JP6524908B2 - プロテアーゼを含有するパン・菓子用生地 - Google Patents
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Description
相対破断距離(%)=[(乳化剤及び該エンド型プロテアーゼを含む生地を加熱調理したパン・菓子の破断距離)/(乳化剤及び該エンド型プロテアーゼを含まない生地を加熱調理したパン・菓子の破断距離)]×100・・・(式1)
実施例・比較例で得られたパン・菓子について、加熱調理してから20℃で2日間保存した後に、熟練した10人のパネラーに、さっくりさ、口溶け、風味の観点で食感を評価してもらい、平均点を評価値とした。その際の評価基準は以下の通りである。
5点:非常にさっくりしており、歯切れが良い。
4点:ややさっくりしており、歯切れが良い。
3点:普通である。
2点:ややねちゃついて、歯切れが悪い。
1点:非常にねちゃついて、歯切れが悪い。
5点:非常に良い。
4点:やや良い。
3点:普通である。
2点:やや悪い。
1点:非常に悪い。
5点:苦みや異味が全く感じられず、大変美味しい。
4点:苦みや異味が僅かに感じられる場合があるが、美味しい。
3点:苦みや異味が若干感じられるが、美味しい。
2点:苦みや異味が感じられ、あまり美味しくない。
1点:苦みや異味が強く感じられ、美味しくない。
実施例・比較例で得られたパン・菓子の比容積を以下のようにして求めた。レーザー体積計(株)アステックス製「WinVM2000」)を用いて体積(単位:cc)を計測し、体積を重量(単位:g)で除して比容積(cc/g)を計算した。
加熱調理後20℃で24時間保存後の測定サンプルを、食パンでは厚さ20mmで50mm角に、ロールパンおよびドーナツでは厚さ20mmで30mm角に、スポンジケーキおよび蒸しパンでは厚さ20mmで20mm角に切り出した後に、クリープメータ(株式会社山電製「レオナー」、型番:RE2−3305S、)を用い、テクスチャーモードにて、ロードセル:20N、プランジャー:平板型(破断面60mm×60mm)、測定速度:5mm/sec、圧縮率50%の条件で測定される最大荷重(N)の6検体の平均値で評価した。数値が小さい程軟らかな食感であることを表わす。
実施例・比較例におけるパン作製時の作業性について、以下の評価基準で評価した。
5点:べたつきがなく、伸展性も良く、極めて良好な作業性である。
4点:べたつきがなく、伸展性も良く、良好な作業性である。
3点:普通である。
2点:ややべたつく、若しくはやや伸展性が悪く、作業性が少し劣る。
1点:べたつく、若しくは伸展性が悪く、作業性が著しく劣る。
☆:さっくりさと口溶けが極めて良好であり、風味、作業性も問題ない。
◎:さっくりさと口溶けが良好であり、風味、作業性も問題ない。
○:さっくりさと口溶けは良好であるが、風味や作業性が若干劣る。
△:さっくりさと口溶けが劣るが、風味や作業性に問題はない、又は、さっくりさと口溶けは良好であるが、風味や作業性に問題がある。
×:さっくりさと口溶けが劣り、風味や作業性にも問題がある。
ショートニング1:株式会社カネカ製「VショートK」
ショートニング2:株式会社カネカ製「エバーライトG」
ショートニング6:株式会社カネカ製「マリーパート」
ヤシ油とハイエルシンナタネ極度硬化油のエステル交換油(IV=10)10重量部、パーム油とヤシ油のエステル交換油(IV=45)60重量部、パーム低融点部(IV=64)15重量部、ナタネ油13重量部を混合してから60℃で完全に融解させ、乳化剤(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル:阪本薬品(株)製「SYグリスターCRS−75」、HLB約1)を2重量部、プロテアーゼ(天野エンザイム(株)製「パパインW−40」、比活性:400,000U/g、40℃での相対活性が16%、至適温度は80℃)を0.03重量部添加した。これを常法通り掻き取り式チューブラー冷却捏和装置にて冷却捏和して、ショートニング3を作製した。
製造例1において、更にα−アミラーゼ(新日本化学工業(株)製「スミチームAS」、比活性:1,500U/g)を0.05重量部、及びキシラナーゼ(新日本化学工業(株)製「スミチームX」、比活性:5,000U/g)を0.005重量部追加で添加した以外は、同様の方法にてショートニング4を作製した。
プロテアーゼを添加しなかった以外は、製造例1と同様の方法にしてショートニング5を作製した。
ヤシ油とハイエルシンナタネ極度硬化油のエステル交換油(IV=10)8重量部、パーム油とヤシ油のエステル交換油(IV=45)48重量部、パーム低融点部(IV=64)12重量部、ナタネ油10.4重量部を混合してから60℃で完全に融解させ、加工澱粉(α化澱粉:松谷化学株式会社製「マツノリンW」)15重量部を粉末のまま添加、分散させ、更に乳化剤(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル:阪本薬品(株)製「SYグリスターCRS−75」、HLB約1)1.6重量部を溶解して油相部を調製した。そして、油相部を攪拌しながら、水5重量部を徐々に添加した。加工澱粉は徐々に吸水、膨潤し、膨潤加工澱粉が油脂に分散した油脂組成物となった。更に、この油脂組成物にプロテアーゼ(天野エンザイム(株)製「パパインW−40」、比活性:400,000U/g、40℃での相対活性が16%、至適温度は80℃)を0.024重量部添加し、これを常法通り掻き取り式チューブラー冷却捏和装置にて冷却捏和して、油脂組成物を作製した。
表1に示す配合に従って、強力粉(蛋白質含量:12.2重量%)、イースト、イーストフード及び水をミキサーボウルに投入し、低速で2分間、中速で2分間混合した生地を28℃、相対湿度85%の恒温槽で4時間、中種醗酵を行い、中種生地を得た。該中種生地と、強力粉、上白糖、食塩、脱脂粉乳、水、乳化剤及びプロテアーゼをミキサーボウルに投入し、低速で3分間、中速で3分間混合した。さらにショートニング1を投入して、低速で3分間、中速で3分間、高速で1分間混合し、食パン生地を得た。捏ねあげ温度は27℃であった。作製した食パン生地をフロアタイムを25分間とった後、230gに分割し、丸めを行った。その後ベンチタイムを20分間とった後、モルダー成形し、3斤型角食型に入れ、38℃、相対湿度85%の恒温槽で55分間ホイロをとった後、195℃の固定窯に入れて36分間焼成し、プルマン型食パンを作製して評価を行い、表1に評価結果を示した。なおプロテアーゼを生地混合物に混ぜてから焼成までの間の最高到達温度は38℃であり、焼成時における生地の最高到達温度は96℃で、90〜120℃での保持時間は13分間であった。また使用したプロテアーゼの特性を表2に示した。
苦味低減剤を添加した以外は、実施例1と同様にして食パンを作製して、評価を行った。得られた評価結果を表1に示した。
プロテアーゼと乳化剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして食パンを作製して、評価を行い、表1に評価結果を示した。
プロテアーゼを添加しない(比較例2)、又は乳化剤を添加しない(比較例3)以外は、実施例2と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表1に示した。
乳化剤の添加量を変えた以外は、実施例2と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表1に示した。
表3に示す配合に従って、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルをショ糖脂肪酸エステルに変えた以外は、実施例2と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表3に示した。
表4に示す配合に従って、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを、HLBが異なるものやポリグリセリン脂肪酸エステルに変えた以外は、実施例2と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表4に示した。
表5に示す配合に従って、パパインを、その添加量を変えるか又は他のプロテアーゼに変えた以外は、実施例2と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表5に示した。各プロテアーゼの特性は表2に示す。
表6に示す配合において、強力粉(蛋白質含量:13.0重量%)、イースト、イーストフード、上白糖、全卵及び水をミキサーボウルに投入し、低速で3分間、中速で2分間混合し、中種生地を得た。この中種生地を28℃、相対湿度85%の恒温槽で2.5時間、中種醗酵を行い、中種生地を得た。該中種生地と、強力粉、上白糖、食塩、脱脂粉乳、水、乳化剤及びプロテアーゼをミキサーボウルに投入し、低速で2分間、中速で6分間混合した。さらにショートニングを投入して、低速で2分間、中速で5分間混合し、ロールパン生地を得た。捏ねあげ温度は27℃であった。作製したロールパン生地は、フロアタイムを30分間とった後、70gに分割し、丸めを行った。その後ベンチタイムを20分間とった後、モルダー成形し、38℃、相対湿度85%の恒温槽で60分間ホイロをとった後、200℃の固定窯に入れて10分間焼成し、ロールパンを作製して評価を行い、表6に評価結果を示した。なおプロテアーゼを生地混合物に混ぜてから焼成までの間の最高到達温度は38℃であり、焼成時における生地の最高到達温度は98℃で、90〜120℃での保持時間は5分間であった。
表6に示す配合に従って、ステアロイル乳酸カルシウムに変えてステアロイル乳酸ナトリウムを使用した以外は、実施例20と同様にしてロールパンを作製して、評価を行い、表6に評価結果を示した。
更に還元剤や酸化剤を添加した以外は、実施例20と同様にしてロールパンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表6に示した。
プロテアーゼと乳化剤を添加しない以外は、実施例20と同様にしてロールパンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表6に示した。
表7に示す配合において、強力粉(蛋白質含量:12.2重量%)、上白糖、イースト、イーストフード、全卵及び水をミキサーボウルに投入し、低速で2分間、中速で2分間混合し、中種生地を得た。この中種生地を28℃、相対湿度85%の恒温槽で2.5時間、中種醗酵を行い、中種生地を得た。該中種生地と、強力粉、薄力粉(蛋白質含量:7.1重量%)、上白糖、食塩、脱脂粉乳及び水をミキサーボウルに投入し、低速で2分間、中速で4分間混合した。さらにショートニングを投入して、低速で2分間、中速で2分間混合し、ドーナツ生地を得た。捏ねあげ温度は27℃であった。得られた生地はフロアタイムを20分間とった後、50gに分割し、丸めを行った。その後ベンチタイムを20分間とった後、成形し、35℃、相対湿度60%の恒温槽で60分間ホイロをとり、その後室温でラックタイムを10分間とった後、180℃のフライ油で片面2分間、さらに反転させて2分間揚げ、ドーナツを作製して評価を行った。得られた評価結果を表7に示した。プロテアーゼを生地混合物に混ぜてから揚げるまでの間の最高到達温度は35℃であり、焼成時における生地の最高到達温度は93℃で、90〜120℃での保持時間は3分間であった。
更に還元剤を添加した以外は、実施例24と同様にしてドーナツを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表7に示した。
ショートニング3をショートニング4に変えた以外は、実施例25と同様にしてドーナツを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表7に示した。
ショートニング3をショートニング5に変えた以外は、実施例24と同様にしてドーナツを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表7に示した。
表8に示す配合において、上白糖、全卵、起泡性乳化油脂及び水をミキサーボウルに投入し、低速で30秒間混合した後、薄力粉(蛋白質含量:7.1重量%)、ベーキングパウダー、乳化剤及びプロテアーゼを投入し、低速で30秒間、中速で3分30秒間混合し、比重0.45g/ccのスポンジケーキ生地を得た。捏ねあげ温度は22℃であった。得られた生地を6号缶に350g流し込み、170℃の固定窯で35分間焼成し、スポンジケーキを作製して評価を行った。得られた評価結果を表8に示した。プロテアーゼを生地混合物に混ぜてから焼成までの間の最高到達温度は22℃であり、焼成時における生地の最高到達温度は103℃で、90〜120℃での保持時間は26分間であった。
更に還元剤を添加した以外は、実施例27と同様にしてスポンジケーキを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表8に示した。
プロテアーゼと乳化剤を添加しない以外は、実施例27と同様にしてスポンジケーキを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表8に示した。
表9に示すとおり、乳化剤、プロテアーゼ及びショートニング1をショートニング3に変え、その添加量を小麦粉100重量部に対し10重量部にした以外は、実施例1と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表9に示した。
ショートニング3をショートニング1に変えた以外は、実施例29と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表9に示した。
ショートニング3を製造例4の油脂組成物に変え、その添加量を小麦粉100重量部に対し12.5重量部にした以外は、実施例29と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表9に示した。
表10に示すとおり、エンド型プロテアーゼであるパパインを、その他のプロテアーゼに変えた以外は、実施例13と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表10に示した。各プロテアーゼの特性は表2に示す。
表11に示すとおり、ソーマチンをさとうきび抽出物に変え、その添加量を小麦粉100重量部に対し0.015重量部にした以外は、実施例3と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表11に示した。
表11に示すとおり、更にアルギン酸エステル又は乾燥こんにゃくを添加した以外は、実施例3と同様にして食パンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表11に示した。
表12に示す配合において、上白糖、全卵、起泡性乳化油脂、ショートニング6、牛乳、チーズペーストをミキサーボウルに投入し、低速で30秒間混合した後、薄力粉(蛋白質含量:7.1重量%)、ベーキングパウダー、乳化剤及びプロテアーゼを投入し、低速で30秒間、中速で3分間混合し、比重0.60g/ccの蒸しパン生地を得た。捏ねあげ温度は23℃であった。得られた生地を楕円形のグラシン紙に100g流し込み、庫内温度98℃の蒸し器で20分間蒸し、蒸しパンを作製して評価を行った。得られた評価結果を表12に示した。プロテアーゼを生地混合物に混ぜてから蒸しまでの間の最高到達温度は23℃であり、蒸し時における生地の最高到達温度は96℃で、90〜120℃での保持時間は7分間であった。
プロテアーゼと乳化剤を添加しない以外は、実施例33と同様にして蒸しパンを作製し、評価を行った。得られた評価結果を表12に示した。表12から明らかなように、プロテアーゼと乳化剤を添加したもの(実施例33)は、プロテアーゼと乳化剤を添加しなかったもの(比較例20)に比べ、さっくりさと口溶けは良好であった。
Claims (8)
- 生地中の小麦粉の蛋白質含量が7.0〜17.0重量%であり、小麦粉100重量部に対して、HLB1以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、HLB5以下のショ糖脂肪酸エステル、HLB5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム及びステアロイル乳酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の乳化剤を0.01〜0.5重量部含有し、40℃での相対活性が40%以下且つ至適温度が60〜85℃であるエンド型プロテアーゼを小麦粉100gあたり50〜3300U含有し、小麦粉100重量部に対して還元剤を0.0001〜0.1重量部を含有し、油脂組成物を含有するパン・菓子用生地。
- 前記還元剤が、グルタチオン及びこれを含む原材料から選択される請求項1に記載のパン・菓子用生地。
- さらに、小麦粉100重量部に対して酸化剤0.0001〜0.05重量部を含有する請求項1又は2に記載のパン・菓子用生地。
- さらに、小麦粉100重量部に対して増粘剤0.01〜5.0重量部を含有する請求項1〜3の何れかに記載のパン・菓子用生地。
- さらに、小麦粉100重量部に対して苦味低減剤0.0001〜0.5重量部を含有する請求項1〜4の何れかに記載のパン・菓子用生地。
- 前記エンド型プロテアーゼが、サームス・アクアチクス(Thermus aquaticus)LMG8924由来のTaqプロテアーゼ、サーモアクチノミセス・ブルガリス(Thermoactinomyces vulgaris)由来のサーミターゼ、バシラス・サーモプロテオリチクス(Bacillus thermoproteolyticus)由来のサーモリシン、バシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)由来のズブチリシン、パパイア属・パパイア(Carica papaya)由来のパパイン及びアナナス・コモサス(Ananas comosus)由来のブロメラインからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5の何れかに記載のパン・菓子用生地。
- 請求項1〜6の何れかに記載のパン・菓子用生地を加熱調理してなるパン・菓子。
- 請求項1〜6の何れかに記載のパン・菓子用生地配合からエンド型プロテアーゼ及び乳化剤を除いた以外は同じ配合のパン・菓子用生地を5℃以上40℃以下で捏ねあげ、更に加熱中の生地温度が90℃以上120℃未満で1〜30分間加熱調理してなるパン・菓子に対して、破断測定における相対破断距離が95%以下である請求項7に記載のパン・菓子。
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