JP5124047B2 - 船舶 - Google Patents

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Description

本発明は、コンテナなどの荷物を運搬する船舶に関する。
コンテナ等の荷物を運搬する船舶においては、甲板の下側の船倉内に荷物を積載するとともに甲板の上にも荷物を積載するようにしている。コンテナを運搬するコンテナ船においては、荷物がコンテナ内に収容されているので、運搬中や岸壁での荷役作業中に降雨が発生しても、コンテナ内の荷物に雨水が浸入することがない。これに対し、水濡れを嫌う荷物を運搬する貨物船においては、特許文献1に記載されるように、甲板の上方に天井壁を設けて、甲板の下側の下部船倉と甲板の上側の上部船倉とを有する運搬船がある。
コンテナ船のコンテナ積載数を増加するために、特許文献2には船体の外板に喫水線上方に位置させてコンテナ用の保持枠体を設けるようにしたコンテナ船が記載され、特許文献3には船体の外部に伸びる張り出し部材を甲板に格納自在に設けるようにしたコンテナ船が記載されている。
一方、コンテナ船や貨物船の船舶においては船舶推進用の動力源としては、通常、内燃機関が用いられており、船舶内で使用される電気機器に対して電力を供給するために、船体には発電機が搭載されている。船舶内の電力機器に対して供給される電力を太陽電池により発電するようにした船舶が特許文献4に記載されている。また、船舶の推進用の駆動エネルギーとして太陽電池を用いるために、折り畳み式の太陽電池を有するソーラーボートが特許文献5に記載されている。
船舶推進用の動力源として風力を利用するための翼形帆としては、特許文献6に記載されるように、長さを調節可能なマストを有するタイプがある。マストの伸縮により帆部としてのシート材が引き上げられたり、縮帆したりするようになっている。
特公昭47−13943号公報 実開昭61−27785号マイクロフイルム 実開昭59−111792号マイクロフイルム 特開2002−315195号公報 特開平5−221381号公報 特開平5−139378号公報
特許文献1に記載されるように、甲板の下側に下部船倉を設け、上側に上部船倉を設けるようにした運搬船においては、下部船倉内の荷物を上部船倉に持ち上げることにより上部船倉側から荷役作業を行うようにしている。つまり、下部船倉内への荷物の荷積み作業と、下部船倉内から船外への荷物の荷揚げ作業は、いずれも、甲板に設けられた倉口を介して行うようにしている。小型の貨物船であれば、荷役作業時に、倉口を介して上部船倉と下部船倉との間で荷物を移動させるようにしても荷役作業を比較的短時間で行うことができるが、大型のコンテナ船や貨物船においては、船体に下部船倉と上部船倉とを設けるようにしても、下部船倉内の荷役作業を甲板に設けた倉口を利用して行うようにすると、荷役作業に時間がかかり、作業効率が悪いという問題点がある。
また、通常の貨物船やコンテナ船は、一体となった船体を有しており、荷役作業を行う際には、岸壁に設けられた1個所の荷役作業ヤードで行う必要があるので、荷役作業用の多数の台車等が岸壁を行き交うことになり、荷役作業性を向上させることができないという問題点がある。
一方、甲板に部分的に太陽電池のパネルを配置するようにした船舶においては、船舶内の電気機器に供給するための電力を発生することができるのみであり、船舶の推進力を電動モータに行うことはできない。しかも、特許文献2,3に記載されるように、甲板の上にコンテナを配置するようにした船舶においては、太陽電池を配置するスペースを確保することができないという問題点がある。
しかも、コンテナ船や貨物船に特許文献6に記載されるような翼形帆を取り付けるようにすると、マストを収縮させてシート材からなる帆部を縮帆するようにしても、コンテナ等の荷物の荷役作業を行う際に、翼形帆が邪魔になるという問題点がある。
本発明の目的は、コンテナ等の荷物の荷役作業を効率的に行い得るようにした船舶を提供することにある。
本発明の他の目的は、船舶の推進力を発生する電動モータに対して電力を供給する太陽電池が荷役作業の邪魔とならないようにして荷役作業を効率的に行い得るようにした船舶を提供することにある。
本発明の他の目的は、風力を利用して船舶に推進力を加える翼形帆が荷役作業の邪魔とならないようにして荷役作業を効率的に行い得るようにした船舶を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、一隻の船舶に対する荷役作業を相互に離れた複数個所において同時に行うようにして荷役作業を効率的に行い得るようにした船舶を提供することにある。
本発明の船舶は、コンテナ等の荷物を運搬する船舶であって、船体に設けられて前記船体内に下側船倉を形成する甲板に、前記船体から迫り出して設けられた左右両側の迫り出し部と、前記左右両側の迫り出し部の先端にそれぞれ固定される垂直支柱と、両方の前記垂直支柱を連結する水平梁とを備え、前記船体の縦方向に間隔を隔てて配置される複数の門形の枠体と、前記枠体相互間に開閉自在に装着され、前記甲板の上側に上側船倉を形成する仕切り隔壁と、前記甲板の下側に前記下側船倉内に位置させて設けられ、前記下側船倉内への荷積み作業と前記下側船倉内から船外への荷揚げ作業とを行う船内クレーンを案内するガイドレールとを有し、前記仕切り隔壁が開放された状態のもとで岸壁に設けられた岸壁クレーンにより前記上側船倉内への荷物の荷積みと前記上側船倉内から船外への荷揚げと、前記船内クレーンにより前記下側船倉内への荷物の荷積みと前記下側船倉内から船外への荷揚げとを行い得ることを特徴とする。
本発明の船舶は、前記仕切り隔壁は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池であり、前記仕切り隔壁が閉じられた状態のもとで、船体に航行方向の推力を加えるプロペラを駆動する電動モータに太陽電池から電力を供給することを特徴とする。本発明の船舶は、起立位置と収納位置との間で揺動自在に前記枠体に装着される支柱と、前記支柱に横方向に伸びて設けられる複数の支持梁と、前記支持梁に取り付けられるシート材とを有する翼形帆を有することを特徴とする。
本発明の船舶は、前記船体の船尾側に船体内に設けられたバッテリからの電力により船体に航行方向の推力を加える前記プロペラを設け、前記船体の船首側に前記バッテリからの電力により幅方向の推力と航行方向の推力とを加えるスラスタを設けることを特徴とする。
本発明の船舶は、前記船体は、船首側モジュール、船尾側モジュール、および前記船首側モジュールと前記船尾側モジュールとの間に配置されて前記船首側モジュールと前記船尾側モジュールとを連結する少なくとも1つの中間モジュールを有し、前記船体の長さを可変としたことを特徴とする。本発明の船舶は、前記左右の迫り出し部の少なくとも一方に、乗員を船内と船外との間で案内するリフターを設けることを特徴とする。
本発明によれば、船舶は甲板の下側の下側船倉と上側の上側船倉とを有し、下側船倉内に設けられた船内クレーンによって下側船倉に対する荷役作業を行うようにし、上側船倉に対する荷役作業は岸壁クレーンによって行うようにしたので、船舶に対する荷役作業を効率的に行うことができる。
上側船倉は開閉自在の仕切り隔壁により覆われており、仕切り隔壁には太陽電池が設けられているので、太陽電池により生成される電気エネルギーを利用して電動モータにより駆動されるプロペラにより船舶に推進力を加えることができる。仕切り隔壁を開放させることによって上側船倉に対する荷役作業を効率的に行うことができる。
船舶に推進力を加える翼形帆は、起立位置と収納位置との間で揺動自在となっているので、船舶が岸壁に停泊して荷役作業を行うときには収納位置とすることによって荷役作業に翼形帆が邪魔をすることなく、効率的に荷役作業を行うことができる。船舶の航行時には、翼形帆を起立位置とすることによって風力を船舶の推進力として利用することができる。
船舶の推進力として太陽エネルギーと風力エネルギーとを利用することによって、船舶の推進のために内燃機関等のように化石燃料を使用することが不要となる。これにより、内燃機関に起因した排出ガスが大気に放出されることなく、クリーンな船舶航行が達成される。
船体を船首側モジュールと、船尾側モジュールと、これらの間に配置される少なくとも1つの中間モジュールとにより形成することによって、輸送すべき荷物量に応じて船舶の全長ないし積載容量を変化させることができ、効率的に荷物を輸送することができる。
本発明の一実施の形態である船舶の外観を示す斜視図である。 図1に示された船舶の右側面図である。 図2の平面図である。 荷役作業を行っている状態における船舶の横断面図である。 (A)は船体の船首側モジュールの後端面を示す背面図であり、(B)は船首側モジュールと中間モジュールの連結機構を示す側面図である。 (A)〜(C)はモジュール連結構造とした場合における荷役作業の一例を示す荷役作業工程図である。 図6(C)に示された船首側モジュールと、中間モジュールに対して荷役作業が行われている状態を示す拡大図である。 収納スペースに位置させて枠体に設けられた翼形帆を示す斜視図である。 図8に示された翼形帆の支柱片とそれに設けられた水平梁を示す斜視図である。 (A)は船尾側モジュールの底面図であり、(B)は船首側モジュールの底面図である。 (A)〜(C)は船首側モジュールに設けられたマルチバウスラスタを示す拡大側面図である。 船舶の船首側モジュールの一部を拡大して示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示される本発明の船舶10は、コンテナを水上輸送するためのコンテナ船として具体化されている。
船舶10は、図4に示されるように、船底壁11とこれと一体となった左右の側壁12,13とを備えた船体14を有し、それぞれの側壁12,13の上端部には船体14の幅方向外方に向けて湾曲した部分が設けられている。左右の側壁12,13の上端部には上甲板つまり甲板15が設けられており、船体14内には、船底壁11と,左右の側壁12,13と、甲板15とにより区画される下側船倉16が形成されている。
甲板15は船体14の左右両側から迫り出す部分を有している。図4において、船体14の幅をD0とすると、甲板15の幅D1は、D0よりも大きく設定されており、符号17,18は左右の迫り出し部を示している。図1〜図3に示されるように、甲板15には船体14の縦方向に相互に間隔を隔てて複数の門形の枠体21が配置されている。それぞれの枠体21は、図4に示されるように、迫り出し部17,18の先端にそれぞれ固定される垂直支柱22,23と、これら両方の垂直支柱を連結する水平梁24とを備えている。この船体14には、合計18の枠体21が設けられており、図2においては、船首側の枠体21から船尾側の枠体21に向けて符号(a)〜(r)が付されている。船体14に設けられる枠体21の数は、図示する船舶10においては18であるが、船体14の長さに応じて任意の数に設定される。
船体14の縦方向に隣り合って対をなす2つの枠体21の間には、開閉自在に仕切り隔壁25が設けられており、枠体21と仕切り隔壁25とにより甲板15の上側には上側船倉26が形成される。仕切り隔壁25は、図示する船舶10においては、枠体21相互間で対をなす12個所に設けられており、図3においては、船首側の仕切り隔壁25から船尾側の仕切り隔壁25に向けて符号(a)〜(l)が付されている。それぞれの仕切り隔壁25は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池が設けられたシート状の可撓性を有する部材により形成されており、枠体21に形成されたガイド溝に沿って摺動自在に装着されている。それぞれの仕切り隔壁25は、船体14の幅方向に2分割されており、図3に示されるように、左右の仕切り隔壁25が突き当てられる位置となると、仕切り隔壁25は閉じた状態となる。
図4に示されるように、一方の垂直支柱22の上端部には巻き取りロール27が設けられ、他方の垂直支柱23の下端部には巻き取りロール28が設けられている。したがって、左右に2分割された仕切り隔壁25をそれぞれの巻き取りロール27,28により巻き取ると、仕切り隔壁25は開放された状態となる。一方、仕切り隔壁25は、それぞれの巻き取りロール27,28から巻き戻すことにより図1〜図3に示されるように閉じた状態となる。閉じた状態とすると、仕切り隔壁25に設けられた太陽電池により発電され、発電電力は船体14内に設けられた図示しないバッテリに蓄電される。
図4に示されるように、左舷側の仕切り隔壁25を巻き取る巻き取りロール27は垂直支柱22の上端部に設けられており、巻き取りロール27よりも下側に位置させて開閉窓29が設けられている。開閉窓29は図示しないフレームに開閉自在に装着されており、開閉窓29を開放すると、上側船倉26内を換気することができ、上側船倉26内の温度や湿度を調整することができる。開閉窓29には仕切り隔壁25と同様に太陽電池が設けられており、開閉窓29の開放角度を太陽に合わせて開放させると、開閉窓29に設けられた太陽電池による発電効率を向上させることができる。
太陽電池が設けられた開閉窓29を、左舷側の全ての巻き取りロール27を垂直支柱22の上端部に設けることにより、全ての巻き取りロール27の下方に設けるようにしても良い。また、開閉窓29を船体14の縦方向に所定の間隔毎に設けるようにしても良く、その場合には、開閉窓29が設けられない部分に対応する仕切り隔壁25を巻き取る巻き取りロール27は、垂直支柱22の下端部に設けられることになる。
図4に示されるように、開閉窓29は左舷側に設けられているが、開閉窓29を右舷側に設けるようにしても良く、その場合には巻き取りロール28は垂直支柱23の上端部に設けられることになる。このように、右舷側と左舷側の両側に太陽電池付きの開閉窓29を設けると、発電効率をより高めることができる。
船体14内には甲板15の下側に、下側船倉16が設けられ、甲板15の上側に上側船倉26が設けられているので、図4に示されるように、下側船倉16内にコンテナ30aが積載されるとともに、上側船倉26にはコンテナ30bが積載される。上側船倉26内のコンテナ30bは、船舶10の航行時には、仕切り隔壁25により上側船倉26は船外から遮蔽されるので、雨水や海水等の水滴がコンテナ30bに付着したり、飛散したりすることがない。しかも、航行時には上側船倉26内のコンテナ30bを覆う仕切り隔壁25により太陽エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリに電力を充電することができる。
船体14の右舷側の側壁13の上部には、図2に示されるように複数のゲート扉つまり開閉扉31が設けられており、開閉扉31を開放した状態のもとで、下側船倉16内へのコンテナ30aの荷積み作業と、下側船倉16内から船外への荷揚げ作業とが行われる。甲板15の下側には開閉扉31に対応させてガイドレール32が取り付けられており、それぞれのガイドレール32は右舷側の迫り出し部18にまで伸びている。それぞれのガイドレール32には、図4に示されるように、下側船倉16内へのコンテナ30aの荷積み作業、および船外への荷揚げ作業、つまり荷役作業を行うために、船内クレーン33が装着されている。
図4は岸壁34において荷揚げ作業が行われている状態を示しており、下側船倉16内のコンテナ30aは下側船倉16内に設けられた船内クレーン33により船外に荷揚げされ、岸壁34の台車35aに搭載される。岸壁34には上側船倉26内のコンテナ30bを荷揚げするための岸壁クレーン37が設けられている。この岸壁クレーン37によって、上側船倉26内のコンテナ30bは、岸壁34に設けられた台車35bに搭載される。図4は船舶10からコンテナ30a,30bを荷揚げ作業している状態を示すが、岸壁34から船舶10内にコンテナ30a,30bを荷積みする場合にも同様に、下側船倉16内へは船内クレーン33により荷積み作業が行われ、上側船倉26内へは岸壁クレーン37により荷積み作業が行われる。これにより、上下二段となって上側船倉26と下側船倉16とが設けられた船舶10に対しては、下側船倉16と上側船倉26とで同時に荷役作業を行うことができるので、荷役作業を効率的に行うことができる。
しかも、下側船倉16に対する荷役作業は、図2に示されるように、複数の開閉扉31が設けられているので、これらを全て開放させることにより、同時に複数個所で行うことかできる。さらに、上側船倉26に対する荷役作業も、全ての仕切り隔壁25を開放することによって複数個所で同時に行うことができる。上側船倉26に対する荷役作業が行われるときには、仕切り隔壁25が開放されて枠体21の水平梁24の部分から取り除かれるので、太陽電池としての仕切り隔壁25が荷役作業を邪魔することなく効率的に荷役作業を行うことができる。
開閉扉31は、図示する船舶10においては、図4に示されるように、右舷側の側壁13に設けられているが、左舷側の側壁12に開閉扉31を設けるようにしても良く、両方の側壁12,13に設けるようにしても良い。開閉扉31が両方の側壁12,13に設けられる場合には、左右の迫り出し部17,18にまでガイドレール32が突出することになる。また、ガイドレール32は迫り出し部18にまで突出した状態となっているが、ガイドレール32の端部を下側船倉16内の基端部に対して摺動自在とすると、荷役作業時にガイドレール32の端部を迫り出し部18に突出させることになる。
図2に示されるように、船体14は船首側モジュール14aと、船尾側モジュール14bと、これらの間に配置される2つの中間モジュール14c,14dとを有しており、これらのモジュールを連結することにより一隻の船体14が構成されている。船体14の形態としては、船首側モジュール14aと船尾側モジュール14bのみからなる形態と、任意の数の中間モジュールを有する形態とに変更することにより、船体14の全長を変化させることができる。これにより、船舶10に一度に積載される荷物の量に応じて船体14の全長を変化させて積載量を変化させることができるとともに、荷役作業を別々の岸壁クレーン37により行うことができる。
図5(A)は船首側モジュール14aの後端面を示す背面図であり、図5(B)は船首側モジュールと中間モジュールの連結機構を示す側面図である。
図5(A)に示されるように、船首側モジュール14aの後端部には端壁40が設けられ、内部の下側船倉16は閉じられており、船首側モジュール14aは単独で航行自在となっている。中間モジュール14c,14dの両端部にはそれぞれ図示しない端壁が設けられて内部の下側船倉16は閉じられており、それぞれ水面上に浮かんだ状態となる。船尾側モジュール14bについても先端部には図示しない隔壁が設けられており、内部の下側船倉16は閉じられており、船尾側モジュール14bは単独で航行自在となっている。
図5に示されるように、船首側モジュール14aの端壁40には複数の第1ジョイント部材41が上下方向に調整移動自在に装着されており、第1ジョイント部材41に対応させて中間モジュール14cの前側の端壁には、複数の第2ジョイント部材42が上下方向に調整移動自在に装着されている。したがって、船首側モジュール14aと中間モジュール14cとを連結するには、それぞれのジョイント部材41,42の上下方向の高さを調整し、両方のモジュール14a,14cを接触させた状態のもとで、両方のジョイント部材41,42を締結することにより、両方のモジュール14a,14cは相互に連結されることになる。
同様に、中間モジュール14cの後側の端壁には第1ジョイント部材41が装着され、中間モジュール14dの前側の端壁には第2ジョイント部材42が装着されている。また、中間モジュール14dの後側の端壁には第1ジョイント部材41が装着され、船尾側モジュール14bの前側の端壁には第2ジョイント部材42が装着されている。したがって、それぞれのジョイント部材41,42を相互に締結することにより、4つのモジュールからなる船体14が形成されることになる。
船体14の構造としては、上述のように複数のモジュールを連結することにより一隻の船体14を構成するようにしたタイプ以外に、通常の船舶のように単一のモジュールからなる船体構造としたタイプとする形態もあるが、モジュール連結構造とすることによって、荷役作業を複数の領域で別々に行うことができ、荷役作業をより効率的に行うことができる。
図6(A)〜(C)は、図1〜図3に示すようにモジュール連結構造とした船舶10における荷役作業の一例を示す荷役作業工程図である。岸壁に近づいた状態のもとで、図6(A)に示すように船体14を中間モジュール14c,14dの部分で分離する。これにより、船首側モジュール14aと中間モジュール14cとが連結された部分と、船尾側モジュール14bと中間モジュール14dとが連結された部分との2つの部分に船体14が分離される。この状態のもとで、図6(B)に示すように船首側モジュール14aと中間モジュール14cとが連結された部分を荷役ドック34cに航行させ、船尾側モジュール14bと中間モジュール14dとが連結された部分を荷役ドック34dに航行させる。
次いで、図6(C)に示すように、船首側モジュール14aは、中間モジュール14cから分離されて、中間モジュール14cを荷役ドック34cに残したままで船首側モジュール14aを岸壁34の荷役作業場34aに接岸する。同様に、船尾側モジュール14bは、中間モジュール14dから分離されて、中間モジュール14dを荷役ドック34dに残したままで船尾側モジュール14bを岸壁の荷役作業場34bに接岸する。それぞれの荷役作業場には岸壁クレーン37a,37bが設けられており、それぞれの荷役ドック34c,34dには岸壁クレーン37c,37dが設けられている。
図7は図6(C)に示された船首側モジュール14aと、中間モジュール14cを示す拡大図であり、それぞれのモジュールに対して荷役作業が行われている状態が示されている。
したがって、4つに分割された上側船倉26内のコンテナ30bは、それぞれの岸壁クレーン37a〜37dによって、同時に荷役作業を行うことができる。これと同時に、4つの分割された下側船倉16内のコンテナ30aもそれぞれ船内クレーン33により荷役作業を行うことができる。このように、一隻の船舶10の上側船倉26に対する荷役作業を、船体14を4つに分割することにより、複数の岸壁クレーン37a〜37dを用いて効率的に行うことができる。
船首側モジュール14aに設けられた枠体21のうち、符号(c)(d)が付された枠体21の間には収納スペース45aが設けられ、船尾側モジュール14bに設けられた枠体21のうち、符号(o)(p)が付された枠体21の間には収納スペース45bが設けられている。さらに、船首側モジュール14aの後端部に設けられた枠体21(f)と中間モジュール14cの先端部に設けられた枠体21(g)との間には収納スペース45cが設けられ、船尾側モジュール14bの先端部に設けられた枠体21(m)と中間モジュール14dの後端部に設けられた枠体21(l)との間には収納スペース45dが設けられている。それぞれの収納スペース45a〜45dの船体14の左右両側に位置させて、枠体21には翼形帆46が装着されている。
図8は収納スペース45aに位置させて枠体21に設けられた翼形帆46を示す斜視図である。翼形帆46は基端部側から先端部側に向けて順次外径が小さくなった複数本の支柱片47a〜47gにより形成される支柱47を有している。支柱47を形成する各々の支柱片は、中空となって基端部側の支柱片に対して摺動自在に挿入される入れ子式となっており、支柱47は全体的に伸縮自在となっている。それぞれの支柱片47a〜47gにはそれぞれ横方向に伸びて支持梁48a〜48gが設けられており、支持梁48a〜48gにはシート材49が取り付けられている。
図9は翼形帆46の支柱片47bとそれに設けられた水平梁48cを示す斜視図であり、水平梁は支柱側の幅が大きく、先端に向かうに従って幅が小さくなっている。図8および図9は、収納スペース45aに配置された翼形帆を示すが、他の収納スペース45b〜45dに配置される他の翼形帆も同様の構造となっている。翼形帆46はそれぞれの支柱47が伸縮式となっているので、先端側の支柱片を基端部側の支柱片の中に摺動させて挿入すると、その全長を短くすることができる。基端部側の支柱片47aは、枠体21に対して図8に矢印Aで示すように旋回自在に装着されるとともに、矢印Bで示すように、起立位置と収納スペース内に入り込んだ収納位置との間で揺動自在となっている。
したがって、荷役作業が行われるときには、それぞれの翼形帆46は収納スペース45a〜45d内に収納され、荷役作業に翼形帆46が邪魔となることが回避される。一方、船舶10が航行するときには、翼形帆46に吹き付けられる風のエネルギーを利用して船舶10に推進力を加えることができる。翼形帆46は、図示する船舶10においては合計8つ設けられているが、これの数は任意に設定することができる。
複数の翼形帆46に加えて、シート状の三角帆50が枠体21と1つの翼形帆46とに取り付けられるようになっている。三角帆50は2つの角部が枠体21に固定され、他の1つの角部が1つの翼形帆46の先端に固定されるようになっており、この三角帆50によって風力を船舶10の推進力に加えることができる。船舶10が航行しないときには、三角帆50は折り畳まれて収納されるようになっている。
図10(A)は船尾側モジュール14bの底面図であり、図10(B)は船首側モジュール14aの底面図である。
船尾側モジュール14bの船底壁11には、図10(A)に示されるように、2つの推進チューブ51が縦方向に伸びて設けられており、推進チューブ51の両端部は開口され内部には主プロペラ52が破線で示すように組み込まれている。推進チューブ51の後方には、副プロペラ53が舵部54に取り付けられており、副プロペラ53は船体14に対して航行方向の推力を加えることができる。さらに、舵部54を旋回させて副プロペラ53を駆動すると、船体14に対して幅方向の推力を加えることができ、副プロペラ53はスターン(船尾)スラスタとしての機能を有している。
主副それぞれのプロペラ52,53は船体14内に設けられた図示しない電動モータにより駆動されるようになっており、電動モータは仕切り隔壁25に設けられた太陽電池からの電力が直接、あるいは船体14内に設けられたバッテリから供給される。このように、船尾側モジュール14bにはプロペラ52,53が設けられていので、図6(A)に示されるように、船尾側モジュール14bと中間モジュール14dとを航行させるときには、プロペラ52,53により得られる推力により、これらは航行することになる。船尾側モジュール14bはプロペラ52,53により単独で航行することができる。
船首側モジュール14aの船底壁11は、図2に示されるように、船首に向けて上向きに傾斜しており、船底壁11の船首側領域には中央隆起部55が設けられている。この隆起部55の左右両側にはマルチバウスラスタ56が設けられている。
図11は隆起部55の右舷側に設けられたマルチバウスラスタ56を示す拡大側面図であり、マルチバウスラスタ56は、球形状のジョイント部57に取り付けられた可動ホルダー58を有し、この可動ホルダー58の先端部には船首側のプロペラ59が設けられている。船首側のプロペラ59は、船尾側の主副両方のプロペラ52,53と同様に船体14内に設けられた電動モータにより駆動されるようになっている。
図11(A)に示すように、マルチバウスラスタ56のプロペラ59を隆起部55に設けられた凹部60内に入り込ませた状態とすると、プロペラ59は船体14の幅方向を向く。この状態でプロペラ59を駆動させると、船体14を岸壁に寄せるとき等には、船体14に幅方向の推力を加えられることができる。
一方、図11(B)に示すように、マルチバウスラスタ56のプロペラ59を水中において航行方向を向く姿勢にすると、この姿勢のもとでプロペラ59を駆動させると、プロペラ59によって船体14には航行方向の推力が加えられる。さらに、図11(C)に示すように、プロペラ59の一部を水面WLよりも突き出させた状態とするとともにプロペラ59を航行方向を向く姿勢にすると、プロペラ59により多数の気泡つまり泡が生成されて、中央隆起部55に設けられた凹部を伝って、船底壁には気泡が吹き付けられることになる。これによって、船体摩擦抵抗が低減し、より少ない推進力で船舶10は航行可能となる。
このように、船首側モジュール14aにはプロペラ59を有するマルチバウスラスタ56が設けられていので、図6(A)に示されるように、船首側モジュール14aと中間モジュール14cとを航行させるときには、マルチバウスラスタ56のプロペラ59により得られる推力により、これらは航行することになる。船首側モジュール14aはプロペラ59より単独で航行することができる。
船舶10に推進力を加えるプロペラ52,53,59は、全て電動モータにより駆動されるようになっており、電動モータに対する電力は、仕切り隔壁25に設けられた太陽電池により太陽エネルギーを電気エネルギーに変換することによって太陽電池から直接あるいはバッテリを介して供給される。さらに、船舶10には風力を船舶10の推進力に変換するために、翼形帆46と三角帆50が設けられている。これにより、船舶10は内燃機関を用いることなく、太陽エネルギーと風力とにより航行することができ、化石燃料を消費することなく、経済的に航行することができる。また、船舶10がより高速で航行する場合には、下側船倉16内に積み込まれる図示しない燃料電池により、電気エネルギーを追加することで電気エネルギーが調整可能となる。
それぞれのプロペラを駆動するための電動モータに対する電力供給には、広い面積が必要となるが、太陽電池は船舶10の上側船倉26を覆うように形成するための仕切り隔壁25に設けられているので、船舶10の上面積を利用して船舶の推進に十分な電力を確保することができる。しかも、太陽電池としての仕切り隔壁25は開閉式となっており、開放した状態のもとでは、仕切り隔壁25が荷役作業の邪魔となることがなく、円滑に荷役作業を行うことができる。
図12は船舶10の船首側モジュール14aの一部を拡大して示す斜視図である。船舶10の船首側の甲板上側には船橋と居住区が設けられており、図12に示されるように、右舷側の迫り出し部18には乗員を船内と船外との間で案内するためのリフター61が設けられている。リフター61は伸縮式のリフト支柱62と、これの下端部に設けられて乗員が乗り込むキャリア63とを有している。リフト支柱62は、上端部側から下端部側に向かうに従って小型となった支柱片を有しており、下側の支柱片は上側の支柱片の内部に入り込むように入れ子式となっている。このリフター61を使用することにより、乗員は岸壁と船舶10との間で移動することができるとともに、船舶10と小型船舶との間で行き来することができる。
迫り出し部18を利用して迫り出し部18にリフター61を設けることによって、梯子を用いる場合よりも、安全に乗員を船内と船外との間で行き来させるようにすることができる。リフター61を左舷側の迫り出し部17に設けるようにしても良く、左右両方の迫り出し部17,18に設けるようにしても良い。
リフター61の構造としては、図12に示すように、リフト支柱62を入れ子式とした伸縮形態のみならず、ワイヤ等によりキャリア63を上下動するようにした形態としても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、図示する船舶10はコンテナを運搬するコンテナ船を示すが、運搬する荷物としてはコンテナに限られず、種々の貨物を輸送する貨物船としても本発明を適用することができる。
本発明の船舶はコンテナ船や貨物船に適用され、船舶の推進力には太陽エネルギーや風力が利用される。

Claims (6)

  1. コンテナ等の荷物を運搬する船舶であって、
    船体に設けられて前記船体内に下側船倉を形成する甲板に、前記船体から迫り出して設けられた左右両側の迫り出し部と、
    前記左右両側の迫り出し部の先端にそれぞれ固定される垂直支柱と、両方の前記垂直支柱を連結する水平梁とを備え、前記船体の縦方向に間隔を隔てて配置される複数の門形の枠体と、
    前記枠体相互間に開閉自在に装着され、前記甲板の上側に上側船倉を形成する仕切り隔壁と、
    前記甲板の下側に前記下側船倉内に位置させて設けられ、前記下側船倉内への荷積み作業と前記下側船倉内から船外への荷揚げ作業とを行う船内クレーンを案内するガイドレールとを有し、
    前記仕切り隔壁が開放された状態のもとで岸壁に設けられた岸壁クレーンにより前記上側船倉内への荷物の荷積みと前記上側船倉内から船外への荷揚げと、前記船内クレーンにより前記下側船倉内への荷物の荷積みと前記下側船倉内から船外への荷揚げとを行い得ることを特徴とする船舶。
  2. 請求項1記載の船舶において、前記仕切り隔壁は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池であり、前記仕切り隔壁が閉じられた状態のもとで、船体に航行方向の推力を加えるプロペラを駆動する電動モータに太陽電池から電力を供給することを特徴とする船舶。
  3. 請求項1または2記載の船舶において、起立位置と収納位置との間で揺動自在に前記枠体に装着される支柱と、前記支柱に横方向に伸びて設けられる複数の支持梁と、前記支持梁に取り付けられるシート材とを有する翼形帆を有することを特徴とする船舶。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶において、前記船体の船尾側に船体内に設けられたバッテリからの電力により船体に航行方向の推力を加える前記プロペラを設け、前記船体の船首側に前記バッテリからの電力により幅方向の推力と航行方向の推力とを加えるスラスタを設けることを特徴とする船舶。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の船舶において、前記船体は、船首側モジュール、船尾側モジュール、および前記船首側モジュールと前記船尾側モジュールとの間に配置されて前記船首側モジュールと前記船尾側モジュールとを連結する少なくとも1つの中間モジュールを有し、前記船体の長さを可変としたことを特徴とする船舶。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の船舶において、前記左右の迫り出し部の少なくとも一方に、乗員を船内と船外との間で案内するリフターを設けることを特徴とする船舶。
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