JPH0153230B2 - - Google Patents
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- JPH0153230B2 JPH0153230B2 JP57032277A JP3227782A JPH0153230B2 JP H0153230 B2 JPH0153230 B2 JP H0153230B2 JP 57032277 A JP57032277 A JP 57032277A JP 3227782 A JP3227782 A JP 3227782A JP H0153230 B2 JPH0153230 B2 JP H0153230B2
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Description
本発明は、水硬性セメント組成物に関するもの
で、より詳細には、少ない混水量で流動性に際立
つて優れており、しかも硬化後には水不浸透性や
耐火性、更に強度、耐候性等に優れており、種々
の材料の結着剤、固着剤乃至固化剤として、また
成形材料としても有用な水硬性セメント組成物に
関する。 従来、セメント組成物としては、ポルトランド
セメントの如き水硬性セメント類が広く使用され
ているが、このような公知の水硬性セメント類に
おいては、この組成物に硬化性を与えるために、
26乃至35%にも達する混水量が必要である。しか
しながら、水硬性セメントの機械的強度や緻密性
は混水量に密接な関連があることがよく知られて
おり、従来のポルトランドセメントは比較的大き
い混水量を有することに関連して、その硬化体は
曲げ強度等が比較的低く、また透水性が比較的大
であるという欠点を有している。更に、公知のポ
ルトランドセメントの未硬化水性組成物は、混水
量が大きいにもかかわらず、流動性に乏しく、例
えば微細な空隙等に前記組成物を充填させること
が困難であるという問題がある。 従来、原子炉周辺から出る濃縮廃液や廃液処理
を使つたイオン交換樹脂等を乾燥したものを、固
化剤で固めた状態で容器内に充填し、この密閉容
器を貯蔵し或いは廃棄処分に付することが行われ
ているが、この目的に使用する固化剤は以下に述
べる種々の要求を満足するものでなければならな
い。先ず、この固化剤は放射線に曝露されること
から、放射線による劣化の著しいものであつては
ならず、かかる見地からは無機系の固化剤が望ま
れる。また、この固化剤は、耐水浸透性に優れ、
機械的強度や耐候性に優れたものでなければなら
ない。更に、この固化剤は充填等の作業に十分な
時間のポツトライフを有すると共に、容器内のど
の部分にも一様に流動して充填されるような流動
性を有するものでなければならない。更にまた、
容器容量当りの廃棄物容量、即ち減容比を大きく
することも重要であり、このためには前記固化剤
は可及的に少ない容積で使用されなければならな
い。 従つて、本発明の目的は、比較的少ない混水量
で硬化が可能で、未硬化状態では少ない混水量に
もかかわらず流動性に優れていると共にこの状態
での可使時間(ポツトライフ)が長く、しかも得
られた硬化物は水不浸透性、機械的強度、耐候
性、耐水性等に顕著に優れているセメント組成物
を提供するにある。 本発明の他の目的は、種々の材料の接着、結
着、固着乃至は固化構造物を製造するための水性
無機バインダーとして有用なセメント組成物を提
供するにある。 本発明の更に他の目的は、前述した放射性廃棄
物の固化剤として前述した諸要求を満足させるこ
とができ、従つてこの用途に特に有用なセメント
組成物を提供するにある。 本発明によれば、(A)水溶性ホウケイ酸アルカリ
または水溶性ケイ酸アルカリとアルカリ水溶液に
可溶なホウ酸アルカリとの組合せ、(B)ポリリン酸
ケイ素、(C)ケイフツ化アルカリ及び(D)BaO:
SiO2のモル比が1:2.5乃至1:6の範囲にある
実質上無定形のケイ酸バリウムを含有して成るこ
とを特徴とする水硬性セメント組成物が提供され
る。 本発明のセメント組成物は、上記(A)乃至(D)の4
成分を必須成分として含有するが、これらの必須
成分は全てケイ酸分乃至はケイ素分を含有する化
合物であることが化学組成上の顕著な特徴であ
る。これらの必須成分の内、前記(A)のホウケイ酸
アルカリ等は結着(バインダ)主剤としての作用
を有するものであり、前記(B)のポリリン酸ケイ素
は硬化剤、として、前記(C)のケイフツ化アルカリ
は硬化助剤として夫々作用するものであり、一方
前記(D)のケイ酸バリウムは謂はば充填安定化剤と
して作用するものである。 本発明は特に、前述したホウケイ酸アルカリ・
バインダーとポリリン酸ケイ素硬化剤とから成る
硬化性組成物に、ケイフツ化アルカリと無定形ケ
イ酸バリウムとを配合すると、従来の水硬性セメ
ント類に比して著しく少ない混水量での硬化が可
能となると共に、未硬化状態での水性組成物の流
動性が著しく向上し、更に硬化状態ではその緻密
性が著しく向上して、耐透水性が顕著に改善され
ると共に、耐火度も顕著に向上するという新規知
見に基づくものである。 本発明のセメント組成物は、先ず従来の水硬性
セメント類に比して、著しく少ない混水量で硬化
し得るという特性を有する。即ち、本発明の組成
物は、その配合比によつても相違するが、一般に
15乃至30%、特に18乃至28%の水分量で自己硬化
性を示し、例えばポルトランドセメントが26乃至
35%、石膏プラスターが29乃至38%の混水量を有
するのに対して、著しく少ない混水量を有するこ
とがわかる。この混水量は得られる硬化体の緻密
性とも密接に関連しており、本発明によれば、よ
り緻密な硬化体を形成させることが可能となるも
のである。 本発明のセメント組成物は、このように少ない
混水量を有するにもかかわらず、著しく流動性に
優れているという利点を有する。即ち、このよう
な水硬性組成物の流動性は、この組成物を傾斜板
に施こし、所定時間経過後の流下長即ち、後述す
る定義によるフロー値として表わすことができる
が、従来のポルトランドセメントスラリのフロー
値は5分経時後ですでに5乃至34cm/minの値を
示し、またホウケイ酸アルカリ−ポリリン酸ケイ
素・スラリーのフロー値は初期には高いとして
も、30分経時後には数cm/minのオーダーに低下
するのに対して、本発明のセメント組成物は、上
述した混水量範囲でしかも30分間経過後において
も20乃至120cm/minのフロー値を示し、流動性
に顕著に優れていることがわかる。 しかも、本発明のセメント組成物は、前述した
ケイフツ化アルカリ及び無定形のケイ酸バリウム
を含有すること及び混水量が著しく少ないことに
関連して、水不浸透性に極めて優れているという
利点を有する。即ち、後に詳述する通り、硬化体
の透水性は、この硬化体を着色水に浸漬したとき
の着色水の浸透厚みとして評価できるが、従来の
ポルトランドセメント硬化体の透水性は5mm/30
日以上、またホウケイ酸アルカリ−ポリリン酸ケ
イ素硬化体の透水性は5乃至20mm/30日のオーダ
ーであるのに対して、本発明のセメント硬化体の
それは3mm/30日以下であり水不浸透性に際立つ
て優れていることが了解される。 更に、本発明のセメント組成物は、従来のこの
種の水硬性セメント組成物には全く認められな
い、耐火性に優れているという利点を有する。即
ち、公知の水硬性セメントの硬化体は、室温では
かなり強固であるとしても、800℃程度の高温中
に曝露し、室温中に放置したときには、多数のク
ラツクを生じて機械的に脆い構造となるという欠
点を有しているが、本発明のセメント組成物はこ
のような高温中に曝露し、室温中に取出した場合
にも全くクラツクを発生せず、優れた機械的性質
が維持されるという利点がある。 のみならず、本発明のセメント組成物の硬化体
は機械的強度においても顕著に優れており、例え
ばポルトランドセメント硬化体の曲げ強度が60
Kg/cmのオーダーであるのに対して120Kg/cm以
上にも達する曲げ強度を示す。 本発明において第一の成分(A)として用いる(i)水
溶性ホウケイ酸アルカリまたは(ii)水溶性ケイ酸ア
ルカリとアルカリ水溶液に可溶なホウ酸アルカリ
との組合せは、従来のケイ酸アルカリ・バインダ
ーに加えて、ホウ酸分を含有するという化学組成
上の特徴を有し、この特徴に関連して、強度の脱
水条件下においても尚、水アメ状の状態を維持す
るという従来のケイ酸質バインダーには認められ
ない特性を有している。この特性の故に、この第
一成分(A)は、硬化剤との組合せで使用したとき
も、このセメント組成物に優れた結着作用と適度
のポツトライフとを与え、しかも水性分散液とし
て使用したときに、該組成物を早期ゲル化や部分
ゲル化を生ずることなく、流動性に富んだ状態に
維持するという望ましい作用を行う。 第二の成分(B)として用いるポリリン酸ケイ素
は、シリカ分がカチオンの形で縮合リン酸分に結
合している化合物であり、この化合物は、種々の
リン酸塩の内でもリン酸分の徐放性に特に優れた
ものであり(米国特許第4018616号明細書)、この
ポリリン酸ケイ素を硬化剤成分として第一成分(A)
と組合せで使用することにより、前述した利点を
損うことなく、優れた硬化作用が達成される。 本発明の最も重要な特徴は、上述したホウケイ
酸塩型バインダー及びポリリン酸ケイ素硬化剤に
加えて、ケイフツ化アルカリを第三成分(C)とし
て、無定形ケイ酸バリウムを第四成分(D)として用
いることにある。即ちホウケイ酸塩型バインダー
とポリリン酸ケイ素とから成る組成物は、優れた
結着作用乃至は硬化作用と適度の可使時間との組
合せを有し、水性分散液として使用したとき、早
期ゲル化や部分ゲル化が防止され、流動性に富ん
だ状態が比較的長時間にわたつて維持されるとい
う点では優れたものであるが、この組成物は未硬
化状態でも、また硬化状態でも未だ改善されるべ
き余地がある。 例えば、この2成分系の組成物は、水との混合
初期においては良好な流動性を示すとしても、30
分程度の経時で流動性が著しく低下するという問
題がある。また、この2成分(A)及び(B)から成る硬
化体は、その製造初期においては、ポルトランド
セメント等に比して優れた曲げ強度及び圧縮強度
等を示すとしても、この硬化体を流水浸漬試験及
び屋外曝露試験等に賦した場合には、その強度が
著しく低いレベルに低下するという傾向が認めら
れる。更に、この硬化体を高湿度条件下に放置す
ると、成形体表面に水可溶性塩類の滲みを生じた
り、変形或いはクラツチを発生する傾向がある。
これらの傾向は硬化成形体を流水浸漬試験、屋外
曝露中の雨晒し及び高湿条件に曝すと、硬化体中
のケイ酸分がメタケイ酸ソーダ等の形で溶出する
ことによるものと思われる。更にまた、この硬化
体は、上述した屋外曝露試験等において、硬化体
表面から粉化する傾向があり、また硬化体中に含
有される水溶性塩類が硬化体表面に滲み出る所謂
発華現像も加わり硬化体が形骸化し、強度的にも
ろい組織体となる。また硬化体そのものが耐水性
を有する場合にも硬化体の組織が比較的ポーラス
であつて、内部に水を透す性質、即ち透水性があ
るということも問題である。 本発明において使用するケイフツ化アルカリ
は、従来ケイ酸アルカリ・バインダーの硬化剤と
して周知の物質であるが、本発明においては、未
硬化水性組成物の流動性を向上させるという見地
から、このものを硬化助剤としてポリリン酸ケイ
素硬化剤との組合せで使用するのである。即ち硬
化剤としてケイフツ化アルカリとポリリン酸ケイ
素との組合せ使用により、水との混和初期は勿論
のこと、混和後かなりの間を経過したときにも、
その流動性を著しく高いレベルに維持することが
可能となり、各種作業性を著しく向上させ得るの
である。しかも、このケイフツ化アルカリは、後
に詳述する無定形ケイ酸バリウムとの組合せで透
水性を顕著に抑制し、更に耐火度を向上させる作
用を有する。のみならず、ケイフツ化アルカリを
用いることによりポリリン酸ケイ素との相剰効果
により、硬化後の成形体からのメタケイ酸ソーダ
の溶出傾向や発華現象を抑制し、耐候性、耐水機
械強度等を顕著に改善できる。 更に、本発明で用いる無定形ケイ酸バリウムは
硬化体の緻密性を向上させ、透水性を顕著に抑制
すると共に、ポリリン酸ケイ素やケイフツ化アル
カリの作用を安定化させるという作用を行う。例
えば、硬化体中にメタケイ酸ソーダが析出混在す
るかポリリン酸ケイ素が残存するときには、硬化
体の耐水性が低下する傾向が認められるが、本発
明で用いる無定形ケイ酸バリウムは、メタケイ酸
ソーダの折出を防止すると共にこのようなポリリ
ン酸ケイ素と最終的に反応して耐水性の向上に役
立つものと思われる。 本発明において、第一成分(A)としては、ケイ酸
アルカリ粉末とホウ酸アルカリ粉末との組合せを
用いることが特に望ましい。この組合せを用いる
ことにより、全ての成分を粉末状態でワンパツケ
ージ内に配合することが可能となり、使用直前に
必要所定量の水のみを加えてペースト化し使用に
供すればよく、最終使用に際して各成分の計量
や、混合が不要であるという利点も同時に達成さ
れるものである。 本発明で使用する粉末ケイ酸アルカリは、水溶
性乃至は水分散性のものであり、M2O:SiO2(式
中、Mはアルカリ金属を表わす)のモル比で表わ
して、1:1.3乃至1:2.6のモル比を有するもの
が好適である。アルカリのモル比が上記範囲外で
は結着剤として使用したときの接着強度等が低下
する傾向がある。ケイ酸ソーダが本発明の目的に
好適であるが、ケイ酸カリを用いることもでき
る。本発明に用いるケイ酸アルカリは、粉末であ
るという条件内で水和した水分等を含有していて
も何等差支えない。 ホウ酸アルカリ塩としては、このものがアルカ
リ性水溶液に可溶であるという条件内で任意の塩
を用いることができ、例えばホウ酸ソーダ、ホウ
酸カリが好適に使用される。これらのホウ酸塩
は、無水塩でも、或いは3水塩、5水塩、7水
塩、10水塩のような含水塩であつてもよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとは、ケイ酸
アルカリ中のSiO2に対するホウ酸アルカリ中の
B2O3のモル比が1:0.03乃至1:0.3、特に1:
0.05乃至1:0.25の範囲となるように組合せ使用
するのがよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとを、粉末混
合物として使用する代りに、これらをホウケイ酸
アルカリ水溶液の形で用いることもできる。即
ち、この水溶液は前記2つの塩を水に溶解し、所
望により加熱反応させることにより得られる。 尚、ホウ酸分(B2O3)のモル比が上記範囲よ
りも小さいときには、耐水性が低下すると共に、
安定性も低下する傾向があり、一方上記範囲より
も大きくしてもそれによる格別の利点は得られ
ず、経済的にも不利となる。 本発明で用いるポリリン酸ケイ素は、必須成分
としてリン酸分とシリカ分とを含有するものであ
り、且つリン酸分が縮合された形で含有されるも
のである。このポリリン酸ケイ素は、P2O5:
SiO2のモル比で表わして、1:1.8乃至1:3.6、
特に1:2.0乃至1:3.3の範囲のモル比を有する
ことが望ましい。即ち、リン酸分(P2O3)のモ
ル比が上記範囲よりも小さい場合には、所望とす
る硬化性が得られず、機械的強度も低いものとな
る傾向がある。また、このモル比が上記範囲より
も大きい場合には、この組成物を水性分散液とし
たとき、、早期ゲル化や部分ゲル化が生じるよう
になる。 このポリリン酸ケイ素は、早期ゲル化や部分ゲ
ル化を防止し、ホウケイ酸アルカリを一様にしか
も強固に硬化させるためには、リン酸分の徐放性
を有することが重要である。この点に関して、本
発明に使用するポリリン酸ケイ素は、下記式 Y=AX+B 式中、Xは前記硬化剤1グラムを4規定荷性ソ
ーダ水溶液100ml中に添加した試料溶液の120分迄
の経過時間(分)を表わし、Yは前記試料溶液中
に溶出したリン酸(P2O5)の積算溶出量(mg/
100ml)を表わす、 で定義される初期溶出量(B)が250以下、好適には
200以下、特に好適には100以下及び平均加水分解
速度定数(A)が0.2以上、特に好適には0.3乃至13の
範囲に夫々あることが特に望ましい。このような
徐放性リン酸質硬化剤の製法及び特性の詳細も、
前述した米国特許第4018616号明細書に述べられ
ている。 本発明において、ケイフツ化アルカリとして
は、ケイフツ化ナトリウム(Na2SiF6)、ケイフ
ツ化カリウム(K2SiF6)等が使用され、これら
は一般に微細な粉末、特に粒径が60ミクロン以下
の粉末の形で使用される。このケイフツ化物はア
ルカリ塩の形であることも流動性改善の点で授要
であり、例えばケイフツ化バリウム等のアルカリ
土類金属塩を用いた場合には、むしろ水性スラリ
ーとしたときの流動性が著しく低下する傾向を示
す。 本発明に用いるケイ酸バリウムは、BaO:
SiO2のモル比が1:2.5乃至1:6の範囲にある
ものであり、通常のケイ酸バリウム、例えばオル
ト(Ba2SiO4)、メタ(BaSiO3)、メソ
(BaSi2O5)等に比して、バリウム分の含有量が
少なく、且つ無定形であるという特徴を有してい
る。即ち、ケイ酸バリウム中のバリウム分が上記
範囲よりも多いときにも少ないときにも、硬化体
の緻密度が著しく低下する傾向がある。このこと
から、硬化体の緻密化作用は、ケイ酸分の酸性度
とバリウム分の塩基度との微妙なバランスの上に
成り立つているものと思われる。また、結晶性の
ケイ酸バリウムを用いたときには、硬化体の緻密
化作用は到底期待し得ず、この点からも、ケイ酸
バリウムの反応性も前述した緻密化作用と密接に
関連していると認められる。 本発明で使用するケイ酸バリウムは、5重量%
水性懸濁液として測定して9乃至13のサスペンジ
ヨンPHと、粒径10μ以下のものが全体の10乃至50
重量%及び粒径20μ以上のものが全体の50乃至90
重量%となる粒度分布とを有することが望まし
い。即ち、このもののPHが高すぎると水性媒体に
分散不良を招きやすく、またPHが低すぎると硬化
体の透水性が大きくなる傾向があり、何れも好ま
しくない。更に、ケイ酸バリウムの微粒分の量が
上記問題よりも多いと流動性の低下傾向が大きく
なり、また硬化体の耐透水性も低下する傾向があ
り、また、粗粒分の量が上記範囲よりも多くなる
と、やはり硬化体の緻密性が低下したり、また組
合せ硬化剤の作用の安定化が失われる傾向があ
る。 このケイ酸バリウムは、比較的活性なケイ酸
分、例えばゾル状、ヒドロゲル状或いはキセロゲ
ル状の無定形シリカ、粘土類を酸処理して得られ
る活性シリカ、スメクタイト族粘土鉱物等のシリ
カ原料と水酸化バリウム、炭酸バリウム等のバリ
ウム原料とを前述したモル比で混合し、この混合
物を700乃至900℃の温度で焼成することにより得
られるが、本発明に用いるケイ酸バリウムは勿論
この製法に限定されない。 本発明においては、固形分を基準として、ホウ
ケイ酸アルカリ等の前記(A)のバインダー成分100
重量部当り、ポリリン酸ケイ素(B)を7乃至75重量
部、特に10乃至70重量部、ケイフツ化アルカリ(C)
を10乃至60重量部、特に20乃至60重量部、及び無
定形ケイ酸バリウム(D)を10乃至80重量部、特に15
乃至40重量部の量で使用するのがよい。 即ち、ポリリン酸ケイ素の量が上記範囲よりも
多いと硬化用水性組成物の流動性が低下する傾向
があり、また上記範囲よりも少いとこの組成物が
固化しにくく、硬化物の強度及び耐水性が低下す
る傾向がある。ケイフツ化アルカリの量が上記範
囲よりも少ないと硬化用水性組成物の流動性が低
下する傾向があり、一方上記範囲よりも多いと耐
透水性が低下し、硬化物の発華現象が生じる傾向
がある。更に、無定形ケイ酸バリウムの量が上記
範囲よりも少ないと硬化体の緻密度が所望のレベ
ルに向上せず、耐透水性が低下する傾向があり、
一方上記範囲よりも多いと、硬化用水性組成物の
流動性が低下し、更に硬化体の耐火度も低下する
傾向がある。 本発明の水硬性セメント組成物は、硬化剤成分
とバインダー成分とを別個に包装したツー・パツ
ケージ型の硬化組成物として、また全ての成分を
一緒に配合したワン・パツケージ型の硬化組成物
として種々の用途に供することができる。 本発明のセメント組成物には、予じめパツケー
ジ内に、或いは最終使用時に種々の助剤や配合剤
を配合できる。このような助剤としては前記成分
以外の硬化助剤、配合剤としては種々の補強剤乃
至は骨材、顔料、アンカー剤、初期粘着性付与剤
等を配合できる。 これらの無機セメント組成物はそれ単独でも或
いはそれ自体公知の硬化助剤との組合せでも使用
し得る。このような硬化助剤としては、例えば酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化アルミニウム等の各種金属の酸
化物又は水酸化物;あるいはリン酸アルミニウ
ム、リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩
等;あるいは石こう、アルミン酸カルシウム、硫
酸バリウム、ケイ酸カルシウム等の各種塩類を配
合することができる。 また、補強剤としては、ガラス繊維、ロツク・
ウール、スラグ・ウール、石綿、タルク、カーボ
ン繊維、金属繊維等のステープル、スライバー、
マツト、織布、不織布或いは網等の繊維質補強剤
を使用することができ、更にカーボンブラツク、
ガラス粉、ホワイトカーボン、ケイ砂粉、各種金
属粉等の微粉末補強剤を使用することができる。
また、充填材としては、カオリン、焼成クレイ、
酸性白土、活性白土、二酸化ケイ素、アルミノケ
イ酸およびその塩、二酸化チタン、二酸化ジルコ
ニウム、アルミナ粉、硫酸バリウム、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ケ
イ酸カルシウム、酸化亜鉛、石膏、ゼオライト
粉、砂、岩石、耐火性鉱物等の各種無機質充填材
や骨材が使用される。また、本発明のセメント組
成物の強度補強ならびに適度の含水量の調節のた
めに、ポルトランドセメント粉末、アルミナセメ
ント粉末、等の水和型セメント粉末を使用するこ
ともできる。さらにまたフエノール樹脂、尿素樹
脂、CMC等の各種有機質の充填材を粉末として
または液状体として配合使用することができる。 原料としては、二酸化チタン等の白色顔料の外
に、黄鉛、ベンガラ、群青、クロムグリーン、マ
ルスバイオレツト、カーボンブラツク、ベンガラ
等の有色顔料が使用される。 耐火物骨材としては、用途に応じて、酸性、中
性或いは塩基性の各種耐火物骨材が使用され、例
えばシヤモツト、ロウ石、ムライト、半ケイ石質
高アルミナ質(パーライト)等のAl2O3−SiO2系
骨材;ケイ石等のSiO2系骨材;コランダム、そ
の他の電融アルミナ等のAl2O3系骨材;ホルステ
ライト等のMgO−SiO2系骨材;炭化硅素(SiC
系);黒鉛;クロム質、クロムマグネシウム質、
マグネシウムクロム質;マグネシアクリンカー、
電融マグネシア、焼成ドロマイト、マグネシヤ、
カルシヤ等の単独或いは2種以上の組合せを挙げ
ることができる。 これらの耐火物骨材は、それ自体公知の粒度調
整、即ち、一般に粒径1乃至5mmの粗粒分が10乃
至70重量%、粒径1mmよりも小さい微粒分が90乃
至30重量%となるような割合いで配合し、耐火物
組成物とする。勿論、これらの骨材を、直接上記
粒度構成に近い粒度となるように粉砕し、篩分け
等を行うことなしに骨材として使用することもで
きる。 また、初期水性分散液の粘着性を一時的に増強
するために、各種糊料、ラテツクス等を配合する
こともできる。 上述した配合剤は、勿論最終組成物の作業性を
損わないように、種類及び配合量を選択する必要
がある。 本発明のセメント組成物は、種々の成形物品の
製造に使用することができる。例えば、本発明の
セメント組成物は、繊維質或いは微粉末状の補強
材或いは充填材、更に骨材と組合せて、種々の難
燃性の成形構造物、例えば屋根材、内外装用タイ
ル、ブロツク、レンガ、中空壁部材、床部材、仕
切部材、防音材、高層建築の鉄材の耐火被覆等の
建築材料;テーブル、椅子等の家具類;食器その
他の容器;各種装飾品;パイプ、シート、ブロツ
ク、ビーム、柱、ケーシング等の各種構造材料;
各種鋳物用型;定形或いは不定形の窯業用レン
ガ;産業廃棄特に放射性廃棄等の処理に結着剤、
粘結剤、接着剤、固結剤、セメント剤、目地剤、
バインダーとして有用である。 また、本発明のセメント組成物は、ガラス、レ
ンガ、スレート、ブロツク、トウ磁器等の各種窯
業製品、金属等を接着させて集合体乃至は接着構
造物を製造するための接着剤としての用途にも有
用である。 更に本発明のセメント組成物は、レンガ、トウ
器、コンクリート製品、石膏ボード、木材、紙、
その他の繊維製品を含浸乃至表面処理して、これ
らの材料に不燃性或いは水不浸透性等の性質を賦
与するのに有用であり、またこれに不燃性被覆を
形成するのに有用である。 更にまた、本発明のセメント組成物は、充填材
或いは顔料を必要により添加して、無機質塗料と
し、耐熱塗料として各種構造物に塗布することが
できる。 本発明の組成物を用いて固化物成形物、接着構
造物及び被覆構造物を製造するに際して、その水
性分散体の硬化は、常態においても或いは加熱加
圧下にも行うことができる。例えば、硬化温度は
室温乃至200℃、特に室温乃至150℃の範囲でよ
く、また硬化時の圧力は常圧でも或いは10Kg/cm2
程度迄の加圧下でもよい。また、硬化時の雰囲気
は通常空気中で十分であるが、所望によつては減
圧下或いは窒素ガス雰囲気のような不活性雰囲気
とすることができ、更に硬化時間を短縮するため
に雰囲気として炭酸ガスを用いてもよい。さらに
また、硬化に際して硬化雰囲気を高湿度、例えば
60%、好適には80%以上の条件に保つことによつ
て、硬化体の内部と表面部とを均質に硬化させる
ことが可能となり、成型体の強度ならびに他の物
性を向上させることができる。 必要な硬化時間は、温度や硬化剤さらに助剤の
種類及び配合量によつても相違するが、一般的に
言つて、2分間乃至1週間の内から用いる硬化温
度に応じて適当な時間を選ぶのがよい。例えば、
被覆組成物の加熱硬化の場合には2乃至10分間程
度の時間で十分な硬化を行うことができ、接着構
造物や厚手の成形物の室温硬化の場合には、完全
な機械的強度を有する硬化物を得るのに1週間程
度の時間を要する場合もある。 本発明のセメント組成物は、前述した種々の特
性を有するため、放射性廃棄物の固化剤としての
用途に供すると種々の利点が達成される。先ず、
本発明の水硬性セメント組成物は、著しく少量の
混水量で硬化が可能で、しかもこの硬化物は種々
の機械的強度に優れているため、従来の水硬性セ
メント類に比して著しく少量の使用で放射性廃棄
物の固化をでき、その結果として、廃棄物を高い
減容比でドラムカン等の容器内に充填させ、固化
させることができる。しかも、この硬化用水性セ
メント組成物は、少ない混水量にもかかわらず、
高い流動性を有しており、前記廃棄物の粒状体を
容器内に充填した後、これを注加した場合にも容
器内の隅々に行きわたつて、これらを被覆し一体
に固化するという作用を有する。更に、この固化
剤は硬化後の緻密性、耐透水性にも優れているた
め、仮りに水分等と接触した場合にも、廃棄物と
水とが直接接触するのが防止され、また火災等に
あつても固化剤の層にクラツク層が発生するのを
防止できる。のみならず、この固化剤は耐水性、
耐候性に優れているばかりではなく、海水に対し
ても顕著な耐性を有している。更に、この固化剤
は廃棄物中に高放射性のセシウムが含有されてい
る場合にも、これを固定してその溶出を防止する
という予想外の特性を有している。 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 セメント組成物について説明する。 A−1 粉末ケイ酸ソーダ 下記第1表に表示する組成を有する3種の粉
末ケイ酸ソーダを市販工業薬品より選んだ。
で、より詳細には、少ない混水量で流動性に際立
つて優れており、しかも硬化後には水不浸透性や
耐火性、更に強度、耐候性等に優れており、種々
の材料の結着剤、固着剤乃至固化剤として、また
成形材料としても有用な水硬性セメント組成物に
関する。 従来、セメント組成物としては、ポルトランド
セメントの如き水硬性セメント類が広く使用され
ているが、このような公知の水硬性セメント類に
おいては、この組成物に硬化性を与えるために、
26乃至35%にも達する混水量が必要である。しか
しながら、水硬性セメントの機械的強度や緻密性
は混水量に密接な関連があることがよく知られて
おり、従来のポルトランドセメントは比較的大き
い混水量を有することに関連して、その硬化体は
曲げ強度等が比較的低く、また透水性が比較的大
であるという欠点を有している。更に、公知のポ
ルトランドセメントの未硬化水性組成物は、混水
量が大きいにもかかわらず、流動性に乏しく、例
えば微細な空隙等に前記組成物を充填させること
が困難であるという問題がある。 従来、原子炉周辺から出る濃縮廃液や廃液処理
を使つたイオン交換樹脂等を乾燥したものを、固
化剤で固めた状態で容器内に充填し、この密閉容
器を貯蔵し或いは廃棄処分に付することが行われ
ているが、この目的に使用する固化剤は以下に述
べる種々の要求を満足するものでなければならな
い。先ず、この固化剤は放射線に曝露されること
から、放射線による劣化の著しいものであつては
ならず、かかる見地からは無機系の固化剤が望ま
れる。また、この固化剤は、耐水浸透性に優れ、
機械的強度や耐候性に優れたものでなければなら
ない。更に、この固化剤は充填等の作業に十分な
時間のポツトライフを有すると共に、容器内のど
の部分にも一様に流動して充填されるような流動
性を有するものでなければならない。更にまた、
容器容量当りの廃棄物容量、即ち減容比を大きく
することも重要であり、このためには前記固化剤
は可及的に少ない容積で使用されなければならな
い。 従つて、本発明の目的は、比較的少ない混水量
で硬化が可能で、未硬化状態では少ない混水量に
もかかわらず流動性に優れていると共にこの状態
での可使時間(ポツトライフ)が長く、しかも得
られた硬化物は水不浸透性、機械的強度、耐候
性、耐水性等に顕著に優れているセメント組成物
を提供するにある。 本発明の他の目的は、種々の材料の接着、結
着、固着乃至は固化構造物を製造するための水性
無機バインダーとして有用なセメント組成物を提
供するにある。 本発明の更に他の目的は、前述した放射性廃棄
物の固化剤として前述した諸要求を満足させるこ
とができ、従つてこの用途に特に有用なセメント
組成物を提供するにある。 本発明によれば、(A)水溶性ホウケイ酸アルカリ
または水溶性ケイ酸アルカリとアルカリ水溶液に
可溶なホウ酸アルカリとの組合せ、(B)ポリリン酸
ケイ素、(C)ケイフツ化アルカリ及び(D)BaO:
SiO2のモル比が1:2.5乃至1:6の範囲にある
実質上無定形のケイ酸バリウムを含有して成るこ
とを特徴とする水硬性セメント組成物が提供され
る。 本発明のセメント組成物は、上記(A)乃至(D)の4
成分を必須成分として含有するが、これらの必須
成分は全てケイ酸分乃至はケイ素分を含有する化
合物であることが化学組成上の顕著な特徴であ
る。これらの必須成分の内、前記(A)のホウケイ酸
アルカリ等は結着(バインダ)主剤としての作用
を有するものであり、前記(B)のポリリン酸ケイ素
は硬化剤、として、前記(C)のケイフツ化アルカリ
は硬化助剤として夫々作用するものであり、一方
前記(D)のケイ酸バリウムは謂はば充填安定化剤と
して作用するものである。 本発明は特に、前述したホウケイ酸アルカリ・
バインダーとポリリン酸ケイ素硬化剤とから成る
硬化性組成物に、ケイフツ化アルカリと無定形ケ
イ酸バリウムとを配合すると、従来の水硬性セメ
ント類に比して著しく少ない混水量での硬化が可
能となると共に、未硬化状態での水性組成物の流
動性が著しく向上し、更に硬化状態ではその緻密
性が著しく向上して、耐透水性が顕著に改善され
ると共に、耐火度も顕著に向上するという新規知
見に基づくものである。 本発明のセメント組成物は、先ず従来の水硬性
セメント類に比して、著しく少ない混水量で硬化
し得るという特性を有する。即ち、本発明の組成
物は、その配合比によつても相違するが、一般に
15乃至30%、特に18乃至28%の水分量で自己硬化
性を示し、例えばポルトランドセメントが26乃至
35%、石膏プラスターが29乃至38%の混水量を有
するのに対して、著しく少ない混水量を有するこ
とがわかる。この混水量は得られる硬化体の緻密
性とも密接に関連しており、本発明によれば、よ
り緻密な硬化体を形成させることが可能となるも
のである。 本発明のセメント組成物は、このように少ない
混水量を有するにもかかわらず、著しく流動性に
優れているという利点を有する。即ち、このよう
な水硬性組成物の流動性は、この組成物を傾斜板
に施こし、所定時間経過後の流下長即ち、後述す
る定義によるフロー値として表わすことができる
が、従来のポルトランドセメントスラリのフロー
値は5分経時後ですでに5乃至34cm/minの値を
示し、またホウケイ酸アルカリ−ポリリン酸ケイ
素・スラリーのフロー値は初期には高いとして
も、30分経時後には数cm/minのオーダーに低下
するのに対して、本発明のセメント組成物は、上
述した混水量範囲でしかも30分間経過後において
も20乃至120cm/minのフロー値を示し、流動性
に顕著に優れていることがわかる。 しかも、本発明のセメント組成物は、前述した
ケイフツ化アルカリ及び無定形のケイ酸バリウム
を含有すること及び混水量が著しく少ないことに
関連して、水不浸透性に極めて優れているという
利点を有する。即ち、後に詳述する通り、硬化体
の透水性は、この硬化体を着色水に浸漬したとき
の着色水の浸透厚みとして評価できるが、従来の
ポルトランドセメント硬化体の透水性は5mm/30
日以上、またホウケイ酸アルカリ−ポリリン酸ケ
イ素硬化体の透水性は5乃至20mm/30日のオーダ
ーであるのに対して、本発明のセメント硬化体の
それは3mm/30日以下であり水不浸透性に際立つ
て優れていることが了解される。 更に、本発明のセメント組成物は、従来のこの
種の水硬性セメント組成物には全く認められな
い、耐火性に優れているという利点を有する。即
ち、公知の水硬性セメントの硬化体は、室温では
かなり強固であるとしても、800℃程度の高温中
に曝露し、室温中に放置したときには、多数のク
ラツクを生じて機械的に脆い構造となるという欠
点を有しているが、本発明のセメント組成物はこ
のような高温中に曝露し、室温中に取出した場合
にも全くクラツクを発生せず、優れた機械的性質
が維持されるという利点がある。 のみならず、本発明のセメント組成物の硬化体
は機械的強度においても顕著に優れており、例え
ばポルトランドセメント硬化体の曲げ強度が60
Kg/cmのオーダーであるのに対して120Kg/cm以
上にも達する曲げ強度を示す。 本発明において第一の成分(A)として用いる(i)水
溶性ホウケイ酸アルカリまたは(ii)水溶性ケイ酸ア
ルカリとアルカリ水溶液に可溶なホウ酸アルカリ
との組合せは、従来のケイ酸アルカリ・バインダ
ーに加えて、ホウ酸分を含有するという化学組成
上の特徴を有し、この特徴に関連して、強度の脱
水条件下においても尚、水アメ状の状態を維持す
るという従来のケイ酸質バインダーには認められ
ない特性を有している。この特性の故に、この第
一成分(A)は、硬化剤との組合せで使用したとき
も、このセメント組成物に優れた結着作用と適度
のポツトライフとを与え、しかも水性分散液とし
て使用したときに、該組成物を早期ゲル化や部分
ゲル化を生ずることなく、流動性に富んだ状態に
維持するという望ましい作用を行う。 第二の成分(B)として用いるポリリン酸ケイ素
は、シリカ分がカチオンの形で縮合リン酸分に結
合している化合物であり、この化合物は、種々の
リン酸塩の内でもリン酸分の徐放性に特に優れた
ものであり(米国特許第4018616号明細書)、この
ポリリン酸ケイ素を硬化剤成分として第一成分(A)
と組合せで使用することにより、前述した利点を
損うことなく、優れた硬化作用が達成される。 本発明の最も重要な特徴は、上述したホウケイ
酸塩型バインダー及びポリリン酸ケイ素硬化剤に
加えて、ケイフツ化アルカリを第三成分(C)とし
て、無定形ケイ酸バリウムを第四成分(D)として用
いることにある。即ちホウケイ酸塩型バインダー
とポリリン酸ケイ素とから成る組成物は、優れた
結着作用乃至は硬化作用と適度の可使時間との組
合せを有し、水性分散液として使用したとき、早
期ゲル化や部分ゲル化が防止され、流動性に富ん
だ状態が比較的長時間にわたつて維持されるとい
う点では優れたものであるが、この組成物は未硬
化状態でも、また硬化状態でも未だ改善されるべ
き余地がある。 例えば、この2成分系の組成物は、水との混合
初期においては良好な流動性を示すとしても、30
分程度の経時で流動性が著しく低下するという問
題がある。また、この2成分(A)及び(B)から成る硬
化体は、その製造初期においては、ポルトランド
セメント等に比して優れた曲げ強度及び圧縮強度
等を示すとしても、この硬化体を流水浸漬試験及
び屋外曝露試験等に賦した場合には、その強度が
著しく低いレベルに低下するという傾向が認めら
れる。更に、この硬化体を高湿度条件下に放置す
ると、成形体表面に水可溶性塩類の滲みを生じた
り、変形或いはクラツチを発生する傾向がある。
これらの傾向は硬化成形体を流水浸漬試験、屋外
曝露中の雨晒し及び高湿条件に曝すと、硬化体中
のケイ酸分がメタケイ酸ソーダ等の形で溶出する
ことによるものと思われる。更にまた、この硬化
体は、上述した屋外曝露試験等において、硬化体
表面から粉化する傾向があり、また硬化体中に含
有される水溶性塩類が硬化体表面に滲み出る所謂
発華現像も加わり硬化体が形骸化し、強度的にも
ろい組織体となる。また硬化体そのものが耐水性
を有する場合にも硬化体の組織が比較的ポーラス
であつて、内部に水を透す性質、即ち透水性があ
るということも問題である。 本発明において使用するケイフツ化アルカリ
は、従来ケイ酸アルカリ・バインダーの硬化剤と
して周知の物質であるが、本発明においては、未
硬化水性組成物の流動性を向上させるという見地
から、このものを硬化助剤としてポリリン酸ケイ
素硬化剤との組合せで使用するのである。即ち硬
化剤としてケイフツ化アルカリとポリリン酸ケイ
素との組合せ使用により、水との混和初期は勿論
のこと、混和後かなりの間を経過したときにも、
その流動性を著しく高いレベルに維持することが
可能となり、各種作業性を著しく向上させ得るの
である。しかも、このケイフツ化アルカリは、後
に詳述する無定形ケイ酸バリウムとの組合せで透
水性を顕著に抑制し、更に耐火度を向上させる作
用を有する。のみならず、ケイフツ化アルカリを
用いることによりポリリン酸ケイ素との相剰効果
により、硬化後の成形体からのメタケイ酸ソーダ
の溶出傾向や発華現象を抑制し、耐候性、耐水機
械強度等を顕著に改善できる。 更に、本発明で用いる無定形ケイ酸バリウムは
硬化体の緻密性を向上させ、透水性を顕著に抑制
すると共に、ポリリン酸ケイ素やケイフツ化アル
カリの作用を安定化させるという作用を行う。例
えば、硬化体中にメタケイ酸ソーダが析出混在す
るかポリリン酸ケイ素が残存するときには、硬化
体の耐水性が低下する傾向が認められるが、本発
明で用いる無定形ケイ酸バリウムは、メタケイ酸
ソーダの折出を防止すると共にこのようなポリリ
ン酸ケイ素と最終的に反応して耐水性の向上に役
立つものと思われる。 本発明において、第一成分(A)としては、ケイ酸
アルカリ粉末とホウ酸アルカリ粉末との組合せを
用いることが特に望ましい。この組合せを用いる
ことにより、全ての成分を粉末状態でワンパツケ
ージ内に配合することが可能となり、使用直前に
必要所定量の水のみを加えてペースト化し使用に
供すればよく、最終使用に際して各成分の計量
や、混合が不要であるという利点も同時に達成さ
れるものである。 本発明で使用する粉末ケイ酸アルカリは、水溶
性乃至は水分散性のものであり、M2O:SiO2(式
中、Mはアルカリ金属を表わす)のモル比で表わ
して、1:1.3乃至1:2.6のモル比を有するもの
が好適である。アルカリのモル比が上記範囲外で
は結着剤として使用したときの接着強度等が低下
する傾向がある。ケイ酸ソーダが本発明の目的に
好適であるが、ケイ酸カリを用いることもでき
る。本発明に用いるケイ酸アルカリは、粉末であ
るという条件内で水和した水分等を含有していて
も何等差支えない。 ホウ酸アルカリ塩としては、このものがアルカ
リ性水溶液に可溶であるという条件内で任意の塩
を用いることができ、例えばホウ酸ソーダ、ホウ
酸カリが好適に使用される。これらのホウ酸塩
は、無水塩でも、或いは3水塩、5水塩、7水
塩、10水塩のような含水塩であつてもよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとは、ケイ酸
アルカリ中のSiO2に対するホウ酸アルカリ中の
B2O3のモル比が1:0.03乃至1:0.3、特に1:
0.05乃至1:0.25の範囲となるように組合せ使用
するのがよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとを、粉末混
合物として使用する代りに、これらをホウケイ酸
アルカリ水溶液の形で用いることもできる。即
ち、この水溶液は前記2つの塩を水に溶解し、所
望により加熱反応させることにより得られる。 尚、ホウ酸分(B2O3)のモル比が上記範囲よ
りも小さいときには、耐水性が低下すると共に、
安定性も低下する傾向があり、一方上記範囲より
も大きくしてもそれによる格別の利点は得られ
ず、経済的にも不利となる。 本発明で用いるポリリン酸ケイ素は、必須成分
としてリン酸分とシリカ分とを含有するものであ
り、且つリン酸分が縮合された形で含有されるも
のである。このポリリン酸ケイ素は、P2O5:
SiO2のモル比で表わして、1:1.8乃至1:3.6、
特に1:2.0乃至1:3.3の範囲のモル比を有する
ことが望ましい。即ち、リン酸分(P2O3)のモ
ル比が上記範囲よりも小さい場合には、所望とす
る硬化性が得られず、機械的強度も低いものとな
る傾向がある。また、このモル比が上記範囲より
も大きい場合には、この組成物を水性分散液とし
たとき、、早期ゲル化や部分ゲル化が生じるよう
になる。 このポリリン酸ケイ素は、早期ゲル化や部分ゲ
ル化を防止し、ホウケイ酸アルカリを一様にしか
も強固に硬化させるためには、リン酸分の徐放性
を有することが重要である。この点に関して、本
発明に使用するポリリン酸ケイ素は、下記式 Y=AX+B 式中、Xは前記硬化剤1グラムを4規定荷性ソ
ーダ水溶液100ml中に添加した試料溶液の120分迄
の経過時間(分)を表わし、Yは前記試料溶液中
に溶出したリン酸(P2O5)の積算溶出量(mg/
100ml)を表わす、 で定義される初期溶出量(B)が250以下、好適には
200以下、特に好適には100以下及び平均加水分解
速度定数(A)が0.2以上、特に好適には0.3乃至13の
範囲に夫々あることが特に望ましい。このような
徐放性リン酸質硬化剤の製法及び特性の詳細も、
前述した米国特許第4018616号明細書に述べられ
ている。 本発明において、ケイフツ化アルカリとして
は、ケイフツ化ナトリウム(Na2SiF6)、ケイフ
ツ化カリウム(K2SiF6)等が使用され、これら
は一般に微細な粉末、特に粒径が60ミクロン以下
の粉末の形で使用される。このケイフツ化物はア
ルカリ塩の形であることも流動性改善の点で授要
であり、例えばケイフツ化バリウム等のアルカリ
土類金属塩を用いた場合には、むしろ水性スラリ
ーとしたときの流動性が著しく低下する傾向を示
す。 本発明に用いるケイ酸バリウムは、BaO:
SiO2のモル比が1:2.5乃至1:6の範囲にある
ものであり、通常のケイ酸バリウム、例えばオル
ト(Ba2SiO4)、メタ(BaSiO3)、メソ
(BaSi2O5)等に比して、バリウム分の含有量が
少なく、且つ無定形であるという特徴を有してい
る。即ち、ケイ酸バリウム中のバリウム分が上記
範囲よりも多いときにも少ないときにも、硬化体
の緻密度が著しく低下する傾向がある。このこと
から、硬化体の緻密化作用は、ケイ酸分の酸性度
とバリウム分の塩基度との微妙なバランスの上に
成り立つているものと思われる。また、結晶性の
ケイ酸バリウムを用いたときには、硬化体の緻密
化作用は到底期待し得ず、この点からも、ケイ酸
バリウムの反応性も前述した緻密化作用と密接に
関連していると認められる。 本発明で使用するケイ酸バリウムは、5重量%
水性懸濁液として測定して9乃至13のサスペンジ
ヨンPHと、粒径10μ以下のものが全体の10乃至50
重量%及び粒径20μ以上のものが全体の50乃至90
重量%となる粒度分布とを有することが望まし
い。即ち、このもののPHが高すぎると水性媒体に
分散不良を招きやすく、またPHが低すぎると硬化
体の透水性が大きくなる傾向があり、何れも好ま
しくない。更に、ケイ酸バリウムの微粒分の量が
上記問題よりも多いと流動性の低下傾向が大きく
なり、また硬化体の耐透水性も低下する傾向があ
り、また、粗粒分の量が上記範囲よりも多くなる
と、やはり硬化体の緻密性が低下したり、また組
合せ硬化剤の作用の安定化が失われる傾向があ
る。 このケイ酸バリウムは、比較的活性なケイ酸
分、例えばゾル状、ヒドロゲル状或いはキセロゲ
ル状の無定形シリカ、粘土類を酸処理して得られ
る活性シリカ、スメクタイト族粘土鉱物等のシリ
カ原料と水酸化バリウム、炭酸バリウム等のバリ
ウム原料とを前述したモル比で混合し、この混合
物を700乃至900℃の温度で焼成することにより得
られるが、本発明に用いるケイ酸バリウムは勿論
この製法に限定されない。 本発明においては、固形分を基準として、ホウ
ケイ酸アルカリ等の前記(A)のバインダー成分100
重量部当り、ポリリン酸ケイ素(B)を7乃至75重量
部、特に10乃至70重量部、ケイフツ化アルカリ(C)
を10乃至60重量部、特に20乃至60重量部、及び無
定形ケイ酸バリウム(D)を10乃至80重量部、特に15
乃至40重量部の量で使用するのがよい。 即ち、ポリリン酸ケイ素の量が上記範囲よりも
多いと硬化用水性組成物の流動性が低下する傾向
があり、また上記範囲よりも少いとこの組成物が
固化しにくく、硬化物の強度及び耐水性が低下す
る傾向がある。ケイフツ化アルカリの量が上記範
囲よりも少ないと硬化用水性組成物の流動性が低
下する傾向があり、一方上記範囲よりも多いと耐
透水性が低下し、硬化物の発華現象が生じる傾向
がある。更に、無定形ケイ酸バリウムの量が上記
範囲よりも少ないと硬化体の緻密度が所望のレベ
ルに向上せず、耐透水性が低下する傾向があり、
一方上記範囲よりも多いと、硬化用水性組成物の
流動性が低下し、更に硬化体の耐火度も低下する
傾向がある。 本発明の水硬性セメント組成物は、硬化剤成分
とバインダー成分とを別個に包装したツー・パツ
ケージ型の硬化組成物として、また全ての成分を
一緒に配合したワン・パツケージ型の硬化組成物
として種々の用途に供することができる。 本発明のセメント組成物には、予じめパツケー
ジ内に、或いは最終使用時に種々の助剤や配合剤
を配合できる。このような助剤としては前記成分
以外の硬化助剤、配合剤としては種々の補強剤乃
至は骨材、顔料、アンカー剤、初期粘着性付与剤
等を配合できる。 これらの無機セメント組成物はそれ単独でも或
いはそれ自体公知の硬化助剤との組合せでも使用
し得る。このような硬化助剤としては、例えば酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化アルミニウム等の各種金属の酸
化物又は水酸化物;あるいはリン酸アルミニウ
ム、リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩
等;あるいは石こう、アルミン酸カルシウム、硫
酸バリウム、ケイ酸カルシウム等の各種塩類を配
合することができる。 また、補強剤としては、ガラス繊維、ロツク・
ウール、スラグ・ウール、石綿、タルク、カーボ
ン繊維、金属繊維等のステープル、スライバー、
マツト、織布、不織布或いは網等の繊維質補強剤
を使用することができ、更にカーボンブラツク、
ガラス粉、ホワイトカーボン、ケイ砂粉、各種金
属粉等の微粉末補強剤を使用することができる。
また、充填材としては、カオリン、焼成クレイ、
酸性白土、活性白土、二酸化ケイ素、アルミノケ
イ酸およびその塩、二酸化チタン、二酸化ジルコ
ニウム、アルミナ粉、硫酸バリウム、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ケ
イ酸カルシウム、酸化亜鉛、石膏、ゼオライト
粉、砂、岩石、耐火性鉱物等の各種無機質充填材
や骨材が使用される。また、本発明のセメント組
成物の強度補強ならびに適度の含水量の調節のた
めに、ポルトランドセメント粉末、アルミナセメ
ント粉末、等の水和型セメント粉末を使用するこ
ともできる。さらにまたフエノール樹脂、尿素樹
脂、CMC等の各種有機質の充填材を粉末として
または液状体として配合使用することができる。 原料としては、二酸化チタン等の白色顔料の外
に、黄鉛、ベンガラ、群青、クロムグリーン、マ
ルスバイオレツト、カーボンブラツク、ベンガラ
等の有色顔料が使用される。 耐火物骨材としては、用途に応じて、酸性、中
性或いは塩基性の各種耐火物骨材が使用され、例
えばシヤモツト、ロウ石、ムライト、半ケイ石質
高アルミナ質(パーライト)等のAl2O3−SiO2系
骨材;ケイ石等のSiO2系骨材;コランダム、そ
の他の電融アルミナ等のAl2O3系骨材;ホルステ
ライト等のMgO−SiO2系骨材;炭化硅素(SiC
系);黒鉛;クロム質、クロムマグネシウム質、
マグネシウムクロム質;マグネシアクリンカー、
電融マグネシア、焼成ドロマイト、マグネシヤ、
カルシヤ等の単独或いは2種以上の組合せを挙げ
ることができる。 これらの耐火物骨材は、それ自体公知の粒度調
整、即ち、一般に粒径1乃至5mmの粗粒分が10乃
至70重量%、粒径1mmよりも小さい微粒分が90乃
至30重量%となるような割合いで配合し、耐火物
組成物とする。勿論、これらの骨材を、直接上記
粒度構成に近い粒度となるように粉砕し、篩分け
等を行うことなしに骨材として使用することもで
きる。 また、初期水性分散液の粘着性を一時的に増強
するために、各種糊料、ラテツクス等を配合する
こともできる。 上述した配合剤は、勿論最終組成物の作業性を
損わないように、種類及び配合量を選択する必要
がある。 本発明のセメント組成物は、種々の成形物品の
製造に使用することができる。例えば、本発明の
セメント組成物は、繊維質或いは微粉末状の補強
材或いは充填材、更に骨材と組合せて、種々の難
燃性の成形構造物、例えば屋根材、内外装用タイ
ル、ブロツク、レンガ、中空壁部材、床部材、仕
切部材、防音材、高層建築の鉄材の耐火被覆等の
建築材料;テーブル、椅子等の家具類;食器その
他の容器;各種装飾品;パイプ、シート、ブロツ
ク、ビーム、柱、ケーシング等の各種構造材料;
各種鋳物用型;定形或いは不定形の窯業用レン
ガ;産業廃棄特に放射性廃棄等の処理に結着剤、
粘結剤、接着剤、固結剤、セメント剤、目地剤、
バインダーとして有用である。 また、本発明のセメント組成物は、ガラス、レ
ンガ、スレート、ブロツク、トウ磁器等の各種窯
業製品、金属等を接着させて集合体乃至は接着構
造物を製造するための接着剤としての用途にも有
用である。 更に本発明のセメント組成物は、レンガ、トウ
器、コンクリート製品、石膏ボード、木材、紙、
その他の繊維製品を含浸乃至表面処理して、これ
らの材料に不燃性或いは水不浸透性等の性質を賦
与するのに有用であり、またこれに不燃性被覆を
形成するのに有用である。 更にまた、本発明のセメント組成物は、充填材
或いは顔料を必要により添加して、無機質塗料と
し、耐熱塗料として各種構造物に塗布することが
できる。 本発明の組成物を用いて固化物成形物、接着構
造物及び被覆構造物を製造するに際して、その水
性分散体の硬化は、常態においても或いは加熱加
圧下にも行うことができる。例えば、硬化温度は
室温乃至200℃、特に室温乃至150℃の範囲でよ
く、また硬化時の圧力は常圧でも或いは10Kg/cm2
程度迄の加圧下でもよい。また、硬化時の雰囲気
は通常空気中で十分であるが、所望によつては減
圧下或いは窒素ガス雰囲気のような不活性雰囲気
とすることができ、更に硬化時間を短縮するため
に雰囲気として炭酸ガスを用いてもよい。さらに
また、硬化に際して硬化雰囲気を高湿度、例えば
60%、好適には80%以上の条件に保つことによつ
て、硬化体の内部と表面部とを均質に硬化させる
ことが可能となり、成型体の強度ならびに他の物
性を向上させることができる。 必要な硬化時間は、温度や硬化剤さらに助剤の
種類及び配合量によつても相違するが、一般的に
言つて、2分間乃至1週間の内から用いる硬化温
度に応じて適当な時間を選ぶのがよい。例えば、
被覆組成物の加熱硬化の場合には2乃至10分間程
度の時間で十分な硬化を行うことができ、接着構
造物や厚手の成形物の室温硬化の場合には、完全
な機械的強度を有する硬化物を得るのに1週間程
度の時間を要する場合もある。 本発明のセメント組成物は、前述した種々の特
性を有するため、放射性廃棄物の固化剤としての
用途に供すると種々の利点が達成される。先ず、
本発明の水硬性セメント組成物は、著しく少量の
混水量で硬化が可能で、しかもこの硬化物は種々
の機械的強度に優れているため、従来の水硬性セ
メント類に比して著しく少量の使用で放射性廃棄
物の固化をでき、その結果として、廃棄物を高い
減容比でドラムカン等の容器内に充填させ、固化
させることができる。しかも、この硬化用水性セ
メント組成物は、少ない混水量にもかかわらず、
高い流動性を有しており、前記廃棄物の粒状体を
容器内に充填した後、これを注加した場合にも容
器内の隅々に行きわたつて、これらを被覆し一体
に固化するという作用を有する。更に、この固化
剤は硬化後の緻密性、耐透水性にも優れているた
め、仮りに水分等と接触した場合にも、廃棄物と
水とが直接接触するのが防止され、また火災等に
あつても固化剤の層にクラツク層が発生するのを
防止できる。のみならず、この固化剤は耐水性、
耐候性に優れているばかりではなく、海水に対し
ても顕著な耐性を有している。更に、この固化剤
は廃棄物中に高放射性のセシウムが含有されてい
る場合にも、これを固定してその溶出を防止する
という予想外の特性を有している。 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 セメント組成物について説明する。 A−1 粉末ケイ酸ソーダ 下記第1表に表示する組成を有する3種の粉
末ケイ酸ソーダを市販工業薬品より選んだ。
【表】
A−2 アルカリ水溶液可溶なホウ酸アルカリ
下記第2表に表示する分子式を有する3種の
ホウ酸塩を市販試薬より選んだ。
ホウ酸塩を市販試薬より選んだ。
【表】
A−3 水溶性ホウケイ酸アルカリ
上記ケイ酸ソーダとホウ酸塩の両粉末を下記
第3表に示す量割合で均質に混合してバインダ
ー剤(成分(A))を調製した。
第3表に示す量割合で均質に混合してバインダ
ー剤(成分(A))を調製した。
【表】
A−4 ポリリン酸ケイ素(硬化剤、成分(B))
ポリリン酸ケイ素は本発明者等の2件の特許
(特公昭46−40866号および特公昭46−42711号
公報)明細書記載の方法に準拠して調製された
ポリリン酸ケイ素11種類を選んだ。 ここに調製されたポリリン酸ケイ素の
SiO2/P2O5のモル比、ケイ酸分として選んだ
原料およびその原料より混入する他の成分(例
えばAl2O3、CaO、MgO等)の組成等を下記第
4表に併せ表示した。 ポリリン酸ケイ素の代表的調製法の例を参考
例1として下記に記載する。 参考例 1 新潟県中条産酸性白土(乾燥物基準の主成分、
SiO278.7%、Al2O313.1%、Fe2O30.57%、
MgO3.50%、CaO1.13%、灼熱減量3.15%)を選
び、特許(特公昭23−2277号公報)明細書記載の
方法に準拠して、易反応性ケイ酸を製造し原料と
した。即ち、上記酸性白土(水分42.5%)を乾燥
物換算で76.5gに相当する量を500mlのコニカル
ビーカーに採り、約50%濃度の硫酸溶液200mlを
加え、90℃に加温し、10時間酸処理し、次いでデ
カンテーシヨン法にてPH1.0の稀薄硫酸水を用い
て洗浄し、さらに水洗して、反応生成した塩基性
塩を除去し、酸性白土より特殊ケイ酸ゲルである
易反応性ケイ酸(乾燥物基準の主成分SiO292.4
%、Al2O32.68%、Fe2O30.24%、MgO0.13%、
CaO0.13%、灼熱減量3.38%)を回収した。この
易反応性ケイ酸に、市販の工業用リン酸(JIS1級
85.0%H3PO4、比重1.69)を用いて、SiO2/P2O3
のモル比が2.0になるように両者を混合、撹拌し
ながら約0.5mm〜2mm径の顆粒状に造粒し、170℃
〜200℃に乾燥後、回転式キルンを用いて、1度
250〜300℃で約30分間仮焼した後、引き続き約
800℃で約30分間焼成し、次いでハンマー衝撃型
粉砕機にて粉砕し200メツシユ篩にて分級して、
ポリリン酸ケイ素粉末(PS−1)を調製した。 下記する第4表に記載する他のポリリン酸ケイ
素は、上記した参考例1の調製法を基礎として、
ケイ酸分原料やリン酸分原料を他に求めた場合お
よび調製条件の一部(SiO2/P2O5のモル比、焼
成条件等)を変化させて調製したポリリン酸ケイ
素である。なお、原料中にケイ酸以外の他の成分
(例えばAl2O3、CaO、MgO等が1%以上)が含
有されている場合は、それらの塩基性成分に対し
てリン酸分が正塩の型で化合物を生成するとして
の必要なリン酸分を添加し、さらにケイ酸
(SiO2)に対して所定量のモル比で反応する量の
ケイ酸分との合計量を添加して、ポリリン酸ケイ
素の調製を行つた。 なお、ここに調製したポリリン酸ケイ素につい
て、下記に記載する測定方法によつて分散性なら
びにゲル化時間を測定し、その結果を第4表に併
せ表示する。 (A) 分散性ならびにゲル化時間の測定 分散性ならびにゲル化時間の測定装置として
は、本発明者らの出願特許(特願昭56−097558
−特開昭58−2254号)明細書の添付第1図に示
す測定装置を用いた。 所定温度(測定温度、特記しない限り40℃を
標準とする)に保たれたウオーターバス2中に
固定された容器1(内容積約160ml)に粉末試
料30gを採り、次いで水ガラス(JIS3号品
SiO228.9%、Na2O9.63%)100gを加えステン
レス製の備え付け撹拌羽根5を入れ、ユニバー
サルモーター3(定格:入力100V、90W、4
ポール、50Hz、1.0A、3500rpm)を用いて、直
結で撹拌羽根を回転させる、この撹拌羽根は、
あらかじめ、撹拌羽根の付いた空回転の状態
で、電圧(直流)を13.00Vに調整し、モータ
ー上部にある回転調節用ツマミ4で、回転を調
節しつつ、空回転の状態で、備え付回転計を見
ながら、その回転を310rpmの速度に調整する。
その時(無負荷時)の電圧、電流、回転数より
下記式(2)よりトルク(T(Kg・m))を計算する T(Kg・m)=0.9737×V×I/N ……(2) N:回転数(rpm) V:電圧(V) I:電流(A) この結果約0.016〜0.020〔Kg・m〕の範囲と
なる。 測定装置容器1内の粉末試料に水ガラスを加
え、撹拌羽根5を回転させ、全体が均質なペー
ストとなし、時間の経過と共に該ペーストの粘
性は向上し、負荷電流は上昇し、回転数は下降
し、従つてトルクは上昇する。試料ペーストが
ゲル化に到達した時のトルクは多くの予備実験
の結果、T=0.07〔Kg・m〕の時とし、このト
ルクに到達した時の時間をチエツクし、その時
間をゲル化時間とした。 このゲル化時間は一般通常の無機質バインダ
ーとしては20℃で100分以上、40℃で20分以上
のゲル化時間があることが必要であり、本発明
セメント組成物の硬化剤を求める物性値も同様
である。 また分散性に関しては、粉末試料に水を加
え、撹拌を開始した時に試料全体が均質なペー
スト状となることを分散性良好とし、撹拌開始
時にママコが出来たり、不均質状態になる時は
分散性不良と判断した。もちろん分散性不良の
試料は本発明の硬化剤とはならない。
(特公昭46−40866号および特公昭46−42711号
公報)明細書記載の方法に準拠して調製された
ポリリン酸ケイ素11種類を選んだ。 ここに調製されたポリリン酸ケイ素の
SiO2/P2O5のモル比、ケイ酸分として選んだ
原料およびその原料より混入する他の成分(例
えばAl2O3、CaO、MgO等)の組成等を下記第
4表に併せ表示した。 ポリリン酸ケイ素の代表的調製法の例を参考
例1として下記に記載する。 参考例 1 新潟県中条産酸性白土(乾燥物基準の主成分、
SiO278.7%、Al2O313.1%、Fe2O30.57%、
MgO3.50%、CaO1.13%、灼熱減量3.15%)を選
び、特許(特公昭23−2277号公報)明細書記載の
方法に準拠して、易反応性ケイ酸を製造し原料と
した。即ち、上記酸性白土(水分42.5%)を乾燥
物換算で76.5gに相当する量を500mlのコニカル
ビーカーに採り、約50%濃度の硫酸溶液200mlを
加え、90℃に加温し、10時間酸処理し、次いでデ
カンテーシヨン法にてPH1.0の稀薄硫酸水を用い
て洗浄し、さらに水洗して、反応生成した塩基性
塩を除去し、酸性白土より特殊ケイ酸ゲルである
易反応性ケイ酸(乾燥物基準の主成分SiO292.4
%、Al2O32.68%、Fe2O30.24%、MgO0.13%、
CaO0.13%、灼熱減量3.38%)を回収した。この
易反応性ケイ酸に、市販の工業用リン酸(JIS1級
85.0%H3PO4、比重1.69)を用いて、SiO2/P2O3
のモル比が2.0になるように両者を混合、撹拌し
ながら約0.5mm〜2mm径の顆粒状に造粒し、170℃
〜200℃に乾燥後、回転式キルンを用いて、1度
250〜300℃で約30分間仮焼した後、引き続き約
800℃で約30分間焼成し、次いでハンマー衝撃型
粉砕機にて粉砕し200メツシユ篩にて分級して、
ポリリン酸ケイ素粉末(PS−1)を調製した。 下記する第4表に記載する他のポリリン酸ケイ
素は、上記した参考例1の調製法を基礎として、
ケイ酸分原料やリン酸分原料を他に求めた場合お
よび調製条件の一部(SiO2/P2O5のモル比、焼
成条件等)を変化させて調製したポリリン酸ケイ
素である。なお、原料中にケイ酸以外の他の成分
(例えばAl2O3、CaO、MgO等が1%以上)が含
有されている場合は、それらの塩基性成分に対し
てリン酸分が正塩の型で化合物を生成するとして
の必要なリン酸分を添加し、さらにケイ酸
(SiO2)に対して所定量のモル比で反応する量の
ケイ酸分との合計量を添加して、ポリリン酸ケイ
素の調製を行つた。 なお、ここに調製したポリリン酸ケイ素につい
て、下記に記載する測定方法によつて分散性なら
びにゲル化時間を測定し、その結果を第4表に併
せ表示する。 (A) 分散性ならびにゲル化時間の測定 分散性ならびにゲル化時間の測定装置として
は、本発明者らの出願特許(特願昭56−097558
−特開昭58−2254号)明細書の添付第1図に示
す測定装置を用いた。 所定温度(測定温度、特記しない限り40℃を
標準とする)に保たれたウオーターバス2中に
固定された容器1(内容積約160ml)に粉末試
料30gを採り、次いで水ガラス(JIS3号品
SiO228.9%、Na2O9.63%)100gを加えステン
レス製の備え付け撹拌羽根5を入れ、ユニバー
サルモーター3(定格:入力100V、90W、4
ポール、50Hz、1.0A、3500rpm)を用いて、直
結で撹拌羽根を回転させる、この撹拌羽根は、
あらかじめ、撹拌羽根の付いた空回転の状態
で、電圧(直流)を13.00Vに調整し、モータ
ー上部にある回転調節用ツマミ4で、回転を調
節しつつ、空回転の状態で、備え付回転計を見
ながら、その回転を310rpmの速度に調整する。
その時(無負荷時)の電圧、電流、回転数より
下記式(2)よりトルク(T(Kg・m))を計算する T(Kg・m)=0.9737×V×I/N ……(2) N:回転数(rpm) V:電圧(V) I:電流(A) この結果約0.016〜0.020〔Kg・m〕の範囲と
なる。 測定装置容器1内の粉末試料に水ガラスを加
え、撹拌羽根5を回転させ、全体が均質なペー
ストとなし、時間の経過と共に該ペーストの粘
性は向上し、負荷電流は上昇し、回転数は下降
し、従つてトルクは上昇する。試料ペーストが
ゲル化に到達した時のトルクは多くの予備実験
の結果、T=0.07〔Kg・m〕の時とし、このト
ルクに到達した時の時間をチエツクし、その時
間をゲル化時間とした。 このゲル化時間は一般通常の無機質バインダ
ーとしては20℃で100分以上、40℃で20分以上
のゲル化時間があることが必要であり、本発明
セメント組成物の硬化剤を求める物性値も同様
である。 また分散性に関しては、粉末試料に水を加
え、撹拌を開始した時に試料全体が均質なペー
スト状となることを分散性良好とし、撹拌開始
時にママコが出来たり、不均質状態になる時は
分散性不良と判断した。もちろん分散性不良の
試料は本発明の硬化剤とはならない。
【表】
【表】
A−5 ケイフツ化アルカリ(硬化助剤、成分
(C)) ケイフツ化アルカリとしては、市販工業薬品
のケイフツ化ソーダ(Na2SiF6)(試料番号
NSF)およびケイフツ化カリ(K2SiF6)(試料
番号KSF)の粉末を選んだ。 A−6 無定形ケイ酸バリウム(充填安定化剤、
成分(D)) 無定形ケイ酸バリウムとしては、一般市販の
ものでも良いが、本実施例においては代表的調
製方法として下記参考例2に記載された方法に
より調製した無定形ケイ酸バリウムを選んだ。 参考例 2 ケイ酸源として山形県松根産酸性白土
(SiO271.32、Al2O313.3、CaO0.95、MgO2.91、
Fe2O32.24、IgLoss7.4、乾燥物基準重量%)を選
び、バリウム源として、市販試薬の炭酸バリウム
(BaCO3)を選び、SiO2/BaOのモル比が3.0に
なるように両者を23%の水で調湿混合し、約1〜
10mm径の顆粒状に造粒し、次いで乾燥した後、回
転式キルンを用いて、約750℃にて30分間焼成し、
粉砕後、粒子径が50μ以下になるように分級し、
微細粒子の無定形ケイ酸バリウム(試料番号
BALS−1)を調製した。なおここに調製された
ケイ酸バリウムの粒度分布は、10p以下(50重量
%)、10乃至0p(30重量%)、30乃至60p(20重量
%)又このものの5%水分散PHは11であつた。 A−7 骨 材 骨材としては市販無機薬品粉末ならびに顔
料、耐火物粉末より下記に示す化合物をそれぞ
れ選んだ。
(C)) ケイフツ化アルカリとしては、市販工業薬品
のケイフツ化ソーダ(Na2SiF6)(試料番号
NSF)およびケイフツ化カリ(K2SiF6)(試料
番号KSF)の粉末を選んだ。 A−6 無定形ケイ酸バリウム(充填安定化剤、
成分(D)) 無定形ケイ酸バリウムとしては、一般市販の
ものでも良いが、本実施例においては代表的調
製方法として下記参考例2に記載された方法に
より調製した無定形ケイ酸バリウムを選んだ。 参考例 2 ケイ酸源として山形県松根産酸性白土
(SiO271.32、Al2O313.3、CaO0.95、MgO2.91、
Fe2O32.24、IgLoss7.4、乾燥物基準重量%)を選
び、バリウム源として、市販試薬の炭酸バリウム
(BaCO3)を選び、SiO2/BaOのモル比が3.0に
なるように両者を23%の水で調湿混合し、約1〜
10mm径の顆粒状に造粒し、次いで乾燥した後、回
転式キルンを用いて、約750℃にて30分間焼成し、
粉砕後、粒子径が50μ以下になるように分級し、
微細粒子の無定形ケイ酸バリウム(試料番号
BALS−1)を調製した。なおここに調製された
ケイ酸バリウムの粒度分布は、10p以下(50重量
%)、10乃至0p(30重量%)、30乃至60p(20重量
%)又このものの5%水分散PHは11であつた。 A−7 骨 材 骨材としては市販無機薬品粉末ならびに顔
料、耐火物粉末より下記に示す化合物をそれぞ
れ選んだ。
【表】
B−1 セメント組成物の水性ペーストおよび固
化体 第5表に表示した各配合による水硬性セメン
ト組成物粉体を所定の混水量で撹拌もしくは振
動させ、得られた均質な水性ペースト及びこの
ペーストを円柱状型枠(30φ×15mm)に流し込
み、25℃で関係湿度75%雰囲気下で硬化させ、
得られた固体化について下記B乃至Kの各項目
に記載する測定方法により物性及び効果につい
てそれぞれ測定し、その結果を第6表に表示し
た。 なお、本発明の効果を明確にするため、比較
例を挙げて、その試料番号を“H”シリーズと
して示した。
化体 第5表に表示した各配合による水硬性セメン
ト組成物粉体を所定の混水量で撹拌もしくは振
動させ、得られた均質な水性ペースト及びこの
ペーストを円柱状型枠(30φ×15mm)に流し込
み、25℃で関係湿度75%雰囲気下で硬化させ、
得られた固体化について下記B乃至Kの各項目
に記載する測定方法により物性及び効果につい
てそれぞれ測定し、その結果を第6表に表示し
た。 なお、本発明の効果を明確にするため、比較
例を挙げて、その試料番号を“H”シリーズと
して示した。
【表】
【表】
【表】
【表】
以上の結果、第5表及び第6表から明らかなよ
うに、本発明セメント組成物配合剤の成分(A)のバ
インダー剤、成分(B)の硬化剤、成分(C)の硬化剤及
び成分(D)の充填安定化剤等の配合物が、この粉体
の水性ペースト及びその固化体に及ぼす物性なら
びに効果に対し、相乗的に作用していることが、
よく理解される。特に水性ペーストにおいて経時
的に粘性向上による流動性低下に対し、成分(D)が
成分(B)の硬化剤に対し硬化助剤として粘性向上に
よる流動性(フロー値)の低下を来たさぬように
作用していること、又成分(D)は固化体の耐水強
度、耐透水性、及び機械的強度に対し、成分(A)、
成分(B)、及び成分(C)からなる固体化(比較例1H
−4)と比較すると、いずれにおいても著しい効
果を示していることから、本発明セメント組成物
において、充填安定化剤としての配合剤であるこ
と等がよく理解される。 又本発明のセメント組成物粉体の水性ペースト
は極めて低い混水量でありながら、比較例のセメ
ントに比らべ、流動性に優ぐれていることと共
に、固化時間が比較的に短く、しかもその範囲に
おいて調節できる特徴をもつている。 更らに本発明の固化体がセシユウムイオンの溶
出率が比較例のセメント固化体に比較し著しく低
い、このことは本発明セメント組成物による固化
体はイオン交換能を持ち、従つて溶出イオン種を
固化体内に化学的に固定する機能をもつているこ
とを示す。 (B) フロー値 本発明のセメント組成物粉体を所定量の混水
量(重量%)で均質な水性ペースト(流動体)
とし、各経時毎にその一定量をガラス傾斜板
(傾斜角50゜)上に流し、その1分間の初期流れ
値(cm)を測定し、その値をもつてフロー値
(cm/min)と定義し、その値から水性ペース
トの流動特性を評価した。 (C) 固化時間 水性ペーストは雰囲気の温度及び湿度に対
し、経時的にゲル化しつつ硬化して、硬い固化
体となる。そこで温度25℃、関係湿度75%の条
件で固化体の表面が硬度HOの鉛筆の芯がささ
らなくなる時間を計り、これをもつて固化時間
(hr)と定義し評価した。 (D) 透水性 直径3cm、高さ1.5cmの固化体を静置条件の
絶色着色水中に30日間浸漬させた後、固化体側
面からの着色水の浸透度(mm)を測定し、この
値から透水性を評価した。 (E) 耐水性 Dと同様寸法の固化体を静置水中に浸漬さ
せ、少なくとも60日以上に亘つて、ヒビ割れ、
崩壊及び膨潤等の形状変化が全くない場合をも
つて耐水性ありとして評価した。 (F) 曲げ及び圧縮強度 耐水性の良好な固化体について、JIS−
A1106に準拠して得られた正方形断面の供試体
を用いて、25℃、関係湿度75%の雰囲気に3日
養生した後、27日間20乃至25℃の静置水中に浸
漬させた後、それぞれの供試体について3点曲
げ法で曲げ強度(Kg/cm2)を測定し、次いでそ
の折片でJIS−A1114に準拠して、圧縮強度
(Kg/cm2)をそれぞれ測定し固化体の機械的強
度を評価した。 (G) 耐火性 直径4cm、高さ3cmの固化体を800℃の電気
炉中に、いきなり投入し30分放置後に室温にと
り出し、形状変形及びクラツク発生等の有無し
によつて耐火性を評価した。 (H) 耐湿性 Gと同様寸法の固化体を関係湿度90%以上、
温度45℃の雰囲気中にさらした時のにじみ、変
形及びクラツク発生等の有無しによつて評価し
た。 (I) 落下強度 Gと同様寸法の固化体を10mの高さから落下
させた時の破壊率(重量%)を測定し評価し
た。 (J) セシユウム溶出率 水溶性のセシユウム塩を均質に充填したGと
同様寸法の固化体を静置水中に浸漬させ、固化
体からのセシユウムの溶出率(重量%)を測定
し、この値より固化体のセシユウム封じ込め力
を評価した。 (K) 耐屋外曝露性 耐水性の良好な固化体について、JIS−
A1106に準拠して得られた正方形断面の供試体
を屋外に60日間曝露した後、Fと同様にして、
曲げ強度及び圧縮強度を測定し、その値から耐
屋外曝露性を評価した。 (L) 分散PH 粉末試料の5重量%を分散させた水性分散液
のPH値。 (M) 混水量 ペースト中の添加水の重量%。 実施例 2 実施例1における本発明セメント組成物配合中
の無定形ケイ酸バリウム(充填安定化剤、成分
(D))について、その調製条件としてのSiO2/
BaOモル比、焼成温度、及び粉砕方法を種々変
えて調製した粒度分布及び分散PHの異なる充填安
定化剤が、それぞれのセメント組成物の水性ペー
スト及び固化体に及ぼす物性ならびに効果につい
て説明する。
うに、本発明セメント組成物配合剤の成分(A)のバ
インダー剤、成分(B)の硬化剤、成分(C)の硬化剤及
び成分(D)の充填安定化剤等の配合物が、この粉体
の水性ペースト及びその固化体に及ぼす物性なら
びに効果に対し、相乗的に作用していることが、
よく理解される。特に水性ペーストにおいて経時
的に粘性向上による流動性低下に対し、成分(D)が
成分(B)の硬化剤に対し硬化助剤として粘性向上に
よる流動性(フロー値)の低下を来たさぬように
作用していること、又成分(D)は固化体の耐水強
度、耐透水性、及び機械的強度に対し、成分(A)、
成分(B)、及び成分(C)からなる固体化(比較例1H
−4)と比較すると、いずれにおいても著しい効
果を示していることから、本発明セメント組成物
において、充填安定化剤としての配合剤であるこ
と等がよく理解される。 又本発明のセメント組成物粉体の水性ペースト
は極めて低い混水量でありながら、比較例のセメ
ントに比らべ、流動性に優ぐれていることと共
に、固化時間が比較的に短く、しかもその範囲に
おいて調節できる特徴をもつている。 更らに本発明の固化体がセシユウムイオンの溶
出率が比較例のセメント固化体に比較し著しく低
い、このことは本発明セメント組成物による固化
体はイオン交換能を持ち、従つて溶出イオン種を
固化体内に化学的に固定する機能をもつているこ
とを示す。 (B) フロー値 本発明のセメント組成物粉体を所定量の混水
量(重量%)で均質な水性ペースト(流動体)
とし、各経時毎にその一定量をガラス傾斜板
(傾斜角50゜)上に流し、その1分間の初期流れ
値(cm)を測定し、その値をもつてフロー値
(cm/min)と定義し、その値から水性ペース
トの流動特性を評価した。 (C) 固化時間 水性ペーストは雰囲気の温度及び湿度に対
し、経時的にゲル化しつつ硬化して、硬い固化
体となる。そこで温度25℃、関係湿度75%の条
件で固化体の表面が硬度HOの鉛筆の芯がささ
らなくなる時間を計り、これをもつて固化時間
(hr)と定義し評価した。 (D) 透水性 直径3cm、高さ1.5cmの固化体を静置条件の
絶色着色水中に30日間浸漬させた後、固化体側
面からの着色水の浸透度(mm)を測定し、この
値から透水性を評価した。 (E) 耐水性 Dと同様寸法の固化体を静置水中に浸漬さ
せ、少なくとも60日以上に亘つて、ヒビ割れ、
崩壊及び膨潤等の形状変化が全くない場合をも
つて耐水性ありとして評価した。 (F) 曲げ及び圧縮強度 耐水性の良好な固化体について、JIS−
A1106に準拠して得られた正方形断面の供試体
を用いて、25℃、関係湿度75%の雰囲気に3日
養生した後、27日間20乃至25℃の静置水中に浸
漬させた後、それぞれの供試体について3点曲
げ法で曲げ強度(Kg/cm2)を測定し、次いでそ
の折片でJIS−A1114に準拠して、圧縮強度
(Kg/cm2)をそれぞれ測定し固化体の機械的強
度を評価した。 (G) 耐火性 直径4cm、高さ3cmの固化体を800℃の電気
炉中に、いきなり投入し30分放置後に室温にと
り出し、形状変形及びクラツク発生等の有無し
によつて耐火性を評価した。 (H) 耐湿性 Gと同様寸法の固化体を関係湿度90%以上、
温度45℃の雰囲気中にさらした時のにじみ、変
形及びクラツク発生等の有無しによつて評価し
た。 (I) 落下強度 Gと同様寸法の固化体を10mの高さから落下
させた時の破壊率(重量%)を測定し評価し
た。 (J) セシユウム溶出率 水溶性のセシユウム塩を均質に充填したGと
同様寸法の固化体を静置水中に浸漬させ、固化
体からのセシユウムの溶出率(重量%)を測定
し、この値より固化体のセシユウム封じ込め力
を評価した。 (K) 耐屋外曝露性 耐水性の良好な固化体について、JIS−
A1106に準拠して得られた正方形断面の供試体
を屋外に60日間曝露した後、Fと同様にして、
曲げ強度及び圧縮強度を測定し、その値から耐
屋外曝露性を評価した。 (L) 分散PH 粉末試料の5重量%を分散させた水性分散液
のPH値。 (M) 混水量 ペースト中の添加水の重量%。 実施例 2 実施例1における本発明セメント組成物配合中
の無定形ケイ酸バリウム(充填安定化剤、成分
(D))について、その調製条件としてのSiO2/
BaOモル比、焼成温度、及び粉砕方法を種々変
えて調製した粒度分布及び分散PHの異なる充填安
定化剤が、それぞれのセメント組成物の水性ペー
スト及び固化体に及ぼす物性ならびに効果につい
て説明する。
【表】
セメント成分として、ケイ酸ソーダ(原料番号
BSS−1)100g、ポリリン酸ケイ素(PS−1)
30g、硬化助剤(NSF)60gに対し、充填安定
化剤として表7に記載したBALS−2乃至BALS
−14の13種類について、それぞれ28gを用いて調
製したセメント組成粉体について、混水量25%で
均質な水性ペーストとなし、特に充填安定化剤の
分散性を評価した後、このペーストについて実施
例1と同様にしてフロー値を測定し、次いで同様
の型枠に流し込み温度25℃、関係湿度75%の雰囲
条件下で3日間放置させて得た固化体について、
透水度及び圧縮強度を測定しまとめて第7表に記
した。 なお第7表の試料番号2−11に用いたBALS−
12はBALS−9を湿式ポツトミルにて微粉砕した
ものである。又充填安定化剤の水性ペースト中で
の分散性の評価を◎(最良)、〇(良)、△(不
良)の3段階とした。又第7表に記した圧縮強度
は水浸漬前の常態強度値である。 以上の結果から、本発明のセメント組成物の配
合剤における充填安定化剤(BALS)は、その製
造条件によつてもたらされる粒度分布及び分散PH
値によつて、実施例1で説明した配合剤中での相
乗的な充填安定化剤作用を云うまでもなくそのペ
ースト中での分散性、流動特性としてのフロー値
及び固化体の特に耐透水性に著しく影響をおよぼ
していることがよく理解され、特にBALSの製造
条件としての焼成温度は好ましくは700乃至800℃
であることが理解される。又粒度分布も原料番号
BALS−11及び12以外に見られる如く、比較的に
粒度幅の大きな粉体であることが特に耐透水性に
好ましいことが理解される。 実施例 3 本発明水硬性セメント組成物の応用例について
説明する。 3−1:接着効果 実施例1の第5表に記載した試料番号1−1の
粉体を混水量20%と25%でそれぞれ均質な水性ペ
ーストにした後下記に示す方法により接着効果を
見、その結果をまとめて第8表に記した。なお効
果の差を明確にするため試料番号1H−5の粉体
の混水量20%ペーストを比較例とした。 接着力の試験は、JIS K6852の方法に準じ、ま
ず鋼板と厚さ0.5cmのアスベスト板をそれぞれ30
cm×25cmの長方形試験板に切断し、鋼板の接着面
に当る部分は240番の研摩紙を用いて、金属光沢
が出るまで磨き上げ、次いでトリクロルエチレン
で表面をきれいに洗つて乾燥する。 次いで上記ペーストを、長方形アスベスト試験
板上25cm×25cmの面積上に約2mm厚に塗布し、そ
の上に長方形鋼板の試験片を、そのアスベスト板
の25cm×25cmの面積と対応接着させ、接着されて
いない試験片部分(5cm×25cm)が相互に反対一
直線上に耳状にそれぞれ出るようにし、上記ペー
ストが接着面積よりハミ出さないように接着し、
1つの試料ペーストに付き6枚の試験片を作り、
圧縮強度試験を行つた。この場合下記3つの条件
で行つた。 、温度25℃、関係湿度75%に1日間放置後、
そのままの状態で強度を測定した場合を常態強
度、、上記にて調製した試験片を温度45℃、
関係湿度100%に1日間放置後、同様に測定した
場合を耐湿強度、、上記にて調製した試験片
を水中(25℃)に3日間浸漬させた後、取り出し
て特に乾燥することなしに、水が付着した状態で
強度を測定した場合を耐水強度とした。強度の試
験測定法は圧縮破壊強度試験機を用いて、接着試
験片の両側の耳の部分を立てて、そこに圧力を与
え、接着面もしくはアスベスト板が破壊するまで
圧縮し、その破壊されるまで試験片に加えられる
加重(Kg/cm2)を求め、その強度から各状態の接
着強度を求めた。
BSS−1)100g、ポリリン酸ケイ素(PS−1)
30g、硬化助剤(NSF)60gに対し、充填安定
化剤として表7に記載したBALS−2乃至BALS
−14の13種類について、それぞれ28gを用いて調
製したセメント組成粉体について、混水量25%で
均質な水性ペーストとなし、特に充填安定化剤の
分散性を評価した後、このペーストについて実施
例1と同様にしてフロー値を測定し、次いで同様
の型枠に流し込み温度25℃、関係湿度75%の雰囲
条件下で3日間放置させて得た固化体について、
透水度及び圧縮強度を測定しまとめて第7表に記
した。 なお第7表の試料番号2−11に用いたBALS−
12はBALS−9を湿式ポツトミルにて微粉砕した
ものである。又充填安定化剤の水性ペースト中で
の分散性の評価を◎(最良)、〇(良)、△(不
良)の3段階とした。又第7表に記した圧縮強度
は水浸漬前の常態強度値である。 以上の結果から、本発明のセメント組成物の配
合剤における充填安定化剤(BALS)は、その製
造条件によつてもたらされる粒度分布及び分散PH
値によつて、実施例1で説明した配合剤中での相
乗的な充填安定化剤作用を云うまでもなくそのペ
ースト中での分散性、流動特性としてのフロー値
及び固化体の特に耐透水性に著しく影響をおよぼ
していることがよく理解され、特にBALSの製造
条件としての焼成温度は好ましくは700乃至800℃
であることが理解される。又粒度分布も原料番号
BALS−11及び12以外に見られる如く、比較的に
粒度幅の大きな粉体であることが特に耐透水性に
好ましいことが理解される。 実施例 3 本発明水硬性セメント組成物の応用例について
説明する。 3−1:接着効果 実施例1の第5表に記載した試料番号1−1の
粉体を混水量20%と25%でそれぞれ均質な水性ペ
ーストにした後下記に示す方法により接着効果を
見、その結果をまとめて第8表に記した。なお効
果の差を明確にするため試料番号1H−5の粉体
の混水量20%ペーストを比較例とした。 接着力の試験は、JIS K6852の方法に準じ、ま
ず鋼板と厚さ0.5cmのアスベスト板をそれぞれ30
cm×25cmの長方形試験板に切断し、鋼板の接着面
に当る部分は240番の研摩紙を用いて、金属光沢
が出るまで磨き上げ、次いでトリクロルエチレン
で表面をきれいに洗つて乾燥する。 次いで上記ペーストを、長方形アスベスト試験
板上25cm×25cmの面積上に約2mm厚に塗布し、そ
の上に長方形鋼板の試験片を、そのアスベスト板
の25cm×25cmの面積と対応接着させ、接着されて
いない試験片部分(5cm×25cm)が相互に反対一
直線上に耳状にそれぞれ出るようにし、上記ペー
ストが接着面積よりハミ出さないように接着し、
1つの試料ペーストに付き6枚の試験片を作り、
圧縮強度試験を行つた。この場合下記3つの条件
で行つた。 、温度25℃、関係湿度75%に1日間放置後、
そのままの状態で強度を測定した場合を常態強
度、、上記にて調製した試験片を温度45℃、
関係湿度100%に1日間放置後、同様に測定した
場合を耐湿強度、、上記にて調製した試験片
を水中(25℃)に3日間浸漬させた後、取り出し
て特に乾燥することなしに、水が付着した状態で
強度を測定した場合を耐水強度とした。強度の試
験測定法は圧縮破壊強度試験機を用いて、接着試
験片の両側の耳の部分を立てて、そこに圧力を与
え、接着面もしくはアスベスト板が破壊するまで
圧縮し、その破壊されるまで試験片に加えられる
加重(Kg/cm2)を求め、その強度から各状態の接
着強度を求めた。
【表】
以上の結果、本発明水硬性セメント組成物の水
性ペーストは接着効果に優れていることから無機
質の接着剤、穴うめ剤、目地剤及びセメンテイン
グ剤等に利用されることが理解される。 3−2:ペレツト状放射性廃棄物の固化 原子力発電所などから発生する放射性廃棄物は
従来ドラム缶などの容器内でセメントやアスフア
ルトと均質混合固化させた後、保管されている
が、従来の方法では容器内に充填できる放射性廃
棄物の量が少なく、貯蔵体の個数が増大するた
め、この減容比の改善が求められている。 この貯蔵体の貯蔵容量を減少させることを目的
に、放射性廃棄物の乾燥粉体を前もつて加圧成形
にて、35×25×13mmのココナツ形ペレツト状固形
物に圧縮成形した後、容器内にアスフアルトで固
化させる特許(特開昭52−85699、特開昭52−
85700)が出願されている。 そこで上記特許に準拠したペレツト状固形物30
個を充填した容器内に本発明セメント組成物粉体
の水性ペーストを流し込み、温度25℃、関係湿度
75%の条件で完全に固化させた後、容器から取り
外して得た固化体(外径80×高さ120mm)の性状
について第9表に示し、説明する。 なお従来の固化剤との差を明確にするためセメ
ントを用いた固化体を比較例とした。
性ペーストは接着効果に優れていることから無機
質の接着剤、穴うめ剤、目地剤及びセメンテイン
グ剤等に利用されることが理解される。 3−2:ペレツト状放射性廃棄物の固化 原子力発電所などから発生する放射性廃棄物は
従来ドラム缶などの容器内でセメントやアスフア
ルトと均質混合固化させた後、保管されている
が、従来の方法では容器内に充填できる放射性廃
棄物の量が少なく、貯蔵体の個数が増大するた
め、この減容比の改善が求められている。 この貯蔵体の貯蔵容量を減少させることを目的
に、放射性廃棄物の乾燥粉体を前もつて加圧成形
にて、35×25×13mmのココナツ形ペレツト状固形
物に圧縮成形した後、容器内にアスフアルトで固
化させる特許(特開昭52−85699、特開昭52−
85700)が出願されている。 そこで上記特許に準拠したペレツト状固形物30
個を充填した容器内に本発明セメント組成物粉体
の水性ペーストを流し込み、温度25℃、関係湿度
75%の条件で完全に固化させた後、容器から取り
外して得た固化体(外径80×高さ120mm)の性状
について第9表に示し、説明する。 なお従来の固化剤との差を明確にするためセメ
ントを用いた固化体を比較例とした。
【表】
【表】
以上の結果から明らかなように、本発明による
セメント組成物粉体は従来の固化剤のセメントに
比して、極めて低い混水量でも容器内に細密充填
されたペレツト間隙に流し込めるほど流動性に優
ぐれた水性ペーストであることが判明した。その
結果、固化体には低混水量分に相当する緻密性が
付与され耐水性、強度等に著しい効果を及ぼして
いるものと理解され、更に低混水量で流し込める
ことは上記目的において減容比に優利である。 一方比較例のセメントにおいて、3H−2は流
動性不足からペレツト間隙に流し込むことができ
ず、又3H−3及び3H−4は流し込みは可能であ
るが、本発明のセメント組成物の如く均質な粘性
ペーストにならず、離漿し、しかも第6表に表示
されている如く、固化に長時間を要すため、水和
固化するまでに、芒硝を主成分とするペレツトは
湿潤及び溶解し、セメントが固化すると共に芒硝
の結晶化による体積膨張によつて、固化体組織は
完全に崩壊してしまつた。 以上のことから放射性廃棄物に限ぎらず、各種
の産業廃棄のセメンテイング処理に有効であるこ
とが良く理解される。
セメント組成物粉体は従来の固化剤のセメントに
比して、極めて低い混水量でも容器内に細密充填
されたペレツト間隙に流し込めるほど流動性に優
ぐれた水性ペーストであることが判明した。その
結果、固化体には低混水量分に相当する緻密性が
付与され耐水性、強度等に著しい効果を及ぼして
いるものと理解され、更に低混水量で流し込める
ことは上記目的において減容比に優利である。 一方比較例のセメントにおいて、3H−2は流
動性不足からペレツト間隙に流し込むことができ
ず、又3H−3及び3H−4は流し込みは可能であ
るが、本発明のセメント組成物の如く均質な粘性
ペーストにならず、離漿し、しかも第6表に表示
されている如く、固化に長時間を要すため、水和
固化するまでに、芒硝を主成分とするペレツトは
湿潤及び溶解し、セメントが固化すると共に芒硝
の結晶化による体積膨張によつて、固化体組織は
完全に崩壊してしまつた。 以上のことから放射性廃棄物に限ぎらず、各種
の産業廃棄のセメンテイング処理に有効であるこ
とが良く理解される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A)水溶性ホウケイ酸アルカリまたは水溶性ケ
イ酸アルカリとアルカリ水溶液に可溶なホウ酸ア
ルカリとの組合せ、(B)ポリリン酸ケイ素、(C)ケイ
フツ化アルカリ及び(D)BaO:SiO2のモル比が
1:2.5乃至1:6の範囲にある実質上無定形の
ケイ酸バリウムを含有して成ることを特徴とする
水硬性セメント組成物。 2 固形分を基準として前記成分(A)100重量部当
り、成分(B)を7乃至75重量部、成分(C)を10乃至60
重量部及び成分(D)を10乃至80重量部の量で含有す
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
組成物。 3 前記ケイ酸バリウムは5重量%水性懸濁液と
して測定して9乃至13のサスペンジヨンPHと、粒
径10μ以下のものが全体の10乃至50重量%及び粒
径20μ以上のものが全体の50乃至90重量%となる
粒度分布とを有するものである特許請求の範囲第
1項または第2項記載の組成物。 4 前記組成物は15乃至30重量%の混水量を有す
る特許請求の範囲第1項または第2項記載の組成
物。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57032277A JPS58151356A (ja) | 1982-03-03 | 1982-03-03 | 水硬性セメント組成物 |
| US06/470,550 US4452635A (en) | 1982-03-03 | 1983-02-28 | Hydraulic cement composition |
| DE8383301122T DE3363870D1 (en) | 1982-03-03 | 1983-03-02 | Hydraulic cement composition |
| EP83301122A EP0088587B1 (en) | 1982-03-03 | 1983-03-02 | Hydraulic cement composition |
| CA000422667A CA1199342A (en) | 1982-03-03 | 1983-03-02 | Hydraulic cement composition |
| KR1019830000891A KR890001402B1 (ko) | 1982-03-03 | 1983-03-03 | 수경성 시멘트 조성물 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57032277A JPS58151356A (ja) | 1982-03-03 | 1982-03-03 | 水硬性セメント組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58151356A JPS58151356A (ja) | 1983-09-08 |
| JPH0153230B2 true JPH0153230B2 (ja) | 1989-11-13 |
Family
ID=12354479
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57032277A Granted JPS58151356A (ja) | 1982-03-03 | 1982-03-03 | 水硬性セメント組成物 |
Country Status (6)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4452635A (ja) |
| EP (1) | EP0088587B1 (ja) |
| JP (1) | JPS58151356A (ja) |
| KR (1) | KR890001402B1 (ja) |
| CA (1) | CA1199342A (ja) |
| DE (1) | DE3363870D1 (ja) |
Families Citing this family (74)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58155398A (ja) * | 1982-03-12 | 1983-09-16 | 株式会社日立製作所 | 放射性廃棄物の固化方法 |
| WO1984004624A1 (fr) * | 1983-05-18 | 1984-11-22 | Hitachi Ltd | Procede de solidification de dechets radioactifs |
| US4664895A (en) * | 1984-07-10 | 1987-05-12 | Westinghouse Electric Corp. | High concentration boric acid solidification process |
| FR2568244B1 (fr) * | 1984-07-26 | 1992-01-10 | Soletanche | Coulis special d'etancheite et son utilisation pour le stockage de dechets contenant des cations metalliques |
| JPS6177687A (ja) * | 1984-09-22 | 1986-04-21 | エスケ−化研株式会社 | 耐火性能の優れた組成物 |
| JPS6256345A (ja) * | 1985-09-02 | 1987-03-12 | ダイソー株式会社 | ナトム工法用のセメント急結剤 |
| JPS6256343A (ja) * | 1985-09-02 | 1987-03-12 | ダイソー株式会社 | ナトム工法用のセメント急結剤 |
| US5725626A (en) * | 1986-06-18 | 1998-03-10 | Canon Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing an optical element by bonding a plurality of elements |
| JPH0727070B2 (ja) * | 1986-08-13 | 1995-03-29 | 株式会社日立製作所 | 放射性廃棄物の処理方法 |
| JPH066177B2 (ja) * | 1987-01-13 | 1994-01-26 | 大豊産業株式会社 | 産業廃棄物を利用した液状有機ハロゲン化物の固定化処理剤、同固定化処理方法及び同燃焼処理方法 |
| US4806331A (en) * | 1987-01-30 | 1989-02-21 | Chemical Products Corporation | Process of sintering alkaline earth metal carbonates |
| USH660H (en) | 1987-10-01 | 1989-08-01 | The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy | Method and composition for immobilization of waste in cement-based materials |
| FR2624301B1 (fr) * | 1987-12-02 | 1990-03-30 | Commissariat Energie Atomique | Dispositif de conditionnement des dechets radioactifs ou toxiques contenant des ions borate, et son procede de fabrication |
| US5284712A (en) * | 1987-12-26 | 1994-02-08 | Kazuyuki Kawai | Cement-containing ceramic articles and method for production thereof |
| WO1990002105A1 (en) * | 1988-08-16 | 1990-03-08 | Cemcom Corporation | Chemically bonded ceramic materials and use in forming of metals and glass |
| US5527982A (en) * | 1990-03-16 | 1996-06-18 | Sevenson Environmental Services, Inc. | Fixation and stabilization of metals in contaminated materials |
| US5169566A (en) * | 1990-05-18 | 1992-12-08 | E. Khashoggi Industries | Engineered cementitious contaminant barriers and their method of manufacture |
| US5100586A (en) * | 1990-07-20 | 1992-03-31 | E. Khashoggi Industries | Cementitious hazardous waste containers and their method of manufacture |
| JP3002525B2 (ja) * | 1990-11-28 | 2000-01-24 | 株式会社日立製作所 | 放射性廃棄物の固化体及び放射性廃棄物の処理方法 |
| JP2674903B2 (ja) * | 1991-06-28 | 1997-11-12 | 三井鉱山 株式会社 | 炭素繊維強化セメント系材料の製造方法 |
| CA2095931C (en) * | 1991-09-11 | 1999-05-25 | Gnb Technologies Inc. | Process for fixing lead-contaminated ecologically hazardous industrial waste materials using clinoptilolite zeolite |
| US5281271A (en) * | 1992-10-05 | 1994-01-25 | Hitek Fine Chemicals Pvt. Ltd. | Cement based paint and finishing composition |
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