次に、以下に記述されかつ添付図面に例示される、本開示の例示的な実施形態について詳細に参照する。可能な場合はどこでも、同じまたは同様の部分を指すのに図面全体を通して同じ参照符号を使用することにする。
本開示を、摂取前に栄養調合物を供給し加工するための、デバイス、方法、およびシステムなどの特定の適用例の例示的な実施形態を参照しながら本明細書に記述するが、本明細書に記述される実施形態は、それらに限定されないことが理解される。当業者、および本明細書に提示される教示の利用は、本開示の範囲内に全てが包含される追加の修正例、適用例、実施形態、および均等物の置換例を認識することになる。例えば、本開示のデバイスおよび方法は、乳児、子供、または成人に向けた医療および栄養の目的で、病院で、支持療法施設で、長期療養施設で、または家庭内での使用のために、または獣医学的使用のために、または家畜に使用するために必要とされる脂肪酸を供給することを含むが、これらに限定することのない任意の適切な適用例に用いられてもよい。本明細書に開示されるデバイスは、他の適切な脂肪含有脂質と共に使用することもできる。したがって本開示は、前述のまたは以下の記述により限定されるとはみなされない。
図1は、栄養補給チューブを介して対象に栄養調合物110を与えるための経腸供給システム100の、例示的な実施形態を示す。システム100は、脂肪加水分解デバイス200、ポンプ120、栄養調合物110の供給源およびデバイス200を流体接続している第1のチューブ122を含んでいてもよい。栄養調合物110は、栄養補給バッグ、バイアル、シリンジ、またはボトルなどの適切な容器に含有されていてもよい。栄養調合物110は、供給源から第1のチューブ122を経て加工用のデバイス200に流れる。システム100は、デバイス200に接続するよう構成された端部と、加工された栄養調合物110をデバイス200から患者に送達して摂取させるため、患者に接続されるよう構成された反対側の端部とを有する、第2のチューブ124も含む。第2のチューブ124は、経腸栄養補給チューブ、例えば胃、経鼻胃、経鼻十二指腸、経鼻空腸、胃瘻、胃空腸吻合、空腸造瘻、PEGチューブ、または経空腸栄養補給チューブであって、栄養調合物110を、例えば鼻、口、胃、または腹部を通して対象の胃腸管に送るチューブであってもよい。システム100は、現行の標準的な経腸栄養補給活動に合わせて使用されてもよい。
システム100は、栄養調合物110を治療現場で送達し加工して、デバイス200により、摂取直前に栄養調合物110に含有される脂肪を加水分解できるように構成される。本明細書で使用される「栄養調合物」という用語は、例えばタンパク質、炭水化物、脂肪、水、ミネラル、および/またはビタミンを含有する複合混合物を指し、特別に調合され加工された液体食品;経口摂取を用いることによる人の部分的または独占的栄養補給、あるいはチューブによる栄養補給のために使用される液体;治療必要性または医学的必要性が理由で、通常の食材またはある特定の栄養素を摂取、消化、吸収、または代謝する能力に限りがありまたは損なわれている人の食餌管理のために使用される液体;医学的に決定される栄養要件を満たす液体;ならびに食餌管理および通常の食餌の修正のみを介して対象に提供することができない栄養素を対象に送達するように設計された液体を含んでいてもよい。栄養調合物110は、理解される科学原理に基づいて明確に区別される栄養要件が医学的評価によって確立される、疾患または状態の特定の食餌管理が意図される調合物を含んでいてもよく、あるいは、症状を管理するためのまたは疾患もしくは状態のリスクを低減させるための全体的な食餌の部分として使用される、液体食品を含んでいてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、医学管理下で対象に送達されてもよく、能動的で継続的な医学管理を受ける人のみを対象としてもよく、または監視されているときまたは監視されていないときのいずれかで家庭内での使用のために対象に送達されてもよい。
栄養調合物110は、乾燥粉末または油としてパックされ、次いで溶媒と混合されて、溶液を形成してもよい。他の実施形態では、栄養調合物110を、液体栄養調合物、飲料、またはアルコール類としてパックしてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、市販されていてもよくまたは栄養補給前にヘルスケアの専門家により調製されてもよい。栄養調合物110は、人乳の完全なまたは部分的な代替物としての、乳児および/または幼児用調合物であってもよく、ドナーミルクまたは母乳であってもよく、あるいは成人または高齢者の食餌を補うようにまたは完全に置き換わるように設計されてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、市販のまたは注文開発された調合物であって、LC−PUFA、ビタミン、ミネラル、もしくはタンパク質の1種または複数を含むがこれらに限定されない追加の栄養素を供給し得る市販のもしくは注文開発された補助食品もしくは強化剤と組み合わせたものであってもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、MCTとLCTとの組合せを含んでいてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、そこに含有される脂肪が加水分解をより受け易くなるように調整されてもよい。例示的な調整は、超音波処理、脂肪滴の破壊、または乳化の1つまたは複数であって、例えば物理的または化学的手段による(例えば、界面活性剤、界面活性剤様物質、またはプロテアーゼへの曝露による)ものを含んでいてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、DHA、EPA、および/またはAAなどの追加のLC−PUFAの必要のある対象、脂質の消化不良および吸収不良、カロリー摂取の低減、著しい体重減少、LC−PUFA欠乏などの状態を有する対象、および/または嚢胞性線維症(CF)、慢性膵炎(CP)、手術、がん、肝機能異常、胃腸障害、および発育不全を含む疾患を有する対象に対して処方されてもよい。一部の実施形態では、対象は、長鎖トリグリセリドを加水分解する能力が低減した膵外分泌不全(EPI)を有していてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、医薬および/または栄養調合物110の必要がある対象に処方された、少なくとも1種の医薬を含んでいてもよく、または栄養調合物110は、それ自体が処方医薬であってもよい。
栄養調合物110は、MCTおよびLCTなど、トリグリセリド形態にある少なくとも1種の脂肪を含む。一部の実施形態では、栄養調合物110は、水、マルトデキストリン、タンパク質、加水分解タンパク質、アミノ酸、ペプチド、中鎖トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、コーンスターチ、魚油、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、オリーブ油(油は、精製されていてもいなくてもよい)、可溶性繊維、レシチン、塩化マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウム、グアールガム、リン酸カルシウム、塩、塩化コリン、リン酸、クエン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、タウリン、酸化マグネシウム、硫酸亜鉛、塩化カリウム、ナイアシンアミド、硫酸鉄、パントテン酸カルシウム、硫酸マンガン、塩酸ピリドキシン、硫酸銅、一硝酸チアミン、ベータ−カロテン、リボフラビン、ビタミンAパルミテート、葉酸、ビオチン、セレン酸ナトリウム、塩化クロム、ヨウ化カリウム、モリブデン酸ナトリウム、可溶性繊維、フルクトオリゴ糖、プロバイオティクス、クエン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB7、ビタミンB9、およびビタミンB12から選択される少なくとも1種の栄養素をさらに含んでいてもよい。例示的な栄養調合物およびシステムは、共に参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、2013年2月14日に出願された国際特許出願第PCT/US2013/026063、および2014年8月14日に出願された米国特許出願第14/378,856号に記載されている。
デバイス200への、および最終的には対象への栄養調合物110の流れは、システム100のポンプ120によって制御される。一部の実施形態では、ポンプ120が蠕動ポンプであってもよいが、任意の適切な種類の輸液ポンプ、例えばエラストマーポンプ、多チャンネルポンプ、シリンジポンプ、および/またはスマートポンプを使用してもよい。チューブおよび/またはデバイス200を通る栄養調合物110の流量は、ポンプ120によって設定および/または調整されてもよい。一部の実施形態では、ポンプ120は、システム100およびデバイス200内の栄養調合物110の流量を調整し制御するための、プロセッサ、ディスプレイ、および/またはアクチュエータ(例えば、ボタン、ノブ、タッチスクリーンなど)含んでいてもよい。ポンプ120は、ヘルスケアの提供者および/または栄養調合物110を受ける対象によって、調整および設定されてもよい。ポンプ120は、連続栄養補給、パルス状栄養補給、間欠栄養補給、ボーラス栄養補給、および/またはフラッシングを行ってもよく、流体の送達は、自動的に、半自動的に、または手動により設定または調整されてもよい。
一部の実施形態では、ポンプ120はスマートポンプであってもよい。ポンプ120は、システム100からのタイミングまたはフィードバックに基づいて、流量の自動調整を行ってもよい。ポンプ120は、指定された限度の範囲外に包含されるポンプ120のパラメータをユーザが設定する時を知らせる、ユーザ警告を含んでいてもよい。ポンプ120は、栄養調合物110の実際の流量がポンプ120の設定パラメータの範囲外に包含される時、警告を送信してもよい。パラメータは、ポンプ120のメモリに保存されてもよく、または特定の送達レジームに合わせて入力および/または調整してもよい。
他の実施形態では、システム100は、ポンプ120を含んでいなくてもよく、代わりに、デバイス200を通して栄養調合物110を流すのに重力に依存してもよい。栄養調合物110の供給源の相対的位置決めにより、栄養調合物110は、重力のみの影響下でチューブおよびデバイス200内に流すことを可能にしてもよい。例えば栄養調合物110の容器は、図1に示されるように、デバイス200の上方および/または対象の上方に配置されてもよい。
他の実施形態では、ポンプ120をシリンジで置き換えてもよい。シリンジは、栄養調合物110で満たされていてもよく、チューブまたはデバイス200における栄養調合物110の流量は、手動で、半自動的に、または自動的に、シリンジを使用することにより設定および/または調整してもよい。例えば栄養調合物110は、自動インジェクタ式デバイスの内側に設けられたプレフィルドシリンジ内に、事前にパックされていてもよい。事前にパックされた調合物は、ポンプ「エンジン」(例えば、ばね仕掛けのピストン)を含有していてもよく、デバイス200を通して栄養補給チューブへと調合物を送達するのに使用されてもよい。
他の実施形態では、システム100は、栄養調合物110をチューブおよび/またはデバイス200内に推進させる圧力降下または流動推進力を発生させるのに、任意の適切な手段、例えばバルーンまたはその他の適切な圧力発生デバイスを使用してもよい。
図2は、本開示による例示的なデバイス200を示す。デバイス200は、入口212、チャンバ222、および出口230を有する本体210を含んでいてもよい。チャンバ222は、複数の粒子300を含有していてもよい。デバイス200は、第1のチューブ122および経腸チューブ124にそれぞれ流体接続されるように構成された、第1のコネクタ240および第2のコネクタ270をさらに含んでいてもよい。一部の実施形態では、デバイス200は、入口フィルタ250および出口フィルタ260を含んでいてもよい。例えば、入口フィルタ250は、入口212に隣接して位置付けられていてもよく、出口フィルタ260は出口230に隣接して位置付けられてもよい。一部の実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260は、チャンバ222を協働的に画定してもよいが、一部の実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260のいずれかまたは両方が、チャンバ222の内部または外側に位置付けられていてもよい。例えば、チャンバ222を協働的に画定する床および天井があってもよい。床および天井は、チャンバ222の上部および底部にある1つまたは複数の開口を画定してもよく、かつ/または流体がチャンバ222内を通過できるように多孔質であってもよい。入口フィルタ250は、入口212に隣接するチャンバ222の天井の開口の上方に位置付けられてもよく、かつ/または出口フィルタ260は、出口230に隣接するチャンバ222の床にある開口の下に位置付けられていてもよい。一部の実施形態では、入口フィルタ250は、チャンバ222内の、天井の下に位置付けられていてもよく、かつ/または出口フィルタ260は、チャンバ222内の、床の上方に位置付けられていてもよく、またはそれらの位置の任意の組合せであってもよい。入口フィルタ250および出口フィルタ260は、粒子300がデバイス200から出て行くのを防止してもよい。さらに、または代替として、フィルタは、異物がデバイス200および/または経腸チューブ124に進入するのを防止してもよい。粒子300は、チャンバ222内の入口フィルタ250と出口フィルタ260との間に位置付けられていてもよい。入口フィルタ250および出口フィルタ260は、栄養調合物110がデバイス200内を流れるときに、チャンバ222内に粒子300を保有していてもよい。入口フィルタ250および/または出口フィルタ260にある、より小さい細孔の開口は、脂肪の乳化および分解を支援してもよい。
図3Aに示されるように、本体210は、1つまたは複数の追加のチャンバを含んでいてもよい。例えば本体210は、入口チャンバ214、入口フィルタ250を保持するための入口フィルタチャンバ218、出口フィルタ260を保持するための出口フィルタチャンバ224、および/または出口チャンバ228を含んでいてもよい。一部の実施形態では、入口フィルタ250の周辺は、入口フィルタチャンバ218の内部周辺の場合とほぼ同じ形状およびサイズであってもよい。入口フィルタ250は、例えば摩擦嵌め、圧入、スナップ嵌め、捩り嵌め、および/または超音波溶接を介して、入口フィルタチャンバ218に固定されていてもよい。一部の実施形態では、入口フィルタチャンバ218の周辺は、チャンバ222の内部周辺より小さくてもよい。一部の実施形態では、入口フィルタチャンバ218の周辺は、入口フィルタ250をチャンバ222に対してかつ/または外で保持させるための縁部が存在し得るように、チャンバ222の場合より大きくてもよい。他の実施形態では、入口フィルタ250は、入口チャンバ214または入口212に配置されていてもよい。一部の実施形態では、入口チャンバ214は、逆さになった漏斗のように成形され、入口212から外向きになるように溶接される。入口チャンバ214の広い端部の内側周辺は、縁220が入口チャンバ214に対して入口フィルタ250を保持し得るように、入口フィルタチャンバ218の周辺より小さくてもよい。他の実施形態では、デバイス200は入口チャンバ214を含んでいなくてもよい。
出口フィルタ260の配置は、入口フィルタ250の場合に類似した構成を有していてもよい。例えば、一部の実施形態では、出口フィルタ260の周辺は、出口フィルタチャンバ224の内部周辺とほぼ同じ形状およびサイズであってもよい。出口フィルタ260は、例えば摩擦嵌め、圧入、スナップ嵌め、捩り嵌め、および/または超音波溶接を介して出口フィルタチャンバ224に固定されてもよい。一部の実施形態では、出口フィルタチャンバ224の内部周辺は、縁226がチャンバ222に対しておよび/または外に出口フィルタ260を保持し得るように、チャンバ222の場合より大きくてもよい。他の実施形態では、出口フィルタ260は、出口チャンバ228に位置付けられてもよい。一部の実施形態では、出口チャンバ228の内部周辺は、縁部が出口チャンバ228に対しておよび/または外に出口フィルタ260を保持し得るように、出口フィルタチャンバ224の内部周辺より小さくてもよい。他の実施形態では、本体210は出口チャンバ228を含んでいなくてもよい。
一実施形態では、本体210の内部領域は、中空円筒のように成形されてもよい。別の実施形態では、本体210の内部領域は、例えば、中空円錐台または中空多角柱(三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、または十角柱など)のように成形されてもよい。周辺は、デバイス200の長さに沿ってサイズが一貫していてもよく、または変化していてもよく、例えばテーパ状および/またはフレア状であってもよい。壁は、滑らかであってもテクスチャ付きであってもよい。デバイス200の種々の内部は、種々の形状またはテクスチャを有していてもよい。図3Bで、本体210の外面は多角柱のように成形されるが、その外部は任意の適切な形状を有していてもよく、例えば円筒、多角形などであってもよい。外面は、ユーザが容易に取扱いまたは把持できるように、1つまたは複数のテクスチャ付き領域、表面、刻み目、または隆起を有していてもよい。図3Aおよび3Bでわかるように、内部および外部形状は同じでなくてもよいが、他の実施形態では、それらは同じであってもよい。本体210は、任意の適切な形状であってもよく、少なくとも1つのチャンバ222を含んでいてもよい。例示的な実施形態では、チャンバ222は、円形または楕円形の断面を有していてもよい。例示的な実施形態では、2つ以上のチャンバ222が本体210に含まれていてもよく、直列にまたは並列に配置構成されていてもよく、流体接続されていてもよい。
一部の実施形態では、本体210の断面の内径は、約0.5cmから約1.5cm、約0.5cmから約2cm、約1.5cmから約1.7cm、約2cmから約4cm、約4cmから約6cm、約6cmから約8cm、約8cmから約12cm、または約12cmから約15cmの範囲であってもよい。一部の実施形態では、本体210の断面の直径は、本体210の長さに沿って、約1%から約5%、約5%から約10%、約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、約40%から約50%、約1%から約10%、約1%から約20%、約1%から約30%、約1%から約40%、または約1%から約50%の範囲で減少しても増加してもよい。本体210の長さは、約1cmから約5cm、約2cmから約6cm、約4cmから約6cm、約4cmから約8cm、約1cmから約6cm、約1cmから約8cm、または約1cmから約10cmの範囲であってもよく、デバイス200の全長は、約1.5cmから約6.5cm、約2cmから約6.5cm、約4.5cmから約6.5cm、約4.5cmから約8.5cm、約1.5cmから約6.5cm、約1.5cmから約8.5cm、約1.5cmから約12.5cm、約2.5cmから約15cm、約4.5cmから約15cm、約6.5cmから約15cm、約8.5cmから約15cm、約10cmから約15cm、または約1.5cmから約15cmの範囲であってもよい。一部の実施形態では、チャンバ222の体積は、約0.5mLから約2mL、約2mLから約5mL、約4mLから約6mL、約5mLから約8mL、約5mLから約10mL、約10mLから約15mL、約15mLから約20mL、約25mLから約30mL、約0.5mLから約4mL、約0.5mLから約5mL、約0.5mLから約6mL、約0.5mLから約8mL、約0.5mLから約10mL、約0.5mLから約15mL、約0.5mLから約20mL、約0.5mLから約25mL、または約0.5mLから約30mLの範囲であってもよい。
一部の実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260は、それぞれチャンバ222の上端および底端を形成してもよい。そのような実施形態では、本体210の長軸に沿ったチャンバ222の場所、および/またはチャンバ222の体積は、本体210内の入口フィルタ250および/または出口フィルタ260の場所を調整することによって、調整されてもよい。一部の実施形態では、本体210内の全体積は、約0.5mLから約2mL、約2mLから約5mL、約5mLから約10mL、約10mLから約15mL、約15mLから約20mL、約25mLから約30mL、約0.5mLから約10mL、約0.5mLから約15mL、約0.5mLから約20mL、約0.5mLから約25mL、約0.5mLから約30mLの範囲であってもよい。
一部の実施形態では、デバイス200は、栄養調合物110をデバイス200に送達するために第1のチューブ122を本体210に接続するよう構成された、第1のコネクタ240を含んでいてもよい。第1のコネクタ240は、栄養調合物110を受容する入口242、出口246、これら2つを流体接続するチャネル244を含んでいてもよい。第1のコネクタ240は、第1のコネクタ240を本体210に取着するよう構成された、嵌合部248を含んでいてもよい。一部の実施形態では、入口242は、一般に、円筒、漏斗、または円錐台の形状であってもよく、ENFit(商標)コネクタなどの任意の適切な標準化コネクタに一致するように設計されてもよい。一部の実施形態では、チャネル244は、入口242を本体210の入口212に流体接続してもよい。一部の実施形態では、入口242、または入口242およびチャネル244は、第1のチューブ122に接続された雄取付具と嵌合するよう構成された、雌取付具を形成してもよい。あるいは、第1のコネクタ240の外面は、第1のチューブ122に接続された雌取付具に嵌合するよう構成された、雄取付具を形成してもよい。雄および雌取付具は、任意の適切な機械的手段、例えば摩擦嵌め、圧入、捩り嵌め、スナップ嵌め、オーバーモールドもしくは成型、熱接合、接着結合、および/または溶接を介して嵌合してもよい。実際に、第1のコネクタ240は、デバイス200をチューブ122に接続するための任意の適切なサイズおよび形状を有していてもよい。
一部の実施形態では、2つの部分を接続するために、本体210はリセス部216を含んでいてもよく、第1のコネクタ240の嵌合部248は相補的突起を形成してもよく、またはその逆であってもよい。第1のコネクタ240は、摩擦嵌め、捩り嵌め、スナップ嵌め、締め嵌め、圧入、オーバーモールドもしくは成型、熱接合、接着結合、および/または溶接を介して本体210に接続されてもよい。例えば、第1のコネクタ240は、嵌合部248がリセス部216に接するまで本体210に対して押してもよく、かつ/またはねじってもよい。他の実施形態では、第1のコネクタ240および本体210は、ねじ機構を介して接続されてもよい。例えば、第1のコネクタ240および本体210は、第1のコネクタ240を本体210にねじ込むことにより第1のコネクタ240が本体210に締結され得るように、ひと組の相補的ねじ山を含んでいてもよい。一部の実施形態では、入口212の外壁の周辺は、チャネル244の内部周辺の場合より大きくてもよい。例えば、図3Aに示されるように、第1のコネクタ240および本体210が適正に嵌合し接続された場合、入口212のリムは押されてもよくまたはチャネル244の開口に接してもよい。第1のコネクタ240の入口242およびチャネル244と、本体210の入口212とは流体接続され、栄養調合物110は第1のチューブ122から、第1のコネクタ240を通って本体210へと流れてもよい。
図3Aは個別の第1のコネクタ240を示すが、一部の実施形態では、本体210が第1のチューブ122に直接接続されてもよく、個別の第1のコネクタ240は必要でなくてもよい。流路は、入口242、チャネル244、および入口212内を延びるように示されているが、この経路は他の部分を含んでいてもよくまたは他の実施形態では単一部分として形成されてもよいことが、企図される。
一部の実施形態では、入口242の直径は、約4mmから約7mm、約5mmから約10mm、または約4mmから約10mmの範囲であってもよく;入口212の直径は、約1mmから約3mm、約2mmから約4mm、約3mmから約5mm、または約1mmから約5mmの範囲であってもよく;入口フィルタチャンバ214の直径は、約8mmから約12mm、約12mmから約15mm、約15mmから約18mm、または約8mmから約18mmの範囲であってもよく;出口フィルタチャンバ224の直径は、約10mmから約14mm、約14mmから約17mm、約17mmから約20mm、または約10mmから約20mmの範囲であってもよく;出口230の直径は、約10mmから約15mm、約15mmから約20mm、約20mmから約25mm、または約10mmから約25mmの範囲であってもよく;嵌合チャネル234の直径は、約12mmから約16mm、約16mmから約20mm、約20mmから約24mm、約24mmから約28mm、または約12mmから約28mmの範囲であってもよい。
一部の実施形態では、第2のコネクタ270を使用して、デバイス200を経腸チューブ124に接続してもよい。本体210は、出口230を取り囲むリム232を含んでいてもよく、リム232は、本体210を第2のコネクタ270に接続するための嵌合チャネル234を有していてもよい。図4Aに示されるように、第2のコネクタ270は、入口272、入口チャンバ274、および出口282を含んでいてもよい。一部の実施形態では、第2のコネクタ270は、鍔276と、鍔276から入口272に向かって上方に突出する突起要素278とを含んでいてもよい。一部の実施形態では、第2のコネクタ270は、摩擦嵌め、圧入、捩り嵌め、締め嵌め、スナップ嵌め、オーバーモールド/成型、熱接合、接着結合、および/または溶接を介して、本体210に接続してもよい。例えば、第2のコネクタ270の入口チャンバ274の外部周辺は、そのサイズおよび形状が本体210の出口チャンバ228の内部周辺に相当して、第2のコネクタ270の入口チャンバ274が押され、ねじられ、またはその他の手法で本体210の出口チャンバ228内に受容されるようにしてもよい。一部の実施形態では、鍔276は押されてもよく、かつ/または本体210のリム232に接してもよく、突起要素278は嵌合チャネル234に嵌合してもよい。図4Bに示されるように、突起要素278の断面は、テーパ状になっており、嵌合チャネル234のテーパ形状に相補的であるが、突起要素278は、任意の適切な形状、例えば長方形、三角形、半円形、多角形、フレア状、球根状、または円錐形であって、嵌合チャネル234と一致させるための所定の寸法および角度を備えたものを有していてもよい。一部の実施形態では、嵌合チャネル234および突起要素278の断面の周辺は、同様に成形されまたは相補的であってもよい。
一部の実施形態では、第2のコネクタ270の入口272および本体210の出口230の周辺は、同様に成形されていてもよく、例えば円形、楕円形、長方形、五角形、または六角形であってもよく、互いに一致していてもよい。一部の実施形態では、図4Cに示されるように、第2のコネクタ270は、1つまたは複数のステップ付き管状部分を有する雄コネクタであってもよい。ステップ付き管状部分は、その外部周辺が追加のステップごとに減少している中空円筒または中空円錐台として成形されてもよい。第2のコネクタ270は、経腸チューブ124の雌取付具に接続するように構成されてもよい。例えば、第2のコネクタ270のステップ付き管状部分は、例えば摩擦嵌め、捩り嵌め、スナップ嵌め、締め嵌め、および/または圧入を介して、経腸チューブ124の雌コネクタのリセスに嵌合してもよい。他の実施形態では、第2のコネクタ270は、任意の適切な形状、例えば円錐、円錐台、または円筒を有していてもよく、ENFit(商標)コネクタなどの任意の適切な標準化コネクタに一致するように設計されていてもよく、滑らかであってもよく、または1つまたは複数の隆起を含んで、経腸チューブ124への接続を容易にしてもよい。一部の実施形態では、第2のコネクタ270は、経腸チューブ124の雄部分に接続するための雌部分であってもよい。実際に、第2のコネクタ270は、デバイス200を経腸チューブ124に接続するための任意の適切なサイズおよび形状を有していてもよい。
一部の実施形態では、第1のコネクタ240および第2のコネクタ270の少なくとも1つが、ENFit(商標)コネクタなどの任意の適切な標準化コネクタであってもよい。
一部の実施形態では、嵌合チャネル234の直径は、約12mmから約16mm、約16mmから約20mm、約20mmから約24mm、約24mmから約28mm、または約12mmから約28mmの範囲であってもよく;入口272および入口チャンバ274の内径は、約4.5mmから約8mm、約8mmから約13mm、約13mmから約15mm、約15mmから約18mm、または約4.5mmから約18mmの範囲であってもよく、入口272および入口チャンバ274の外径は、約6mmから約10mm、約10mmから約14mm、約14mmから約18mm、約18mmから約21mm、または約6mmから約21mmの範囲であってもよく;出口282の直径は、約0.5mmから約1.5、約1.5mmから約2.5mm、約2.5mmから約3.5mm、または約0.5mmから約3.5mmの範囲であってもよく;鍔276の直径は、約7mmから約10mm、約10mmから約15mm、約15mmから約20mm、約20mmから約25mm、約22mmから約26mm、約25mmから約30mm、または約7mmから約30mmの範囲であってもよい。
図4A〜4Cは個別の第2のコネクタ270を示すが;第2のコネクタ270は、本体210の個別の要素でなくてもよい。例えば第2のコネクタ270は、本体210が経腸チューブ124と直接接続するように、本体210の部分として一体的に形成されてもよい。流路は、出口230、入口272、入口チャンバ274、および出口282内を延びるように示されているが、この経路は他の部分を含んでいてもよく、または他の実施形態では単一部分として形成されていてもよいことが企図される。
一部の実施形態では、デバイス200の寸法またはサイズは、デバイス200の特定の適用例に基づいて選択されてもよい。例えば、入口212、入口242、入口フィルタ250、チャンバ222、出口フィルタ260、および出口282の直径と、チャンバ222および本体210の長さおよびサイズとは、特定の対象に栄養調合物110を与えるために選択されてもよい。例えば、乳児に栄養補給するためのデバイス200の寸法またはサイズは、若者および成人に栄養補給するためのデバイスの場合より小さくてもよい。一部の実施形態では、デバイス200の寸法またはサイズは、少なくとも部分的には、対象に栄養調合物110を与えるのにデバイスを使用することが意図される時間の長さ、対象に栄養補給される栄養調合物110の流量もしくは体積、またはデバイスがポンプに取着されることが意図されているか否かに基づいて、選択されてもよい。例えば、一晩の経腸栄養補給法の処置のための、デバイス200の寸法またはサイズは、栄養調合物110のより短いまたはより速い経腸栄養補給法の処置の場合より小さくてもよく、あるいはより大きいデバイスを、栄養調合物110のより大きい体積またはより速い意図される流量に使用されてもよい。
一部の実施形態では、2つ以上のデバイス200を直列に接続してもよい。例えば、第1のデバイス200の第2のコネクタ270は、第2のデバイス200の第1のコネクタ240に接続されてもよい。別の実施例では、チューブの第1の端部が第1のデバイス200の第2のコネクタ270に接続され、第2のデバイス200の第1のコネクタ240に接続され、栄養調合物を第1のデバイス200から第2のデバイス200へと流すのを可能にしてもよい。
一部の実施形態では、デバイス200の本体210、第1のコネクタ240、および第2のコネクタ270を、同じ材料で作製してもよい。一部の実施形態では、デバイス200の本体210、第1のコネクタ240、および第2のコネクタ270は、例えば柔軟性、弾性、引張り強さ、靭性、色、透明度、薬品耐性、および/または耐熱性などの、異なる物理的、機械的、または化学的特性を有する異なる材料で作製されてもよく、または部分が、材料の組合せで形成されていてもよい。一部の実施形態では、デバイス200の材料は、医学的グレードの成体適合性プラスチックであってもよい。一部の実施形態では、デバイス200は滅菌性であってもよく、デバイス200の材料は、オートクレーブ可能なプラスチック、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリカーボネートであってもよい。一部の実施形態では、本体210、第1のコネクタ240、および第2のコネクタ270は、射出成形、または3D印刷などの付加製造技法を介して、製造されてもよい。
一例示的な実施形態では、本体210のチャンバ222内の複数の粒子300をユーザが見ることができるように、デバイス200の本体210は、透明なプラスチックで作製される。デバイス200内に含有される粒子300は、それらの表面に固定化されたリパーゼを有し、栄養調合物110がチャンバ222および粒子300内を流れるとき、固定化されたリパーゼは、栄養調合物110中の脂肪、およびLC−PUFAを有するトリグリセリドを含めたトリグリセリドを加水分解し、それらをモノグリセリドと遊離脂肪酸とに分解する。チャンバ222内に含有される粒子300について、以下にさらに詳細に論じる。
図5に示されるように、一部の実施形態では、粒子300の例示的な粒子310は、実質的に球状のビーズとして形成されてもよい。一部の実施形態では、粒子310は、約100μmから約800μm、約100μmから約700μm、約100μmから約600μm、約100μmから約500μm、約100μmから約400μm、約100μmから約300μm、約100μmから約200μm、約200μmから約800μm、約200μmから約700μm、約200μmから約600μm、約200μmから約500μm、約200μmから約400μm、約200μmから約300μm、約300μmから約800μm、約300μmから約700μm、約300μmから約600μm、約300μmから約500μm、約300μmから約400μm、約400μmから約800μm、約400μmから約700μm、約400μmから約600μm、約400μmから約500μm、約500μmから約800μm、約500μmから約700μm、約500μmから約600μm、または約600μmから約800μmに及ぶ直径を有していてもよい。他の実施形態では、粒子310は、ランダムに成形されたもしくは不規則な粒子であってもよく、または楕円形、長円形、ドーナツ形、角柱、多角柱、細長い形、もしくは任意のその他の適切な形状であってもよい。粒子310は、滑らかなまたはテクスチャ付きの表面を有していてもよい。粒子310は、その表面積が増加するようにまたは減少するように成形されてもよい。粒子300は、実質的に同じ形状および/または表面をそれぞれが有する、あるいは2つまたはそれよりも多くの異なる形状および/または表面の組合せを有する、個々の粒子310で形成されてもよい。
一部の実施形態では、粒子300は、ほぼ同じ直径を有する。あるいは粒子300は、傾斜または正規分布に従って異なる直径を有していてもよい。一部の実施形態では、粒子300の平均直径は約250μmから約500μmの範囲であってもよく、例えば凡そ260μmまたは凡そ460μmであり、正規分布に従ってもよい。一部の実施形態では、粒子300の直径の傾斜分布は、約100μmから約800μmの間に包含される平均直径または中位径を有していてもよい。一部の実施形態では、粒子300は、より低いサイズの閾値よりも小さい、および/または上方サイズの閾値よりも大きい直径を有する粒子をフィルタで分別するために、篩い分けプロセスによって事前に選択されてもよい。篩い分けは、粒子300のサイズおよびサイズ分布のさらなる制御および操作を可能にしてもよい。例えば、ある篩い分けプロセスから選択された粒子300は、篩い分けプロセス前の粒子300の場合に比べて、より狭い分布の直径、および/またはより大きいもしくはより小さい平均直径もしくは中位径を有していてもよい。一部の実施形態では、粒子300の平均直径または中位径は、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm、約400μm、約450μm、または約500μmであってもよい。一部の実施形態では、微細粒子(さらにより小さい粒子、例えば凡そ50μm未満の直径を有する)が存在していてもよく、一方その他の実施形態では、微細粒子は、デバイス200に含まれる粒子300に存在していなくてもよい。微細粒子は製造されてもよく、または、配合の結果または反応器の流体力学の結果、より大きい粒子300の製造中に生じてもよい。微細粒子は、より大きい粒子300を製造する間に生じてもよく、粒子の混合物中に除去もしくは残されていてもよく、または微細粒子は、別々に製造され、より大きい粒子300に添加されて、例えば単位体積当たりの全表面積を増大させまたは適正な流量を可能にしてもよく、それが一部の実施形態では加水分解効率を高めてもよい。
一部の実施形態では、粒子300は、粒子の異なる一部分で形成されてもよく、各一部分は、異なる中位径もしくは平均直径または直径の異なる分布を有していてもよい。例えば、そのような実施形態では、粒子300は二峰性または多峰性分布を有していてもよい。
粒子300は、任意の適切な材料、例えばポリマー材料、金属などで作製されてもよい。一部の実施形態では、粒子300は、アクリレートポリマーまたはアクリルで作製されてもよい。一部の実施形態では、粒子300は、多数の異なるモノマーで形成されたコポリマーで作製されてもよい。例えば粒子300は、ジメタクリル酸エチレングリコール(EGDMA)、メタクリル酸ブチル(BMA)、およびメタクリル酸グリシジル(GMA)など、3種のモノマーを有するコポリマーで作製されてもよい。一部の実施形態では、EGDMAは、コポリマーの組成の約25重量%から約99重量%の範囲であってもよく、例えば約50重量%から約60重量%の範囲であってもよい。一部の実施形態では、BMAは、コポリマーの組成の約1重量%から約75重量%の範囲であってもよく、例えば約30重量%から約45重量%の範囲であってもよい。例示的な実施形態は、それぞれ90%および9%のEGDMAおよびBMAレベル;それぞれ60%および39%;またはそれぞれ58%および41%を含有していてもよい。一部の実施形態では、GMAは、コポリマーの組成の約0.01重量%から約0.1重量%、約0.1重量%から約1重量%、約1重量%から約2重量%、約2重量%から約5重量%、約5重量%から約8重量%、約8重量%から約10重量%、約10重量%から約15重量%、約15重量%から約20重量%、約0.01重量%から約10重量%、約0.01重量%から約15重量%、または約0.01重量%から約20重量%の範囲であってもよい。例示的な実施形態は、0%、0.25%、1%、2%、または5%のエポキシドレベル(例えば、GMA)を含有していてもよい。
一部の実施形態では、粒子300は、スチレンポリマーもしくはスチレン、カプロラクトンポリマーもしくはカプロラクトン、ポリジビニルベンゼポリマーもしくはポリジビニルベンゼン、ポリアミドポリマーもしくはポリアミド、ポリカーボネートポリマーもしくはポリカーボネート、ポリプロピレンポリマーもしくはポリプロピレン、ポリウレタンポリマーもしくはポリウレタン、ポリエチレンポリマーもしくはポリエチレン、メタクリレートポリマーもしくはメタクリレート、ジビニルベンゼン(DVB)ポリマーもしくはジビニルベンゼンで、またはシリカで作製されてもよい。粒子300を作製するのに適切な、追加の例示的な種類のポリマーは、例えばポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリジビニルベンゼン、カプロラクトン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、およびポリジビニルベンゼンモノマーから選択される1種または複数を含んでいてもよい。
一部の実施形態では、粒子300は、事前に選択され、デバイス200の製造中にデバイス200にパックされてもよい。一部の実施形態では、粒子300は乾燥条件下でパックされ、システム100で使用される前にデバイス200のチャンバ222内に配置されてもよい。例えば、粒子300のサイズ、種類、またはサイズ分布は、デバイス200の使用目的に応じて変化しまたは選択されてもよく、ユーザは、その特定の使用に応じてデバイス200内に必要な粒子300をパックしてもよい。製造されかつ/またはデバイス200にパックされた後の粒子300の水分レベルは、粒子300の全組成の約0.1%から約1%、約1%から約2%、約2%から約3%、約3%から約4%、約4%から約5%、約0.1%から約2%、約0.1%から約3%、約0.1%から約4%、または約0.1%から約5%の範囲であってもよい。
一部の実施形態では、粒子300のポリマー材料は、酸性、塩基性、水性、および/または有機溶媒に不溶であってもよい。一部の実施形態では、粒子300は、水性溶媒、有機溶媒、および/またはエマルション、例えば水中油または油中水エマルションなどに分散されまたは懸濁されてもよい。例示的な実施形態では、栄養調合物110がポンプ120によってまたは重力によって推進されてチャンバ222内を流れるとき、粒子300は、栄養調合物110に分散または懸濁されてもよく、栄養調合物110の流動力学および/またはランダムなブラウン運動の影響下で移動してもよい。
一部の実施形態では、粒子300は、溶媒中に分散されまたは懸濁した後に膨潤してもよい。本明細書に記述されるように、粒子300の膨潤は、少なくとも部分的には粒子300による溶媒の吸収に起因した、粒子300の体積の増加を指してもよい。粒子300(例えば、ポリマー材料)の組成、粒子300の多孔性、および/または溶媒の組成に応じて、粒子300は濡れたときに異なる程度まで膨潤してもよい。例えば膨潤の量は、溶液条件に応じて様々であってもよい。ビーズの膨潤は、エタノールまたはアセトンなどの極性溶媒中でより大きくてもよく、それに対してビーズの膨潤は、水および水系溶液中で少なくてもよい。例えば粒子300は、水溶液中で約1%から約25%、例えばエタノール、イソプロパノール、またはアセトンなどの有機溶媒中で約50%から約100%膨潤してもよい。一部の実施形態では、粒子300が栄養調合物110中に分散されまたは懸濁したとき、粒子300の膨潤の量は、栄養調合物110中の脂肪含量、タンパク質含量、ビタミン含量、イオン含量などの組成に依存してもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110中の粒子300の膨潤の量は、最小限に抑えられまたはなくてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110中の粒子300の膨潤の量は、当初の乾燥体積の約1%、約2%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%未満であってもよい。
図6Aに示されるように、一部の実施形態では、本体210のチャンバ222は、乾燥条件下、粒子300によって占有されていないヘッドスペース223を含んでいてもよい。チャンバ222は、粒子300が乾燥しているとき、例えば5重量%未満の水を含有する粒子300で満たされていてもよい。例えば、栄養調合物110がチャンバ222内に流れる前に粒子300が乾燥しているとき、ヘッドスペース223は、チャンバ222の体積の約0から約5%、約5%から約10%、約5%から約15%、約10%から約15%、約15%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、約40%から約50%、約5%から約20%、約5%から約30%、約5%から約40%、約5%から約50%、約0から約50%を占めてもよい。ヘッドスペース223の初期の乾燥体積は、チャンバ222にパックされた粒子300の数または体積に依存し、一部の実施形態では、液体に曝露されたときに粒子300が膨潤する傾向に基づいて選択されてもよい。
膨潤は、チャンバ222に含まれる粒子300の数および/またはチャンバ222の充填レベルに影響を及ぼし得る。粒子300が膨潤する傾向を有する実施形態では、乾燥粒子300がチャンバ222に投入され、栄養調合物がデバイス200に導入され粒子300が濡れることにより膨潤を生じさせるための余地が与えられたとき、適切なヘッドスペースがチャンバ222内に残されてもよい。チャンバ222内の粒子300上方に不十分なヘッドスペースを備えたデバイスは、粒子300が膨潤するにつれ流動障害のリスクが増し、チャンバ222内に粒子300を含有する入口および出口フィルタ250、260に対して圧力の増大を引き起こし得る。粒子300を形成するのに使用される材料に応じて、膨潤する傾向は、使用される栄養調合物110の種類に応じてより高くまたはより低くなってもよい。一部の実施形態では、使用前のヘッドスペース223の体積は、栄養調合物110の組成に依存してもよい。また一部の実施形態では、粒子300の種類またはヘッドスペース223の体積は、少なくとも一部では、デバイス200が一緒に使用されることになる栄養調合物110の種類に応じて選択されてもよい。
図6Bに示されるように、一部の実施形態では、栄養調合物110がチャンバ222内を流れるとき、ヘッドスペース223は、粒子300が懸濁している栄養調合物110によって占有されてもよい。例えば、栄養調合物110がチャンバ222内を流れるとき、粒子300を栄養調合物110と混合してもよく、かつ栄養調合物110中を移動させて、栄養調合物110および粒子300が分散してチャンバ222を満たすにつれ、乾燥条件下で粒子300により占有されなかったヘッドスペース223の体積が満たされるようにしてもよい。ヘッドスペース223を組み込むことにより、粒子300には、栄養調合物110の流動力学の影響下、移動するための、ならびに/または栄養調合物110と混合するための空間がチャンバ222内に与えられてもよい。一部の実施形態では、ヘッドスペース223を含むことにより、チャネリングもしくは分流の低減が容易になってもよく、または出口フィルタ260に対して詰め込まれるようになるのではなく粒子300を移動させ、流し、かつ/または混合させることによる、粒子を経た栄養調合物110の分布が容易になってもよい。あるいは、非常に多くのヘッドスペース223を含むことにより、特にデバイス200が水平に向いているときに、粒子300の周りでの栄養調合物110のチャネリングももたらし得る。例えば、デバイス200が水平に位置決めされているとき、粒子300は栄養調合物110の最上部まで浮いてもよく、粒子300の下にチャネルが残される。その結果、栄養調合物110は粒子300の下でチャネリングし、流れ、潜在的に加水分解効率を低減させる。さらに、より多くのヘッドスペースが得られるようにデバイス200内で粒子300の量を低減させることにより、リパーゼが粒子300に結合されるのでデバイス200内のリパーゼの量も低減する。その結果、非常に多くのヘッドスペース223によって、所与の量の栄養調合物110に有効な加水分解の低下が引き起こされ得るが、それは粒子300に結合されたリパーゼが栄養調合物110を分解するからである。非常に多くのヘッドスペース223を残すことは、より少ない粒子300がチャンバ222内に含有されることを意味し、したがって少ないリパーゼがチャンバ222に含有され、栄養調合物110中のトリグリセリドの全てまたは大部分を加水分解するには少なすぎる粒子300が残される。
一部の実施形態では、粒子300は、栄養調合物110に懸濁したときに、最小限の膨潤を受けまたは全く膨潤せず、したがって栄養調合物110がチャンバ222内を流れるとき、粒子300がチャンバ222内を移動するための空間は、チャンバ222内に最初にあったヘッドスペース223の体積と実質的に同じであってもよい。一部の実施形態では、粒子300は、栄養調合物110に曝露されたときに膨潤してもよく、したがって栄養調合物110がチャンバ222内を流れるとき、粒子300の膨潤は、粒子300がチャンバ222内を移動するための空間を部分的に低減させてもよい。例えば、乾燥条件下の場合、ヘッドスペース223はチャンバ222の体積の約10%を占め、粒子300はチャンバ222の体積の約90%を占め、栄養調合物110がチャンバ222内を流れるとき、粒子300の膨潤によって、粒子300はチャンバ222の体積のさらに5%を占めてもよく、粒子300が移動するのに残された空間はチャンバ222の体積の約5%に低減する。粒子300が移動するためのより多くの空間を持つことにより、チャンバ222内の粒子300の移動度が増大し得る。したがって一部の実施形態では、粒子300の膨潤は、当初の乾燥体積に比べて粒子300の移動度を低減する可能性がある。
一部の実施形態では、図6Bに示すように、膨潤すると、粒子300は詰め込まれるようになってもよく、その結果、粒子300の表面間で摩擦が生じ、それが粒子300の一部または全ての流動または移動を制限しまたは影響を及ぼし得る。不十分なヘッドスペース223は、粒子300の詰め込みに起因して圧力の増大をもたらす可能性があり、それが使用中の栄養調合物110の閉塞または流量の低減を引き起こし得る。他の実施形態では、栄養調合物110に懸濁されたとき、粒子300は膨潤しなくてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110に曝露されたとき、粒子300はそれほど移動しなくてもよい。そのような状況において、チャンバ222は、粒子300の膨潤が実質的に生じない場合、ヘッドスペース223を含まなくてもよくまたは少ないヘッドスペースを含んでいてもよい。一部の実施形態では、粒子300は膨潤する傾向にあってもよく、チャンバ222は、使用中に粒子300の膨潤によって実質的に満たされまたは部分的に満たされるようになるヘッドスペース223の所定の体積を有していてもよい。そのような実施形態では、十分なヘッドスペース223を組み込んで、濡れたときに粒子300が膨潤する余地を残してもよく、粒子300同士の間に十分な空間を設けて栄養調合物110が使用中の粒子300内を流れる余地を残してもよい。
上述の充填レベル試験は、重量の観点での粒子充填量を指し、かつチャンバ222がある特定の重量の粒子で満たされたときに得られるヘッドスペースの量について記述するが、チャンバ222のサイズが変化した場合または異なるサイズもしくは密度の粒子が使用される場合には、例示的な重量の粒子でチャンバ222を満たすことで、異なる量のヘッドスペースをもたらし得ることが理解される。ヘッドスペースは、チャンバのサイズおよび体積と、粒子のサイズ、種類、および量とに依存する。
粒子充填重量とヘッドスペースとの比は、粒子の密度にも依存する。ヘッドスペース量の直接測定および観察を使用してデバイス200のチャンバ222を満たしてもよいが、デバイス200を満たすための重量の使用は、粒子300上の静電気により引き起こされ得る充填変動性を低減させ得る。静電気により粒子300は、最初にチャンバ222内のより広い余地を占めることができるが、粒子300を沈降させ静電気を散逸させた後は、粒子300はチャンバ222内の空間を圧縮しかつ少ない空間を占めてもよく、最終的にはヘッドスペース223の初期目視観察で意図されるよりも多くのヘッドスペース223が提供される。充填レベルを評価するための重量の使用は、一部の実施形態では、静電気の存在を制御するのを助ける。さらに、または代替として、静電気除去の方策は、充填前に粒子300上で利用されてもよい。
しかし上記にて言及されたように、充填不足のデバイス200および多すぎるヘッドスペース223が残される結果、脂肪加水分解が低下する可能性がある。予備充填レベル試験では、デバイス200を、1.1gから0.6gに及ぶ様々な量の粒子300で満たした。1.1g充填レベルに関する加水分解パーセントを100%に較正した。0.8gおよび0.6gの充填レベルは、100%に設定された1.1g充填レベルに対してそれぞれ77%および65%という低い加水分解を示した。
一部の実施形態では、ある特定の閾値量でまたはその下の量で膨潤する粒子300を、デバイス200で使用してもよい。例えば粒子300は、それらの乾燥状態とそれらの湿潤状態との間の差パーセントが15%もしくはそれ未満、20%もしくはそれ未満、25%もしくはそれ未満、または30%もしくはそれ未満であるものが選択されてもよい。
一部の実施形態では、異なる種類の栄養調合物110がデバイス200と共に使用されるときに生じ得る膨潤の可変量に適応するように、デバイス200に粒子300を満たしてもよい。例えば、チャンバ222の充填レベル、したがってヘッドスペース223は、粒子300が栄養調合物に曝露されることにより、栄養調合物のその他の種類と比べて粒子300の最大平均量の膨潤を引き起こしたときに生じ得る、膨潤量に基づいて決定されてもよい。そのような実施形態では、提供される粒子300またはヘッドスペース223の量は、この最大量の膨潤にさえ適応することができる。他の実施形態では、チャンバ222に、特定の栄養調合物110または特定のカテゴリーの栄養調合物との使用に適応する量の、ヘッドスペース223を提供する量の粒子300を満たしてもよい。その特定の栄養調合物110または特定のカテゴリーの栄養調合物は、ある特定の量の膨潤を粒子300に引き起こす種類の溶媒を含んでいてもよく、したがって、この栄養調合物またはこのカテゴリーの調合物との使用に合わせて調整されたデバイス200は、典型的にはその特定の調合物またはカテゴリーの調合物で生ずる膨潤の範囲に適応することができる量の、粒子300および/またはヘッドスペース223を含んでいてもよい。そのような実施形態では、デバイス200は、その特定の調合物またはカテゴリーの調合物と共に使用するための取扱い指示書と共にパックされてもよい。あるいは、デバイスは、その特定の栄養調合物と共に販売されてもよい。
チャンバ222内の粒子300の絶対数は、粒子300の直径、形状、およびサイズ分布と、チャンバ222の体積とに依存してもよい。一部の実施形態では、空間は粒子300の間に存在していてもよく、粒子300はそれほど緊密に詰め込まれていなくてもよく、または一部の実施形態では、少ない空間が粒子300の間に存在していてもよく、粒子300は一緒に近接していてもよい。例えば球状粒子300は、一緒に配置されたとき、隣接する粒子の間に空間を有していてもよく、したがって粒子300は、チャンバ222内の空間の全て、またはヘッドスペース223を占有した後に利用可能なチャンバ222内の空間を、占めていなくてもよい。例えば、粒子300の全体積は、チャンバ222内の空間の約50%から約100%、約90%から約95%、約85%から約95%、約85%から約90%、約80%から約85%、約70%から約80%、約60%から約70%、約50%から約60%、約80%から約95%、約70%から約95%、約60%から約95%、約60%から約100%、約70%から約100%、約80%から約100%、または約90%から約100%を占めてもよい。一部の実施形態では、チャンバ220内の粒子300の数は、粒度および分布に応じて、約10,000/mLから約25,000/mL、約25,000/mLから約50,000/mL、約50,000/mLから約75,000/mL、約75,000/mLから約100,000/mL、約100,000/mLから約200,000/mL、約200,000/mLから約300,000/mL、約300,000/mLから約400,000/mL、約400,000/mLから約500,000/mL、約500,000/mLから約600,000/mL、約600,000/mLから約700,000/mL、約700,000/mLから約800,000/mL、約800,000/mLから約900,000/mL、または約10,000/mLから約1,000,000/mLの範囲であってもよい。
一部の実施形態では、デバイス200内の粒子300は、異なる中位径または平均直径を有する異なる群の粒子で構成されていてもよく、チャンバ222は、各サイズの群とは異なる数の粒子300を含有していてもよい。一部の実施形態では、異なる中位径または平均直径を有する異なる群の粒子を一緒に混合しかつ/またはチャンバ222内でランダムに分布させてもよい。他の実施形態では、異なるサイズの群の粒子300を、使用前に少なくとも乾燥状態で、実質的に層に分離してもよい。
一部の実施形態では、個々の粒子300の質量密度は変わっても変わらなくてもよい。粒子300の質量密度は、粒子300を形成する材料を調整することによって、粒子300のコポリマーのモノマー成分を修飾することによって、粒子300の細孔および/またはチャネルのサイズおよび直径を調整することによって、かつ/または空隙、細孔、もしくは中空コアを粒子300に導入することによって、調整されてもよい。一部の実施形態では、粒子300は異なる質量密度を有していてもよい。一部の実施形態では、出口230または出口282が下を指し示す状態でデバイス200が垂直位置に配置される場合、栄養調合物110がチャンバ222内を流れるときには、栄養調合物110よりも大きい質量密度を有する粒子300は出口フィルタ260に向かって流れまたは移動する傾向があってもよく、栄養調合物110よりも小さい質量密度を有する粒子300は、入口フィルタ250に向かって浮揚しまたは移動する傾向があってもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110よりも大きい質量密度を持つ粒子300は、出口フィルタ260に沿って収集されてもよく、出口フィルタ260の細孔のいくつかを詰まらせる可能性がある。一部の実施形態では、栄養調合物110よりも小さい質量密度を持つ粒子300は、入口フィルタ250に沿って収集されてもよく、入口フィルタ250の細孔のいくつかを詰まらせる可能性がある。
一部の実施形態では、粒子300の質量密度は、栄養調合物110の密度にさらに密接に一致するよう選択され、その結果、粒子300が栄養調合物110中に分散しまたは懸濁するようになされてもよく、栄養調合物110の流動力学によってさらに移動し得るようになされてもよい。一部の実施形態では、粒子300は、デバイス200の向きに応じて、栄養調合物110中に分散しまたは懸濁されてもよく、栄養調合物110の流動力学によってさらに移動してもよい。このようにすると、粒子300が入口フィルタ250または出口フィルタ260で収集される傾向が低下する可能性があり、粒子のより集中したまたは分散された分布が促進し得る。
一部の実施形態では、異なる中位径または平均直径を有する異なる群の粒子300は、異なる質量密度を有していてもよい。このようにすると、栄養調合物110中の粒子のより分散された分布を促進させることにより、フィルタの閉塞という懸念を低減させ得る。一部の実施形態では、粒子300を、栄養調合物110の場合に実質的に等しく、栄養調合物110の場合よりも小さく、および栄養調合物110の場合よりも大きい平均質量密度を有する1つまたは複数の群に分割してもよい。一部の実施形態では、ほぼ同じサイズの、またはほぼ同じ中位径もしくは平均直径を有する、またはその直径が同じ分布に従う粒子300は、ほぼ同じ質量密度を有していてもよくまたは異なる質量密度を有していてもよい。一部の実施形態では、チャンバ222内の粒子300の質量密度は、例えば約0.25g/mLから約0.36g/mL、約0.25g/mLから約0.5g/mL、約0.5g/mLから約0.8g/mL、約0.8g/mLから約1.0g/mL、または約1.0g/mLから約1.5g/mLの範囲であってもよい。
図7Aに示されるように、個々の粒子310の表面は、概ね滑らかであってもよい。別の実施形態では、図7Bに示されるように、粒子310の表面は、不均一、不規則、またはテクスチャ付きであってもよく、例えば溝、チャネル、刻み目、突起、および/または細孔を含んでいてもよい。一部の実施形態では、粒子310の表面の細孔および/または溝の深さおよび/または直径は、約1nmから約10nm、約10nmから約50nm、約50nmから約100nm、約100nmから約250nm、約250nmから約500nm、約500nmから約1μm、約1μmから約5μm、約5μmから約10μm、約10μmから約20μm、約20μmから約30μm、約30μmから約40μm、約40μmから約50μm、約10nmから約50μm、または約1nmから約50μmの範囲であってもよい。一部の実施形態では、粒子310の溝および/または細孔は、任意のランダムな幾何形状を形成してもよく、表面に不規則に分布していてもよく、規則的に成形されていてもよく、かつ/または規則的に分布していてもよい。一部の実施形態では、溝および/または細孔のサイズは、粒子310のポリマー材料の組成に依存してもよい。滑らかではない粒子310は、同じ直径を有する同じ形状の滑らかな粒子310よりも大きい表面積を有することになる。
一部の実施形態では、チャンバ222内の粒子300は、図7Aに示される複数の粒子310を含んでいてもよい。一部の実施形態では、チャンバ222内の粒子300は、図7Bに示される複数の粒子310を含んでいてもよい。他の実施形態では、チャンバ222内の粒子300は、図7Aに示される粒子310と図7Bに示される粒子310との混合物を含んでいてもよい。
図7Cおよび7Dは、粒子310の例示的な断面を示す。一部の実施形態では、粒子310の内部は図7Cに示されるように、概ね圧密化されまたは中実であってもよい。図7Dに示されるように、一部の実施形態では、粒子310の内部は多孔質であってもよく、例えば細孔および/またはチャネルなどのナノスコピック、微視的、および/または巨視的な構造を有していてもよい。一部の実施形態では、細孔および/またはチャネルの断面は、その幾何形状が例えば概ね円形、楕円形、または不規則であってもよい。一部の実施形態では、細孔および/またはチャネルは、無秩序にすることができまたは秩序あるアレイに組み立てることができる網状タイプの組織形態を有していてもよい。一部の実施形態では、細孔および/またはチャネルの表面は、不均一、不規則、またはテクスチャ付きであってもよく、粒子310の外面に類似していてもよい。一部の実施形態では、細孔および/またはチャネルの直径および/または周辺などの寸法は、細孔および/またはチャネルの長さに沿って変わってもよく、粒子310の組成および/または粒子310が懸濁する環境に応じて変わってもよい。一部の実施形態では、細孔またはチャネルの直径および/または周辺などの寸法は、粒子310が栄養調合物110などの溶媒に懸濁したときに、増大しても減少してもよい。一部の実施形態では、粒子310の細孔および/またはチャネルは、粒子310の表面と接続しても接続しなくてもよく、粒子310を通して表面から表面に延びてもよく、または粒子310内で個々の長さに延びてもよい。
図7Dに示される多孔質粒子310の場合、粒子310の全表面積は、内部細孔および/またはチャネルの存在によって増大してもよく、部分的には細孔および/またはチャネルの直径および/または周辺などのサイズに依存してもよい。一部の実施形態では、粒子310中の細孔および/またはチャネルの断面の直径は、約1nmから約10nm、約10nmから約50nm、約50nmから約100nm、約100nmから約250nm、約250nmから約500nm、約500nmから約1μm、約1μmから約5μm、約5μmから約10μm、約10μmから約20μm、約20μmから約30μm、約30μmから約40μm、約40μmから約50μm、約10nmから約50μm、または約1nmから約50μmの範囲であってもよい。一部の実施形態では、粒子310の細孔および/またはチャネルのサイズは、実質的に同じでもよくまたは変化してもよい。
本明細書に記述されるように、粒子310の表面と言った場合には、粒子310の外面、および/または粒子310の内側の細孔および/またはチャネルの内面を指してもよい。また、粒子310の表面積と言った場合には、粒子310の外面の表面積、および/または外面に流体接続された粒子310の内側の細孔および/またはチャネルの表面積を指してもよい。
上記論じた粒子の様々な実施形態の特性は、任意の適切な手法で組み合わせてもよい。一部の実施形態では、図7Cに示されるように、粒子310は滑らかな外面と中実なコアとを有していてもよい。一部の実施形態では、図7Dに示されるように、粒子310は滑らかな外面と多孔質コアとを有していてもよい。一部の実施形態では、図7Eに示されるように、粒子310は、不均一な、不規則な表面と、圧密化されたまたは中実なコアとを有していてもよい。一部の実施形態では、図7Fに示されるように、粒子310は不均一な、不規則が外面と、多孔質コアとを有していてもよい。不均一な表面と多孔質コアとの組合せは、その滑らかなかつ/または中実な同等物に比べて、所与のサイズまたは直径の粒子310に関して増大した表面積をもたらしてもよい。
図8Aは、500倍に拡大された粒子310の例示的な実施形態を示す、走査型電子顕微鏡画像である。画像のスケールバーは10μmである。図8Aに示されるように、粒子310は、異なる場所で様々な粗さを有する不均一な外面を有する。図8Bは、500倍に拡大された粒子310の例示的な実施形態の断面を示す、走査型電子顕微鏡画像である。画像のスケールバーは20μmである。図8Bに示されるように、粒子310は、その内部全体を通して様々なサイズの微視的細孔を有する。図9は、例示的な粒子310の細孔をさらに示す。図9は、50,000倍に拡大された粒子310内の細孔およびチャネルの例示的な実施形態を示す、走査型電子顕微鏡画像である。画像のスケールバーは100nmである。図9に示されるように、粒子310の内側の細孔およびチャネルは、異なる場所で様々な、不規則なサイズおよび形状を有する。
一部の実施形態では、粒子300は、例えば図7A〜7F、図8、および/または図9に示される、または上記にて論じたような、個々の粒子310の1つまたは複数から選択される、1つまたは複数の種類の粒子310を含んでいてもよい。異なる種類の個々の粒子310は、所与のデバイス200内の、異なる数の全ての粒子300を構成してもよく、粗さ、滑らかさ、多孔性、直径、材料、密度、および/または膨潤特性の異なる分布を有していてもよい。
上記にて論じたように、デバイス200に含有される粒子300は、それらの表面に固定化されたリパーゼを有する。リパーゼは、粒子300の外面上、粒子300の内面上、または外面上および内面上の両方に、固定化されていてもよい。一部の実施形態では、粒子310のポリマー材料のモノマーの官能基は、粒子300にリパーゼを結合させるために、粒子310の表面に存在していてもよい。細孔および/またはチャネルなどの内側構造を有する多孔質粒子310は、粒子310の外面と、細孔および/またはチャネルの内面との両方に位置付けられた官能基を含んでいてもよい。例えば、粒子310のコポリマー材料のモノマーGMAのエポキシ基は、粒子310の表面に存在してもよい。一部の実施形態では、エポキシ基は、重量で、ポリマー粒子310の全組成の約0.01%から約0.1%、約0.1%から約1%、約1%から約2%、約2%から約5%、約5%から約8%、約8%から約10%、約10%から約15%、約15%から約20%、約0.01%から約10%、約0.01%から約15%、約0.01%から約20%を構成してもよい。一部の実施形態では、エポキシ基は、粒子310の外面上に位置付けられていてもよい。一部の実施形態では、エポキシ基は、細孔および/またはチャネルの内面上に位置付けられていてもよく、あるいは一部の実施形態では、粒子310の内面および外面の両方がエポキシ基を含んでいてもよく、またはどちらの面もエポキシ基を含んでいなくてもよい。一部の実施形態では、粒子310の外面上のエポキシ基の表面密度または濃度は、粒子310の細孔および/またはチャネルの内面上の場合より高くても低くてもよい。一部の実施形態では、粒子310の表面上のエポキシ基の量は、過剰な程度までリパーゼの結合を制限するようにキャップされていてもよい。
一部の実施形態では、粒子310の表面に位置付けられた官能基は、生体分子または化学分子に吸着しまたは結合するように使用されてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110中の、長鎖トリグリセリドおよび/または長鎖エステル、例えばLC−PUFAを有するトリグリセリドを含めた脂肪を加水分解するリパーゼ710は、共有結合によって、粒子310の表面に付着されても固定化されてもよい。図10Aは、リパーゼ710の結晶構造の例示的な概略図を示す。図10B〜10Cは、粒子310へのリパーゼ710の付着の例示的な概略図を示す。図10Bに示されるように、粒子310は、その表面に官能基を有していてもよく、リパーゼ710の担体として機能してもよい。図10Cに示されるリパーゼ710は、溶液中で粒子310の表面の官能基に共有結合されてもよく、その結果、粒子310の表面にリパーゼ710の層が得られる。さらに図10Dに示されるように、ある特定の数の個々の粒子310は、それらの表面にリパーゼ710が共有結合された状態で、デバイス200内の粒子300を構成する。
当技術分野で公知のようにかつ本明細書に記述されるように、架橋は、1つのポリマー鎖を別のポリマー鎖に連結する化学結合を指してもよい。化学結合は、共有結合またはイオン結合とすることができる。一部の分野では、架橋は、タンパク質を一緒に連結するための化学リンカーの使用を指してもよい。本明細書で使用される「共有結合(covalent bond)」および「共有結合している(covalent binding)」は、粒子310にリパーゼ710を付着するための、安定な、永続的または半永続的は、不可逆的な、および/または共有状態の結合を指す。
本開示の実施形態は、栄養調合物110が、対象による摂取の直前にデバイス200内を流れるときに、共有結合によって固定化されたリパーゼ710で、栄養調合物110中のトリグリセリドまたは脂肪酸エステルを加水分解させる。リパーゼ710を粒子300に共有結合しかつ1つまたは複数のフィルタを含むことにより、デバイス200は、対象によって摂取された栄養調合物110中にリパーゼ710がごく少量しか含まれずまたは実質的に含まれないように構成される。共有結合は、リパーゼ710を粒子300上に固定化する主な方法であるが、固定化プロセス中に、バックグラウンドレベルの吸着が生じる得る可能性がある。したがって一部の実施形態では、リパーゼ710は、共有結合によって単独で固定化されない可能性がある。吸着されたリパーゼ710を持つ粒子300は、粒子300上に共有結合されたリパーゼ710よりも、低い加水分解活性を有していてもよい。
本開示の調査中、吸着を、粒子310へのリパーゼ710の付着に関して最初に試験した。これは吸着が、タンパク質の固定化に伝統的に使用されかつ疎水性力を介して働くからである。吸着は固定化の、単純で安価な手段である。しかし、デバイス200を開発するときに、粒子300にリパーゼ710を付着させるために吸着を最初に使用した場合、吸着は、栄養調合物110中の脂肪を効果的に加水分解することが可能な粒子を生成しなかった。この初期試験の後、本発明者らは、リパーゼ710を粒子300に固定化しまたは付着するその他の方法を探した。先の刊行物中に注記されているように、共有結合を介して粒子310にリパーゼ710を付着することにより、リパーゼ710の酵素活性を低減させまたは制限してもよい。例えばリパーゼ710の酵素活性は、可溶状態にあるリパーゼ710の酵素活性に比べ、粒子310に共有結合しているときに低減されてもよい。したがって、共有結合により粒子310に付着されたリパーゼ710の酵素活性は、吸着により粒子310に付着されたリパーゼ710の場合よりも少なくなる可能性があることを、最初に仮定した。それでも、共有結合により粒子310に付着されたリパーゼ710の酵素活性は、吸着により粒子310に付着されたリパーゼ710の場合よりも大きかった。さらに吸着は、共有結合と比較した場合、栄養調合物110中の脂肪を加水分解するためのより高い性能または効率を実現しなかった。以下に記述される実施例1は、吸着によって、および共有結合によって粒子300に固定化されたリパーゼ710の酵素活性を比較し、共有結合によって粒子300に固定化されたリパーゼ710は、より大きい酵素活性、脂肪を加水分解する際のより良好な性能、および栄養調合物110中へのリパーゼ710の放出が少ないことを示唆する。
(実施例1)
吸着を使用した、および共有結合を使用した、例示的粒子300への例示的リパーゼ710の固定の比較
例示的粒子300に付着した例示的リパーゼ710の合計6つの試験試料を調製した。本明細書においてA1、A2、およびA3と呼ばれる3つの試験試料は、粒子300への例示的リパーゼ710の吸着により調製し、一方、本明細書においてC1、C2、およびC3と呼ばれる他の3つの試験試料は、粒子300への例示的リパーゼ710の共有結合的付着により調製した。試料A1、A2、およびA3用の例示的粒子300は、反応基を有さないスチレン(A1、A2)またはメタクリレート(A3)ポリマーから形成した。試料C1、C2、およびC3用の例示的粒子300は、共有結合のための反応(エポキシ)基を有するメタクリレートポリマーから形成した。6つの試験試料は全て、粒子300のグラム当たり125mgのリパーゼ710で調製した。試料C1、C2、およびC3における粒子300へのリパーゼ710の共有結合的付着は、リパーゼ710を、粒子300の表面上のエポキシ基に共有結合させることにより達成された。粒子300の直径は、220μmから500μmの範囲であり、粒子300は、PEGでコーティングされた。3種類のアッセイを行って、6つの試験試料を評価し、共有結合を使用した場合に対して、吸着を使用した場合の粒子300へのリパーゼ710の固定を比較した。
第1に、各試験試料に対して滴定アッセイを行い、40重量%のDHAトリグリセリドを有する乳化未加工魚油基質に対する、各試料における粒子300に付着したリパーゼ710の効力または比活性度を評価した。第2に、リパーゼ放出アッセイを行って、各試験試料の粒子300から放出されたリパーゼ710の量を評価した。第3に、脂肪加水分解性能アッセイを行って、例示的デバイス200内での各試料中の粒子300に付着したリパーゼ710の脂肪加水分解性能を試験した。結果は以下で考察される。
各粒子試験試料に対する滴定アッセイにおいて、12mgの乾燥粒子300を乳化魚油基質に添加した。撹拌しながら、基質を37℃に平衡化した。粒子300に付着したリパーゼ710の比活性度を、各試験試料において測定した。比活性度は、アッセイ条件下での所与の時間量において、粒子300に付着した全リパーゼ710のグラム当たり生成された遊離脂肪酸の量として定義される。各試料により生成された遊離脂肪酸の量は、魚油基質を一定のpHに維持するように魚油基質をNaOH溶液で滴定することにより測定した。加水分解反応中、固定されたリパーゼ710が未加工魚油基質中のトリグリセリドを加水分解するにつれて遊離脂肪酸が生成され、この酸を中和するためにNaOH溶液を添加した。酸を中和するために反応中に添加されたNaOHのモルは、各試料中のリパーゼ710により生成された遊離脂肪酸のモルに等しかった。
表2および図11に示されるように、共有結合により粒子300に付着したリパーゼ710の試験試料、すなわちC1、C2、およびC3は概して、吸着により粒子300に付着したリパーゼ710の試験試料、すなわちA1、A2、およびA3より高い比活性度を有していた。この結果は、吸着を使用した、および共有結合を使用した固定に関する以前の刊行物からは予測できないものであった。この理論に束縛されないが、この驚くべき結果は、吸着が、リパーゼの活性部位を粒子の表面に付着させ、DHA油基質中の脂肪分子へのリパーゼの活性部位の近接性を低減し得る非特異的結合メカニズムの種類であることに起因し得ると仮定される。低減された近接性は、粒子300上に固定されたリパーゼ710の全体的活性を低減し得る。
リパーゼ放出アッセイにおいて、1gの各試験試料を、遠心管内で10mLの蒸留水中に懸濁させた。自動シェーカーを使用して、各遠心管を室温で約12時間回転撹拌した。1時間、3時間、および12時間の時点で、各試験試料を遠心分離し、各試験試料の上清からの測定試料を採取して、それらの時点で粒子300から脱離したリパーゼ710の濃度を得た。分光光度計を使用して、280nmの波長で測定試料の吸光度を測定することにより、測定試料中のリパーゼ710の濃度を定量した。図12に示されるように、全ての時点において、吸着により粒子300に固定されたリパーゼ710を有する試験試料、A1、A2、およびA3は、共有結合により粒子300に固定されたリパーゼ710を有する試験試料、C1、C2、およびC3より高い、上清中のリパーゼ710の濃度を有していた。したがって、結果は、共有結合による粒子300へのリパーゼ710の付着が、吸着による粒子300へのリパーゼ710の付着より強力、およびより安定であったことを示している。
脂肪加水分解アッセイにおいて、例示的栄養調合物110、Peptamen AF(登録商標)を使用した。1グラムの各試験試料を例示的デバイス200内に設置した。各例示的デバイス200は、透明ポリカーボネートで作製された本体210、ならびに3D印刷方法を使用して作製された入口フィルタ250および出口フィルタ260を有していた。各例示的デバイス200において、入口242の直径は、約6.6mmであり;入口フィルタチャンバ214の直径は、2.6mmから15mmにテーパしており;入口フィルタ250の直径は、約15mmであり、入口フィルタ250の厚さは、約3.2mmであり;チャンバ222の直径は、15mmから17mmにテーパしており;出口フィルタチャンバ224の直径は、約17mmであり;出口フィルタ260の直径は、約17mmであり、出口フィルタ260の厚さは、約3.2mmであり;出口230の直径は、約17mmであり;入口272および入口チャンバ274の内径は、約15mmであり;入口272および入口チャンバ274の外側直径は、約17mmであり;出口282の直径は、約2mmであった。入口フィルタ250および出口フィルタ260は、ポリエチレンから作製され、100μmの近似的多孔性を有していた。各デバイス200は、約1gから約1.2gの粒子300で満たされ、乾燥状態において粒子300の上には約1mmのヘッドスペース223が残されていた。
Peptamen AF(登録商標)溶液は、例示的ポンプ120により、2mL/分の設定流量でデバイス200を通して駆動された。Peptamen AF(登録商標)溶液が各デバイス200内の各試験試料を通過すると、Peptamen AF(登録商標)溶液中のトリグリセリド等の脂肪は、各試験試料の粒子300に付着したリパーゼ710により加水分解された。デバイス200を通したPeptamen AF(登録商標)溶液の流動中、各試験試料に対して、3つの測定試料を採取した。1つの試料は、Peptamen AF(登録商標)溶液が粒子300に曝露される前のt0において採取し、1つの試料は、Peptamen AF(登録商標)溶液がちょうどデバイス200から流出し始めた時のtiにおいて採取し、1つの試料は、tiの30分後のt30において採取した。各時点において採取された各測定試料中の遊離脂肪酸の量を、定量比色アッセイ(Abcam(登録商標)Free Fatty Acid Quantification Kit)を使用して測定した。デバイス200内の各試験試料による脂肪加水分解の性能を、生成された遊離脂肪酸の量に基づいて評価した。図13は、デバイス200内に設置された試験試料により生成された遊離脂肪酸の量を示す。結果は、栄養調合物110がデバイス200内の粒子300に固定されたリパーゼ710を通して流動された場合、共有結合を用いて粒子300に固定されたリパーゼ710(C1、C2、およびC3)は、吸着を使用して粒子300に固定されたリパーゼ710(A1、A2、およびA3)よりも、栄養調合物110中の脂肪の加水分解において良好な性能を有していたことを示している。
実施例1において示されるように、粒子310へのリパーゼ710の共有結合を使用する利点は、結合の強度、すなわち、固定の安定性および/または強度である。相対的に見ると、吸着は可逆的であり、不完全な付着の欠点を有し、これによってリパーゼは粒子から脱離し得る。この欠点によって、実質的な量のリパーゼが栄養調合物と混合し得、また使用された場合には、栄養調合物がデバイス200を通して流動した際に、患者に送達され得る。これは、以前に議論されたように、過剰のリパーゼが胃腸管に悪影響を与える可能性があるため、栄養調合物110中の脂肪栄養素を必要とする対象、例えば乳児集団または免疫不全患者には望ましくない可能性がある。
対照的に、共有結合では、支持材料と、リパーゼの表面上のアミノ酸上の官能基との間に、少なくとも1つの共有結合が形成する。リパーゼを支持材料に結合し得る官能基は、例えば、アミノ、カルボキシル、スルフヒドリル、ヒドロキシル、イミダゾール、またはフェノール基を含み、リパーゼの触媒活性には必須ではない。一部の実施形態では、リパーゼ710の1つまたは複数のリシン残基の側鎖のアミノ基は、粒子310の表面上のエポキシ基と反応して共有結合を形成し得る。活性部位を保護するために、固定は、基質または競合的阻害剤の存在下で行われてもよい。共有結合により固定されるリパーゼの例に関しては、S. Emiら、European Polymer Journal 30巻(5号):589〜595頁(1994年)を参照されたい。共有結合に好適な支持体は、例えば、Immobead(商標)(ChiralVision)を含み得る。
上述のように、共有結合は、リパーゼ710と粒子310との間のより強力な、および/またはより安定な種類の相互作用であり、これは、より強力な、および/または不可逆的な結合、ならびに粒子300からのリパーゼ710の脱離の低減をもたらし得る。したがって、粒子300へのリパーゼの共有結合は、本開示の実施形態において、栄養調合物110がチャンバ222を通って流動する(および最終的に対象に送達される)際に粒子300から脱離し得るリパーゼ710の量を低減または排除するために使用される。粒子300へのリパーゼ710の共有結合は、有利には、付着の安定性を改善し得、一部の実施形態では所望によりリパーゼ710および粒子300を再利用可能にし得、また粒子300に付着したリパーゼ710により加水分解された栄養調合物110が、リパーゼ710による汚染をほとんど、または実質的に有さないことを可能にし得る。非活性リパーゼおよび/もしくは非リパーゼ実体を実質的に含まない、または低減された量の非活性リパーゼおよび/もしくは非リパーゼ実体を有する精製リパーゼ710は、粒子300上のリパーゼ710の改善された共有結合に起因して、改善された結合効率および加水分解効率を可能にし得る。とは言うものの、上で言及されたように、精製リパーゼ710であっても、粒子300にリパーゼ710を共有結合させるプロセス中にバックグラウンドレベルの吸着が生じ得るが、共有結合は、粒子300にリパーゼ710を付着させる支配的な様式となり得る。
本明細書において使用される場合、加水分解効率は、栄養調合物110中の脂肪(例えば、長鎖脂肪酸トリグリセリドおよび/または長鎖脂肪酸エステル)を加水分解する上でのデバイス200の性能を説明するために使用され得る。加水分解効率は、栄養調合物110がデバイス200を通って流動した後の、栄養調合物110中の脂肪の総量のうちの加水分解した脂肪のパーセンテージとして定義され得る。さらに、本明細書におけるデバイス内で使用されるリパーゼ710は、一般に、トリグリセリド内の3つの結合のうちの2つ、すなわちsn−1およびsn−3位を開裂し、sn−2モノグリセリドを残す。したがって、所与のトリグリセリド内の3つの結合のうちの2つが破壊された場合、100%加水分解が達成される。本開示の以下の実施形態においてより詳細に説明されるように、栄養調合物110から対象に、事前に加水分解された遊離脂肪酸およびモノグリセリドをポイントオブケアでより短期間で供給して、身体による、例えば血漿および/または組織内への遊離脂肪酸およびモノグリセリドのより効果的な吸収を可能にするためには、粒子300に付着したリパーゼ710の、チャンバ222内の栄養調合物110中の脂肪分子による曝露またはそれとの相互作用を最大化して、デバイス200の加水分解効率を改善することが有利となり得ることが理解される。曝露時間を低減することにより、患者に栄養調合物110を提供するために必要な時間量の低減が可能となり得、これによって、加水分解効率に大きく影響することなく、患者が所望により終夜の栄養補給を回避することが可能となり得る。
リパーゼは、動物、植物、および多くの天然または遺伝子操作微生物から得ることができる。多くの市販のリパーゼ製品は、動物から得られ、消化酵素により特に分解されやすい。より低頻度で使用される代替品は、微生物リパーゼ、すなわち細菌または真菌、例えば酵母等で産生されたリパーゼである。ある特定の微生物リパーゼは、動物または植物リパーゼよりも広いpH範囲にわたり活性を保持し、したがって腸溶コーティング錠剤の必要性を排除する。しかしながら、微生物酵素は、小腸内でトリプシンにより分解される傾向を有し、それによって、消化管内でのトリグリセリドおよびエステル分解への利用可能性は低減される。一部の実施形態では、本開示において使用されるリパーゼ710は、細菌リパーゼ、真菌リパーゼ、またはその両方を含む。微生物リパーゼは、コリパーゼを必要としても、もしくは必要としなくてもよく、または、胆汁塩により影響されても、もしくは影響されなくてもよい。
個々の種類のリパーゼの特異性および動力学は、大きく変動し得る。リパーゼの特異性は、酵素の分子特性、基質の構造、および基質への酵素の結合に影響する因子により制御される。特異性の種類は、基質特異性を含む。一部の実施形態では、リパーゼ710は、少なくとも1つの長鎖および/または中鎖多価不飽和脂肪酸を有するトリグリセリドおよび/またはエステルを選択的に加水分解するように選択される。一部の実施形態では、ヒト膵リパーゼと同様に、リパーゼ710は、図14に示されるように、トリグリセリドのグリセロール骨格の1位および3位におけるエステル結合を特異的に加水分解し、トリグリセリドから2つの遊離脂肪酸および1つのモノグリセリドを生成し得る。一部の実施形態では、リパーゼ710によるトリグリセリドの加水分解によって生成された多価不飽和脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸(ARA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、およびリノール酸(LA)の1つまたは複数を含み得る。一部の実施形態では、リパーゼ710は、LCT、例えばLC−PUFAを有する1種または複数種のトリグリセリドを加水分解するためのその親和性のアッセイに基づいて選択され得る。
現在、Chromobacterium viscosum、Pseudomonas fluorescens、Burkholderia cepacia、およびRhizopus oryzaeにより産生されるリパーゼは、他のリパーゼ、例えばCandida rugosa、Rhizomucor miehei、Penicilium camemberti、Aspergillus niger、およびAspergillis oryzaeにより産生されるリパーゼよりも、DHA、EPA、およびARAに対する大きな特異性を有することが決定されている。したがって、リパーゼ710は、Chromobacterium viscosumリパーゼ、Pseudomonas fluorescensリパーゼ、Burkholderia cepaciaリパーゼ、および/またはRhizopus oryzaeリパーゼの少なくとも1つから選択される微生物リパーゼであってもよい。一部の実施形態では、リパーゼ710は、Chromobacterium viscosumリパーゼ、Pseudomonas fluorescensリパーゼ、またはRhizopus oryzaeリパーゼである。一部の実施形態では、リパーゼ710は、Rhizopus oryzaeリパーゼである。一部の実施形態では、リパーゼ710は、Chromobacterium viscosumリパーゼ、Pseudomonas fluorescensリパーゼ、またはRhizopus oryzaeリパーゼの1つまたは複数の比活性度と同等の、DHA、EPA、および/またはARAを有するトリグリセリドに対する比活性度を有する。
Chromobacterium viscosumリパーゼ、Pseudomonas fluorescensリパーゼ、Burkholderia cepaciaリパーゼ、およびRhizopus oryzaeリパーゼ等のある特定の種のリパーゼへの言及は、必ずしもリパーゼが天然宿主種から直接調製されたことを意味するとは限らない。例えば、別の宿主細胞において組み換えにより同じリパーゼが産生され得る。
一部の実施形態では、酵素は、Chromobacterium viscosumリパーゼ、Pseudomonas fluorescensリパーゼ、Rhizopus oryzaeリパーゼ、Thermomyces lanuginosusリパーゼ、Pseudomonas fluorescensリパーゼ、Bacillus subtilisリパーゼ、Candida rugosaリパーゼ、Mucor javanicusリパーゼ、Lecitase、Rhizopus niveusリパーゼ、Rhizomucor mieheiリパーゼ、Aspergillus nigerリパーゼ、Penicillium camembertiリパーゼ、Burkholderia cepaciaリパーゼ、Aspergillus oryzaeリパーゼ、Pseudomonas stutzeriリパーゼ、Alcaligenes spp.リパーゼ、Candida antarcticaリパーゼ、Hansenula polymorphaリパーゼ、Humicola insolensリパーゼ、Thermomyces langunosaホスホリパーゼ、レシチナーゼホスホリパーゼ、または上記の属のいずれかに含まれる任意の組み換え種からのリパーゼもしくはホスホリパーゼ、または任意の好適なリパーゼもしくはホスホリパーゼ、またはそれらの組合せの少なくとも1つから選択され得る。
一部の実施形態では、少なくとも1種のリパーゼ710が、個々の粒子310に付着してもよい。一部の実施形態では、異なる種類のリパーゼ710が、同じ粒子310に、または粒子300を構成する異なる群の粒子に付着してもよい。異なる群の粒子は、異なるリパーゼ、異なる中位径もしくは平均直径、異なる表面積、異なる官能基の濃度もしくは種類を有してもよく、および/または、異なる種類のポリマー材料、例えば中実もしくは多孔質ポリマー材料で作製されてもよい。
一部の実施形態では、リパーゼ710は、微生物集団、例えばRhizopus oryzaeからの抽出物であってもよく、また他のタンパク質または酵素を含有してもよい。一部の実施形態では、リパーゼ710は、胃リパーゼ、および/または非リパーゼ酵素、例えばレシチナーゼを含んでもよい。一部の実施形態では、リパーゼ710は、粒子310への付着前に精製されてもよく、および/または、官能性化学基もしくは化学リンカーを付加することにより改質されてもよい。一部の実施形態では、リパーゼ710は、2種以上の脂肪、例えば、1つまたは複数の異なる長鎖多価不飽和脂肪酸またはリン脂質を有する異なるトリグリセリドを加水分解してもよい。
一部の実施形態では、リパーゼ710は、ある範囲のpH値において脂肪またはトリグリセリドの加水分解を触媒し得、約5から約8の範囲のpH値で最大加水分解活性を有し得る。所与の栄養調合物110のpHは、中性pH近辺、例えば約pH6からpH8であってもよく、したがって、栄養調合物110のpH範囲と実質的に同じpH範囲で効率的に脂肪を加水分解するリパーゼ710が選択されてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110のpHにおいてピーク活性を有するリパーゼ710が選択されてもよい。ヒト膵リパーゼとは異なり、リパーゼ710は、脂肪を効率的に加水分解するために補因子を必要としないことが可能である。一部の実施形態では、リパーゼ710の酵素活性は、胆汁塩により影響されないことが可能である。
一部の実施形態では、リパーゼ710は、約4℃から約35℃の範囲の温度にわたり活性であってもよい。栄養調合物110が劣化するのを防止するために、栄養調合物110は、4℃から約10℃の範囲の温度で保存および冷蔵されてもよい。栄養調合物110は、冷蔵保存から取り出された後に患者に送達されてもよく、または室温に、例えば約20℃から約25℃に温められた後に送達されてもよい。したがって、栄養調合物110の温度は、典型的には、約4℃から約25℃の範囲であってもよい。一部の状況において、栄養調合物110は、送達前に、例えば約36℃から約37℃の体温まで温められてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110の温度範囲と実質的に同じ温度範囲で効率的に脂肪を加水分解するリパーゼ710が選択されてもよい。微生物リパーゼはまた、一般に、ある特定のpHまたはある特定のpH範囲で最適活性レベルを有する。一部の実施形態では、リパーゼ710は、胃内環境のより低いpH範囲に加えて、またはその代わりに、栄養調合物の中性pHでの使用に適合し得る。一部の実施形態では、リパーゼ710は、改善された安全性を考慮して、胃腸系内でより活性でなくてもよい。一部の実施形態では、送達前に栄養調合物110の温度においてピーク活性を有するリパーゼ710が選択されてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110が送達され得る温度の範囲にわたり十分な活性を有するリパーゼ710が選択されてもよい。
一部の実施形態では、粒子310に付着したリパーゼ710の密度は、粒子310のポリマー材料の官能基、例えばエポキシ基の濃度を調整することにより制御され得る。粒子310の表面上に存在するエポキシ基の濃度の減少により、粒子310に付着したリパーゼ710の密度が減少または制限され得る。一部の実施形態では、粒子310に付着したリパーゼ710の密度は、ポリマー粒子310のグラム当たり約10mgから約100mg、100mgから約200mg、約100mgから約300mg、約100mgから約400mg、約100mgから約500mg、約200mgから約300mg、約200mgから約400mg、約200mgから約500mg、約300mgから約400mg、約300mgから約500mg、または約400mgから約500mgの範囲であってもよい。
一部の実施形態では、所与の粒子310の表面に付着したリパーゼ710の密度は、栄養調合物110中の長鎖脂肪酸トリグリセリドおよび/または長鎖脂肪酸エステル等の脂肪をより効率的に加水分解するために、デバイス200内の粒子300上のリパーゼ710の量を増加させるように増加されてもよい。一部の実施形態では、粒子300の表面に付着したリパーゼ710の密度の増加により、デバイス200内のリパーゼ710の量を減少させることなく、ひいては潜在的にデバイス200の全体的加水分解効率に実質的に影響することなく、デバイス200内で使用される粒子300をより少なくすることが可能となり得る。しかしながら、一部の実施形態では、粒子300の表面に付着したリパーゼ710の密度の増加は、粒子300上のリパーゼ710の全体的効率を増加させない可能性があり、または効率の閾値レベルに到達する可能性がある。例えば、増加した量のリパーゼ710が個々の粒子310に結合し得るが、リパーゼ710は、粒子310の内側の細孔および/またはチャネルの表面上に固定され得、細孔および/またはチャネルのサイズが、加水分解される脂肪分子より小さい、および/または実質的に親水性である場合、栄養調合物110中の脂肪分子は、細孔および/またはチャネルと接触しない可能性があり、そこに結合したリパーゼ710と反応しない可能性がある。そのような状況では、粒子310の内側に結合したリパーゼ710の量の増加は、粒子300またはデバイス200の全体的加水分解効率を増加させない可能性がある。
一部の実施形態では、粒子310の表面に付着したリパーゼ710の閾値を超える密度の増加は、粒子310上のリパーゼ710の加水分解効率を増加させない可能性があり、またはさらには一部の場合において効率を減少し得る。例えば、リパーゼ710の密度の増加は、粒子310上のリパーゼ710の向きに影響し得る、または粒子310上の隣接リパーゼ分子間の立体障害を増加させ得る、および/または栄養調合物110中の脂肪分子に対するリパーゼ710の柔軟性もしくは近接性を低減し得る。これが生じる場合、粒子310上により多くのリパーゼ710が存在するとしても、栄養調合物110中の脂肪はリパーゼの活性部位と相互作用できない可能性があり、隣接リパーゼ分子が互いを妨害し得る。一部の実施形態では、リパーゼ710の十分な柔軟性を可能にするために、および/または粒子310上の隣接リパーゼ分子間の立体障害を低減するために、ひいてはリパーゼを加水分解される脂肪に接近可能とすることにより粒子310に付着したリパーゼ710の全体的活性を保存する、および/または増加させるために、粒子310の表面に付着したリパーゼ710の密度が低減されてもよい。一部の実施形態では、閾値効率に達する場合、その閾値量に実質的に等しいリパーゼの量が使用されてもよいが、これは、リパーゼの量の増加が実質的な効率上の利益なしにコストを増加させるだけとなり得るためである。
一部の実施形態では、リパーゼ710の純度は、粒子310上のリパーゼ710の共有結合および加水分解効率を増加させるために改変されてもよい。例えば、いくつかのリパーゼ酵素調製物は、タンパク質およびポリサッカリドのその単離または生成からの持ち越し材料を含み得る、または希釈剤もしくは不活性リパーゼを含有し得る。これらの他の材料は、活性リパーゼ710の酵素活性部位と干渉し得る、粒子300上の共有結合部位に関して競合し得る、リパーゼ710を立体的に妨害し得る、および/または基質が活性部位に容易に到達するのを防止し得る。一部の実施形態では、これらの非活性および非リパーゼ実体は、固定のプロセス中に酵素調製物から除去されてもよく、または、一部の実施形態では、これらの非活性および非リパーゼ実体は、固定の前に酵素調製物から除去されてもよい。非活性および/または非リパーゼ実体の除去は、粒子300に付着したリパーゼ710の全体的活性の増加を提供し得る。一部の実施形態では、固定前の酵素調製物に対する活性リパーゼの質量比は、5%まで低くてもよく、また本質的に100%まで高くてもよい。
一部の実施形態では、粒子310に付着したリパーゼ710の量は、粒子310の表面積に比例し得る。例えば、第1の粒子310が第2の粒子310より大きい直径を有し、ひいてはより広い表面積を有する場合、リパーゼ710の等しい密度において、第1の粒子310は、第2の粒子310より多量の付着したリパーゼを有する。同じサイズの粒子では、多孔質コアを有する粒子310は、中実コアを有する粒子310より広い表面積を有し得、したがって、粒子の表面積に付着したリパーゼ710の密度が等しい場合、多孔質コアを有する粒子に付着したリパーゼ710の量は、中実コアを有する粒子310より多くなり得る。同様に、同じサイズの粒子では、不均一で不規則な表面を有する粒子310は、平滑表面を有する粒子310より広い表面積を有し得、したがって、粒子の表面に付着したリパーゼ710の密度が同じである場合、不均一で不規則な表面を有する粒子310に付着したリパーゼ710の量は、平滑表面を有する粒子310に付着したリパーゼより多くなり得る。したがって、より広い表面積を有する個々の粒子310、例えば不均一表面および多孔質コアを有する粒子310で構成された粒子300は、より小さい表面積、ひいてはより少量のリパーゼ710を有する個々の粒子310、例えば平滑表面および中実コアを有する粒子310で構成された粒子300より広い全体的表面積、ひいてはより多量のリパーゼ710を提供し得る。
一部の実施形態では、チャンバ222内のリパーゼ710の量は、チャンバ222内に含有される粒子300の全表面積に比例し得る。個々の粒子300の表面積および体積は、その粒子310のサイズまたは直径に比例する。直径Dを有する球状粒子の表面積および体積は、それぞれπ*D2および(π*D3)/6として計算され得る。一部の実施形態では、チャンバ222は所定の体積を有し得るため、チャンバ222内に設置され得る最大数の粒子300が存在する。例えば、チャンバ222が体積V0を有し、チャンバ222内に設置され得る中位径または平均直径D1を有する粒子300がN1であり、チャンバ222内に設置され得る中位径または平均直径D2を有する粒子300がN2であり、D1がD2より大きい場合、N1はN2より小さい。換言すれば、チャンバ222の所与の体積に対して、チャンバ222内に収まることができるより大きい直径を有する粒子300の数は、より小さい直径を有する粒子300の数より少ない。この状況において、粒子300の全表面積は、他の全ての変数が等しい場合、粒子300の中位径または平均直径に反比例する。したがって、粒子300の全体積を考慮して、より大きい中位径または平均直径を有する粒子300の全表面積は、より小さい中位径または平均直径を有する粒子300の全表面積より小さい。したがって、一部の実施形態では、粒子300の表面積を増加させるために、本体210のチャンバ222は、より多くの粒子300を収納するようにより大きな体積で作製され得る。他の実施形態では、粒子300の表面積を増加させるために、チャンバ222のある特定の体積を考慮して、粒子300の中位径または平均直径(単数および/または複数)は、より小さくなるように選択され得る。
一部の実施形態では、粒子310の表面をリパーゼ710に連結させるために、化学リンカーが使用されてもよい。そのような化学リンカーは、リパーゼ710とそれが付着する粒子310との間の距離を増加し得る。例えば、化学リンカーは、約0.1nmから約1nm、約1nmから約3nm、約3nmから約4nm、約4nmから約6nm、約6nmから約8nm、約8nmから約10nm、約12nmから約14nm、約14nmから約16nm、約16nmから約18nm、約18nmから約20nm、約0.1nmから約3nm、約0.1nmから約4nm、約0.1nmから約8nm、約0.1nmから約10nm、約0.1nmから約12nm、約0.1nmから約14nm、約0.1nmから約16nm、約0.1nmから約18nm、または約0.1nmから約20nmの範囲で、粒子310の表面からのリパーゼ710の距離をさらに遠くに増加させ得る。これは、リパーゼ710の移動度または柔軟性を増加させる、隣接リパーゼ分子の立体障害を低減する、および/またはリパーゼ710の活性部位を栄養調合物110中の脂肪分子に向かせることができ、したがって、リパーゼ710の酵素活性を保存する、もしくは増加させることができる。一部の実施形態では、化学リンカーは、リパーゼ710の活性部位を栄養調合物110中の加水分解される脂肪分子に向かって向かせるために、リパーゼ710が粒子310の表面上である特定の向きをとるのを可能にし得る。一部の実施形態では、スペーサー分子が、粒子310の表面に付着または化学的に連結されてもよく、粒子310の表面上の隣接リパーゼ分子間の立体障害を低減するように隣接リパーゼ分子間に位置付けられてもよい。
一部の実施形態では、異なる粒子300が、その表面に付着したリパーゼ710の異なる量および/または密度を有してもよい。本明細書において留意されるように、粒子300は、上述のような全ての種類の個々の粒子310を含んでもよく、または、同様の粒子の種類が異なるサイズ、形状、質量密度、および/もしくは固定されたリパーゼ710の密度を有してもよい。一部の実施形態では、これらの異なる粒子の種類のそれぞれが、リパーゼ710の異なる密度、異なる表面積、および/または固定されたリパーゼ710の異なる量等を有してもよい。
チャンバ222内の粒子300の全体的表面積および/またはリパーゼ710の総量の増加は、リパーゼ710と栄養調合物110中の脂肪分子との間の曝露または相互作用を増加させることができ、これは、栄養調合物110中の脂肪、例えば長鎖多価不飽和トリグリセリドおよび/または長鎖多価不飽和エステルを加水分解するためのデバイス200の効率を改善し得る。
一部の実施形態では、個々の粒子310の表面は、疎水性または部分的に疎水性であってもよい。例えば、粒子310の表面は、疎水性であってもよく、したがって制限された湿潤能力を有してもよく、または湿潤状態を有さなくてもよい。一部の実施形態では、粒子310の疎水性表面は、水溶液、油−水エマルション、または複合栄養液、例えば栄養調合物110から、疎水性相互作用により脂肪分子を引き付けることができる。そのような疎水性相互作用は、粒子310に付着したリパーゼ710への脂肪分子の近接性を増加させることができ、リパーゼ710による栄養調合物110中の脂肪分子の加水分解を促進し得る。一部の実施形態では、粒子310の表面は、親水性または部分的に親水性であってもよい。例えば、粒子310の表面は、親水性であってもよく、水溶液、油−水液体、および/または栄養調合物110中への懸濁後に湿潤してもよい。一部の実施形態では、粒子310のポリマー材料は、例えば1種または複数種のポリマーまたはコポリマーを含むことにより、部分的に親水性および部分的に疎水性であってもよい。そのような実施形態では、粒子310は、表面上で親水性であると同時に疎水性であってもよく、栄養調合物110中の脂肪分子を引き付けてもよく、また栄養調合物110中で湿潤してもよい。一部の実施形態では、粒子310の外面は親水性であってもよく、粒子310の内側の細孔および/もしくはチャネルの表面は疎水性であってもよく、またはその逆であってもよい。
粒子310の親水性表面を有すること、または粒子310の湿潤は、粒子310の表面に付着したリパーゼ710の酵素活性に有益となり得る。一部の実施形態では、図15に示されるように、粒子310は、ポリエチレングリコール(PEG)コーティング315を有してもよい。一部の実施形態では、粒子310の外面上のPEGコーティング315は、粒子310が、水を含む溶媒、例えば栄養調合物110中に懸濁された際の粒子310の湿潤能力を改善し、それにより、リパーゼ710の酵素活性に有益な湿潤表面環境を形成し得る。一部の実施形態では、PEGコーティング315は、粒子310へのリパーゼ710の付着の安定性を改善し得る。一実施形態では、PEGコーティング315の量は、粒子310の全体的組成の約0から約2重量%、約2重量%から約5重量%、約5重量%から約8重量%、約8重量%から約10重量%、約5重量%から約10重量%、約2重量%から約10重量%、または約0から約10重量%の範囲であってもよい。代替として、粒子310が水を含む溶媒中に懸濁される際の粒子310の湿潤能力を改善するために、他のコーティングまたはコーティングの組合せが使用されてもよい。代替のコーティングは、例えば、レシチンコーティング、ポリビニルピロリドン(polyvynylpyrrolidone)コーティング、ポリビニルアルコールコーティング、非イオン性界面活性剤コーティング、アルコールコーティング、例えばドデカノール、グリセロールコーティング、プロパンジオールコーティング(例えば1,2−プロパンジオール)、水、または、栄養調合物110中の粒子310の湿潤能力を改善し得る任意の好適なコーティングを含み得る。一部の実施形態では、栄養調合物110中の粒子310の湿潤能力を改善するために、粒子310のコーティング中に湿潤剤が含まれてもよい。
一部の例示的実施形態では、酵素の固定の安定性を提供するために、PEGが使用されてもよい。一部の実施形態では、2重量%から10重量%のPEGの含有は、習慣的な保存条件(60%RH±5%RHで5℃±3℃および25℃±2℃)において保存された場合、少なくとも約18ヶ月のデバイス200内でのリパーゼの貯蔵期間安定性をもたらしている。一部の実施形態では、粒子300上のPEGの非存在または低減されたレベルはまた、粒子300上のリパーゼの好適な貯蔵期間安定性をもたらし得る。
一部の実施形態では、粒子310は、ポリマーマトリックスおよび/または格子を含んでもよい。例えば、ポリマーマトリックスは、細孔および/またはチャネルを有する多孔質コポリマーで作製されてもよく、リパーゼ710は、凝集して、粒子310内に捕捉されてもよい。そのような状況では、リパーゼの活性部位は、露出したままであってもよく、脂肪分子またはミセルと相互作用してもよい。例えば、栄養調合物110がチャンバ222および粒子300を通して流動された場合、栄養調合物110の脂肪分子は、例えば対流および/または拡散により複雑なマトリックスおよび/または格子に進入し、次いで、マトリックスおよび/または格子内に捕捉されたリパーゼ710またはリパーゼ710の凝集体と混合し得る、相互作用し得る、またはそれにより加水分解され得る。
以前に議論されたように、チャンバ222内の粒子300を保持する、閉塞を防止する、ならびに/または、デバイス200および粒子300を通して栄養調合物110を含む液体の流動を誘導する、もしくはそれに影響するために、1つまたは複数のフィルタが使用されてもよい。入口フィルタ250および出口フィルタ260は、図16Aおよび16Bに示されるように、吸入表面810および排出表面820を有するメッシュ800を含んでもよい。図16Aは、メッシュ800の例示的実施形態の断面を示す。図16Aに示されるように、一部の実施形態では、メッシュ800は、流体を通過させるための略秩序的なチャネルを有する従来のスクリーン型メッシュ800であってもよい。そのようなチャネルは、パターン化されてもよく、例えば直線、櫛状、例えばハニカム状であってもよく、および/または放射状に分布してもよい。例えば、図16Aに示されるように、メッシュ800は、その構造内に、栄養調合物110を通過させるための直線経路を有してもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、ポンプ120により、重力栄養補給により、またはシリンジの使用により誘導されて、メッシュ800の直線経路を通して流動されてもよい。直線経路の直径および/または相対位置は、均一であってもよく、またはメッシュ800にわたり変動してもよい。
メッシュ800は、栄養調合物110の流動に流体力学的抵抗を付与し得、流体力学的抵抗の大きさおよび栄養調合物110の流動は、メッシュ800の経路の直径および/または場所に依存し得る。例えば、メッシュ800の経路の直径または周辺が十分に大きい場合、栄養調合物110は、小さい流体力学的抵抗を受ける可能性があり、メッシュ800の周縁部の経路よりもメッシュ800の中央部近くの経路を通過し、メッシュ800の排出表面820でより集中した栄養調合物110の流動をもたらし得る。メッシュ800の経路の直径が十分に小さい、および/または経路が流動を分布させるような様式で向けられている場合、栄養調合物110は、より大きい流体力学的抵抗を受ける可能性があり、したがって、メッシュ800の吸入表面810において分布し得、またメッシュ800にわたり経路をより均一に通過して、メッシュ800の排出表面820でより分布した栄養調合物110の流動をもたらし得る。一部の実施形態では、メッシュ800の経路の少なくともいくつかは、メッシュ800の周縁部に向けて外側に角度が付けられ、栄養調合物110の流動をチャンバ222の周縁部に誘導し、栄養調合物110をチャンバ222内の粒子300にわたり分布させてもよい。栄養調合物110のより分布した流動を提供するメッシュ800は、栄養調合物110をより多くの粒子300に、ひいてはチャンバ222内のより多くのリパーゼ710に曝露させてもよく、栄養調合物110中の脂肪を加水分解させるためのデバイス200の効率を増加させることができる。
一部の実施形態では、図16Bに示されるように、メッシュ800は、メッシュを通って延在して栄養調合物110を通過させる複数の入り組んだ経路を有する多孔質メッシュ800であってもよい。一部の実施形態では、入り組んだ経路は、サイズ、形状、および/もしくは分布において不規則であってもよく、または実質的に規則的および秩序的であってもよい。一部の実施形態では、入り組んだ経路の形状および場所は、多孔質メッシュ800の製造中に無作為に生成されてもよい。他の実施形態では、入り組んだ経路、および入り組んだ経路の断面形状は、事前に決定されてもよく、例えば、コンピュータ支援設計パッケージを使用して設計されてもよい。例えば、メッシュ800の入り組んだ経路の寸法および構成は、コンピュータ支援設計(CAD)パッケージを使用してまずモデル化または設計され、3D印刷等の積層造形技術を使用して製造されてもよい。そのような作製方法は、図16Aにおけるメッシュ800のチャネルに対しても使用され得る。
図16Bに示されるように、多孔質メッシュ800の入り組んだ経路は、栄養調合物110を、多孔質メッシュ800に沿って分布させながら入口フィルタ250を通過させることができる。このようにして、入口フィルタ250のある特定の部分、例えば中央部のみを通過させ、流体のチャネリングおよび/または分流をもたらすのではなく、栄養調合物110は、メッシュ800の排出表面820にわたりより均一に分布し得る。栄養調合物110のそのような分布は、栄養調合物110がチャンバ222の断面のより多く、または実質的に全てを通って、ひいては粒子300のより広い断面にわたり流動するのを可能にし、したがって、チャンバ222内の粒子300を通した栄養調合物110のチャネリングおよび/または分流の形成を低減し得る。したがって、栄養調合物110は、より多くの粒子300およびより多くのリパーゼ710に曝露され、脂肪を加水分解するためのデバイス200の効率を増加させることができる。
入り組んだ経路のフィルタ、メッシュフィルタ、およびデプスフィルタ等を含むフィルタはまた、栄養調合物110中の脂肪粒子を破砕することにより、脂肪の加水分解に影響し得る。パッケージされた栄養調合物および低温殺菌された均質化人乳は、油相および水相が室温保存中に分離しないように乳化脂肪の形態を有する。乳化脂肪粒子は、サイズが変動し得る、または粒子300の表面をコーティングし得るが、これは、トリグリセリドからモノグリセリドおよび遊離脂肪酸への効果的な加水分解のためにトリグリセリド骨格に接近する、粒子300上の固定されたリパーゼの能力に影響し得る。フィルタの含有は、粒子をより小さくより均一なサイズに破砕することにより、加水分解を促進し得る。
入り組んだフィルタまたはデプスフィルタは、乳化脂肪粒子のサイズを変化させ得る。フィルタの細孔サイズ、フィルタの種類、および/またはフィルタの深度を変更することにより、エマルションはより小さい粒子に破壊され得る。1つの予備的研究において、低温殺菌された均質化人乳の第1の試料を単層メッシュフィルタに通過させ、低温殺菌された均質化人乳の第2の試料をデプスフィルタに通過させた。初期実験では、デプスフィルタへの調乳の通過と比較して、メッシュフィルタへの調乳の通過は、エマルションのより小さい粒子またはより小さい脂肪球への破壊をもたらした。理論上、デバイス200内のリパーゼがより小さいエマルション粒子と相互作用して脂肪を加水分解することがより容易となり得る。
フィルタはまた、栄養調合物中の脂肪を包囲するタンパク質またはリン脂質を破壊するように機能し得る。例えば、栄養調合物がフィルタを通過する際、フィルタは、脂肪を包囲するリン脂質およびタンパク質を含有する層を破砕して、チャンバ222内のリパーゼが脂肪により容易に接近するのを可能にし得る。一部の実施形態では、1つまたは複数のフィルタはまた、タンパク質の破砕を促進するためにプロテアーゼでコーティングされてもよい。
入口フィルタ250および/または出口フィルタ260におけるメッシュ800の細孔、チャネル、および/または経路のサイズおよび/または直径は、粒子300の直径より小さく、粒子300が入口フィルタ250および/または出口フィルタ260を通過するのを防止する。例えば、粒子300がメッシュ800の細孔、チャネル、および/または経路を通過および/または閉塞するのを防止するために、多孔質メッシュ800の細孔、チャネル、および/または経路の中位径または平均直径は、粒子300の最小直径より、例えば約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、約40%から約50%、約50%から約60%、約20%から約60%、約30%から約60%、約40%から約60%、約50%から約60%、約10%から約30%、約10%から約40%、約10%から約50%、または約10%から約60%小さくてもよい。一部の実施形態では、メッシュ800における細孔、チャネル、および/または経路の直径または周辺は、約10μmから約100μm、約10μmから約150μm、約10μmから約200μm、約10μmから約300μm、約10μmから約400μm、約10μmから約500μm、約50μmから約300μm、約50μmから約400μm、約50μmから約500μm、約100μmから約200μm、約100μmから約300μm、約100μmから約400μm、または約100μmから約500μmの範囲であってもよい。
一部の実施形態では、メッシュ800における細孔、チャネル、および/または経路のサイズまたは直径は、粒子300の直径の分布に依存し得る。上で議論されたように、一部の実施形態では、粒子300は、小径側の閾値、例えばメッシュ800の細孔、チャネル、および/または経路の中位径または平均直径より小さい直径を有する粒子をフィルタ除去するために篩い分けされてもよい。そのような篩い分けまたはフィルタ除去は、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260を通過および/または閉塞し得る分布の小径側境界の直径を有する粒子300の確率を低減し得る。
一実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260の両方が、図16Aに示されるもの等の従来のメッシュ800を含み得る。別の実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260の両方が、図16Bに示されるもの等の入り組んだ経路を含む多孔質メッシュ800を含み得る。別の実施形態では、入口フィルタ250が従来のメッシュ800を含んでもよく、出口フィルタ260が多孔質メッシュ800を含んでもよい。別の実施形態では、入口フィルタ250が多孔質メッシュ800を含んでもよく、出口フィルタ260が従来のメッシュ800を含んでもよい。別の実施形態では、入口フィルタ250が、従来のメッシュ800および多孔質メッシュ800の両方を含んでもよく、出口フィルタ260が、従来のメッシュ80または多孔質メッシュ800を含んでもよい。別の実施形態では、入口フィルタ250が、従来のメッシュ800または多孔質メッシュ800を含んでもよく、出口フィルタ260が、従来のメッシュ800および多孔質メッシュ800を含んでもよい。別の実施形態では、入口フィルタ250および出口フィルタ260の両方が、従来のメッシュ800および多孔質メッシュ800を含んでもよい。
一部の実施形態では、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260の厚さは、約0.1mmから約1mm、約0.1mmから約2mm、約2mmから約4mm、約4mmから約6mm、約6mmから約8mm、約8mmから約10mm、約0.1mmから約4mm、約0.1mmから約6mm、約0.1mmから約8mm、約0.1mmから約10mmの範囲であってもよい。厚さは、デバイス200を通した栄養調合物110の流量、および/または粒子300にわたる栄養調合物110の分布に影響してもよく、または影響しなくてもよい。
一部の実施形態では、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260のメッシュ800は、生体適合性、不活性、および/または医療用ポリマー材料、例えばポリエチレンで作製されてもよい。一部の実施形態では、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260は、メンブレンフィルタであってもよい。一部の実施形態では、デバイス200は、出口フィルタ260のみを有してもよく、入口フィルタ250を有さなくてもよい。一部の実施形態では、デバイス200は、2つ以上の出口フィルタ260および/または入口フィルタ250を有してもよい。出口フィルタ260および/または入口フィルタ250のメッシュ800におけるチャネルまたは入り組んだ経路の直径または周辺は、互いに異なっていても、または異なっていなくてもよい。
一部の実施形態では、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260は、栄養調合物110が通過する際にそれを乳化するように構成された少なくとも1種の乳化剤でコーティングされてもよい。栄養調合物110は、例えばタンパク質、炭水化物、脂肪、水、ミネラル、および/またはビタミンを含み得る複合混合物で構成され、また特別に調合および処理された流動食を含み得るため、乳化剤は、栄養調合物110を、分散相内の栄養調合物110中の脂肪および分散媒としての液体を有する液中油エマルションに乳化し得る。例えば、脂肪滴は、乳化剤により液体媒体中に分布され得る。栄養調合物110のエマルションを形成することにより、栄養調合物110中の脂肪分子とチャンバ222内の粒子300に付着したリパーゼ710との間の相互作用が促進され得る。例えば、脂肪滴は、粒子310の疎水性表面に引き付けられ得る。粒子310の表面は、PEGコーティング315の層を含んでもよく、またエマルションの液体媒体中で湿潤してもよく、したがって、リパーゼ710は、粒子310の表面に引き付けられるエマルション中の脂肪分子を加水分解し得る。一部の実施形態では、乳化剤の種類は、栄養調合物110の組成に依存し得る。一部の実施形態では、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260の表面をコーティングするために、複数の種類の乳化剤が使用され得る。一部の実施形態では、栄養調合物110は、事前に乳化されてもよく、または、デバイス200を通して流動される前にすでにエマルションであってもよい。一部の実施形態では、入口フィルタ250の代わりに、またはそれに加えて、入口212の内側部分が乳化剤でコーティングされてもよい。
代替の好適な乳化剤は、例えば、タンパク質、加水分解タンパク質、レシチン、リン脂質、もしくはポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrylidone)、またはそれらの任意の好適な組合せを含み得る。乳化剤として使用されるレシチンは、リン脂質、例えばホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンの混合物であってもよく、卵黄および大豆等の源から抽出され得る。代替的な乳化剤は、例えば、ジアセチル酒石酸エステル、ステアロイル−2−乳酸ナトリウムもしくはカルシウム、アンモニウムホスファチド、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、プロパン−1,2−ジオールアルギネート、寒天、カラギーナン、加工eucheuma海草、ローカストビーンガム、イナゴマメガム、グアーガム、トラガカント、アカシアガム;アラビアガム、キサンタンガム、カラヤガム、タラガム、ゲランガム、コンニャク、大豆ヘミセルロース、カシアガム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリソルベート20、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリソルベート40、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリソルベート65、ペクチン、アンモニウムホスファチド、スクロース酢酸イソブチル、ウッドロジンのグリセロールエステル、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース、酵素加水分解カルボキシメチルセルロース、脂肪酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウム塩、脂肪酸のモノ−およびジグリセリド、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドの酢酸エステル、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドの乳酸エステル、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドの酒石酸エステル、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドのモノ−およびジアセチル酒石酸エステル、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドの酢酸および酒石酸混合エステル、脂肪酸のスクロースエステル、スクログリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリリシノレイン酸ポリグリセロール、脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステル、脂肪酸のモノ−およびジグリセリドと相互作用した熱酸化大豆油、ステアロイル−2−乳酸ナトリウム、ステアロイル−2−乳酸カルシウム、酒石酸ステアリル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、またはインベルターゼを含み得る。
上述のように、栄養調合物110は、ポンプ120により、重力栄養補給により、またはシリンジの使用によりデバイス200を通して誘導されてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110は、約0.02mL/分から約2mL/分、約0.4mL/分から約2mL/分、約0.4mL/分から約4mL/分、約0.4mL/分から約6mL/分、約0.4mL/分から約8mL/分、約0.4mL/分から約10mL/分、約0.4mL/分から約12mL/分、約0.4mL/分から約14mL/分、約2mL/分から約6mL/分、約2mL/分から約8mL/分、約2mL/分から約10mL/分、約2mL/分から約12mL/分、約2mL/分から約14mL/分、約0.02mL/分から約4mL/分、約0.02mL/分から約6mL/分、約0.02mL/分から約8mL/分、約0.02mL/分から約10mL/分、約0.02mL/分から約12mL/分、約0.02mL/分から約14mL/分、約0.4mL/分から約14mL/分、または約0.4mL/分から約12mL/分の範囲の流量で、デバイス200を通して誘導されてもよい。
一部の実施形態では、デバイス200を通って流動する栄養調合物110の体積は、栄養調合物110を受ける対象の必要量に依存し得る。一部の実施形態では、栄養調合物110の体積は、約1mLから約10mL、約10mLから約100mL、約100mLから250mL、約250mLから約500mL、約500mLから約750mL、約750mLから約1L、約1Lから約2L、約1Lから約3L、約2Lから約3L、約1mLから約100mL、約1mLから約500mL、約1mLから約1L、約100mLから500mL、約100mLから750mL、約100mLから1L、約500mLから約1L、約500mLから約2L、約750mLから約2L、または約750mLから約3Lの範囲であってもよい。一部の実施形態では、デバイス200は、所定の体積の栄養調合物110を、または所定の流量で送達するのに好適となるようなチャンバ222の体積を有するように選択され得る。例えば、乳児に対してより少量の栄養調合物110を、またはより低い流量である量の栄養調合物110を送達するように選択されたものよりも、成人に対してより多量の栄養調合物110を、またはより高い流量である量の栄養調合物110を送達するようにより大きい体積のチャンバ222を有するデバイス200が選択されてもよい。
一部の実施形態では、デバイス200を通して栄養調合物110の総量を送達するために必要な時間、すなわち栄養調合物110の栄養補給時間は、流量、チャンバ222の体積、および/または対象に送達される栄養調合物110の全体積に依存し得る。例えば、より速い流量、および/またはチャンバ222のより大きい体積は、所定の体積の栄養調合物110がより短い栄養補給時間でデバイス200を通って流動するのを可能にし得る。
一部の実施形態では、栄養補給時間は、対象に好適な必要量または経腸栄養補給行為に依存し得る。一部の実施形態では、栄養補給時間は、例えば、約数秒から数分、約数分から約30分、約30分から約1時間、約1時間から約4時間、約4時間から約10時間、または約10時間から約12時間の範囲であってもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110を必要とする対象に、より短い栄養補給時間が好ましくなり得る。
一部の実施形態では、栄養補給期間中、デバイス200を通って流動する栄養調合物110は、経時的に実質的に一定量の粒子300に曝露されてもよく、また、粒子300上の実質的に一定量のリパーゼ710と反応することができてもよい。粒子300上のリパーゼ710に対する栄養調合物110の曝露量は、リパーゼ710が栄養調合物110中の脂肪分子と相互作用する機会に相関し得、この機会は、粒子300の表面積が増加するにつれて増加し得ると仮定される。リパーゼ710が栄養調合物110中の脂肪分子と相互作用するより高い機会は、デバイス200のより高い加水分解効率と相関し得る。したがって、粒子300上のリパーゼ710に対する栄養調合物110の曝露の増加は、栄養調合物110中の脂肪の総量のうちより多くの脂肪がデバイス200により加水分解される結果をもたらし得る。
一部の実施形態では、チャンバ222内の栄養調合物110の滞留時間、すなわち栄養調合物110がチャンバ222内にあり、粒子300に曝露される時間が、栄養調合物110中の脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用に影響し得る。例えば、より長い滞留時間は、脂肪分子がチャンバ222内の粒子300の周囲を動き回るより長い滞在時間を有すること、または粒子300上のリパーゼ710と相互作用し、それにより加水分解される増加した確率を有することを可能にし得る。栄養調合物110の流量は、チャンバ222内の栄養調合物110の滞留時間に影響し得、また、栄養調合物110中の脂肪分子が粒子300上のリパーゼ710と相互作用する時間量に影響し得る。より速い流量は、より遅い流量よりも短い時間量で、チャンバ222を通して栄養調合物110を駆動し得る。
一部の実施形態では、必要な滞留時間量は、栄養調合物110の組成、または栄養調合物110中の脂肪の種類に依存して変動し得る。例えば、より高い密度の脂肪またはより高い粘度を有する栄養調合物110の場合、より長い滞留時間が必要となり得る。一部の実施形態では、チャンバ222内の栄養調合物110の全体的滞留時間を増加させるために、デバイス200を通る、またはシステム100のチューブを通る栄養調合物110の流動に、再循環ループが追加されてもよい。一部の実施形態では、入口212および/または出口272の直径を維持しながらチャンバ222の直径を増加させることにより、チャンバ222内の栄養調合物110の滞留時間が増加され得る。一部の実施形態では、入口フィルタ250および/もしくは出口フィルタ260の厚さ、ならびに/または、フィルタのチャネルおよび/もしくは入り組んだ経路の直径および/もしくは周辺が、滞留時間に影響し得る。例えば、出口フィルタ260のより厚い厚さおよび/または入り組んだ経路のより小さい直径は、滞留時間を増加させ得る。一部の実施形態では、チャンバ222内の栄養調合物110のより長い滞留時間は、脂肪分子とリパーゼ710との間のより多くの曝露または相互作用を可能にし得、したがってデバイス200の加水分解効率を改善し得るが、滞留時間は、栄養調合物110中で生成された遊離脂肪酸が劣化するほどは長くなり得ない。
一部の実施形態では、栄養調合物110の流量の増加は、加水分解された脂肪を含有する栄養調合物110をチャンバ222から一掃し、加水分解していない脂肪を含有する新たな栄養調合物110をチャンバ222に進入させ得る。これによってリパーゼ710は自由となって新しい栄養調合物110と反応し、デバイス200の加水分解効率を増加させ得る。しかしながら、上で議論されたように、デバイス200を通る栄養調合物110の流量の増加は、デバイス200内の栄養調合物110の滞留時間を減少させる可能性があり、デバイス200の加水分解効率を低減し得る。一方、栄養調合物110の流量の減少は、デバイス200内のリパーゼ710によりすでに加水分解された遊離脂肪酸の滞留時間を増加させる可能性があり、これは、摂取前の事前に加水分解された遊離脂肪酸の酸化分解の確率を増加させ得る。したがって、デバイス200を通る栄養調合物110の流量は、デバイス200の加水分解効率、全栄養補給時間、ならびに事前に加水分解された遊離脂肪酸およびモノグリセリドの酸化分解の防止のバランスをとるように設計されることが必要となり得、また、特定の栄養補給レジメンにおいて対象に特定の栄養調合物110を栄養補給するのに好適となるように個々に決定されることが必要となり得る。
一部の実施形態では、より速い流量で使用された場合であっても、より高い加水分解効率が達成され得る。より高い加水分解効率および/またはより速い流量により、デバイス200は、ある体積の栄養調合物110を、より短い栄養補給時間量で送達し得る。これは、1回または複数回の栄養補給運転で大量の栄養調合物110を必要とする患者に好ましくなり得る。より速い流量であってもより高い加水分解効率を達成することにより、デバイス200は、LC−PUFA等のLCTを有する加水分解トリグリセリドを、ポイントオブケアでの使用において栄養補給時に対象に効率的に送達することができ、栄養調合物110中の遊離脂肪酸の酸化分解の問題を低減し得る。
一部の実施形態では、チャンバ222内の栄養調合物110の混合または撹拌の増加が、栄養調合物110中の脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用を増加させ得る。例えば、粒子300は、チャンバ222内の栄養調合物110の流動力学の影響下で移動し得る。一部の実施形態では、栄養調合物110および/または粒子300は、チャンバ222内で層流、対流、乱流、撹拌流、またはそれらの組合せに従い得る。達成される流動の種類はまた、ある程度、デバイス200を通って流動する栄養調合物110の密度および/または粘度により影響され得る。粒子300の移動度および移動の増加は、脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用を増加させ得る。一部の実施形態では、ヘッドスペース223は、粒子300が移動し栄養調合物110と混合する空間を提供し得る。一部の実施形態では、ヘッドスペース223は、混合を促進し得る、またはチャンバ222内の栄養調合物110の乱流または撹拌を増加させ得る。一部の実施形態では、粒子300の形状もしくは体積と、チャンバ222の形状もしくは体積との間の比、および/またはヘッドスペース223の体積の調整は、粒子300の混合および移動を増加させ得、したがって脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用を増加させ得る。一部の実施形態では、デバイス200は、栄養調合物110の流動中に、デバイス200の振盪、回転、傾倒、または移動により、手動または自動で撹拌されてもよい。
一部の実施形態では、チャンバ222内の栄養調合物110の分布の増加が、脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用を増加させ得る。例えば、上で議論されたように、入口フィルタ250の図16Bに示される多孔質メッシュ800の入り組んだ経路は、多孔質メッシュ800の排出表面820にわたる、栄養調合物110の分散した、またはより均一な分布をもたらし得る。栄養調合物110のそのような分布は、栄養調合物110がチャンバ222の断面のより多く、または実質的に全てを通って、ひいては粒子300のより多く、または実質的に全てにわたり流動するのを可能にすることができ、チャンバ222内の粒子300を通した栄養調合物110のチャネリングまたは分流(これはさもなくば曝露を制限し得る)を低減し得る。一部の実施形態では、上で議論されたように、ヘッドスペース223はまた、粒子300を移動、流動、および/または混合させることにより、栄養調合物110のチャネリングおよび/または分散の低減を促進し得る。
一部の実施形態では、ポンプ120は、ぜん動または不均一流下で栄養調合物110を駆動するぜん動ポンプであってもよく、これは、チャンバ222内の粒子300の移動および/または混合を増加させることができ、したがって脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用を増加させることができる。以下で説明される実施例2は、デバイス200を通る栄養調合物110の流動の例示的な分布を示す。
(実施例2)
例示的デバイス200を通る栄養調合物110の分布した流動
図17は、例示的デバイス200を通る栄養調合物110の流動を試験する実験を示す。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例1において使用されたデバイスと実質的に同様であった。この実施形態では、デバイス200内の例示的粒子300を通して調合物試料の断続的流動を誘導するために、デジタルぜん動ポンプ120を使用した。調合物試料の流動が観察され得るように、調合物試料を食品着色剤で染色した。図17の左パネル、中央パネル、および右パネルは、ポンプ120がポンピングを開始してから20秒後、45秒後、および75秒後の調合物試料の流動プロファイルの前面の場所を示す。図17に示されるように、調合物試料がデバイス200に進入した際、調合物試料の流動プロファイルの前面は、チャンバ222内の粒子300にわたり実質的に均一に移動した。この実験における調合物試料の流動は、ぜん動的であり、ポンプがポンピングしていない場合、調合物試料の流動プロファイルの前面は、実質的にその位置に留まり、チャンバ222内の粒子300全体に拡散し続けなかった。ポンプがポンピングを再開すると、調合物試料の流動プロファイルの前面は、チャンバ222内の粒子300を通って移動し続けた。この断続的流動は、デバイス200のチャンバ222全体が調合物試料で満たされるまで、実験の間繰り返し観察された。次いで、調合物試料は、出口270を介してデバイス200から出始めた。目に見える、および調合物試料がデバイス200の出口270から出た時点で決定される、デバイス200を調合物試料で満たすのに使用された全時間量は、約1.25分であった。調合物試料の流量は、ポンプ120を設定することにより2mL/分に設定したが、これは、デバイス200のチャンバ222を満たすのに約2.5mLの調合物試料を要することを示唆している。この実験において、チャネリングの証拠は観察されなかった。
この実験は、チャンバ222内の粒子300を通る調合物試料の流動が、デバイス200のこの実施形態における粒子300の断面にわたり、ほぼ均一に分布することを実証している。上で議論されたように、デバイス200内の栄養調合物110のそのような均一な分布は、粒子300に付着したリパーゼ710と、栄養調合物110中の脂肪分子との間の曝露および/または相互作用を増加させることができ、ひいてはデバイス200の加水分解効率を改善することができる。
一部の実施形態では、粒子300の質量密度の調整が、栄養調合物110中の脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用に影響し得る。例えば、デバイス200が垂直位置に設置された場合、栄養調合物110より小さい質量密度を有する粒子300は、浮遊する、または入口フィルタ250に向かって移動し得る。そのような状況では、入口フィルタ250から出口フィルタ260への栄養調合物110の流動は粒子300を撹拌し得る、および/または粒子300と栄養調合物110の流動との混合を促進し得る。一部の実施形態では、栄養調合物110の質量密度と実質的に一致する粒子300の質量密度を有することにより、粒子300は、栄養調合物110中に分散または懸濁することが可能となり得、また粒子300は、栄養調合物110の流動力学により移動することが可能となり得る。一部の実施形態では、異なる密度を有する粒子300の混合物は、栄養調合物110がチャンバ222を通って流動する際、いくつかの粒子300はチャンバ222の上部において動き回ることができ、いくつかの粒子300は懸濁し得、チャンバ222の中央部において動き回ることができ、またいくつかの粒子300はチャンバ222の底部において動き回ることができるように選択されてもよく、これは、粒子300と栄養調合物110との混合を増加させることができ、また栄養調合物110中の脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露または相互作用を増加させることができる。一部の実施形態では、粒子300の質量密度は、粒子300と栄養調合物110との混合に実質的に影響しなくてもよい。
一部の実施形態では、デバイス200は、垂直位置で使用されてもよい。重力栄養補給の実施形態では、デバイス200は、図17に示されるように、栄養調合物110がデバイス200を通って流動するために垂直位置に向けられていてもよい。他の実施形態では、デバイス200は、水平位置で使用されてもよい。一部の実施形態では、デバイス200は、出口282が上を向いた、もしくは出口282が下を向いた状態で垂直位置で使用されてもよく、または水平位置で使用されてもよい。
(実施例3)
異なる向きでの例示的デバイス200を通る例示的栄養調合物110の流量の比較
この実施例では、デバイス200が異なる向きで、すなわち出口282が上を向いた第1の垂直位置、出口282が下を向いた第2の垂直位置、および水平位置で使用された場合の例示的デバイス200を通る栄養調合物110の流量、およびデバイス200の加水分解効率を試験および比較するために実験を行った。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例1において使用されたものと実質的に同様であり、エラストマーで作製された入口およびポリカーボネートで作製された出口を使用していた。さらに、第2のコネクタ270がデバイス200の本体210に取り外し可能に取り付けられ、デバイス200を再充填可能とし得るように、デバイス200の第2のコネクタ270と併せてOリングガスケットが使用された。2種類の市販の栄養調合物110、Peptamen(登録商標)およびPeptamen AF(登録商標)からなる全部で6つの調合物試料を、この実験に使用した。ポンプ120により駆動されるそれぞれの位置でのデバイス200を通して、120mL/時間の設定流量で各調合物試料を流動させた。表3は、各調合物試料の流動中に測定された平均流量を示す。表4は、各調合物試料における、送達された加水分解遊離脂肪酸の量を示す。
表3に示されるように、3つの異なる向きにおけるデバイス200を通って流動した調合物試料の平均流量は、0.3%のCVを超えて変動しなかった。本明細書において使用される場合、CVとは、標準偏差を平均値で除したものを指す。したがって、小さいCVは、デバイス200を通る調合物試料の流量が、デバイス200の向きにより実質的に影響されなかったことを示す。
さらに、表4に示されるように、デバイス200により加水分解および送達された調合物試料中の遊離脂肪酸の量は、約5%のCVを超えて変動せず、したがって、調合物試料中の脂肪の加水分解は、デバイス200の向きにより実質的に影響されなかった。表2および3における結果は、垂直および水平を含む異なる向きで動作するデバイス200の能力を実証している。
一部の実施形態では、デバイス200の加水分解効率は、栄養調合物110の組成、および特定の栄養調合物110中の脂肪に対するリパーゼ710の特異性に依存して変動し得る。一部の実施形態では、加水分解効率は、栄養調合物110の温度が増加するにつれて増加し得る。例えば、約4℃から約20℃、約4℃から約25℃、約4℃から約37℃、約25℃から約37℃、または約20℃から約37℃への栄養調合物110の温度の増加は、リパーゼ710の酵素活性を増加させることができ、またチャンバ222内の粒子300および/または栄養調合物110中の脂肪分子の熱力学的運動をさらに増加させることができるが、これは、リパーゼ710と栄養調合物110の脂肪分子との間の曝露および/または相互作用を増加させることができる。
一部の実施形態では、デバイス200の加水分解効率は、栄養調合物110の種類、または栄養調合物110の流動に対するデバイス200の流体力学的抵抗により影響されてもよく、またはされなくてもよい。一実施形態では、デバイス200は、異なる市販の栄養調合物110の範囲にわたり同様の加水分解効率を提供するように設計されてもよい。一部の実施形態では、市販の栄養調合物110に対するデバイス200の加水分解効率は、約50%から約60%、約60%から約70%、約70%から約80%、約70%から約90%、約70%から約100%、約80%から約90%、約80%から約100%、約90%から約95%、約90%から約99%、約90%から約100%、または約95%から約100%の範囲であってもよい。
また、低温殺菌された人乳に対して加水分解効率を試験した。低温殺菌された人乳は、低温殺菌前の乳の保存および取扱い中の乳の加水分解に起因して、20〜30%までの遊離脂肪酸を含有し得る。通常、低温殺菌後はそれ以上加水分解は生じないが、これは、人乳中に存在するリパーゼ(胆汁塩刺激リパーゼ)が、一般に低温殺菌中に不活性化されるためである。トリグリセリド加水分解の程度を測定するために、デバイス200を、30分(これは早産児に対する標準的な栄養補給期間である)にわたり送達される30mLの低温殺菌された人乳(これは、新生児集中治療室において使用される典型的な栄養補給体積である)を用いて試験した。予備実験において、デバイス200は、低温殺菌された人乳中の遊離脂肪酸含量を、約25%またはそれより多く増加させることができた。
一部の実施形態では、デバイス200は、栄養調合物110がデバイス200を通って流動する際、栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗を導入し得る。栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗の大きさは、入口212および/または出口282の直径または形状;入口フィルタ250および/または出口フィルタ260の細孔、チャネル、および/または経路の材料、厚さ、および/またはサイズ;粒子300の数、質量密度、膨潤、湿潤特性、および直径;粒子300の混合;ヘッドスペース223の体積;ならびにチャンバ222の形状またはサイズを含む、デバイス200のいくつかの変数により影響され得る。デバイス200または栄養調合物110の1つの変数の変更は、栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗に影響し得、したがって、デバイス200を通る栄養調合物110の流量に影響し得、また最終的にデバイス200の加水分解効率に影響し得る。
したがって、デバイス200の所望の加水分解効率を達成するためには、デバイス200のいくつかの異なる変数を設計および操作する必要があり得る。例えば、一部の実施形態では、ヘッドスペース223の体積の増加は、栄養調合物110がチャンバ222を通って流動する際に、栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗をより低い程度まで低減し得る、またはより低い程度を維持し得る。別の例では、ヘッドスペース223は、粒子300を移動させることにより、または粒子300の移動度を増加させることにより、粒子300を通る栄養調合物110の流動を促進し得る。別の例では、栄養調合物110が粒子300を通って流動する際、粒子300は膨潤し得る。ヘッドスペース223は、膨潤した粒子300が入口フィルタ250の細孔および/または経路を妨害することを制限または防止し、ひいては栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗を低い流体力学的抵抗まで低減する、または低い流体力学的抵抗を維持し得る。したがって、粒子300が膨潤し得る実施形態では、ヘッドスペース223は、栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗を低減し得、またデバイス200を通る栄養調合物110の安定した流量の維持を促進し得る。
以下で説明される実施例4〜6は、例示的デバイス200を通る栄養調合物110の流量に対する、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260の材料、粒子300の量、およびチャンバ222の直径の効果を評価している。
(実施例4)
例示的デバイス200を通る栄養調合物110の流量に対する例示的フィルタ材料の効果の評価
栄養調合物110の流量に対する入口フィルタ250および出口フィルタ260用のメッシュ800の例示的材料の効果を評価するために、一連の試験運転を行った。異なる直径のチャンバ222を有する例示的デバイス200を模倣するために、様々な直径の調整可能なカラムを使用した。また、入口フィルタ250および出口フィルタ260の異なる材料を試験し、異なるフィルタの種類をカラムに取り付けた。例示的ポンプ120を120mL/時間の設定流量で使用して、各カラムを通して1LのPeptamen AF(登録商標)の試料を流動させた。
食品との接触が認可され、ガンマ線滅菌に適合し、105μmの近似的多孔性を有する多孔質プラスチック材料を、入口フィルタ250および出口フィルタ260に考慮した。Porex Corporationからの2種の多孔質プラスチック材料(Porex X−4906 PEまたはPorex POR−4744 Hydrophilic PE)を選択した。2種類の多孔質プラスチック材料のそれぞれは、カスタマイズ可能なポリエチレン(PE)シートであり、0.125”の厚さを有し、90μmから130μmの範囲の多孔性を有していた。Applied Separationsからの別の多孔性プラスチック材料を最初に考慮した。この材料は、20μmから70μmの範囲の多孔性および0.062”の厚さを有する親水性PEシートであった。より厚い材料のより高い剛性にある程度起因して、Porex Corporationからの2種類の多孔質プラスチック材料(Porex X−4906 PEまたはPorex POR−4744 Hydrophilic PE)のみを、入口フィルタ250および出口フィルタ260としての使用のために試験した。
選択された多孔質プラスチック材料のそれぞれを、1つは6.6mmの直径を有し、1つは10mmの直径を有し、1つは15mmの直径を有する3つの空のOmni Fit Adjustable Columnに取り付けた。異なるカラムを通る栄養調合物110、Peptamen AF(登録商標)の流量に対する各多孔質材料の効果を評価した。この評価に基づいて、メッシュ材料を選択し、次いで、栄養調合物110の流量に対する粒子300の密度およびチャンバ222の直径の効果を評価した。
各Porex多孔質PEシートを、3つのカラムの直径と実質的に同じ直径を有する6つのディスク、すなわち、6.6mmの直径を有するディスクの対、10mmの直径を有するディスクの対、および15mmの直径を有するディスクの対に切断した。3つのカラムを洗浄して乾燥させ、対応するカラムの直径とほぼ同じ直径を有するプラスチックディスクの各対を、各カラムの入口および出口の取付具のフィルタ台座に挿入した。次いで、入口および出口取付具を各カラムに挿入し、デバイス200をさらに模倣した。フィルタ材料の性能を評価するために、フィルタディスクの対の間に形成されたチャンバ内に粒子を設置しなかった。各カラムを、水平向きで経腸栄養補給回路に据え付け、ポンプセット配管に流体接続した。
次いで、各経腸栄養補給回路に、空の調整可能なカラムの入口まで手動で呼び水を差した。次いでポンプを2mL/分に設定し、タイマーを始動させた。空の1.5mLのバイアルを各カラムの下に設置して、カラム内のPeptamen AF(登録商標)の流量を評価するための測定試料を採取した。カラムから各バイアル内に30秒で分注された調合物の重量を測定することにより、各カラムに対する流量(mL/分)を100分にわたり無作為に測定した。各時点における満たされたバイアルの重量を記録し、空のバイアルの重量を差し引くことにより、満たされたバイアル内の分注された調合物の正味重量を得た。次いで、各バイアル内の分注された調合物の重量を使用して、流量を計算した。
流量に対するフィルタの効果を評価した。ポンプ120の取扱説明書を参照すると、使用されたポンプ120の実際の流量は、ポンプ120により設定された流量の約10%以内となるはずである。全ての運転において、ポンプ120は2mL/分または120mL/時間に設定した。したがって、各運転において、実際の流量は、約132mL/時間未満、および約108mL/時間超であるはずであった。デバイス200を使用していない場合にポンプ120の実際の流量をポンプ設定の10%の変動から超過させないフィルタの種類を特定することが求められた。各カラムおよび多孔質フィルタの組合せに対して測定された流量の結果を、以下の表4〜9に示した。
表4および5に示されるように、両方の6.6mmカラム運転における流量は、下限を下回った。Porex X−4906フィルタ材料を用いた6.6mmカラムは、32分の試験点において下限を下回る流量を経験し、ポンプ120は流動がないことに起因してアラームを発した。Porex POR−4744フィルタ材料を用いた6.6mmカラムは、103分の試験点において下限を下回る流量を経験し、5分の試験点において上限を超える流量を経験した。
表6および7に示されるように、両方の10mmカラム運転における流量は、下限を下回った。Porex X−4906フィルタ材料を用いた10mmカラムは、60分の試験点において下限を下回る流量を経験し、5分の試験点において上限を超える流量を経験した。Porex POR−4744フィルタ材料を用いた10mmカラムは、30分の試験点において下限を下回る流量を経験した。
表8および9に示されるように、両方の15mmカラム運転における流量は、1つの試験点において下限を下回った。しかしながら、両方の運転が回復し、ポンプ120の許容範囲内で終了した。Porex X−4906フィルタ材料を用いた15mmカラムは、85分の試験点において下限を下回る流量を経験した。Porex POR−4744フィルタ材料を用いた15mmカラムは、75分の試験点において下限を下回る流量を経験した。いずれも上限値を超えなかった。
表4〜9における結果は、カラム直径が増加するにつれて流量が改善されるようであったことを示している。6.6mmカラムは、評価の早い時期に不具合を経験した。また、より大きい直径のカラムの部品は、より小さい直径のカラムの部品と比較して、据付けおよび取扱いがより容易であることが判明した。Porex POR−4744親水性PEフィルタ材料は、Porex X−4906 PEフィルタ材料より一貫した流量を提供するようであった。結果は、Porex POR−4744親水性PEフィルタ材料を用いたより大きい直径のカラムが、栄養調合物のより一貫した流量および取扱いの容易性に起因して有利となり得ることを示している。入口フィルタ250および出口フィルタ260用の材料は、Porex POR−4744親水性PEフィルタ材料により、一貫した特性を有し得る。
(実施例5)
例示的デバイス200を通る栄養調合物110の流量に対する、チャンバ222の例示的直径および粒子300の量の効果の評価
例示的デバイス200における栄養調合物110の流量に対する、チャンバ222の直径および粒子300の量の効果を評価するために、一連の試験運転を行った。ここでも、異なる直径のチャンバ222を有する例示的デバイス200を実質的に模倣するために、調整可能なカラムを使用し、カラムを異なる量の粒子300で満たした。実施例4における多孔質フィルタ材料の評価に基づいて、Porex POR−4744親水性PEフィルタ材料をこの実験に使用した。さらに、6.6mmの直径を有するカラムにおける早期の経腸栄養補給回路の不具合に起因して、この実験は、一方の群は10mmの直径を有する3つのカラムを有し、他方の群は15mmの直径を有する3つのカラムを有する2つの群の調整可能なカラムに限定された。カラムの直径と実質的に同じ直径を有する選択された親水性PEフィルタ材料のディスクの対を、各カラムの入口および出口取付具のフィルタ台座に挿入した。さらに、各群内の3つのカラムの1つに1g、各群内の3つのカラムの1つに2g、および各群内の3つのカラムの1つに4gの、リパーゼ710と共有結合した例示的粒子300を、各カラムのそれぞれの内側の2つのフィルタディスク間に満たした。粒子300を含有するカラムが垂直向きで設置された場合、各カラムの調整可能な取付具の位置は、各カラム内の粒子300の上に長さ約2mmのヘッドスペース223が存在するように調整された。
特定の直径および粒子の量の組合せを有する各カラムを水平向きで経腸栄養補給回路に据え付け、ポンプセット配管に流体接続した。2mL/分または120mL/時間の流量に設定された例示的ポンプ120(Covidien Kangaroo EPump)を使用して、Peptamen AF(登録商標)の1リットルの試料を、カラムのそれぞれを通して約100分間流動させた。各カラムに対して3回運転した。各運転中、0分、25分、50分、75分、および100分において5つの測定試料を採取し、各カラムを通るPeptamen AF(登録商標)試料の流量を得るために使用した。実施例4において説明されたように、各カラムの各運転における測定試料から、重量測定法により流量を得た。得られた流量の結果を、図18〜23に示す。
図18に示されるように、2回の運転において、1gの粒子300で満たされた10mmカラムの流量は、50分の時点でポンプ120の下限(108mL/時間)を下回った。これらの流量は、運転の残りにわたって下降し続けた。図19および20に示されるように、2gおよび4gの粒子300で満たされた10mmカラムの流量は、それぞれ、25分の時点で試験された際にポンプ120の下限(108mL/時間)を下回った。唯一の例外は、4gの粒子300で満たされたカラムの第2の運転であり、これは、次の50分の時点で測定された際に限界を下回った。これらの流量は、運転の残りにわたって下降し続けた。
図21に示されるように、15mmの直径を有する、および1gの粒子300で満たされたカラムの運転の流量は、運転期間の間、ポンプ120の許容範囲(すなわち120mL/時間+/−10%)内に留まった。唯一の例外は、最初の運転での0分の試験点であったが、これは次いで、次の時点までに一様になり、閾値内を維持した。図22に示されるように、2gの粒子300で満たされた15mmカラムの流量は、概して許容範囲内に収まったが、運転2において、流量は、50分の試験点においてポンプ120の上限(132mL/時間)を超えて増加し、100分の試験点において下限を下回った。全ての他のデータ点は、運転中、ポンプ120の許容範囲内であった。図23に示されるように、4gの粒子300で満たされた15mmカラムの流量は、概して許容範囲内に収まったが、運転3において、流量は、75分の試験点においてポンプ120の下限(108mL/時間)を下回り、100分の試験点において下限を若干下回った。全ての他のデータ点は、運転中、ポンプ120の許容範囲内であった。
図18〜23に示されるように、10mmカラムは、下降する流量傾向を示し、一方15mmカラムは、より一貫した流量を示した。これらの結果は、この実施形態において、安定した流量を維持するために、デバイス200のチャンバ222のより大きい直径が好ましかったことを示している。この結論は、実施例4における6.6mmカラムでの流量を維持する以前の問題点によってさらに裏付けられた。さらに、2gまたは4gの粒子300で満たされた10mmカラムおよび15mmカラムの下降する流量傾向は、この実施形態の場合、安定した流量を維持するために、より低い粒子300の総重量、または粒子300の量が好ましくなり得ることを示している。これは、1gの粒子300で満たされた15mmカラムのより一貫した流量によってさらに裏付けられる。
15mmの直径を有するチャンバは、この実験において最も効率的なものとして示されたが、粒子の種類、サイズ、または分布を変更することにより、他のチャンバサイズがより効率的となり得る。さらに、入口および出口への変更が、フィルタまたは提供されるヘッドスペースの量への変更と同様に、最適なチャンバサイズに影響し得る。
(実施例6)
栄養調合物110の流量に対する例示的デバイス200の効果の評価
デバイス200を有さない、粒子300を含まない空のデバイス200を有する、および粒子300を含有するデバイス200を有する経腸栄養補給回路の流量を比較することにより、栄養調合物110の流量に対する例示的デバイス200の効果を評価するために、一連の試験運転を行った。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例1において使用されたデバイスと実質的に同様であった。1gの粒子300で満たされた15mmカラムの一貫した流量に基づいて、15mmの内径を有するポリカーボネート配管と、実施例5における選択された多孔質フィルタと実質的に同様の、カスタムステレオリソグラフィー(例えば3D印刷)による例示的入口フィルタ250および出口フィルタ260とから、例示的デバイス200を組み立てた。経腸栄養補給回路を、1gの粒子300で満たされたデバイス200と共に、粒子300を有さない空のデバイス200と共に、およびデバイス200を用いずに(すなわち、栄養補給回路の配管のみ)組み立てた。0.4mL/分(24mL/時間)の流量および2mL/分(120mL/時間)の流量に設定された例示的ポンプ120を使用して、Peptamen AF(登録商標)の1リットルの試料を、経腸栄養補給回路を通して流動させた。30分間隔で4時間、または調合物がなくなる、もしくはポンプが停止されるまで、実施例4および5において説明されたように、これらの経腸栄養補給回路の流量を重量測定法により測定した。ポンプ120の許容範囲(±10%の変動)の上限および下限と比較した、観察された流量の結果を、図24〜26に示す。
図24は、デバイス200を用いない、および1gの粒子300を含有するデバイス200を用いた試験運転を比較している。ポンプ120は、2mL/分(120mL/時間)の流量に設定した。図25は、粒子300を含有していなかったデバイス200を用いた3回の試験運転を示す。ポンプ120は、2mL/分(120mL/時間)の流量に設定した。図26は、1gの粒子300を含有するデバイス200を用いた試験運転を示す。ポンプ120は、0.4mL/分(24mL/時間)の流量に設定した。
全ての試験運転は、4時間の目標最低運転時間を超過し、1Lの試料調合物バッグが空となるまで運転された。試験運転のいずれの間も、回路の不具合またはポンプのアラームは観察されなかった。目標最低運転時間(4時間)の間、1gの粒子300を含有するデバイス200は、2mL/分および0.4mL/分に設定されたポンプにより、一貫した流量性能を示した。2mL/分の運転の間、7時間後に流量の低下が観察された。0.4mL/分での運転中は、流量の低下は観察されなかった。粒子300を有する、および有さないデバイス200の一貫した流量は、デバイス200が流量に大きく影響しないことを示している。
一部の実施形態では、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260が入り組んだ経路またはチャネルを含む場合、入り組んだ経路またはチャネルは、栄養調合物110が通過する際に、栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗を低減するように設計されてもよい。以前に議論されたように、入り組んだ経路は、栄養調合物110をチャンバ222にわたり分布させることができ、したがって栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗に影響し得る。一部の実施形態では、多孔質メッシュ800の細孔、チャネル、および/または経路のサイズもしくは直径、数、分布の増加、および/またはその形状の調整は、栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗にさらに影響し得る。一部の実施形態では、追加の入口フィルタ250もしくは出口フィルタ260の使用、または入口フィルタ250もしくは出口フィルタ260の不使用は、栄養調合物110の流動に対する全体的流体力学的抵抗に影響し得る。したがって、フィルタ設計の変動は、デバイス200を通る栄養調合物110の流量に影響し得、また、デバイス200の他の部品を調整することによりこれらの効果を相殺することが可能となり得る。
一部の実施形態では、粒子300の直径の低減は、以前に議論されたように、粒子300の全体的表面積を増加させ得るが、栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗もまた増加させ得る。例えば、所与のチャンバ222において、より小さい中位径または平均直径を有する粒子300は、チャンバ222内のポリマー材料のより高い密度をもたらす可能性があり、また粒子300のより高い詰め込みをもたらす可能性があり、したがって、栄養調合物110の流動に対するより高い流体力学的抵抗を生じさせる可能性がある。チャンバ222内の粒子300の数の増加は、流体力学的抵抗を増加させ得る。例えば、チャンバ222の所与の体積に対して、より多量の粒子300は、より少ない移動空間およびより低い移動度を有する可能性があり、および/または、チャンバ222の上部もしくは底部に密集する可能性があり、これは、栄養調合物110の流動に対するより大きな流体力学的抵抗、ならびに/または入口フィルタ250および/もしくは出口フィルタ260の閉塞をもたらす可能性がある。したがって、粒子300の全体的表面積の最大化は、フィルタの閉塞および/または粒子300の詰め込みの可能性、ならびに粒子300を通る栄養調合物110の流動に対する流体力学的抵抗に対するその後の影響とバランスをとることが必要となり得る。一部の実施形態では、粒子300の詰め込みを阻害するために、不活性粒子がより小さい粒子300と混合されてもよい。
一部の実施形態では、粒子300は、栄養調合物110中に懸濁されると膨潤し得、膨潤によって互いに密に詰まる可能性があり、したがって、栄養調合物110がチャンバ222を通って流動する際に低減された移動度を有し得る。一部の実施形態では、粒子300の直径の傾斜、多様性、二峰性、多峰性、またはより狭い分布が、膨潤後の粒子300の詰め込みを促進し得る。例えば、より小さい直径を有する粒子は、より大きい直径を有する粒子間の空間を満たすことができ、これは栄養調合物110の流動中の粒子300の移動度または移動をさらに低減し得る。そのような状況では、栄養調合物110のチャネリングが生じ得る。例えば、栄養調合物110は、最も低い抵抗の経路に従う可能性があり、詰め込み量または流体力学的抵抗が最も低い粒子300間のチャネルを通って流動し得る。この場合、チャネルに沿った粒子300に付着したリパーゼ710のみが、栄養調合物110に実質的に曝露され、加水分解効率を低減し得る。このチャネリング効果および/または粒子300の詰め込みを低減するために、粒子300は、より低い膨潤、例えば元の乾燥粒子サイズの約1%、約2%、約5%、約10%、約15%、または約20%未満の膨潤の傾向を有するポリマー材料で作製され得る。
一部の実施形態では、ポンプ120は、粒子300の詰め込みを低減または阻害し得る、ぜん動、パルス、または断続的な流動下で栄養調合物110を駆動するぜん動ポンプであってもよい。例えば、ぜん動流下でチャンバ222内に誘導された栄養調合物110は、チャンバ222内の粒子300の移動および/または混合を増加させることができ、したがって、粒子300の詰め込みを低減または排除することができる。また、これは、粒子300に出口フィルタ260に向かう一定の力を印加せず、代わりに中断を導入することにより、粒子300がより詰まりにくくなるのを可能にし得る。
栄養調合物110に対するデバイス200の流体力学的抵抗は、栄養調合物110の組成、密度、および/または粘度に依存し得る。一部の実施形態では、栄養調合物110のより高い粘度および/または質量密度は、栄養調合物110の流動に対するより大きい流体力学的抵抗をもたらし得る。例えば、より高い粘度を有する栄養調合物110は、ポンプ120からの駆動力に対しより大きい抵抗を有し得る、ならびに/または、栄養調合物110がシステム100および粒子300を通って流動する際にチューブ122、124および粒子300内でより大きい摩擦を有し得る。そのような抵抗は、デバイス200を通る栄養調合物110の流量に実質的に影響してもよく、または影響しなくてもよい。
一部の実施形態では、ポンプ120または他のデバイスに選択される流量は、医療従事者により、栄養補給前の栄養調合物110の組成、密度、および/または粘度に基づいて調整され得る。例えば、栄養調合物110の流量は、チャンバ222内の栄養調合物110の滞留時間を増加させて栄養調合物110中の脂肪分子と粒子300上のリパーゼ710との間の曝露および相互作用を増加させるために、典型的な設定から低減されてもよい。別の例では、栄養調合物110の流量は、多量の栄養調合物110を必要とする患者への全栄養補給時間を低減するために、典型的な設定から増加されてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110の流量は、所望の流量をポンプ120に入力することにより設定されてもよい。上述のように、デバイス200のいくつかの異なる変数が設計および操作されてもよい。したがって、デバイス200は、ポンプ120により設定された栄養調合物110の流量に実質的に影響しないように設計されてもよい。一部の実施形態では、栄養調合物110が最初にチャンバ222に進入した場合に粒子300が湿潤する際、初期湿潤抵抗が存在し得る。そのような状況では、栄養調合物110の流量は、最初は影響され得るが、次いで効果は経時的に減少し得る。
例示的な実施形態では、栄養調合物110の流量は、栄養調合物110の栄養補給時間にわたり実質的に安定および/または予測可能であってもよい。例えば、実施例6において実証されるように、栄養調合物110の流量は、ポンプ120または他の流動駆動器具、例えば重力栄養補給器具の許容される偏差または許容範囲(例えば、設定流量からの約5%、10%、15%、20%、または30%の偏差)を超えて変動し得ない。以下で説明される実施例7は、例示的デバイス200を通って流動する栄養調合物110の実質的に安定な流量をさらに実証している。
(実施例7)
例示的デバイス200を通って流動する栄養調合物110の流量の安定性
ぜん動ポンプ120により誘導される例示的デバイス200内の栄養調合物110の流量を4時間にわたり監視した。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例1において説明されたものと実質的に同様であった。ポンプ120は、120mL/時間または2mL/分の流量で調合物試料を送達するように設定した。図27に示されるように、栄養調合物110の流量は、4時間の模擬栄養補給期間にわたり、約120mL/時間から約125mL/時間の間の実質的に安定したレベルに維持された。栄養調合物110がデバイス200を通過せずに流動する対照の流量もまた、デバイス200を通って流動する栄養調合物110の流量との比較として監視した。図27に示されるように、デバイス200を通って流動する栄養調合物110の流量は、4時間の模擬栄養補給期間にわたり、ポンプ120の許容範囲(例えば10%の変動)の上限と下限との間に維持された。ポンプのアラームもデバイス200の閉塞も観察されなかった。栄養調合物110のこの模擬栄養補給期間は、デバイス200を通って流動する栄養調合物110の流量が、ポンプ120の許容範囲内に一貫して維持され得ることを示している。
本体210、チャンバ222、ヘッドスペース223、粒子300、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260、粒子300に付着したリパーゼ710に関連するものを含むデバイス200の様々な部品、ならびにこれらの部品のパラメータ、例えばサイズ、形状、密度、および上で議論された他の特性は、特定の用途のために変動および設計され得る。例えば、チャンバ222のサイズ、入口および/もしくは出口のサイズ、ならびに/または粒子300の数は、乳児における使用が意図されるデバイスに対しては低減され得る。用途によって、個々の部品が修正されてもよく、またはデバイスの大きさが縮小または拡大されてもよい。例えば、デバイス200は、乳児、若年、および/または成人サイズで提供されてもよい。一部の実施形態では、デバイス200の部品は、栄養補給時間の意図される長さ、送達が意図される栄養調合物110の量、送達されるLCPUFAの量、または栄養調合物110の意図される送達流量に基づいて調整され得る。例えば、終夜の経腸栄養補給手順用のチャンバ222のサイズおよび/またはデバイス200の粒子300の数は、2時間の経腸栄養補給手順用のものと異なってもよい。より速い流量のデバイス、または完全栄養デバイスは、より遅い流量のデバイス、または患者の食生活を補助するための使用が意図されるものより大きくてもよい。一部の実施形態では、チャンバ222のサイズおよび/またはデバイス200の粒子300の数は、加水分解および処理される栄養調合物110の種類に依存し得る。
本体210、チャンバ222、ヘッドスペース223、粒子300、入口フィルタ250および/または出口フィルタ260、粒子300に付着したリパーゼ710に関連するものを含むデバイス200の様々な部品、ならびにこれらの部品のパラメータ、例えばサイズ、形状、密度、および上で議論された他の特性の相互関係は、チャンバ222内のリパーゼ710と栄養調合物110中の脂肪分子との間の全体的曝露および相互作用に寄与し得、したがってデバイス200の加水分解効率および/または性能に影響し得る。デバイス200の部品の設計およびそれらのパラメータは、チャンバ222内のリパーゼ710と栄養調合物110中の脂肪分子との間の曝露および相互作用を増加させるように調整され得る。一部の実施形態では、デバイス200は、デバイス200の加水分解効率または性能が栄養調合物110の種類または組成により大きく影響され得ないように設計され得る。デバイス200は、広範囲の調合物の種類にわたり機能するように構成され得る。他の実施形態では、デバイス200の様々な部品の設計は、1つの特定の調合物の種類の使用に基づいて選択され得る。以下で説明される実施例8は、例示的デバイス200により加水分解され得る市販の経腸調合物の例示的な範囲を示す。
(実施例8)
例示的デバイス200により試験された経腸調合物のランドスケープ
図28は、例示的デバイス200を使用して加水分解されたいくつかの市販の経腸調合物を示す。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例3において使用されたものと実質的に同様であった。本明細書において説明されるように、市販の栄養調合物は、そのタンパク質および脂肪含量が異なり、成分調合物、消化態調合物、および半消化態調合物として分類され得る。成分調合物は、例えば、個々のアミノ酸、グルコースポリマーを含有してもよく、また長鎖トリグリセリドから誘導される、より低いカロリー量を提供するより低い脂肪含量を有し得る。消化態調合物は、例えば、様々な鎖長のペプチド、単糖、グルコースポリマーまたはデンプン、および脂肪を含有してもよい。半消化態調合物は、例えば、インタクトなタンパク質、複合炭水化物、および様々な種類の脂肪を含有してもよい。この実験において、5つの市販の半消化態調合物および8つの市販の消化態調合物を、デバイス200を用いて試験した。使用した各調合物の体積は500mLであった。試験した各調合物の含量は図28に示されるが、これは、x軸に沿って中鎖トリグリセリドと長鎖トリグリセリドとの比を示し、y軸に沿って脂肪含量を示している。
図1に示されるように、例示的システム100は、模擬経腸栄養補給中にこれらの栄養調合物中の長鎖トリグリセリド等の脂肪を加水分解するために使用された。各栄養調合物は、120mL/時間の流量で約4時間、例示的デバイス200を通して誘導された。各栄養調合物を、模擬経腸栄養補給の終わりに採取し、加水分解された遊離脂肪酸の量を、定量比色アッセイ(Abcam(登録商標) Free Fatty Acid Quantification Kit)を使用して分析した。各栄養調合物を、2回の模擬経腸栄養補給運転で試験した。
図29は、調合物の種類により群分けされた、この実験において試験された栄養調合物と共に使用された場合のデバイス200の加水分解効率を示す。半消化態調合物は、Nutren(登録商標)2.0、TwoCal HN(登録商標)、Nutren(登録商標)1.0、Osmolite(登録商標)1 cal、およびImpact(登録商標)を含む。消化態調合物は、Peptamen(登録商標)1.5、Peptamen AF(登録商標)、Peptamen(登録商標)、Peptamen Prebio(登録商標)、Vital(登録商標)1.5、Vital 1.2 AF(商標)、Vital(登録商標)1.0、およびImpact Peptide(登録商標)1.5を含む。図29に示されるように、デバイス200は、1つを除く全ての栄養調合物中の脂肪の80%超を加水分解した。この80%の加水分解は、調合物内容物の差、リパーゼ710がデバイス200内の粒子300に共有結合していたこと、および曝露時間がリパーゼの工業的使用に比べて比較的短かったことを考慮して、特に以前の刊行物において留意された共有結合リパーゼの低減された活性に照らして、注目に値する。
一部の実施形態では、デバイス200は、栄養調合物110中の他の非脂肪栄養素、例えばタンパク質、アミノ酸、炭水化物、および/またはビタミン等に大きく影響しなくてもよい。例えば、粒子300に付着したリパーゼ710は、栄養調合物110中の脂肪の加水分解に極めて特異的であってもよく、栄養調合物110中の他の栄養素成分と実質的に相互作用しなくてもよく、またはそれらに影響しなくてもよい。一部の実施形態では、リパーゼ710と混合した他のタンパク質または酵素、例えばプロテアーゼが最小限で存在する、または存在しないように、したがって、栄養調合物110中の他の栄養成分と相互作用し得る、またはそれらに影響し得る他の物質がリパーゼ中に存在しないように、粒子300に付着したリパーゼ710は、高い純度を有してもよい。一部の実施形態では、リパーゼ710中の他の分子または化学物質を低減または実質的に排除するために、リパーゼ710は、粒子300との結合前に1回もしくは複数回の精製プロセスで精製されてもよく、または、粒子300との結合後に1回もしくは複数回の精製で精製されてもよい。一部の実施形態では、リパーゼ710は、固定の前または後に、5%、25%、75%、または本質的に100%の純度まで精製されてもよい。一部の実施形態では、粒子300のポリマー材料は、不活性であってもよく、栄養調合物110中の栄養成分と相互作用しなくてもよい。以下で説明される実施例9は、(i)例示的デバイス200を通過した、または(ii)デバイス200を通過していない試料栄養調合物中の栄養素の比較分析をさらに示す。データは、デバイス200のこの実施形態が、栄養調合物110中の他の栄養素に実質的に影響しなかったことを示している。
(実施例9)
例示的デバイス200を通過した、またはデバイス200を通過しなかった栄養調合物の比較分析
この研究は、(i)インラインで据え付けられた例示的デバイス200を有する経腸栄養補給回路を通過した後(試験)、および(ii)インラインで据え付けられたいかなるデバイス200も有さない経腸栄養補給回路を通過した後(対照)の、栄養調合物の全体的栄養素含量を評価するように設計された。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例3において説明されたものと実質的に同様であったが、但し、出口270は本体210に永久的に取り付けられていた(すなわちOリングは使用されておらず、これにより実施例9におけるデバイス300は単回使用となる)。栄養素の総合的分析は、2つの経腸調合物、Prosure(登録商標)およびTwoCal HN(登録商標)に対して完了した。分析された栄養素は、以下の表11にまとめられる。Prosure(登録商標)は、より低いカロリーを有する、より低い脂肪含量の調合物を表し、一方TwoCal HN(登録商標)は、より高いカロリーを有する、より高い脂肪含量の調合物を表す。
調合物試料に対するデバイス200の影響は、調合物が最も長い期間デバイス200と直接接触する場合に最大となり得ると仮定されたため、栄養素分析用の全ての試料(対照および試験)は、最低推奨流量(0.4mL/分)で流動させた。
試験および対照試料の栄養素の間の変動、ならびに各試験および対照試料内の変動を評価するために、3回のサンプリングを行った。データの統計分析は、独立t検定を用いて行った。試験および対照試料の栄養素を、表11に示す。
相対標準偏差%(RSD%)に基づいて、各栄養素に対して試験および対照データセットを評価した。これらの実験における観察されたRSD%に関して、決定された栄養値は、予測されるアッセイ精度内であった。試験された栄養素のほとんどに対する試験および対照データセットは、概して同等であり、試験および対照データセットの間のいかなる差も、アッセイ性能の変動性に考慮されず、またはそこから予測されなかった。観察されたいかなる差も、この試験において使用されるそのような複合マトリックス、すなわち栄養調合物に適用される標準試験アッセイにおいて予測される変動性を超えなかった。2つの試験調合物にわたり、試験および対照試料の間で一貫して観察される栄養素の差はなかった。
差(0.05超のp値)が検出された栄養素試験において(表11中にアスタリスクで示される)、(i)ビタミンB6およびカルシウム等の試験試料中の栄養素の測定量の値は、対照試料中よりも高かったため、栄養素分解の証拠はなかった、または、(ii)ビタミンA、E、およびC等の試験および対照試料の間の栄養素レベルの差は、それらの量を互いに、もしくは調製物ラベル表示と比較すると小さかった。
したがって、デバイスを使用しない対照と比較した、模擬的使用条件下でデバイス200を通過した調合物の栄養素分析では、非脂肪栄養素に対する栄養補給システムの効果に関して、試験試料と対照試料との間で大きな差は特定されなかった。
デバイス200は、ポイントオブケアでの使用のために設計されてもよい。例えば、デバイス200は、診療所または病院において、脂肪酸栄養素を必要とする対象に栄養調合物100を送達するための標準的経腸栄養補給デバイスと共に使用されるように設計されてもよい。一部の実施形態では、デバイス200は、非臨床環境で、例えば対象の自宅、長期もしくは短期診療施設、または対象が定期的に訪れる場所で使用されてもよい。栄養調合物110中のLC−PUFAを有するトリグリセリドを含む脂肪は、栄養補給の直前にデバイス200により「消化」または事前に加水分解され、膵リパーゼまたは脂肪を消化もしくは吸収する生理学的能力が不足した個人において容易に吸収される形態で送達される。摂取前のデバイス200を使用した事前に加水分解された栄養調合物100のそのような送達は、加水分解された吸収性脂肪酸の対象の胃腸管への直接送達を提供し、改善された送達および吸収効率をもたらし得る。
デバイス200の使用はまた、事前に加水分解された栄養調合物110中の遊離脂肪酸の酸化分解の問題を防止することができ、したがって、加水分解後の栄養調合物の腐敗したような風味、臭気、またはテクスチャの発生を防止することができる。具体的には、不快な風味および臭気がするのは、脂肪の短鎖アルデヒドおよびケトンへの加水分解である。
脂肪加水分解のための固定されたリパーゼの工業規模の利用には、遊離脂肪酸を放出するために水−油界面が必要である。遊離脂肪酸自体はいかなる実質的な期間も不安定であるため、遊離脂肪酸は次いで、再びエステル化されてトリグリセリドを形成する。工業規模の固定は、時間を要し、非効率的となる傾向があり、また使用者による大掛かりな操作を必要とする。デバイス200の使用は、一般に、例えばタンパク質、炭水化物、脂肪、水、ミネラル、および/またはビタミンを含有する複合混合物を伴い、これは特別に調合および処理された流動食を含み得る。
事前に加水分解された吸収性遊離脂肪酸をポイントオブケアで送達することにより、デバイス200はまた、栄養調合物110の栄養補給中に、ブタ由来膵酵素または微生物酵素生成物を摂取する必要性および/または危険性を低減または排除することができる。さらに、上で議論されたように、栄養調合物110中の事前に加水分解された遊離脂肪酸の酸化分解を低減または防止するように流量を調整することにより、デバイス200内の栄養調合物110の滞留時間量を調整することができ、またデバイス200の加水分解効率とバランスをとることができる。リパーゼに対する栄養調合物110の曝露から、事前に加水分解された調合物の患者による摂取までの間の例示的な期間は、2013年2月14日に出願された国際特許出願第PCT/US2013/026063号、および2014年8月14日に出願された米国特許出願第14/378,856号において議論されており、これらは共に、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
システム100およびデバイス200は、摂取前に栄養調合物110中の脂肪をex vivoで事前に加水分解させ、脂肪の加水分解の時間を経腸栄養補給と一致させ、対象への信頼性のある、効率的な、また一貫した吸収性の有益な脂肪の送達をもたらす。システム100およびデバイス200は、医療従事者に、追加的なカロリー、ならびにDHAおよびEPA等の必須脂肪酸を必要とする患者に栄養補給を行うための有利な選択肢を提供し得る。
一部の実施形態では、デバイス200は、使い捨てであってもよく、単回使用が意図されてもよい。他の実施形態では、デバイス200は、廃棄前に数回の栄養補給運転に再使用可能であってもよい。そのような実施形態では、デバイス200および/またはチューブ、例えば第1のチューブ122および経腸チューブ124は、新たな栄養補給運転前に、デバイス200および/またはチューブを通して溶液をフラッシュする、またはパージすることにより洗浄されてもよい。例えば、ポンプ120は、デバイス200および/またはチューブを通して溶液をフラッシュして、またはパージして、前回の栄養補給運転からデバイス200および/またはチューブ内に残留した栄養調合物110を十分に排除するように、自動モードで動作してもよい。このようにフラッシュする、またはパージすることにより、デバイス200および/またはチューブは、廃棄前に2回以上使用され得る。
一部の実施形態では、粒子300は、使い捨てであってもよい。例えば、栄養調合物110の栄養補給運転後に、使用された粒子300は廃棄されてもよく、デバイス200は滅菌および/または洗浄されてもよく、栄養調合物110の次の栄養補給運転のために、新たな未使用の粒子300が、デバイス200のチャンバ222内に乾燥条件下でパックされてもよい。そのような実施形態では、デバイス200の残りは滅菌可能であってもよい。
EPI(膵外分泌酵素の産生不足)および/または胃腸もしくは肝機能不全に罹患した患者は、長鎖トリグリセリドを加水分解および/または吸収する能力が低減している。その結果、患者は、脂質の消化不良および吸収不良を有する可能性があり、これらは、カロリー摂取の低減、顕著な体重減少、LC−PUFA欠乏、および/または胃腸症状をもたらす可能性があり、またLC−PUFA、例えばDHA、EPA、AA等の摂取に関連した利益が受けられない可能性がある。システム100およびデバイス200は、DHA、EPA、および/またはAAの事前に加水分解されたトリグリセリドを有する栄養調合物110を、膵液分泌量不全を有する患者に栄養補給するために使用され得る。例えば、システム100およびデバイス200は、これらの患者の血漿へのDHA、EPA、およびAAの摂取を増加させるために使用され得る。一部の実施形態では、健康な対象はまた、例えば心臓血管疾患のリスクを低減することにより、LC−PUFAの吸収の増加からの利益を得ることができるため、システム100およびデバイス200は、健康な対象に栄養調合物110を栄養補給するために使用され得る。一部の実施形態では、システム100およびデバイス200は、乳児、高齢者、または、脂肪加水分解および/もしくは吸収に影響し得る急性もしくは慢性状態を有する人の血漿への、DHA、EPA、およびAAの摂取を増加させるために使用され得る。
一部の実施形態では、システム100およびデバイス200は、例えば、アルツハイマー病(AD)、双極性障害(BP)、鬱病、大鬱病性障害(MDD)、産後鬱病(post-partem depression)、敗血症、急性呼吸ストレス、創傷治癒、がん、心臓血管疾患、脳卒中、パーキンソン病、統合失調症、糖尿病、多発性硬化症、ならびに慢性炎症性疾患、例えば関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、および炎症性大腸炎を含む、1つまたは複数の疾患を有する患者における、加水分解された脂肪酸の摂取を増加させるために使用され得る。一部の実施形態では、システム100およびデバイス200は、口から栄養を得ることができない、安全に嚥下することができない、または別様に栄養補助を必要とする患者への栄養補給に使用され得る。一部の実施形態では、システム100およびデバイス200は、非経口栄養の必要性を低減するために使用され得る。経腸栄養は、感染症の発生、望ましくない免疫反応、および/または胃腸管の退化の危険性を低減するため、可能な場合には経腸栄養の使用が好ましくなり得る。一部の実施形態では、システム100およびデバイス200は、未熟状態、発育障害、栄養不足、神経および神経筋障害、嚥下困難、口および食道の解剖学的および術後の変形、がん、消化および/または代謝障害を有する患者への栄養補給に使用され得る。一部の実施形態では、システム100およびデバイス200は、患者に脂肪栄養を提供することにより、がん等の他の疾患の治療を改善および/または支援するために使用され得る。
システム100およびデバイス200の追加的な利点および利益はまた、事前に加水分解された脂肪を高い効率で送達することを含み得る。例えば、図29に示されるように、デバイス200を通過した後、栄養調合物110中の脂肪の約70%から約90%超までが加水分解され得る。システム100およびデバイス200の加水分解効率は、様々な栄養素を有する極めて複合的な栄養調合物に対して維持され得る。デバイス200のそのような高い加水分解効率は、患者に送達される必要がある栄養調合物110の全体積を低減し得る。さらに、以前に議論されたように、栄養調合物110は、例えば0.4mL/分から約8mL/分の範囲またはそれより高い流量で送達され得る。そのような流量下で、デバイス200は、典型的な体積、例えば約1mLから約10mL、約10mLから約100mL、約100mLから250mL、約250mLから約500mL、約500mLから約750mL、約750mLから約1L、約1Lから約2L、約1Lから約3L、約2Lから約3L、約1mLから約100mL、約1mLから約500mL、約1mLから約1L、約100mLから500mL、約100mLから750mL、約100mLから1L、約500mLから約1L、約500mLから約2L、約750mLから約2L、約750mLから約3L、または約3mLから約1Lの、実質的に事前に加水分解された脂肪を含有する栄養調合物110の、数秒、数分、または数時間以内での送達を可能にし得る。栄養調合物110の送達のそのような高い効率は、患者の、特に多量の栄養調合物110を必要とする患者の生活の質を改善するために好ましい。以下でさらに説明される実施例10〜12は、広範な経腸調合物に対するシステム100およびデバイス200の高い加水分解および送達効率を実証している。
一部の実施形態では、システム100およびデバイス200を使用して事前に加水分解された栄養調合物110の送達は、例えばLC−PUFA、例えばDHA、EPA、およびAAを消化および吸収するのが最も困難な患者のカロリー摂取ならびに脂肪酸バランスおよび吸収の正常化を可能にし得る。これは、有利には、医療介護提供者が膵液分泌量不全または脂質吸収不良を有する人の管理および処置を改善するための、より制御された選択肢を提供する。遊離脂肪酸摂取およびバランスを改善するためのシステム100およびデバイス200の使用を実証する実施例13〜15は、以下でさらに議論される。
システム100およびデバイス200の追加の例
(実施例10)
実質的に安定した加水分解効率を示す、例示的デバイス200を使用した経腸調合物脂肪のin vitro加水分解
例示的デバイス200を使用して、経腸調合物Peptamen AF(登録商標)の2つの試料中のトリグリセリドの加水分解に関する2つの実験を行った。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例1において説明されたものと実質的に同様であった。各実験は、ある期間にわたる経腸栄養補給を模擬した。第1の実験は、2時間の栄養補給期間にわたり、250mLのPeptamen AF(登録商標)の第1の試料を試験した。第2の実験は、4時間の栄養補給期間にわたり、500mLのPeptamen AF(登録商標)の第2の試料を試験した。2つの実験における経腸調合物の流量は、2mL/分に維持した。各実験の栄養補給期間中の複数の時点で試験試料を採取し、各時点において、超高速液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析計(UPLC MS)を使用して脂肪酸の量を分析した。
図30に示されるように、第1の実験において、試料中の遊離脂肪酸の累積量は、ほぼ斜めの線により示されるように、実験の栄養補給期間にわたりほぼ直線的に増加し、実質的に安定した加水分解効率を示していた。実験の終了までに送達された遊離脂肪酸の量は、7.7gの遊離脂肪酸の総量のうち約7.3gであったが(図30において水平線として示される)、これはおそらく、デバイス200を通って流動した栄養調合物中のトリグリセリドの量から生成されたものと考えられる。これは、グラフにおいて実験の終了までに水平線全体にほぼ交差している斜線により示されるように、約95%の加水分解効率を示している。図30における結果は、デバイス200が、実質的に安定な速度で、約2時間またはそれよりも短い栄養補給期間で250mLの経腸調合物中のトリグリセリドを効率的に加水分解し得ることを示している。
図31に示されるように、第2の実験においても、試料中の遊離脂肪酸の累積量は、実験期間にわたりほぼ直線的に増加し、同じく実質的に安定した加水分解効率を示していた。実験の終了時に送達された遊離脂肪酸の量は、18.2gの遊離脂肪酸の総量のうち約17.5gであったが(これも図31において水平線として示されている)、これはおそらく、デバイス200を通って流動した栄養調合物中のトリグリセリドの量から生成されたものと考えられ、約96%の加水分解効率をもたらした。図31における結果は、デバイス200が、実質的に安定な加水分解効率で、約4時間またはそれよりも短い、若干長い栄養補給期間で500mLの経腸調合物中のトリグリセリドを効率的に加水分解し得ることを示している。
(実施例11)
ブタ由来膵酵素カプセル(PERTカプセル)との、例示的デバイス200のex vivo加水分解効率の比較
例示的デバイス200およびPERT製品によるPeptamen AF(登録商標)の3つの試料中の脂肪の加水分解を、実行および比較した。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例1において説明されたものと実質的に同様であった。PERT製品は、様々なリパーゼ、プロテアーゼ、およびアミラーゼ酵素の組合せである。第1の試料に対しては、約2時間の模擬経腸栄養補給の間デバイス200を237mLのPeptamen AF(登録商標)の加水分解に使用した。栄養補給の間中、2mL/分の流量を使用した。デバイス200への栄養補給の間、ポンプ120からのアラームまたは閉塞は観察されなかった。
第2および第3の試料に対しては、2種類の市販のPERTカプセルを加水分解に使用した。第2の試料は、腸溶コーティング製品であるZenPep(登録商標)(80,000単位のリパーゼ;272,000単位のプロテアーゼ;436,000単位のアミラーゼ;Aptalis)の4つのカプセルを使用して加水分解した。第3の試料は、3錠のViokace(登録商標)(62,640単位のリパーゼ;234,900単位のプロテアーゼ;234,900単位のアミラーゼ;Aptalis)を使用して加水分解した。経腸調合物に対するPERT製品の曝露時間を最大化するために、PERTカプセルを第2および第3の試料の経腸調合物バッグ内に直接加えたが、バッグのそれぞれは、1缶の250mLのPeptamen AF(登録商標)を含有していた。経腸調合物がデバイスを通過するデバイス200と対照的に、経腸調合物に対するPERT酵素の曝露および潜在的な加水分解能力を最大化するために、PERT製品を調合物バッグ内に混合した。
デバイス200を使用して加水分解した各調合物の試料を、加水分解プロセス中、0分、30分、60分、90分、および120分で採取し、各試料中の脂肪加水分解を、各時点で定量比色アッセイ(Abcam(登録商標)Free Fatty Acid Quantification Kit)を使用して評価し、遊離脂肪酸の量を測定した。図32は、各時点での各調合物試料中で検出された遊離脂肪酸の量を示す。図32に示されるように、実験の終了までに例示的デバイス200により送達された遊離脂肪酸の累積量は、調合物試料中のトリグリセリドの全てが加水分解された場合におそらくは生成され得たであろう遊離脂肪酸の量とほぼ等しかった。この結果は、図30および31に示される結果と一致し、栄養調合物中の利用可能なトリグリセリドのほぼ完全な加水分解を示している。ZenPep(登録商標)カプセルを使用して生成された第2の調合物試料中の遊離脂肪酸は、実験にわたって1グラム未満(10%未満の加水分解)のままであった。Viokace(登録商標)を使用して生成された第3の調合物試料中の遊離脂肪酸の量は、アッセイを使用して検出不可能であったため、図32においては示されていない。
図33は、図32に関して議論された3つの調合物試料における計算された加水分解効率を示す。図33に示されるように、第1の調合物試料において、例示的デバイス200は、30分の時点から開始して、脂肪の90%超を加水分解した。第2の調合物試料では、ZenPep(登録商標)カプセルは、実験の終了までに脂肪の約10%を加水分解するのみであり、30分の時点ではわずか29%の高さに達した。第3の調合物試料において、Viokace(登録商標)カプセルによる脂肪の加水分解は、検出不能であった。この結果は、デバイス200が、PERTカプセルと比較して、経腸調合物中の脂肪の加水分解において優れた効率を有することを実証している。
(実施例12)
例示的デバイス200を使用した、異なる体積の栄養調合物中の脂肪の加水分解
例示的デバイス200を使用して、経腸調合物Peptamen AF(登録商標)中のトリグリセリドの加水分解に関する一連の実験を行った。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例3において使用されたものと実質的に同様であった。Peptamen AF(登録商標)調合物は、等量のMCTを有するトリグリセリドおよびLCTを有するトリグリセリドを含有する。500mLのPeptamen AF(登録商標)溶液は、トリグリセリドからの1.2gのEPAおよびDHAを含む、合計で27.4gの脂肪を含有する。1つの実験は、8mL/分の流量で1時間にわたる500mLのPeptamen AF(登録商標)の経腸栄養補給運転を模擬し、1つの実験は、4mL/分の流量で2時間にわたる500mLのPeptamen AF(登録商標)の経腸栄養補給運転を模擬し、1つの実験は、2mL/分の流量で4時間にわたる500mLのPeptamen AF(登録商標)の経腸栄養補給運転を模擬し、1つの実験は、0.4mL/分の流量で10時間にわたる250mLのPeptamen AF(登録商標)の経腸栄養補給運転を模擬し、1つの実験は、2mL/分の流量で8時間にわたる1LのPeptamen AF(登録商標)の経腸栄養補給を模擬した。調合物試料の流量は、アラームが検出されることなく、模擬栄養補給の間中維持された。
図34に示されるように、デバイス200は、2時間および4時間にわたって500mLのPeptamen AF(登録商標)中の脂肪の90%超を、10時間にわたって250mLのPeptamen AF(登録商標)中の脂肪の90%超を、また8時間にわたって1LのPeptamen AF(登録商標)中の脂肪の約90%を効率的に加水分解した。1時間にわたって送達された500mLのPeptamen AF(登録商標)中の脂肪の加水分解もまた、高い効率を示した。この結果は、デバイス200が、より速い流量下において、より短い1時間から2時間の栄養補給であっても、栄養調合物110中の脂肪の実質的なパーセンテージを加水分解および送達し得ることを示しており、これは潜在的に、より長い終夜の経腸栄養補給の必要性を低減し得る。
(実施例13)
全膵機能不全を有する幼若ブタにおける長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)の消化に対する、粒子300に付着したリパーゼ710の有効性の試験
この実験は、乳児用調合物からの全脂肪および長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)の吸収が、本明細書においてiROと呼ばれるアクリルビーズ上に固定されたRhizopus oryzaeリパーゼ(実施例1において説明された粒子300と実質的に同様である例示的粒子300に共有結合的に付着した例示的リパーゼ710)で調合物が摂取の直前に事前に加水分解された場合に向上するかどうかを評価した。この実験は、膵機能不全のブタモデル(全膵機能不全を有する幼若ブタ)において行われた。機能的および発達レベルにおいて、ヒトおよびブタは、胃腸管、尿生殖器構造、ならびに脳および膵臓の発達に関して多くの類似点を共有しているため、ブタモデルが選択された。幼若ブタにおける膵管の外科的結紮は、胆汁塩刺激リパーゼを含む膵酵素の排出障害を引き起こし、したがってヒト早産児および/もしくは満期児、または膵外分泌腺の慢性機能障害を有する個人、例えばCF患者、腫瘍手術後の患者、または高齢者対象における状態を模倣する。本明細書において使用される場合、EPIブタは、このブタモデルを指すように使用される。
この実験のために、20匹のブタに対して膵管結紮を行って膵外分泌機能不全(inefficiency)(EPI)を発生させた。EPIは、典型的には、手術後3週間から4週間で完全に発症する。完全な膵機能不全の発症は、成長停止および脂肪便の発症により確認された。しかしながら、手術された20匹のブタのうち17匹のEPIブタのみが完全な膵機能不全を発症し、この実験に使用された。17匹のEPIブタ(雄)および6匹の健康なブタ(雄)を、12時間の昼夜サイクルで維持し、6AMから6PMまで明るく、6PMから6AMまで暗くした。
iROで事前に加水分解された脂肪を有する栄養調合物を1日4回の栄養補給に分割し、3〜6ヶ月齢のヒト乳児に発達上相当する若い成長期のEPIブタにおいて、その有効性を試験した。
図35に示されるように、6週間の処置試験の前に2週間の初期適応期間を置いた。膵管結紮手術の前、手術後、およびこの実験の初期適応期間の前に、全てのブタに、17.5%の粗タンパク質、3.9%の粗繊維、3.5%の粗脂肪、5.2%の灰を、5000IE/kgのビタミンA、500IE/kgのビタミンD、85mg/kgのビタミンEと共に含有する標準的なブタ用規定食を栄養補給した。9AMから10AMおよび5PMから6PMの1日2回(食事当たり2.0%体重)栄養補給を行った。
適応期間の間、全てのブタに、長鎖多価不飽和トリグリセリド(TG−LCPUFA):魚油からの1%のドコサヘキサエン酸(DHA)および2%のアラキドン酸(AA)で強化したNAN Pro 1 Gold (Nestle)調合物(NAN調合物)を栄養補給した。その後、この実験において、調合物を魚油からの1%のTG−DHAおよび2%のTG−AAで強化し、約31%の最終脂肪含量とした。
初期適応期間後に6週間の処置期間を置いた。6週間の処置期間の間、EPIブタを2つの群に無作為化した。対照群においては、非加水分解飲料と呼ばれる、強化された調合物のみをEPIブタに栄養補給した(ND、n=6)。処置群においては、事前加水分解飲料と呼ばれる、iROで事前に加水分解された調合物をEPIブタに栄養補給した(PND、n=7)。第2の対照群においては、膵外分泌腺のインタクトな機能を有する健康ブタを加え、LC−PUFA強化調合物のみを栄養補給した(ND、n=6)。
PNDを生成するために、iROで満たされたメッシュバッグを強化された乳児用調合物(ND)中に入れ、約30℃から約37℃の温度範囲で自動撹拌器で最長15分間混合し、実質的に完全に脂肪を加水分解させた。EPIブタの1回の食事(300mLの水中に希釈した100gの調合物粉末)に対して、1gのiROを有する1つのメッシュバッグを使用した。加水分解が終了したら、メッシュバッグをバケツから取り出し、処分した。iROのサイズ仕様は、ビーズがメッシュバッグの外に移動し得ないことを確実とし、メッシュバッグは調合物へのiROのいかなる漏出も防止した。事前加水分解が完了したら、メッシュバッグを取り出し、PNDは消費可能な状態となった。
iROの作用は、膵リパーゼを模倣すること、ならびに、小腸内で内因的に分泌された膵リパーゼの作用後に見られるようなものと類似した遊離脂肪酸およびモノグリセリドを生成することを意図した。PNDが摂取直前に生成および供給されるポイントオブケア手法もまた、NDからの遊離脂肪酸のフリーラジカル酸化に対応し、腐敗したような風味また臭気の発生を防止した。したがって、ポイントオブケア手法の利益は、LC−PUFAを有するトリグリセリドを含む脂肪が、飲む直前に「消化」または事前に加水分解され、したがって、さもなくば脂肪を消化する生理学的能力が不足した胃腸管による吸収に利用可能となることであった。
糞脂肪中の全および多価不飽和脂肪酸(PUFA)の低減、ならびに、ブタにおける血漿、内臓組織(肝臓、脂肪)、心臓、および神経組織(海馬)内での対照群からの変化として表現されるAAおよびDHAの吸収の増加を評価することにより、食物脂肪の事前加水分解の効果を監視した。糞便物質中の脂肪の存在は、ブタにより脂肪が吸収されなかったことを示すものとして解釈された。
この試験の結果は、トリグリセリドの代わりのモノグリセリドおよび遊離脂肪酸の投与を含む、事前に加水分解された調合物の6週間の投与後に、死亡、有害な臨床徴候、または消化管もしくは肝臓に沿った病理学的な巨視的もしくは微視的所見がないことを実証した。
13.1 試験デザインおよび手順:
13.1.1 処置前期間(7〜10日)
適応期間の約7日前に、23匹のブタを通常食から調合物栄養補給に移行させた。この実験を通して、1匹は病気のため、1匹は不適切な強制飼養のため、2匹は二重膵管形成のため、4匹のEPIブタを排除した。健康群のブタには損失は記録されなかった。したがって、最終試験に含まれたブタの総数は、13匹のEPIブタおよび6匹の健康ブタであった。
13.1.2 適応期間(14日)
この期間中、全てのEPIブタおよび健康ブタに、DHAを有する1%のトリグリセリド(TG−DHA)およびAAを有する2%のトリグリセリド(TG−AA)で強化された温かい液体NDを、1日4回与えた。全1日調合物消費量を、毎日および実験全体の間測定した。適応期間の1日目(実験の第1日目)、朝の食事前に体重を記録した。この期間の最後の2日に、便および血液試料を採取した。
13.1.3 処置期間(6週間)
この期間中、EPIブタを、体重および調合物を摂取する意欲に基づいて、2つの群に無作為化した。
1)対照EPI群(EPI):6匹のEPIブタに、強化された非加水分解調合物を栄養補給した。
2)iRO群(EPI+iRO):7匹のEPIブタに、iROで事前に加水分解された調合物を栄養補給した。
3)健康対照群(健康):同じ年齢および種の6匹の健康なブタに、強化された調合物のみを栄養補給した。
6週間の処置期間の各週の1日目に、朝の食事前にブタを秤量した。処置期間の1週間目、4週間目、および6週間目の最後の3日間、3回の24時間便採取を行った。処置期間の7日目、28日目および42日目に、終夜絶食後の食前血液試料を採取した。
採取された24時間便試料の重量を記録し、各試料からの少量を全脂肪およびLC−PUFAに関して測定した。
LC−PUFAの測定のために、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)方法を使用して、糞便、血漿および組織試料を分析した。
それぞれの日の栄養補給前に、5mLの血液試料を採取した。試料を、LC−PUFA、トリグリセリド(TG)、コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)、および非エステル化脂肪酸(NEFA)含量に関して分析した。
実験の終了時に、各ブタの膵臓領域および退縮膵臓を、胃腸管および肝臓、腎臓、ならびに心臓と共に、病変に関して検査した。
この試験から生成されたデータに対して、SASプログラムの分散のANOVA分析を使用して、ならびにPrism Graphプログラムを使用する通常の一元配置ANOVAおよびANOVA対応t検定を使用して統計分析を行った。差は、p≦0.05である場合有意であるとみなした。全てのデータは、平均±標準偏差(±SD)として表現される。
13.2 結果
13.2.1 便重量、外観、および全脂肪含量に対するPND摂取の効果
EPIブタにおける膵外分泌機能の破壊は、消化不良および吸収不良をもたらし、これは、排便数の増加を伴う顕著な脂肪便および大量の糞便を引き起こした。図36Aは、NDが栄養補給されたEPIブタの例示的便試料を示し、図36Bは、PNDが栄養補給されたEPIブタの例示的便試料を示す。図36Aおよび図36Bに示されるように、PNDが栄養補給されたEPIブタにおいて、脂肪の吸収は、便の外観の視認され得る変化(脂肪便の消失)、および重量の減少に基づいて改善された。
図37に示されるように、全脂肪が便乾燥物質試料中で測定された場合、PNDを摂取しているEPIブタとNDを摂取しているEPIブタとの間の差は顕著であった(EPI:66.7±24.6%対EPI+iRO:37.9±18.6g/24時間;n=6〜7;p<0.02;試験の最後の3日間の3回の24時間採取の平均)。EPI群と比較して、EPI+iRO群からの便試料中には43%少ない脂肪が存在したが、これは近似的に、1日当たり追加の243カロリーの摂取をもたらす改善された脂肪吸収を示唆している。健康対照ブタにおいて、脂肪含量は13.83±2.4%であった。
図38Aおよび図38Bに示されるように、調合物摂取量および体重は、EPI群およびEPI+iRO群において実質的に同じであった。予測されるように、調合物は事前に加水分解された脂肪のみを有し、成長および体重増加に必要なタンパク質を有していなかったため、EPIブタは成長しなかった。膵外分泌腺のインタクトな機能を有する健康ブタは、2〜4kg/週で成長していた。
LC−PUFA脂肪含量の推定のために、処置の6週目の5、6および7日目に便を採取し、個々のLC−PUFA含量を測定した。その結果の概要を表12に示す。
表12に示されるデータは、処置の最後の6週目の最後の3日に採取された便試料中のLC−PUFAレベルの平均±SDである(n=6〜7/群)(*p<0.05EPI対EPI+iRO;**p<0.05EPI対健康)。表12に示されるように、非加水分解調合物が栄養補給されたEPI群と比較して、事前に加水分解された調合物が栄養補給されたEPI+iRO群において、糞便オメガ3およびオメガ6 LC−PUFAの38%および53%の有意な低減が実証された。同様に、EPI群と比較して、EPI+iRO群において、糞便AAおよびDHAレベルのそれぞれ66%および50%の低減が記録された。これらのデータは、EPIブタの脂肪を吸収する能力の欠損が、iROで事前に加水分解された調合物を栄養補給することにより、少なくともある程度は逆転されたことを示している。
13.2.2 血中脂質プロファイルに対する事前加水分解の効果
この試験の重要な所見は、6週間PNDが栄養補給された処置群における血中脂質プロファイルが、表13に示されるように、健康ブタのプロファイルまで実質的に正常化されたことである。この結果は、脂肪吸収の増加だけでなく、TG、コレステロール、HDL、およびLDLの実質的に正常な血中レベルをもたらした適切な脂肪の代謝を示唆している。全てのEPIブタは、健康ブタの場合と実質的に同じ正常な血中グルコースを有しており、膵外分泌機能が保存され、手術により影響されなかったことが確認された。
表13に示されるデータは、6週間のNDまたはPNDの栄養補給後の食前試料から採取された、TG、コレステロール、HDL、およびLDLに対するコホート(健康ブタn=6、EPI n=6、EPI+iRO n=7)における平均±SDである。健康ブタにはNDを栄養補給した。p値は、EPIおよびEPI+iRO群の間の差に関して、*p<0.05である(独立t検定)。HDL=高密度リポタンパク質;LDL=低密度リポタンパク質;TG=トリグリセリド。
13.2.3 LC−PUFAレベルの血漿および組織変化
13.2.3.1 血漿およびRCB LC−PUFAレベルの変化
事前に加水分解された脂肪を含有する調合物の栄養補給は、図39および表14に示されるように、血漿PUFAレベルに好ましい変化をもたらした。
表14に示されるデータは、6週間のEPIブタへのNDまたはPNDの栄養補給後に採取された食前血液試料において測定された、全FAの合計に対する健康ブタ(n=6、EPI n=6、およびEPI+iRO n=6)における多価不飽和遊離脂肪酸濃度(平均±SD)の合計である。健康ブタにはNDを栄養補給した。p値は、群間の差に関して、*p<0.05である(ANOVA対応t検定)(p=0.091)。
図39および表14に示されるように、血液循環中の全遊離脂肪酸の濃度が、調合物のみが栄養補給されたEPIブタよりも、iROで事前に加水分解された調合物が6週間栄養補給されたEPIブタにおいて大幅に高かった。同様に、LA、ALA、およびAA等の測定された個々のPUFAは、NDのみが栄養補給されたEPIブタよりも、iROで事前に加水分解された調合物が栄養補給されたEPIブタにおいて大幅に高かった。DHA遊離脂肪酸濃度の増加傾向もまた記録された。
図40Aおよび図40Bは、6週間のEPIブタへのNDまたはPNDの栄養補給後に採取された食前血液試料および食後1時間試料において測定された、健康対照群(n=6)、EPI群(n=6)、およびEPI+iRO群(n=6)における多価不飽和遊離脂肪酸濃度(平均±SD)の合計を示す。健康ブタにはNDを栄養補給した。通常の一元配置ANOVAを使用して、群間の差に関して*p<0.05の統計的に有意なp値が存在した(食前試料と食後1時間試料との群間の差に関して、それぞれp=0.0007およびp=0.0091)。
図40A、図40Bおよび表15に示されるように、食事から1時間後に採取された試料からのLC−PUFAの食後レベルは、NDが栄養補給されたEPIブタと比較して、PNDが栄養補給されたEPIブタから採取された血漿中において、脂肪酸濃度の増加を示している。例えば、PNDが栄養補給されたEPIブタにおけるLAの食後レベルは約10%増加し、一方、NDが栄養補給されたEPIブタにおけるLAの食後レベルは、約3%しか増加せず;PNDが栄養補給されたEPIブタにおけるALAの食後レベルは約35%増加し、一方NDが栄養補給されたEPIブタにおけるLAの食後レベルは約10%しか増加せず;PNDが栄養補給されたEPIブタにおけるEPAの食後レベルは約3倍増加し、一方NDが栄養補給されたEPIブタにおけるEPAの食後レベルは約1倍しか増加しなかった。この結果もまた、吸収の向上およびポイントオブケア手法の有効性を示唆している。特定のLC−PUFA、例えばLA、ALA、およびEPAの血漿濃度は、PNDの栄養補給から1時間後に上昇したため(これは通常、健康ブタにおいて血漿LC−PUFAレベルが上昇し始める時点である)、この結果は有望であった。おそらくは複雑な加水分解および吸収プロセスに起因して、平均LC−PUFAレベルは、食事から近似的に約4時間から約6時間後、血漿中の最大濃度に達していた。
表15に示されるデータは、6週間のEPIブタへのNDまたはPNDの栄養補給後に採取された食前血液試料および食後1時間試料において測定された、全FAの合計だけでなくLA、ALA、AA、EPA、およびDHAに対する健康ブタ(n=6、EPI n=6、およびEPI+iRO n=6)における多価不飽和遊離脂肪酸濃度(平均±SD)の合計である。健康ブタにはNDを栄養補給した。p値は、群間の差に関して、*p<0.05である(ANOVA対応t検定)。
PND摂取の利益はまた、絶食中であるか否かに関わらず、EPIブタと比較したEPI+iROブタの血漿中の遊離脂肪酸の総量の全体的増加に基づいて実証された。
13.2.3.2 LC−PUFAの組織沈着
6週間の事前に加水分解された調合物の栄養補給後の改善されたLC−PUFA吸収は、脂肪、肝臓、および心臓において測定されるような内臓組織内の、および海馬において測定されるような神経組織内のAAおよびDHAのレベルの増加をもたらした。その結果の概要を表16に示す。
表16に示されるデータは、試験の終了時に肝臓、脂肪、心臓、および海馬組織から採取された、健康ブタ(n=6、EPI n=6、およびEPI+iRO n=7)からのLC−PUFAの平均±SDレベルを表す。EPIブタにはNDまたはPNDのいずれかを栄養補給した。健康ブタにはNDを栄養補給した。p値は、群間の差に関して、*p<0.05である(ANOVA対応t検定)。
低減された糞便脂肪によりLC−PUFAの吸収の改善が示され、また全LC−PUFAの濃度の増加が、AAおよびDHAの肝臓、心臓、および脂肪組織沈着に反映された。肺組織もまた検査し、群間にAAレベルの差は見られなかった(健康:10.12±0.9、EPI:10.07±1.4、およびEPI+iRO:10.17±1.33g/100gFA;p=NS);しかしながら、EPIブタと比較すると、健康ブタにおいてDHAレベルの若干の増加が見られた(健康:2.52±0.2、EPI:1.68±0.2、およびEPI+iRO:1.72±0.4g/100gFA;p<0.05)。神経組織に関しては、海馬および視覚野を検査した。表16および図41に示されるように、海馬においてDHAおよびAAレベルの両方に対し統計的に有意な好ましい変化が示された。
さらに、視覚野を分析したが、NDもしくはPNDが栄養補給されたEPIブタまたは健康ブタの間に差は見られなかった(AA:健康:8.64±0.2、EPI:8.74±0.4、およびEPI+iRO:8.45±0.24g/100gFA、p=NS;DHA:健康:13.19±0.4、EPI:12.76±10.52、およびEPI+iRO:12.32±0.8g/100gFA;EPI群とEPI+iRO群との間の差に関してp=NS)。この結果は、そこまではC. Tyburczyら、85巻:335〜343頁(2011年)と一致しており、彼らは、生後28日の間異なる量のTG−DHAおよびTG−AAで強化された代用乳が与えられた新生ブタにおける、末梢および中枢組織内のオメガ3およびオメガ6の変化に注目した。規定食DHAに対する中枢神経組織の異なる部分の感受性は、以前に、非ヒト霊長類の満期および早産新生児に関する多くの研究において示されている。脳は、行われたDHA栄養補給のレベルおよび期間に関連する増加した領域特異的DHA沈着を一貫して示している。我々の研究では、ブタに、TG−DHAおよびTG−AAで2:1(AA/DHA)の比で強化された調合物を6週間栄養補給し、これはAAの沈着に有利であったが、これは、試験された末梢または中枢組織の大半において、DHAの組成がAAレベルと比較してより低い程度まで増加した理由を説明し得る。さらに、オメガ6およびオメガ3 PUFAの代謝に全く同じ酵素が関与することが周知であり、したがって血漿および組織における異なる累積速度が推定され得る。
13.2.4 ビタミンAおよびビタミンEの吸収の向上
脂溶性ビタミンAおよびEにおける吸収の改善もまた、試験において実証された(ビタミンE:EPI 0.8±0.4対EPI+iRO:1.5±0.9、p<0.5;ビタミンA:EPI:0.18±0.06対EPI+iRO:0.26±0.17、p=NS)。ほとんどのNDには、吸収の前に膵臓カルボキシエステル加水分解酵素により消化される必要がある、ビタミンAおよびビタミンEアセチルエステル安定形態が追加された。膵機能障害を有する早産児、新生児、子供、および成人は、これらの脂溶性ビタミンが欠乏していることは公知である。したがって、この試験におけるビタミンAおよびビタミンEの吸収の向上は、iROがそれぞれのアセチルエステル形態を開裂し、それらの吸収を向上させることができることを示唆している(ビタミンE:EPI 0.8±0.4対EPI+iRO:1.5±0.9、p<0.5;ビタミンA:EPI:0.18±0.0.06対EPI+iRO:0.26±0.17、p=NS)。
13.3 要約
要約すると、ビーズに付着したiRO、すなわちRhizopus oryzaeリパーゼで事前に加水分解された乳児用調合物の摂取は、安全であり、脂肪吸収の改善をもたらし、便中の全脂肪およびLC−PUFA脂肪の低減、脂肪便の低減、血中脂質プロファイルの正常化、ならびに心臓、肝臓、脂肪、および海馬の細胞膜におけるLC−PUFAの組成の増加をもたらした。同時に、この非臨床試験からのデータは、事前に加水分解された栄養飲料の摂取が、単にカロリー摂取を増加させるだけでなく、DHAおよびAA等の「必須」遊離脂肪酸の摂取を増加させるための、膵液分泌量不全を有する人々に対する効果的な処置となり得ることを示唆している。
(実施例14)
Gチューブを介して栄養補給されたEPIブタに対する、例示的デバイス200の12日間有効性試験
この12日間試験は、夜間経腸(Gチューブ)栄養補給中の例示的デバイス200の使用を試験した。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例3において使用されたものと実質的に同様であった。この試験は、夜間Gチューブ栄養補給中のデバイス200の安全性、および、事前に加水分解された脂肪が完全栄養調合物Peptamen AF(登録商標)(Nestle Nutrition、EU)からの全脂肪および長鎖多価不飽和脂肪酸(オメガ3)の吸収を向上させるかどうかを評価した。経腸栄養補給におけるデバイス200の有効性および安全性は、実施例13において説明されたように、EPI疾患のブタモデルにおいて試験した。
この12日間試験は、夜間の追加的Gチューブ栄養補給のためのデバイス200の効果を模倣するために使用された。この実験では、実施例13において説明されたような膵管結紮手術を14匹のブタに対して行って膵外分泌機能不全(inefficiency)を発生させた。手術された14匹のブタのうち11匹のブタのみが完全な膵機能不全を発症し、この試験に使用された。
膵管結紮手術の前、手術後、および試験前期間の間、ブタに、17.5%の粗タンパク質、3.9%の粗繊維、および3.5%の粗脂肪、5.2%の5000IE/kgのビタミンA、500IE/kgのビタミンD、および85mg/kgのビタミンEを含有する標準的なブタ用規定食を経口的に栄養補給した。7AMおよび3PMの1日2回(食事当たり2.0%体重)栄養補給を行った。
12日間試験の間、対照群内の5匹のEPIブタに、Gチューブを介して非加水分解Peptamen AF(登録商標)を栄養補給し、試験群内の6匹のEPIブタに、Gチューブを介してデバイス200を使用して事前に加水分解されたPeptamen AF(登録商標)を栄養補給した。ブタには、日中、平均的なヒト用高脂肪食(約1400kcal/日/ブタ)と同様の標準固形食を栄養補給した。EPI患者におけるデバイス200の一般的な用途となるであろう夜間の経腸栄養補給を模倣するために、夜にGチューブを介して2mL/分の流量で4時間にわたりEPIブタにさらに750カロリーを追加した(500mL;1.8g Ω−3、Peptamen AF(登録商標)、Nestle Nutrition、EU)。試験で使用されるデバイス200には、粒子300に付着した1gのリパーゼ710を手作業で満たした。Peptamen AF(登録商標)は、事前に加水分解されたタンパク質を提供する消化態経腸調合物である。Peptamen AF(登録商標)は事前に加水分解されたタンパク質を含有し、デバイス200の使用は脂肪を効率的に加水分解するため、タンパク質消化のためのPERTカプセルの使用は行われなかった。酸化して速やかに腐敗する遊離脂肪酸およびモノグリセリドとは対照的に、事前に加水分解されたタンパク質は、事前にパックされた経腸調合物中で安定である。
14.1 試験デザインおよび手順
この12日間試験期間の間、図42に示されるように、EPIブタを、体重および健康状態に基づいて対照群(「PepAF」)および試験群(「PepAF+デバイス」)の2つの群に無作為化した。
1)対照群:5匹のEPIブタを加え、日中7AMおよび3PMに2回、固形食を栄養補給した。7PMから11PMの夜間、4時間の期間中にGチューブ栄養補給を用いて500mLの非加水分解Peptamen AF(登録商標)を提供した。
2)試験群:6匹のEPIブタを加え、日中7AMおよび3PMに2回、固形食を栄養補給した。7PMから11PMの夜間、4時間の期間の経腸栄養補給中に、デバイス200を用いて事前に加水分解された500mLのPeptamen AF(登録商標)を提供した。
実験は12日間続け、試験の間毎晩Gチューブ栄養補給を行った。試験の最後の3日には、3回の24時間便および尿試料を採取した。試験の最終日、殺処分の直前に、タンパク質および脂肪プロファイル、ならびにLC−PUFA吸収のマーカーとしての血液中のDHAおよびEPAレベルの測定値をとるために、空腹時の朝の血液試料を採取した。
食物および便試料中の脂肪およびタンパク質含量の測定
12日間試験の最後の3日間便試料を採取し(3×24時間)、重量を記録した。各試料からの少量を、タンパク質吸収係数(%CPA)および全LC−PUFAに関して測定した。
タンパク質便測定は、窒素糞便損失に基づいて推定した。窒素レベルは、標準的Kjedhal法を使用して、食物試料および採取した糞便試料中で測定した。タンパク質吸収係数(CPA%)は、以下のように計算した。
血漿脂質プロファイルは、脂肪血指数(LI)に基づいて推定した。脂肪血指数は、以下により計算した。
脂肪血指数=(OD660nm−OD700nm)×100%
各血漿試料は2回測定した。
14.2 結果
全てのブタは、正常な挙動を示し、デバイス200を介したGチューブ栄養補給に関連する有害事象は記録されなかった。表17に示されるように、食物摂取は正常であり、EPI対照群(「PepAF」)と、事前に加水分解された調合物が栄養補給された試験群(「PepAF+デバイス」)との間で同様であった。脂肪便は、膵機能不全(脂肪の低い加水分解に起因する脂質吸収不良)を有する人々に見られる一般的な症状であり、72時間便重量により示されるように、対照群と比較して試験群において低減された。
CFA%と、EPA(rs=0.81;p=0.003)、DHA(rs=0.672;p=0.027)およびPUFA(r
s=0.736;p=0.013)の血漿レベルとの間には正の相関が見られた。
この試験に重要であると考えられる安全性パラメータの1つは、成長であった。これは、デバイス200を使用した夜間Gチューブ経腸栄養補給を使用した12日間試験にすぎないことが留意されるべきである。デバイス200を使用したこの短い期間であっても、PepAF+デバイス群において成長の改善が観察された(試験群での6.7%の増加対対照群での5.3%の増加、p=NS)。体重変化を、表18に示す。
試験の終了時に、血中脂肪プロファイルおよびオメガ3脂肪酸のレベルの推定のために、血液試料を採取した。表19に示されるように、血漿TGレベルは正常であり、群間で同じであったが、コレステロールおよびHDLは、事前に加水分解されたPeptamen AF(登録商標)が栄養補給されたブタにおいて増加し、これは、改善された脂肪吸収、およびコレステロールレベルの正常化への傾向を示唆している(健康ブタにおける正常コレステロール範囲は、3〜4mmol/Lである)。p値は、全コレステロールおよびHDLレベルにおける対照とPepAF+デバイス群との間の差に関して、
*p<0.05である。TGは、正常範囲内であった。
安全性試験の一部として、デバイス200による事前に加水分解されたPeptamen AF(登録商標)の12日間の連続栄養補給後の小腸の形態学的構造(粘膜厚さおよび上皮性構造)を観察し、非加水分解Peptamen AF(登録商標)が栄養補給されたブタの構造と比較した。対照として、同じ固形高脂肪食が栄養補給された健康ブタの群およびEPIブタの群(固形食のみが栄養補給されたEPIブタ、補助的経腸Gチューブ栄養補給なし)を含めた。
小腸は、胃腸において最も弱い部位の1つ、および食物からの栄養素のほとんどが血液循環中に吸収される部分として選択された。この試験において、小腸の中央部分を分析した。
図43に示されるように、小腸からの試料の組織病理学検査および形態計測分析の結果もまた、以下によって実証されるように、デバイス200による事前に加水分解された調合物の摂取が安全であることを実証している。
1)事前に加水分解された、または非加水分解Peptamen AF(登録商標)の使用に関わらず、小腸の中央部分における病変がないこと。
2)非加水分解調合物が栄養補給された対照群と比較して、わずか12日間の事前加水分解Gチューブ栄養補給後のPepAF+デバイス群における粘膜厚さの若干の増加傾向。
全体的な粘膜厚さは、固形食が栄養補給された健康ブタと比較して、事前に加水分解された、または非加水分解Peptamen AF(登録商標)の栄養補給に関わらず、ブタにおけるEPI疾患に起因して両方のEPI群において低減された。興味深いことに、固形高脂肪食のみが栄養補給されたEPIブタと比較して、両方のPeptamen AF(登録商標)Gチューブ栄養補給群において粘膜厚さが改善されたが、これは小腸の再構成能力を示している。
わずか12日間の夜間Gチューブ栄養補給後、DHAレベルが442.8±154.1ng/mLであり、EPAレベルが190.8±23.1ng/mLであった非加水分解調合物が栄養補給された対照群(PepAF)と比較して、事前に加水分解された調合物が栄養補給されたEPIブタ(PepAF+デバイス)における基礎脂肪酸DHAおよびEPA空腹時血中レベルは、DHAでは727.6±164.9ng/mLに増加し(p=0.008)、EPAでは512.6±81.6ng/mLに増加した(p<0.001)。図44および表20は、ベースラインから12日目までの経時的な平均変化を示す。
表20における結果は、群の平均±SDとして示されている。DHAおよびEPAは、ng/mlとして測定された。p値は、DHAではPep AF+デバイス対PepAFの間の差に関して*p=0.008であり;EPAではPep AF+デバイス対PepAFの間の差に関して**p=0.001である。
健康対照群は、DHAでは753.3±102.2ng/mL、およびEPAでは138.1±10.0ng/mLの平均ベースラインレベルを有していた。これは、最も複雑な脂肪(より長い炭素鎖および二重結合)、例えばDHAおよびEPAトリグリセリドを含む脂肪を加水分解し、遊離脂肪酸およびモノグリセリドの容易に吸収され得る形態でそれらを提供するデバイス200の効率を示している。Peptamen AF(登録商標)は、ラベル表示に基づいて、主としてEPAおよびDHAトリグリセリドの形態の合計1.8gのオメガ3脂肪を有する。DHAおよびEPAレベルは、嚢胞性線維症を有する人々および発育が未熟な乳児において不足しているため、デバイス200を使用したわずか12日間の夜間Gチューブ栄養補給における生理学的に関連するLC−PUFA脂肪のこの改善は、潜在的に有益な臨床上の意義を有する重要な所見である。
さらに、非加水分解調合物が栄養補給された対照群と比較して、事前に加水分解された調合物が栄養補給された試験群に対して、12日間の栄養補給の終了時に、血漿中の全脂肪酸変化を評価した。表21において示されるように、デバイス200の使用による特定の長鎖多価不飽和脂肪酸の取込みの増加は、オメガ6対オメガ3比の統計的に有意な低減をもたらした。健康対照群は、8.7±0.8のオメガ6対オメガ3平均ベースライン比を有していた。DHAおよびEPAは、100gの全脂肪酸に対するDHAまたはEPAのグラムとして測定された。ベースラインと12日目との間の差に関して、p値は
*p<0.05である。
改善された脂肪吸収およびLC−PUFA吸収の効果を評価するために、各ブタの肺、網膜、心臓、肝臓、小腸、および赤血球(RBC)中の脂肪酸含量のバイオアベイラビリティ分析を行った。それぞれの組織におけるDHAおよびEPA沈着の結果を、表22および表23に示す。
結果は、群の平均±SDとして示されており、12日目のPepAF+デバイス対PepAFの間の差に関して、*p<0.05である。
全ての試験された組織において、非加水分解調合物が栄養補給された対照群と比較して、デバイス200を使用して事前に加水分解された調合物が栄養補給された試験群において、EPAのレベルの有意な増加が実証された。興味深いことに、約100日の半減期を有するRBCにおいてさえも、EPAレベルの37%の有意な増加が観察された。DHAの測定されたレベルは、心臓およびRBCを除く全ての分析された組織において有意に上昇した。
膵液分泌量不全および/または脂肪吸収不良を有する患者は、血漿および組織中の脂肪酸欠乏のより高いリスクを有し、これは、様々な有害な生理学的効果、例えば膜および細胞機能の改変、ならびに脂肪の低い加水分解に起因する調合物の忍容性の低減に関連し得る。したがって、デバイス200を使用した経腸栄養補給は、そのような欠乏の低減を助けることができ、および/または粘膜厚さを正常化することができ、これは、小腸の再構成能力、および胃腸症状の改善を示す。
Gチューブ栄養補給後の血中脂質プロファイルの変化を実証するために、試験の最終日に、固形食の前、固形食から4時間後、ならびに経腸Gチューブ栄養補給の前および後に、血液試料を採取した。LIは、全血中脂肪の食後変化を測定するために使用される、単純な比濁方法である。
図45に示されるように、LIの変化として測定された全脂質吸収は、非加水分解Peptamen AF(登録商標)が栄養補給された対照群と比較して、事前に加水分解されたPeptamen AF(登録商標)が栄養補給された試験群からのブタにおいて増加した。計算AUCt12〜24h値は、事前に加水分解された調合物が栄養補給された試験群において有意に増加し(11.1±1.29対20.8±8.6;p<0.05)、デバイス200を使用した際の容易に吸収可能な脂肪の効率的な送達を示していた。
図46に示されるように、この試験における驚くべき結果は、デバイス200を使用して事前に加水分解された調合物が栄養補給された試験群のブタ(PepAF+デバイス)によるタンパク質吸収が、糞便窒素レベルの変化により測定されるように、およびタンパク質吸収係数として表されるように(61.2±0.9%対66.9±2.8%、p=0.001)、非加水分解調合物が栄養補給された対照群と比較して9%改善したことであった。Peptamen AF(登録商標)は、事前に加水分解されたタンパク質をすでに含有し、タンパク質吸収の差は予測されなかったため、これは驚くべきことである。デバイス200からの事前に加水分解された脂肪は、胃腸管においてより低い非加水分解脂肪をもたらすことができ、これにより炎症が低減され得、粘膜厚さが増加され得、小腸の再構成能力が改善され得、ひいてはタンパク質および他の栄養素の吸収の向上が支援され得ると仮定される。
表24に示されるように、この試験における別の驚くべき結果は、デバイス200の使用が、試験群において脂溶性ビタミン(ビタミンD、E;p<0.05)のより効率的な取込みを促進すると思われることであった。脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は、膵液分泌量不全または脂肪吸収不良を有する人々において低減されることが示されている。
これらの予想外の結果は、デバイス200を使用して事前に加水分解された調合物が栄養補給された試験群が、調合物中の他の栄養素、例えばタンパク質およびビタミンのより良好な吸収を有し得ることを示しており、これは最終的に、調合物中の栄養素を必要とする対象に有益となり得る。
(実施例15)
例示的デバイス200を使用した、およびいかなるデバイス200も使用しない単回Gチューブ栄養補給後のEPIブタにおける全脂肪および遊離脂肪酸の24時間薬力学的プロファイルの比較
この試験は、標準的Gチューブ栄養補給と比較した、例示的デバイス200を使用した単回Gチューブ栄養補給後の500mLのPeptamen AF(登録商標)(750kcal、32gのTG−脂肪からの約30%のカロリー、Nestle Nutrition、EU)からの脂肪吸収を評価するために行われた原理試験の薬力学的証明である。この実験において使用された例示的デバイス200は、実施例3において使用されたものと実質的に同様であった。例示的デバイス200を使用して事前に加水分解されたPeptamen AF(登録商標)(2mL/分の流量、試験群、n=6)および非加水分解Peptamen AF(登録商標)(対照群、n=5)を、約5時間の期間にわたり「ナイーブ」絶食EPIブタに投与した。EPIブタは、実施例13に記載のように準備した。24時間処置期間前の2日間のウォッシュアウトの後、EPIブタをベースラインレベルに戻してから反対の群に入れ替え、したがって各ブタはそれ自身の対照として機能した。2日間のウォッシュアウト後、同じ歳および種の3匹のブタの健康対照群を加えた。この24時間の試験期間中、ブタに提供された唯一の食物がGチューブを介するものであった。
EPIブタを、体重および健康状態に基づいて対照群(「PepAF」)および試験群(「PepAF+デバイス」)に無作為化した。約5時間の期間中、対照群にはGチューブを介して500mLの非加水分解Peptamen AF(登録商標)を栄養補給し、試験群にはGチューブを介してデバイス200を使用して事前に加水分解された500mLのPeptamen AF調合物を栄養補給し、ブタの健康対照群にはGチューブを介して非加水分解Peptamen AF(登録商標)を栄養補給した。Gチューブ栄養補給は、約10:00AMに開始し、血液試料をGチューブ栄養補給の開始前(ベース採取)、ならびに1時間、3時間、5時間、7時間、10時間、12時間、16時間、20時間、および24時間の時点で採取した。
脂肪血指数(LI)での全脂肪含量の推定のために、各ブタの10個の血液試料を24時間の試験期間にわたり採取した。また、DHAおよびEPA遊離脂肪酸の濃度の変化を測定した。
図47に示されるように、脂肪血指数(LI)により測定されるような脂肪吸収は、5時間の栄養補給時間中、およびその直後の非加水分解Peptamen AF(登録商標)が栄養補給されたPepAF群と比較して、PepAF+デバイス群において有意に改善された。計算AUC0〜10h値は、PepAF群と比較してPepAF+デバイス群において有意に増加した(11.5±1.99対9.1±1.63;p=0.023)が、これは、経腸Gチューブ栄養補給回路におけるデバイス200の使用により、脂肪吸収が改善されたことを示している。
EPAおよびDHAはLC−PUFA吸収の最も重要なバイオマーカーの1つとなるため、事前に加水分解されたPeptamenAF(登録商標)のGチューブ栄養補給後のこれらの遊離脂肪酸の血漿濃度もまた測定した。図48Aおよび図48Bに示されるように、デバイス200の使用により、EPAおよびDHA脂肪酸の吸収の有意な改善が実証された。デバイス200は、対照群と比較して、試験群においてEPAおよびDHA(最も複雑および最長のトリグリセリド鎖)を効率的に加水分解した。重要なことに、薬力学的24時間プロファイルは、健康ブタと、デバイス200を使用してGチューブを介して事前に加水分解された調合物が栄養補給されたEPIブタとの間で重複したが、これは、デバイス200を使用して事前に加水分解されたPeptamenAF(登録商標)の吸収が、健康ブタのそれと比較してほぼ正常化されたことを示している。
表25に示されるように、デバイス200を使用して加水分解された調合物は、非加水分解調合物が栄養補給された対照群と比較して、試験群における24時間にわたる血漿レベルにおける、全脂肪吸収の統計的に有意な増加、ならびにオメガ3脂肪酸(DHAおよびEPA)の取込みの改善に関連した(p<0.05)。
表25において、DHAおよびEPAは、100gの全脂肪酸に対するDHAまたはEPAのグラムとして測定されている。結果は、群の平均±SDとして示されている。p値は以下の通りである。DHAでは、24時間にわたるPepAF+デバイス対PepAFの間の差に関して*p=0.0005;EPAでは、24時間にわたるPepAF+デバイス対PepAFの間の差に関して**p<0.0001。
表26において示されるように、デバイス200の使用による特定の長鎖多価不飽和脂肪酸の取込みの増加は、オメガ6対オメガ3比の統計的に有意な低減をもたらした。以前の研究では、バランスのとれたオメガ6脂肪酸対オメガ3脂肪酸比が、正常な発達、免疫機能、および全体的健康を維持する上で有益であることが示されている。
表26において、DHAおよびEPAは、100gの全脂肪酸に対するDHAまたはEPAのグラムとして測定されている。結果は、群の平均±SDとして示されている。p値は、PepAF+デバイス対PepAFのベースラインおよび24時間の間の差に関して、*p<0.0001である。
デバイス200を使用して事前に加水分解された調合物の単回送達は、安全であり、十分忍容性があり、嘔吐または下痢は記録されなかった。デバイス200を使用して事前に加水分解された500mLのPeptamen AF(登録商標)のGチューブ栄養補給は、有意に改善された全脂肪吸収、ならびに生理学的に関連したLC−PUFA、例えばEPAおよびDHAの正常化された薬力学的プロファイルをもたらした。
(実施例16)
デバイス200を使用した脂肪吸収を評価するためのCF患者のヒト試験
経腸栄養法を受けている嚢胞性線維症(CF)および膵液分泌量不全を有するヒト患者の前向き対照無作為化二重盲検交差試験を行って、脂肪吸収、胃腸症状、およびデバイス200を使用した栄養調合物の忍容性を評価した。この試験の間使用されたデバイス200は、以下のデバイス実施例1において説明されている。膵液分泌量不全を有する患者と同様に、CFを有する患者は、以前に、DHAおよびEPAを含むLCPUFAが不足していることが示されている。CFを有する人々は、異常な脂肪酸代謝を有する傾向があり、AAの増加した放出および高い代謝回転、ならびに血漿、赤血球、血小板、および組織中のDHA、EPAおよびLAのレベルの低下を伴う。
血漿測定は、一般に、栄養調合物の経腸栄養補給を含む、脂肪酸吸収の正確な評価を可能にする。DHAおよびEPAの血漿レベルの測定は、体によるDHAおよびEPA吸収の正確な評価を提供すると考えられる。体内で合成されるDHAおよびEPAの量はごくわずか(<1%)であるため、DHAの血漿レベルは、食事摂取により主に影響される。さらに、20炭素鎖から22炭素鎖の多価不飽和脂肪としてのDHAおよびEPAは、他の脂肪酸、例えば単純な中鎖脂肪酸および飽和脂肪に比べて吸収されにくい。したがって、経腸栄養補給後のDHAおよびEPAの血漿レベルの変化は、脂肪吸収の高感度の指標となり得、一般に食事からの脂肪吸収の代理バイオマーカーの代表として機能し得る。一定量のある特定の脂肪酸、例えばDHAおよびEPAを含有する栄養調合物の使用もまた、経腸栄養補給後の脂肪吸収の正確な測定を可能にする。したがって、DHAおよびEPAの血漿レベルが、この試験における脂肪のバイオマーカーとして選択された。以前の試験は、トリグリセリドの摂取後の脂肪酸の血漿取込みに注目していたが、本試験は、デバイス200を使用して生成された事前に加水分解されたトリグリセリドの摂取後の脂肪酸(すなわち、遊離脂肪酸およびモノグリセリド)の血漿取込みに注目した。
試験の一部として、5歳から34歳の範囲の年齢の33人のCF患者を採用した。試験は、7日間のベースラインおよび慣らし期間(期間A)、11日間の二重盲検交差期間(期間B)、および9日間の非盲検安全性期間(期間C)で構成された。各患者は、期間Bの間、交差様式で2つの試験処置(デバイス200またはプラセボ)を受けた。
期間A(−7日目から−1日目)の間、患者に対してベースライン評価が行われ、経腸栄養摂取が標準化され、患者は、経腸栄養投与に関連した胃腸症状を評価するために開発されたツールである7日間胃腸症状日誌を維持した。試験開始時、患者は、経腸栄養における使用および実践を評価するために、またある特定の日常生活動作(ADL)に対する経腸栄養の影響を評価するために開発された試験特定のツールである、影響に関する質問票に記入した。この期間中、患者は、日中の膵酵素補充(PERT)の使用、または夜間の経腸栄養補給を含む標準的治療を再開した。
期間Bの1日目(1日目から11日目)、患者を、有効なデバイス200またはプラセボ経腸デバイスでのImpact(登録商標)Peptide 1.5(Nestle Health Science 750kcal、500mL当たり32(g)の脂肪および2.45(g)のDHA/EPA)を使用したチューブ栄養補給セッションに、1:1の比で無作為化した。栄養補給セッションは、4時間継続した。患者は、9日目に、第2の交差処置のために戻された。1日目にデバイス200によるチューブ栄養補給を受けた患者は、9日目にはプラセボデバイスによるチューブ栄養補給を受け、またその逆も行った。このようにして、各患者は、自身の対照として機能した。栄養補給セッションは、同じく4時間継続した。1日目および9日目は、7日間のウォッシュアウト期間で隔てられた。投与を行う1日目および9日目に、血液試料を採取して、0時間、1時間、3時間、7時間、9時間、12時間、および24時間での血漿脂肪酸レベルを評価した。超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)を使用して、DHAおよびEPAの濃度に関して血漿試料を分析した。
期間C(12日目から20日目)の間、全ての患者に、12日目から18日目に標準化された夜間経腸栄養調合物(Impact Peptide 1.5)と共にデバイス200を使用するよう指示した。期間Aと同様に、患者は、連続7日間胃腸症状日誌を維持し、標準的治療に従った。最終日に、影響に関する質問票の実施を繰り返した。
試験結果は、デバイス200の使用が、PERTのみの使用と比較して、栄養調合物の経腸栄養補給に対する忍容性を改善し、胃腸症状を低減したことを示していた。デバイス200の最大1,000mLの調合物との使用は、胃腸症状を低下させ、期間Cの間(デバイス200の使用)、期間Aと比較して、胃腸症状の発生率および重症度の両方が減少した。期間Cの最後に、より多くの患者が、消化器症状がないことを報告し、また、チューブ栄養補給が食欲または食事もしくは間食をとる能力を減少させなかったことを報告した。PERTのみを使用した場合と比較して、デバイス200を使用した場合、朝食を抜いた患者はより少なかった(33%対48.5%)。これは、胃腸症状の低減(悪心、膨満感、満腹感の低減)に起因し得、これによって患者は空腹感を覚えた、または再び食べることができるようになった。結果として、デバイス200の使用は、患者の体が吸収し得る脂肪の量を増加させるだけでなく、患者がより少ない胃腸症状を有することからより多く食べることができるようにすることによって、カロリー摂取を増加させ得る。期間A対期間Cにおいて個々の症状を報告する患者の数を、以下の表27に示す。1名の患者は、期間Aにおいて7日間胃腸症状日誌に記入しなかった。
DHAおよびEPAの両方の血漿レベルは、デバイス200を使用した500mLの栄養調合物の単回経腸チューブ栄養補給の実施中および実施後に有意に増加した。血漿中のDHAおよびEPAの最大濃度は、7時間の時点で生じ、図49Aに示されるように、ベースラインのほぼ300%上であった。DHAおよびEPAのバイオアベイラビリティの測定は、DHAおよびEPAの24時間の間隔期間(T0から24時間)の曲線下面積(AUC24)、濃度ピーク(Cmax)および最大濃度到達時間(Tmax)を評価することにより決定された(絶対およびベースライン調整後)。図49Bに示されるように、血漿中の全DHAおよびEPA濃度の絶対的増加が見られた。実際に、この試験中にデバイス200を使用して達成された血漿濃度の増加は、DHAおよびEPAの濃度を、AUC24に関して正常集団において一般的に見られる血漿レベルの範囲内にした(p<0.0001)。
デバイス200の使用は、LA(p<0.05)と同様に、DHAおよびEPA(p<0.01)の両方の吸収における統計的に有意な改善を示した。AUC24により測定されるように、全EPAおよびDHA吸収の2.4倍の改善が観察され、Cmaxにより測定されるように、全EPAおよびDHA吸収の2.2倍の改善が見られた。EPAおよびDHA吸収におけるこの改善は、CF患者の脂肪酸プロファイルを、正常集団の脂肪酸プロファイルとより一致させた。
デバイス200の使用は、小児部分集団におけるLCPUFA吸収を有意に増加させた(p<0.05)。DHAおよびEPAの血漿濃度のAUCは、プラセボと比較して、デバイス200の使用によって有意により高かった。同様に、DHAおよびEPAの24時間での最大血漿濃度(C
max)は、プラセボと比較して、デバイス200の使用によって有意により高かった。全ての年齢群において同様の結果が観察され、結果は、以下の表28に示されるように、子供(5〜12歳)および青年期(13〜21歳)の試験部分集団において統計的に有意であった。AUCにおいて年齢群の間に見られる絶対的変化は、体重kg当たりのDHAおよびEPAの用量を反映し得る。
食物摂取の大部分を栄養調合物に頼っている患者は、不規則な脂肪酸プロファイルを有することが多い。その脂肪プロファイルは、いくつかの脂肪、例えば飽和脂肪およびパルミチン酸の過剰吸収を示す傾向があり、また他の脂肪、例えばLCPUFA、特にDHA、AA、およびEPAの吸収不足を示す傾向がある。DHA、AA、およびEPA等のLCPUFAを含むより複雑な脂肪酸は、体によって消化されてその後吸収されるのがより困難である。この試験からの結果は、脂肪がより複雑(より長い鎖長およびより多数の二重結合)となるにつれて、体による吸収の増加の程度が、血漿レベルの増加により示されるように、デバイス200の使用により増加することを示している。より複雑でない脂肪は、デバイス200の使用により吸収のわずかな増加を示した。これは、デバイス200が、より複雑な脂肪を効果的に加水分解し(これは、脂肪吸収不良を有する人々、特に未熟膵臓または膵臓不全を有する者において欠乏している)、より複雑なLCPUFAの吸収の増加を可能にすることを示している。脂肪の複雑性と、脂肪吸収の増加の程度との間の直接的な関係が、この試験におけるCF患者の脂肪酸プロファイルの変化を補助し、正常集団の脂肪酸プロファイルにより類似するプロファイルにした可能性がある。
CFを有する人々はLCPUFAの欠乏を示すため、またLCPUFAの血漿取込みが遅いため、ある特定の脂肪に関しては、ベースラインからの初期の生理学的低減が見られる。デバイス200は、容易に吸収可能な脂肪酸を提供し、それによりデバイス200が使用されなかった場合に見られるベースライン低減を低減する能力を示した。
デバイス200の使用は、CFおよび脂肪吸収不足等の未熟膵臓および/または膵外分泌機能不全を有する人々において欠乏していることが公知である、生理学的に関連した重要なLCPUFA(DHA、EPA)のバイオアベイラビリティにおいて、臨床的に重要な増加をもたらした。CFを有する人々は、DHAおよびEPA取込みの不全だけでなく、代謝欠陥も有することが公知であるため、この試験における応答の程度は、CFを有する人々において予測される程度を超えるものであった。しかしながら、試験は、ポイントオブケアでLCPUFAを事前に加水分解するためのデバイス200の使用が、血漿含量および胃腸症状の低減の増加により示されるように、CF患者が全脂肪を、特にLCPUFAをより容易に吸収することを可能にし、試験患者の脂肪酸プロファイルを、正常集団のプロファイルとより一致させることを示している。血漿中へのLCPUFA取込みを増加させる能力は、CF患者における炎症レベルにおいて役割を担い得る。AAとDHAとの比は、適切な炎症反応の維持に直接関与し、したがって、炎症性産生物が増加した粘液放出ならびに好中球の流入および活性化の原因となり、さらなる炎症をもたらすため、デバイス200がAAとDHAとの比を改善することができる場合、デバイス200の使用はまたCF症状を減少させることができる。AAの炎症性エイコサノイド代謝物(プロスタグランジン、ロイコトリエン、リポキシン)は、疾患の重症度に相関する。
デバイス200を使用して容易に吸収可能なDHAおよびEPAを提供することによって、より効果的な栄養管理を容易化するための用量応答予測の概要をより効果的に得ることが可能となり得る。
(実施例17)
早産ブタモデルにおいて乳児用調合物の投与に使用されたデバイス200の評価
この試験は、Similac Special Care 24乳児用栄養調合物の経腸gチューブ栄養補給中のデバイス200の使用を試験した。この試験の間使用されたデバイス200は、以下のデバイス実施例1において説明されている。
この試験は、約30週間の在胎期間で出生したヒト新生児に近い動物モデルである早産仔ブタの経腸栄養補給におけるデバイス200の安全性、忍容性および有効性を評価した。この試験は、早産新生児における経腸栄養補給を模倣することを意図していた。実験は、満期の7〜8日前(107/108日目;満期は115日)に2匹の雌ブタから帝王切開により出生した15匹の早産仔ブタ(雄8匹および雌7匹)において行った。試験は、並行9日間有効性試験としてデザインされ、15匹の仔ブタは、体重および健康状態に基づいて、以下の2つの群に無作為化した。
a.群1:非加水分解Similac Special Care 24 with Iron(59mL、24Kcal、0.25%DHAおよび0.40%AA、Abbott Nutrition)が栄養補給された7匹の仔ブタの対照群;
b.群2:脂肪を事前に加水分解するためにデバイス200に通過させた後のSimilac Special Care 24 with Ironが栄養補給された8匹の仔ブタの処置群。
処置群において、栄養調合物は、1mL/分の流量でデバイス200を通して送達された。
Similac Special Care 24 with Ironは、典型的な早産調合物の代表である。これは、低出生体重児および未熟児の成長を促進するための鉄強化栄養補給調合物である。この調合物の脂肪含量は、中鎖トリグリセリド、大豆およびココナツ油の組合せであり、全脂肪含量のうち、0.25%がDHAであり、0.40%がAAである。
早産児試験の結果は、9日の期間の事前に加水分解された脂肪の経腸栄養補給のためのデバイス200の使用が、安全で十分忍容性があったことを示している。仔ブタの処置群は、胃腸不耐性、嘔吐、下痢、または腹部膨満の徴候の非存在を含め、有害な臨床徴候を示さなかった。栄養補給体積は、成長および栄養補給忍容性に基づいて毎日調整され、試験期間中、2つの群の間で同様であった(対照群では127mL/kg/日、および処置群では129mL/kg/日の平均調合物摂取)。処置群はまた、体重の全体的増加、吸乳本能の発達、ならびに爪、毛、および筋力の成長を示した。また、遊離脂肪酸およびモノグリセリドの形態の事前に加水分解された脂肪の経腸栄養補給に起因し得る、小腸または大腸における組織病理学的所見は見られなかった。
早産児は、最適以下の成長を経験することが多く、これは、器官の発達、感染症に対する脆弱性、および呼吸器または腸管障害に影響し得る。最適以下の成長は、一般に、膵臓および腸管の未熟さ、ならびに、脂肪消化およびその後の脂肪吸収に必要な胆汁塩刺激リパーゼの不足に起因する、低い脂肪消化および低い栄養吸収の結果である。デバイス200を使用して加水分解された栄養調合物の9日間の経腸栄養補給は、脂肪吸収を有意に改善し、これは、対照群と比較して、処置群における3.6g/kg/日の改善された成長速度をもたらした(対照群17.5±6.6対処置群21.1±4.6g/kg/日)。事実、対照群と比較して、処置群において成長速度の21%の増加が記録された(p=0.179)。1日の調合物体積は、群の間で一致していたことに留意することが重要である。
DHAおよびAAの血漿濃度レベルに対するデバイス200の使用の効果を実証するために、ベースライン(デバイス200の使用前)および処置期間の終了時(処置の9日目)において、血中レベルを分析した。9日間の使用後、処置群において、血漿DHAおよびAA濃度にそれぞれ15%および22%の有意な増加が示された。9日目を通したDHAおよびAAのベースラインからの血漿レベルの増加は、以下の通りであった。
i.DHA:
1.対照:51.6±7.4から51.4±15.8ug/mL、p=有意ではない
2.処置:47.4±5.4から55.7±6.7ug/mL、p=0.005
ii.AA:
1.対照:95.4±16.5から105.3±32.1ug/mL、p=有意ではない
2.処置:87.5±14.9から112.2±27.4ug/mL、p=0.047
上に示されたように、対照群におけるベースラインのDHA血漿レベルは51.6±7.4ug/mLであり、試験の終了時に変化しなかった(51.4±15.8ug/mL、0.4ug/mLの差)。対照的に、処置群において、DHA血漿レベルは、ベースラインの47.4±5.4ug/mLから9日間の使用後の55.7±6.7ug/mLまで、8.3ugL/mL増加した(p=0.005)。
DHAの濃度の増加と同様に、AAの血漿レベルは、デバイス200の使用による9日間の試験にわたり、わずか9.9ug/mLの増加(10%の増加)が見られた対照群と比較して、処置群において24.7ug/mL増加した(28%の増加)。
また、対照群と比較して、処置群において重要なLCPUFAの糞便脂肪損失の有意な低減が見られ、これは、仔ブタにデバイス200を使用して事前に加水分解された脂肪が栄養補給された場合の脂肪吸収の改善を示唆している。この糞便脂肪損失の低減は、試験中に観察された血漿レベルの改善に対応する。便中の重要な脂肪酸のレベル(g/100gの脂肪酸(全脂肪%))を、以下の表29に示す。
さらに、中鎖脂肪酸(C8〜C12)の糞便含量もまた、デバイス200の使用により54.7%低かった(対照15.77±7.66対処置7.13±4.96g/100gFA、p=0.009)が、これは乳児用調合物からの全トリグリセリドの効率的な加水分解を示している。
また、対照群と比較して、処置群において小腸の腸細胞等の選択された組織中へのLCPUFA取込みの改善もまた見られた。さらに、処置群において、タンパク質プロファイル、グルコース、トリグリセリドまたはコレステロールレベルに対する悪影響は観察されなかった(処置群と対照群との間に有意な差は見られず、レベルは両群においてその年齢に対する正常な範囲内であった)。
要約すると、デバイス200の、9日間の未熟乳児用調合物を用いたgチューブ経腸栄養補給との使用は安全であり、十分忍容性があった。事前に加水分解された脂肪の送達は、体重の改善(標的臨床範囲内)、ならびに全およびLCPUFA脂肪吸収の増加をもたらし、これは血漿レベルの有意な増加および糞便脂肪含量の減少により実証された。
(例示的なデバイス200)
(デバイス実施例1)
デバイス200の例示的な実施形態は、以下に記述される特徴の組合せを含んでいてもよい。デバイス200は、チャンバ222を画定し得る中空の円筒状内部領域を含んでいてもよい。チャンバ222は、凡そ1.56cmの内径、凡そ1.94cmの高さ、および凡そ3.70mLの体積を有していてもよい。デバイス本体210の外面は、円筒状であってもよく、または把持が容易になるように成形されていてもよい。例えば、デバイス本体210の外側断面は多角形であってもよく、例えば六角形であってもよい。デバイス本体210の長さは、凡そ4.42cmであってもよく、第1のコネクタ240および第2のコネクタ270は、それぞれデバイス本体210の上部および底部領域から延びてもよい。第1および第2のコネクタは、経腸デバイスと共に使用される標準のENFitコネクタであってもよい。第1のコネクタ240は雌コネクタであってもよく、第2のコネクタ270は雄コネクタであってもよく、またはその逆も同様である。雌コネクタは、入口領域で、出口領域の雄コネクタの内径よりも大きい内径を有していてもよく、したがって雌コネクタはその内部に雄コネクタを収め得る。例えば第1のコネクタ240は、入口領域で凡そ6.3mmの内径を有していてもよく、またはそうでない場合には、ENFit規格に合うようにサイズ決めされていてもよい。第2のコネクタ270は、出口領域で凡そ1.9mmの内径を有していてもよく、またはそうでない場合には、ENFit規格に合うようにサイズ決めされていてもよい。第1および/または第2のコネクタとデバイス本体210とは、熱可塑性エラストマーまたは剛性プラスチックで、例えばポリカーボネートで形成されてもよい。一部の実施形態では、デバイス本体210は、ユーザがデバイス200の内容物を見ることができるように、例えばチャンバ222内に含有された粒子300または使用中にデバイス200を通過する調合物を見ることができるように透明な、ポリカーボネートなどの剛性プラスチックで作製されてもよい。
入口フィルタ250は入口212に隣接して位置付けられてもよく、出口フィルタ260はデバイス200の出口230に隣接して位置付けられてもよい。フィルタは共に、ポリエチレンで形成された、曲がりくねった経路のフィルタであってもよい。上記にて論じたように、曲がりくねった入口フィルタ250は、チャンバ222にわたってより均一に、入ってくる栄養調合物の分散を促進させてもよく、または脂肪滴の破壊および/または入ってくる栄養調合物の乳化を促進させてもよい。出口フィルタ270は、チャンバ222内に粒子300を効果的に保有するために、曲がりくねったフィルタであってもよい。入口および出口フィルタは、製造またはサプライチェーンプロセスを単純化するために、同じ種類のフィルタであってもよい。入口フィルタの直径は凡そ15.0mmであってもよく、入口フィルタ250は、凡そ3.2mmの厚さおよび凡そ100μmの孔径を有していてもよい。出口フィルタの直径は凡そ17.1mmであってもよく、入口フィルタ260は、凡そ3.2mmの厚さおよび凡そ100μmの孔径を有していてもよい。一部の実施形態では、出口および入口フィルタの特定のサイズは、部分的には製造上の留意事項に依存してもよい。例えば、デバイス200にフィルタを組み込むのに圧入が使用される場合、製造中に最初に挿入されるフィルタは、デバイス200に2番目に挿入されるフィルタよりも、その直径が小さくてもよい。
この例示的なデバイス200のチャンバ222は、平均直径が凡そ220μmから凡そ350μmの、正規粒度分布を持つ粒子300を含有していてもよいが、この実施形態の代替の変形例は、平均直径が最大で約500μmの、例えば凡そ460μmの粒子300を含んでいてもよい。粒子300は、微細粒子(さらに小さい粒子、例えば凡そ50um未満の直径を有する)を含んでいても含まなくてもよい。粒子300は、概ね球状であってもよく、凡そ0.25g/mLから凡そ0.36g/mLの質量密度と、乾燥したときに<5%の粒子水分レベルとを有していてもよい。粒子300は、多孔質であってもよく、凡そ10nmから凡そ数百nmの細孔直径を有していてもよく、これらは個々の粒子300の表面上におよび内部に位置付けられていてもよい。粒子300は、滑らかな表面とテクスチャ付き表面との混合物を有していてもよい。粒子300は、凡そ58%のジメタクリル酸エチレングリコール、41%のメタクリル酸ブチル、および1%のメタクリル酸グリシジルで形成されてもよい。代替の実施形態では、粒子300は、凡そ60%のジメタクリル酸エチレングリコール、39%のメタクリル酸ブチル、および1%のメタクリル酸グリシジルで形成されてもよい。粒子300は、官能基、例えば凡そ1%のエポキシ基(例えば、GMA)を含んでいてもよい。この実施形態の例示的な変形例は、凡そ0%、0.25%、2%、または5%のエポキシドレベル(例えば、GMA)を含有していてもよい。粒子300は、凡そ7%から10%のPEGを含んでいてもよいが、この実施形態の一部の変形例では、粒子300上に少ないPEGを含んでいてもよくまたはPEGを含んでいなくてもよい。
粒子300は、共有結合によって主に固定化されたRhizopus oryzaeリパーゼを含んでいてもよい。粒子グラム当たり(乾燥重量で)凡そ50mgから凡そ250mgのRhizopus oryzaeリパーゼが、粒子300に結合されてもよい。一部の実施形態では、高度に精製されたRhizopus oryzaeリパーゼを、主に共有結合によって粒子300に固定化してもよい。高度に精製されたRhizopus oryzaeは、栄養調合物110がデバイス200に曝露されたときに、脂肪を加水分解する、より大きい能力を有していてもよい。粒子グラム当たり(乾燥重量で)凡そ5mgから凡そ250mgの精製されたRhizopus oryzaeリパーゼを、粒子300に結合させてもよい。
チャンバ222の凡そ90〜95%が粒子300で満たされてもよく、チャンバ体積の凡そ5〜10%のヘッドスペースが残される。デバイス200は、このヘッドスペースを実現するために重みにより満たされてもよく、または体積に従い満たされてもよい。粒子の密度およびサイズ(粒子300のバッチごとに、わずかではあっても変化し得る)に応じて、この実施形態に関する平均充填重量は、チャンバ222内に投入される粒子が凡そ0.9から1.1gから凡そ1.0から1.2gの範囲であってもよい。この重量の粒子300は、チャンバ222の凡そ5〜10%のヘッドスペースが実現されるように、チャンバ222に組み込まれてもよい。他の実施形態では、チャンバ222は、充填重量ではなく充填体積を参照することのみにより充填されてもよい。
デバイス200は、デバイス200を通過する栄養調合物110の、凡そ0.4から2.0mL/分の流量で使用するために構成されてもよく、一部の実施形態では、最大で凡そ10.0mL/分の流量で使用するために構成されてもよい。ポンプ120上で設定された流量とデバイス200を通して実現される流量との間の、流量の差は、10%またはそれより少なくてもよい。デバイス200は、栄養補給当たり最大で凡そ500mLの栄養調合物を送達するために設計されてもよい。デバイス200は、栄養補給当たり最大で凡そ1,000mLの栄養調合物を送達するために設計されてもよい。この実施形態によるデバイス200は、ほとんどの種類の栄養調合物に関して90%よりも高い加水分解効率を実現してもよい。
(デバイス実施例2)
デバイス200の例示的な実施形態は、例えば栄養補給時間を低減するために、または加水分解効率を損なうことなく栄養補給当たりの栄養調合物のより大きい体積に適応するために、デバイスを通過する栄養調合物のより速い流量に適応するよう構成されてもよい。例えばチャンバ222は、より多くの粒子300および/またはより多くの栄養調合物110に適応するために、上記デバイス実施例1に比べて増大した高さを有していてもよく、本体210全体の長さは、より高いチャンバ222に適応するように、より高くてもよい。例えば一部の実施形態は、チャンバ222の高さを凡そ5cm(凡そ6.94cmの全チャンバ高さに関して)または凡そ2.91cm(凡そ4.85cmの全チャンバ高さに関して)増大させてもよく、その結果、最大でさらに凡そ3gの粒子300がチャンバ222に組込み可能になってもよい。他の実施形態では、チャンバ222は、デバイス実施例1の場合に類似した寸法を有していてもよく、または同じ寸法を有していてもよい。
より大きい粒度は、デバイス200を通過する栄養調合物110のより速い流量および/またはより多くの量に適応するように設計されたデバイス200で使用されてもよい。例えば粒子300は、正規粒度分布をもった凡そ375μmまたはそれよりも大きい平均直径を有していてもよい。より大きい粒子は、より高い流量、より粘性のある栄養調合物、またはより大きい体積の栄養調合物が使用されるときにさらに生じ易くなり得る障害または閉塞の可能性を低減させ得る。例えば、一部の栄養調合物は、加水分解により半固体粒子を生成する可能性があり、これらの粒子はデバイス200に収集され得る。より大きい粒子が使用される場合、より大きい細孔直径、例えば凡そ100μmから凡そ150μmの直径を持つ入口および/または出口フィルタを使用してもよい。そうでない場合には、このデバイス実施例2のデバイス200は、上記デバイス実施例1のデバイス200に類似していてもよい。
この実施例のデバイス200は、最大で凡そ10mL/分(600mL/時)の流量での使用に、または栄養補給当たり最大で1,000mLまたはそれよりも多くの栄養調合物の体積と共に使用するのに適応してもよい。
(デバイス実施例3)
デバイス200の例示的な実施形態は、早産児、満期児、新生児、乳児、および/または幼児に使用するために構成されてもよい。例えば新生児または乳児のデバイスの場合、一部の実施形態ではデバイス200に修正を行ってもよい。例えばチャンバ222の体積を、上記デバイス実施例1に記述されたデバイスのチャンバの体積の、凡そ1/2から1/4まで低減させてもよい。したがってチャンバ222のおよびデバイス本体全体の直径および/または高さは、このより低い体積を実現するように低減させてもよい。
上述のように、デバイス200を持つシステム100を使用して事前に加水分解された栄養調合物110を送達することにより、加水分解されたおよび吸収可能な脂肪酸を、摂取前に対象の胃腸管に直接送達することが可能になる。また、デバイス200は、広範にわたる複合的な市販の栄養調合物に適合可能であってもよく、栄養調合物中のその他の栄養素に悪影響を及ぼす可能性がない。さらにデバイス200は、対象の、カロリー摂取ならびに脂肪酸のバランスおよび吸収の正常化を可能にしてもよく、ヘルスケア提供者に対してより制御された選択肢を有利に提供して、提供者らの管理と、膵液分泌量不全または脂質吸収不良の人々の治療とを改善することができる。
一部の実施形態では、デバイス200を使用して栄養調合物110を供給する方法は、下記のステップを含んでいてもよい。ステップ1は、栄養調合物110の供給源を用意することを含んでいてもよい。例えば、ステップ1は、容器に、例えばバッグ、バイアル、シリンジ、またはボトルに、所定の体積の栄養調合物110を得ることおよび/または調製することを含んでいてもよい。ステップ2は、その端部にチューブコネクタを有する第1のチューブ122など、1つまたは複数のチューブおよびコネクタを使用することにより、栄養調合物110の供給源をデバイス200に流体接続することを含んでいてもよい。ステップ2は、第1のチューブ122の第1のチューブコネクタを栄養調合物110の供給源に接続すること、および第1のチューブ122の第2のチューブコネクタをデバイス200またはデバイス200の第1のコネクタ240に接続することを、さらに含んでいてもよい。ステップ3は、デバイス200を経腸栄養補給チューブに流体接続することを含んでいてもよい。例えばステップ3は、デバイス200またはデバイス200の第2のコネクタ270を、経腸栄養補給チューブまたは経腸栄養補給チューブへのコネクタに接続することを含んでいてもよい。経腸栄養補給チューブは、例えば、対象の胃腸または経鼻胃管と流体接続して一時的にまたは永続的に配置された一端を有していてもよい。ステップ4は、ポンプ120をシステム100に設置すること、および栄養調合物110がチューブおよびデバイス200内に向かうようにポンプ120の流量を設定することを含んでいてもよい。あるいは、ポンプ120をシリンジで置き換えてもよい。重力栄養補給実施形態では、ステップ4を必要としなくてもよい。ステップ1から4は、任意の順序で行ってもよい。
ステップ5は、ポンプ120、シリンジを使用して、または重力の影響により、デバイス200に栄養調合物110を方向付けることを含んでいてもよい。ステップ5は、栄養調合物110を、デバイス200およびチューブ、例えば第1のチューブ122および経腸チューブ124の内部に通してプライム処理することをさらに含んでいてもよい。プライム処理は、チューブが患者に接続される前にデバイス200およびチューブが栄養調合物で満たされるように、ポンプ120を設定しまたは調整することにより、自動的にまたは手動で作動してもよい。プライム処理システム100は、栄養調合物110の栄養補給前に患者に吐出される空気の量を低減させてもよい。ポンプ120は、栄養調合物110の経腸栄養補給中よりもプライム処理中に、より速い速度で作動してもよい。そのような実施形態において、デバイス200は、プライム処理中に生ずる、より速いポンプ速度が、デバイス200の動作に障害を与えずまたは変化させないことを確実にするために設計されてもよい。ステップ5は、自動的にまたは手動で行われてもよいフラッシングを含んでいてもよい。例えば、再使用可能な実施形態では、ポンプは、いかなる残留調合物も適切になくなるように、ポンプの管材を通して溶液をパージするフラッシュモードに設定されてもよく、その管材は、1回よりも多く使用することが可能になる。
ステップ6は、栄養調合物110を、デバイス200の入口212、入口フィルタ250、およびチャンバ222内の粒子300を通して方向付けることを含んでいてもよい。一部の実施形態では、ステップ6は、入口フィルタ250を通してチャンバ222内の粒子300にわたって栄養調合物110を分布させることをさらに含んでいてもよい。ステップ7は、栄養調合物110の流れを粒子300にわたって方向付けかつ/または分布させることにより、デバイス200の粒子300上のリパーゼ710を栄養調合物110中の脂肪分子に曝露させかつ/またはこの脂肪分子と相互に作用させることを含んでいてもよい。ステップ7はさらに、粒子300を栄養調合物110と混合させ、栄養調合物110の流動力学により移動させることを含んでいてもよい。ステップ7は、粒子300上のリパーゼ710により、栄養調合物110中のLC−PUFAを有するトリグリセリドを加水分解させることを含んでいてもよい。一部の実施形態では、ステップ6および7は、実質的に同時に行ってもよい。
ステップ8は、デバイス200内に粒子300を保有しながら、栄養調合物110を、出口フィルタ260および出口282を通るように方向付けることを含んでいてもよい。ステップ9は、栄養調合物110を、経腸栄養補給チューブに通して患者に至るように方向付けることを含んでいてもよい。ステップ10は、システム100からデバイス200を切り離すこと、デバイス200および/または粒子300を処分すること、および/またはデバイス200を滅菌し乾燥することを含んでいてもよい。
代替の実施形態では、多数のデバイス200を互いに直列に(縦列に)または並列に接続してもよい。栄養調合物110がデバイス200内を流れるとき、栄養調合物110に含有される脂肪は粒子300の表面に接触し、脂肪は、粒子300上のリパーゼとの相互作用を介して、トリグリセリド形態から遊離脂肪酸およびモノグリセリドへと加水分解されてもよい。脂肪加水分解の程度は、部分的には調合物とチャンバ222内の粒子300との接触(または滞留)時間、ならびに栄養調合物110が曝露される粒子300の累積数によって、決定されてもよい。滞留時間、または栄養調合物110が曝露される粒子の数のいずれかは、より多くの脂肪加水分解をもたらし得る。したがって、単一デバイス200が単独では所望の加水分解効率を提供しない場合、2つのデバイス200の縦列配置構成は、例えばある特定の栄養調合物110と共に使用するときに加水分解を増大し得る。
多数のデバイス200を直列(縦列)に接続することによって、累積滞留時間と、栄養調合物110が曝露される粒子の総数とを効果的に増大させてもよい。多数のデバイス200を縦列に配置構成することは、例えばより多くの体積の栄養調合物110を加水分解するときに、またはより速い速度で栄養調合物110を加水分解するときに、有用となり得る。多数のデバイス200を直列に接続するために、第1のデバイス200の第2のコネクタ270を第2のデバイス200の第1のコネクタ240内に直接挿入してもよく、または第1のデバイス200の第2のコネクタ270を管材に接続してもよく、次いでこの管材は、第2のデバイス200の第1のコネクタ240に接続されてもよい。縦列デバイスは、栄養調合物の供給源、管材、および患者に接続されてもよく、上記ステップ1〜10に記述されたものと類似の手法で使用されてもよい。
予備試験は、単一デバイスの使用に対する、多数のデバイス200を直列に接続した効果について評価した。予備試験では、1,000mLのPeptamen(登録商標)を、2mL/分の速度で単一デバイス200内に流し、1,000mLのPeptamen(登録商標)を、2mL/分の速度で、縦列に接続された2つのデバイス200内に流した。結果として得られる、加水分解された栄養調合物中の、脂肪の平均加水分解%は、単一デバイス200に関して92%であり、縦列装置に関しては98%であった。試験結果は、縦列構成が、単一デバイス200により実現された加水分解効率のように高くまたはそれよりも高い加水分解効率を実現し得ることを示す。
あるいは、多数のデバイスを直列に接続するのではなく、同じ調合物を1回よりも多く単一デバイス200内に流して、全滞留時間および粒子曝露を効果的に増大させるようにしてもよい。例えばデバイス200は、まだ患者に取着されていない「空の」栄養補給回路の第1の端部に接続されてもよい。「空の」栄養補給回路の第2の端部は、栄養調合物の供給源に接続されてもよい。次いで「空の」回路に、栄養調合物110を供給源からデバイス200を経てリザーバまで引き上げることにより栄養調合物110を投入してもよく、このようにすることで栄養調合物がワンパススルー(one pass through)デバイス200に曝露されると考えられる。次いで回路を栄養調合物の供給源から切り離し、代わりに患者に取着することができる。次いで栄養補給は、通常通りに進行すると考えられ、すなわち栄養調合物110は、リザーバからデバイス200のチャンバ222を経て患者に流れると考えられる。これは第2のパススルーデバイス200を構成すると考えられる。
加水分解に対するこの二重パス法の影響は、デバイス200を使用する単一パス(通常の)法を、デバイス200を使用する二重パス法と比較する予備試験で評価した。この試験では、2つのデバイス200に、より少ない量の粒子300(375mg)を満たし、50mLのSimilac(登録商標)Special Care(登録商標)24 Cal乳児用調合物を、2mL/分の流量でデバイス内に通した。第1のデバイスの場合、50mLの調合物を1回通した(単一パス)。第2のデバイスの場合、50mLの調合物を2回通した(二重パス)。単一パス法をシミュレートするために、シリンジに調合物を投入し、デバイス200をシリンジに取着し、栄養調合物をシリンジからデバイス内へと流した。二重パス法をシミュレートするために、デバイス200を空のシリンジに取着した。次いで栄養調合物を、デバイス内に引き込んでシリンジに投入し、次いで栄養調合物をシリンジから外にかつデバイス内へと流した。次いで単一パス法を使用して流させた調合物中の、および二重パス法を使用して流させた調合物中の、加水分解された脂肪のパーセンテージを測定した。
この予備試験では、測定された単一パス法の加水分解%が37%であり、測定された二重パス法の加水分解%が63%であった。予備試験データは、多重パス法が栄養調合物の加水分解%を増大させ得ることを示す。多重パス法は、概して患者に使用されてもよく、または患者によって毎日使用され得る粒子の総数に限度があるシナリオで、もしくは同時に使用され得る粒子の総数に限度があるシナリオで使用されてもよい。例えば、規制上の制限は、患者が1日に曝露され得る粒子300の総数を限定し得る。しかし栄養補給当たり使用される粒子300の低減は、デバイス200の加水分解効率を低下させ得る。この加水分解効率の低減は、滞留時間および/または粒子300への曝露を増大させることによって加水分解%を押し上げるように多重パス法を使用することによって、相殺されてもよく、または少なくとも部分的に相殺されてもよい。このように多重パス法は、食品調製中、特にNICUでの乳児用栄養調合物の調製のため、例えばデバイス200を使用する方法に有意な追加のステップまたは変化を導入することなく加水分解%を増大させるのに有用と考えられる。
本開示の多くの特徴および利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって、添付される特許請求の範囲により、本開示の精神および範囲内に包含される本開示のそのような特徴および利点の全てをカバーすることが意図される。さらに、数多くの修正例および変形例が当業者に容易に生ずることになるので、本開示を、図示され記述される厳密な構造および動作に限定することは望ましくなく、したがって、全ての適切な修正例および均等物を用いることができ、本開示の範囲内であるとみなす。
さらに、当業者なら、本開示が基にする概念は、本開示のいくつかの目的を実施するためのその他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に使用され得ることが理解されよう。したがって特許請求の範囲は、先の記述により限定されるとみなすものではない。
本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
リパーゼに栄養調合物を曝露することによって前記栄養調合物中のトリグリセリドを加水分解するための経腸栄養補給デバイスであって、
チャンバを収容する本体と、
栄養調合物の供給源と流体カップリングするように構成された入口であり、前記栄養調合物を前記供給源から前記デバイスに進入させかつ前記チャンバに流入させる入口と、
経腸栄養補給チューブと流体カップリングするように構成された出口であり、前記栄養調合物を前記チャンバから出しかつ前記経腸栄養補給チューブに流入させる出口と、
前記チャンバ内に含有された複数の粒子であり、前記リパーゼが前記複数の粒子に共有結合される複数の粒子と、
前記複数の粒子により占有されていない空間を画定する、前記チャンバ内に含有されるヘッドスペースと、
前記入口と前記チャンバとの間に位置付けられた入口フィルタであり、第1の複数の開口を含有する入口フィルタと、
前記チャンバと前記出口との間に位置付けられた出口フィルタであり、前記出口フィルタが第2の複数の開口を有し、前記第2の複数の開口が前記複数の粒子よりも小さい出口フィルタと
を含み、
前記栄養調合物中の前記トリグリセリドが、それらが前記チャンバ内に含有される前記複数の粒子を通過するときに加水分解されるデバイス。
(項目2)
前記複数の粒子が、乾燥したときに前記チャンバの少なくとも50%を満たす、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記複数の粒子が、乾燥したときに前記チャンバの少なくとも80%を満たす、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
前記複数の粒子が、乾燥したときに前記チャンバの少なくとも90%を満たす、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記複数の粒子が、前記栄養調合物に曝露されたときに前記チャンバの少なくとも80%を満たす、項目1に記載のデバイス。
(項目6)
前記複数の粒子が、前記栄養調合物に曝露されたときに前記チャンバの少なくとも90%を満たす、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
前記複数の粒子が、乾燥したときに、前記複数の粒子が前記栄養調合物に曝露されたときよりも少なく前記チャンバを満たすように膨潤する、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記複数の粒子の少なくとも1つの外面が、少なくとも部分的に疎水性である、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記複数の粒子の少なくとも1つが、ジメタクリル酸エチレングリコール、メタクリル酸ブチル、またはメタクリル酸グリシジルの1種または複数で形成される、項目1に記載のデバイス。
(項目10)
前記複数の粒子の少なくとも1つが、重量で約50%から約60%の間のジメタクリル酸エチレングリコール、重量で約30%から約45%の間のメタクリル酸ブチル、および重量で約0.01%から約10%の間のメタクリル酸グリシジルで形成される、項目9に記載のデバイス。
(項目11)
前記複数の粒子の少なくとも1つが、重量で約0%から約10%のポリエチレングリコールで形成される、項目1に記載のデバイス。
(項目12)
前記複数の粒子の少なくとも1つが、実質的に中実な断面を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
前記複数の粒子の少なくとも1つが、実質的に滑らかな外面を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
前記複数の粒子の少なくとも1つが、テクスチャ付き外面を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目15)
前記複数の粒子の少なくとも1つが、前記少なくとも1つの粒子内に内面を形成する多孔質断面を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
前記多孔質断面の細孔の中位径または平均直径が、約1nmから約50μmの範囲である、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
前記リパーゼが前記内面に共有結合される、項目15に記載のデバイス。
(項目18)
前記複数の粒子の少なくとも1つの外面または内面の少なくとも1つが、官能基を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目19)
前記官能基がエポキシ基であり、前記リパーゼが前記エポキシ基に共有結合される、項目18に記載のデバイス。
(項目20)
前記複数の粒子の中位径または平均直径が、約100μmから約800μmの間である、項目1に記載のデバイス。
(項目21)
前記複数の粒子が、第1の群の粒子および第2の群の粒子を含み、前記第1の群の粒子が、前記第2の群の粒子の中位径または平均直径とは異なる中位径または平均直径を有する、項目1に記載のデバイス。
(項目22)
前記複数の粒子に共有結合された前記リパーゼの量が、前記複数の粒子1g当たりリパーゼが約5mgから約500mgの範囲内にある、項目1に記載のデバイス。
(項目23)
前記第1の複数の開口または前記第2の複数の開口の少なくとも1つが、複数の曲がりくねった経路を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目24)
前記入口フィルタが、前記栄養調合物が前記入口フィルタを通過するときに前記栄養調合物を乳化するよう構成された少なくとも1種の乳化剤で被覆されている、項目1に記載のデバイス。
(項目25)
前記入口フィルタおよび前記出口フィルタがそれぞれ、約0.1mmから約10mmの間の厚さを有する、項目1に記載のデバイス。
(項目26)
リパーゼに栄養調合物を曝露することによって前記栄養調合物中のトリグリセリドを加水分解するための経腸栄養補給デバイスであって、
チャンバを収容する本体であって、前記チャンバが、
前記チャンバ内に含有されている複数の粒子であり、前記リパーゼが前記複数の粒子に共有結合される複数の粒子、および
前記複数の粒子によって占有されていない空間を画定する、前記チャンバ内に含有されるヘッドスペース
を含む本体と、
前記デバイスを第1のチューブと流体カップリングさせるように構成された第1のコネクタと、
前記第1のコネクタと前記チャンバとの間に位置決めされ、かつ前記第1のコネクタおよび前記チャンバと流体カップリングされた入口と、
前記デバイスを第2のチューブと流体カップリングさせるように構成された第2のコネクタと、
前記第2のコネクタと前記チャンバとの間に位置決めされ、かつ前記チャンバおよび前記第2のコネクタと流体カップリングされた出口と、
前記チャンバと前記出口との間に位置付けられた出口フィルタであり、前記出口フィルタが複数の開口を有し、前記複数の開口が前記複数の粒子よりも小さい出口フィルタと
を含み、
前記栄養調合物中の前記トリグリセリドが、それらが前記チャンバ内に含有される前記複数の粒子を通過するときに加水分解されるデバイス。