JPH0121877B2 - - Google Patents
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- JPH0121877B2 JPH0121877B2 JP60174719A JP17471985A JPH0121877B2 JP H0121877 B2 JPH0121877 B2 JP H0121877B2 JP 60174719 A JP60174719 A JP 60174719A JP 17471985 A JP17471985 A JP 17471985A JP H0121877 B2 JPH0121877 B2 JP H0121877B2
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- Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はアルミニウムまたはアルミニウム合金
(以下単に「アルミニウム」という。)の電解着色
法に関し、詳しくは陽極酸化処理を施したアルミ
ニウムを電解着色処理するに先立つて、特定の断
続波形の正電圧を印加して予備処理することによ
り、アルミニウム表面に均一かつ美麗な着色を効
率良く施すことのできる方法に関する。 〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点〕 従来からアルミニウムを電解着色するにあたつ
て、付き廻り性や着色速度を改善するために様々
な方法が提案されている。例えば着色の付き廻り
性を改善するために、電解液に様々な工夫をする
方法(特公昭60−11119号公報)、電解着色の際に
加える電圧の昇圧の仕方に工夫をする方法(特公
昭54−23663号公報、特公昭58−46557号公報、特
開昭59−145798号公報)、あるいは電解着色に先
立つて特定の直流陽極電解を行う方法(特公昭54
−13859号公報、特公昭54−25898号公報、特公昭
54−23664号公報、特公昭58−52037号公報、特公
昭58−39237号公報)などがある。また、電解着
色の着色速度を向上させるために、電解液に工夫
をする方法(特公昭60−11119号公報、特公昭54
−23663号公報)あるいは対極板に工夫をする方
法(特公昭60−13440号公報)などがある。 しかし一般に電解着色法、特に交流電解着色法
においては、上述したような工夫では着色の際
に、付き廻り性と着色速度のいずれか一方は改善
されるが、他方は低下するという傾向を示す。 そこで本発明者らは上述の従来技術の欠点を克
服し、付き廻り性と着色速度の両者を同時に向上
させることのできる方法を開発すべく鋭意研究を
重ねた。 〔問題点を解決するための手段〕 その結果、陽極酸化処理を施したアルミニウム
を、特定の断続波形の正電圧を印加して予備処理
し、しかる後に電解着色処理すると目的を達成し
うることを見出した。本発明はかかる知見に基い
て完成したものである。 すなわち本発明は、陽極酸化処理を施したアル
ミニウムを、金属塩を含有する電解着色液中で電
解着色するにあたり、前記電解着色液中で、実質
的に正電圧のみの断続波形でありかつ実質的な休
止時間が正電圧印加時間より長い波形の電圧を印
加して予備処理し、しかる後に前記電解着色液中
で電解着色することを特徴とするアルミニウムの
電解着色法を提供するものである。 本発明の方法に用いるアルミニウムは、その表
面に陽極酸化処理を施したものである。ここで行
う陽極酸化処理は従来から広く行われている方法
でよく、通常はアルミニウムの表面を脱脂洗浄
し、これを陽極として、またアルミニウム、グラ
フアイト等を陰極として用い、硫酸、シユウ酸、
スルフアミン酸などの酸性電解液中で直流通電す
ることにより行う。 本発明の方法では、上述の如く陽極酸化処理を
施したアルミニウムを、電解着色処理するに先立
つて予備処理しておくことが必要である。この予
備処理は後続の電解着色液中で行う。 一般に陽極酸化処理によつて形成されるバリヤ
ー層を改質する場合、改質したバリヤー層が厚け
れば厚い程、陽極酸化時のバリヤー層の影響が少
なく電解着色する上で有利である。また、印加す
る電圧の波高値が高いほど改質されるバリヤー層
は厚くなるが、通常の直流電圧を印加してバリヤ
ー層を改質する場合、あまり高電圧をかけるとバ
リヤー層の一部が印加電圧に耐えられなくなり電
流が局部的にリークするという問題がある。この
リークは、昇圧速度を大幅に上げ(例えば瞬時昇
圧)て、すぐに停止するという工夫により回避で
きるが、この方法では均一にバリヤー層の改質が
できないという問題がある。 そのために、本発明の方法では予備処理の段階
で正電圧を断続的に印加することによつて、高電
圧でも電流がリークすることなく、バリヤー層を
厚くかつ均一に改質できるのである。 したがつて、本発明における予備処理では、上
記の要請を満足しうる特定の断続波形の電圧を印
加して電解処理を行う必要がある。ここで用いる
電圧の波形は、まず実質的に正電圧のみの断続波
形であつて、しかも実質的な休止時間が正電圧印
加時間より長い波形である。つまり、実質的に正
電圧のみの断続波形とは、正の電圧と電圧零の組
合せによる波形のみならず、事実上陽極酸化皮膜
のバリヤー層の改質に寄与しない程度の負電圧を
含む波形であつてもよい。また、実質的な休止時
間が正電圧印加時間より長い波形とは、完全な休
止時間、即ち電圧零の時間が正電圧印加時間より
長い場合のみならず、事実上バリヤー層の改質に
影響を与えない程度の弱い電圧の印加時間も休止
時間と考えた場合に、この休止時間が、バリヤー
層の改質に有効な正電圧の印加時間より長い波形
をも包含する。 なお、上記電圧波形の周期は特に制限はない
が、通常は1〜100Hz、望ましくは10〜72Hzであ
る。また、実質的な意味での正電圧印加時間
(T1)と休止時間(T2)との比率は、T1:T2=
1:1.5〜10、好ましくは1:1.5〜3である。さ
らに、電圧の最大値(Vp)は上記T1とT2の比率
により影響を受け一義的に定められないが、通常
は20〜120V、好ましくは25〜80Vである。一方、
実質的な休止時間における印加電圧に要するに、
バリヤー層の改質に影響を与えない程度の電圧で
あればよく、必ずしも零である必要はないが、通
常は0〜0.3×|Vp|、好ましくは0〜0.2×|Vp
|である。 上記予備処理に用いる電圧波形は上記の如きも
のであるが、これらの具体例としては第1〜5図
に示されるような波形のものがあげられる。第1
図はパルス波であり、第2図は正電圧のパルス波
の間に小さな負電圧のパルス波を印加したもの、
第3図は直流電圧波形で電圧の上昇、降下を一定
周期毎にくり返したもの、第4図は全波整流の一
部をサイリスタ等でカツトしたもの、第5図は単
相半波整流の一部をカツトしたものである。 これらの電圧波形は直流電源、交流電源を用
い、サイリスタ等の整流器を使用して各種手法に
より適宜得ることができる。 また、実質的な正電圧印加時間における印加電
圧は、パルス波(直流パルスのみならず6相サイ
クル制御等によるものも含む)のように一周期の
通電時の波形が常にVpを示すような電圧波形を
用いる場合は問題はないが、全波整流や半波整流
のように正電圧の印加中にも電圧が変化するよう
な波形の場合には、カツトする位相角を考慮して
(第4,5図参照)、なるべく高い電圧部分を通電
すべきである。具体的には最大電圧Vpの1/√
2倍以上の正電圧印加時間が、実質的な正電圧印
加時間の30%以上となるように工夫することが好
ましい。 本発明の方法における予備処理は、上述したよ
うな波形の電圧を印加して電解処理するわけであ
るが、この際の通電時間や電圧の昇圧速度等につ
いては特に制限はない。しかし、通常は通電時間
10秒〜3分間、好ましくは30秒〜2分間であり、
昇圧速度は0.1〜10V/秒、好ましくは0.2〜5V/
秒である。 本発明の方法では、上記予備処理を行つた後、
電解着色液中で電解着色すればよい。予備処理は
電解着色液中で行われるため、この予備処理後は
そのまま同じ液中で引き続いて電解着色処理を行
えばよい。 ここで行う電解着色液処理は、従来から広く行
われている交流電解着色法によればよい。この際
に用いる電解着色液には目的に応じて様々な金属
塩が含有されている。この金属塩の具体例をあげ
れば、ニツケル、コバルト、銅、マグネシウム、
鉄、モリブデン、スズなどの金属の硫酸塩、硝酸
塩、リン酸塩、塩酸塩、シユウ酸塩、酢酸塩、酒
石酸塩などがある。 電解着色に際しての条件、例えば印加すべき交
流電圧、通電時間、液温などについては通常の場
合と同様に適宜選定すればよい。しかし、本発明
の方法では、前述の予備処理によつて充分にバリ
ヤー層が改質されているため、高電圧で着色処理
ができるとともに着色速度も速いので比較的短時
間で電解着色を行うことができる。 〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、予備処理を行つてアル
ミニウム表面の陽極酸化皮膜のバリヤー層を充分
に改質して高電圧に耐えうる均一なバリヤー層と
するため、電解着色が高電圧でスポーリング等を
起こさずに、速やかにしかも付き廻り性良く進行
し、短時間で均一な電解着皮膜が形成される。 〔実施例〕 次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明す
る。 なお、実施例1〜6および比較例1〜9におけ
る試験片および試験装置は次のとおりである。 すなわちまず試験片としてはA−1100−H14な
るアルミニウム板(たて100mm×横180mm)を用
い、これを第6図(実施例6および比較例8、9
では第7図)に示すようなハルセル試験装置(但
し、メツキ用ハルセル試験装置よりさらに鋭角に
したもので、水平断面が上底80mm、下底250mm、
高さ80mmの台形状の容器)に吊り下げた。なお、
電解着色後の着色状態の判定はハンター明度(L
値)により評価した。ここでA部は試験片2のう
ち対極3に近い側の部分を示し、B部は試験片2
の対極3に遠い側の部分を示す。 実施例 1 硫酸ニツケル6水塩90g/、硫酸マグネシウ
ム7水塩100g/、硼酸40g/および酒石酸
3g/を含有し、PH=5.0の電解着色液を前記
試験装置に入れ、この中で、陽極酸化処理した試
験片を、対極をニツケル板として、正のパルス電
流(最高電圧VP:60V、一周期における通電時
間T1:10ミリ秒、休止時間T2:20ミリ秒)を昇
圧速度1V/秒、保持時間5秒の条件で通電し、
予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧34V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が32.7であり、B部が
31.9であつて、試験片全体が均一なブロンズ色に
仕上がつた。 比較例 1 実施例1において、予備処理を行うことなく、
電圧13V、通電時間10分の条件で交流電解着色処
理を行つたこと以外は、実施例1と同様に操作し
た。 その結果、L値はA部が28.8であり、B部が
39.2であつて、A部がブロンズ色、B部がゴール
ド色の着色であつて、明らかに不均一な着色とな
つた。 比較例 2 実施例1の予備処理の代わりに、通常の直流を
用いて昇圧速度0.3V/秒にて40Vまで昇圧すると
電流が急激に増大した。そこで、実施例1の電解
着色液を用いて26V、15秒の条件で直流通電した
後、電圧20V、通電時間8分の条件で交流電解着
色処理を行つた。 その結果、L値はA部が29.0であり、B部が
35.3であつて、A部が濃くB部が淡くなり不均一
な着色となつた。 実施例 2 硫酸ニツケル6水塩50g/、硼酸30g/、
硫安15g/および酒石酸3g/を含有し、PH
=5.5の電解着色液を前記試験装置に入れ、この
中で、陽極酸化処理した試験片を、対極をAPニ
ツケル板(志村加工(株)製)として、第2図の如き
電流反転6相サイクル制御によるパルス電流(最
高電圧VP:40V、負電圧−5V、一周期における
最高電圧通電時間13.2ミリ秒、負電圧通電時間
26.4ミリ秒、完全休止時間6.6ミリ秒)を昇圧速
度1V/秒、保持時間10秒の条件で流し、予備処
理を行つた。 この予備処理後、電圧25V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が38.7であり、B部が
37.9であつて、試験片全体が均一なブロンズ色に
仕上がつた。 比較例 3 実施例2において、予備処理を行うことなく、
電圧11V、通電時間5分の条件で交流電解着色処
理を行つたこと以外は、実施例2と同様に操作し
た。 その結果、L値はA部が30.7であり、B部が
57.6であつて、A部がブロンズ色、B部がほとん
ど着色されていなかつた。 比較例 4 実施例2の予備処理の代わりに、通常の直流を
用いて実施例2と同じ電解着色液中で昇圧速度
0.2V/秒の割合で25Vまで昇圧して20秒間通電し
た。その後、電圧18V、通電時間5分の条件で交
流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が39.4であり、B部が
44.6であつて、A部がゴールド色、B部が僅かに
着色している状態となり不均一な着色であつた。 実施例 3 硫酸第一錫5g/、硫酸第二錫7g/、硫
酸アンモニウム20g/、スルフアミン酸8g/
および酒石酸25g/を含有し、PH=7.5の電
解着色液を前記試験装置に入れ、この中で陽極酸
化処理した試験片を、対極をニツケル板として、
第3図に示すような電流降下パルス電流(最高電
圧VP:35V、最低電圧VL:5V;一周期における
最高電圧通電時間T1:20ミリ秒、最低電圧通電
時間T2:50ミリ秒)を昇圧速度1V/秒、保持時
間30秒の条件で通電し、予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧22V、通電時間6分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が35.9であり、B部が
36.1であつて、試験片全体が均一なブロンズ色に
仕上がつた。 比較例 5 実施例3において、予備処理を行うことなく、
電圧8V、通電時間5分間、次いで電圧10Vで通
電時間10分間の条件で交流電解着色処理を行つた
こと以外は、実施例3と同様に操作した。 その結果、L値はA部が46.1であり、B部が
55.3であつて、A部が濃くB部が淡くなり不均一
な着色となつた。 実施例 4 硫酸第一錫8g/、硫酸15g/および酸化
防止剤(商品名:スタナスキープ、ユーキ商事(株)
製)3g/を含有する電解着色液を前記試験装
置に入れ、この中で陽極酸化処理した試験片を、
対極をカーボンとして、6相サイクル制御による
電圧波形(3波通電、6波休止、最高電圧VP:
35V)をVPが35Vになるまで35秒かけて均一に上
昇させ、保持時間5秒にて予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧22V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が22.2であり、B部が
23.6であつて、試験片全体が均一な濃いブロンズ
色に仕上がつた。 比較例 6 実施例4において、予備処理を行うことなく、
電圧14V、通電時間3分の条件で交流電解着色処
理を行つたこと以外は、実施例4と同様に操作し
た。 その結果、L値はA部が22.9であり、B部が
55.5であつて、A部が濃いブロンズ色、B部がほ
とんど着色されていなかつた。 比較例 7 実施例4の予備処理の代わりに、通常の直流を
用いて実施例4と同じ電解着色液中で昇圧速度
0.3V/秒の割合で25Vまで昇圧して10秒間通電し
た。その後、電圧20V、通電時間3分の条件で交
流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が25.4であり、B部が
28.5であつて、A部が濃いブロンズ色、B部が淡
いブロンズ色となり不均一な着色となつた。ま
た、実施例4に比べると全体的に淡い仕上がりで
あつた。 実施例 5 硫酸銅5水塩30g/、硫酸マグネシウム7水
塩20g/および硫酸5g/を含有する電解着
色液を前記試験装置に入れ、この中で、陽極酸化
処理した試験片を、対極をカーボンとして、第2
図の如き電流反転パルス電流(最高電圧VP:
35V、最低電圧−5V、一周期における正電圧印
加時間T1:50ミリ秒、負電圧印加時間T2:100ミ
リ秒)を昇圧速度2V/秒、保持時間3秒の条件
で通電して予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧23V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、試験片全体が均一にえんじ色に仕上
がつた。 実施例6および比較例8、9 第7図に示すように、試験片2の一端(対極3
に近い方)を装置1の壁面に押し付けて、試験片
2の表裏および左右の付き廻り性を調べた。第7
図において試験片のA、B、C、D部はそれぞれ
次の如くである。 A部:対極に近く、かつ対極に面している部分 B部:対極に遠く、かつ対極に面している部分 C部:対極に遠く、かつ対極と反対側の部分 D部:対極に近く、かつ対極と反対側の部分 実施例1と同様の電解着色液を用い、第1表に
示す電圧波形を用いて予備処理し、その後第1表
に示す条件で交流電解着色処理を行つた。 得られた試験片の着色状況をL値として第2表
に示す。
(以下単に「アルミニウム」という。)の電解着色
法に関し、詳しくは陽極酸化処理を施したアルミ
ニウムを電解着色処理するに先立つて、特定の断
続波形の正電圧を印加して予備処理することによ
り、アルミニウム表面に均一かつ美麗な着色を効
率良く施すことのできる方法に関する。 〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点〕 従来からアルミニウムを電解着色するにあたつ
て、付き廻り性や着色速度を改善するために様々
な方法が提案されている。例えば着色の付き廻り
性を改善するために、電解液に様々な工夫をする
方法(特公昭60−11119号公報)、電解着色の際に
加える電圧の昇圧の仕方に工夫をする方法(特公
昭54−23663号公報、特公昭58−46557号公報、特
開昭59−145798号公報)、あるいは電解着色に先
立つて特定の直流陽極電解を行う方法(特公昭54
−13859号公報、特公昭54−25898号公報、特公昭
54−23664号公報、特公昭58−52037号公報、特公
昭58−39237号公報)などがある。また、電解着
色の着色速度を向上させるために、電解液に工夫
をする方法(特公昭60−11119号公報、特公昭54
−23663号公報)あるいは対極板に工夫をする方
法(特公昭60−13440号公報)などがある。 しかし一般に電解着色法、特に交流電解着色法
においては、上述したような工夫では着色の際
に、付き廻り性と着色速度のいずれか一方は改善
されるが、他方は低下するという傾向を示す。 そこで本発明者らは上述の従来技術の欠点を克
服し、付き廻り性と着色速度の両者を同時に向上
させることのできる方法を開発すべく鋭意研究を
重ねた。 〔問題点を解決するための手段〕 その結果、陽極酸化処理を施したアルミニウム
を、特定の断続波形の正電圧を印加して予備処理
し、しかる後に電解着色処理すると目的を達成し
うることを見出した。本発明はかかる知見に基い
て完成したものである。 すなわち本発明は、陽極酸化処理を施したアル
ミニウムを、金属塩を含有する電解着色液中で電
解着色するにあたり、前記電解着色液中で、実質
的に正電圧のみの断続波形でありかつ実質的な休
止時間が正電圧印加時間より長い波形の電圧を印
加して予備処理し、しかる後に前記電解着色液中
で電解着色することを特徴とするアルミニウムの
電解着色法を提供するものである。 本発明の方法に用いるアルミニウムは、その表
面に陽極酸化処理を施したものである。ここで行
う陽極酸化処理は従来から広く行われている方法
でよく、通常はアルミニウムの表面を脱脂洗浄
し、これを陽極として、またアルミニウム、グラ
フアイト等を陰極として用い、硫酸、シユウ酸、
スルフアミン酸などの酸性電解液中で直流通電す
ることにより行う。 本発明の方法では、上述の如く陽極酸化処理を
施したアルミニウムを、電解着色処理するに先立
つて予備処理しておくことが必要である。この予
備処理は後続の電解着色液中で行う。 一般に陽極酸化処理によつて形成されるバリヤ
ー層を改質する場合、改質したバリヤー層が厚け
れば厚い程、陽極酸化時のバリヤー層の影響が少
なく電解着色する上で有利である。また、印加す
る電圧の波高値が高いほど改質されるバリヤー層
は厚くなるが、通常の直流電圧を印加してバリヤ
ー層を改質する場合、あまり高電圧をかけるとバ
リヤー層の一部が印加電圧に耐えられなくなり電
流が局部的にリークするという問題がある。この
リークは、昇圧速度を大幅に上げ(例えば瞬時昇
圧)て、すぐに停止するという工夫により回避で
きるが、この方法では均一にバリヤー層の改質が
できないという問題がある。 そのために、本発明の方法では予備処理の段階
で正電圧を断続的に印加することによつて、高電
圧でも電流がリークすることなく、バリヤー層を
厚くかつ均一に改質できるのである。 したがつて、本発明における予備処理では、上
記の要請を満足しうる特定の断続波形の電圧を印
加して電解処理を行う必要がある。ここで用いる
電圧の波形は、まず実質的に正電圧のみの断続波
形であつて、しかも実質的な休止時間が正電圧印
加時間より長い波形である。つまり、実質的に正
電圧のみの断続波形とは、正の電圧と電圧零の組
合せによる波形のみならず、事実上陽極酸化皮膜
のバリヤー層の改質に寄与しない程度の負電圧を
含む波形であつてもよい。また、実質的な休止時
間が正電圧印加時間より長い波形とは、完全な休
止時間、即ち電圧零の時間が正電圧印加時間より
長い場合のみならず、事実上バリヤー層の改質に
影響を与えない程度の弱い電圧の印加時間も休止
時間と考えた場合に、この休止時間が、バリヤー
層の改質に有効な正電圧の印加時間より長い波形
をも包含する。 なお、上記電圧波形の周期は特に制限はない
が、通常は1〜100Hz、望ましくは10〜72Hzであ
る。また、実質的な意味での正電圧印加時間
(T1)と休止時間(T2)との比率は、T1:T2=
1:1.5〜10、好ましくは1:1.5〜3である。さ
らに、電圧の最大値(Vp)は上記T1とT2の比率
により影響を受け一義的に定められないが、通常
は20〜120V、好ましくは25〜80Vである。一方、
実質的な休止時間における印加電圧に要するに、
バリヤー層の改質に影響を与えない程度の電圧で
あればよく、必ずしも零である必要はないが、通
常は0〜0.3×|Vp|、好ましくは0〜0.2×|Vp
|である。 上記予備処理に用いる電圧波形は上記の如きも
のであるが、これらの具体例としては第1〜5図
に示されるような波形のものがあげられる。第1
図はパルス波であり、第2図は正電圧のパルス波
の間に小さな負電圧のパルス波を印加したもの、
第3図は直流電圧波形で電圧の上昇、降下を一定
周期毎にくり返したもの、第4図は全波整流の一
部をサイリスタ等でカツトしたもの、第5図は単
相半波整流の一部をカツトしたものである。 これらの電圧波形は直流電源、交流電源を用
い、サイリスタ等の整流器を使用して各種手法に
より適宜得ることができる。 また、実質的な正電圧印加時間における印加電
圧は、パルス波(直流パルスのみならず6相サイ
クル制御等によるものも含む)のように一周期の
通電時の波形が常にVpを示すような電圧波形を
用いる場合は問題はないが、全波整流や半波整流
のように正電圧の印加中にも電圧が変化するよう
な波形の場合には、カツトする位相角を考慮して
(第4,5図参照)、なるべく高い電圧部分を通電
すべきである。具体的には最大電圧Vpの1/√
2倍以上の正電圧印加時間が、実質的な正電圧印
加時間の30%以上となるように工夫することが好
ましい。 本発明の方法における予備処理は、上述したよ
うな波形の電圧を印加して電解処理するわけであ
るが、この際の通電時間や電圧の昇圧速度等につ
いては特に制限はない。しかし、通常は通電時間
10秒〜3分間、好ましくは30秒〜2分間であり、
昇圧速度は0.1〜10V/秒、好ましくは0.2〜5V/
秒である。 本発明の方法では、上記予備処理を行つた後、
電解着色液中で電解着色すればよい。予備処理は
電解着色液中で行われるため、この予備処理後は
そのまま同じ液中で引き続いて電解着色処理を行
えばよい。 ここで行う電解着色液処理は、従来から広く行
われている交流電解着色法によればよい。この際
に用いる電解着色液には目的に応じて様々な金属
塩が含有されている。この金属塩の具体例をあげ
れば、ニツケル、コバルト、銅、マグネシウム、
鉄、モリブデン、スズなどの金属の硫酸塩、硝酸
塩、リン酸塩、塩酸塩、シユウ酸塩、酢酸塩、酒
石酸塩などがある。 電解着色に際しての条件、例えば印加すべき交
流電圧、通電時間、液温などについては通常の場
合と同様に適宜選定すればよい。しかし、本発明
の方法では、前述の予備処理によつて充分にバリ
ヤー層が改質されているため、高電圧で着色処理
ができるとともに着色速度も速いので比較的短時
間で電解着色を行うことができる。 〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、予備処理を行つてアル
ミニウム表面の陽極酸化皮膜のバリヤー層を充分
に改質して高電圧に耐えうる均一なバリヤー層と
するため、電解着色が高電圧でスポーリング等を
起こさずに、速やかにしかも付き廻り性良く進行
し、短時間で均一な電解着皮膜が形成される。 〔実施例〕 次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明す
る。 なお、実施例1〜6および比較例1〜9におけ
る試験片および試験装置は次のとおりである。 すなわちまず試験片としてはA−1100−H14な
るアルミニウム板(たて100mm×横180mm)を用
い、これを第6図(実施例6および比較例8、9
では第7図)に示すようなハルセル試験装置(但
し、メツキ用ハルセル試験装置よりさらに鋭角に
したもので、水平断面が上底80mm、下底250mm、
高さ80mmの台形状の容器)に吊り下げた。なお、
電解着色後の着色状態の判定はハンター明度(L
値)により評価した。ここでA部は試験片2のう
ち対極3に近い側の部分を示し、B部は試験片2
の対極3に遠い側の部分を示す。 実施例 1 硫酸ニツケル6水塩90g/、硫酸マグネシウ
ム7水塩100g/、硼酸40g/および酒石酸
3g/を含有し、PH=5.0の電解着色液を前記
試験装置に入れ、この中で、陽極酸化処理した試
験片を、対極をニツケル板として、正のパルス電
流(最高電圧VP:60V、一周期における通電時
間T1:10ミリ秒、休止時間T2:20ミリ秒)を昇
圧速度1V/秒、保持時間5秒の条件で通電し、
予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧34V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が32.7であり、B部が
31.9であつて、試験片全体が均一なブロンズ色に
仕上がつた。 比較例 1 実施例1において、予備処理を行うことなく、
電圧13V、通電時間10分の条件で交流電解着色処
理を行つたこと以外は、実施例1と同様に操作し
た。 その結果、L値はA部が28.8であり、B部が
39.2であつて、A部がブロンズ色、B部がゴール
ド色の着色であつて、明らかに不均一な着色とな
つた。 比較例 2 実施例1の予備処理の代わりに、通常の直流を
用いて昇圧速度0.3V/秒にて40Vまで昇圧すると
電流が急激に増大した。そこで、実施例1の電解
着色液を用いて26V、15秒の条件で直流通電した
後、電圧20V、通電時間8分の条件で交流電解着
色処理を行つた。 その結果、L値はA部が29.0であり、B部が
35.3であつて、A部が濃くB部が淡くなり不均一
な着色となつた。 実施例 2 硫酸ニツケル6水塩50g/、硼酸30g/、
硫安15g/および酒石酸3g/を含有し、PH
=5.5の電解着色液を前記試験装置に入れ、この
中で、陽極酸化処理した試験片を、対極をAPニ
ツケル板(志村加工(株)製)として、第2図の如き
電流反転6相サイクル制御によるパルス電流(最
高電圧VP:40V、負電圧−5V、一周期における
最高電圧通電時間13.2ミリ秒、負電圧通電時間
26.4ミリ秒、完全休止時間6.6ミリ秒)を昇圧速
度1V/秒、保持時間10秒の条件で流し、予備処
理を行つた。 この予備処理後、電圧25V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が38.7であり、B部が
37.9であつて、試験片全体が均一なブロンズ色に
仕上がつた。 比較例 3 実施例2において、予備処理を行うことなく、
電圧11V、通電時間5分の条件で交流電解着色処
理を行つたこと以外は、実施例2と同様に操作し
た。 その結果、L値はA部が30.7であり、B部が
57.6であつて、A部がブロンズ色、B部がほとん
ど着色されていなかつた。 比較例 4 実施例2の予備処理の代わりに、通常の直流を
用いて実施例2と同じ電解着色液中で昇圧速度
0.2V/秒の割合で25Vまで昇圧して20秒間通電し
た。その後、電圧18V、通電時間5分の条件で交
流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が39.4であり、B部が
44.6であつて、A部がゴールド色、B部が僅かに
着色している状態となり不均一な着色であつた。 実施例 3 硫酸第一錫5g/、硫酸第二錫7g/、硫
酸アンモニウム20g/、スルフアミン酸8g/
および酒石酸25g/を含有し、PH=7.5の電
解着色液を前記試験装置に入れ、この中で陽極酸
化処理した試験片を、対極をニツケル板として、
第3図に示すような電流降下パルス電流(最高電
圧VP:35V、最低電圧VL:5V;一周期における
最高電圧通電時間T1:20ミリ秒、最低電圧通電
時間T2:50ミリ秒)を昇圧速度1V/秒、保持時
間30秒の条件で通電し、予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧22V、通電時間6分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が35.9であり、B部が
36.1であつて、試験片全体が均一なブロンズ色に
仕上がつた。 比較例 5 実施例3において、予備処理を行うことなく、
電圧8V、通電時間5分間、次いで電圧10Vで通
電時間10分間の条件で交流電解着色処理を行つた
こと以外は、実施例3と同様に操作した。 その結果、L値はA部が46.1であり、B部が
55.3であつて、A部が濃くB部が淡くなり不均一
な着色となつた。 実施例 4 硫酸第一錫8g/、硫酸15g/および酸化
防止剤(商品名:スタナスキープ、ユーキ商事(株)
製)3g/を含有する電解着色液を前記試験装
置に入れ、この中で陽極酸化処理した試験片を、
対極をカーボンとして、6相サイクル制御による
電圧波形(3波通電、6波休止、最高電圧VP:
35V)をVPが35Vになるまで35秒かけて均一に上
昇させ、保持時間5秒にて予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧22V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が22.2であり、B部が
23.6であつて、試験片全体が均一な濃いブロンズ
色に仕上がつた。 比較例 6 実施例4において、予備処理を行うことなく、
電圧14V、通電時間3分の条件で交流電解着色処
理を行つたこと以外は、実施例4と同様に操作し
た。 その結果、L値はA部が22.9であり、B部が
55.5であつて、A部が濃いブロンズ色、B部がほ
とんど着色されていなかつた。 比較例 7 実施例4の予備処理の代わりに、通常の直流を
用いて実施例4と同じ電解着色液中で昇圧速度
0.3V/秒の割合で25Vまで昇圧して10秒間通電し
た。その後、電圧20V、通電時間3分の条件で交
流電解着色処理を行つた。 その結果、L値はA部が25.4であり、B部が
28.5であつて、A部が濃いブロンズ色、B部が淡
いブロンズ色となり不均一な着色となつた。ま
た、実施例4に比べると全体的に淡い仕上がりで
あつた。 実施例 5 硫酸銅5水塩30g/、硫酸マグネシウム7水
塩20g/および硫酸5g/を含有する電解着
色液を前記試験装置に入れ、この中で、陽極酸化
処理した試験片を、対極をカーボンとして、第2
図の如き電流反転パルス電流(最高電圧VP:
35V、最低電圧−5V、一周期における正電圧印
加時間T1:50ミリ秒、負電圧印加時間T2:100ミ
リ秒)を昇圧速度2V/秒、保持時間3秒の条件
で通電して予備処理を行つた。 この予備処理後、電圧23V、通電時間4分の条
件で交流電解着色処理を行つた。 その結果、試験片全体が均一にえんじ色に仕上
がつた。 実施例6および比較例8、9 第7図に示すように、試験片2の一端(対極3
に近い方)を装置1の壁面に押し付けて、試験片
2の表裏および左右の付き廻り性を調べた。第7
図において試験片のA、B、C、D部はそれぞれ
次の如くである。 A部:対極に近く、かつ対極に面している部分 B部:対極に遠く、かつ対極に面している部分 C部:対極に遠く、かつ対極と反対側の部分 D部:対極に近く、かつ対極と反対側の部分 実施例1と同様の電解着色液を用い、第1表に
示す電圧波形を用いて予備処理し、その後第1表
に示す条件で交流電解着色処理を行つた。 得られた試験片の着色状況をL値として第2表
に示す。
【表】
【表】
試験片の着色状態は実施例6では均一な仕上り
であるが、比較例8、9では不均一であつた。
であるが、比較例8、9では不均一であつた。
第1〜5図は本発明の方法の予備処理に用いる
電圧波形の例である。第6図は実施例1〜5およ
び比較例1〜7において使用した装置およびその
中に試験片を設置した状況を示す平面図である。
第7図は実施例6および比較例8、9において使
用した装置およびその中に試験片を設置した状況
を示す平面図である。 1……試験装置、2……試験片、3……対極。
電圧波形の例である。第6図は実施例1〜5およ
び比較例1〜7において使用した装置およびその
中に試験片を設置した状況を示す平面図である。
第7図は実施例6および比較例8、9において使
用した装置およびその中に試験片を設置した状況
を示す平面図である。 1……試験装置、2……試験片、3……対極。
Claims (1)
- 1 陽極酸化処理を施したアルミニウムまたはア
ルミニウム合金を、金属塩を含有する電解着色液
中で電解着色するにあたり、前記電解着色液中
で、実質的に正電圧のみの断続波形でありかつ実
質的な休止時間が正電圧印加時間より長い波形の
電圧を印加して予備処理し、しかる後に前記電解
着色液中で電解着色することを特徴とするアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金の電解着色法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17471985A JPS6237395A (ja) | 1985-08-08 | 1985-08-08 | アルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17471985A JPS6237395A (ja) | 1985-08-08 | 1985-08-08 | アルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6237395A JPS6237395A (ja) | 1987-02-18 |
| JPH0121877B2 true JPH0121877B2 (ja) | 1989-04-24 |
Family
ID=15983450
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17471985A Granted JPS6237395A (ja) | 1985-08-08 | 1985-08-08 | アルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6237395A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0691103B2 (ja) * | 1982-09-14 | 1994-11-14 | 松下電器産業株式会社 | 絶縁ゲ−ト型トランジスタの製造方法 |
-
1985
- 1985-08-08 JP JP17471985A patent/JPS6237395A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6237395A (ja) | 1987-02-18 |
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