JPH0643545B2 - 電気伝導性有機高分子系材料 - Google Patents

電気伝導性有機高分子系材料

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JPH0643545B2
JPH0643545B2 JP59008152A JP815284A JPH0643545B2 JP H0643545 B2 JPH0643545 B2 JP H0643545B2 JP 59008152 A JP59008152 A JP 59008152A JP 815284 A JP815284 A JP 815284A JP H0643545 B2 JPH0643545 B2 JP H0643545B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気伝導性有機高分子系材料に係り、更に詳し
くは電子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドーピング
剤、あるいはそれらの両者と芳香続系ポリマーの熱処理
物であってポリアセン系骨格を有する不溶不融性基体に
ドーピングした耐熱化性に優れたエレクトロニクス材料
として有用な電気半導性あるいは電気伝導性の有機高分
子系材料に関する。
高分子材料は、成型性、軽量性および量産性等に優れて
いる。そのため高分子材料のこれらの特性を生かして電
気的に半導性あるいは伝導性を有する有機高分子系材料
の製造がエレクトロニクス産業を始めとして多くの産業
分野において希求されている。特に電気伝導度が半導体
あるいは伝導体領域にあるというだけではなく、シリコ
ン、ゲルマニウム等の無機半導体のようにn型あるいは
P型半導体としての性質を有し、それらのp−n接合等
を利用してダイオードあるいは太陽電池等への応用が可
能な有機高分子系半導体あるいは半導体が望まれてい
る。
初期の有機高分子系半導体あるいは伝導体はフィルム状
あるいは板状体等に成形するこが困難であり、又n型あ
るいはp型の不純物半導体としての性質を有していなか
ったため、用途的にも限定されていた。
近年比較的成形性に優れており、成形物とすることが可
能であり、しかも電子供与性ドーピング剤あるいは電子
受容性ドーピング剤等をドーピングすることによって大
巾に電気伝導度を増加させることが可能なn型あるいは
p型半導体としての性質を有する有機高分子系材料が得
られている。そのような有機高分子系としてポリアセチ
レンとポリフェニレンが知られている。
例えば「合成金属」(化学増刊87、1980年発行、15〜
28頁)にはアセチレンを重合して直接フィルム状のポ
リアセチレンを得、これに電子供与性ドーピング剤ある
いは電子受容性ドーピング剤をドーピングすることによ
って大巾に電気伝導度を増加させたP型あるいはn型の
半導体を得ることのできることが記載されている。しか
しながらポリアセチレンは酸素によって酸化され易く、
極めて実用性に乏しい。また、特開昭55−129443号公報
には例えばベンゼンを配位カチオン重合して得られたポ
リフェニレンを加圧成形することによってポリフェニレ
ン成形体を得、これに電子供与性ドーピング剤あるいは
電子受容性ドーピング剤をドーピングすることによって
大巾に電気伝度を増加させたn型あるいはp型の半導体
を製造できることが記載されている。ポリフェニレンは
ポリアセチレンと異なり、比較的酸化安定性に優れてい
るという長所を有している。しかしながらポリフェニレ
ンはフェニレン骨格が単結合で線状に結合しているため
炭素原子間の共役系が小さく、そのためドーピング剤を
ドーピングすることによって達成される電子伝導度に限
界があると考えられ、またドーピング剤による不純物制
御にも限界があると思われる。事実ポリフェニレンは、
例えばハロゲンをドーピングしても同量のハロゲンをド
ーピングしたポリアセチレンよりも電気伝導度の増加割
合が小さく、ポリアセチレンに比較して見劣りがする。
ポリフェニレンにドープ可能な最大量のハロゲンのドー
ピングを行っても、電気伝導度が10-7Ω-1cm-1以上のも
のは得られない。
本発明の目的は、半導体ないし伝導体の電気伝導性を有
し、且つ優れた物理的性質を有するばかりでなく、酸化
安定性にも優れた電気伝導性有機高分子系材料を提供す
るにある。
本発明の他の目的は、炭素原子間の共役系が発達したポ
リアセチレン系骨格を有する不溶不融性材料を基体と
し、電子供与性ドーピング剤、又は電子受容性ドーピン
グ剤を含有する電気伝導性有機高分子系材料を提供する
にある。
本発明の更に他の目的は、P型あるいはn型の不純物半
導体の性質を有する電気伝導性有機高分子系材料を提供
するにある。
本発明の更に他の目的はドーピング速度が大きく、また
イオン半径の大きなドーピング剤もスムーズにドーピン
グできるポリアセン系骨格を有する不溶不融性材料を基
体とした電気伝導性有機高分子系材料を提供するにあ
る。
本発明の更に他の目的は、優れた物理的性質を有する繊
維、フィルム、板あるいはそれらの複合体の形状の電気
伝導性有機高分子系材料を提供するにある。
本発明者等の研究によれば、上記の如き目的及び利点
は、 (A) 炭素、水素および酸素から成る芳香族系縮合ポリ
マーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子比が
0.60〜0.15であり、かつBET法による比表面
積が600m2/g以上である。
ポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体と、 (B) 電子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドーピン
グ剤とからなり、 (C) 電気伝導度が未ドープの該基体よりも大であるこ
とを特徴とする電気伝導性有機高分子系材料によって達
成される。
本発明で用いるフェノール性水酸基を有する芳香族炭化
水素化合物とアルデヒド類とよりなる芳香族系縮合ポリ
マー又はフランとアルデヒド類より成る芳香族系縮合ポ
リマーとしては、フェノール性水酸基を有する芳香族炭
化水素化合物とアルデヒドとの縮合物が好適である。か
ような芳香族化合物としては、例えばフェノール、クレ
ゾール、キシレノール等の所謂フェノール類が好適であ
るがこれらに限られない。例えば下記式 (式中、n1及びn2は同一でも異ってもよく、0〜2の整
数である。) で表わされるメチレン−ビス・フェノール類であっても
よいし、或はヒドロキシ−ビフェニル類やヒドロキシナ
フタレン類であってもよい。之等の中、実用的にはフェ
ノール類、殊にフェノールが好適である。
また、アルデヒドとしてはホルムアルドヒドのみなら
ず、アセトアルデヒド、フルフラールその他のアルデヒ
ドも使用することができるが、ホルムアルデヒドが好適
である。
フェノールホルムアルデヒド縮合物としては、ノボラッ
ク型又はレゾール型或いはそれらの複合物のいずれであ
ってもよい。
また、本発明によれば、フェノール性水酸基を有する芳
香族炭化水素化合物とアルデヒド類とよりなる芳香族系
縮合ポリマー又はフランとアルデヒド類より成る芳香族
系縮合ポリマーとして、フェノール性水酸基を有する芳
香族炭化水素の一部をフェノール性水酸基を有さない他
の芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエン等で置換
した変性芳香族系縮合ポリマーを用いることもできる。
また本発明ではフランとホルムアルデヒドの縮合物に相
当するような、例えばフルフリルアルコールの縮合物の
如き、異節原子としての酸素原子を含む芳香族化合物と
アルデヒドとの縮合物に相当する如き芳香族系縮合ポリ
マーを用いることもできる。
本発明のH/Cの比が0.60〜0.15で、かつBET
法による比表面積が600m2/g以上のポリアセン系骨
格構造を有する不溶不融性基体の製造方法の1例を以下
に示す。
前記した芳香族系縮合ポリマーに塩化亜鉛、リン酸ナト
リウム、水酸化カリウムあるいは硫化カリウム等の無機
物を混入する。混入方法としては芳香族系縮合ポリマー
をメタノール、アセトン水水等の溶媒に溶解させた後、
上記した無機物を添加し、充分に混合すればよい。又、
芳香族系縮合ポリマーがノボラックのように溶融性のも
のであれば、加熱状態の下で無機物を混合してもよい。
芳香族系縮合ポリマーと前記した無機物の混合比は混ぜ
合せるポリマーと無機物の種類によって異なるが芳香族
系縮合ポリマー/無機物=100/5〜100/300ば好まし
い。
次に該混合物をフィルム状、繊維状あるいは板状に硬化
成型するがその成形方法は繊維状体であれば紡糸するこ
とによって、又フィルム状体であればアプリケーターを
使用して、又板状体であれば金型を作ってプレス成形
し、その後50〜180℃の温度で2〜60分加熱する
ことによって硬化するか、あるいは硬化剤と触媒の存在
下、50〜150℃の温度で2〜90分加熱することに
よって硬化することができる。
次に該成形体を非酸化性雰囲気中で350〜800℃の温度ま
で加熱し、熱処理して、H/Cの原子比が0.60〜
0.15の本発明のポリアセン系骨格構造の有した不溶
不融性基体を得ることができる。熱処理の好ましい昇温
条件は、使用する芳香族系縮合ポリマー、又はその硬化
処理の程度あるいはその形状のよって多少相違するが、
一般に室温から300℃程度の温度までは比較的大きな
昇温速度とすることが可能であり、例えば100℃/時
間の速度とすることも可能である。300℃以上の温度
となると、該芳香族系縮合ポリマーの熱分解が開始し、
水蒸気(H2O)、水素、メタン、一酸化炭素の如きガスが
発生し始めるため、充分に遅い速度で昇温せしめるのが
有利である。例えば、非多孔質の成形体では該成形体の
厚さをh(mm)とすると80/h℃/時間以下の昇温
速度とすることにより、生成する不溶不融性基体のH/
Cの比を0.60〜0.15に制御することが容易とな
り、また電気伝導度、比表面積あるいはその他の機械的
性質等を安定化せしめること容易となる。
次にこのようにして熱処理されたポリアセン系骨格構造
を有した基体を50〜100℃の温水にて充分に洗浄
し、該基体中に残在している塩化亜鉛、リン酸、ナトリ
ウム等の無機物を除去し、乾燥する。
上記した方法によって得られたH/Cの比が0.60〜
0.15のポリアセン系骨格構造を有した不溶不融性基
体はBET法による比表面積値が600m2/g以上であ
り、後に示すようにドービング速度が極めて速く、又イ
オン半径の大きなドーパントを容易にドーピングできる
構造を有しているものである。又、該基体はX線回折
(CuKα線)においてメインピークの位置がH/Cの比
が0.60〜0.15のすべての領域において、2θの
値で22゜以下に観測される。この事実は本発明の基体
を構成する平面状ポリアセン系分子の平均面間隔が非常
に広い事を表わしている。このためにBET法による比
表面積値が600m2/g以上と非常に大きな値となって
いるものと思われる。ただし本発明はこの方法による基
体のみに限定されるものではない。
ところで本発明のH/Cの原子比が0.60〜0.15のポリア
セン系骨格構造を有した不溶不融性基体の電気伝導度は
H/Cの原子比によって大きく異っているが、例えばH
/C=0.6の場合では、約10-11Ω-1cm-1以下であ
り、又H/C=0.15では約10-2Ω-1cm-1の半導体
である。該基材に後に示すような電子供与性ドーピング
剤あるいは電子受容性ドーピング剤をドーピングすると
大巾に電気伝導度が増大し、n型あるいはp型の半導体
となるものである。
又、該ポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性基体は
BET法による比表面積値が600m2/g以上と非常に
大きな値を示すため、酸素等のガスが侵入し、劣化し易
いと考えられるが、現実には空気中に長時間放置して
も、物性等に変化はなく、例えば空気中に1000時間放置
しても電気伝導度に変化がなく、酸化安定性に優れてい
るものである。
かかる本発明の不溶不融性基体にドーピングし得る電子
供与性ドーピング剤、あるいは電子受容性ドーピング剤
としては一般に知られているドーピング剤のいずれもが
可能である。
電子供与性ドーピング剤としては電子を離し易い物質が
用いられる。例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、
ルビジウムあるいはセシウムの如き周期律表を第1A族
金属が好ましく用いられる。
また電子受容性ドーピング剤としては電子を受け取り易
い物質が用いられる。例えば、弗素、塩素、臭素、沃素
の如きハロゲン、ASF5、PF5、BF3、BCl3、BBr3の如きハ
ロゲン化合物、SO3あるいはN2O5の如き非金属元素の酸
化物あるいはH2SO4、HNO3又はHClO4の如き無機酸に由来
する陰イオン等が好ましく用いられる。
かかるドーピング剤のドーピング方法としてはポリアセ
チレンあるいはポリフェニレンについて従来用いられて
いるドーピング法と本質的に同じ方法を使用することが
できる。
ドーピング剤がアルカリ金属の場合には、溶融したアル
カリ金属あるいはアルカリ金属の蒸気と不溶不融性基板
とを接触せしめてドーピングすることができ、また例え
ばテトラヒドロフラン中で生成せしめたアルカリ金属ナ
フタレン錯体と不溶不融性基体とを接触せしめてドーピ
ングすることもできる。
ドーピング剤がハロゲン、ハロゲン化合物あるいは非金
属元素の酸化物である場合にはこれらのガスを不溶不融
性基体と接触せしめることにより容易にドーピングを行
うことができる。
ドーピング剤が無機酸に由来する陰イオンである場合に
は、無機酸を不溶不融性基体に直接塗布あるいは含浸せ
しめるかあるいはこれらの無機酸を含む電解液中で不溶
不融性基体を陽極として電解してドーピングを行うこと
もできる。
ドーピング剤は一般に芳香族縮合ポリマーの繰返し単位
に対して10-5モル以上の割合で得られる本発明の有機
高分子材料に存在するように用いられる。
かくして得られるH/Cの原子比が0.60〜0.15のポリア
セン骨格構造を有した不溶不融性基体にドーピング剤を
ドーピングした本発明の有機高分子系材料はドーピング
前の不溶不融性基体の電気伝導度よりも高い電気伝導
度、好ましくはドーピング前の不溶不融性基体よりも1
0倍以上又はそれ以上適当な方法によれば、103〜10
倍、又はそれ以上の高い電気伝導度を示す。
H/Cの原子比が0.60を越える場合には未だポリア
セン系骨格構造が発達していないため、電子の共役系が
局存化していると考えられ、、ドーピング剤をドーピン
グしても電気伝導度が増大せずn型あるいはp型の半導
体とならない。又H/Cの原子比が0.15未満の場合
にはポリアセン系骨格構造は充分に発達し、電子の共役
系は充分に非局在化して、ドーピング剤はドーピングさ
れるがドーピング前の基体自体の電気伝導度がかなり大
きいため、ドーピングの電気伝導度に対する寄与が小さ
く、電気伝導度が未ドープの該基体よりもそれ程増大し
ない。
又、本発明のポリアセン系骨格構造を有する不溶不融性
質体はBET法による比表面積値が600m2/g以上と極
めて大きいためドーピング速度が大きく、厚みのある基
体に対しても短時間でドーピングが可能であり、又イオ
ン半径の大きいドーピング剤、例えばClO4、BF等のド
ーピング剤をスムーズに基体中にドーピングすることが
可能である。倒えばClO4イオンを基体にLi/LiClO41モ
ル/lプロピレンカーボネート/基体の構成で電解ドー
ピングする場合、比表面積が500m2/g以下では電極間
電圧4Vの電位差でドーピングすることは難しいが、本
発明の600m2/g以上の基体ではこの電位差で充分でClO
4 -イオンを基体中に導入することができる。
電子供与性ドーピング剤をドーピングされた本発明の電
気伝導性有機高分子系材料はn型(電子過剰型)半導体
又は導体の電気伝導性を有する。また、電子受容性ドー
ピング剤をドーピングされた本発明の電気伝導性有機高
分子系材料はp型(正孔過剰型)半導体又は導体の電気
伝導度を有する。
一方、本発明によればドーピング剤として電子供与性ド
ーピング剤と電子受容性ドーヒング剤とを一緒に用いる
こともできる。これらのドーピング剤が本発明の電気伝
導性有機高分子系材料にほぼ均一に混在する場合にはい
ずれか一方の多く存在する方のドーピング剤によってp
型又はn型となる。例えば、電子供与性ドーピング剤が
多く存在する場合にはn型となり、電子受容性ドーピン
グ剤が多く存在する場合にはp型となる。ドーピング剤
が混在するこのような電気伝導性有機高分子系材料は、
ドーピング剤の混合物と不溶不融性基体とを接触せしめ
るか、あるいは一方のドーピング剤に接触せしめること
によって製造できる。
また本発明には所謂p−n接合面を有する電気伝導性有
機高分子系材料も含まれる。かかる材料は、不溶不融性
基体成形体の一方から電子供与性ドーピング剤をドーピ
ングせしめ、他方から電子受容性ドーピング剤をドーピ
ングせしめるか、あるいは不溶不融性基体成形体の全面
にいずれか一方のドーピング剤をドーピングせしめ、次
いで他方のドーピング剤をその面の一部のみにドーピン
グせしめることによって製造できる。
本発明により得られる電気伝導性有機高分子系材料は、
室温の直流伝導度が10-4Ω-1cm-1以上を有する。
本発明の不溶不融性基体は酸素に対する安定性に優れて
おり、例えば空気中、室温で約1000時間放置してもほと
んど物性に変化はなく、電気伝導度もほとんど一定であ
る。又機械的強度も高く、実用上充分の物性を有してい
る。本発明の電気伝導性有機高分子系材料は上記不溶不
融性基体の性質を継承し、同様の性質を備えている。
本発明の電気伝導性有機高分子材料は、既に明らかなと
おり、例えばフイルム、繊維、板あるいはそれらの複合
体として与えられる。これは例えばダイオード、太陽電
池あるいはバッテリー用の電極等として種々の分野にお
いて用いられる。
以上実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1. レゾール型フェノール樹脂(約65%濃度の水溶液))
/水/塩化亜鉛を重量比で10/2/5の割合で混合し
た溶液をガラス板上に流し、アプリケーターを用いて引
き伸ばした。その後、約30分間風乾した後、ガラス板
に付着させたまま、約100℃の温度で20分間硬化反
応を進めた。その後、該樹脂フイルムをガラス板より取
りはずして、約200μm厚のフイルムを得た。この樹
脂フイルムをシリコット電気炉中に入れ窒素気流中で第
1表に示した種々の所定温度まで約40℃/時間の昇温
速度にて熱処理した。このフイルム状の熱処理物を10
0℃の温水にて約5時間洗浄し、フイルム中に残存して
いる塩化亜鉛を除去した。洗浄後、60℃の温度で3時
間減圧乾燥して、不溶不融性のフイルム状基体を得た。
該フイルム状基体をケイ光X線分折にかけたところ、Z
nは0.01重量%(対基体)以下であり、又Clは0.5重
量%以下であり、塩化亜鉛は基体中にほとんど残存して
いない事が判明した。又、該基体をX線解折したところ
2θで20〜22゜の所にメインピークが存在し、又4
1〜46゜の範囲に小さなピークが認められ、該基板が
ポリアセン系骨格構造を有していることが確認された。
次に該基体の元素分折、電気伝導度及びBET法による
比表面積値の測定を行った。これらの値はまとめて第1
表に示す。
次に充分に脱水したプロピレンカーボネートにリチウム
パークロレートを溶解させて約1.0モル/の溶液と
した。そしてリチウム金属を陰極とし、上記した溶液を
電解液とし、フイルム状基体を陽極として、両極間に約
4Vの電圧を付与し、ClO4 -イオンをフイルム状基体に
ドーピングした。ドーピング量は基体中の炭素原子1個
当りのClO4 -イオンの数で表わす事としたが、本発明で
はClO4 -イオンの数はドーピング時に回路に流れた電流
値より求めたものである。
このようにしてClO4 -イオンがドーピングされた電気伝
導性有機高分子系材料よりなるフイルムが得られた。ド
ーピング終了後、この伝導性高分子フィルムを取り出し
てアセトンにて洗浄し、引き続いて60℃の温度で約6
0分間減圧乾燥を行い、次に電気伝導度を測定した。結
果を第1表に示す。
第1表に示したようにH/Cの原子比が0.60〜0.
15のいずれの基体もBET法による比表面積値積値が
600m2/g以上であり、ClO4 -イオンがドーピングさ
れて、大巾に電気伝導度が増加していた。
「比較例1」 フェノール系繊維よりなる平織クロス(日本カイノール
社製、商品名カイール、目付200g/m2)を40重量%の
レゾール型フェノール樹脂のメタノール溶液に浸漬し、
マンゲルにて搾液し、レゾール型フェノール樹脂を付着
せしめ、室温にて、24時間乾燥することにより、フェ
ノール系繊維とレゾール型フェノール樹脂の重量割合が
1:1のプリプレグを作った。このプリプレグ板を15
0℃に加熱された積層板用加圧成形機により、150Kg
/cm2の圧力下で30分間硬化することによって、厚み2
50μmの板を得た。この板を窒素雰囲気下で300℃
までは70℃/時間、また300℃から600℃までは1
0℃/時間で昇温し、熱処理を行った。この未ドーピン
グ板状体はH/Cの原子比が0.31であり、又X線回
折によればメインピークが2θで22.5゜にあり、又
41〜46゜付近に他のピークが認められるためポリア
セン系骨格構造を有していると判断される。又、該熱処
理体を粉末にしてBET法によって比表面積値を測定し
たところ450m2/gであった。該熱処理物からなる厚
み約200μmの板状体(寸法1×1cm2比較基体)と
実施例1に示したH/Cの原子比が0.28であるNo.
3の基体(寸法1×1cm2本発明基体)とを、実施例1
で示したと同方法にClO4 -イオンのドーピングを行っ
た。本発明基体である実施例1のNo.3の基体を陽極と
して用いると、両極間4Vの電圧で約5mAの電流が観
測され、約1時間後には0.1mAとなり、ClO4 -イオ
ンがドーピングされた。次に試料を取り出し、アセトン
にて洗浄した後、減圧乾燥した。該試料をEPMA(エレク
トロンプローブX線マイクロアナリシス)にかけ試料の
断面中のClO4 -イオンの分布状態を調べたところ、試料
の表面から内部まで均一にClO4 -イオンが分布している
ことが確認された。次に本実施例で上記した方法にて作
成した450m2/gの比表面積値をもつ熱処理体(比較
基体)を陽極として、両極間4Vの電圧でClO4 -イオン
のドーピングを試みたところ、回略にはほとんど電流は
流れなかったが、約3時間この状態でドーピングを続け
た。しかしながら回路にはやはりほとんど電流は認めら
れなかった。次に該試料を取り出しアセトンにて洗浄し
た後、減圧乾燥し、EPMA分析を行った。ClO4 -イオ
ンは試料のごく表面のみに認められたにすぎなかった。
比較例2 特開昭58−136649号明細書実施例1試料番号1
〜5及び実施例7,8,9,10,11に記載の電気伝
導性有機高分子材料を製造し、BET法により各々の比
表面積を測定した結果は下記第2表に示す通りであっ
た。同表からいずれも比表面積値は600m2/g以下であ
ることがわかる。
「実施例2」 H/Cの原子比が0.43でBET法による比表面積値
が830m2/gである実施例1に示したNo.2試料(厚
み200μm本発明基体)とH/Cの原子比が0.31
で、BET法による比表面積値が450m2/gである実
施例2で示した試料(厚み約200μm、比較基体)と
に沃素のドービングを試みた。
本発明基体を真空ライン中に入れ、真空度を10-2torr以
下にした後室温にてヨウ素ガスをラインに導入し、ドー
ピングを開始した。本発明基体のドープ前の電気伝導度
は約10-10Ω-1cm-1であったが、ドープ後2分間経過し
た時点で2×10-4Ω-1cm-1に、5分間経過した時点で1
×10-3Ω-1cm-1に、又10分間経過した時点で約2×10
-3Ω-1cm-1となった。該試料を取り出してアセトンで洗
浄し、室温にて減圧乾燥した後、EPMA分析を行った
ところ、試料の内部まで沃素がほぼ均一にドーピングさ
れていた。
次に比較基体を真空ラインに入れ、真空度を10-2torr以
下にした後、約200℃の温度で沃素ガスによるドーピ
ングを試みた。約30分後に電気伝導度は105倍増大し
た。該試料を取り出してアセトンにて洗浄し、室温にて
減圧乾燥を行った後、EPMA分析を行った。沃素は試
料表面より40μmの所まで侵入していた。
本発明基体では200μmの厚みのフイルムでも非常に
速くドーピングされる事が確認された。
実施例3 H/Cの原子比が0.28でありBET法による比表面
積値が870m2/gである実施例1のNo.3のフィルム
状基体を、脱水したテトラヒドフラン、ナフタレン及び
金属ナトリウムを用いて作成したナトリウムナフタレー
トのテトラヒドロフラン溶液にドライボックス(N2
流)中にて浸漬し、ナトリウムのドーピングを試みた。
役30分間浸漬した後、脱水したテトラヒドロフランに
て洗浄し室温にて減圧乾燥を行った。該試料の電気伝導
度を測定したところ、未ドープの約10-5Ω-1cm-1より大
巾に増大し約100Ω-1cm-1となっていた。又該試料につ
いてEPMA分析を行ったところ、試料内部までナトリ
ウムがドーピングされていた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)無機物を配合したフェノール性水酸
    基を有する芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類とより
    なる芳香族系縮合ポリマーもしくは、フランとホルムア
    ルデヒドとよりなる芳香族系縮合ポリマーの熱処理物か
    ら無機物を除去した前記芳香族系縮合ポリマーの熱処理
    物であって、水素原子/炭素原子の原子比0.60〜
    0.15であり、かつBET法による比表面積値が60
    0m2/g以上である。ポリアセン系骨格構造を含有する不
    溶不融性基体と、 (B)電子供与性ドーピング剤又は電子受容性ドーピン
    グ剤とからなり、 (C)電気伝導度が未ドープの該基体よりも大であるこ
    とを特徴とする電気伝導性有機高分子系材料。
  2. 【請求項2】芳香族系縮合ポリマーが、フェノールとホ
    ルムアルデヒドとの縮合物である特許請求の範囲第1項
    記載の有機高分子系材料。
  3. 【請求項3】電子供与性ドーピング剤がリチウム、ナト
    リウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムを含む第
    1.A族金属である特許請求の範囲第1項〜第3項の何
    れかに記載の有機高分子系材料。
  4. 【請求項4】電子受容性ドーピング剤が弗素、塩素、臭
    素、沃素等のハロゲンである特許請求の範囲第1項〜第
    3項記載の有機高分子系材料。
  5. 【請求項5】電子受容性ドーピング剤が、ASF5、PF5、B
    F3BCl3、BBr3等のハロゲン化物である特許請求の範囲第
    1項〜第3項の何れかに記載の有機高分子系材料。
  6. 【請求項6】電子受容性ドーピング剤が、SOあるいは
    N2O5等の非金属元素の酸化物あるいはH2SO、HNO3ある
    いはHClO等の無機酸に由来する陰イオンである特許請
    求の範囲第1項〜第3項の何れかに記載の有機高分子系
    材料。
  7. 【請求項7】有機高分子系材料が成形体である特許請求
    の範囲第1項〜第7項の何れかに記載の有機高分子系材
    料。
  8. 【請求項8】有機高分子系材料がフィルム、板、繊維又
    はそれらの複合体である特許請求の範囲第1項〜第7項
    の何れかに記載の有機高分子系材料。
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