JPH0144212B2 - - Google Patents
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- JPH0144212B2 JPH0144212B2 JP57111645A JP11164582A JPH0144212B2 JP H0144212 B2 JPH0144212 B2 JP H0144212B2 JP 57111645 A JP57111645 A JP 57111645A JP 11164582 A JP11164582 A JP 11164582A JP H0144212 B2 JPH0144212 B2 JP H0144212B2
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Description
本発明は電気伝導性有機高分子系材料およびそ
の製造法に関する。更に詳しくは電子供与性ドー
ピング剤又は電子受容性ドーピング剤、あるいは
それらの両者を芳香族系ポリマーの熱処理物であ
つてポリアセン系骨格を有する不溶不融性基体に
ドーピングした耐酸化性及び機械的強度に優れた
エレクトロニクス材料として有用な電気半導性あ
るいは電気伝導性有機高分子系材料およびその製
造法に関する。 高分子材料は、成型性、軽量性および量産性等
に優れている。そのため、高分子材料のこれらの
特性を生かして電気的に半導性あるいは伝導性を
有する有機高分子系材料の製造がエレクトロニク
ス産業を始めとして多くの産業分野において希求
されている。特に、電気伝導度が半導体あるいは
伝導体領域にあるというだけではなく、シリコ
ン、ゲルマニウム等の無機半導体のようにn型あ
るいはp型半導体としての性質を有し、それらの
p―n接合等を利用してダイオード、トランジス
ターあるいは太陽電池等への応用が可能な有機高
分子系半導体あるいは伝導体が望まれている。 初期の有機高分子系半導体あるいは伝導体はフ
イルム状あるいは板状体等に成形することが困難
であり、又n型あるいはp型の不純物半導体とし
ての性質を有していなかつた為、用途的にも限定
されていた。近年比較的成形性に優れており、成
形物とすることが可能であり、しかも電子供与性
ドーピング剤あるいは電子受容性ドーピング剤等
をドーピングすることによつて大巾に電気伝導性
を増加させることが可能なn型あるいはp型半導
体としての性質を有する有機高分子系材料が得ら
れている。そのような有機高分子系材料としてポ
リアセチレンとポリフエニレンが知られている。 例えば「合成金属」化学増刊87,1980年発行、
15〜28頁)には、アセチレンを重合して直接フイ
ルム状のポリアセチレン(電気伝導度は10-9〜
10-5Ω-1cm-1)を得、これに電子供与性ドーピン
グ剤あるいは電子受容性ドーピング剤をドーピン
グすることによつて大巾に電気伝導度を増加させ
たp型あるいはn型の半導体を得ることのできる
ことが記載されている。しかしながら、ポリアセ
チレンは酸素によつて酸化され易い欠点がある。
例えばポリアセチレンを空気中に放置すると徐々
に酸素を吸収して重量の増加を示し、それととも
に黒色から褐色を経て淡黄色に変色する。このよ
うな酸化反応の速さはポリアセチレンの結晶性に
左右されるが、例えばTi(O−n−C4H9)4−Al
(C2H5)3系触媒で調製した比較的結晶性の良好な
粉末状ポリアセチレンでさえ例えば空気中、室温
で2000時間放置すると(CHO0.18)xの組成に変化
しそして電気伝導度も大巾に低下する。ポリアセ
チレンは優れた電気伝導度を有しているが、この
ように酸化安定性に問題があるため、極めて実用
性に乏しい。また、特開昭55−129443号公報には
例えばベンゼンを酸化カチオン重合して得られた
ポリフエニレン(電気伝導度は10-12Ω-1cm-1で
あり絶縁体である)を加圧成形することによつて
ポリフエニレン成形体を得、これに電子供与性ド
ーピング剤あるいは電子受容性ドーピング剤をド
ーピングすることによつて大巾に電気伝導度を増
加させたn型あるいはp型の半導体を製造できる
ことが記載されている。ポリフエニレンはポリア
セチレンと異なり、比較的酸化安定性に優れてい
るという長所を有している。しかしながら、ポリ
フエニレンはフエニレン骨格が単結合で線状に結
合しているため炭素原子間の共役系が小さく、そ
のためドーピング剤をドーピングすることによつ
て達成される電気伝導度に限界があると考えら
れ、またドーピング剤による不純物制御にも限界
があると思われる。事実ポリフエニレンは例えば
ハロゲン(電子受容性ドーピング剤)をドープし
ても同量のハロゲンをドープしたポリアセチレン
よりも電気伝導度の増加割合が小さく、ポリアセ
チレンに比較して見劣りがする。ポリフエニレン
にドープ可能な最大量のハロゲンのドーピングを
行つても、電気伝導度が10-7Ω-1cm-1以上のもの
は得られない(同公開公報の実施例5参照)。 本発明の目的は、半導体ないし伝導体の電気伝
導性を有し且つ優れた物理的性質を有するばかり
でなく、酸化安定性にも優れた電気伝導性有機高
分子系材料を提供することにある。 本発明の他の目的は、炭素原子間の共役系が発
達したポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性
材料を基体とし、電子供与性ドーピング剤又は電
子受容性ドーピング剤を含有する電気伝導性有機
高分子系材料を提供することにある。 本発明の更に他の目的は、p―型あるいはn―
型の不純物半導体(extrinsic semiconductor)
の性質を有する電気伝導性有機高分子系材料を提
供することにある。 本発明の更に他の目的は、優れた物理的性質を
有する繊維、フイルム、板あるいはそれらの複合
体の形状の電気伝導性有機高分子系材料を提供す
ることにある。 本発明の更に他の目的は本発明の電気伝導性有
機高分子系材料を製造する方法を提供することに
ある。 本発明の更に他の目的および利点は以下の説明
から明らかとなろう。 本発明者等の研究によれば、上記の如き目的及
び利点は、 (A) 炭素、水素および酸素から成る芳香族系縮合
ポリマーの熱処理物であつて、下記(1),(2)およ
び(3)の性質: (1) 水素原子/炭素原子の原子比が0.60〜0.15
であり、 (2) ベンゼン環の共役系を構成する2個の炭素
間の結合を主な結合として有し、そして (3) 赤外吸収スペクトルから求められる下記式
で表わされる吸光度比(D)、 D=D2900〜2940/D1560〜1640 式中、D2900〜2940は赤外吸収スペクトルに
おける2900〜2940カイザーの範囲の最大吸収
ピークから求められる吸光度、D1560〜1640は
赤外吸収スペクトルにおける1560〜1640のカ
イザーの範囲の最大吸収ピークから求められ
る吸光度である、 が0.5以下である、 を有するポリアセン系骨格構造を含有する不溶不
融性基体と、 (B) 電子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドー
ピング剤 とから成り、 (C) 電気伝導性が未ドープの該基体よりも大であ
る ことを特徴とする電気伝導性有機高分子系材料に
よつて達成されることが分つた。 本発明によれば、かかる電気伝導性有機高分子
系材料は、炭素、水素および酸素から成る芳香族
系縮合ポリマーを非酸化性雰囲気中で400〜800℃
の温度まで加熱し、熱処理して、上記(1),(2)およ
び(3)の性質を有するポリアセン系骨格構造を含有
する不溶不融性基体を形成し、次いでこれに電子
供与性ドーピング剤又は電子受容性ドーピング剤
或はそれらの混合物をドーピングすることにより
該基体の電気伝導度よりも電気伝導度を大ならし
めることによつて製造することができる。 以下本発明について更に詳細に説明する。 従来フエノールをホルムアルデヒドと反応して
得られるフエノール―ホルムアルデヒド縮合物を
真空又は非酸化性雰囲気中で約400〜800℃の温度
まで加熱し、熱処理すると、最初に水蒸気
(H2O)が発生し、次いで水素、メタン、一酸化
炭素等の分解ガスが発生して、該熱処理縮合物中
にベンゼン環が隣のベンゼン環とその2個の核炭
素原子を介して直接結合して少くとも数個のベン
ゼン環が直接接合した構造(以下これをポリアセ
ン構造という)の領域が発達することが知られて
いる(Pargamon Press Ltd.1981,“Carbon”
Vol.19,pp.89―94,1981)。 また、フエノールやキシレノール(例えば3,
5―ジメチルフエノール)の如きフエノール類と
ホルムアルデヒドとの反応により得られる所謂フ
エノール・ホルムアルデヒド縮合物を約500℃以
上の温度まで加熱し、熱処理すると、その過程で
環状構造が次第に発展し、最初に電気的に絶縁物
であつたものが、熱処理によつて電気伝導性が現
われ、之等の熱処理物は真性半導体の性質を示す
ことが知られている(「高分子」昭和35年、
Vol.9962頁および資源技術試験所報告第74号、昭
和44年3月、102頁)。 本発明者等の研究によれば、炭素、水素および
酸素から成る芳香族系縮合ポリマーの熱処理物で
あつて、水素原子(H)/炭素原子(C)の原子比が
0.60〜0.15、特に好ましくは0.50〜0.25で表わさ
れるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性
基体は、意外にも電子供与性ドーピング剤及び/
又は電子受容性ドーピング剤でドーピングするこ
とができ、かようなドーピングによつて未ドーピ
ングの該基体よりも電気伝導性を極めて大きく増
大させることができることが分つた。 本発明の製造方法で用いる炭素、水素および酸
素から成る芳香族系縮合ポリマーとしては、フエ
ノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物と
アルデヒドとの縮合物が好適である。かような芳
香族化合物としては、例えばフエノール、クレゾ
ール、キシレノール等の所謂フエノール類が好適
であるが、これらに限られない。例えば下記式 式中、n1、及びn2は同一でも異つてもよく、0
〜2の整数である、 で表わされるメチレン―ビス・フエノール類であ
つてもよいし、或はヒドロキシ―ビフエニル類や
ヒドロキシナフタレン類であつてもよい。之等の
中、実用的にはフエノール類、殊にフエノールが
好適である。 また、アルデヒドとしてはホルムアルデヒドの
みならず、アセトアルデヒド、フルフラールその
他のアルデヒドも使用することができるが、ホル
ムアルデヒドが好適である。 フエノール・ホルムアルデヒド縮合物として
は、ノボラツク型又はレゾール型或はそれらの複
合物のいずれであつてもよい。 また、本発明によれば、炭素、水素および酸素
から成る芳香族系縮合ポリマーとして、フエノー
ル性水酸基を有する芳香族炭化水素の一部をフエ
ノール性水酸基を有さない他の芳香族炭化水素例
えばキシレン、トルエン等で置換した変性芳香族
系縮合ポリマーを用いることもできる。 また、本発明によれば、フランとホルムアルデ
ヒドとの縮合物(フラン樹脂)に相当するような
例えばフルフリルアルコールの縮合物の如き、異
節原子としての炭素原子を含む芳香族化合物とア
ルデヒドとの縮合物に相当する如き芳香族系縮合
ポリマーを用いることもできる。 上記の如き炭素、水素および酸素から成る芳香
族系縮合ポリマーは予じめ繊維、フイルム、板又
はそれらの複合体に成形して、熱処理するのが有
利である。 之等の芳香族系縮合ポリマーは、そのままでは
水素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cで表わ
す)が通常0.9以上であり、0.8以下のものは殆ん
どないといつてよい。 本発明によれば、かような芳香族系縮合ポリマ
ーを、非酸化雰囲気(真空状態も含む)中で400
〜800℃の温度、好ましくは450〜750℃、特に好
ましくは500〜700℃の範囲の適当な温度まで徐々
に加熱し、熱処理して、H/Cの比が0.60〜
0.15、特に好ましくは0.50〜0.25の熱処理物(基
体)を形成する。かかる熱処理物は不溶不融性で
ある。 熱処理によつて、該縮合ポリマーのH/Cが可
成り大きく減少する事実は、前記引用文献に開示
されているとおり、熱処理物、すなわち基体中に
ベンゼンの多環構造であるポリアセン系構造が発
達したことを示すものと信ぜられる。 本発明で用いる上記熱処理物、すなわち不溶不
融性基体が可成り発達したポリアセン系構造を含
有する(しわも均一に含有すると信ぜられる)こ
とは、基体の上記元素分析値に基づくH/Cの比
のみならず、該基体の同じく元素分析値に基づく
酸素原子/炭素原子の原子比(以下O/Cの比で
示す)が熱処理前の縮合ポリマーのO/Cの比よ
りも可成り大きく減少すること、さらにX線回折
および赤外線吸収スペクトルによつても支持され
る。 芳香族系縮合ポリマーのO/Cは通常0.1以上
であり、0.08以下を示すことは殆んどないといつ
てよいが、これを上記の如く加熱、熱処理するこ
とによつて、H/Cと同様にO/Cも減少する。
本発明で用いる熱処理物である基体は、O/Cの
比が0.06以下のもの、特に0.03以下のものが好適
であり、O/C比が熱処理前の芳香族系縮合ポリ
マーに比べて遥かに小さいという事実もまたかか
る縮合ポリマーが有する酸素、例えばフエノール
性水酸基が分解、除去されてポリアセン系構造に
転換したことを支持する。 本発明で用いる芳香族系縮合ポリマーは、第1
図に示される例からわかるとおり、X線回折
(CuK〓線)においてメイン・ピークの位置が2θで
表わして20゜以下に存在し、且つ2θで表わして41
〜46゜の間にピークの存在を示さない。 X線回折において、2θで表わして24゜以下に現
われるメイン・ピークは、平面ポリアセン系分子
間の平均距離に相当するといわれており、また2θ
で41〜46゜の間に現われるピークはポリアセン系
構造の分子のベンゼン環の平均大きさに相当する
といわれている(「炭素材料入門」炭素材料研究
会、昭和47年発行、12〜21頁参照)。 ところが、該芳香族系縮合ポリマーを熱処理し
て得られる不溶不融性基体は、X線回折において
メイン・ピークの位置が2θで表わして20.5〜23.5゜
の間にシフトし(第2及び3図参照)、さらに2θ
で41〜46゜の間にブロードな回折ピークが生じる
(第2及び3図参照)。前者のメイン・ピークのシ
フトは平面ポリアセン系分子間の平均距離が短縮
したこと、そして後者のブロードなピークはポリ
アセン系のベンゼンの多環構造が発達したことを
示すものと思われる。 事実、本発明で用いる不溶不融性基体は、かよ
うにX線回折(CuK〓線)においてメイン・ピー
クの位置が2θで20.5〜23.5゜の間に生じ、且つ2θで
41〜46゜の間にブロードなピークを示すものが好
適である。 また芳香族系縮合ポリマーの赤外線吸収スペク
トルにおいて、2900〜2940カイザー(cm-1)の範
囲に現われる吸収ピークに共役系を構成しない炭
素とそれに結合する水素間の伸縮振動に相当する
といわれており、また1560〜1640カイザー(cm1)
の範囲に現われる吸収ピークはベンゼン環の共役
系を構成する2個の炭素間の伸縮振動に相当する
といわれている(「Carbon」Pergamon Press
Ltd.Printed in Great Britain、第4巻、59〜66
頁参照)。 本発明の方法に従つて該芳香族系縮合ポリマー
を熱処理すると、熱処理前のものに比べて、添付
図面第4,5,6,7,8及び9図に示す例から
わかるとおり、2900〜2940カイザーの範囲に生じ
る吸収ピークが減少する。まてその場合、ベンゼ
ン環を有する芳香族縮合系ポリマーでは1560〜
1640カイザーの範囲に現われる吸収ピークが増大
し(第4,5,6,7及び8図)、一方ベンゼン
環を持たない芳香族縮合系ポリマー例えばフラン
樹脂では1560〜1640カイザーの範囲に新たに吸収
ピークを示すようになる第9図)。この事実もま
た、本発明で用いる前記不溶不融性基体が、その
熱処理前のものと比べて、ポリアセン系のベンゼ
ン多還構造が発達していることを示す。 本発明においては該不溶不融性基体が、赤外吸
収スペクトルから求められる下記式で表わされる
吸光度比(D)、 D=D2900〜2940/D1560〜1640 式中、D2900〜2940は赤外吸収スペクトルにおけ
る2900〜2940カイザーの範囲の最大吸収ピークか
ら求められる吸光度、D1560〜1640は赤外吸収スペ
クトルにおける1560〜1640カイザーの範囲の最大
吸収ピークから求められる吸光度である、 が0.5以下、特に0.3以下のものが好適である(な
お上記吸光度比(D)の算出方法の詳述は後記実施例
1で述べる)。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、炭
素、水素および酸素から成る芳香族系縮合ポリマ
ーを非酸化性雰囲気中で400〜800℃の温度まで加
熱し、熱処理して、水素原子/炭素原子の比が
0.60ないし0.15の基体を形成し、次いでこれに電
子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドーピング
剤或はそれらの混合物をドーピングすることによ
り該基体の電気伝導度よりも電気伝導度を大なら
しめることにより製造することができる。 上記芳香族系縮合ポリマーとしては、前述した
とおり、フエノール性水酸基を有する芳香族炭化
水素化合物とアルデヒドとの縮合物が好ましく用
いられる。芳香族炭化水素化合物としては、例え
ばフエノール、クレゾール、キシレノールの如き
フエノール類、メチレン―ビス・フエノール類、
ヒドロキシ―ビフエニル類、ヒドロキシナフタレ
ン類、特にフエノールが好ましく用いられる。 また、アルデヒドとしては例えばホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等、特に
ホルムアルデヒドが好ましく用いられる。 芳香族系縮合ポリマーとしては、好ましくはノ
ボラツク型あるいはレゾール型のフエノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂が用いられる。 これらの芳香族系縮合ポリマーは、それ自体公
知の方法に従つて、例えばフエノール性水酸基を
有する芳香族炭化水素化合物とアルデヒドとを酸
性又は塩基性触媒の存在下で縮合せしめることに
より製造することができる。 例えば、ノボラツク型フエノール・ホルムアル
デヒド樹脂は、フエノール対ホルムアルデヒドの
モル比が例えば1対0.7〜0.9となるようなフエノ
ール過剰の条件で、例えばシユウ酸の如き酸触媒
の存在下でフエノールとホルムアルデヒドとを反
応させることによつて製造される。このような方
法によつて得られたノボラツク型フエノール樹脂
はフエノールが主としてメチレン基によつて結合
された3〜5量体が主成分をなし、遊離メチロー
ル基を殆んど含有せず、従つてそれ自体では自己
架橋性を有せず、熱可塑性であつて、それ自体又
はこれから誘導される繊維、フイルム又は粒状品
は本発明の芳香族系縮合ポリマーとして特に好適
である。 また、レゾール型フエノール―ホルムアルデヒ
ド樹脂は、例えば水酸化ナトリウムの如き塩基性
触媒の存在下でフエノール対ホルムアルデヒドの
モル比が1対1〜2の如きホルムアルデヒド過剰
の条件下でフエノールとホルムアルデヒドとを反
応せしめることによつて製造される。このように
して得られるレゾール型フエノール樹脂は比較的
多量の遊離メチロール基を有するフエノールの1
〜3量体が主成分をなし、単に加熱することによ
つて架橋反応をする。 本発明方法によれば、上記芳香族系縮合ポリマ
ーは、好ましくは例えば予め繊維、フイルム、板
又はそれらの複合体に成形し、次いで非酸化性雰
囲気中で加熱し、熱処理するのが有利である。こ
れらの成形体は、本発明によれば、好ましくは加
熱前に硬化反応に付し、分子構造および形状を安
定化せしめるのが有利である。 かかる成形および硬化反応は、例えばノボラツ
ク型フエノール樹脂のメタノール溶液中にホルマ
リンを適当量混合し、この溶液を平面基板上にフ
イルム化し、これを例えば塩酸触媒存在下で加熱
し硬化させることによつて行なうことができる。
また、ノボラツク型フエノール樹脂内に前もつて
ヘキサメチレンテトラミンの如きそれ自体ホルム
アルデヒド発生剤であると共に有機塩基発生剤で
もある架橋剤を混合しておき、フイルム化して
後、加熱硬化し、硬化フエノール樹脂フイルムを
作成してもよい。又レゾール型フエノール樹脂を
使用しても同様にして容易に硬化フエノール樹脂
フイルムを得ることができる。 また、例えばフエノール樹脂繊維(例えば日本
カイノール社製商品名カイノール)の布に、レゾ
ール型フエノール樹脂のメタノール溶液を含浸せ
しめ、風乾等によつてメタノールを除去した後、
例えば120〜170℃の温度で50〜150Kg/cm2の圧力
下、3〜60分硬化させることによつて硬化フエノ
ール系樹脂板状体を複合体として得ることもでき
る。 上記の如く成形―硬化して得られた硬化体は、
これを次いで非酸化性雰囲気中で加熱し、熱処理
しても溶融せず、硬化体に付された形状を有する
不溶不融性基体を与える。 本発明方法によれば、芳香族系縮合ポリマー好
ましくはその硬化体は、先ず非酸化性雰囲気中で
400〜800℃の温度まで加熱し、熱処理される。加
熱温度は好ましくは450〜750℃であり、特に好ま
しくは500〜700℃である。 熱処理の際の好ましい昇温速度は、使用する芳
香族系縮合ポリマー、又はその硬化処理の程度あ
るいはその形状等によつて多少相違するが、一般
に室温から300℃程度の温度までは比較的大きな
昇温速度とすることが可能であり例えば100℃/
時間の速度とすることも可能である。300℃以上
の温度になると、該芳香族系縮合ポリマーの熱分
解が開始し、水蒸気(H2O)、水素、メタン、一
酸化炭素の如きガスが発生し始めるため、充分に
遅い速度で昇温せしめるのが有利である。例え
ば、非多孔質の芳香族系ポリマー成形体の場合に
は、該成形体の厚さをh(mm)とすると、80/h2
℃/時間以下の昇温速度とするのが好ましい。か
かる昇温速度とすることにより、生成する不溶不
融性基体のH/Cの比を0.60〜0.15に制御するこ
とが容易となり、また電気伝導度あるいはその他
の機械的性質を安定化せしめることも容易とな
る。 芳香族系縮合ポリマーのかかる加熱、熱処理
は、非酸化性雰囲気下において行なわれる。非酸
化性雰囲気は、例えば窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、ネオン、二酸化炭素等であり、窒素が好まし
く用いられる。かかる非酸化性雰囲気は静止して
いても流動していてもさしつかえない。 かくして、上記加熱、熱処理により、0.60〜
0.15のH/Cの比を有する不溶不融性基体を製造
することができる。加熱、熱処理の温度を400℃
より低い温度とするときには熱分解が不充分とな
り、一方800℃より高い温度とするときには熱分
解が激しくなりすぎ、いずれの場合にも上記H/
C比を有する不溶不融性基体を得ることは極めて
困難であるか不可能である。 本発明によれば、上記不溶不融性基体は好まし
くはH/Cの比が約0.50〜0.25を有している。ま
た、O/Cの比は通常0.06以下、好ましくは0.03
以下である。また、X線回折(CuK〓)によれば、
メイン・ピークの位置は2θで表わして20.5〜23.5゜
の間に存在し、また該メイン・ピークの他に41〜
46゜の間にブロードな他のピークが存在する。ま
た、赤外線吸収スペクトルによれば、D(=
D2900〜2940/D1560〜1640)の吸光度比は通常0.5以
下、好ましくは0.3以下である。 すなわち、上記不溶不融性基体は、ポリアセン
系のベンゼンの多環構造がポリアセン系分子間に
均一且つ適度に発達したものであると理解され
る。 かかる不溶不融性基体は、本発明によれば、次
いで電子供与性ドーピング剤または電子受容性ド
ーピング剤あるいはこれらの両者をドーピングせ
しめられる。 電子供与性ドーピング剤としては電子を離し易
い物質が用いられる。例えばリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウムあるいはセシウムの如
き周期律表の第1A族金属が好ましく用いられる。 また、電子受容性ドーピング剤としては電子を
受け取り易い物質が用いられる。例えばフツ素、
塩素、臭素、沃素の如きハロゲン;AsF5,PF5,
BF3,BCl3,BBr3の如きハロゲン化合物;SO3
あるいはN2O5の如き非金属元素の酸化物;ある
いはH2SO4,HNO3又はHClO4の如き無機酸に由
来する陰イオン等が好ましく用いられる。 かかるドーピング剤のドーピング方法として
は、ポリアセチレンあるいはポリフエニレンにつ
いて従来用いられているドーピング法と本質的に
同じ方法を使用することができる。強いて本発明
におけるドーピング法を従来知られたドーピング
法と比較してその相違を記述すれば、本発明に用
いる上記不溶不融性基体は酸素に対して非常に安
定であるのみならず他の種々の化学薬品に対して
も高い安定性を有しているため本発明におけるド
ーピング法は従来知られた方法よりも強い条件、
例えば100゜〜200℃の温度下でドーピングを実施
することができる点にある。それ故、本発明にお
けるドーピング法によれば、従来知られた方法よ
りも効率よく有利にドーピングを行うことができ
る。 ドーピング剤がアルカリ金属の場合には、溶融
したアルカリ金属あるいはアルカリ金属の蒸気と
不溶不融性基体とを接触せしめてドーピングする
ことができ、また例えばテトラヒドロフラン中で
生成せしめたアルカリ金属ナフタレン錯体と不溶
不融性基体とを接触せしめてドーピングすること
もできる。 ドーピング剤がハロゲン、ハロゲン化合物ある
いは非金属元素の酸化物である場合にはこれらの
ガスを不溶不融性基体と接触せしめることによ
り、容易にドーピングを行うことができる。 ドーピング剤が無機酸に由来する陰イオンであ
る場合には、無機酸を不溶不融性基体に直接塗布
あるいは含浸せしめるかあるいはこれらの無機酸
を含む電解液中で不溶不融性基体を陽極として電
解してドーピングを行うこともできる。 ドーピング剤は一般に、芳香族系縮合ポリマー
の繰返し単位に対して105モル以上の割合で得ら
れる本発明の有機高分子系材料に存在するように
用いられる。 かくして得られる本発明の有機高分子系材料
は、ドーピング前の不溶不融性基体の電気伝導度
よりも高い電気伝導度、好ましくはドーピング前
の不溶不融性基体よりも10倍又はそれ以上、適当
な方法によれば103〜108倍又はそれ以上の高い電
気伝導度を示す。 電子供与性ドーピング剤をドーピングされた本
発明の電気伝導性有機高分子系材料はn型(電子
過剰型)半導体又は導体の電気伝導性を有する。
また、電子受容性ドーピング剤をドーピングされ
た本発明の電気伝導性有機高分子系材料はp型
(正孔過剰型)半導体又は導体の電気伝導度を有
する。 一方、本発明によればドーピング剤として電子
供与性ドーピング剤と電子受容性ドーピング剤と
を一緒に用いることもできる。これらのドーピン
グ剤が本発明の電気伝導性有機高分子系材料にほ
ぼ均一に混在する場合にはいずれか一方の多く存
在する方のドーピング剤によつてp型又はn型と
なる。例えば、電子供与性ドーピング剤が多く存
在する場合にはn型となり、電子受容性ドーピン
グ剤が多く存在する場合にはp型となる。ドーピ
ング剤が混在するこのような電気伝導性有機高分
子系材料は、ドーピング剤の混合物と不溶不融性
基体とを接触せしめるかあるいは一方のドーピン
グ剤に不溶不融性基体を接触せしめ次いでもう一
方のドーピング剤と接触せしめることによつて製
造できる。 また、本発明によれば、所謂p―n接合面を有
する電気伝導性有機高分子系材料を製造すること
もできる。かかる材料は、不溶不融性基体成形体
の一方から電子供与性ドーピング剤をドーピング
せしめ他方から電子受容性ドーピング剤をドーピ
ングせしめるか、あるいは不溶不融性基体成形体
の全面にいずれか一方のドーピング剤をドーピン
グせしめ次いで他方のドーピング剤をその面の一
部のみにドーピングせしめるこことによつて製造
することができる。 本発明により得られる電気伝導性有機高分子系
材料は、室温での直流伝導度が好ましくは10-4Ω
-1cm-1以上を有する。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、ポリ
アセン系骨格構造と電子供与性ドーピング剤ある
いは電子受容性ドーピング剤、あるいはそれらの
混合物との電子的な相互作用によつて電気伝導度
が高められているものと推察される。 例えば約10-12Ω-1cm-1の電気伝導度を有する
本発明における未ドーピング不溶不融性基体に、
ヨウ素をドーピングさせた場合、本発明の有機高
分子系材料の電気伝導度は約10-3Ω-1cm-1となる
が、この有機高分子系材料の赤外績吸収スペクト
ルには未ドーピング不溶不融性材料には認められ
なかつたピークが出現する。又約10-6Ω-1cm-1の
電気伝導度を有する未ドーピング不溶不融性基体
に、ヨウ素をドーピングさせた場合、電気伝導度
は約100Ω-1cm-1となり、赤外線吸収スペクトル
において共役系を構成する炭素間の伸縮振動に相
当するピーク(1560〜1640cm-1)が高波長側にシ
フトする。 又本発明における不溶不融性基体は、一般に黒
色の光沢を有する物質であるが、例えば三酸化イ
オウをドーピングした場合には紫色の光沢に変色
し、又ナトリウムをドーピングした場合には金色
の光沢に変色する。これらの現象から判断すると
本発明の電気伝導性有機高分子系材料では、骨格
を形成するポリアセン系骨格構造とドーピング剤
との間に電気的相互作用が存在し、そのために電
気伝導度が大巾に増大されているという機構が十
分に確かなものとして推察される。 本発明で使用する不溶不融性基体はそれ自体で
は絶縁体ないし半導体に属する電気伝導度を示す
にもかかわらず、共役系を構成するポリアセン骨
格構造が発達しているため、ドーピング剤をドー
ピングすることにより電気伝導度の大きな増加を
示して本発明の電気伝導性有機高分子系材料を与
える。例えば、電気伝導度10-12Ω-1cm-1の不溶
不融性基体は、ヨウ素のドーピングにより電気伝
導度約10-3Ω-1cm-1の本発明の有機高分子系材料
を与える。これに対し、特開昭55−129443号公報
に記載されているように、電気伝導度10-11Ω-1
cm-1のポリフエニレンにハロゲンをドーピングし
た場合には電気伝導度は10-7Ω-1cm-1までしか上
昇しない。 本発明で使用する不溶不融性基体は、酸素に対
する安定性に優れており、例えば空気中、室温で
5000時間放置してもほとんど物性に変化はなく、
電気伝導率もほとんど一定である。又機械的強度
も高く、例えば曲げ強度は一般に300Kg/cm2以上
であり、実用上充分の物性を有している。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、上記
不溶不融性基体の性質を継承し同様の性質を備え
ている。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、既に
明らかなとおり、例えばフイルム、繊維、板ある
いはそれらの複合体として与えられる。これらは
例えば整流ダイオード、トランジスター、太陽電
池あるいはバツテリー用電池の電極等として種々
の分野において用いられる。 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。 実施例 1 (1) ノボラツク型フエノール樹脂/メタノール/
ホルマリン(約37%濃度の水溶液)を重量比で
3/3/1の割合で混合した溶液をガラス板上
に流し、アプリケーターを用いて引き伸ばし
た。その後、約30分間風乾してメタノールを除
去した後、ガラス板に付着させたまま5N塩酸
内に入れ、70℃の温度で90分間硬化反応させ
た。その後充分に温水で洗浄し、約1月風乾し
て、厚みが約10μの硬化フエノール樹脂フイル
ムを得た。 この樹脂フイルムをシリコニツト電気炉(炭
化硅素を加熱電極とする電気炉)中に入れ窒素
気流中で第1表に示した種々の所定温度まで約
40℃/時間の昇温速度にて熱処理し、不溶不融
性のフイルム状基体を得た。硬化フエノール樹
脂フイルムおよびこのフイルム状基体のそれぞ
れについて、元素分析、X線回折、赤外スペク
トル分析及び電気伝導度の測定を行つた。結果
は試料の色調と共に第1表に示した。 また、添付図面の第1図、第2図および第3
図には、それぞれ硬化フエノール樹脂フイル
ム、No.3の基体試料およびNo.5の基体試料のX
―線回折図を示した。第1図乃至第3図におい
て横軸は回折角(2θ、度)であり、縦軸は強度
を表わしている。また、第4図乃至第6図には
それぞれ硬化フエノール樹脂フイルム、No.3の
基体試料およびNo.4の基体試料の赤外線吸収ス
ペクトル図を示した(測定はフイルム基体をそ
のまま用いて行つた)。 第5図には2900〜2940cm-1のピークの吸光度
(D2900〜2940)と1560〜1640cm-1のピークの吸光
度(D1540〜1640)の求め方も記載した。
D2900〜2940は図解されているようにしてtp1とtb1
とを求め下記式 D2900〜2940=logtp1/tb1 によつて算出される。同様にしてD1560〜1640は
tp2とtb2とを求め、下記式 D1560〜1640=logtp2/tb2 によつて算出される。
の製造法に関する。更に詳しくは電子供与性ドー
ピング剤又は電子受容性ドーピング剤、あるいは
それらの両者を芳香族系ポリマーの熱処理物であ
つてポリアセン系骨格を有する不溶不融性基体に
ドーピングした耐酸化性及び機械的強度に優れた
エレクトロニクス材料として有用な電気半導性あ
るいは電気伝導性有機高分子系材料およびその製
造法に関する。 高分子材料は、成型性、軽量性および量産性等
に優れている。そのため、高分子材料のこれらの
特性を生かして電気的に半導性あるいは伝導性を
有する有機高分子系材料の製造がエレクトロニク
ス産業を始めとして多くの産業分野において希求
されている。特に、電気伝導度が半導体あるいは
伝導体領域にあるというだけではなく、シリコ
ン、ゲルマニウム等の無機半導体のようにn型あ
るいはp型半導体としての性質を有し、それらの
p―n接合等を利用してダイオード、トランジス
ターあるいは太陽電池等への応用が可能な有機高
分子系半導体あるいは伝導体が望まれている。 初期の有機高分子系半導体あるいは伝導体はフ
イルム状あるいは板状体等に成形することが困難
であり、又n型あるいはp型の不純物半導体とし
ての性質を有していなかつた為、用途的にも限定
されていた。近年比較的成形性に優れており、成
形物とすることが可能であり、しかも電子供与性
ドーピング剤あるいは電子受容性ドーピング剤等
をドーピングすることによつて大巾に電気伝導性
を増加させることが可能なn型あるいはp型半導
体としての性質を有する有機高分子系材料が得ら
れている。そのような有機高分子系材料としてポ
リアセチレンとポリフエニレンが知られている。 例えば「合成金属」化学増刊87,1980年発行、
15〜28頁)には、アセチレンを重合して直接フイ
ルム状のポリアセチレン(電気伝導度は10-9〜
10-5Ω-1cm-1)を得、これに電子供与性ドーピン
グ剤あるいは電子受容性ドーピング剤をドーピン
グすることによつて大巾に電気伝導度を増加させ
たp型あるいはn型の半導体を得ることのできる
ことが記載されている。しかしながら、ポリアセ
チレンは酸素によつて酸化され易い欠点がある。
例えばポリアセチレンを空気中に放置すると徐々
に酸素を吸収して重量の増加を示し、それととも
に黒色から褐色を経て淡黄色に変色する。このよ
うな酸化反応の速さはポリアセチレンの結晶性に
左右されるが、例えばTi(O−n−C4H9)4−Al
(C2H5)3系触媒で調製した比較的結晶性の良好な
粉末状ポリアセチレンでさえ例えば空気中、室温
で2000時間放置すると(CHO0.18)xの組成に変化
しそして電気伝導度も大巾に低下する。ポリアセ
チレンは優れた電気伝導度を有しているが、この
ように酸化安定性に問題があるため、極めて実用
性に乏しい。また、特開昭55−129443号公報には
例えばベンゼンを酸化カチオン重合して得られた
ポリフエニレン(電気伝導度は10-12Ω-1cm-1で
あり絶縁体である)を加圧成形することによつて
ポリフエニレン成形体を得、これに電子供与性ド
ーピング剤あるいは電子受容性ドーピング剤をド
ーピングすることによつて大巾に電気伝導度を増
加させたn型あるいはp型の半導体を製造できる
ことが記載されている。ポリフエニレンはポリア
セチレンと異なり、比較的酸化安定性に優れてい
るという長所を有している。しかしながら、ポリ
フエニレンはフエニレン骨格が単結合で線状に結
合しているため炭素原子間の共役系が小さく、そ
のためドーピング剤をドーピングすることによつ
て達成される電気伝導度に限界があると考えら
れ、またドーピング剤による不純物制御にも限界
があると思われる。事実ポリフエニレンは例えば
ハロゲン(電子受容性ドーピング剤)をドープし
ても同量のハロゲンをドープしたポリアセチレン
よりも電気伝導度の増加割合が小さく、ポリアセ
チレンに比較して見劣りがする。ポリフエニレン
にドープ可能な最大量のハロゲンのドーピングを
行つても、電気伝導度が10-7Ω-1cm-1以上のもの
は得られない(同公開公報の実施例5参照)。 本発明の目的は、半導体ないし伝導体の電気伝
導性を有し且つ優れた物理的性質を有するばかり
でなく、酸化安定性にも優れた電気伝導性有機高
分子系材料を提供することにある。 本発明の他の目的は、炭素原子間の共役系が発
達したポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性
材料を基体とし、電子供与性ドーピング剤又は電
子受容性ドーピング剤を含有する電気伝導性有機
高分子系材料を提供することにある。 本発明の更に他の目的は、p―型あるいはn―
型の不純物半導体(extrinsic semiconductor)
の性質を有する電気伝導性有機高分子系材料を提
供することにある。 本発明の更に他の目的は、優れた物理的性質を
有する繊維、フイルム、板あるいはそれらの複合
体の形状の電気伝導性有機高分子系材料を提供す
ることにある。 本発明の更に他の目的は本発明の電気伝導性有
機高分子系材料を製造する方法を提供することに
ある。 本発明の更に他の目的および利点は以下の説明
から明らかとなろう。 本発明者等の研究によれば、上記の如き目的及
び利点は、 (A) 炭素、水素および酸素から成る芳香族系縮合
ポリマーの熱処理物であつて、下記(1),(2)およ
び(3)の性質: (1) 水素原子/炭素原子の原子比が0.60〜0.15
であり、 (2) ベンゼン環の共役系を構成する2個の炭素
間の結合を主な結合として有し、そして (3) 赤外吸収スペクトルから求められる下記式
で表わされる吸光度比(D)、 D=D2900〜2940/D1560〜1640 式中、D2900〜2940は赤外吸収スペクトルに
おける2900〜2940カイザーの範囲の最大吸収
ピークから求められる吸光度、D1560〜1640は
赤外吸収スペクトルにおける1560〜1640のカ
イザーの範囲の最大吸収ピークから求められ
る吸光度である、 が0.5以下である、 を有するポリアセン系骨格構造を含有する不溶不
融性基体と、 (B) 電子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドー
ピング剤 とから成り、 (C) 電気伝導性が未ドープの該基体よりも大であ
る ことを特徴とする電気伝導性有機高分子系材料に
よつて達成されることが分つた。 本発明によれば、かかる電気伝導性有機高分子
系材料は、炭素、水素および酸素から成る芳香族
系縮合ポリマーを非酸化性雰囲気中で400〜800℃
の温度まで加熱し、熱処理して、上記(1),(2)およ
び(3)の性質を有するポリアセン系骨格構造を含有
する不溶不融性基体を形成し、次いでこれに電子
供与性ドーピング剤又は電子受容性ドーピング剤
或はそれらの混合物をドーピングすることにより
該基体の電気伝導度よりも電気伝導度を大ならし
めることによつて製造することができる。 以下本発明について更に詳細に説明する。 従来フエノールをホルムアルデヒドと反応して
得られるフエノール―ホルムアルデヒド縮合物を
真空又は非酸化性雰囲気中で約400〜800℃の温度
まで加熱し、熱処理すると、最初に水蒸気
(H2O)が発生し、次いで水素、メタン、一酸化
炭素等の分解ガスが発生して、該熱処理縮合物中
にベンゼン環が隣のベンゼン環とその2個の核炭
素原子を介して直接結合して少くとも数個のベン
ゼン環が直接接合した構造(以下これをポリアセ
ン構造という)の領域が発達することが知られて
いる(Pargamon Press Ltd.1981,“Carbon”
Vol.19,pp.89―94,1981)。 また、フエノールやキシレノール(例えば3,
5―ジメチルフエノール)の如きフエノール類と
ホルムアルデヒドとの反応により得られる所謂フ
エノール・ホルムアルデヒド縮合物を約500℃以
上の温度まで加熱し、熱処理すると、その過程で
環状構造が次第に発展し、最初に電気的に絶縁物
であつたものが、熱処理によつて電気伝導性が現
われ、之等の熱処理物は真性半導体の性質を示す
ことが知られている(「高分子」昭和35年、
Vol.9962頁および資源技術試験所報告第74号、昭
和44年3月、102頁)。 本発明者等の研究によれば、炭素、水素および
酸素から成る芳香族系縮合ポリマーの熱処理物で
あつて、水素原子(H)/炭素原子(C)の原子比が
0.60〜0.15、特に好ましくは0.50〜0.25で表わさ
れるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性
基体は、意外にも電子供与性ドーピング剤及び/
又は電子受容性ドーピング剤でドーピングするこ
とができ、かようなドーピングによつて未ドーピ
ングの該基体よりも電気伝導性を極めて大きく増
大させることができることが分つた。 本発明の製造方法で用いる炭素、水素および酸
素から成る芳香族系縮合ポリマーとしては、フエ
ノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物と
アルデヒドとの縮合物が好適である。かような芳
香族化合物としては、例えばフエノール、クレゾ
ール、キシレノール等の所謂フエノール類が好適
であるが、これらに限られない。例えば下記式 式中、n1、及びn2は同一でも異つてもよく、0
〜2の整数である、 で表わされるメチレン―ビス・フエノール類であ
つてもよいし、或はヒドロキシ―ビフエニル類や
ヒドロキシナフタレン類であつてもよい。之等の
中、実用的にはフエノール類、殊にフエノールが
好適である。 また、アルデヒドとしてはホルムアルデヒドの
みならず、アセトアルデヒド、フルフラールその
他のアルデヒドも使用することができるが、ホル
ムアルデヒドが好適である。 フエノール・ホルムアルデヒド縮合物として
は、ノボラツク型又はレゾール型或はそれらの複
合物のいずれであつてもよい。 また、本発明によれば、炭素、水素および酸素
から成る芳香族系縮合ポリマーとして、フエノー
ル性水酸基を有する芳香族炭化水素の一部をフエ
ノール性水酸基を有さない他の芳香族炭化水素例
えばキシレン、トルエン等で置換した変性芳香族
系縮合ポリマーを用いることもできる。 また、本発明によれば、フランとホルムアルデ
ヒドとの縮合物(フラン樹脂)に相当するような
例えばフルフリルアルコールの縮合物の如き、異
節原子としての炭素原子を含む芳香族化合物とア
ルデヒドとの縮合物に相当する如き芳香族系縮合
ポリマーを用いることもできる。 上記の如き炭素、水素および酸素から成る芳香
族系縮合ポリマーは予じめ繊維、フイルム、板又
はそれらの複合体に成形して、熱処理するのが有
利である。 之等の芳香族系縮合ポリマーは、そのままでは
水素原子/炭素原子の原子比(以下H/Cで表わ
す)が通常0.9以上であり、0.8以下のものは殆ん
どないといつてよい。 本発明によれば、かような芳香族系縮合ポリマ
ーを、非酸化雰囲気(真空状態も含む)中で400
〜800℃の温度、好ましくは450〜750℃、特に好
ましくは500〜700℃の範囲の適当な温度まで徐々
に加熱し、熱処理して、H/Cの比が0.60〜
0.15、特に好ましくは0.50〜0.25の熱処理物(基
体)を形成する。かかる熱処理物は不溶不融性で
ある。 熱処理によつて、該縮合ポリマーのH/Cが可
成り大きく減少する事実は、前記引用文献に開示
されているとおり、熱処理物、すなわち基体中に
ベンゼンの多環構造であるポリアセン系構造が発
達したことを示すものと信ぜられる。 本発明で用いる上記熱処理物、すなわち不溶不
融性基体が可成り発達したポリアセン系構造を含
有する(しわも均一に含有すると信ぜられる)こ
とは、基体の上記元素分析値に基づくH/Cの比
のみならず、該基体の同じく元素分析値に基づく
酸素原子/炭素原子の原子比(以下O/Cの比で
示す)が熱処理前の縮合ポリマーのO/Cの比よ
りも可成り大きく減少すること、さらにX線回折
および赤外線吸収スペクトルによつても支持され
る。 芳香族系縮合ポリマーのO/Cは通常0.1以上
であり、0.08以下を示すことは殆んどないといつ
てよいが、これを上記の如く加熱、熱処理するこ
とによつて、H/Cと同様にO/Cも減少する。
本発明で用いる熱処理物である基体は、O/Cの
比が0.06以下のもの、特に0.03以下のものが好適
であり、O/C比が熱処理前の芳香族系縮合ポリ
マーに比べて遥かに小さいという事実もまたかか
る縮合ポリマーが有する酸素、例えばフエノール
性水酸基が分解、除去されてポリアセン系構造に
転換したことを支持する。 本発明で用いる芳香族系縮合ポリマーは、第1
図に示される例からわかるとおり、X線回折
(CuK〓線)においてメイン・ピークの位置が2θで
表わして20゜以下に存在し、且つ2θで表わして41
〜46゜の間にピークの存在を示さない。 X線回折において、2θで表わして24゜以下に現
われるメイン・ピークは、平面ポリアセン系分子
間の平均距離に相当するといわれており、また2θ
で41〜46゜の間に現われるピークはポリアセン系
構造の分子のベンゼン環の平均大きさに相当する
といわれている(「炭素材料入門」炭素材料研究
会、昭和47年発行、12〜21頁参照)。 ところが、該芳香族系縮合ポリマーを熱処理し
て得られる不溶不融性基体は、X線回折において
メイン・ピークの位置が2θで表わして20.5〜23.5゜
の間にシフトし(第2及び3図参照)、さらに2θ
で41〜46゜の間にブロードな回折ピークが生じる
(第2及び3図参照)。前者のメイン・ピークのシ
フトは平面ポリアセン系分子間の平均距離が短縮
したこと、そして後者のブロードなピークはポリ
アセン系のベンゼンの多環構造が発達したことを
示すものと思われる。 事実、本発明で用いる不溶不融性基体は、かよ
うにX線回折(CuK〓線)においてメイン・ピー
クの位置が2θで20.5〜23.5゜の間に生じ、且つ2θで
41〜46゜の間にブロードなピークを示すものが好
適である。 また芳香族系縮合ポリマーの赤外線吸収スペク
トルにおいて、2900〜2940カイザー(cm-1)の範
囲に現われる吸収ピークに共役系を構成しない炭
素とそれに結合する水素間の伸縮振動に相当する
といわれており、また1560〜1640カイザー(cm1)
の範囲に現われる吸収ピークはベンゼン環の共役
系を構成する2個の炭素間の伸縮振動に相当する
といわれている(「Carbon」Pergamon Press
Ltd.Printed in Great Britain、第4巻、59〜66
頁参照)。 本発明の方法に従つて該芳香族系縮合ポリマー
を熱処理すると、熱処理前のものに比べて、添付
図面第4,5,6,7,8及び9図に示す例から
わかるとおり、2900〜2940カイザーの範囲に生じ
る吸収ピークが減少する。まてその場合、ベンゼ
ン環を有する芳香族縮合系ポリマーでは1560〜
1640カイザーの範囲に現われる吸収ピークが増大
し(第4,5,6,7及び8図)、一方ベンゼン
環を持たない芳香族縮合系ポリマー例えばフラン
樹脂では1560〜1640カイザーの範囲に新たに吸収
ピークを示すようになる第9図)。この事実もま
た、本発明で用いる前記不溶不融性基体が、その
熱処理前のものと比べて、ポリアセン系のベンゼ
ン多還構造が発達していることを示す。 本発明においては該不溶不融性基体が、赤外吸
収スペクトルから求められる下記式で表わされる
吸光度比(D)、 D=D2900〜2940/D1560〜1640 式中、D2900〜2940は赤外吸収スペクトルにおけ
る2900〜2940カイザーの範囲の最大吸収ピークか
ら求められる吸光度、D1560〜1640は赤外吸収スペ
クトルにおける1560〜1640カイザーの範囲の最大
吸収ピークから求められる吸光度である、 が0.5以下、特に0.3以下のものが好適である(な
お上記吸光度比(D)の算出方法の詳述は後記実施例
1で述べる)。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、炭
素、水素および酸素から成る芳香族系縮合ポリマ
ーを非酸化性雰囲気中で400〜800℃の温度まで加
熱し、熱処理して、水素原子/炭素原子の比が
0.60ないし0.15の基体を形成し、次いでこれに電
子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドーピング
剤或はそれらの混合物をドーピングすることによ
り該基体の電気伝導度よりも電気伝導度を大なら
しめることにより製造することができる。 上記芳香族系縮合ポリマーとしては、前述した
とおり、フエノール性水酸基を有する芳香族炭化
水素化合物とアルデヒドとの縮合物が好ましく用
いられる。芳香族炭化水素化合物としては、例え
ばフエノール、クレゾール、キシレノールの如き
フエノール類、メチレン―ビス・フエノール類、
ヒドロキシ―ビフエニル類、ヒドロキシナフタレ
ン類、特にフエノールが好ましく用いられる。 また、アルデヒドとしては例えばホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等、特に
ホルムアルデヒドが好ましく用いられる。 芳香族系縮合ポリマーとしては、好ましくはノ
ボラツク型あるいはレゾール型のフエノール・ホ
ルムアルデヒド樹脂が用いられる。 これらの芳香族系縮合ポリマーは、それ自体公
知の方法に従つて、例えばフエノール性水酸基を
有する芳香族炭化水素化合物とアルデヒドとを酸
性又は塩基性触媒の存在下で縮合せしめることに
より製造することができる。 例えば、ノボラツク型フエノール・ホルムアル
デヒド樹脂は、フエノール対ホルムアルデヒドの
モル比が例えば1対0.7〜0.9となるようなフエノ
ール過剰の条件で、例えばシユウ酸の如き酸触媒
の存在下でフエノールとホルムアルデヒドとを反
応させることによつて製造される。このような方
法によつて得られたノボラツク型フエノール樹脂
はフエノールが主としてメチレン基によつて結合
された3〜5量体が主成分をなし、遊離メチロー
ル基を殆んど含有せず、従つてそれ自体では自己
架橋性を有せず、熱可塑性であつて、それ自体又
はこれから誘導される繊維、フイルム又は粒状品
は本発明の芳香族系縮合ポリマーとして特に好適
である。 また、レゾール型フエノール―ホルムアルデヒ
ド樹脂は、例えば水酸化ナトリウムの如き塩基性
触媒の存在下でフエノール対ホルムアルデヒドの
モル比が1対1〜2の如きホルムアルデヒド過剰
の条件下でフエノールとホルムアルデヒドとを反
応せしめることによつて製造される。このように
して得られるレゾール型フエノール樹脂は比較的
多量の遊離メチロール基を有するフエノールの1
〜3量体が主成分をなし、単に加熱することによ
つて架橋反応をする。 本発明方法によれば、上記芳香族系縮合ポリマ
ーは、好ましくは例えば予め繊維、フイルム、板
又はそれらの複合体に成形し、次いで非酸化性雰
囲気中で加熱し、熱処理するのが有利である。こ
れらの成形体は、本発明によれば、好ましくは加
熱前に硬化反応に付し、分子構造および形状を安
定化せしめるのが有利である。 かかる成形および硬化反応は、例えばノボラツ
ク型フエノール樹脂のメタノール溶液中にホルマ
リンを適当量混合し、この溶液を平面基板上にフ
イルム化し、これを例えば塩酸触媒存在下で加熱
し硬化させることによつて行なうことができる。
また、ノボラツク型フエノール樹脂内に前もつて
ヘキサメチレンテトラミンの如きそれ自体ホルム
アルデヒド発生剤であると共に有機塩基発生剤で
もある架橋剤を混合しておき、フイルム化して
後、加熱硬化し、硬化フエノール樹脂フイルムを
作成してもよい。又レゾール型フエノール樹脂を
使用しても同様にして容易に硬化フエノール樹脂
フイルムを得ることができる。 また、例えばフエノール樹脂繊維(例えば日本
カイノール社製商品名カイノール)の布に、レゾ
ール型フエノール樹脂のメタノール溶液を含浸せ
しめ、風乾等によつてメタノールを除去した後、
例えば120〜170℃の温度で50〜150Kg/cm2の圧力
下、3〜60分硬化させることによつて硬化フエノ
ール系樹脂板状体を複合体として得ることもでき
る。 上記の如く成形―硬化して得られた硬化体は、
これを次いで非酸化性雰囲気中で加熱し、熱処理
しても溶融せず、硬化体に付された形状を有する
不溶不融性基体を与える。 本発明方法によれば、芳香族系縮合ポリマー好
ましくはその硬化体は、先ず非酸化性雰囲気中で
400〜800℃の温度まで加熱し、熱処理される。加
熱温度は好ましくは450〜750℃であり、特に好ま
しくは500〜700℃である。 熱処理の際の好ましい昇温速度は、使用する芳
香族系縮合ポリマー、又はその硬化処理の程度あ
るいはその形状等によつて多少相違するが、一般
に室温から300℃程度の温度までは比較的大きな
昇温速度とすることが可能であり例えば100℃/
時間の速度とすることも可能である。300℃以上
の温度になると、該芳香族系縮合ポリマーの熱分
解が開始し、水蒸気(H2O)、水素、メタン、一
酸化炭素の如きガスが発生し始めるため、充分に
遅い速度で昇温せしめるのが有利である。例え
ば、非多孔質の芳香族系ポリマー成形体の場合に
は、該成形体の厚さをh(mm)とすると、80/h2
℃/時間以下の昇温速度とするのが好ましい。か
かる昇温速度とすることにより、生成する不溶不
融性基体のH/Cの比を0.60〜0.15に制御するこ
とが容易となり、また電気伝導度あるいはその他
の機械的性質を安定化せしめることも容易とな
る。 芳香族系縮合ポリマーのかかる加熱、熱処理
は、非酸化性雰囲気下において行なわれる。非酸
化性雰囲気は、例えば窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、ネオン、二酸化炭素等であり、窒素が好まし
く用いられる。かかる非酸化性雰囲気は静止して
いても流動していてもさしつかえない。 かくして、上記加熱、熱処理により、0.60〜
0.15のH/Cの比を有する不溶不融性基体を製造
することができる。加熱、熱処理の温度を400℃
より低い温度とするときには熱分解が不充分とな
り、一方800℃より高い温度とするときには熱分
解が激しくなりすぎ、いずれの場合にも上記H/
C比を有する不溶不融性基体を得ることは極めて
困難であるか不可能である。 本発明によれば、上記不溶不融性基体は好まし
くはH/Cの比が約0.50〜0.25を有している。ま
た、O/Cの比は通常0.06以下、好ましくは0.03
以下である。また、X線回折(CuK〓)によれば、
メイン・ピークの位置は2θで表わして20.5〜23.5゜
の間に存在し、また該メイン・ピークの他に41〜
46゜の間にブロードな他のピークが存在する。ま
た、赤外線吸収スペクトルによれば、D(=
D2900〜2940/D1560〜1640)の吸光度比は通常0.5以
下、好ましくは0.3以下である。 すなわち、上記不溶不融性基体は、ポリアセン
系のベンゼンの多環構造がポリアセン系分子間に
均一且つ適度に発達したものであると理解され
る。 かかる不溶不融性基体は、本発明によれば、次
いで電子供与性ドーピング剤または電子受容性ド
ーピング剤あるいはこれらの両者をドーピングせ
しめられる。 電子供与性ドーピング剤としては電子を離し易
い物質が用いられる。例えばリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウムあるいはセシウムの如
き周期律表の第1A族金属が好ましく用いられる。 また、電子受容性ドーピング剤としては電子を
受け取り易い物質が用いられる。例えばフツ素、
塩素、臭素、沃素の如きハロゲン;AsF5,PF5,
BF3,BCl3,BBr3の如きハロゲン化合物;SO3
あるいはN2O5の如き非金属元素の酸化物;ある
いはH2SO4,HNO3又はHClO4の如き無機酸に由
来する陰イオン等が好ましく用いられる。 かかるドーピング剤のドーピング方法として
は、ポリアセチレンあるいはポリフエニレンにつ
いて従来用いられているドーピング法と本質的に
同じ方法を使用することができる。強いて本発明
におけるドーピング法を従来知られたドーピング
法と比較してその相違を記述すれば、本発明に用
いる上記不溶不融性基体は酸素に対して非常に安
定であるのみならず他の種々の化学薬品に対して
も高い安定性を有しているため本発明におけるド
ーピング法は従来知られた方法よりも強い条件、
例えば100゜〜200℃の温度下でドーピングを実施
することができる点にある。それ故、本発明にお
けるドーピング法によれば、従来知られた方法よ
りも効率よく有利にドーピングを行うことができ
る。 ドーピング剤がアルカリ金属の場合には、溶融
したアルカリ金属あるいはアルカリ金属の蒸気と
不溶不融性基体とを接触せしめてドーピングする
ことができ、また例えばテトラヒドロフラン中で
生成せしめたアルカリ金属ナフタレン錯体と不溶
不融性基体とを接触せしめてドーピングすること
もできる。 ドーピング剤がハロゲン、ハロゲン化合物ある
いは非金属元素の酸化物である場合にはこれらの
ガスを不溶不融性基体と接触せしめることによ
り、容易にドーピングを行うことができる。 ドーピング剤が無機酸に由来する陰イオンであ
る場合には、無機酸を不溶不融性基体に直接塗布
あるいは含浸せしめるかあるいはこれらの無機酸
を含む電解液中で不溶不融性基体を陽極として電
解してドーピングを行うこともできる。 ドーピング剤は一般に、芳香族系縮合ポリマー
の繰返し単位に対して105モル以上の割合で得ら
れる本発明の有機高分子系材料に存在するように
用いられる。 かくして得られる本発明の有機高分子系材料
は、ドーピング前の不溶不融性基体の電気伝導度
よりも高い電気伝導度、好ましくはドーピング前
の不溶不融性基体よりも10倍又はそれ以上、適当
な方法によれば103〜108倍又はそれ以上の高い電
気伝導度を示す。 電子供与性ドーピング剤をドーピングされた本
発明の電気伝導性有機高分子系材料はn型(電子
過剰型)半導体又は導体の電気伝導性を有する。
また、電子受容性ドーピング剤をドーピングされ
た本発明の電気伝導性有機高分子系材料はp型
(正孔過剰型)半導体又は導体の電気伝導度を有
する。 一方、本発明によればドーピング剤として電子
供与性ドーピング剤と電子受容性ドーピング剤と
を一緒に用いることもできる。これらのドーピン
グ剤が本発明の電気伝導性有機高分子系材料にほ
ぼ均一に混在する場合にはいずれか一方の多く存
在する方のドーピング剤によつてp型又はn型と
なる。例えば、電子供与性ドーピング剤が多く存
在する場合にはn型となり、電子受容性ドーピン
グ剤が多く存在する場合にはp型となる。ドーピ
ング剤が混在するこのような電気伝導性有機高分
子系材料は、ドーピング剤の混合物と不溶不融性
基体とを接触せしめるかあるいは一方のドーピン
グ剤に不溶不融性基体を接触せしめ次いでもう一
方のドーピング剤と接触せしめることによつて製
造できる。 また、本発明によれば、所謂p―n接合面を有
する電気伝導性有機高分子系材料を製造すること
もできる。かかる材料は、不溶不融性基体成形体
の一方から電子供与性ドーピング剤をドーピング
せしめ他方から電子受容性ドーピング剤をドーピ
ングせしめるか、あるいは不溶不融性基体成形体
の全面にいずれか一方のドーピング剤をドーピン
グせしめ次いで他方のドーピング剤をその面の一
部のみにドーピングせしめるこことによつて製造
することができる。 本発明により得られる電気伝導性有機高分子系
材料は、室温での直流伝導度が好ましくは10-4Ω
-1cm-1以上を有する。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、ポリ
アセン系骨格構造と電子供与性ドーピング剤ある
いは電子受容性ドーピング剤、あるいはそれらの
混合物との電子的な相互作用によつて電気伝導度
が高められているものと推察される。 例えば約10-12Ω-1cm-1の電気伝導度を有する
本発明における未ドーピング不溶不融性基体に、
ヨウ素をドーピングさせた場合、本発明の有機高
分子系材料の電気伝導度は約10-3Ω-1cm-1となる
が、この有機高分子系材料の赤外績吸収スペクト
ルには未ドーピング不溶不融性材料には認められ
なかつたピークが出現する。又約10-6Ω-1cm-1の
電気伝導度を有する未ドーピング不溶不融性基体
に、ヨウ素をドーピングさせた場合、電気伝導度
は約100Ω-1cm-1となり、赤外線吸収スペクトル
において共役系を構成する炭素間の伸縮振動に相
当するピーク(1560〜1640cm-1)が高波長側にシ
フトする。 又本発明における不溶不融性基体は、一般に黒
色の光沢を有する物質であるが、例えば三酸化イ
オウをドーピングした場合には紫色の光沢に変色
し、又ナトリウムをドーピングした場合には金色
の光沢に変色する。これらの現象から判断すると
本発明の電気伝導性有機高分子系材料では、骨格
を形成するポリアセン系骨格構造とドーピング剤
との間に電気的相互作用が存在し、そのために電
気伝導度が大巾に増大されているという機構が十
分に確かなものとして推察される。 本発明で使用する不溶不融性基体はそれ自体で
は絶縁体ないし半導体に属する電気伝導度を示す
にもかかわらず、共役系を構成するポリアセン骨
格構造が発達しているため、ドーピング剤をドー
ピングすることにより電気伝導度の大きな増加を
示して本発明の電気伝導性有機高分子系材料を与
える。例えば、電気伝導度10-12Ω-1cm-1の不溶
不融性基体は、ヨウ素のドーピングにより電気伝
導度約10-3Ω-1cm-1の本発明の有機高分子系材料
を与える。これに対し、特開昭55−129443号公報
に記載されているように、電気伝導度10-11Ω-1
cm-1のポリフエニレンにハロゲンをドーピングし
た場合には電気伝導度は10-7Ω-1cm-1までしか上
昇しない。 本発明で使用する不溶不融性基体は、酸素に対
する安定性に優れており、例えば空気中、室温で
5000時間放置してもほとんど物性に変化はなく、
電気伝導率もほとんど一定である。又機械的強度
も高く、例えば曲げ強度は一般に300Kg/cm2以上
であり、実用上充分の物性を有している。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、上記
不溶不融性基体の性質を継承し同様の性質を備え
ている。 本発明の電気伝導性有機高分子系材料は、既に
明らかなとおり、例えばフイルム、繊維、板ある
いはそれらの複合体として与えられる。これらは
例えば整流ダイオード、トランジスター、太陽電
池あるいはバツテリー用電池の電極等として種々
の分野において用いられる。 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。 実施例 1 (1) ノボラツク型フエノール樹脂/メタノール/
ホルマリン(約37%濃度の水溶液)を重量比で
3/3/1の割合で混合した溶液をガラス板上
に流し、アプリケーターを用いて引き伸ばし
た。その後、約30分間風乾してメタノールを除
去した後、ガラス板に付着させたまま5N塩酸
内に入れ、70℃の温度で90分間硬化反応させ
た。その後充分に温水で洗浄し、約1月風乾し
て、厚みが約10μの硬化フエノール樹脂フイル
ムを得た。 この樹脂フイルムをシリコニツト電気炉(炭
化硅素を加熱電極とする電気炉)中に入れ窒素
気流中で第1表に示した種々の所定温度まで約
40℃/時間の昇温速度にて熱処理し、不溶不融
性のフイルム状基体を得た。硬化フエノール樹
脂フイルムおよびこのフイルム状基体のそれぞ
れについて、元素分析、X線回折、赤外スペク
トル分析及び電気伝導度の測定を行つた。結果
は試料の色調と共に第1表に示した。 また、添付図面の第1図、第2図および第3
図には、それぞれ硬化フエノール樹脂フイル
ム、No.3の基体試料およびNo.5の基体試料のX
―線回折図を示した。第1図乃至第3図におい
て横軸は回折角(2θ、度)であり、縦軸は強度
を表わしている。また、第4図乃至第6図には
それぞれ硬化フエノール樹脂フイルム、No.3の
基体試料およびNo.4の基体試料の赤外線吸収ス
ペクトル図を示した(測定はフイルム基体をそ
のまま用いて行つた)。 第5図には2900〜2940cm-1のピークの吸光度
(D2900〜2940)と1560〜1640cm-1のピークの吸光
度(D1540〜1640)の求め方も記載した。
D2900〜2940は図解されているようにしてtp1とtb1
とを求め下記式 D2900〜2940=logtp1/tb1 によつて算出される。同様にしてD1560〜1640は
tp2とtb2とを求め、下記式 D1560〜1640=logtp2/tb2 によつて算出される。
【表】
上記第1表において、No.1〜No.5の試料にみ
られる41〜46゜の間の2θの位置に現われるブロ
ードなピークはいずれも43゜付近に存在した。
なお、電気伝導度は試料である長方形のフイル
ム状基体に等間隔で平行に4本のリード線を付
し、直流定電圧電源を用い、室温にて電圧と電
流とを別々に測定する方法にて求めた。 上記第1表および第1図〜第6図から、熱処
理温度を500〜740℃とすることにより水素原子
対炭素原子の原子比が0.60〜0.15の基体が製造
できることがわかる。又X線回折からNo.1〜5
の試料はすべてポリアセン系構造を有してお
り、その平面ポリアセン系分子間の平均距離は
黒鉛等に比較するとかなり大きいことがわか
る。この分子間の平均距離は後に示すドーピン
グ剤が入るのに都合のよい距離であり、ドーピ
ング剤との間に電子の相互作用を生じる。 (2) 次に、未ドーピングフイルム状基体を真空ラ
イン中に入れ、真空度を10-2torr以上にした
後、室温にてヨウ素ガスをラインに導入し、ド
ーピングを30分間行つた。真空を破らずにドー
ピング時間5分、10分、20分および30分時の電
気伝導度を各試料について測定した(第2表参
照)。いずれの試料についても電気伝導度はド
ーピング中、連続して増大したことが第2表か
らわかる。約30分間ドーピングした後、ヨウ素
ガスをライン外へ除き、更に約180分間、真空
度を保ち、余分の付着ヨウ素を取り除いた。試
料をラインより空気中に取り出して電気伝導度
をライン中での伝導度と比較したがほとんど差
はなかつた(第2表参照)。 又このようにしてドーピングしたフイルム状
試料を赤外吸収スペクトル分析し、ドーピング
前の試料のそれと比較した。いずれの試料も共
役系を構成する炭素間の伸縮振動に相当するピ
ーク(1560〜1640cm-1付近)が高波長側へシフ
トしていた。この現象はヨウ素とポリアセン系
構造との間に電子の相互作用があることを示し
ている。また、試料No.3のサンプルについては
スペクトル中にドーピング前の試料にはなかつ
た新しいピーク(1700cm-1付近)が出現してい
た。この吸収はドーピング剤であるヨウ素に基
ずく吸収ではないので、この現象もまたヨウ素
とポリアセン系構造との間で電子の相互作用が
あることを示している。第2表にドーピング中
及びラインから空気中に取り出した直後及び空
気中にて2000時間放置した後の電気伝導度を示
す。
られる41〜46゜の間の2θの位置に現われるブロ
ードなピークはいずれも43゜付近に存在した。
なお、電気伝導度は試料である長方形のフイル
ム状基体に等間隔で平行に4本のリード線を付
し、直流定電圧電源を用い、室温にて電圧と電
流とを別々に測定する方法にて求めた。 上記第1表および第1図〜第6図から、熱処
理温度を500〜740℃とすることにより水素原子
対炭素原子の原子比が0.60〜0.15の基体が製造
できることがわかる。又X線回折からNo.1〜5
の試料はすべてポリアセン系構造を有してお
り、その平面ポリアセン系分子間の平均距離は
黒鉛等に比較するとかなり大きいことがわか
る。この分子間の平均距離は後に示すドーピン
グ剤が入るのに都合のよい距離であり、ドーピ
ング剤との間に電子の相互作用を生じる。 (2) 次に、未ドーピングフイルム状基体を真空ラ
イン中に入れ、真空度を10-2torr以上にした
後、室温にてヨウ素ガスをラインに導入し、ド
ーピングを30分間行つた。真空を破らずにドー
ピング時間5分、10分、20分および30分時の電
気伝導度を各試料について測定した(第2表参
照)。いずれの試料についても電気伝導度はド
ーピング中、連続して増大したことが第2表か
らわかる。約30分間ドーピングした後、ヨウ素
ガスをライン外へ除き、更に約180分間、真空
度を保ち、余分の付着ヨウ素を取り除いた。試
料をラインより空気中に取り出して電気伝導度
をライン中での伝導度と比較したがほとんど差
はなかつた(第2表参照)。 又このようにしてドーピングしたフイルム状
試料を赤外吸収スペクトル分析し、ドーピング
前の試料のそれと比較した。いずれの試料も共
役系を構成する炭素間の伸縮振動に相当するピ
ーク(1560〜1640cm-1付近)が高波長側へシフ
トしていた。この現象はヨウ素とポリアセン系
構造との間に電子の相互作用があることを示し
ている。また、試料No.3のサンプルについては
スペクトル中にドーピング前の試料にはなかつ
た新しいピーク(1700cm-1付近)が出現してい
た。この吸収はドーピング剤であるヨウ素に基
ずく吸収ではないので、この現象もまたヨウ素
とポリアセン系構造との間で電子の相互作用が
あることを示している。第2表にドーピング中
及びラインから空気中に取り出した直後及び空
気中にて2000時間放置した後の電気伝導度を示
す。
【表】
第2表よりヨウ素のドーピングによつて大巾
に電気伝導度が増大することがわかつた。ま
た、ここで注目すべきは厚みが約10μである未
ドープ試料は比較的短い時間でドーピングがほ
ぼ完了することである。得られた本発明の電気
伝導性有機高分子系材料は、空気中の酸素に対
して優れた安定性を示すことが確認された。 実施例 2 フエノール系繊維よりなる平織クロス(日本カ
イノール社、商品名カイノール、日付200g/m2)
を40重量%のレゾール型フエノール樹脂のメタノ
ール溶液に浸漬し、マングルにて搾液し、レゾー
ル型フエノール樹脂を付着せしめ、室温にて、24
時間乾燥することにより、フエノール系繊維/レ
ゾール型フエノール樹脂=1/1(重量比)のプ
リプレグを作つた。このプリプレグ1枚を150℃
に加熱された積層板用加圧成形機により、150
Kg/cm2の圧力下で30分間硬化することによつて厚
み250μの板を得た。この板を窒素雰囲気下で300
℃までは70℃/時間または300℃から600℃までは
10℃/時間で昇温し、熱処理を行つた。この未ド
ーピング板状体は水素原子対炭素原子の原子比が
0.31であり、又酸素対炭素原子の原子比は0.01で
あつた。又X線回折によればピークは2θ22.5゜に
あり、又2θ41〜46゜付近に他のピークが認められ
た。又赤外吸収スペクトルにおいて吸光度比D
(D2900〜2940/D1560〜1640)は0.05であつた。 このようにして得られた板状体(厚み約200μ)
を200℃のI2ガス雰囲気中にさらし板表面よりI2
のドーピングを約30分間行つた。ドーピング後の
試料の電気伝導度を測定したところ、ドーピング
前に比較して約105倍増大していた。又ドーピン
グ後の板状体内部におけるヨウ素のドーピング状
態を調べるためにEPMA(エレクトロン・プロー
ブ・X線・マイクロアナリシス)の手法を用いて
分析を行つたところ、ヨウ素は試料表面より約
40μの所まで浸入しており、この深さの所を界面
とする外側の層状部分にヨウ素が認められた。即
ち内側は真性半導体のままであるがこの界面の外
側はp型の半導体となつていた。 実施例 3 実施例1で作成したNo.4の試料、即ち電気伝導
度が約10-6Ω-1cm-1のフイルム(厚み約10μ)を
真空ライン中に入れ、脱気し真空度を10-2torr以
上にした後、SO3ガスをライン内に導入した。
SO3を導入後試料の電気伝導度は急激に増加し始
め約20分後には101Ω-1cm-1まで達した。次いで
このフイルム状試料を空気中に取り出し、真空乾
燥器の内で約60℃の温度で24時間乾燥を行つた。
この乾燥試料を取り出し、電気伝導度を測定した
ところ約10-1Ω-1cm-1まで低下していた。このた
め再び真空乾燥器内で上記と同じ条件で約72時間
乾燥を行ない、その後、再び電気伝導度を測定し
たところ約10-1Ω-1cm-1であつた。この電気伝導
度は空気中に取り出してももはや変化しないこと
が確認できた。又この乾燥後の試料は紫色であり
ドーピング前の黒色とは異つた色調を有してい
た。 実施例 4 実施例1で作成したNo.4の試料フイルム(電気
伝導度約10-6Ω-1cm-1)を陽極とし、炭素板を陰
極とし、又プロピレンカーボネート1に約1モ
ルのLiClO4を溶解させた溶液を電解液として用
いた電解ドーピングを行つた。 電圧を付加した直後の電流は約0.01ミリアンペ
アであつたが、15分後には約0.2ミリアンペアと
なり、約2時間後には約3ミリアンペアまで増大
した。この時点で電解液から直ちに試料を取り出
し、アセトンにて数回洗浄し、室温にて減圧乾燥
を行つた。乾燥試料の電気伝導度を測定したとこ
ろ約10-3Ω-1cm-1であり、ドーピング前の電気伝
導度10-6Ω-1cm-1と比較して約103倍になつてい
た。又乾燥試料は青藍色の光沢を示していた。 実施例 5 脱水したテトラヒドロフラン、ナフタレン及び
金属ナトリウムを用いてナトリウムナフタレート
のテトラヒドロフラン溶液を作成した。ドライボ
ツクス(N2気流)中にて、この溶液に実施例1
で作成したNo.4の試料を浸漬し室温にてドーピン
グを行つた。約10時間浸漬した後、ドライボツク
ス中で脱水したテトラヒドロフランにて洗浄し
た。その後この試料を室温にて約10-2torrの減圧
下、約20時間、乾燥した。乾燥試料は金色の色調
を有しており、ドーピング前の黒色とは異なる色
調であつた。また、この乾燥試料の電気伝導度は
約10-1Ω-1cm-1であつた。 実施例 6 実施例2で用いたと同じ未ドーピング板状体
(厚み約200μ)試料について約−100℃〜20℃の
範囲の温度において電気伝導度の温度変化を調べ
た。この温度に対する電気伝導度の関係は一般の
半導体と同様に横軸に温度の逆数をとり縦軸に電
気伝導度の対数をとるとほぼ直線関係を示した。
すなわち温度が上昇すると共に電気伝導度も増大
した。この関係より、エネルギーギヤツプΔEを
計算したところ、約0.55電子ボルトであつた。 次にこの板状体試料を200℃のI2ガス雰囲気中
にさらして約60分間ドーピングを行なつた。この
ドーピング試料について電気伝導度の温度変化を
調べた。ドーピング前と同様に電気伝導度は温度
が上昇すると共に増大した。又、横軸に温度の逆
数、縦軸に電気伝導度の対数をとると、ほぼ直線
関係を示し、エネルギーギヤツプΔEは約0.15電
子ボルトであつた。 実施例 7 溶液状のクレゾール樹脂(クレゾールホルムア
ルデヒド樹脂、熱硬化タイプ、住友デユレズ(株)製
PR―912)をガラス板上に流し、アプリケーター
を用いて引き伸ばした。その後約2時間風乾した
後、150℃の温度にて30分間熱硬化させ、膜厚が
約30μのフイルムを得た。次に、このフイルムを
シリコニツト電気炉の中に入れ、窒素気流中で、
約40℃/時間の昇温速度にて、室温から610℃の
温度まで熱処理し、不溶不融性のフイルム状基体
を得た。このフイルム状基体について、元素分
析、X線回折(第7図参照)、赤外スペクトル分
析(第10図参照)、及び電気伝導度の測定を行
つた。X線回折における最大ピークの位置(2θ)
は22.7゜であり、41〜46゜(2θ)のピークの大きさは
中であつた。又赤外スペクトルにおいて、2900〜
2940cm-1の吸収は殆んど認められないほど小さ
く、一方1560〜1640cm-1の吸収は明確に認められ
た吸光度比(D2900〜2940/D1560〜1640)は明らかに
0.3よりも小さかつた。又、電気伝導度は10-3Ω
-1cm-1であつた。 次にこのフイルム状基体を真空ライン中に入
れ、実施例1と同様な方法にて、ヨウ素のドーピ
ングを約30分間行い、電気伝導度の変化を調べ
た。30分間のドーピングを行つたのち、試料の電
気伝導度は10-1Ω-1cm-1まで上昇していた。 上記結果を含め下記第3表に結果をまとめて示
した。 実施例 8 フエノールの一部をキシレンで置換したキシレ
ン変性フエノールホルムアルデヒド樹脂の溶液
(フエノール:キシレン=1:1(モル比)、熱硬
化タイプ、三菱瓦斯(株)製PR―1440M)を、ガラ
ス板上に流し、アプリケーターを用いて引き伸ば
した。その後約2時間風乾した後、150℃の温度
にて約2時間熱硬化させ、膜厚が約50μのフイル
ムを得た。次にこのフイルムをシリコニツト電気
炉に入れ、窒素気流中で約40℃/時間の昇温速度
にて室温から610℃まで熱処理し、不溶不融性の
フイルム状基体を得た。 上記フイルム状基体(ドープ前)のX―線回折
図および赤外線吸収スペクトル図をそれぞれ第8
図及び第11図に示した。赤外線吸収スペクトル
には、2900〜2940cm-1の吸収は殆んど認められな
いほどに小さくしか出現しておらず、吸光度比
(D2900〜2940/D1560〜1640)は0.3よりも小さかつた
。 次に、このフイルム状基体を真空ラインに入
れ、実施例1と同様にして、ヨウ素のドーピング
を約30分間行なつた。 結果を、下記第3表に合せて示した。 実施例 9 フラン樹脂(フルフリルアルコール樹脂、日立
化成工業(株)製ヒタフラン302)をガラス板上に流
し、アプリケーターを用いて、引き伸ばした。そ
の後約2時間風乾した後100℃の温度にて約2時
間加熱して、硬化させて、膜厚約40μのフイルム
を得た。次にこのフイルムをシリコニツト電気炉
内に入れ窒素気流中にて約40℃/時間の速度で昇
温し、室温から640℃まで熱処理し不溶不融性の
フイルム状基体を得た。このフイルム状基体のX
―線回折図および赤外線吸収スペクトル図をそれ
ぞれ第9図および第12図に示した。第12図か
ら吸光度比(D2900〜2940/D1560〜1640)が0.3より小
さいことが明らかとなつた。 次に、このフイルム状基体を真空ラインに入
れ、実施例1と同様にしてヨウ素のドーピングを
約30分間行つた。 結果を、下記第3表に合せて示した。
に電気伝導度が増大することがわかつた。ま
た、ここで注目すべきは厚みが約10μである未
ドープ試料は比較的短い時間でドーピングがほ
ぼ完了することである。得られた本発明の電気
伝導性有機高分子系材料は、空気中の酸素に対
して優れた安定性を示すことが確認された。 実施例 2 フエノール系繊維よりなる平織クロス(日本カ
イノール社、商品名カイノール、日付200g/m2)
を40重量%のレゾール型フエノール樹脂のメタノ
ール溶液に浸漬し、マングルにて搾液し、レゾー
ル型フエノール樹脂を付着せしめ、室温にて、24
時間乾燥することにより、フエノール系繊維/レ
ゾール型フエノール樹脂=1/1(重量比)のプ
リプレグを作つた。このプリプレグ1枚を150℃
に加熱された積層板用加圧成形機により、150
Kg/cm2の圧力下で30分間硬化することによつて厚
み250μの板を得た。この板を窒素雰囲気下で300
℃までは70℃/時間または300℃から600℃までは
10℃/時間で昇温し、熱処理を行つた。この未ド
ーピング板状体は水素原子対炭素原子の原子比が
0.31であり、又酸素対炭素原子の原子比は0.01で
あつた。又X線回折によればピークは2θ22.5゜に
あり、又2θ41〜46゜付近に他のピークが認められ
た。又赤外吸収スペクトルにおいて吸光度比D
(D2900〜2940/D1560〜1640)は0.05であつた。 このようにして得られた板状体(厚み約200μ)
を200℃のI2ガス雰囲気中にさらし板表面よりI2
のドーピングを約30分間行つた。ドーピング後の
試料の電気伝導度を測定したところ、ドーピング
前に比較して約105倍増大していた。又ドーピン
グ後の板状体内部におけるヨウ素のドーピング状
態を調べるためにEPMA(エレクトロン・プロー
ブ・X線・マイクロアナリシス)の手法を用いて
分析を行つたところ、ヨウ素は試料表面より約
40μの所まで浸入しており、この深さの所を界面
とする外側の層状部分にヨウ素が認められた。即
ち内側は真性半導体のままであるがこの界面の外
側はp型の半導体となつていた。 実施例 3 実施例1で作成したNo.4の試料、即ち電気伝導
度が約10-6Ω-1cm-1のフイルム(厚み約10μ)を
真空ライン中に入れ、脱気し真空度を10-2torr以
上にした後、SO3ガスをライン内に導入した。
SO3を導入後試料の電気伝導度は急激に増加し始
め約20分後には101Ω-1cm-1まで達した。次いで
このフイルム状試料を空気中に取り出し、真空乾
燥器の内で約60℃の温度で24時間乾燥を行つた。
この乾燥試料を取り出し、電気伝導度を測定した
ところ約10-1Ω-1cm-1まで低下していた。このた
め再び真空乾燥器内で上記と同じ条件で約72時間
乾燥を行ない、その後、再び電気伝導度を測定し
たところ約10-1Ω-1cm-1であつた。この電気伝導
度は空気中に取り出してももはや変化しないこと
が確認できた。又この乾燥後の試料は紫色であり
ドーピング前の黒色とは異つた色調を有してい
た。 実施例 4 実施例1で作成したNo.4の試料フイルム(電気
伝導度約10-6Ω-1cm-1)を陽極とし、炭素板を陰
極とし、又プロピレンカーボネート1に約1モ
ルのLiClO4を溶解させた溶液を電解液として用
いた電解ドーピングを行つた。 電圧を付加した直後の電流は約0.01ミリアンペ
アであつたが、15分後には約0.2ミリアンペアと
なり、約2時間後には約3ミリアンペアまで増大
した。この時点で電解液から直ちに試料を取り出
し、アセトンにて数回洗浄し、室温にて減圧乾燥
を行つた。乾燥試料の電気伝導度を測定したとこ
ろ約10-3Ω-1cm-1であり、ドーピング前の電気伝
導度10-6Ω-1cm-1と比較して約103倍になつてい
た。又乾燥試料は青藍色の光沢を示していた。 実施例 5 脱水したテトラヒドロフラン、ナフタレン及び
金属ナトリウムを用いてナトリウムナフタレート
のテトラヒドロフラン溶液を作成した。ドライボ
ツクス(N2気流)中にて、この溶液に実施例1
で作成したNo.4の試料を浸漬し室温にてドーピン
グを行つた。約10時間浸漬した後、ドライボツク
ス中で脱水したテトラヒドロフランにて洗浄し
た。その後この試料を室温にて約10-2torrの減圧
下、約20時間、乾燥した。乾燥試料は金色の色調
を有しており、ドーピング前の黒色とは異なる色
調であつた。また、この乾燥試料の電気伝導度は
約10-1Ω-1cm-1であつた。 実施例 6 実施例2で用いたと同じ未ドーピング板状体
(厚み約200μ)試料について約−100℃〜20℃の
範囲の温度において電気伝導度の温度変化を調べ
た。この温度に対する電気伝導度の関係は一般の
半導体と同様に横軸に温度の逆数をとり縦軸に電
気伝導度の対数をとるとほぼ直線関係を示した。
すなわち温度が上昇すると共に電気伝導度も増大
した。この関係より、エネルギーギヤツプΔEを
計算したところ、約0.55電子ボルトであつた。 次にこの板状体試料を200℃のI2ガス雰囲気中
にさらして約60分間ドーピングを行なつた。この
ドーピング試料について電気伝導度の温度変化を
調べた。ドーピング前と同様に電気伝導度は温度
が上昇すると共に増大した。又、横軸に温度の逆
数、縦軸に電気伝導度の対数をとると、ほぼ直線
関係を示し、エネルギーギヤツプΔEは約0.15電
子ボルトであつた。 実施例 7 溶液状のクレゾール樹脂(クレゾールホルムア
ルデヒド樹脂、熱硬化タイプ、住友デユレズ(株)製
PR―912)をガラス板上に流し、アプリケーター
を用いて引き伸ばした。その後約2時間風乾した
後、150℃の温度にて30分間熱硬化させ、膜厚が
約30μのフイルムを得た。次に、このフイルムを
シリコニツト電気炉の中に入れ、窒素気流中で、
約40℃/時間の昇温速度にて、室温から610℃の
温度まで熱処理し、不溶不融性のフイルム状基体
を得た。このフイルム状基体について、元素分
析、X線回折(第7図参照)、赤外スペクトル分
析(第10図参照)、及び電気伝導度の測定を行
つた。X線回折における最大ピークの位置(2θ)
は22.7゜であり、41〜46゜(2θ)のピークの大きさは
中であつた。又赤外スペクトルにおいて、2900〜
2940cm-1の吸収は殆んど認められないほど小さ
く、一方1560〜1640cm-1の吸収は明確に認められ
た吸光度比(D2900〜2940/D1560〜1640)は明らかに
0.3よりも小さかつた。又、電気伝導度は10-3Ω
-1cm-1であつた。 次にこのフイルム状基体を真空ライン中に入
れ、実施例1と同様な方法にて、ヨウ素のドーピ
ングを約30分間行い、電気伝導度の変化を調べ
た。30分間のドーピングを行つたのち、試料の電
気伝導度は10-1Ω-1cm-1まで上昇していた。 上記結果を含め下記第3表に結果をまとめて示
した。 実施例 8 フエノールの一部をキシレンで置換したキシレ
ン変性フエノールホルムアルデヒド樹脂の溶液
(フエノール:キシレン=1:1(モル比)、熱硬
化タイプ、三菱瓦斯(株)製PR―1440M)を、ガラ
ス板上に流し、アプリケーターを用いて引き伸ば
した。その後約2時間風乾した後、150℃の温度
にて約2時間熱硬化させ、膜厚が約50μのフイル
ムを得た。次にこのフイルムをシリコニツト電気
炉に入れ、窒素気流中で約40℃/時間の昇温速度
にて室温から610℃まで熱処理し、不溶不融性の
フイルム状基体を得た。 上記フイルム状基体(ドープ前)のX―線回折
図および赤外線吸収スペクトル図をそれぞれ第8
図及び第11図に示した。赤外線吸収スペクトル
には、2900〜2940cm-1の吸収は殆んど認められな
いほどに小さくしか出現しておらず、吸光度比
(D2900〜2940/D1560〜1640)は0.3よりも小さかつた
。 次に、このフイルム状基体を真空ラインに入
れ、実施例1と同様にして、ヨウ素のドーピング
を約30分間行なつた。 結果を、下記第3表に合せて示した。 実施例 9 フラン樹脂(フルフリルアルコール樹脂、日立
化成工業(株)製ヒタフラン302)をガラス板上に流
し、アプリケーターを用いて、引き伸ばした。そ
の後約2時間風乾した後100℃の温度にて約2時
間加熱して、硬化させて、膜厚約40μのフイルム
を得た。次にこのフイルムをシリコニツト電気炉
内に入れ窒素気流中にて約40℃/時間の速度で昇
温し、室温から640℃まで熱処理し不溶不融性の
フイルム状基体を得た。このフイルム状基体のX
―線回折図および赤外線吸収スペクトル図をそれ
ぞれ第9図および第12図に示した。第12図か
ら吸光度比(D2900〜2940/D1560〜1640)が0.3より小
さいことが明らかとなつた。 次に、このフイルム状基体を真空ラインに入
れ、実施例1と同様にしてヨウ素のドーピングを
約30分間行つた。 結果を、下記第3表に合せて示した。
【表】
実施例 10
実施例1と同様な方法にて厚さが約30μの硬化
フエノール樹脂フイルムを得、さらにこの樹脂フ
イルムを実施例1と同様な方法にて610℃まで熱
処理を行い、電気伝導度が10-7Ω-1cm-1であるフ
イルム状基体を得た。 次に、このフイルム状基体を真空ラインに入
れ、真空圧を約10-2torrとした後、室温にてBr2
ガスをラインに導入しドーピングを30分間行つ
た。その後ポンプによつてBr2ガスを系外に除
き、系内を圧力を約10-2torrとした。その後再び
Br2ガスを系内に導入して約30分間ドーピングを
行つた。この時点の試料の電気伝導度は約10-1Ω
-1cm-1を示した。 実施例 11 実施例1と同様にして作成した厚さ10μの硬化
フエノール樹脂フイルムを590℃まで熱処理して、
黒色の不溶不融性のフイルム状基体を得た。 このフイルム状基体は、水素原子/炭素原子お
よび酸素原子/炭素原子の比がそれぞれ0.36およ
び0.013であり、X線の最大ピークの位置(2θ)
が21.3゜であり41〜46゜のピークの大きさは中であ
つた。また、D2900〜2940/D1560〜1640の吸光度比は
0.10であり、電気伝導度は10-7Ω-1cm-1であつた。 このフイルム状基体を、実施例5の方法と同様
にしてナトリウムのドーピングに付した。得られ
た試料は金色の光沢ある色調を示し、10-2Ω-1cm
-1の電気伝導度を示した。 一方、公知の方法で得たポリアセチレンフイル
ム(シス型、銀色、厚さ約80μ、電気伝導度10-8
Ω-1cm-1)について、上記と全く同様にして、ナ
トリウムのドーピングを実施した。得られた試料
は金色の光沢ある色調を示し、10-2Ω-1cm-1の電
気伝導度を示した。 上記の結果は、新しいポリアセン系骨格構造を
含有する不溶不融性基体を本発明の電気伝導性有
機高分子系材料が、公知のポリアセチレンと同等
の優れた電気伝導性を与えることを示している。
ポリアセチレンが酸化安定性に乏しいのに対し本
発明の材料が優れた酸化安定性を示すことを考慮
すると、本発明の材料が実用上優れたものである
ことがわかる。 実施例 12 実施例1の(1)の前半と同様にして厚さ約30μの
硬化フエノール樹脂フイルムを得た。このフイル
ムを2枚準備し、シリコニツト電気炉中で窒素気
流中で一方は600℃まで他方は670℃まで熱処理を
行い不溶不融性のフイルム状基体(以下、600℃
までの熱処理を受けたものを基体A、670℃まで
の熱処理を受けたものを基体Bという)を得た。
基体Aの電気伝導度および元素分析による水素/
炭素比はそれぞれ2×10-7Ω-1・cm-1および0.31
であつた。また、基体Bの電気伝導度および水
素/炭素比はそれぞれ3×10-2Ω-1・cm-1および
0.17であつた。 これらの基体を真空ライン中に入れ、真空度を
10-4torr以上(10-4torr以下の圧力)にしたのち、
室温にて沃素ガスを真空ラインに導入し、約8時
間ドーピングを行つた。基体Aからドーピングし
て得られたフイルム状試料は2×10-2Ω-1・cm-1
の電気伝導度を示し、一方基体Bからドーピング
して得られたフイルム状試料は1×100Ω-1・cm
-1の電気伝導度を示した。 これらの試料のドーピングされた沃素量を求め
るため元素分析を行つたところ、未ドープの基体
重量に対し62重量%(基体Aからの試料)および
65重量%(基体Bからの試料)に相当する沃素が
ドーピングされていることが判つた。 また、ドーピングされた同じこれらの試料をエ
レクトロンプローブX―線マイクロアナリシス
(EPMA)の手法により分析した結果、沃素はい
ずれの試料についても試料のフイルム厚方向に内
部まで均一にドーピングされていることが明らか
となつた。 実施例 13 充分に脱水したテトラヒドロフラン、ナフタレ
ン及び金属ナトリウムを、真空ライン中に導入
し、真空ライン中にてナトリウムナフタレートの
テトラヒドロフラン溶液を調製した。 次に実施例12にて使用した電気伝導度2×10-7
Ω-1・cm-1のフイルム状基体(基体A)を真空ラ
イン中に取付け、上記のナトリウムナフタレート
のテトラヒドロフラン溶液中に浸漬してナトリウ
ムのドーピングを開始した。フイルム状基体には
4本の白金リード線を取り付けて、ドーピング中
における試料の電気伝導度の変化を測定した。ド
ーピング開始と同時に電気伝導度は大巾に増加
し、約30分後には5×10-1Ω-1・cm-1となつた。
約4時間ドーピングした後、真空ライン中にてド
ーピングした試料をテトラヒドロフランにて洗浄
した。次に約2時間、真空度10-4torrにて、室温
下、乾燥した。乾燥試料の電気伝導度は7×10-1
Ω-1・cm-1であつた。次にこのナトリウムがドー
ピングされた試料を取り出して元素分析を行つた
ところ、未ドープの基本重量に対して13重量%の
ナトリウムが検出された。 又ドーピングされた同じ試料をEPMAの手法
により分析したところ、ナトリウム原子はフイル
ム表面に近い部分により多く存在したが、フイル
ム厚方向の内部まで浸入していることが明らかと
なつた。 実施例12にて用いた電気伝導度3×10-2Ω-1・
cm-1のフイルム状基体(基体B)についても同様
の実験を行つた。ドーピング開始後約4時間で電
気伝導度は1×101Ω-1・cm-1まで増大した。テ
トラヒドロフランにて充分に洗浄し、乾燥した後
真空ラインに空気を導入し、空気中での安定性を
調べた。約2時間放置したが電気伝導度は100Ω
-1・cm-1以下を示し、空気中でかなり安定である
ことが明らかとなつた。
フエノール樹脂フイルムを得、さらにこの樹脂フ
イルムを実施例1と同様な方法にて610℃まで熱
処理を行い、電気伝導度が10-7Ω-1cm-1であるフ
イルム状基体を得た。 次に、このフイルム状基体を真空ラインに入
れ、真空圧を約10-2torrとした後、室温にてBr2
ガスをラインに導入しドーピングを30分間行つ
た。その後ポンプによつてBr2ガスを系外に除
き、系内を圧力を約10-2torrとした。その後再び
Br2ガスを系内に導入して約30分間ドーピングを
行つた。この時点の試料の電気伝導度は約10-1Ω
-1cm-1を示した。 実施例 11 実施例1と同様にして作成した厚さ10μの硬化
フエノール樹脂フイルムを590℃まで熱処理して、
黒色の不溶不融性のフイルム状基体を得た。 このフイルム状基体は、水素原子/炭素原子お
よび酸素原子/炭素原子の比がそれぞれ0.36およ
び0.013であり、X線の最大ピークの位置(2θ)
が21.3゜であり41〜46゜のピークの大きさは中であ
つた。また、D2900〜2940/D1560〜1640の吸光度比は
0.10であり、電気伝導度は10-7Ω-1cm-1であつた。 このフイルム状基体を、実施例5の方法と同様
にしてナトリウムのドーピングに付した。得られ
た試料は金色の光沢ある色調を示し、10-2Ω-1cm
-1の電気伝導度を示した。 一方、公知の方法で得たポリアセチレンフイル
ム(シス型、銀色、厚さ約80μ、電気伝導度10-8
Ω-1cm-1)について、上記と全く同様にして、ナ
トリウムのドーピングを実施した。得られた試料
は金色の光沢ある色調を示し、10-2Ω-1cm-1の電
気伝導度を示した。 上記の結果は、新しいポリアセン系骨格構造を
含有する不溶不融性基体を本発明の電気伝導性有
機高分子系材料が、公知のポリアセチレンと同等
の優れた電気伝導性を与えることを示している。
ポリアセチレンが酸化安定性に乏しいのに対し本
発明の材料が優れた酸化安定性を示すことを考慮
すると、本発明の材料が実用上優れたものである
ことがわかる。 実施例 12 実施例1の(1)の前半と同様にして厚さ約30μの
硬化フエノール樹脂フイルムを得た。このフイル
ムを2枚準備し、シリコニツト電気炉中で窒素気
流中で一方は600℃まで他方は670℃まで熱処理を
行い不溶不融性のフイルム状基体(以下、600℃
までの熱処理を受けたものを基体A、670℃まで
の熱処理を受けたものを基体Bという)を得た。
基体Aの電気伝導度および元素分析による水素/
炭素比はそれぞれ2×10-7Ω-1・cm-1および0.31
であつた。また、基体Bの電気伝導度および水
素/炭素比はそれぞれ3×10-2Ω-1・cm-1および
0.17であつた。 これらの基体を真空ライン中に入れ、真空度を
10-4torr以上(10-4torr以下の圧力)にしたのち、
室温にて沃素ガスを真空ラインに導入し、約8時
間ドーピングを行つた。基体Aからドーピングし
て得られたフイルム状試料は2×10-2Ω-1・cm-1
の電気伝導度を示し、一方基体Bからドーピング
して得られたフイルム状試料は1×100Ω-1・cm
-1の電気伝導度を示した。 これらの試料のドーピングされた沃素量を求め
るため元素分析を行つたところ、未ドープの基体
重量に対し62重量%(基体Aからの試料)および
65重量%(基体Bからの試料)に相当する沃素が
ドーピングされていることが判つた。 また、ドーピングされた同じこれらの試料をエ
レクトロンプローブX―線マイクロアナリシス
(EPMA)の手法により分析した結果、沃素はい
ずれの試料についても試料のフイルム厚方向に内
部まで均一にドーピングされていることが明らか
となつた。 実施例 13 充分に脱水したテトラヒドロフラン、ナフタレ
ン及び金属ナトリウムを、真空ライン中に導入
し、真空ライン中にてナトリウムナフタレートの
テトラヒドロフラン溶液を調製した。 次に実施例12にて使用した電気伝導度2×10-7
Ω-1・cm-1のフイルム状基体(基体A)を真空ラ
イン中に取付け、上記のナトリウムナフタレート
のテトラヒドロフラン溶液中に浸漬してナトリウ
ムのドーピングを開始した。フイルム状基体には
4本の白金リード線を取り付けて、ドーピング中
における試料の電気伝導度の変化を測定した。ド
ーピング開始と同時に電気伝導度は大巾に増加
し、約30分後には5×10-1Ω-1・cm-1となつた。
約4時間ドーピングした後、真空ライン中にてド
ーピングした試料をテトラヒドロフランにて洗浄
した。次に約2時間、真空度10-4torrにて、室温
下、乾燥した。乾燥試料の電気伝導度は7×10-1
Ω-1・cm-1であつた。次にこのナトリウムがドー
ピングされた試料を取り出して元素分析を行つた
ところ、未ドープの基本重量に対して13重量%の
ナトリウムが検出された。 又ドーピングされた同じ試料をEPMAの手法
により分析したところ、ナトリウム原子はフイル
ム表面に近い部分により多く存在したが、フイル
ム厚方向の内部まで浸入していることが明らかと
なつた。 実施例12にて用いた電気伝導度3×10-2Ω-1・
cm-1のフイルム状基体(基体B)についても同様
の実験を行つた。ドーピング開始後約4時間で電
気伝導度は1×101Ω-1・cm-1まで増大した。テ
トラヒドロフランにて充分に洗浄し、乾燥した後
真空ラインに空気を導入し、空気中での安定性を
調べた。約2時間放置したが電気伝導度は100Ω
-1・cm-1以下を示し、空気中でかなり安定である
ことが明らかとなつた。
第1図は、本発明において用いられる硬化フエ
ノール樹脂のX―線回折図(粉末にて測定)であ
る。第2図および第3図はいずれも硬化フエノー
ル樹脂から導かれた本発明で用いられる不溶不融
性基体のX―線回折図である。第4図は、本発明
において用いられる硬化フエノール樹脂の赤外線
吸収スペクトル図(フイルムで測定)である。第
5図および第6図はいずれも硬化フエノール樹脂
から導かれた本発明で用いられる不溶不融性基体
の赤外線吸収スペクトル図である。第7図および
第10図は、クレゾール樹脂から導かれた本発明
で用いられる不溶不融性基体のそれぞれX―線回
折図および赤外線吸収スペクトル図である。第8
図および第11図は、キシレン樹脂から導かれた
本発明で用いられる不溶不融性基体のそれぞれX
―線回折図および赤外線吸収スペクトル図であ
る。第9図および第12図は、フラン樹脂から導
かれた本発明で用いられる不溶不融性基体のそれ
ぞれX―線回折図および赤外線吸収スペクトル図
である。
ノール樹脂のX―線回折図(粉末にて測定)であ
る。第2図および第3図はいずれも硬化フエノー
ル樹脂から導かれた本発明で用いられる不溶不融
性基体のX―線回折図である。第4図は、本発明
において用いられる硬化フエノール樹脂の赤外線
吸収スペクトル図(フイルムで測定)である。第
5図および第6図はいずれも硬化フエノール樹脂
から導かれた本発明で用いられる不溶不融性基体
の赤外線吸収スペクトル図である。第7図および
第10図は、クレゾール樹脂から導かれた本発明
で用いられる不溶不融性基体のそれぞれX―線回
折図および赤外線吸収スペクトル図である。第8
図および第11図は、キシレン樹脂から導かれた
本発明で用いられる不溶不融性基体のそれぞれX
―線回折図および赤外線吸収スペクトル図であ
る。第9図および第12図は、フラン樹脂から導
かれた本発明で用いられる不溶不融性基体のそれ
ぞれX―線回折図および赤外線吸収スペクトル図
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A) 炭素、水素および酸素から成る芳香族系
縮合ポリマーの熱処理物であつて、該芳香族系
縮合ポリマーは(a)フエノール性水酸基を有する
芳香族炭化水素化合物とアルデヒドの縮合物、
(b)フエノール性水酸基を有する芳香族炭化水素
化合物、フエノール性水酸基を有さない芳香族
炭化水素化合物およびアルデヒドの縮合物及び
(c)フラン樹脂から選ばれ、そして該熱処理物は
下記(1),(2)および(3)の性質: (1) 水素原子/炭素原子の原子比が0.60〜0.15
であり、 (2) ベンゼン環の共役系を構成する2個の炭素
間の結合を主な結合として有し、そして (3) 赤外吸収スペクトルから求められる下記式
で表わされる吸光度比(D)、 D=D2900〜2940/D1560〜1640 式中、D2900〜2940は赤外吸収スペクトルに
おける2900〜2940カイザーの範囲の最大吸収
ピークから求められる吸光度、D1560〜1640は
赤外吸収スペクトルにおける1560〜1640カイ
ザーの範囲の最大吸収ピークから求められる
吸光度である、 が0.5以下である、 を有するポリアセン系骨格構造を含有する不溶不
融性基体と、 (B) 電子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドー
ピング剤 とから成り、 (C) 電気伝導性が未ドープの該基体よりも大であ
る ことを特徴とする電気伝導性有機高分子系材料。 2 芳香族系縮合ポリマーが、フエノール性水酸
基を有する芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類
との縮合物である特許請求の範囲第1項記載の有
機高分子系材料。 3 該芳香族系縮合ポリマーが、フエノールとホ
ルムアルデヒドとの縮合物である特許請求の範囲
第1項記載の有機高分子系材料。 4 不溶不融性基体(A)が、炭素、水素及び酸素か
ら成る芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であつ
て、水素原子/炭素原子の原子比が0.50〜0.25で
表わされるポリアセン系骨格構造を含有するもの
である特許請求の範囲第1項記載の有機高分子系
材料。 5 不溶不融性基体(A)が、酸素原子(O)/炭素
原子(C)の原子比が0.06以下で表わされるポリアセ
ン系骨格構造を含有するものである特許請求の範
囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の有機高分
子系材料。 6 不溶不融性基体(A)が、酸素原子(O)/炭素
原子(C)の原子比が0.03以下で表わされるポリアセ
ン系骨格構造を含有するものである特許請求の範
囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の有機高分
子系材料。 7 不溶不融性基体(A)が、X線回折(CuKα線)
におけるメイン・ピークの位置が2θで表わして
20.5〜23.5゜の範囲に生ずるものである特許請求の
範囲第1項乃至第6項のいずれかに記載の有機高
分子系材料。 8 不溶不融性基体(A)が、X線回折(CuKα線)
において2θで表わして41〜46゜の範囲にピークの
存在を示すものである特許請求の範囲第1項乃至
第7項のいずれかに記載の有機高分子系材料。 9 不溶不融性基体(A)が、赤外吸収スペクトルか
ら求められる上記定義による吸光度比(D)が0.3以
下のものである特許請求の範囲第1項乃至第8項
のいずれかに記載の有機高分子系材料。 10 電子供与性ドーピング剤が、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムを
含む第1A族金属である特許請求の範囲第1項乃
至第9項のいずれかに記載の有機高分子系材料。 11 電子受容性ドーピング剤が、フツ素、塩
素、シユウ素、ヨウ素等のハロゲンである特許請
求の範囲第1項乃至第9項のいずれかに記載の有
機高分子系材料。 12 電子受容性ドーピング剤が、AsF5,PF5,
BF3,BCl3,BBr3等のハロゲン化物である特許
請求の範囲第1項乃至第9項のいずれかに記載の
有機高分子系材料。 13 電子受容性ドーピング剤が、SO3あるいは
N2O5等の非金属元素の酸化物あるいはH2SO4,
HNO3あるいはHClO4等の無機酸に由来する陰イ
オンである特許請求の範囲第1項乃至第9項のい
ずれかに記載の有機高分子系材料。 14 (a)フエノール性水酸基を有する芳香族炭化
水素化合物とアルデヒドの縮合物、(b)フエノール
性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物、フエノ
ール性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合物お
よびアルデヒドの縮合物及び(c)フラン樹脂から選
ばれる炭素、水素および酸素から成る芳香族系縮
合ポリマーを、非酸化雰囲気中で400〜800℃の温
度まで加熱し熱処理して、下記(1),(2)および(3)の
性質: (1) 水素原子/炭素原子の原子比が0.60〜0.15で
あり、 (2) ベンゼン環の共役系を構成する2個の炭素間
の結合を主な結合として有し、そして (3) 赤外吸収スペクトルから求められる下記式で
表わされる吸光度比(D)、 D=D2900〜2940/D1560〜1640 式中、D2900〜2940は赤外吸収スペクトルにお
ける2900〜2940カイザーの範囲の最大吸収ピー
クから求められる吸光度、D1560〜1640は赤外吸
収スペクトルにおける1560〜1640カイザーの範
囲の最大吸収ピークから求められる吸光度であ
る、 が0.5以下である、 を有するポリアセン系骨格構造を含有する不溶不
融性基体を形成し、そして 次いでこれに電子供与性ドーピング剤又は電子
受容性ドーピング剤或いはそれらの混合物をドー
ピングすることにより該基体の電気伝導度よりも
電気伝導度を大ならしめる、 ことを特徴とする電気伝導性有機高分子系材料の
製造方法。 15 該芳香族系縮合ポリマーが、フエノール性
水酸基を有する芳香族炭化水素化合物とアルデヒ
ドとの縮合物である特許請求の範囲第14項記載
の方法。 16 該芳香族系縮合ポリマーが、フエノールと
ホルムアルデヒドとの縮合反応によつて得られる
レゾール型、ノボラツク型或はそれらの混合物の
成形体である特許請求の範囲第14項記載の方
法。 17 該芳香族系縮合ポリマーが、フエノール系
繊維とフエノールーホルムアルデヒド縮合物との
複合体から成る成形体である特許請求の範囲第1
4項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11164582A JPS593806A (ja) | 1982-06-30 | 1982-06-30 | 電気伝導性有機高分子系材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11164582A JPS593806A (ja) | 1982-06-30 | 1982-06-30 | 電気伝導性有機高分子系材料およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS593806A JPS593806A (ja) | 1984-01-10 |
| JPH0144212B2 true JPH0144212B2 (ja) | 1989-09-26 |
Family
ID=14566564
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11164582A Granted JPS593806A (ja) | 1982-06-30 | 1982-06-30 | 電気伝導性有機高分子系材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS593806A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005031773A1 (ja) | 2003-09-30 | 2005-04-07 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | 有機電解質キャパシタ |
| US7548409B2 (en) | 2004-03-31 | 2009-06-16 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Organic electrolyte capacitor using a mesopore carbon material as a negative electrode |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0735471B2 (ja) * | 1985-11-26 | 1995-04-19 | 鐘紡株式会社 | 有機半導体 |
| WO2012020815A1 (ja) | 2010-08-11 | 2012-02-16 | 株式会社Kri | リチウムのプリドープ方法、電極の製造方法、及びこれらの方法を用いた蓄電デバイス |
| WO2013168727A1 (ja) | 2012-05-09 | 2013-11-14 | 株式会社Kri | リチウムのプリドープ方法、リチウムプリドープ電極、及び蓄電デバイス |
| JP6718756B2 (ja) * | 2016-06-24 | 2020-07-08 | 群栄化学工業株式会社 | コンミテータ、およびコンミテータの製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58136649A (ja) * | 1982-02-05 | 1983-08-13 | Kanebo Ltd | 電気伝導性有機高分子系材料およびその製造方法 |
-
1982
- 1982-06-30 JP JP11164582A patent/JPS593806A/ja active Granted
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005031773A1 (ja) | 2003-09-30 | 2005-04-07 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | 有機電解質キャパシタ |
| US7443651B2 (en) | 2003-09-30 | 2008-10-28 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Organic electrolyte capacitor |
| US7548409B2 (en) | 2004-03-31 | 2009-06-16 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Organic electrolyte capacitor using a mesopore carbon material as a negative electrode |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS593806A (ja) | 1984-01-10 |
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