JP4836363B2 - レジストパターンの形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジストパターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レジストパターンは、一般に被エッチング基板にレジスト膜を形成し、このレジスト膜に所望の波長を有する光を用いてパターン露光し、現像処理して露光部(ポジ型レジストの場合)または未露光部(ネガ型レジストの場合)を選択的に溶解除去することにより形成される。
【0003】
このようなレジストパターンの解像限界は、光の回折の影響により露光時の光波長の1/2程度と考えられている。このため、微細なレジストパターンを形成するには波長の短い光を使用して露光することが考えられる。しかしながら、短波長化に伴って露光時のレジスト膜に対する焦点深度が浅くなるため、厚いレジスト膜に対する露光マージンが低下してパターン露光に忠実な高精度のレジストパターンの形成が困難になる。
【0004】
このようなことから、レジスト膜を積層構造にした多層レジスト法が提案されているが、レジストパターンを形成するための工程数が増加するという問題があった。
【0005】
前記問題を解決するために特許第2549317号には、単一のレジスト膜の表面をシリル化してそのシリル化層をパターニングし、さらに残存したシリル化層をマスクとして下層のレジスト膜部分を酸素プラズマにより除去してレジストパターンを形成する方法が開示されている。この方法を以下に詳述する。
【0006】
まず、基板上にポリメチルペンテンスルフォンのような感光剤およびノボラック樹脂のような水酸基を持つポリマーを含むレジストを塗布、乾燥してレジスト膜を形成する。このレジスト膜を例えばヘキサメチルジシラザンのようなシリコン含有化合物の気相に接触させて前記レジスト膜表面と反応させてシリル化層を形成する。つづいて、このレジスト膜のシリル化層に電子線のような電離放射線を選択的に照射してパターン露光する。この時、露光部において前記シリル化層に存在する感光剤が分解してアルカリ現像液に可溶な分解生成物を生じる。ひきつづき、水酸化テトラメチルアンモニウムのようなアルカリ現像液で処理することにより前記シリル化層の露光部が選択的に溶解除去される。次いで、酸素を含むガスのドライエッチング(例えば酸素リアクティブイオンエッチング;酸素RIE)を行う。この時、前記アルカリ現像により残存したシリル化層が酸素RIEのマスクとして作用するため、前記シリル化層が溶解除去されたレジスト膜の露光部がエッチング除去されて表面にシリル化層を有するレジストパターンが形成される。
【0007】
以上、前述した特許第2549317号の発明において、酸素RIEのマスクとして作用するシリル化層(シリル化パターン)の形成は感光剤を含むレジスト膜表面にシリル化層を形成する工程、パターン露光によりシリル化層に存在する感光剤が分解してアルカリ現像液に可溶な分解生成物を生じさせる工程、アルカリ現像によりシリル化層の露光部を選択的に溶解除去する工程によってなされる。
【0008】
なお、特許第2549317号の発明にはポリフタル酸アルデヒド(溶解抑止剤)およびオムニウム塩(光酸発生剤)を含む化学増幅型レジストが記載されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレジストパターンの形成方法は、被エッチング基板に水酸基を持つポリマーおよび光酸発生剤を含むポジ型の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をシリコン元素を含む化合物と気相中または液相中で反応させて前記レジスト膜表面の前記ポリマーをシリル化する工程と、
シリル化された前記レジスト膜にディープ紫外光または電離放射線を選択的に照射して露光する工程と、
前記露光後の前記レジスト膜を水蒸気雰囲気中で加熱して前記レジスト膜表面の露光部においてシリル化されたポリマーを脱シリル化する工程と、
前記レジスト膜をアルカリ現像液による湿式現像して前記露光部を所望深さ選択的に除去する工程と、
シリル化されたポリマーが残存する未露光部をマスクとして前記露光部に位置するレジスト膜部分をさらに酸素含有ガスを用いたドライエッチングにより除去する工程と
を具備したことを特徴とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレジストパターンの形成方法は、被エッチング基板に水酸基を持つポリマーおよび光酸発生剤を含むポジ型の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をシリコン元素を含む化合物と気相中または液相中で反応させて前記レジスト膜表面の前記ポリマーをシリル化する工程と、
シリル化された前記レジスト膜にディープ紫外光または電離放射線を選択的に照射して露光する工程と、
前記露光後の前記レジスト膜を水蒸気雰囲気中で加熱して前記レジスト膜表面の露光部においてシリル化されたポリマーを脱シリル化する工程と、
前記レジスト膜を現像して前記露光部を所望深さ選択的に除去する工程と、
シリル化されたポリマーが残存する未露光部をマスクとして前記露光部に位置するレジスト膜部分をさらに酸素含有ガスを用いたドライエッチングにより除去する工程と
を具備したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るレジストパターンの形成方法を詳細に説明する。
【0012】
(第1工程)
まず、被エッチング基板に水酸基を持つポリマーおよび光酸発生剤を含むポジ型の化学増幅型レジストの溶液を塗布し、乾燥することによりレジスト膜を形成する。つづいて、このレジスト膜をシリコン元素を含む化合物と気相中または液相中で反応(シリル化)させて前記レジスト膜表面の前記ポリマーをシリル化する。
【0013】
前記被エッチング基板としては、例えばシリコン基板、化合物半導体基板、ガラス基板、またはこれら基板上に各種金属、半導体およびそれらの酸化物、窒化物などの膜を形成した構造のものを挙げることができる。
【0014】
前記ポジ型の化学増幅型レジストとしては、例えばノボラック樹脂、ポリビニルフェノール、水酸基を置換基として持つ脂肪族、脂環族のポリマー(例えば、アルコールのポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステル)、およびこれらを含んだ共重合体やブレンドポリマー等の水酸基を持つポリマーと、トリフェニルスルフォニウム6フッ化アンチモン(TPS−SbF6)、ジフェニルヨウドニウム塩(DPIPF6)等の光酸発生剤とを含む組成を有する。
【0015】
前記気相で用いるシリコン元素を含む化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン(HMCTS)、トリメチルシリルジメチルアミン(TMSDMA)、トリメチルシリルジエチルアミン(TMSDEA)、ジメチルシリルジメチルアミン(DMSDMA)、1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ビスディシエチレン(TMDDS)、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン(HMCTS)、トリメチルシリルクロライド(TMSC)等を挙げることができる。
【0016】
前記液相で用いるシリコン元素を含む化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン(HMCTS)、ビスジメチルアミノジメチルシラン(B[DMA]DMS)、ビスジメチルアミノメチルシラン(B[DMA]MS)、トリメチルシリルクロライド(TMSC)等を挙げることができる。
【0017】
前記シリコン元素を含む化合物を液相で前記レジスト膜と反応させるには、例えばスプレーする方法、ディッピング法を採用することができる。
【0018】
前記シリル化されるレジスト膜の厚さは、特に限定されないが、1μm程度のレジスト膜を用いた場合、100〜200nmにすることが好ましい。
【0019】
(第2工程)
シリル化された前記レジスト膜にディープ紫外光(deepUV光)または電離放射線を選択的に照射して露光(パターン露光)した後、このレジスト膜を水蒸気雰囲気中で加熱して前記レジスト膜表面の露光部においてシリル化されたポリマーを脱シリル化する。
【0020】
前記電離放射線としては、例えば真空紫外光、軟X線、電子線、イオンビーム等を挙げることができる。
【0021】
前記露光において、deepUV光、真空紫外光、軟X線はマスクを用いて行うことができるため、生産性を向上させる点で有益である。
【0022】
前記水蒸気雰囲気は、絶対湿度で100g/m3以上にするか、もしくは水蒸気分圧で19934Pa以上にすることが好ましい。
【0023】
前記加熱(一般的に基板の加熱)は、60〜130℃にすることが好ましい。この加熱温度を60℃未満にすると、前記露光部のシリル化されたポリマーを脱シリル化することが困難になる虞がある。一方、前記加熱温度が130℃を超えると脱シリル化されたポリマーのOH基のHが脱離して−O−を介して架橋が進行し、現像液に対して溶解し難くなる。このため、脱シリル化されたポリマーを有する露光部とシリル化されたポリマーを有する未露光部との間の現像液に対する溶解度差が小さくなる虞がある。
【0024】
(第3工程)
前記水蒸気加熱後のレジスト膜を現像することにより露光部を所望深さ選択的に除去する。つづいて、シリル化されたポリマーが残存する未露光部をエッチングマスクとし、酸素含有ガスを用いたドライエッチングを施して露光部に位置するレジスト膜部分をさらに選択的にエッチング除去することによりレジストパターンを形成する。
【0025】
前記現像(例えば湿式現像)により露光部を選択的に溶解除去する際、予めシリル化された表層より深いレジスト膜部分が露出するまでその露光部を溶解除去することが好ましい。
【0026】
前記湿式現像は、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムまたはアンモニアを水やアルコールで溶解したアルカリ現像液を用いて行うことができる。現像手段としては、例えばスプレー現像法、ディッピング現像法を採用することができる。
【0027】
前記酸素含有ガスとしては、例えば酸素単独、酸素とアルゴン等の不活性ガスとの混合ガス、または酸素とCO,CO2,NH3,N2O,SO2などのガスとの混合ガス等を用いることができる。
【0028】
前記酸素含有ガスを用いたドライエッチングとしては、例えば酸素をプラズマ化した雰囲気で行う酸素プラズマエッチング、または平行平板電極間で酸素をプラズマ化するとともに一方の電極に設置したレジスト膜を有する被エッチング基板に向けて酸素イオンを加速させてエッチングを行う酸素リアクティブイオンエッチング(酸素RIE)を採用することができる。
【0029】
以上説明した本発明によれば、単一のポジ型の化学増幅型レジストおよびdeepUV光や電離放射線(例えば真空紫外光、軟X線)のような短波長光を露光源として比較的厚さが厚くかつ高解像度のレジストパターンを形成することができる。
【0030】
以下、ポリビニルフェノール(ポリマー)およびジフェニルヨウドニウム塩(光酸発生剤)を含む組成のポジ型の化学増幅型レジストを例にして本発明方法の作用を具体的に説明する。
【0031】
被エッチング基板に形成された化学増幅型レジスト膜をシリコン元素を含む化合物(例えばヘキサメチルジシラザン)と気相中で反応(シリル化)させると、下記化1に示すようにポリビニルフェノールの−OH基のHが脱離して−O−にトリメチルシランが結合し、レジスト膜表面のポリマーがシリル化される。この時、化学増幅型レジストを用いることによって、レジスト膜の厚さ方向に亘るシリル化部/未シリル化部の境界のコントラストを大きくする、つまり明確な境界を形成することが可能になる。
【0032】
前記レジスト膜に例えばdeepUV光や真空紫外光をマスクを通してパターン露光すると、下記化1に示すように露光部においてレジスト膜中の光酸発生剤が分解されて酸が発生する。パターン露光後に水蒸気雰囲気中で加熱すると、露光部において下記化1に示すように発生した酸が熱と水蒸気の助けを借りて前記ポリビニルフェノールの−O−に結合されたトリメチルシランに作用して脱シリル化がなされるとともに、トリメチルシラノールが脱離される。つまり、露光部において既にシリル化されたポリマーが元のポリビニフェノールの化学構造変化する。このような露光部での脱シリル化により露光部とシリル化されたポリマーが残存する未露光部と間に大きな現像液に対する溶解度差が生じる、つまり露光部が溶解し易い状態に化学構造変化がなされる。
【0033】
【化1】
【0034】
前記脱シリル化後に例えば水酸化テトラメチルアンモニウムのような現像液で湿式現像することにより露光部を所望深さ(好ましくはシリル化された層に相当する深さ)選択的に溶解除去する。この後、酸素含有ガスを用いたドライエッチングを施すことにより、シリル化されたポリマーが残存する未露光部がエッチングマスクとして作用し、このマスクから露出するレジスト膜部分が選択的にエッチング除去されてレジストパターンを形成することができる。
【0035】
このようなレジストパターンの形成において、脱シリル化後に湿式現像して露光部を所望深さ(好ましくはシリル化された層に相当する深さ)選択的に溶解除去することが必要である。これは、脱シリル化後に湿式現像を行わずに酸素含有ガスを用いたドライエッチングを施すと、脱シリル化されたポリマーを有する露光部とシリル化されたポリマーが残存する未露光部とのエッチング選択比を十分にとることが困難になるからである。
【0036】
事実、前記酸素含有ガスを用いたドライエッチング(例えば酸素RIE)によるエッチング時間に対するシリル化されたポリマーが表面に存在するレジスト膜および未シリル化ポリマーが表面に存在するレジスト膜のエッチング深さを図1に示す。なお、図1中のaは未シリル化ポリマーが表面に存在するレジスト膜のエッチング特性線、bはシリル化されたポリマーが表面に存在するレジスト膜のエッチング特性線である。この図1からエッチング時間を約20分間から約40分間に設定することによりシリル化されたポリマーが表面に存在する層がエッチングにより消滅することなくエッチングマスクとして作用し、露光部に位置する厚さ1μm(1000nm)程度の未シリル化されたレジスト膜をエッチング除去できることがわかる。つまり、酸素RIEにおいてシリル化されたポリマーが残存する未露光部は十分なエッチングマージンを取ることができる。
【0037】
したがって、本発明によれば単一のポジ型の化学増幅型レジストからdeepUV光や電子線のような短波長の光を露光源として用いて比較的厚さが厚く、かつ露光時のパターンに忠実な高解像度のレジストパターンを形成することができる。
【0038】
なお、前記パターン露光後に単に加熱処理する(乾燥雰囲気で加熱処理する)と、ポリマーの−O−に結合されたトリメチルシラン基とH基の置換反応(脱シリル化反応)が十分になされず、ポリマーが−O−を介して架橋反応を生じ、露光部の現像液に対する溶解性が低下する。その結果、高解像度のレジストパターンの形成が困難になる。
【0039】
【実施例】
以下、好ましい実施例を図2および図3を参照して詳細に説明する。
【0040】
(実施例1)
まず、ポリビニルフェノール(ポリマー)およびジフェニルヨウドニウム塩(光酸発生剤)をジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解してポジ型の化学増幅型レジスト溶液を調製した。つづいて、このレジスト溶液を図2の(A)に示すように基板1上に塗布し、乾燥して厚さ1μmのポジ型レジスト膜2を形成した。この後、前記レジスト膜を70℃、10分間ベークした。
【0041】
プレート状ヒータを内蔵し、外周にヒータが配置された排気部を有するチャンバを用意し、このチャンバ内のプレート状ヒータ上に前記レジスト膜被覆基板を設置した。つづいて、前記ヒータおよびプレート状ヒータを加熱して前記チャンバ内および前記基板をそれぞれ70℃に加熱し、前記排気部を通して前記チャンバ内を真空排気した後、シリコン含有化合物であるヘキサメチルジシラザン(HMDS)を前記チャンバ内に85〜100mTorrになるまで導入した。前記レジスト膜を20〜40分間HMDSの雰囲気に曝してそのレジスト膜表面でHMDSと反応させることにより、図2の(B)に示すようにレジスト膜2表面にポリビニルフェノールがシリル化された厚さ50〜80nmのシリル化層3を形成した。
【0042】
次いで、前記基板を前記チャンバから取出し、図2の(C)に示すようにこの基板1上のレジスト膜のシリル化層3にdeepUV光を露光用マスク4を通して7mJ/cm2の露光量でパターン露光を行った。この時、前記シリル化層3の露光部に存在する光酸発生剤から酸が発生して酸発生部5が前記レジスト膜2に形成された。つづいて、このレジスト膜を80〜130℃、水蒸気雰囲気(絶対湿度130g/m3以上)下で5〜20分間加熱処理することにより、図3の(D)に示すように露光部である酸発生部を脱シリル化して脱シリル化層6を形成した。
【0043】
次いで、前記レジスト膜を1.5〜2.0%濃度の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像処理することにより脱シリル化層6を選択的に溶解除去することにより露光部が除去された。この時、図3の(E)に示すようにシリル化されたポリマーが残存する未露光部7間の溶解部8の段差は300nmより小さかった。つづいて、酸素をプラズマ化し、その酸素イオンを加速させる酸素リアクティブイオンエッチングを施した。この時、シリル化されたポリマーが残存する未露光部7が酸素RIEのマスクとして作用するため、前記脱シリル化層が溶解除去されたレジスト膜2の露光部がエッチング除去されて図3の(F)に示すようにレジストパターン9が形成された。
【0044】
得られたレジストパターンは、露光時のパターンに忠実な高解像度を有するものであった。
【0045】
また、シリル化層を有するレジスト膜をdeepUV光でパターン露光するに際し、7mJ/cm2の露光量で現像後のレジスト膜溶解部の段差を300nm以下とすることができるため、通常のエキシマレジストの感度(10〜20mJ/cm2)に比較しても十分な感度を有するものであった。
【0046】
(実施例2)
まず、ポリビニルフェノール(ポリマー)およびトリフェニルスルホニウム塩(光酸発生剤)をジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解してポジ型の化学増幅型レジスト溶液を調製した。つづいて、このレジスト溶液を前述した図2の(A)と同様、基板1上に塗布し、乾燥して厚さ1μmのポジ型レジスト膜2を形成した。この後、前記レジスト膜を70℃、10分間ベークした。
【0047】
シリコン含有化合物であるヘキサメチルシクロシリシラザン(HMCTS)、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびn−デカンからなるシリル化溶液に前記レジスト膜を有する基板を2分間浸漬し、そのレジスト膜表面でHMCTSと反応させた後、n−デカン中で4分間ずつ2回リンスすることにより、前述した図2の(B)と同様、レジスト膜2表面にポリビニルフェノールがシリル化された厚さ100〜210nmのシリル化層3を形成した。なお、前記シリル化操作は乾燥窒素が満たされたドライボックス中で実施した。
【0048】
次いで、前記基板を前記ドライボックスから取出し、前述した図2の(C)と同様、この基板1上のレジスト膜のシリル化層3にdeepUV光を露光用マスク4を通して5mJ/cm2の露光量でパターン露光を行った。この時、前記シリル化層3の露光部に存在する光酸発生剤から酸が発生して酸発生部5が前記レジスト膜2に形成された。つづいて、このレジスト膜を120℃、水蒸気雰囲気(絶対湿度130g/m3以上)下で5〜20分間加熱処理することにより、前述した図3の(D)と同様、露光部である酸発生部を脱シリル化して脱シリル化層6を形成した。
【0049】
次いで、前記レジスト膜を1.5〜2.0%濃度の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像処理することにより脱シリル化層6を選択的に溶解除去することにより露光部が除去された。この時、前述した図3の(E)と同様、シリル化されたポリマーが残存する未露光部7間の溶解部8の段差は200nmであった。つづいて、酸素をプラズマ化し、その酸素イオンを加速させる酸素リアクティブイオンエッチングを施した。この時、シリル化されたポリマーが残存する未露光部7が酸素RIEのマスクとして作用するため、前記脱シリル化層が溶解除去されたレジスト膜2の露光部がエッチング除去されて前述した図3の(F)と同様、レジストパターン9が形成された。
【0050】
得られたレジストパターンは、露光時のパターンに忠実な高解像度を有し、かつ電子素子基板をドライエッチングで加工するのに必要な十分な耐性と1μm以上の厚さを有するものであった。
【0051】
(実施例3)
まず、ポリビニルフェノール(ポリマー)およびトリフェニルスルホニウム塩(光酸発生剤)をジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解してポジ型の化学増幅型レジスト溶液を調製した。つづいて、このレジスト溶液を前述した図2の(A)と同様、基板1上に塗布し、乾燥して厚さ1μmのポジ型レジスト膜2を形成した。この後、前記レジスト膜を70℃、10分間ベークした。
【0052】
シリコン含有化合物であるテトラメチルジシラザン(TMDS)、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびn−デカンからなるシリル化溶液に前記レジスト膜を有する基板を2分間浸漬し、そのレジスト膜表面で前記TMDSと反応させた後、n−デカン中で4分間ずつ2回リンスすることにより、前述した図2の(B)と同様、レジスト膜2表面にポリビニルフェノールがシリル化された厚さ100〜250nmのシリル化層3を形成した。なお、前記シリル化操作は乾燥窒素が満たされたドライボックス中で実施した。
【0053】
次いで、前記基板を前記ドライボックスから取出し、前述した図2の(C)と同様、この基板1上のレジスト膜のシリル化層3にdeepUV光を露光用マスク4を通して5mJ/cm2の露光量でパターン露光を行った。この時、前記シリル化層3の露光部に存在する光酸発生剤から酸が発生して酸発生部5が前記レジスト膜2に形成された。つづいて、このレジスト膜を120℃、水蒸気雰囲気(絶対湿度130g/m3以上)下で5〜20分間加熱処理することにより、前述した図3の(D)と同様、露光部である酸発生部を脱シリル化して脱シリル化層6を形成した。
【0054】
次いで、前記レジスト膜を1.5〜2.0%濃度の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で現像処理することにより脱シリル化層6を選択的に溶解除去することにより露光部が除去された。この時、前述した図3の(E)と同様、シリル化されたポリマーが残存する未露光部7間の溶解部8の段差は200nmであった。つづいて、酸素をプラズマ化し、その酸素イオンを加速させる酸素リアクティブイオンエッチングを施した。この時、シリル化されたポリマーが残存する未露光部7が酸素RIEのマスクとして作用するため、前記脱シリル化層が溶解除去されたレジスト膜2の露光部がエッチング除去されて前述した図3の(F)と同様、レジストパターン9が形成された。
【0055】
得られたレジストパターンは、露光時のパターンに忠実な高解像度を有し、かつ電子素子基板をドライエッチングで加工するのに必要な十分な耐性と1μm以上の厚さを有するものであった。
【0056】
なお、シリル化工程でヘキサメチルシクロシリシラザン(HMCTS)を用いる実施例2では酸素リアクティブイオンエッチングの後に残渣を生じる傾向がある。これは、HMCTSでは構造中のSiに2つの窒素原子(N)が結合されているため、ポリビニルフェノール分子鎖同士を架橋させてしまい、湿式現像され難くなるものと考えられる。これに対し、実施例3ではシリル化工程で用いるテトラメチルジシラザン(TMDS)が構造中のSiに1つの窒素原子(N)のみが結合されて、架橋反応が生じないことから、パターニング特性が向上するものと考えられる。
【0057】
前述した実施例1〜3において、deepUVの代わりに電離放射線、例えば真空紫外光、軟X線を用いても、それら実施例と同様、露光時のパターンに忠実な高解像度を有し、かつ電子素子基板をドライエッチングで加工するのに必要な十分な耐性と1μm以上の厚さを有するレジストパターンを形成することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、水酸基を持つポリマーおよび光酸発生剤を含むポジ型の化学増幅型レジスト膜表面の前記ポリマーをシリル化した後、ディープ紫外光または真空紫外光、軟X線のような電離放射線で露光、水蒸気加熱を施して選択的にシリル化されたポリマーを選択的に脱シリル化し、露光部のシリル化されたポリマーと未露光部の脱シリル化されたポリマーの現像液に対する溶解度差を利用して前記露光部を選択的に溶解除去して、シリル化されたポリマーが残存する未露光部を酸素ドライエッチングのマスクとして利用して露光部を選択的にドライエッチングすることによって、deepUV光や真空紫外光、軟X線のような短波長の光を露光源とし、比較的厚さが厚く、かつ露光時のパターンに忠実な高解像度のレジストパターンの形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素含有ガスを用いたドライエッチング(例えば酸素RIE)におけるエッチング時間に対する未シリル化ポリマーが表面のみに存在するレジスト膜およびシリル化されたポリマーが表面に存在するレジスト膜、のエッチング深さの関係を示す特性図。
【図2】本発明の実施例1におけるレジストパターンの形成工程を示す断面図。
【図3】本発明の実施例1におけるレジストパターンの形成工程を示す断面図。
【符号の説明】
1…基板、
2…レジスト膜、
3…シリル化層、
6…脱シリル化層、
7…未露光部、
9…レジストパターン。
Claims (4)
- 被エッチング基板に水酸基を持つポリマーおよび光酸発生剤を含むポジ型の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をシリコン元素を含む化合物と気相中または液相中で反応させて前記レジスト膜表面の前記ポリマーをシリル化する工程と、
シリル化された前記レジスト膜にディープ紫外光または電離放射線を選択的に照射して露光する工程と、
前記露光後の前記レジスト膜を水蒸気雰囲気中で加熱して前記レジスト膜表面の露光部においてシリル化されたポリマーを脱シリル化する工程と、
前記レジスト膜をアルカリ現像液による湿式現像して前記露光部を所望深さ選択的に除去する工程と、
シリル化されたポリマーが残存する未露光部をマスクとして前記露光部に位置するレジスト膜部分をさらに酸素含有ガスを用いたドライエッチングにより除去する工程と
を具備したことを特徴とするレジストパターンの形成方法。 - 前記水蒸気雰囲気中での加熱は、60〜130℃の温度でなされること特徴とする請求項1記載のレジストパターンの形成方法。
- 前記水蒸気雰囲気は、絶対湿度で100g/m3以上であること特徴とする請求項1記載のレジストパターンの形成方法。
- 前記レジスト膜の現像は、前記露光部をシリル化された層に相当する深さのレジスト部分またはそれより深いレジスト膜部分が露出するまで溶解除去することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のレジストパターンの形成方法。
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