<Mg含有粒子の製造方法>
本発明に係るMg含有粒子の製造方法は、筐体と、前記筐体内で回転する回転体と、前記回転体の外縁側に位置する分級室と、前記筐体の内面と前記回転体の頂面とで形成され上流端部と前記分級室とを接続する流路と、を具備する遠心式気流分級装置を用いて分級処理を施すことによりMg含有粒子を得るMg含有粒子の製造方法であって、
前記流路の内部を流れる前記未分級Mg含有粒子の前記流路の上流端部における流速よりも、前記流路中の前記上流端部よりも下流側における前記未分級Mg含有粒子の流速を小さくして前記分級室に前記未分級Mg含有粒子を供給する工程と、前記分級室で前記未分級Mg含有粒子を分級してMg含有粒子を得る工程と、を備え、
下記式(1)により求められる前記未分級Mg含有粒子の磨滅耐久度A(%)が85以下であるMg含有粒子の製造方法。
A=(Z÷Y)×100 … (1)
(式中、Yは、レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧0.4バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、Zは、前記レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧1.0バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、それぞれ示す。)
本発明に係るMg含有粒子の製造方法においては、所定の回転体を有する遠心式気流分級装置(後述)を用いて、未分級Mg含有粒子の分級処理を行う。つまり、未分級Mg含有粒子は、分級処理を行う処理対象である。ここで、未分級Mg含有粒子とは、凝集状態が解離された粒子と凝集したままの凝集粒子とを含んでいる、粒子強度(後述)が小さく脆弱な粒子である。そして、本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、このような未分級Mg含有粒子について分級処理を行った粒子がMg含有粒子である。また、分級処理で「それ以外の粒子」として除去される対象は、後述する微粉である。なお、本明細書において「それ以外の粒子」とは、Mgを含有しない粒子(Mg非含有粒子)を意味するものではない。Mg含有粒子としては、それぞれ後述する、粒状のマグネシウム化合物、粒状のオレフィン類重合用固体触媒成分及び粒状のオレフィン類重合用固体触媒が挙げられる。なお、本発明におけるMg含有粒子とは、粒子自体が多孔質であってもよいし、間隙(凝集した粒子間の隙間)を有する粒子の凝集体を含んでいてもよい。以下、本発明においては、Mg含有粒子は、以下に述べるマグネシウム化合物と、マグネシウム化合物を主成分とするオレフィン類重合用固体触媒成分(例えば、マグネシウム化合物とともに、チタン、ハロゲンおよび一種以上の内部電子供与体を含むオレフィン重合用固体触媒成分)と、を含む概念である。また、本発明におけるMg含有粒子の概念には、上記オレフィン類重合用固体触媒成分を用いて得られる、オレフィン類重合用固体触媒成分の粒子、有機アルミニウム化合物および必要に応じ外部電子供与性化合物を有するオレフィン重合用触媒の粒子を含んでいてもよい。
オレフィン重合用固体触媒成分は、マグネシウム化合物を主成分とするものであり、Mg含有粒子中のマグネシウム化合物の上限値は特に制限されない。オレフィン重合用固体触媒成分中のマグネシウム化合物の含有割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく、75質量%以上であることが一層好ましい。
上記マグネシウム化合物としては、特に制限されないが、例えば、ジハロゲン化マグネシウム、塩化マグネシウム・アルコール/水付加物等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
ジハロゲン化マグネシウムとしては、マグネシウムジクロライド、マグネシウムジブロマイド、マグネシウムジイオダイド等から選ばれる一種以上を挙げることができ、マグネシウムジクロライドが好適である。
塩化マグネシウム・アルコール/水付加物としては、下記一般式(i)
MgCl2・mROH・nH2O … (i)
[式中、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、mは2〜4の実数、nは0〜0.7の実数]で表されるマグネシウム化合物・アルコール/水付加物を挙げることができる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、Mg含有粒子を構成するマグネシウム化合物は、アルコキシマグネシウムを原料として調製されてなるものであってもよいし、市販品を購入して用いてMg含有粒子の製造に供してもよい。
アルコキシマグネシウムを原料として調製されてなるマグネシウム化合物は、アルコキシマグネシウム粒子同士が製造時に付着し易いことから、粗粉粒子を含む粒子が形成され易いが、粒子強度が小さく脆弱であるために、本発明に係る方法を好適に適用して分級することができる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、Mg含有粒子としては、特に制限されないが、例えば、マグネシウム化合物や、上述したマグネシウム化合物とともに、チタン、ハロゲンおよび一種以上の内部電子供与体を含むオレフィン重合用固体触媒成分、を挙げることができ、それらの中でもオレフィン類重合用固体触媒成分であることが好ましい。さらにMg含有粒子は、上記オレフィン重合用固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および必要に応じ外部電子供与性化合物を有するオレフィン重合用触媒を含んでいてもよい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、上述したマグネシウム化合物とともに、チタン、ハロゲンおよび一種以上の内部電子供与体を含むオレフィン重合用固体触媒成分としては、アルコキシマグネシウム、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物の接触反応物を挙げることができる。
上記アルコキシマグネシウムとしては、ジアルコキシマグネシウムを挙げることができる。
上記ジアルコキシマグネシウムとして、具体的には、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、エトキシメトキシマグネシウム、エトキシプロポキシマグネシウム、ブトキシエトキシマグネシウム等から選ばれる一種以上が挙げられ、ジエトキシマグネシウムが特に好ましい。
上記ジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを、ハロゲンあるいはハロゲン含有金属化合物等の存在下にアルコールと反応させて得たものでもよい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、ジアルコキシマグネシウムは、球状であるものが好ましい。
ジアルコキシマグネシウムとして球状のものを使用した場合、より良好な粒子形状を有し(より球状で)狭い粒度分布を有する重合体粉末が得られ、重合操作時に生成した重合体粉末の取扱い操作性が向上し、生成した重合体粉末に含まれる微粉に起因する閉塞等の発生を抑制し易くなる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、マグネシウム化合物は、反応時に溶液状または懸濁液状であることが好ましく、溶液状または懸濁液状であることにより、反応を好適に進行させることができる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、四価のチタンハロゲン化合物としては、特に制限されないが、下記一般式(I)
Ti(OR1)rX4−r … (I)
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の互いに同一でも異なっていてもよいハロゲン原子を示し、rは0または1〜3の整数であり、OR1が複数存在する場合、互いに同一でも異なっていてもよい)で表されるチタンハライドもしくはアルコキシチタンハライド群から選択される化合物の一種以上であることが好適である。
チタンハライドとしては、チタンテトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテトラアイオダイド等のチタンテトラハライドが挙げられる。
また、アルコキシチタンハライドとしては、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド等が挙げられる。
四価のチタンハロゲン化合物としては、チタンテトラハライドが好ましく、チタンテトラクロライドがより好ましい。
これらのチタン化合物は単独あるいは2種以上併用することもできる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、内部電子供与性化合物としては、特に制限されないが、モノカルボン酸エステル類、ジカルボン酸エステル類、モノエーテル類、ジエーテル類、エーテルカルボン酸エステル類、ジオールジエステル類、エーテルカーボネート類から選ばれる一種以上であることが好ましく、芳香族ジカルボン酸ジエステル等の芳香族ポリカルボン酸エステル類、脂肪族ポリカルボン酸エステル類、脂環族ポリカルボン酸エステル類、ジエーテル類、およびエーテルカーボネート類から選ばれる一種以上がさらに好ましい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、芳香族ジカルボン酸ジエステルとしては、下記一般式(II)
(R2)jC6H4−j(COOR3)(COOR4) … (II)
(式中、R2は炭素数1〜8のアルキル基またはハロゲン原子を示し、R3およびR4は炭素数1〜12のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよく、また、置換基R2の数jは0、1または2であり、jが2のとき、各R2は同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物を挙げることができる。
一般式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸ジエステルにおいて、R2は、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルキル基である。
R2がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれる一種以上の原子が挙げられる。
R2が炭素数1〜8のアルキル基である場合、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルペンチル基、イソオクチル基、2,2−ジメチルヘキシル基から選ばれる一種以上が挙げられる。
R2としては、メチル基、臭素原子、フッ素原子が好ましく、メチル基、臭素原子がより好ましい。
一般式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸ジエステルにおいて、R3およびR4は炭素数1〜12のアルキル基であり、R3およびR4は、互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
炭素数1〜12のアルキル基としては、エチル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、イソオクチル基を挙げることができ、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、またはネオペンチル基であることが好ましい。
一般式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸ジエステルにおいて、置換基R2の数jは0、1または2であり、jが2のとき、各R2(2つのR2)は同一であっても異なっていてもよい。
jが0である場合、一般式(II)で表わされる化合物はフタル酸ジエステルであり、jが1または2である場合、一般式(II)で表わされる化合物は置換フタル酸ジエステルである。
jが1の場合、一般式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸ジエステルにおいて、R2が、ベンゼン環の3位、4位または5位の位置の水素原子と置換してなるものが好ましい。
jが2の場合、一般式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸ジエステルにおいて、R2が、ベンゼン環の4位および5位の位置の水素原子と置換してなるものが好ましい。
一般式(II)で表わされる芳香族ジカルボン酸ジエステルの具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジイソペンチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸ジテキシル、フタル酸メチルエチル、フタル酸(エチル)n−プロピル、フタル酸エチルイソプロピル、フタル酸(エチル)n−ブチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸(エチル)n−ペンチル、フタル酸エチルイソペンチル、フタル酸エチルネオペンチル、フタル酸(エチル)n−ヘキシル等のフタル酸ジエステル、4−クロロフタル酸ジエチル、4−クロロフタル酸ジ−n−プロピル、4−クロロフタル酸ジイソプロピル、4−クロロフタル酸ジ−n−ブチル、4−クロロフタル酸ジイソブチル、4−ブロモフタル酸ジエチル、4−ブロモフタル酸ジ−n−プロピル、4−ブロモフタル酸ジイソプロピル、4−ブロモフタル酸ジ−n−ブチル、4−ブロモフタル酸ジイソブチル等のハロゲン置換フタル酸ジエステル、4−メチルフタル酸ジエチル、4−メチルフタル酸ジ−n−プロピル、4−メチルフタル酸ジイソプロピル、4−メチルフタル酸ジ−n−ブチルまたは4−メチルフタル酸ジイソブチル等のアルキル置換フタル酸ジエステル等が挙げられる。
内部電子供与性化合物として、脂肪族ポリカルボン酸エステル類を使用する場合、脂肪族ポリカルボン酸エステル類としては、飽和脂肪族ポリカルボン酸エステルや、不飽和脂肪族ポリカルボン酸エステルを挙げることができる。
上記飽和脂肪族ポリカルボン酸エステルとしては、マロン酸ジエステル類、コハク酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、アジピン酸ジエステル類、グルタル酸ジエステル類等が挙げられる。マロン酸ジエステル、アルキル置換マロン酸ジエステル、アルキレン置換マロン酸ジエステル、コハク酸ジエステルから選ばれる1種または2種以上がより好ましい。
また、上記不飽和脂肪族ポリカルボン酸エステルとしては、マレイン酸ジエステル等を挙げることができ、マレイン酸ジエステルまたはアルキル置換マレイン酸ジエステルから選ばれる1種または2種以上がより好ましい。
内部電子供与性化合物としてコハク酸ジエステルを使用する場合、コハク酸ジエステルとしては、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、2,3−ジイソプロピルコハク酸ジエチル等が挙げられ、コハク酸ジエチルまたは2,3−ジイソプロプルコハク酸ジエチルが好ましい。
内部電子供与性化合物としてマレイン酸ジエステルを使用する場合、マレイン酸ジエステルとしては、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、及びマレイン酸ジイソブチルが好ましい。
内部電子供与性化合物としてアルキル置換マレイン酸ジエステルを使用する場合、アルキル置換マレイン酸ジエステルとしては、ジメチルマレイン酸ジブチル、ジエチルマレイン酸ジブチル及びジイソブチルマレイン酸ジエチルが好ましい。
内部電子供与性化合物としてマロン酸ジエステルを使用する場合、マロン酸ジエステルとしては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルまたはマロン酸ジイソブチルが好ましい。
また、内部電子供与性化合物としては、置換マロン酸ジエステルが好適である。
内部電子供与性化合物として置換マロン酸ジエステルを使用する場合、置換マロン酸ジエステルとしては、アルキル置換マロン酸ジエステルおよびハロゲン置換マロン酸ジエステルが好ましく、アルキル置換マロン酸ジエステルがより好ましい。
また、脂環族ポリカルボン酸エステルとしては、飽和脂環族ポリカルボン酸エステルおよび不飽和脂環族ポリカルボン酸エステルが挙げられる。具体的には、シクロアルカンジカルボン酸ジエステルやシクロアルケンジカルボン酸ジエステル等が挙げられる。
内部電子供与性化合物としてシクロアルカンジカルボン酸ジエステルを使用する場合、シクロアルカンジカルボン酸ジエステルとしては、シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸ジエステル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸ジエステル、シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、シクロヘプタン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、シクロオクタン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、シクロオクタン−1,3−ジカルボン酸ジエステル、シクロノナン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、シクロノナン−1,3−ジカルボン酸ジエステル、シクロデカン−1,2−ジカルボン酸ジエステル、シクロデカン−1,3−ジカルボン酸ジエステルなどが挙げられる。
内部電子供与性化合物としてジエーテル類を使用する場合、ジエーテル類としては、下記一般式(III)
R5 kH(3−k)C−O−(CR6R7)p−O−CR8 qH(3−q) … (III)
(一般式(III)中、R5とR8は、ハロゲン原子または炭素数1〜20の有機基であって、互いに同一であっても異なっていてもよく、R6とR7は、水素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の有機基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。炭素数1〜20の有機基は、酸素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、およびホウ素原子から選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよく、炭素数1〜20の有機基が複数存在する場合、複数の有機基は互いに結合して環を形成していてもよく、kは0〜3の整数であり、kが2以上の整数である場合、複数個存在するR5は互いに同一でも異なっていてもよく、pは1〜10の整数であり、pが2以上の整数である場合、複数個存在するR6およびR7はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、qは0〜3の整数であり、qが2以上の整数である場合、複数個存在するR8は互いに同一でも異なっていてもよい。)
で表わされる化合物を用いることができる。
一般式(III)で表わされる化合物において、R5またはR8がハロゲン原子である場合、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子である。
また、R5またはR8が炭素数1〜20の有機基である場合、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基である。
一般式(III)で表わされる化合物において、炭素数1〜20の有機基が複数存在する場合、複数の有機基は互いに結合して環を形成していてもよい。この場合、環を構成する複数の有機基としては、(1)R5同士(kが2以上である場合)、(2)R8同士(qが2以上である場合)、(3)R6同士(pが2以上である場合)、(4)R7同士(pが2以上である場合)、(5)R5とR6、(6)R5とR7、(7)R5とR8、(8)R6とR7、(9)R6とR8、(10)R7とR8の組み合せを挙げることができ、このうち、(8)R6とR7の組み合せが好ましく、R6とR7が互いに結合してフルオレン環等を形成しているものがより好ましい。
一般式(III)で表される化合物として、具体的には、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、3,3−ビス(メトキシメチル)−2,6−ジメチルヘプタン、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン等から選ばれる一種以上が挙げられ、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、3,3−ビス(メトキシメチル)−2,6−ジメチルヘプタン、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンから選ばれる一種以上が好ましく、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンから選ばれる一種以上がより好ましい。
一般式(III)で表わされる化合物において、kは0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。kが2以上の整数である場合、複数個存在するR5は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(III)で表わされる化合物において、pは1〜10の整数であり、1〜8の整数であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。pが2以上の整数である場合、複数個存在するR6およびR7は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(III)で表わされる化合物において、qは0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。qが2以上の整数である場合、複数個存在するR8は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
内部電子供与性化合物としてエーテルカーボネート類を使用する場合、エーテルカーボネート類としては、下記一般式(IV)
R9−O−C(=O)−O−Z−OR10 … (IV)
(式(IV)中、R9およびR10は、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3〜20の直鎖状アルケニル基または分岐アルケニル基、炭素数1〜20の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3〜20の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数2〜20の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3〜20の分岐ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルケニル基、炭素数3〜20のハロゲン置換シクロアルキル基、炭素数3〜20のハロゲン置換シクロアルケニル基、炭素数6〜24の芳香族炭化水素基、炭素数6〜24のハロゲン置換芳香族炭化水素基、結合末端が炭素原子である炭素数2〜24の窒素原子含有炭化水素基(但し、結合末端がC=N基であるものを除く)、結合末端が炭素原子である炭素数2〜24の酸素原子含有炭化水素基(但し、結合末端がカルボニル基であるものを除く)、または結合末端が炭素原子である炭素数2〜24のリン含有炭化水素基(但し、結合末端がC=P基であるものを除く)を示し、R9およびR10は同一であっても異なっていてもよく、Zは、炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)で表わされる化合物を用いることができる。
一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、(2−エトキシエチル)メチルカーボネート、(2−エトキシエチル)エチルカーボネート、(2−エトキシエチル)フェニルカーボネートが特に好ましい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、固体触媒成分が、マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物の接触反応物からなる場合、マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物の接触、反応を、第三成分であるポリシロキサンの存在下に行ってなるものであってもよい。
ポリシロキサンとは、主鎖にシロキサン結合(−Si−O−結合)を有する重合体であるが、シリコーンオイルとも総称され、25℃における粘度が0.02〜100cm2/s(2〜10000センチストークス)、より好ましくは0.03〜5cm2/s(3〜500センチストークス)を有する、常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、部分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサンを意味する。
鎖状ポリシロキサンとしては、ジシロキサンとしてヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1、3−ジクロロテトラメチルジシロキサン、1、3−ジブロモテトラメチルジシロキサン、クロロメチルペンタメチルジシロキサン、1,3−ビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサン、また、ジシロキサン以外のポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが、部分水素化ポリシロキサンとしては、水素化率10〜80%のメチルハイドロジェンポリシロキサンが、環状ポリシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンが、また変性ポリシロキサンとしては、高級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキシ基置換ジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基置換ジメチルシロキサンが例示される。これらの中で、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びジメチルポリシロキサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、マグネシウム化合物を主成分とするMg含有粒子が、上記オレフィン重合用固体触媒成分とともに、さらに有機アルミニウム化合物および必要に応じ外部電子供与性化合物を有するオレフィン重合用触媒である場合、上記有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(V)
R11sAlQ3−s … (V)
(式中、R11は炭素数1〜6のアルキル基であり、Qは水素原子またはハロゲン原子であり、sは0<p≦3の実数である。)
で表される有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
一般式(V)で表わされる有機アルミニウム化合物において、R11は炭素数1〜6のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等を挙げることができる。
上記一般式(V)で表わされる有機アルミニウム化合物において、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、Qがハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
上記一般式(V)で表わされる有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムハイドライドから選ばれる一種以上を挙げることができ、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好適である。
また、上記外部電子供与性化合物としては、酸素原子あるいは窒素原子を含有する有機化合物が挙げられ、具体的には、例えばアルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニトリル類、イソシアネート類、有機ケイ素化合物、中でもSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等が挙げられる。
上記外部電子供与性化合物のなかでも、安息香酸エチル、p−メトキシ安息香酸エチル、p−エトキシ安息香酸エチル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル等のエステル類、1,3−ジエーテル類、Si−O−C結合を含む有機ケイ素化合物が好ましく、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物が特に好ましい。
オレフィン類重合用触媒を構成する、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および外部電子供与性化合物の含有割合は、特に限定されるものではないが、固体触媒成分中のチタン原子1モルあたり、有機アルミニウム化合物が、1〜2000モルであることが好ましく、50〜1000モルであることがより好ましい。また、有機アルミニウム化合物1モルあたり、外部電子供与性化合物が、0.001〜10モルであることが好ましく、0.002〜2モルであることがより好ましく、0.002〜0.5モルであることがさらに好ましい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、解離処理及び分級処理を受ける未分級Mg含有粒子及びMg含有粒子は、粒径が1〜200μmであるものであり、5〜180μmであるものが適当であり、9〜160μmであるものがより適当である。
また、本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、解離処理及び分級処理を受ける未分級Mg含有粒子及びMg含有粒子は、平均粒径(D50)が、5〜100μmであるものが適当であり、7〜80μmであるものがより適当であり、10〜60μmであるものがさらに適当である。
本出願書類において、未分級Mg含有粒子及びMg含有粒子の粒径は、レーザ光散乱回折法により測定される値を意味し、また、未分級Mg含有粒子の平均粒子径(D50)は、レーザ光散乱回折法により測定される体積基準積算粒度で50%の粒径を意味する。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、未分級Mg含有粒子及びMg含有粒子は、下記式(ii)
粒度分布指数(SPAN)=(D90−D10)/D50 … (ii)
(D10、D50およびD90は、各々、上記測定機を用いて測定したときの体積基準積算粒度で、10%の粒径、50%の粒径および90%の粒径を意味する。)
で表わされる粒度分布指数(SPAN)が、0.5〜5.0であるものが適当であり、0.5〜4.0であるものがより適当であり、0.5〜3.0であるものがさらに適当である。
なお、本明細書において、平均粒径(D50)および粒度分布は、レーザ回折式粒子径分布測定装置(スペクトリス(株)製、マスターサイザー3000)を用いて求めたものを意味する。
また、未分級Mg含有粒子は、下記式(1)
磨滅耐久度A=(Z÷Y)×100 … (1)
(式中、Yは、レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧0.4バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、Zは、前記レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧1.0バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、それぞれ示す。)
で表わされる磨滅耐久度A(%)が85以下であり、60〜85%であるものが適当であり、65〜80%であるものがより適当であり、70〜75%であるものがさらに適当である。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法においては、粒子強度が小さく脆弱な多孔体粒子である未分級Mg含有粒子、すなわち上記摩滅耐久度Aが90%以下の通常は分級が困難である粒子を分級した場合であっても、微粉粒子や粗粉粒子といった微粗粉粒子の含有量を低減させると共に、粒子破壊を防止して、粒度分布が狭く、粒子形状も良好な分級粒子を得ることができる。
なお、本明細書において、磨滅耐久度Aは、レーザ回折式粒子径分布測定装置(スペクトリス(株)製、マスターサイザー3000)および乾式粉体分散用の乾式分散ユニット(スペクトリス(株)製、Aero S)を用いて求めたものを意味する。
<Mg含有粒子の製造方法>
[調製工程]
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、未分級Mg含有粒子を調製する調製工程について説明する。なお、調製工程で得られるマグネシウム化合物を主成分とする未分級Mg含有粒子の構成については、上述した通りであるので説明を省略する。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、未分級Mg含有粒子を構成するマグネシウム化合物は、アルコキシマグネシウムを原料として調製されることが適当である。
例えば、球状のジアルコキシマグネシウムを製造する方法は、例えば、日本の特許出願の明細書である、特開昭58−4132号公報、特開昭62−51633号公報、特開平3−74341号公報、特開平4−368391号公報、特開平8−73388号公報等に例示されている。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法においては、得られたジアルコキシマグネシウムを、後述する分級工程に示す方法により分級することができる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法においては、上述したマグネシウム化合物とともに、チタン、ハロゲンおよび一種以上の内部電子供与体を含むオレフィン重合用固体触媒成分としては、アルコキシマグネシウム、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物の接触反応物を、後述する分級工程に示す方法により分級してもよい。
上記マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物、内部電子供与性化合物(および場合によりポリシロキサン)を接触させ、反応させる処理は、トルエンやヘキサン等の不活性有機溶媒の存在下に行うことが好ましい。
上記不活性有機溶媒としては、常温(20℃)下において液体で、かつ沸点50〜150℃であるものが好ましく、常温下において液体で、かつ沸点50〜150℃である芳香族炭化水素化合物または飽和炭化水素化合物がより好ましい。
上記反応時の温度は、0〜130℃が好ましく、40〜130℃がより好ましく、30〜120℃がさらに好ましく、80〜120℃が一層好ましい。また、反応時間は、1分間以上が好ましく、10分間以上がより好ましく、30分間〜6時間がさらに好ましく、30分間〜5時間が一層好ましく、1〜4時間がより一層好ましい。
マグネシウム化合物、四価のチタンハロゲン化合物および内部電子供与性化合物類を接触、反応させる際、マグネシウム化合物1モルに対する四価のチタンハロゲン化合物の使用量は、0.5〜100モルであることが好ましく、1〜50モルであることがより好ましく、1〜10モルであることがさらに好ましい。
各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水分等を除去した状況下で、撹拌機を具備した容器中で、撹拌しながら行うことが好ましい。
上記反応終了後、反応生成物は、反応液を静置し、適宜、上澄み液を除去してウェット状(スラリー状)とするか、さらに熱風乾燥等により乾燥状態にした上で、洗浄処理することが好ましい。
上記洗浄処理は、通常洗浄液を用いて行われる。
洗浄液としては、上記不活性有機溶媒と同様のものを挙げることができ、上記洗浄液を使用することにより、反応物中から、副生成物や不純物を容易に溶解し、除去することができる。
上記各成分を接触、反応させた後、洗浄処理することにより、反応生成物中に残留する未反応原料成分や反応副生成物(アルコキシチタンハライドや四塩化チタン−カルボン酸錯体等)の不純物を除去することができる。
上記各成分の接触反応物は、通常、懸濁液状であり、当該懸濁液状の生成物は、静置し、上澄み液を除去してウェット状(スラリー状)としたり、さらに熱風乾燥等により乾燥することにより固体触媒成分を得ることができる。
上記固体触媒成分において、マグネシウム原子の含有量は、10〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜40質量%がさらに好ましく、15〜25質量%が特に好ましい。
上記固体触媒成分において、チタン原子の含有量は、0.5〜8.0質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましく、0.5〜3.0質量%がさらに好ましい。
上記固体触媒成分において、ハロゲン原子の含有量は、20〜88質量%が好ましく、30〜85質量%がより好ましく、40〜80質量%がさらに好ましく、45〜75質量%が一層好ましい。
上記固体触媒成分において、内部電子供与性化合物の含有割合は、1.5〜30.0質量%が好ましく、3.0〜25.0質量%がより好ましく、6.0〜25.0質量%がさらに好ましい。
本出願書類において、固体触媒成分中のマグネシウム原子の含有量は、固体触媒成分を塩酸溶液で溶解し、EDTA溶液で滴定するEDTA滴定方法により測定した値を意味するものとする。
本出願書類において、固体触媒成分中のチタン原子の含有量は、JIS 8311−1997「チタン鉱石中のチタン定量方法」に記載の方法(酸化還元滴定)に準じて測定した値を意味するものとする。
本出願書類において、固体触媒成分中のマグネシウム原子の含有率は、固体触媒成分を塩酸溶液で溶解し、EDTA溶液で滴定するEDTA滴定方法により測定した値を意味するものとする。
本出願書類において、固体触媒成分中のハロゲン原子の含有量は、固体触媒成分を硫酸と純水の混合溶液で処理して水溶液とした後、所定量を分取し、硝酸銀標準溶液でハロゲン原子を滴定する硝酸銀滴定法により測定した値を意味するものとする。
本出願書類において、固体触媒成分中の内部電子供与性化合物の含有量は、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC−14B)を用いて下記の条件で測定したときに、予め既知濃度に基づいて測定した検量線を用いて求められる結果を意味する。
<ガスクロマトグラフィーの測定条件>
カラム:パックドカラム(φ2.6×2.1m、 Silicone SE−30 10%、Chromosorb WAWDMCS 80/100、ジーエルサイエンス(株)社製)
検出器:FID(Flame Ionization Detector、水素炎イオン化型検出器)
キャリアガス:ヘリウム、流量40ml/分
測定温度:気化室280℃、カラム225℃、検出器280℃、または気化室265℃、カラム180℃、検出器265℃
本発明に係るMg含有粒子の製造方法においては、得られたオレフィン重合用固体触媒成分を、後述する分級工程に示す方法により分級することができる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、マグネシウム化合物を主成分とする未分級Mg含有粒子が、上記オレフィン重合用固体触媒成分とともに、さらに有機アルミニウム化合物および必要に応じ外部電子供与性化合物を有するオレフィン重合用触媒である場合、オレフィン類重合用触媒は、(α)固体触媒成分、(β)有機アルミニウム化合物および(γ)外部電子供与性化合物を、公知の方法で接触させることにより作製することができる。
上記各成分を接触させる順序は任意であるが、例えば、以下の接触順序を例示することができる。
(i)(α)固体触媒成分→(γ)外部電子供与性化合物→(β)有機アルミニウム化合物
(ii)(β)有機アルミニウム化合物→(γ)外部電子供与性化合物→(α)固体触媒成分
(iii)(γ)外部電子供与性化合物→(α)固体触媒成分→(β)有機アルミニウム化合物
(iv)(γ)外部電子供与性化合物→(β)有機アルミニウム化合物→(α)固体触媒成分
上記接触例(i)〜(iv)において、接触例(ii)が好適である。
なお、上記接触例(i)〜(iv)において、「→」は接触順序を意味し、例えば、「(α)オレフィン類重合用固体触媒成分→(β)有機アルミニウム化合物→(γ)外部電子供与性化合物」は、(α)固体触媒成分中に(β)有機アルミニウム化合物を添加して接触させた後、(γ)外部電子供与性化合物を添加して接触させることを意味する。
上記オレフィン類重合用触媒は、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および外部電子供与性化合物を、オレフィン類不存在下で接触させてなるものであってもよいし、オレフィン類の存在下で(重合系内で)接触させてなるものであってもよい。
上記固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および外部電子供与性化合物の接触は、固体触媒成分や調製造後のオレフィン類重合用触媒の劣化を防止するため、アルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気下、或いはプロピレン等のモノマー雰囲気下で行うことが好ましい。
また、操作の容易性を考慮すると、不活性溶媒等、分散媒の存在下において行うことも好ましい。
上記各成分を接触させる際の接触温度は、−10℃〜100℃が好ましく、0℃〜90℃がより好ましく、20℃〜80℃がさらに好ましい。接触時間は1分間〜10時間が好ましく、10分間〜5時間がより好ましく、30分間〜2時間がさらに好ましい。
接触温度及び接触時間を上記の範囲とすることで、オレフィン類重合用触媒の重合活性や得られる重合体の立体規則性を向上させ易くなり、結果として得られるオレフィン類重合体の機械的物性が向上し易くなる。
[処理工程]
次に、本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、未分級Mg含有粒子を処理する処理工程について説明する。処理工程では、凝集が解かれた粒子と凝集状態の粒子とを含む未分級Mg含有粒子に対して処理を行うことにより、凝集したMg含有粒子の凝集状態を解離させ、更に、凝集が解かれた未分級Mg含有粒子の分級を行いMg含有粒子を得る。つまり、処理工程では、未分級Mg含有粒子の解離処理及び分級処理を行い、Mg含有粒子を得て、Mg含有粒子以外の粒子である微粉を除去する。処理工程においては、直径200〜1000mmの回転体を有する遠心式気流分級装置を用いて未分級Mg含有粒子を分級処理する。なお、処理工程に先立ち、前処理工程を行ってもよい。前処理工程を設けることで、篩別等の手段により、未分級Mg含有粒子から連結粒などの粗粉粒子や、鉄粉などの不純物の除去を行うことができる。
ここで、本明細書における微粉(微粉粒子、Mg含有粒子以外の粒子)とは、オレフィン類の重合に供した場合に、所定粒径の「微粉状のポリマー(微粉ポリマーともいう)」を生成しうる粒子のことをいう。オレフィン類の重合時において、このような微粉ポリマーが多くなると、均一な重合反応の継続を妨げ、重合体移送時における配管の閉塞をもたらす等のプロセス障害の原因となるので好ましくない。また、重合体の成形加工に不良品が増加する等の好ましくない影響を及ぼすため、微粉ポリマーを低減することが望まれている。従って、本発明に係るMg含有粒子の製造方法においては、上記処理工程で未分級Mg含有粒子の解離処理及び分級処理を行い、Mg含有粒子以外の粒子である微粉を除去する。
本明細書において、分級処理で除去される対象となる微粉(微粉粒子)とは、目的とする重合体の平均粒径(D50)や重合活性に応じて、下記式(A)により算出することができる。
微粉の粒径=(重合体の平均粒径)/(3√(重合活性)) (A)
例えば、平均粒径(D50)が75(μm)かつ重合活性40,000〜65,000(g−pp/g−cat)の重合体の場合には、75÷(34.2〜39.6)=1.9〜2.9(μm)の固体触媒(微粉)が「微粉状ポリマー」となりうる。従って、この場合における分級処理で除去される対象となる微粉(微粉粒子)とは、概ね5(μm)未満の粒子である。
なお、本明細書において、Mg含有粒子(製品)をオレフィン類の重合に供して形成した重合体の平均粒径(D50)は、100〜5000μmであり、重合体の重合活性は、8,000〜150,000(g−pp/g−cat)である。従って、本明細書における分級処理で除去される対象となる微粉(微粉粒子)の粒径は、0.1〜100.0μmである。
ここで、回転体とは遠心式気流分級装置に設けられた円盤状分級ロータを意味する。
円盤状分級ロータの直径は、200〜1000mmであり、300〜800mmであることが適当であり、300〜700mmであることがより適当である。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法においては、遠心式気流分級装置を構成する円盤状分級ロータの直径が上記範囲内にあるものであることにより、未分級Mg含有粒子を破壊することなく、微粉粒子や粗粉粒子といった微粗粉粒子を好適に除去するとともに、粒度分布が狭く、粒子形状も良好なMg含有粒子を回収し得る回転速度および風量を容易に達成することができる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、遠心式気流分級装置としては、円盤状分級ロータを高速回転する方法により、回転の遠心力と気体吸引の向心力とのバランスで粉体を乾式分級する装置であれば特に限定されないが、装置内部に回転体を有し、その回転力によって粒子に遠心力を働かせつつ、装置内部を通過する内向きの気流によって粒子に抗力を働かせる強制渦遠心式分級装置や、装置内部に回転体を持たず、案内羽根等を設けて旋回気流を作り、その旋回する動きで粒子に遠心力を働かせつつ、旋回気流そのもので粒子に抗力を働かせる半自由渦遠心式分級装置等が好ましく用いられる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、円盤状分級ロータを有する遠心式気流分級装置を用いて未分級Mg含有粒子を気流分級する際の回転速度は、3000rpm(回転/分)以下であり、100〜3000rpmであることがより適当であり、500〜2500rpmであることがさらに適当である。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、円盤状分級ロータを有する遠心式気流分級装置を用いて未分級Mg含有粒子を気流分級する際の未分級Mg含有粒子を遠心式気流分級装置に供給する風量と円盤状分級ロータ内部に粒子を送り込む風量の合算における風量(全風量)は、1〜50m3/分であり、5〜40m3/分であることが適当であり、5〜30m3/分であることがより適当である。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、円盤状分級ロータを有する遠心式気流分級装置を用いて未分級Mg含有粒子を気流分級する際の円盤状分級ロータ内部に粒子を送り込むためにおける風量(循環風量)は、1〜50m3/分であり、1〜35m3/分であることが適当であり、5〜20m3/分であることがより適当である。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、分級を行う際の円盤状分級ロータ(回転体)の周速は、2〜130m/秒が好ましく、6〜110m/秒がより好ましく、9〜90m/秒の範囲がさらに好ましい。
なお、上記円盤状分級ロータ(回転体)の周速は、分級ロータの直径L(mm)および分級ロータ(回転体)の回転速度S(rpm)に基づいて、下記式(2)により算出される値を意味する。
円盤状分級ロータ(回転体)の周速(m/秒)=L(mm)×π×S(回転/分)÷1000÷60 … (2)
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、分級時間は、20〜900分間が好ましく、40〜800分間がより好ましく、60〜600分間がさらに好ましい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、筐体と分級ロータ(回転体)の頂面とで規定され投入口と分級室とを接続する流路の内部を流れる未分級Mg含有粒子の流速を減少させつつ分級室に前記未分級Mg含有粒子を供給する工程を備える。これによって、Mg含有粒子が筐体の内面等に衝突した際の衝撃のエネルギーが低減され、製品の歩留が向上する。その際、Mg含有粒子の流速の減少量としては、以下とすることが好ましい。
すなわち、本発明に係るMg含有粒子の製造方法では、分級室に未分級Mg含有粒子を供給する工程において、分級室の入口の鉛直方向断面における未分級Mg含有粒子の平均流速は、流路の上流端部における未分級Mg含有粒子の平均流速の半分以下に低減されることが好ましい。
さらに、本発明に係るMg含有粒子の製造方法では、分級室に未分級Mg含有粒子を供給する工程において、分級ロータの半径の略中間位置の鉛直方向断面での未分級Mg含有粒子の平均流速は、流路の上流端部における未分級Mg含有粒子の平均流速の2/3以下であることが好ましい。さらに、本発明に係るMg含有粒子の製造方法では、前記分級室の入口の鉛直方向断面における前記Mg含有粒子の平均流速は、15m/s以下であることが好ましい。なお、本明細書において、分級ロータ(回転体)の頂面の半径の「略中間位置」とは、分級ロータの頂面の半径の中間位置と、その中間位置から分級ロータの頂面の半径の10%の長さに相当する長さの範囲内の任意の位置と、を含む位置をいう。分級ロータ(回転体)の半径の長さをXとしたときに、分級ロータ(回転体)の頂面の中心から略中間位置までの距離Yは、例えば、下記式で表すことができる。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、上記分級ロータを有する気流分級装置により分級を行う際の分級媒体としては、水分含有量が20質量ppm以下の乾燥気体を用いることが好ましく、未分級Mg含有粒子がオレフィン類重合用固体触媒成分である場合は、マグネシウム化合物粒子に担持させた活性チタン成分等が失活しないよう、アルゴンや窒素などの不活性ガスを用いることが好ましい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、未分級Mg含有粒子の供給量は、1〜60kg/時間が好ましく、3〜50kg/時間がより好ましく、5〜40kg/時間がさらに好ましい。
本発明に係るMg含有粒子の製造方法において、得られるMg含有粒子(分級粒子)は、上記式(ii)により規定される粒度分布指数(SPAN)が1以下であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.8以下であることがさらに好ましい。
本発明によれば、マグネシウムを主成分として含有し、平均粒径D50(μm)が5〜100μmである未分級Mg含有粒子を、特定範囲の直径の回転体を有する遠心式気流分級装置を用いて所定条件で気流分級することにより、微粉粒子や粗粉粒子といった微粗粉粒子を除去しつつ、粒子強度の低い粗粉粒子の凝集状態を適度に解すことができ、所望粒径を有する粒子の破壊を抑制しつつその含有割合を増加させることができることから、所望の粒径を有し粒度分布の狭い分級粒子を高い収率で容易に得ることができる。
<オレフィン類重合体の製造方法>
次に、本発明のMg含有粒子の製造方法で製造されたMg含有粒子を用いたオレフィン類重合体の製造方法について説明する。
オレフィン類重合体の製造方法は、本発明に係るMg含有粒子製造方法において未分級Mg含有粒子がオレフィン類重合用固体触媒成分またはオレフィン類重合触媒である場合において、得られた分級粒子を用いてオレフィン類を重合することを特徴とするものである。
具体的には、本発明に係るMg含有粒子製造方法において未分級Mg含有粒子がオレフィン類重合用固体触媒成分である場合には、得られた固体触媒成分を用いてオレフィン類重合触媒を形成し、係るオレフィン類重合触媒の存在下において、また、本発明に係るMg含有粒子製造方法において未分級Mg含有粒子がオレフィン類重合触媒である場合には、得られたオレフィン類重合触媒の存在下において、オレフィン類の重合を行なう。
オレフィン類重合体の製造方法において、オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等から選ばれる一種以上を挙げることができ、エチレン、プロピレンまたは1−ブテンが好適であり、プロピレンがより好適である。
プロピレンを重合する場合、他のオレフィン類との共重合を行ってもよく、プロピレンと他のオレフィン類の単量体との共重合としては、プロピレンと少量のエチレンをコモノマーとして、1段で重合するランダム共重合と、第一段階(第一重合槽)でプロピレンの単独重合を行い、第二段階(第二重合槽)あるいはそれ以上の多段階(多段重合槽)でプロピレンとエチレン等の他のα−オレフィンとの共重合を行う、いわゆるプロピレン−エチレンブロック共重合が代表的であり、プロピレンと他のα―オレフィンとのブロック共重合が好ましい。
ブロック共重合により得られるブロック共重合体とは、2種以上のモノマー組成が連続して変化するセグメントを含む重合体であり、モノマー種、コモノマー種、コモノマー組成、コモノマー含量、コモノマー配列、立体規則性などポリマーの一次構造の異なるポリマー鎖(セグメント)が1分子鎖中に2種類以上繋がっている形態のものをいう。
共重合されるオレフィン類としては、炭素数2〜20のα−オレフィン(炭素数3のプロピレンを除く)であることが好ましく、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができ、これ等のオレフィン類は一種以上併用することができる。共重合されるオレフィン類としては、エチレンまたは1−ブテンが好適であり、エチレンが特に好適である。
オレフィン類重合体の製造方法において、オレフィン類の重合は、有機溶媒の存在下でも不存在下でも行うことができる。
また、重合対象となるオレフィン類は、気体および液体のいずれの状態でも用いることができる。
オレフィン類の重合は、例えば、オートクレーブ等の反応炉内において、オレフィン類重合用触媒の存在下、オレフィン類を導入し、加熱、加圧状態下に行う。
オレフィン類重合体の製造方法において、重合温度は、通常200℃以下であるが、100℃以下が好ましく、活性や立体規則性の向上の観点からは、60〜100℃がより好ましく、70〜90℃がさらに好ましく、75〜80℃が一層好ましい。本発明のオレフィン類重合体の製造方法において、重合圧力は、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。
オレフィン類重合体の製造方法においては、上記重合温度範囲において、比較的高温下でホモ重合した場合でも水素活性に優れ高い立体規則性およびMFRを有する重合体を高い生産性の下で作製することができるとともに、高温下で共重合した場合においても、優れた水素活性と共重合活性を達成し、耐衝撃性に優れた共重合体を製造することができる。
また、連続重合法、バッチ式重合法のいずれでも可能である。更に重合反応は一段で行ってもよいし、二段以上で行ってもよい。
オレフィン類重合体の製造方法において、プロピレンと他のα−オレフィン類とのブロック共重合反応は、通常、本発明に係るオレフィン類重合用触媒の存在下、前段でプロピレン単独あるいは、プロピレンと少量のα−オレフィン(エチレン等)とを接触させ、次いで後段でプロピレンとα−オレフィン(エチレン等)とを接触させることにより実施することができる。なお、上記前段の重合反応を複数回繰り返し実施してもよいし、上記後段の重合反応を複数回繰り返し多段反応により実施してもよい。
プロピレンと他のα−オレフィン類とのブロック共重合反応は、具体的には、前段で(最終的に得られる共重合体に占める)ポリプロピレン部の割合が20〜90重量%になるように重合温度および時間を調整して重合を行ない、次いで後段において、プロピレンおよびエチレンあるいは他のα−オレフィンを導入し、(最終的に得られる共重合体に占める)エチレン−プロピレンゴム(EPR)などのゴム部割合が10〜80重量%になるように重合する。
前段及び後段における重合温度は共に、200℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、75〜80℃がさらに好ましく、重合圧力は、10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。
上記共重合反応においても、連続重合法、バッチ式重合法のいずれの重合法も採用することができ、重合反応は1段で行なってもよいし、2段以上で行なってもよい。
また、重合時間(反応炉内の滞留時間)は、前段または後段の各重合段階のそれぞれの重合段階で、あるいは連続重合の際においても、1分〜5時間であることが好ましい。
重合方法としては、シクロヘキサン、ヘプタン等の不活性炭化水素化合物の溶媒を使用するスラリー重合法、液化プロピレン等の溶媒を使用するバルク重合法、実質的に溶媒を使用しない気相重合法が挙げられ、バルク重合法または気相重合法が好適であり、後段の反応は一般的にはEPRのPP粒子からの溶出を抑える目的から気相重合反応であることが好ましい。
オレフィン類重合体の製造方法において、オレフィン類を重合(以下、適宜、本重合と称する。)するにあたり、重合対象となるオレフィン類に対してオレフィン類重合用触媒の構成成分の一部または全部を接触させることにより、予備的な重合(以下、適宜、予備重合と称する。)を行ってもよい。
予備重合を行うに際して、オレフィン類重合用触媒の構成成分およびオレフィン類の接触順序は任意であるが、不活性ガス雰囲気あるいはオレフィンガス雰囲気に設定した予備重合系内に先ず有機アルミニウム化合物を装入し、次いで固体触媒成分を接触させた後、プロピレン等のオレフィン類を一種以上接触させることが好ましい。または、不活性ガス雰囲気あるいはオレフィンガス雰囲気に設定した予備重合系内に先ず有機アルミニウム化合物を装入し、次いで必要に応じ外部電子供与性化合物を接触させ、さらに固体触媒成分を接触させた後、プロピレン等のオレフィン類を一種以上接触させることが好ましい。
予備重合の際には、本重合と同様のオレフィン類、あるいはスチレン等のモノマーを用いることができ、予備重合条件も、上記重合条件と同様である。
上記予備重合を行うことにより、触媒活性を向上させ、得られる重合体の立体規則性および粒子性状等を一層改善し易くなる。
オレフィン類重合体の製造方法によれば、得られるオレフィン類重合体の上記式(ii)により規定される粒度分布指数(SPAN)が、1以下であることが適当であり、0.9以下であることがより適当であり、0.8以下であることがさらに適当である。
本発明のMg含有粒子の製造方法で得られたMg含有粒子を用いることにより、重合体粒子中の微粉粒子および粗粉粒子の含有量が低減された、粒度分布の狭いオレフィン類重合体の製造方法を提供することができる。
[Mg含有粒子分級装置の実施形態]
以下に、図1〜図4を参照して、実施形態のMg含有粒子分級装置11について説明する。Mg含有粒子分級装置11は、遠心式気流分級装置の一例である。
図1に示すように、Mg含有粒子分級装置11は、全体を覆う筐体12と、筐体12内に設けられた分級ロータ13およびバランスロータ14と、分級ロータ13およびバランスロータ14を支持して回転させる回転軸15と、回転軸15を回転駆動するための図示しないモータと、筐体12の内面19と分級ロータ13の頂面16とでその外縁が規定される流路17と、を備える。
本明細書において、筐体12とは、略円筒形の全体形状を有するケーシングのことをいう。筐体12は、Mg含有粒子分級装置11の外殻を構成する容器状に形成されるとともに、分級ロータ13、バランスロータ14、および回転軸15の一部の周囲を取り囲んでいる。筐体12は、円筒形の筒状部30と、筒状部30の先端部に設けられ、未分級Mg含有粒子20を投入可能な投入口18と、周側部の上部に設けられ分級処理後の製品となるMg含有粒子24の取出口21と、周側部の下部に設けられた渦巻ケーシング22と、取出口21と渦巻ケーシング22との間の位置で周側部に設けられた空気導入口23と、を備えている。投入口18には、未分級Mg含有粒子20が空気とともにMg含有粒子分級装置11内に投入される。投入口18の先端は、フランジ形に形成され、未分級Mg含有粒子20を供給する図示しない未分級Mg含有粒子供給装置に接続されている。渦巻ケーシング22は、捕集装置およびファンと接続されており、微紛24aを空気とともに除去できる。
回転軸15は、筐体12の中心に設けられている。回転軸15は、軸受け25によって回転自在に支持され、下端にはプーリ26が取り付けられている。回転軸15は、プーリ26を介してモータで回転駆動される。分級ロータ13およびバランスロータ14は、水平面内で回転可能(自転可能)に設けられている。
分級ロータ13は、水平面内で回転する回転体の一例である。分級ロータ13は、頂面16と、内部に設けられ外縁部から中心部下方に連通する第1空洞部27と、第1空洞部27の外縁部近傍に等間隔に設けられた複数の分級羽根28と、分級羽根28同士の間の空間部分に設けられた複数の分級室31と、頂面16に設けられ分級羽根28の半径方向ほぼ中央に対応する位置に形成された複数の開口32と、分級羽根28と対向する下面に等間隔に設けられた複数の補助羽根33と、を有する。分級ロータ13およびバランスロータ14の直径は、例えば、200〜1000mmであり、300〜800mmであることが好適であり、300〜700mmであることがより好適である。複数の分級羽根28のそれぞれは、例えば、内側分級羽根28Aと、外側分級羽根28Bと、を含んでいる。
頂面16は、略平坦形状に形成されている。頂面16は、平坦部16Aと、平坦部16Aの中央部に設けられた円錐台形状のコーン部16Bと、を有する。コーン部16Bの内部には、分級ロータ13およびバランスロータ14が回転軸15から脱落することを阻止するピンが収納されている。
複数の分級羽根28のそれぞれは、分級ロータ13の半径方向に放射状に延びている。複数の開口32のそれぞれは、頂面16の外縁に沿って略環状をなすように形成されており、分級室31に向けて粉体を落下させることができる。
補助羽根33は、分級ロータ13が回転したときに空気に回転方向の流れを与え、旋回した状態で空気を分級室31に導入できる。
Mg含有粒子分級装置11は、分級ロータ13の外縁部と筐体12との間に空所34を有する。取出口21は、この空所34と連通するように形成されている。
バランスロータ14は、水平面を基準に分級ロータ13と上下対称となる形状を有するとともに、分級ロータ13と略同じ重量を有する。バランスロータ14は、分級ロータ13とほぼ同様にその外縁部から中心部上方に連通する第2空洞部35と、第2空洞部35内の開口部近傍に設けられた複数の羽根36と、を有する。第2空洞部35は、中心部上方で分級ロータ13の第1空胴部27と連通するように、分級ロータ13及び回転軸15に対して一体的に固定されている。バランスロータ14の第2空洞部35の出口付近には、これを包囲するように渦巻ケーシング22が配置されている。
図2に示すように、流路17は、投入口18と分級室31とを結ぶ経路の一部に形成されている。流路17は、その外縁を形成する筐体12の内面19および分級ロータ13の頂面16と、それらの間に位置されて流体が流される空洞部分と、を含む概念である。図3、図4に示すように、流路17は、その上流側に位置し、投入口18を形成する筒状部30の下部内面とコーン部16Bの上端部との間に設けられた空隙である上流端部17Aと、その下流側に設けられ分級室31との境界に位置する分級室の入口31Aと、を含む。すなわち、流路17は、上流端部17Aと分級室30とを接続している。上流端部17Aは、未分級Mg含有粒子20の流れ方向における流路17の上流側の端部に相当し、且つ流路17の入口に相当する。本実施形態の流路17の断面積は、後述する参考実施形態の分級装置41の流路17に比して、大きくなっている。本実施形態では、参考実施形態の分級装置41に比して、筐体12の内面19が分級ロータ13の頂面16から離間した位置に配置されている。
流路17は、筐体12の内面19と分級ロータ13の頂面16とで規定される空間内に形成され、投入口18を中心に外側に広がる略円盤形に形成されている。筐体12は、頂面16の平坦部16Aに対向する位置で筐体12に設けられた第1部分12Aと、頂面16の平坦部16Aに対向する位置で且つ第1部分12Aよりも投入口18側(内側)で筐体12に設けられた第2部分12Bと、頂面16のコーン部16Bに対向する位置で筐体12に設けられた第3部分12Cと、を有する。第1部分12Aは、頂面16(平坦部16A)から第1の所定距離を離間している。第1の所定距離は、例えば、図2中に寸法dで示され、例えば、6〜15mmであり、8〜12mmであることがさらに好ましい。
第2部分12Bは、第1の所定距離よりも大きい第2の所定距離以上頂面16(平坦部16A)から離間している。第2の所定距離は、例えば、図2中に寸法cで示される。第2部分12Bは、寸法c>寸法dの関係を満たすように形成される。第2の所定距離は、例えば、11〜16mmであり、12〜15mmであることがさらに好ましい。
第2部分12Bは、分級ロータ13の中心方向に近づくにつれて(投入口18に近づくにつれて)頂面16から遠ざかるように斜めになっている。第2部分12Bのうち頂面16から最も遠ざかった部分と頂面16(平坦部16A)との間の距離は、図2中に寸法bで示され、例えば、17〜22mmであり、18〜21mmであることがさらに好ましい。
第3部分12Cは、コーン部16Bに対向する位置で流路17内にエッジを生じないように、角部を面取りするように形成されている。第3部分12Cは、コーン部16Bの側面に沿うように略平行に形成されている。第3部分12Cとコーン部16Bの側面との間の距離は、図2中に寸法aで示され、例えば、14〜19mmであり、15〜18mmであることがさらに好ましい。
流路17は、上記のように第3部分12Cおよび第2部分12Bに対応する箇所で断面積を比較的に大きくするように形成されている。このため、流体力学の連続の式より、この流路17の内部を流れる未分級Mg含有粒子20の上流端部17Aにおける平均流速よりも、流路17中の上流端部17Aよりも下流側における未分級Mg含有粒子20の平均流速を小さくすることができる。
より具体的には、流路17は、分級室31の入口31Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速を上流端部17Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速の半分以下に減少できる。また、流路は、分級ロータ13(分級ロータ13の頂面16)の半径の略中間位置における未分級Mg含有粒子20の平均流速を、上流端部17Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速の2/3以下に低減できる。したがって、本実施形態のMg含有粒子分級装置11の流路17は、前半部分(第2部分12Bおよび第3部分12C)で未分級Mg含有粒子20の流速を大きく低下させることができる。さらに、流路17は、分級室31の入口31Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速を例えば15m/s以下にできる。
また、Mg含有粒子分級装置11は、未分級Mg含有粒子20中に含まれる粒径5μm未満の微粉粒子(Mg含有粒子以外の粒子)を除去できる。分級時に微粉として除去する粒子の粒子径(カットポイント)は、5μm以上かつ未分級Mg含有粒子20の平均粒径(D50)以下の範囲であると共に、分級ロータ13の寸法、分級ロータ13の回転数、流路17の寸法、渦巻ケーシング22に接続するファンのサイズ、その他の条件を上記範囲内で設定することで適宜に調整できる。これによって、Mg含有粒子分級装置11は、除去対象の微粉粒子(例えば、粒径5μm未満の微粉粒子)を確実に除去できる。なお、微粉粒子の粒径は、上記式(A)により算出することができ、0.1〜100.0μmの範囲で適宜設定することができる。
続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態のMg含有粒子分級装置11の作用およびMg含有粒子の製造方法について説明する。
モータの駆動により分級ロータ13およびバランスロータ14を所定の速度で回転させる。分級ロータ13の回転速度は、上記分級工程で記載した通りである。
渦巻ケーシング22に連結されたファンで筐体12の内部に負圧を生じさせる。これによって、矢印で示すように空気導入口23から空気が吸引され、この吸引によって流入された空気は補助羽根33によって分級ロータ13の回転方向の流れに変換される。空所34内において、分級ロータ13の回転方向に沿って旋回する空気は、分級室31内に向けて流れる空気流を形成する。分級室31に入った空気は、分級羽根28に沿って移動し、矢印で示すように分級ロータ13の第1空洞部27とバランスロータ14の第2空洞部35とを通過し、渦巻ケーシング22を介して筐体12外に吸引される。これと同時に、筐体12の内部の負圧は、投入口18から流路17を通り分級室31まで至る空気流を形成する。
この状態で、投入口18から未分級Mg含有粒子20を投入することで、Mg含有粒子24の分級(製造)を行うことができる。すなわち、投入口18から空気とともに投入された未分級Mg含有粒子20は、空気流に乗り、流路内を通過する間に分級ロータ13の軸心を中心とする放射方向にほぼ均一に分散され、未分級Mg含有粒子20の一次分散が行われる。このように分級室31に未分級Mg含有粒子20を供給する工程において、分級室31の入口31Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速は、上流端部17Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速の半分以下に低減される。また、この分級室31に未分級Mg含有粒子20を供給する工程において、分級ロータ13の半径の略中間位置における未分級Mg含有粒子20の平均流速は、上流端部17Aにおける未分級Mg含有粒子20の流速の2/3以下に低減される。そして、分級室31の入口31Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速は、15m/s以下である。頂面16の外縁から外側に出た未分級Mg含有粒子20は分級ロータ13の回転に伴い分級ロータ13の外縁の接線方向に放射され、二次分散される。
投入口18に投入される未分級Mg含有粒子20は、一次粒子同士が結合して塊となった二次粒子を形成している場合が多い。この一次分散および二次分散では、未分級Mg含有粒子20の二次粒子が分級ロータ13の頂面16や筐体12の内面19等に衝突することで適度にほぐされて、一次粒子の形にまで解砕される。その際、流路17において、分級室31に供給される際の未分級Mg含有粒子20の流速が十分に低下されているために、分級室31に供給される前に未分級Mg含有粒子20が筐体12の内面19や分級ロータの頂面16等に衝突して壊れてしまうことが防止される。
一次粒子の形にまで解砕された未分級Mg含有粒子20は、開口32を通して分級室31に供給される。ここで未分級Mg含有粒子20は分級ロータ13の回転による遠心力と半径方向に流れる空気による抗力を受ける。未分級Mg含有粒子20のうち、遠心力>抗力の関係が成り立つ分級処理後のMg含有粒子24(製品)は分級ロータ13の外周囲の空所内に飛ばされ、取出口21からMg含有粒子分級装置11の外に取り出される。また遠心力<抗力の関係が成り立つ粒径の小さい微紛24aは半径方向の空気流に乗った状態で、分級ロータ13の第1空洞部27およびバランスロータ14の第2空洞部35を介して渦巻ケーシング22に送られる。微紛24aは、渦巻ケーシング22に接続された捕集装置により捕集・除去される。
本実施形態によれば、以下のことがいえる。Mg含有粒子分級装置11は、投入口18を有する筐体12内で投入口18の下方に設けられ、回転する分級ロータ13外縁側に位置する分級室31で未分級Mg含有粒子20を分級してMg含有粒子24aを得るMg含有粒子分級装置であって、筐体12と分級ロータ13の頂面16とで規定されるとともに投入口18と分級室31とを接続する流路17であって、内部を流れる未分級Mg含有粒子20の流速を減少させる流路17を備える。
Mg含有粒子の製造方法は、筐体12の内面と筐体12内で回転する回転体の頂面16とで形成され上流端部17Aと回転体の外縁側に位置する分級室31とを接続する流路17の内部を流れる未分級Mg含有粒子20の上流端部17Aにおける平均流速よりも、流路17中の上流端部17Aよりも下流側における未分級Mg含有粒子20の平均流速を小さくして分級室31に未分級Mg含有粒子20を供給する工程と、分級室31で未分級Mg含有粒子20を分級してMg含有粒子24aを得る工程と、を備え、下記式(1)により求められる未分級Mg含有粒子20の磨滅耐久度A(%)が85以下である。
A=(Z÷Y)×100 … (1)
(式中、Yは、レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧0.4バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、Zは、前記レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧1.0バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、それぞれ示す。)
これらの構成によれば、流路17において未分級Mg含有粒子20の流速を十分に減少できるため、未分級Mg含有粒子20が分級室31に供給される前に筐体12の内面19等に衝突した場合でも、衝突時のエネルギーを低減することができる。これによって、未分級Mg含有粒子20の二次粒子を一次粒子になるように適度に解砕しつつ、未分級Mg含有粒子20が望ましい一次粒子の形からさらに細かく破壊されてしまうことを防止できる。これによって、分級処理後のMg含有粒子24の歩留まりを向上することができる。また、上記の構成によれば、いわゆる壊れやすい未分級Mg含有粒子20を用いる場合でも、当該未分級Mg含有粒子20の破損を防止して分級処理後のMg含有粒子24の歩留まりを向上できる。
この場合、Mg含有粒子分級装置11の流路17およびMg含有粒子の製造方法における分級室31に未分級Mg含有粒子20を供給する工程は、分級室31の入口31Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速を上流端部17Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速の半分以下に減少させる。この構成によれば、筐体12の内面19等に衝突する際のエネルギーを低減でき、Mg含有粒子24が望ましい一次粒子の形からさらに細かく破壊されてしまうことを防止できる。これによって、分級処理後のMg含有粒子24の歩留まりを向上することができる。
分級室31に未分級Mg含有粒子20を供給する工程において、分級ロータ13の頂面16の半径の略中間位置における未分級Mg含有粒子20の平均流速は、上流端部17Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速の2/3以下である。この構成によれば、流路17の前半において流路17を流れる未分級Mg含有粒子20の流速を大きく低減させることができる。これによって、流路17の後半において未分級Mg含有粒子20が筐体の内面19に衝突することがあっても、衝突時のエネルギーを大きく低減することができる。このため、例えば、流路17の後半で未分級Mg含有粒子20の流速を低減するような構造に比して、分級処理後のMg含有粒子24の歩留まりをさらに向上することができる。
この場合、Mg含有粒子分級装置11の流路17およびMg含有粒子の製造方法における分級室31に未分級Mg含有粒子20を供給する工程は、分級室31の入口31Aにおける未分級Mg含有粒子20の平均流速を15m/s以下に減少させる。この構成によれば、分級室31に供給される直前の未分級Mg含有粒子20の流速を抑えることで、未分級Mg含有粒子20が筐体12の内面19に衝突することがあっても、衝突時のエネルギーを小さくすることができる。これによって、Mg含有粒子分級装置11によって製造される分級されたMg含有粒子24の歩留まりを著しく向上することができる。
筐体12は、頂面16に対向する位置で筐体12に設けられ頂面16から第1の所定距離を離間した第1部分12Aと、頂面16に対向する位置で且つ第1部分12Aよりも投入口18側で筐体12に設けられ、前記第1の所定距離よりも大きい第2の所定距離以上を頂面16から離間した第2部分12Bと、を有する。
この構成によれば、投入口18に近い第2部分12Bに対応する位置で、流路17の断面積を大きくすることで、流路27の上流側で流路17を通過する未分級Mg含有粒子20の流速を大きく低減することができる。これによって、流路17の下流側で未分級Mg含有粒子20が筐体12の内面19に衝突することがあっても、衝突時のエネルギーを小さくすることができる。このため、Mg含有粒子分級装置11によって製造される分級されたMg含有粒子24の歩留まりを著しく向上することができる。
第2部分12Bは、投入口18に近づくにつれて頂面16から遠ざかるように斜めになっている。この構成によれば、流路17の断面積を投入口18側に近づくにつれて徐々に大きくすることができる。これによって、投入口18に近い側で積極的に未分級Mg含有粒子20の流速を低下させることができる。このため、流路17の下流側において未分級Mg含有粒子20が筐体12の内面19に衝突することがあっても、衝突時のエネルギーを小さくすることができる。なお、この構成によれば、見かけ上、流路17の断面積は、投入口18から遠くなるにつれて小さくなるように思われるが、実際には、流路17が投入口18を中心に放射状に広がっているために、投入口18から遠ざかるにつれて実際に流路17の断面積が大きく減少することはない。
この場合、頂面16は、略平坦形状に形成される。従来の分級装置では、分級ロータ13の頂面16に分散羽根が設けられ、分散羽根によって粒子の分散を行われていた。これによって、粒子の分散および解砕を効率化できたが、分散羽根による空気の送り出し作用によって、頂面16の外縁に向かう粒子の加速を促進していた。発明者らは、分散羽根による粒子の加速が、筐体12の内面19や分級ロータ13の頂面16等に未分級Mg含有粒子20が衝突した際のエネルギーが増大させ、その結果として未分級Mg含有粒子20が破損して分級後のMg含有粒子24の歩留まりを悪化させることを問題点として見出した。上記の構成によれば、分級ロータ13の頂面16に分散羽根等の突起物が設けられることがない。このため、分散羽根を設けた場合に比して、未分級Mg含有粒子20の流速を抑えることができる。これによって、未分級Mg含有粒子20が筐体の内面19等に衝突した際のエネルギーを低減し、分級処理後のMg含有粒子24の歩留まりを向上できる。
この場合、前記略平坦形状は、投入口18に対向する位置に錐台形のコーン部16Bを含む。この構成によれば、流路17の投入口18近傍において、流路17の断面積を大きく確保することができる。これによって、投入口18に近い側で積極的に未分級Mg含有粒子20の流速を低下させることができ、それによって分級処理後のMg含有粒子24の歩留まりを向上できる。
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。また、上記実施形態同士を適宜に組み合わせて発明を実現することも当然にできる。
(参考実施形態)
図5〜図8を参照して、参考実施形態の分級装置41について説明する。以下の説明では、主として上記実施形態のMg含有粒子分級装置11との相違点を中心に説明する。
参考実施形態の分級装置41は、全体を覆う筐体12と、筐体12内に設けられた分級ロータ13およびバランスロータ14と、分級ロータ13およびバランスロータ14を支持して回転させる回転軸15と、回転軸15を回転駆動するための図示しないモータと、筐体12と分級ロータ13の頂面16とで規定される流路17と、を備える。
図5〜図8に示すように、分級ロータ13は、頂面16に複数の分散羽根42を有する。複数の分散羽根42は、頂面16の平坦部16Aから上方に向けて起立しており、分級ロータ13の半径方向に沿って延びている。複数の分散羽根42は、互いに分離している。頂面16のコーン部16Bは、円錐形状に形成されている。筐体12に設けられた投入口18は、その内側の流路17の断面積が途中で小さくなるように、くびれ部43が設けられている。
参考実施形態の分級装置41の作用について説明する。参考実施形態の分級装置41は、上記実施形態のMg含有粒子分級装置11と同様に、筐体12の内部に生成した負圧によって、投入口18から流路17を通り分級室31まで至る空気流が形成される。投入口18から未分級Mg含有粒子20が投入されると、この空気流に乗って未分級Mg含有粒子20が分級室31まで供給される。その際、未分級Mg含有粒子20は、分散羽根42同士の間の隙間44Aを通って流路17内を通過したり、分散羽根42と筐体12の内面19との間の隙間44Bを通って流路17内を通過したりする。このように比較的に狭い空間を通ることで、未分級Mg含有粒子20の流速が大きいままで維持される。特に、分散羽根42の間の隙間44Aを通る粒子は、分散羽根42による空気の送り出し作用(ファンの作用)によって、流速が著しく増大する。
参考実施形態の分級装置41では、分級室31に入る際の未分級Mg含有粒子20の流速が著しく速く、その結果、分級室31に入るまでに筐体12の内面19や分級ロータ13の頂面16や分散羽根42に衝突して、その衝突時に衝撃によって未分級Mg含有粒子20が破損してしまう。このため、参考実施形態の分級装置41では、分級処理後のMg含有粒子24の歩留まりが悪化する。また、参考実施形態の分級装置41では、壊れやすい未分級Mg含有粒子20を用いた場合に、歩留まり悪化の問題がさらに顕在化する。
(実施例A1)
上記実施形態で説明したMg含有粒子分級装置11の実施例A1について説明する。実施例A1では、上記実施形態で説明したMg含有粒子分級装置11の流路17を模して、これを通る未分級Mg含有粒子の流速を流体解析ソフトウェアを用いて解析した。CAD形状作成にはANSYS SCDM、流速の解析にはANSYS Fluentを使用した。実際の解析作業は、客観性を担保するために、出願人とは無関係の第三者機関(サイバネットシステム株式会社)に業務委託して行った。
実施例A1のMg含有粒子分級装置の解析モデルは、流路17の各部の寸法を図2に示す寸法a=17.3mm、寸法b=19mm、寸法c=13.97mm、寸法d=11mmで設定した。また、分級ロータ13の直径を380mmとした。投入口18に対する未分級Mg含有粒子の投入量を5.611×10−3kg/sとし、投入口18の空気の流量を0.190049kg/sとした。分級ロータ13の回転数を1350rpmとした。分級室31圧力(出口圧力)を0.0Paとした(ゲージ圧で大気開放を模擬)。作動流体は、圧縮性を考慮した流体である窒素とした。未分級Mg含有粒子の密度を2060kg/m3、未分級Mg含有粒子の粒子径4.13×10−5mとした。筐体12および分級ロータ13に対する未分級Mg含有粒子の反発係数を0.1とした。
解析の結果、各部における未分級Mg含有粒子の流速は以下であった。図3に示すA−A線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は26.342m/sであり、B−B線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は34.184m/sであった。図4に示すC−C線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は30.713m/sであり、D−D線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は20.939m/sであり、E−E線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は20.434m/sであり、F−F線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は12.677m/sであった。結果を表1に示す。単位は、m/sである。
したがって、実施例A1では、投入口18から流路17を通り分級室31に行くにつれて、未分級Mg含有粒子の平均流速が徐々に低下する。特に、分級室31の入口31A(F−F線の位置)の未分級Mg含有粒子の平均流速は、上流端部17A(B−B線の位置)における未分級Mg含有粒子の平均流速の半分以下に低減されていることが理解できる。また、分級室31の入口31A(F−F線の位置)の未分級Mg含有粒子の平均流速は15m/s以下に抑えられている。
さらに、分級ロータ13の半径の略中間位置(E−E線の位置)での未分級Mg含有粒子の平均流速は、上流端部17A(B−B線の位置)における未分級Mg含有粒子の平均流速の2/3以下に低減されている。このため、実施例A1のMg含有粒子分級装置11では、流路17の上流側で未分級Mg含有粒子の平均流速が大きく低減されることが理解できる。
(比較例A1)
比較例A1では、上記参考実施形態で説明した分級装置41の流路17を模して、これを通る未分級Mg含有粒子の流速を流体解析ソフトウェアを用いて解析した。CAD形状作成にはANSYS SCDM、流速の解析にはANSYS Fluentを使用した。実際の解析作業は、客観性を担保するために、出願人とは無関係の第三者機関(サイバネットシステム株式会社)に業務委託して行った。
比較例A1の分級装置41の解析モデルは、流路17の各部の寸法を図5〜図8に示される実機を模して設定した。すなわち、図5に示す寸法a=11mm、寸法b=5.97mm、寸法c=1mm、寸法d=3.25mmで設定した。投入口18は最大口径となる部分よりも内径が小さくなったくびれ部43を有しており、くびれ部43の内径は50mmとし、投入口18の最大口径となる部分の内径は90mmとした。分散羽根同士の隙間の幅を6mmとした。
また、分級ロータ13の直径を380mmとした。投入口18に対する未分級Mg含有粒子の投入量を5.611×10−3kg/sとし、投入口18の空気の流量を0.190049kg/sとした。分級ロータ13の回転数を1350rpmとした。分級室圧力(出口圧力)を0.0Paとした(ゲージ圧で大気開放を模擬)。作動流体は、圧縮性を考慮した流体である窒素とした。未分級Mg含有粒子の密度を2060kg/m3、未分級Mg含有粒子の粒子径4.13×10−5mとした。筐体12および分級ロータ13に対する未分級Mg含有粒子の反発係数を0.1とした。
解析の結果、各部における未分級Mg含有粒子の流速は以下であった。図6に示すA−A線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は63.563m/sであり、B−B線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は56.237m/sであった。図7に示すC−C線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は41.187m/sであり、D−D線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は71.931m/sであり、E−E線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は120.161m/sであり、F−F線の位置での未分級Mg含有粒子の平均流速は43.439m/sであった。結果を表1に示す。
また、D−D線の位置およびE−E線の位置では、分散羽根42同士の間の位置(隙間44A)と、分散羽根42と筐体12との間の位置(隙間44B)で平均流速が異なっていた。D−D線の位置での分散羽根42同士の間の位置の平均流速は、76.262m/sであり、D−D線の位置での分散羽根42と筐体12の間の位置の平均流速は、43.419m/sであった。E−E線の位置での分散羽根42同士の間の位置の平均流速は、136.431m/sであり、E−E線の位置での分散羽根42と筐体12の間の位置の平均流速は、101.533m/sであった。結果を表2に示す。単位は、m/sである。
したがって、比較例A1では、くびれ部43の近傍位置(A−A線の位置)ですでに未分級Mg含有粒子の流速が実施例A1に比して高くなっている。
比較例A1では、分散羽根42による空気の送り出し作用によって、C―C線の位置からD−D線の位置まで区間で未分級Mg含有粒子が加速され、D―D線の位置からE−E線の位置まで区間で未分級Mg含有粒子がさらに加速されている。したがって、比較例A1では、分散羽根42の外側の位置での未分級Mg含有粒子の流速が、投入口18近傍位置での未分級Mg含有粒子の流速の2倍程度にまで加速されたことが理解される。
さらに、表2の結果から、分散羽根42同士の間の位置(隙間44A)のほうが、分散羽根42と筐体12の間の位置(隙間44B)よりも、分散羽根42による空気の送り出し作用で未分級Mg含有粒子の流速が大きく増大することが理解される。
(製造例1)
<固体触媒成分の調製>
特許第6515038号(実施例1)に記載の固体触媒成分の調製方法に準拠し、粉末状の固体触媒成分(未分級品)N1を約60kg得た。
具体的には、攪拌装置を備え、窒素ガスで置換された内容積500mLのフラスコに、ジエトキシマグネシウム10g(87.4ミリモル)、トルエン55mL、四塩化チタン30mL、(2−エトキシエチル)エチルカーボネート(A)9ミリモル(1.46g)、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン(B)1.2ミリモル(0.26g)を加え、温度100℃で90分反応させた。反応終了後、反応生成物を100℃のトルエン75mLで4回洗浄した。次に、新たに四塩化チタン10容量%のトルエン溶液100mLを加えて、100℃に昇温し、15分間攪拌し反応させ、反応後、生成物を100℃のトルエンで1回洗浄した。この操作をさらに2回行った後、40℃のn−ヘプタン75mLで6回洗浄し、残留溶媒を減圧乾燥により除去して固体触媒成分(未分級品)N1を得た。
得られた固体触媒成分(未分級品)N1の粒度分布を測定した。結果を表3に示す。なお、この固体触媒成分(未分級品、未分級Mg含有粒子)N1の摩滅耐久度を測定した所、73%であった。
<固体触媒成分の摩滅耐久度の計算方法>
乾式粉体分散ユニット(スペクトリス(株)製、Aero S)を具備したレーザ回折式粒子径分布測定装置(スペクトリス(株)製、マスターサイザー3000)を用い、得られた固体触媒成分の粒度分布を、送風圧0.4バールと1.0バールでそれぞれ自動測定し、得られたD50値から下記式(1)により摩滅耐久度A(%)を算出した。
磨滅耐久度A(%)=(Z÷Y)×100 … (1)
(式中、Yは、レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧0.4バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、Zは、前記レーザ回折式粒子径分布測定装置を用い送風圧1.0バールにおいて乾式自動測定される平均粒径D50(μm)を、それぞれ示す。)
<固体触媒成分の粒度分布および平均粒径の計算方法>
レーザ光散乱回折式粒度測定機(MT−3300EX:日機装(株)社製)を用い、固体触媒成分の粉末を、予めトリデシルアルミニウムを添加したn−ヘプタン溶媒中に、該固体触媒成分が0.05g〜0.20gの範囲で装置が示す最適分散濃度範囲に含まれるよう投入し、体積基準積算粒度を自動測定により求め、また、粒度分布指数(SPAN)を下記の式(ii)により算出した。平均粒径としては、D50の値を用いた。その結果を表3に示す。
粒度分布指数(SPAN)=(D90−D10)/D50 …(ii)
(D10、D50およびD90は、各々、上記測定機を用いて測定したときの体積基準積算粒度で10%の粒径、50%の粒径および90%の粒径を意味する。)
なお、各粒子の粒径は、周囲長径、すなわち、各粒子の投影像の周囲長と同一の周囲長を有する円を仮定し、その直径を求めることにより自動で算出されたものである。
(製造例2)
<固体触媒成分の調製>
特許第6343561号(実施例11)に記載されている固体触媒成分の調製方法に準拠して、粉末状の固体触媒成分N2(未分級品)を約60kg得た。
具体的には、攪拌装置を備え、窒素ガスで置換された内容積500mLの丸底フラスコに四塩化チタン70mL、トルエン70mLを装入して混合溶液を形成し、液温を−10℃に保持した。次いで、攪拌装置を備え、窒素ガスで置換された内容積200mLの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム(平均粒径54μm)20g、トルエン70mL、エタノール0.25mL(ジエトキシマグネシウム100質量部に対して1.0質量部)を装入して懸濁液を形成し、さらにフタル酸ジ−n−ブチル26.3ミリモル(7.0mL)を添加した。この懸濁液を、予め液温−10℃に保持しておいた前記の混合溶液中に全量添加した後、フラスコ内温を−10℃から110℃まで昇温し、110℃において3時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を100℃のトルエン167mLで4回洗浄した。その後、新たに常温のトルエン123mL、四塩化チタン20mLを添加し110℃まで昇温し、2時間攪拌しながら反応させ、反応終了後、上澄みを除去した後、40℃のn−ヘプタン125mLで8回洗浄することにより、固体触媒成分(未分級品)N2を得た。
得られた固体触媒成分(未分級品)N2の粒度分布を測定した。なお、この固体触媒成分N2(未分級品、未分級Mg含有粒子)の摩滅耐久度を測定した所、72%であった。結果を表3に示す。
(製造例3)
<固体触媒成分の調製>
特許第3258226号(実施例1)に記載の固体触媒成分の調製方法に準拠して、粉末状の固体触媒成分(未分級品)N3を約60kgを得た。
具体的には、攪拌装置を備え、窒素ガスで置換された内容積500mLの丸底フラスコに四塩化チタン30mLおよびトルエン20mLを装入して、混合溶液を形成した。次いで、平均粒径32μm、5μm以下の微粉含有率5%、粒度分布指数(SPAN)〔(D90−D10)/D50]1.05のジエトキシマグネシウム10g、トルエン50mLおよびフタル酸ジ−n−ブチル3.6mLを用いて形成された懸濁液を、10℃の液温に保持した前記混合溶液中に添加した。その後、液温を10℃から90℃まで80分かけて昇温し、2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン100mLで4回洗浄し、新たに四塩化チタン30mLおよびトルエン70mLを加え、112℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、40℃のn−ヘプタン100mLで10回洗浄して、固体触媒成分(未分級品)N3を得た。
得られた固体触媒成分(未分級品)N3の粒度分布を測定した。なお、この固体触媒成分(未分級品)N3の摩滅耐久度を測定した所、91%であった。結果を表3に示す。
(製造例4)
<固体触媒成分の調製>
ジエトキシマグネシウム(平均粒径32μm、5μm以下の微粉含有率5%、粒度分布指数(SPAN)[(D90−D10)/D50]1.05)10gを、他のジエトキシマグネシウム(平均粒径(D50)37.5〜43.5μm、粒度10.5μm以下の微粉含有率8.0%以下、粒度分布指数(SPAN)[(D90−D10)/D50]1.0以下、)10gに変更する以外は、特許第3258226号(実施例1)に記載の固体触媒成分の調製方法に準拠し、粉末状の固体触媒成分(未分級品)N4を約60kg得た。得られた固体触媒成分(未分級品)N4の粒度分布を測定した。なお、この固体触媒成分(未分級品)N4の摩滅耐久度を測定した所、87%であった。結果を表3に示す。
(実施例B1、B2)
<固体触媒成分の分級>
製造例1で得られた未分級品の固体触媒成分N1を、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40III)に装入し、分級ロータの回転速度1,290rpm、全風量10m3/分、循環風量6m3/分、固体触媒成分供給量27.9kg/hの条件で1,360分間、気流分級処理を施し、微粗粉成分が除去された固体触媒成分(分級品、Mg含有粒子)C1を得た。TC−40IIIは、上記実施形態で説明した触媒粒子分級装置11である。この固体触媒成分(分級品)C1の製品歩留は、90.4質量%であり、粒子の表面形状も良好であった。結果を表4に示す。
<固体触媒成分(分級品)の粒度分布>
得られた固体触媒成分(分級品)C1の粒度分布を、上記固体触媒成分(未分級品)N1と同様にして測定した。結果を表4に示す。また、分級工程の前後の対応関係と各例の分級条件について表5に示す。
<重合用触媒の調製>
攪拌装置を備え、窒素ガスで置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム0.092ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.092ミリモルおよび上記で得た固体触媒成分(分級品、Mg含有粒子)C1をチタン原子換算で0.0018ミリモル装入し、オレフィン類重合用触媒を調製した。
<プロピレン重合>
上記で調製したオレフィン類重合用触媒を含む攪拌機付オートクレーブに対し、水素ガス1.6リットルと液化プロピレン1.0リットルを装入し、20℃で5分間の予備重合を行なった後に70℃まで昇温し、70℃で1時間の重合反応を行うことにより、プロピレンホモ重合体(PP)を製造した。
<重合体の微粉量、粗粉量、平均粒径、粒度分布指数(SPAN)>
デジタル画像解析式粒子径分布測定装置(カムサイザー、(株)堀場製作所製)を用い、得られた重合体の体積基準積算粒度分布の自動測定を下記の測定条件において行い、粒径75μm未満の微粉量(質量%)、粒径1700μmを超える粗粉量(質量%)、体積基準積算粒度50%における粒径(平均粒径D50)を測定し、粒度分布指数(SPAN)を上記式(ii)により算出した。その結果を表6に示す。
(測定条件)
ファネル位置 :6mm
カメラのカバーエリア :ベーシックカメラ3%未満、ズームカメラ10%未満
目標カバーエリア :0.5%
フィーダ幅 :40mm
フィーダコントロールレベル :57、40秒
測定開始レベル :47
最大コントロールレベル :80
コントロールの基準 :20
画像レート :50%(1:2)
粒子径定義 :粒子1粒毎にn回測定したマーチン径の最小値
SPHT(球形性)フィッティング :1
クラス上限値 :対数目盛、32〜4000μmの範囲で50点選択
(比較例B1)
製造例1で得られた未分級品の固体触媒成分N1に、気流分級処理を施した。固体触媒成分の分級において、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40III)を、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40)に、分級時間を1,360分から480分に、固体触媒成分供給量を27.9kg/hから26.6kg/hに、それぞれ変更した以外は、実施例B1と同様にして、それぞれ固体触媒成分(分級品)C11、重合用触媒及びオレフィン重合体を得て、各特性評価を行った。なお、TC−40は、上記参考実施形態で説明した分級装置41である。なお、得られた固体触媒成分(分級品)C11の製品歩留は、75.9質量%であった。結果を表4、表6に示す。
(実施例B2)
製造例2で得られた固体触媒成分(未分級品)N2を、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40III)に装入し、回転速度1,270rpm、全風量12m3/分、循環風量8m3/分、固体触媒成分供給量18.0kg/hの条件で1,160分間、気流分級処理を施し、微粗粉成分が除去された固体触媒成分(分級品、Mg含有粒子)C2を得た。この固体触媒成分(分級品)C2の製品歩留は88.1質量%であり、粒子の表面形状も良好であった。また、得られた固体触媒成分(分級品、Mg含有粒子)C2を用いて、実施例1と同様にして重合用触媒及びオレフィン重合体を得て、各特性評価を行った。結果を表4、表6に示す。
(比較例B2)
製造例2で得られた未分級品の固体触媒成分N2に、気流分級処理を施した。固体触媒成分の分級において、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40III)を、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40)に、固体触媒成分供給量を18.0kg/hから18.1kg/hに、それぞれ変更した以外は実施例B2と同様にして、それぞれ固体触媒成分(分級品)C21、重合用触媒及びオレフィン重合体を得て、各特性評価を行った。なお、得られた固体触媒成分(分級品)C21の製品歩留は、81.8質量%であった。結果を表4、表6に示す。
(参考例B1)
製造例3で得られた固体触媒成分(未分級品)N3を、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40)に装入し、回転速度1,495rpm、全風量11m3/分、循環風量7m3/分、固体触媒成分供給量65.8kg/hの条件で680分間、気流分級処理を施し、微粗粉成分が除去された固体触媒成分(分級品)C3を得た。この固体触媒成分(分級品)C3の製品歩留は、91.4質量%であり、粒子の表面形状も良好であった。また、得られた固体触媒成分(分級品)C3を用いて、実施例B1と同様にして重合用触媒及びオレフィン重合体を得て、各特性評価を行った。結果を表4、表6に示す。
(参考例B2)
製造例4で得られた固体触媒成分(未分級品)N4を、直径400mmの円盤状分級ロータを有する気流分級機(日清エンジニアリング(株)製、TC−40)に装入し、回転速度1,850rpm、全風量14m3/分、循環風量10m3/分、固体触媒成分供給量54.3kg/hの条件で280分間、気流分級処理を施し、微粗粉成分が除去された固体触媒成分(分級品)C4を得た。この固体触媒成分(分級品)C4の製品歩留は、87.9質量%であり、粒子の表面形状も良好であった。また、得られた固体触媒成分(分級品)C4を用いて、実施例1と同様にして重合用触媒及びオレフィン重合体を得て、各特性評価を行った。結果を表4、表6に示す。
表3、表4、表6より、実施例B1、実施例B2では、Mg含有粒子分級装置11において、流路17を流れる未分級Mg含有粒子の流速を減少させたことにより、筐体内面や分級ロータの頂面に未分級Mg含有粒子が衝突した際に未分級Mg含有粒子に付与されるエネルギーが低減され、未分級Mg含有粒子が破損してしまうことを防止されたことが理解できる。これによって、分級後のMg含有粒子は、従来同様の粒度分布を維持しつつ、製品歩留を大幅に向上でき、更には分級後の粒子形状も良好であることが理解できる。
一方、表3、表4、表6より、比較例B1、比較例B2では、従来の分級装置41が流路17を流れる未分級Mg含有粒子の流速を増加させてしまうことから、筐体内面や分級ロータの頂面に未分級Mg含有粒子が衝突した際に未分級Mg含有粒子に付与されるエネルギーが大きくなり、未分級Mg含有粒子が破損してしまうこととなる。このため、分級後のMg含有粒子は、従来同様の粒度分布を維持した場合に、製品歩留が著しく低下していることが理解される。
従って、本発明は、微粉粒子や粗粉粒子といった微粗粉粒子の含有量を低減できると共に、粒子破壊を防止しつつ適度に粒子同士を解離(解砕)させることができ、且つ粒度分布が狭く、粒子形状も良好なMg含有粒子分級装置及びMg含有粒子の製造方法を提供できる。