、演算増幅器の反転入力端子−直流帰還回路の出力間の抵抗値が急激に低下することを抑制して、演算増幅器の出力の不連続性を抑えることができる。したがって、演算増幅器の出力の不連続性による誤動作を防止できる。
以上説明したように、本発明では、リミッタ回路によって第1の抵抗素子両端の電位差を制限するので、電源投入から回路動作が安定するまでの時間が短く、且つ回路動作時に外来ノイズが印加されても速やかに復帰可能となるという効果がある。また、MOSトランジスタの基板端子から演算増幅器の反転入力端子へのリーク電流を小さくできるので、このリーク電流によるショットノイズ成分は無視できる程度に抑制可能で、S/N比の悪化を防ぐことができる。またリミッタ回路をMOSトランジスタで構成しているので、回路の集積化、小型化に有利となる。さらにリミッタ回路にスタートアップ回路を併用させることにより回路のさらなる小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の焦電型赤外線検出装置の基本構成は図1に示されるように、図10に示す従来例における入力抵抗Riにリミッタ回路4を並列接続したものであり、他の構成は図10と同様であり、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
リミッタ回路4は、入力抵抗Riに並列接続して入力抵抗Riの両端の電位差を制限している。
図2は、図1の直流帰還回路3、リミッタ回路4の具体回路を示しており、直流帰還回路3は、図11に示す従来例と同様の積分回路である。
リミッタ回路4は、PMOSトランジスタTr1,Tr2が互いに逆並列接続して、入力抵抗Riに並列接続している。入力抵抗Riは一端を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、他端を演算増幅器2の反転入力端子Sinに接続しており、PMOSトランジスタTr1は、ソース端子を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、ゲート端子、ドレイン端子を反転入力端子Sinに接続し、PMOSトランジスタTr2は、ゲート端子、ドレイン端子を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、ソース端子を反転入力端子Sinに接続している。また、PMOSトランジスタTr1,Tr2の各基板端子は電源電位Vccに接続されている。このように、リミッタ回路4をPMOSトランジスタTr1,Tr2で構成することにより、集積化に有利となる。
次に、図2に示す電流電圧変換回路についてのシミュレーション結果を、図3〜図5に示す。ここで回路定数は、帰還容量Cf=10pF、入力抵抗Ri=3TΩ、コンデンサC1=10nF、抵抗R1=6GΩとしている。
図3は電源投入時、および外来ノイズ印加時の過渡解析の結果であり、図3(a)は演算増幅器2の出力端子Soutの電圧波形、図3(b)はコンデンサC2と抵抗R2との接続点Vx1の電圧波形(ハイパスフィルタの出力波形)を各々示す。そして時間t=0で、演算増幅器2,31の電源電位3V(=Vcc)、バイアス電位Vr=1.5Vを印加し、演算増幅器2の反転入力端子Sinには1Hzの正弦波からなる電流信号を時間t=0より入力し続ける。さらに、時間t=500秒(電源投入後の安定動作している状態)には、外来ノイズを想定して演算増幅器2の反転入力端子Sinに60pCの負の電荷を印加する。
そして、電源投入時は演算増幅器2の出力端子Soutの電位が正側に変動しており、図4(a)(b)に時間t=0〜16秒における各波形の拡大図を示すように、電源投入直後、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が3Vまで上昇しようとすると、出力端子Sfoに接続したPMOSトランジスタTr1のソース電位も同様に上昇する。そして、端子Sout、Sfoの電位が2V付近まで上昇すると、PMOSトランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsがしきい値(負電圧)を超えて、PMOSトランジスタTr1がオンする。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr1によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上上昇しなくなり、飽和することなく低下する。したがって、時間t=0で電源投入して1〜2秒後には入力信号に対して正常に応答している。この動作は電源投入時のみでなく、演算増幅器2の出力端子Soutの電位が正側に変動するような外来ノイズが印加された場合(例えば、演算増幅器2の反転入力端子Sinに正の電荷が与えられた場合等)も同様である。
さらに、時間t=500秒で、演算増幅器2の反転入力端子Sinに負の電荷を与える外来ノイズが印加された場合には、演算増幅器2の出力端子Soutの電位が負側に変動する。そして、図5(a)(b)に時間t=498〜505秒における各波形の拡大図を示すように、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が0Vまで下がろうとすると、出力端子Sfoに接続したPMOSトランジスタTr2のゲート電位も同様に下がる。そして、端子Sout、Sfoの電位が1V付近まで下がると、PMOSトランジスタTr2のゲート−ソース間電圧Vgsがしきい値(負電圧)を超えて、PMOSトランジスタTr2がオンする。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr2によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上下がらなくなり、飽和することなく上昇する。したがって、外来ノイズ印加後約1〜2秒後(時間t=501〜502秒)には入力信号に対して正常な応答を行う動作に復帰している。
ここで、演算増幅器2の反転入力端子Sinに電流性のノイズ成分が存在すると出力に大きく影響し、特に、PN接合の逆バイアス時に発生するリーク電流は、電流性のショットノイズ成分を有するため注意が必要である。本実施形態では、演算増幅器2の反転入力端子Sinに影響するリーク電流として、PMOSトランジスタTr1の電源電位Vccに接続した基板(N型)端子からドレイン(P型)端子を介した反転入力端子Sinへのリーク電流、およびPMOSトランジスタTr2の電源電位Vccに接続した基板(N型)端子からソース(P型)端子を介した反転入力端子Sinへのリーク電流が存在するが、このPN接合の面積は、PMOSトランジスタTr1、Tr2のソース面積が影響するので、非常に小さな面積となり、このPN接合で生じるリーク電流のショットノイズ成分は無視できる程度に抑制でき、リーク電流によるS/N比の悪化を防ぐことができる。
また、演算増幅器2の反転入力端子Sinの入力リーク電流も上記同様の理由によって小さくしなければならず、本実施形態では、内部回路をMOSトランジスタで構成した演算増幅器2を用いることで、入力リーク電流を抑制している。
なお、本実施形態ではP型のMOSトランジスタTr1,Tr2を用いて、各基板端子を電源電位Vccに接続しているが、N型のMOSトランジスタを用いる場合には、各基板端子をグランドに接続すれば同様に用いることができる。
参考例1
図6は本参考例の焦電型赤外線検出装置の構成を示しており、実施形態1の図2とはリミッタ回路4の構成のみが異なるもので、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
参考例のリミッタ回路4は、PMOSトランジスタTr1,Tr2が互いに逆並列接続して、入力抵抗Riに並列接続している。入力抵抗Riは一端を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、他端を演算増幅器2の反転入力端子Sinに接続しており、PMOSトランジスタTr1は、ドレイン端子を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、ゲート端子、ソース端子、基板端子を反転入力端子Sinに接続し、PMOSトランジスタTr2は、ゲート端子、ソース端子、基板端子を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、ドレイン端子を反転入力端子Sinに接続している。このように、リミッタ回路4をPMOSトランジスタTr1,Tr2で構成することにより、集積化に有利となる。
そして電源投入時、または正の外来ノイズ印加時に、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が3Vまで上昇しようとすると、出力端子Sfoに接続したPMOSトランジスタTr1のドレイン電位も同様に上昇する。そして、PMOSトランジスタTr1のドレイン(P型)端子から基板(N型)端子に向かって順方向のダイオード接合が形成されており、端子Sfoの電位>端子Sinの電位となる方向に一定以上の電位差が生じると、PMOSトランジスタTr1のドレイン(P型)端子−基板(N型)端子間がダイオードとして導通する。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr1によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上上昇しなくなり、飽和することなく低下する。したがって、電源投入あるいは外来ノイズを印加してから1〜2秒後には入力信号に対して正常に応答している。
また、負の外来ノイズが印加されて、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が0Vまで下がろうとすると、出力端子Sfoに接続したPMOSトランジスタTr2の基板電位も同様に下がる。そして、PMOSトランジスタTr2のドレイン(P型)端子から基板(N型)端子に向かって順方向のダイオード接合が形成されており、端子Sinの電位>端子Sfoの電位となる方向に一定以上の電位差が生じると、PMOSトランジスタTr2のドレイン(P型)端子−基板(N型)端子間がダイオードとして導通する。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr2によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上下がらなくなり、飽和することなく上昇する。したがって、外来ノイズ印加後約1〜2秒後には入力信号に対して正常な応答を行う動作に復帰している。
このような本参考例では、PMOSトランジスタTr1、Tr2の各PN接合部の特性を用いてリミッタ回路4を構成しているので、PMOSトランジスタTr1、Tr2の各トランジスタ特性を用いた場合に比べて、製造バラツキを小さくできる。
参考例2
図7は本参考例の焦電型赤外線検出装置の構成を示しており、実施形態1の図2とはリミッタ回路4の構成のみが異なるもので、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
参考例のリミッタ回路4は、PMOSトランジスタTr1が入力抵抗Riに並列接続している。入力抵抗Riは一端を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、他端を演算増幅器2の反転入力端子Sinに接続しており、PMOSトランジスタTr1は、ソース端子、基板端子を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、ドレイン端子、ゲート端子を反転入力端子Sinに接続している。このように、リミッタ回路4をPMOSトランジスタTr1で構成することにより、集積化に有利となる。
そして電源投入時、または正の外来ノイズ印加時に、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が3Vまで上昇しようとすると、出力端子Sfoに接続したPMOSトランジスタTr1のソース電位も同様に上昇する。そして、端子Sout、Sfoの電位が2V付近まで上昇すると、PMOSトランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsがしきい値(負電圧)を超えて、PMOSトランジスタTr1がオンする。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr1によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上上昇しなくなり、飽和することなく低下する。したがって、電源投入あるいは外来ノイズを印加してから1〜2秒後には入力信号に対して正常に応答している。
また、負の外来ノイズが印加されて、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が0Vまで下がろうとすると、出力端子Sfoに接続したPMOSトランジスタTr1の基板電位も同様に下がる。そして、PMOSトランジスタTr1のドレイン(P型)端子から基板(N型)端子に向かって順方向のダイオード接合が形成されており、端子Sinの電位>端子Sfoの電位となる方向に一定以上の電位差が生じると、PMOSトランジスタTr1のドレイン(P型)端子−基板(N型)端子間がダイオードとして導通する。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr1によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上下がらなくなり、飽和することなく上昇する。したがって、外来ノイズ印加後約1〜2秒後には入力信号に対して正常な応答を行う動作に復帰している。
参考例において、PMOSトランジスタTr1は、電源投入時または正の外来ノイズ印加時にはトランジスタとしてオンし、負の外来ノイズ印加時にはダイオードとしてオンして出力の飽和を防止するので、1つのMOSトランジスタで正負両方向の外来ノイズ対策が可能となり、小型化を図ることができる。また、MOSトランジスタの基板端子から演算増幅器の反転入力端子へのリーク電流を小さくでき、このリーク電流によるショットノイズ成分は無視できる程度に抑制でき、S/N比の悪化を防ぐことができる。
実施形態2
図8は本実施形態の焦電型赤外線検出装置の構成を示しており、参考例1のリミッタ回路4(図6参照)において、PMOSトランジスタTr1,Tr2に抵抗R11,R12を直列接続したもので、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
まず、抵抗R11,R12がないときに、演算増幅器2の反転入力端子Sinに1Hzと比べて非常に遅い周波数のゆらぎが入力された場合の動作について考える。この場合、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの電位もこのゆらぎに応答してゆらぎが発生するが、ゆらぎの振幅が大きいとリミッタ回路4が動作して、PMOSトランジスタTr1またはTr2がオンし、演算増幅器2の反転入力端子Sin−直流帰還回路3の出力端子Sfo間の抵抗値が急激に低下するため、出力端子Soutの出力波形に不連続が生じる。
ここで、人体検出の応用を考えた場合、人体の動きが1Hz付近を主成分とするために、後段に設けられる電圧増幅部(図示無し)においては、1Hz付近を中心に増幅する。したがって、1Hzと比べて非常に遅い周波数のゆらぎは後段の電圧増幅部で増幅されることはないので、誤報の原因となることはない。しかし、出力端子Soutの出力波形に不連続が生じると、不連続部分の変動には高周波成分が含まれるため、その高周波成分の1Hz付近の周波数成分が後段の電圧増幅部で増幅されて誤動作につながる。
そこで本実施形態では、PMOSトランジスタTr1,Tr2に直列接続された抵抗R11,R12によって、PMOSトランジスタTr1,Tr2が各々オンしたときに、演算増幅器2の反転入力端子Sin−直流帰還回路3の出力端子Sfo間の抵抗値が急激に低下することを抑制して、出力端子Soutの出力波形の不連続性を抑えている。したがって、出力端子Soutの出力波形の不連続性による誤動作を防止できる。
なお、本実施形態では参考例1のリミッタ回路4を例に説明したが、実施形態1,参考例2のリミッタ回路4の各PMOSトランジスタに抵抗を直列接続しても同様の効果を得ることができる。
実施形態3
図9は本実施形態の焦電型赤外線検出装置の構成を示しており、実施形態1の図2とはリミッタ回路4の構成のみが異なるもので、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態のリミッタ回路4は、PMOSトランジスタTr1が入力抵抗Riに並列接続している。入力抵抗Riは一端を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、他端を演算増幅器2の反転入力端子Sinに接続しており、PMOSトランジスタTr1は、ドレイン端子を直流帰還回路3の出力端子Sfoに接続し、ソース端子、基板端子を反転入力端子Sinに接続している。PMOSトランジスタTr1のドレイン端子にはスイッチ素子SWA,SWBの直列回路の一端が接続され、スイッチ素子SWA,SWBの直列回路の他端は、抵抗R3とコンデンサC3との各一端同士の接続点に接続される。抵抗R3の他端は電源電位Vccに接続され、コンデンサC3の他端はグランドに接続される。PMOSトランジスタTr1のゲート端子は、スイッチ素子SWA,SWBの接続点に接続される。
そして、電源投入直後は、スイッチ素子SWAはオフし、スイッチ素子SWBはオンする。スイッチ素子SWBがオンした直後はコンデンサC3には電荷が充電されていない状態であり、PMOSトランジスタTr1のゲート信号はLレベルであるので、PMOSトランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsがしきい値(負電圧)を超えて、PMOSトランジスタTr1がオンし、直流帰還回路3のコンデンサCfが急速に充電されて出力端子Soutの電位が急速に動作点に達する。その後、コンデンサC3が抵抗R3を介して電位Vccにまで充電されるにつれて、PMOSトランジスタTr1のゲート電位も上昇し、抵抗R3とコンデンサC3との時定数で決定される所定時間後にPMOSトランジスタTr1はオフする。
その後、スイッチ素子SWAがオン、スイッチ素子SWBがオフに切り換わり、PMOSトランジスタTr1のドレイン端子とゲート端子とがスイッチ素子SWAを介して接続される。そして、正の外来ノイズ印加時に、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が3Vまで上昇しようとすると、出力端子Sfoに接続したPMOSトランジスタTr1のドレイン電位も同様に上昇するので、PMOSトランジスタTr1のドレイン(P型)端子−基板(N型)端子間がダイオードとして導通する。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr1によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上上昇しなくなり、飽和することなく低下する。したがって、外来ノイズ印加後約1〜2秒後には入力信号に対して正常な応答を行う動作に復帰している。
また、負の外来ノイズが印加されて、演算増幅器2の出力端子Soutおよび直流帰還回路3の出力端子Sfoの各電位が0Vまで下がろうとすると、出力端子Sfoにスイッチ素子SWAを介して接続したPMOSトランジスタTr1のゲート電位も同様に下がる。そして、端子Sout、Sfoの電位が1V付近まで下がると、PMOSトランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsがしきい値(負電圧)を超えて、PMOSトランジスタTr1がオンする。入力抵抗Riの両端がPMOSトランジスタTr1によって短絡されると、端子Sout、Sfoの各電位はそれ以上下がらなくなり、飽和することなく上昇する。したがって、外来ノイズ印加後約1〜2秒後には入力信号に対して正常な応答を行う動作に復帰している。
このように、電源投入時にコンデンサCfを急速に充電させるスタートアップ回路を備えることで電源投入から回路動作が安定するまでの時間をさらに短くすることができ、また、リミッタ回路4にスタートアップ回路を併用させることにより回路の小型化を図ることができる。
なお、実施形態1、参考例1,2においても、電源投入時にリミッタ回路4が備えるMOSトランジスタを所定期間導通させて、コンデンサCfを急速に充電させるスタートアップ回路を設ければ上記同様の効果を得ることができる。
また、実施形態1〜3、参考例1,2においてトランジスタTr1、Tr2はPMOSを用いているが、NMOSを用いてもよい。さらに、リミッタ回路4をトランジスタではなく、ダイオードで構成してもよい。
本発明の焦電型赤外線検出装置を示す概略回路図である。 本発明の実施形態1の焦電型赤外線検出装置を示す具体回路図である。 同上の波形図であり、(a)は演算増幅器の出力波形、(b)はハイパスフィルタの出力波形を示す。 同上の波形図における電源投入時の拡大図であり、(a)は演算増幅器の出力波形、(b)はハイパスフィルタの出力波形を示す。 同上の波形図における外来ノイズ印加時の拡大図であり、(a)は演算増幅器の出力波形、(b)はハイパスフィルタの出力波形を示す。 本発明の参考例1の焦電型赤外線検出装置を示す具体回路図である。 本発明の参考例2の焦電型赤外線検出装置を示す具体回路図である。 本発明の実施形態2の焦電型赤外線検出装置を示す具体回路図である。 本発明の実施形態3の焦電型赤外線検出装置を示す具体回路図である。 従来の焦電型赤外線検出装置を示す概略回路図である。 同上の具体回路図である。 同上の波形図であり、(a)は演算増幅器の出力波形、(b)はハイパスフィルタの出力波形を示す。 同上の波形図における電源投入時の拡大図であり、(a)は演算増幅器の出力波形、(b)はハイパスフィルタの出力波形を示す。 同上の波形図における外来ノイズ印加時の拡大図であり、(a)は演算増幅器の出力波形、(b)はハイパスフィルタの出力波形を示す。
1 焦電素子
2 演算増幅器
3 直流帰還回路
4 リミッタ回路
Cf 帰還容量
Ri 入力抵抗
Vr バイアス電位

Claims (2)

  1. 熱線感知時に電流信号を発生する焦電素子と、第1のコンデンサからなる交流帰還回路、および直流帰還回路と第1の抵抗素子との直列回路を入出力間に接続した演算増幅器で構成されて前記電流信号を電圧信号に変換して出力する電流電圧変換回路とを備え、
    交流帰還回路を演算増幅器の出力端子−反転入力端子間に接続し、直流帰還回路の一端を演算増幅器の出力側に接続し、第1の抵抗素子を直流帰還回路の他端−演算増幅器の反転入力端子間に接続し、焦電素子を演算増幅器の反転入力端子に接続して、
    リミッタ回路は、ソース端子を第1の抵抗素子の一端に接続し、ゲート端子、ドレイン端子を第1の抵抗素子の他端に接続した第1のMOSトランジスタと、ゲート端子、ドレイン端子を第1の抵抗素子の一端に接続し、ソース端子を第1の抵抗素子の他端に接続した第2のMOSトランジスタとから構成され、第1、第2のMOSトランジスタがP型の場合は各基板端子を電源電位に接続し、第1、第2のMOSトランジスタがN型の場合は各基板端子をグランドに接続し、
    電源電位とグランドとの間に接続された第2の抵抗素子と第2のコンデンサとの直列回路と、第1,第2のMOSトランジスタのうち少なくともいずれか一方のMOSトランジスタのゲート端子とドレイン端子との間に接続された第1のスイッチ素子と、第2の抵抗素子および第2のコンデンサの接続中点と前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタのゲート端子との間に接続された第2のスイッチ素子を有して、電源投入後、第1のスイッチ素子がオフ、第2のスイッチ素子がオンして、前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタがオンし、第2のコンデンサの充電電圧によって前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタがオフした後、第1のスイッチ素子がオン、第2のスイッチ素子がオフすることによって、前記少なくともいずれか一方のMOSトランジスタを、電源投入時に所定期間導通させる
    ことを特徴とする焦電型赤外線検出装置。
  2. 前記リミッタ回路の各MOSトランジスタに第3の抵抗素子を各々直列接続したことを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検出装置。
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