JP4820009B2 - 梨地模様付合成樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、梨地模様付合成樹脂シート、さらに詳しくは、機械的強度に優れ、かつ、装飾性の高い合成樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、あるいは、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂は、安価で透明性、耐候性に優れていることからフィルム状体として、工場、オフィス等の仕切、機器のカバー等広くの分野で使用されている。
【0003】
工場、オフィスの仕切等に使用するためには内部が暗くならないように適度の光透過性を必要とし、また、仕切効果を得るためには不透明性が要求されると共に装飾性に優れたものであることが要求される。
【0004】
また、熱可塑性合成樹脂は、引張り力が作用すると伸長し、寸法安定性に乏しいこと、引裂き強度が低いために局部的な傷がついて裂け目が生じると簡単にその裂け目が拡大して破断する問題がある。このため、フィルム状体の補強及び装飾性を目的として糸状体を介在せしめた合成樹脂シートが開発されている。
【0005】
例えば、ポリ塩化ビニルのシート内にポリエステル等の繊維を縦横方向に埋め込んだ補強シートが開発されている。しかし、これらのシートは、透明シート中に縦横に配設された糸によって網目構造が形成されたものであり、その変化は狭い範囲に限られ、装飾性の高いシートを自由に製造することはできない問題があった。
【0006】
このため、強度に優れ、装飾性に優れた合成樹脂製のシートの開発が要請されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、機械的強度、寸法精度に優れると共に装飾性が高い合成樹脂製のシートを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために鋭意検討をした結果なされたもので、一軸延伸された熱可塑性樹脂のフラットヤーンを交差して形成された布状体と熱可塑性樹脂のフィルム状体とが積層されてなり、前記布状体が、幅1.0〜10mmのフラットヤーンを1.0〜20mmの間隔で配設され、前記布状体とフィルム状体の双方が、ポリオレフィンからなり、フラットヤーンとフィルム状体の添着部が透明で、フラットヤーンの間隙部が梨地とされてなり、フラットヤーンの幅に対してフラットヤーンの間隔を大としてなることを特徴とする梨地模様付合成樹脂シートを提供するものである。
【0010】
さらにまた、本発明は、溶融した熱可塑性樹脂のフィルム状体に、一軸延伸された熱可塑性樹脂のフラットヤーンを交差して形成された布状体を重ね合わせると共に、布状体側から表面が梨地加工されたロールで押圧することにより、前記布状体が、幅1.0〜10mmのフラットヤーンを1.0〜20mmの間隔で配設され、前記布状体とフィルム状体の双方がポリオレフィンからなり、フラットヤーンとフィルム状体の添着部が透明で、フラットヤーンの間隙部を梨地とし、フラットヤーンの幅に対してフラットヤーンの間隔を大としてなることを特徴とする梨地模様付合成樹脂シートの製造方法を提供するものである。
【0011】
また本発明は、溶融した熱可塑性樹脂フィルム状体を平滑な金属ロール上に供給し、その上に布状体を重ねると共に表面が梨地加工された弾性体ロールで押圧する上記の梨地模様付合成樹脂シートの製造方法、及び、布状体とフィルム状体の双方がポリオレフィンからなる上記の梨地模様付合成樹脂シートの製造方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明梨地模様付合成樹脂シート1は、図1(A)、(B)に示すように、一軸延伸された熱可塑性樹脂のフラットヤーン3a、3bが交差されて得られた布状体2の一方の面に、熱可塑性樹脂のフィルム状体4が積層されて形成される。
【0013】
フラットヤーン3を形成する合成樹脂としては、延伸効果の大きい熱可塑性樹脂が好ましく、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルアミド等を用いることができる。
【0014】
フラットヤーン3を形成する熱可塑性合成樹脂には、必要に応じて各種の添加材を配合することができ、例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;ヒドラジン系、アミンアシド系等の金属不活性剤;含臭素有機系、リン酸系等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;有機充填剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等を添加することができる。
【0015】
これら成分は必要に応じて適宜配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の押出機等の通常の混合又は混練機にて混合あるいは溶融混練された後フィルム状に成形される。成形方法としては、Tダイによる押出し成形法、あるいは、インフレーション成形法を採用することができる。
【0016】
フラットヤーン3は、図1(B)に示すように、熱可塑性樹脂の単層体であってもよく、また、図2に示すように、基層となる熱可塑性樹脂3a、3bの片面又は両面に融点の低い熱可塑性樹脂からなる表層5、5を積層した積層体を用いることができる。
【0017】
融点の低い熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルアミド等を使用することができ、基層となる熱可塑性樹脂との関係でより融点が低いものが選択される。
【0018】
成形されたフィルム状体は、所定幅にスリットした後で、あるいは、スリットする前に、延伸装置を用いて縦方向に延伸される。
【0019】
延伸方法としては、熱ロールによる延伸、熱板による延伸、熱風循環オーブンによる延伸等によって行なうことができる。延伸倍率は、3〜12倍、好ましくは5〜10倍程度が適当である。
【0020】
延伸されたフィルム状体は、必要に応じてスリットされてフラットヤーン3が形成される。フラットヤーン3の幅は、後述する割布の場合を除いて、一般に、0.5〜30mm、好ましくは1.0〜10mm程度とされ、繊度が50〜20000デシテックス、好ましくは80〜10000デシテックス程度とされる。
【0021】
得られたフラットヤーン3は縦横に交差されて布状体2が形成される。布状体2は、図1に示すように、フラットヤーン3を平織、綾織等の織布とし、必要に応じて交点を接着することによって形成することができる。
【0022】
また、図2に示すように、フラットヤーン3aを一方向に並列し、その上に交差するようにフラットヤーン3bを並列し、必要に応じて交点を接着することによってソフとして使用することができ、さらに、図3(A)に示すように、平打組として用いることができる。交点の接着はホットメルト型接着剤を用いて行なうことができ、また、図2に示すように、低融点熱可塑性樹脂からなる表層5が積層されたフラットヤーン3を使用するときは、熱ロールで圧着することによって行なうことができる。
【0023】
フラットヤーン3は平坦な状態で間隔を置いて配設される。フラットヤーン3の間隔は、0.5〜50mm、好ましくは1.0〜20mm程度が適当である。
【0024】
また、フラットヤーン3としては、縦方向に多数の切れ込みを入れた割布を用いることができ、図3(B)に示すように、これを横に広げて網目構造としたフラットヤーン3を縦横に組合せて、あるいは、割布と切れ込みのないフラットヤーン3bとを縦横に組合せて布状体2とすることができる。割布を用いるときは、網目構造を形成する各繊維が織布の場合のフラットヤーン3に相当するから、割布自体は広幅とすることができる。さらに、必要に応じて、フラットヤーン3を斜めに交差させたり、織布、ソフ、割布に斜め方向にフラットヤーン3を配設することもできる。
【0025】
得られた布状体2の一方の面には熱可塑性樹脂のフィルム状体4が積層され、フラットヤーン3の間隙部が梨地とされる。フィルム状体4を形成する熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等を用いることができる。
【0026】
特に、使用済みシートの回収、再生の観点から、フラットヤーンを形成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂を用いることが望ましく、特にフラットヤーン3とフィルム状体4の双方をポリオレフィンで形成することが好ましい。
【0027】
また、フィルム状体4を構成する熱可塑性樹脂には、目的に応じて他の配合物を添加することができ、また、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤分散剤、塩素補足剤、滑剤、難燃剤、顔料、抗菌剤等を添加することもできる。
【0028】
布状体2にフィルム状体4を積層し、フラットヤーン3の間隙部を梨地とする方法としては、表面が梨地加工されたロールと表面が平滑なロール間に布状体2とフィルム状体4を供給して、布状体2側から梨地加工されたロールで押圧することによって行なうことができる。ロール間で押圧するシートは、布状体2とフィルム状体4とが予め積層されたものであってもよいが、一般には、布状体2とフィルム状体4とをそれぞれ供給し、積層と同時に梨地加工が行なわれる。
【0029】
フィルム状体4の積層は、Tダイから押出された溶融樹脂フィルムを供給する押出しラミ方式、成形冷却されたフィルムを熱ロール、熱板等で再加熱して供給するサーマルラミ方式を採用することができる。また、押圧する際、加熱されたロールを用いるときは冷却されたフィルムを直接供給してドライラミ方式によって積層することも可能である。
【0030】
押圧ロールは、特に制限するものではないが、金属ロールと弾性体ロールを組合せて使用するのが一般的である。また、金属ロールと弾性体ロールのいずれ側を梨地加工してもよい。
【0031】
好ましい手段としては、例えば、図4に示すように、金属ロール6と弾性体ロール7を対向して配設し、布状体2を金属ロール6と弾性体ロール7の間に供給する。金属ロール6の表面は平滑面とされ、弾性体ロール7の表面は梨地加工がなされる。
【0032】
供給された布状体2と金属ロール6との間には、Tダイ8から溶融された熱可塑性樹脂フィルム状体4を供給し、布状体2側から弾性体ロール7で押圧して布状体2とフィルム状体4を熱圧着することによって積層される。
【0033】
布状体2側から弾性体ロール7で押圧することによって、布状体2を構成するフラットヤーン3の間隙部は弾性体ロール7の梨地模様が転写されてフィルム状体4が梨地となり、フィルム状体4のフラットヤーン3が添着された部分はフラットヤーン3が遮蔽するために梨地が転写されずに残って透明となる。
【0034】
従って、フラットヤーン3を縦横に交差させて織布又はソフとしたときは、図1に示すように、方形の梨地部が間隔をおいて縦横に配列し、その間が透明なシートが得られる。縦方向の切れ目を多数入れた割布を用いるときは、切れ目の入れ方、その開き具合によって複雑な模様を形成することができる。
【0035】
布状体の一方の面に積層されるフィルム状体4の厚みは、10〜300μm、好ましくは30〜200μmが適当である。
【0036】
本発明合成樹脂シート1は、オフィス、工場等の仕切りカーテン、レジン袋、肥料袋等の包装袋、農業ハウス、簡易ハウス、ショッピングバッグ、書類用バッグ等広範囲の分野に使用することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、かかる構成からなるから、機械的強度、寸法精度に優れると共に装飾性の高い熱可塑性合成樹脂製シートが得られる。
【0038】
【実施例】
(実施例1〜
基層となる高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、密度0.952g/cm3、MFR0.5g/10分)の両面に、表層材料となる高圧法低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、密度0.925g/cm3、MFR4g/10分)を重ねて、インフレーション成形法によって三層の積層フィルムを成形した。
【0039】
レザーを用いて得られたフィルムを一定幅にスリットした後、オーブン方式によって温度110℃で7倍に延伸し、次いで、温度120℃の熱風循環オーブン内で6%の弛緩処理を行ない、肉厚構成比が10:80:10の表1に示す繊度、幅のフラットヤーンを得た。
【0040】
得られたフラットヤーンを織機を用いて表1に示すように織成し、織成された布状体の片面に、図4に示す装置を用いて、メタロセン系触媒を用いて製造したエチレン・α−オレフィン共重合体系低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製 密度0.906g/cm3、MFR11g/10分)を押出しラミネーション法によって積層した。
【0041】
得られた合成樹脂製シートについて光線透過率とHAZEを測定した。その結果は表1の通りであり、全体的に不透明で、フラットヤーンの添設部は透明なシートが得られた。
【0042】
(比較例1)
表面が平滑で梨地模様加工のされていない金属ロールと弾性体ロールを用いて、布状体の片面に低密度ポリエチレンをラミした以外は実施例1と同様に実験をして光線透過率とHAZEを測定した。その結果は表1の通りであり、全体的に透明なシートとなった。
【0043】
【表1】
Figure 0004820009

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合成樹脂シートの例を示す(A)は平面図、(B)は縦断面図
【図2】本発明合成樹脂シートの他の例を示す縦断面図
【図3】布状体の他の例を示す平面図
【図4】本発明合成樹脂シートの製造方法を示す説明図
【符号の説明】
1:合成樹脂シート
2:布状体
3:フラットヤーン
4:フィルム状体
5:表層
6:金属ロール
7:弾性体ロール
8:Tダイ

Claims (3)

  1. 一軸延伸された熱可塑性樹脂のフラットヤーンを交差して形成された布状体と熱可塑性樹脂のフィルム状体とが積層されてなり、前記布状体が、幅1.0〜10mmのフラットヤーンを1.0〜20mmの間隔で配設され、前記布状体とフィルム状体の双方が、ポリオレフィンからなり、フラットヤーンとフィルム状体の添着部が透明で、フラットヤーンの間隙部が梨地とされてなり、フラットヤーンの幅に対してフラットヤーンの間隔を大としてなることを特徴とする梨地模様付合成樹脂シート。
  2. 溶融した熱可塑性樹脂のフィルム状体に、一軸延伸された熱可塑性樹脂のフラットヤーンを交差して形成された布状体を重ね合わせると共に、布状体側から表面が梨地加工されたロールで押圧することにより、前記布状体が、幅1.0〜10mmのフラットヤーンを1.0〜20mmの間隔で配設され、前記布状体とフィルム状体の双方がポリオレフィンからなり、フラットヤーンとフィルム状体の添着部が透明で、フラットヤーンの間隙部を梨地とし、フラットヤーンの幅に対してフラットヤーンの間隔を大としてなることを特徴とする梨地模様付合成樹脂シートの製造方法。
  3. 溶融した熱可塑性樹脂のフィルム状体を平滑な金属ロール上に供給し、その上に布状体を重ねると共に布状体の上から表面が梨地加工された弾性体ロールで押圧する請求項2に記載の梨地模様付合成樹脂シートの製造方法。
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