JPH0153848B2 - - Google Patents
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- JPH0153848B2 JPH0153848B2 JP7554586A JP7554586A JPH0153848B2 JP H0153848 B2 JPH0153848 B2 JP H0153848B2 JP 7554586 A JP7554586 A JP 7554586A JP 7554586 A JP7554586 A JP 7554586A JP H0153848 B2 JPH0153848 B2 JP H0153848B2
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- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は免疫賦活作用を有する新規化合物の用
途に関するものである。 本発明者は一般式 で表わされる化合物および薬理上許容し得る塩、
ならびに化合物の水加物またはその塩を製造する
ことに成功した。式中、Rは水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基などの直鎖もしくは分
岐の低級アルキル基を表わす。更に、これらの化
合物について医薬としての有用性を検討した結
果、本物質が免疫賦活作用を有することを見出す
に至つた。 即ち、本発明は、一般式 (式中Rは水素原子または直鎖もしくは分枝の低
級アルキル基を示す)で表わされる化合物および
その薬理上許容し得る塩ならびに該化合物の水加
物またはその塩を有効成分とする免疫賦活剤及び
免疫制ガン剤に関する。 式()に含まれる本発明の代表的化合物は、
たとえば3−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチ
ル)安息香酸、3−ヒドロキシ−4−(ヒドロシ
キメチル)安息香酸メチルエステル、3−ヒドロ
キシ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸エチル
エステルおよびこれらの薬理上許容し得る塩なら
びに該化合物の水加物またはその塩である。 次に本発明化合物の製造方法について述べる。 本発明化合物は一般式 (式中R1は直鎖もしくは分枝の低級アルキル基、
R2は水素原子、または直鎖もしくは分枝の低級
アルキル基を示す)で表わされる化合物におい
て、水酸基に隣接したカルボン酸エステルを選択
的にヒドロキシメチル基へ還元することによつて
得られる。この原料化合物()の代表例として
は、ヒドロキシテレフタル酸ジメチルエステル、
ヒドロキシテレフタル酸ジエチルエステルが挙げ
られる。 式()の化合物は、原料化合物()を適切
な反応条件下、水素化ホウ素ナトリウム、ナトリ
ウム・ジヒドロビス−(2−メトキシエトキシ)
アルミネートのような錯金属水素化物を用いて還
元反応することにより得られる。 この反応の代表的な例としては、たとえば還元
剤として水素化ホウ素ナトリウムを使用する場
合、溶媒としてメタノール、エタノールなどの低
級アルカノールを用い、室温ないし加熱下に反応
することにより製造される。 また、還元剤としてナトリウム・ジヒドロビス
−(2−メトキシエトキシ)アルミネートを使用
する場合、溶媒としてベンゼン、トルエンなどの
反応に悪影響を与えない有機溶剤を用い、氷冷下
ないし室温で反応することにより製造される。 式()においてRが水素原子を表わす特許請
求の範囲第一項記載の化合物、すなわち3−ヒド
ロキシ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸は、
式()においてR1が直鎖もしくは分枝の低級
アルキル基で、R2が水素原子である化合物を原
料化合物として用いた場合には、錯金属水素化物
を適切な条件下で反応させることにより得られる
が、さらに式()においてR1、R2が共に直鎖
もしくは分枝の低級アルキル基である化合物を原
料化合物として用いた場合には、まず錯金属水素
化物を適切な条件下で反応させて選択的に水素基
に隣接するエステルをヒドロキシメチル基へ還元
したのち、残りのエステルをカルボン酸へ加水分
解することによつても得られる。この加水分解反
応は公知の通常使用される方法はすべて使い得る
が、好ましくはメタノールのような水と混合し得
る有機溶剤と水との混合溶媒中、水酸化ナトリウ
ム、水酸化バリウムのようなアルカリ金属あるい
はアルカリ土類金属の水酸化物を用い、室温ない
しは加温下に行なわれる。 一般式 (式中Rは直鎖もしくは分枝の低級アルキル基を
示す)で表わされる化合物は、原料化合物として
一般式 (式中R1、R2は共に直鎖もしくは分枝の低級ア
ルキル基を示す)で表わされる化合物を用いた場
合、水酸基に隣接するエステルを選択的に還元す
ることにより製造されることは前記に記載したと
のりであるが、さらに原料化合物として次式 で表わされる化合物を用いた場合、カルボン酸を
エステル化することによつても製造される。即
ち、次式 で表わされる化合物のカルボン酸をエステル化す
ることにより、一般式 (式中Rは直鎖もしくは分枝の低級アルキル基を
示す)で表わされる化合物を製造することができ
る。このエステル化は公知の通常使用される方法
はすべて使い得る。 本発明の化合物()は免疫賦活作用を有する
が、その詳細をRが水素原子をあらわす化合物
(BF−127)を代表例にとり、述べる。 (1) 細飽性免疫に対する作用 細胞性免疫に対するBF−127物質の作用を羊
赤血球の抗原として、これをマウス足蹠に接種
して免疫を施して得られる遅延性過敏症
(Delayed−type hypersensitivity DTHと略
記する)を指標として、その効果を検討した。
DTH反応はLagrangeら(P.H.Lagrange、G.
B.Mackaness and T.E.Miller:J.Exp.Med.
139 1529〜1539,1974)の方法に準じて行な
つた。羊赤血球108個を0.05mlの生理食塩水に
浮遊させ、ICR雌性、6週令マウスの一方の足
蹠皮下に接種して免疫を施し、BF−127物質の
各量を0.25mlの生理食塩水に溶解し、腹腔内注
射した。4日後、他の一方の足蹠に108個の羊
赤血球を皮下注射してDTH反応を誘起し、24
時間後、その足蹠にみられる腫脹の程度(足腫
の厚さ)をノギスで測定し、効果を判定した
(表1)。 【表】 無投与マウスの足蹠の厚さ
表1に示すように、1mg〜0.1μg/マウスの
BF−127物質の投与は、DTH反応の程度が対
照に比して58%〜134%増強された。 このような増強作用は本物質の経口投与、お
よび静脈、皮下注射でもみられ、経口投与の例
を以下に示す。 ICR、雌性、6週令のマウスに前述の如く羊
赤血球で免疫を施し、1mg、100μg、および
10μgのBF−127物質を各々0.25mlの生理食塩
水に溶解し、免疫と同時に経口投与して、その
効果を検討した(第2)。 【表】 無投与マウスの足蹠の厚さ
その結果、表2に示す如くBF−127物質の経
口投与はいずれの量でもDTH反応を30〜50%
増強した。BF−127物質の細胞性免疫増強作用
は、他系統の週令は異なるマウスでもみられ
た。 CDF1(DBA/2×BALB/CF1)雄性、9
週令マウスを用い、前述の如く免疫を施し、
BF−127物質の各を腹腔内注射、または経口投
与してその結果をみた(表3)。 【表】 無処理マウスの足蹠の厚さ
その結果は表3に示すように、腹腔内注射お
よび経口投与のいずれにおいてもその増強がみ
られた。 以上のようにBF−127物質が細胞性免疫増強
に作用することを明らかにしたが、このことは
癌の免疫化学療法に用い得ることを示唆してい
る。以下、BF−127物質の動物多植腫瘍に対す
る効果を検討した。 (2) 動物多植腫瘍に対する作用 (イ) Gardner lymphomaに対する効果 雌性、10週令のC3H/Heマウスに週1回、
移植継代されているGardner lymphoma細
胞105個を、1群5匹の同系マウス鼠踰部皮
下に移植し、7日後から1日1回、5日間、
BF−127物質を10μg/マウス、1μg/マウ
ス、および0.1μg/マウス腹腔内注射し、腫
瘍を摘出してその重量を測定し、効果を判定
した(表4)。 【表】 その結果、BF−127物質10μg/マウスの
投与は対照に比し腫瘍増殖を抑制し、その阻
止率は56.5%であつた。 (ロ) IMC Carcinomaに対する作用 IMC CarcinomaはCDF1マウスに自然発
生した腹水型腫瘍を微生物化学研究所におい
て同系マウスに移植継代している腫瘍で、本
腫瘍は上皮性未分化腫瘍であることが病理学
的検索によつて明らかにされている。IMC
腫瘍細胞5×106個を1群5匹のCDF1マウス
鼠蹊部皮下に移植し、8日後よりBF−127の
100μg〜1μg/マウスを1日1回、5日間
投与し、移植後30日目に腫瘍を摘出し、その
結果を検討した。同時に制癌物質マイトマイ
シンc20μg/マウス、およびブレオマイシ
ン100μg/マウスを対照として用いた(表
5−A)。表5−Aに示すようにBF−127物
質の10μg〜1μg/マウスの投与は、制癌物
質ブレオマイシンおよびマイトマイシンCと
同様の抑制効果を示した。また1×106個の
細胞を移植し、同様にBF−127物質を10μg
〜1μg/マウスを腹腔内注射または経口投
与してその効果をみた(表5−B)。表5−
Bに示すように腹腔内注射および経口投与と
もに更に優れた抑制効果を示した。 【表】 【表】 BF−127物質は細胞毒性のない物質である
から本物質の各種腫瘍に対する抑制効果は宿
主を仲介している反応によるものと考えられ
る。以上の実施例からBF−127物質は担癌生
体の免疫不全、癌の免疫および化学療法、転
移の阻止に有用であることは明らかである。 更に免疫不全が原因と考えられる疾病、例
えばリウマトイド、多発性硬化症、膠原病、
全身性紅斑性狼瘡などに用いることができ
る。 また、本発明の一般式()の化合物は低
毒性の化合物であり、その代表化合物とし
て、例えばBF−127を6週齢のマウスに経口
投与したときのLD50は1.0g/Kg以上である。
従つて、本発明化合物は、免疫賦活剤として
使用することができる。 本発明の化合物()を主成分とする免疫
賦活剤は、化合物()またはその薬理上許
容し得る塩、またはその化合物の水加物、ま
たは水加物の塩のいずれかを含有するもので
あつてもよい。 投与形態は経口、注射、直脹坐剤のいずれ
でもよく、注射剤を調製する場合は、上記主
薬にPH調整剤、緩衝剤、安定化剤、賦形剤な
どを添加してもよく、さらに常法により凍結
乾燥を行ない、凍結乾燥注射剤を作ることが
でき、また主薬にPH調整剤、緩衝剤、安定化
剤、等張剤、局麻剤等を添加し、常法により
皮下、筋肉内、静脈内用注射剤を作ることも
できる。 経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に
賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊
剤、滑択剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤などを
加えたのち、常法により錠剤、被覆錠剤、顆
粒剤、散剤、カプセル剤等を作ることができ
る。 経口用液体製剤を調製する場合は、主薬に
矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加え
て、常法によりシロツプ剤を作ることができ
る。 直脹坐薬を調製する場合には、主薬に賦形
剤、さらに必要に応じて界面活性剤を加えた
のち、常法により坐薬とすることができる。 化合物()の投与量は症状により異なる
が、通常、成人に対する1回投与量は、化合
物()として0.02mg〜200mgで、1日1回、
あるいは症状により1日1回以上投与するの
がよい。 次に本発明の化合物の製造例並びに調剤例を実
施例について説明するが、これに限定されるもの
でない。 実施例 1 本発明の化合物()10gを蒸溜水に溶解して
1000mlとし、常法により除菌したのち、2mlずつ
バイアルに分注し、凍結乾燥した。 本剤は使用に際し、蒸溜水で希釈し、注射液と
する。 実施例 2 本発明の化合物()1部、乳糖200部、コー
ンスターチ50部を混合し、常法によりエタノール
で造粒乾燥整粒し、これに0.5%のステアリン酸
マグネシウムを加え、混合後、常法により1錠
3.6mgの錠剤とする。 実施例 3 本発明の化合物()1部、乳糖900部をよく
混合し、これを50メツシユの篩で篩別し、散剤と
する。 参考例 1 ヒドロキシテレフタル酸ジメチルエステル580
mgを無水メタノール30mlに溶解し、水素化ホウ素
ナトリウム2.5gをゆつくり添加した。添加終了
後、室温で1時間撹伴したのち、氷冷下、6規定
塩酸を用いてPH1.95に調節した。ブタノールで抽
出し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフイー(ベンゼン−酢酸エチ
ル=9:1〜4:1)にて精製し、3−ヒドロキ
シ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸メチルエ
ステル418mgを得た。収率83%。ベンゼン−メタ
ノール、エチルエーテルから結晶化して、無色結
晶320mgを得た。 融点 104.5〜105℃ 赤外線吸収スペクトル γKBr nax(cm-1):3430、3200、2920、1708、1695、
1612、1590、1517、1440、1420、1370、
1360、1310、1295、1280、1255、1235、
1220、1190、1178、1110、1095、1030、978、
950、923、880、872、840、805、790、756 核磁気共鳴収スペクトル (60MHz、重メタノール溶液) δTMS ppn:3.88(3H.S)、4.72(2H.S)、7.3〜7.7(
3H) 参考例 2 3−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)安
息香酸メチルエステル316mgをメタノール1mlに
溶解し、1規定苛性ソーダ5mlを加え、室温で
1.5時間ケン化反応を行なつた。 反応後、水で希釈し、1規定塩酸5mlを加え
て、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを減圧
下、留去して−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメ
チル)安息香酸272mgを得た。収率93%。ベンゼ
ン−エタノール混液より結晶化を行ない、無色結
晶154mgを得た。 融点 173.5〜174.5℃(分解) 赤外線吸収スペクトル υKBr nax(cm-1):3390、3080、2960、2880、2800、
2700、〜2150、1660、1615、1588、1520、
1425、1395、1365、1303、1248、1195、
1125、1098、1033、982、940、888、850、
793、770、760、 核磁気共鳴吸収スペクトル (60MHz)、重ジオキサン+重水) δTMS ppn:4.68(2H.S)、7.35〜7.6(3H) 参考例 3 ヒドロキシテレフタル酸ジエチルエステルを原
料化合物とし、実施例1と同様な方法により3−
ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸
エチルエステルを得た。 融点92〜94℃ 元素分析 実験値 C:61.14、H:6.24 理論値(C10H12O4として)C:61.21、H:
6.17 紫外部吸収スペクトル λEtoll nax(nm)::213(ε25000)、245(ε10000
)、300
(ε3500) 赤外線吸収スペクトル νKBr nax(cm-1):3430、3140、1675、1585、1420、
1290、1235、1090、1035、1010、985、945、
890、825、765 核磁気共鳴吸収スペクトル (60MHz、重ジメチルスルフオキサイド) δTMS nax:1.30(3H.t)、4.26(2H.q)、4.55(2H.s
)、
5.10(1H.s)、7.44(3H.s)、9.70(1H.s)
途に関するものである。 本発明者は一般式 で表わされる化合物および薬理上許容し得る塩、
ならびに化合物の水加物またはその塩を製造する
ことに成功した。式中、Rは水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基などの直鎖もしくは分
岐の低級アルキル基を表わす。更に、これらの化
合物について医薬としての有用性を検討した結
果、本物質が免疫賦活作用を有することを見出す
に至つた。 即ち、本発明は、一般式 (式中Rは水素原子または直鎖もしくは分枝の低
級アルキル基を示す)で表わされる化合物および
その薬理上許容し得る塩ならびに該化合物の水加
物またはその塩を有効成分とする免疫賦活剤及び
免疫制ガン剤に関する。 式()に含まれる本発明の代表的化合物は、
たとえば3−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチ
ル)安息香酸、3−ヒドロキシ−4−(ヒドロシ
キメチル)安息香酸メチルエステル、3−ヒドロ
キシ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸エチル
エステルおよびこれらの薬理上許容し得る塩なら
びに該化合物の水加物またはその塩である。 次に本発明化合物の製造方法について述べる。 本発明化合物は一般式 (式中R1は直鎖もしくは分枝の低級アルキル基、
R2は水素原子、または直鎖もしくは分枝の低級
アルキル基を示す)で表わされる化合物におい
て、水酸基に隣接したカルボン酸エステルを選択
的にヒドロキシメチル基へ還元することによつて
得られる。この原料化合物()の代表例として
は、ヒドロキシテレフタル酸ジメチルエステル、
ヒドロキシテレフタル酸ジエチルエステルが挙げ
られる。 式()の化合物は、原料化合物()を適切
な反応条件下、水素化ホウ素ナトリウム、ナトリ
ウム・ジヒドロビス−(2−メトキシエトキシ)
アルミネートのような錯金属水素化物を用いて還
元反応することにより得られる。 この反応の代表的な例としては、たとえば還元
剤として水素化ホウ素ナトリウムを使用する場
合、溶媒としてメタノール、エタノールなどの低
級アルカノールを用い、室温ないし加熱下に反応
することにより製造される。 また、還元剤としてナトリウム・ジヒドロビス
−(2−メトキシエトキシ)アルミネートを使用
する場合、溶媒としてベンゼン、トルエンなどの
反応に悪影響を与えない有機溶剤を用い、氷冷下
ないし室温で反応することにより製造される。 式()においてRが水素原子を表わす特許請
求の範囲第一項記載の化合物、すなわち3−ヒド
ロキシ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸は、
式()においてR1が直鎖もしくは分枝の低級
アルキル基で、R2が水素原子である化合物を原
料化合物として用いた場合には、錯金属水素化物
を適切な条件下で反応させることにより得られる
が、さらに式()においてR1、R2が共に直鎖
もしくは分枝の低級アルキル基である化合物を原
料化合物として用いた場合には、まず錯金属水素
化物を適切な条件下で反応させて選択的に水素基
に隣接するエステルをヒドロキシメチル基へ還元
したのち、残りのエステルをカルボン酸へ加水分
解することによつても得られる。この加水分解反
応は公知の通常使用される方法はすべて使い得る
が、好ましくはメタノールのような水と混合し得
る有機溶剤と水との混合溶媒中、水酸化ナトリウ
ム、水酸化バリウムのようなアルカリ金属あるい
はアルカリ土類金属の水酸化物を用い、室温ない
しは加温下に行なわれる。 一般式 (式中Rは直鎖もしくは分枝の低級アルキル基を
示す)で表わされる化合物は、原料化合物として
一般式 (式中R1、R2は共に直鎖もしくは分枝の低級ア
ルキル基を示す)で表わされる化合物を用いた場
合、水酸基に隣接するエステルを選択的に還元す
ることにより製造されることは前記に記載したと
のりであるが、さらに原料化合物として次式 で表わされる化合物を用いた場合、カルボン酸を
エステル化することによつても製造される。即
ち、次式 で表わされる化合物のカルボン酸をエステル化す
ることにより、一般式 (式中Rは直鎖もしくは分枝の低級アルキル基を
示す)で表わされる化合物を製造することができ
る。このエステル化は公知の通常使用される方法
はすべて使い得る。 本発明の化合物()は免疫賦活作用を有する
が、その詳細をRが水素原子をあらわす化合物
(BF−127)を代表例にとり、述べる。 (1) 細飽性免疫に対する作用 細胞性免疫に対するBF−127物質の作用を羊
赤血球の抗原として、これをマウス足蹠に接種
して免疫を施して得られる遅延性過敏症
(Delayed−type hypersensitivity DTHと略
記する)を指標として、その効果を検討した。
DTH反応はLagrangeら(P.H.Lagrange、G.
B.Mackaness and T.E.Miller:J.Exp.Med.
139 1529〜1539,1974)の方法に準じて行な
つた。羊赤血球108個を0.05mlの生理食塩水に
浮遊させ、ICR雌性、6週令マウスの一方の足
蹠皮下に接種して免疫を施し、BF−127物質の
各量を0.25mlの生理食塩水に溶解し、腹腔内注
射した。4日後、他の一方の足蹠に108個の羊
赤血球を皮下注射してDTH反応を誘起し、24
時間後、その足蹠にみられる腫脹の程度(足腫
の厚さ)をノギスで測定し、効果を判定した
(表1)。 【表】 無投与マウスの足蹠の厚さ
表1に示すように、1mg〜0.1μg/マウスの
BF−127物質の投与は、DTH反応の程度が対
照に比して58%〜134%増強された。 このような増強作用は本物質の経口投与、お
よび静脈、皮下注射でもみられ、経口投与の例
を以下に示す。 ICR、雌性、6週令のマウスに前述の如く羊
赤血球で免疫を施し、1mg、100μg、および
10μgのBF−127物質を各々0.25mlの生理食塩
水に溶解し、免疫と同時に経口投与して、その
効果を検討した(第2)。 【表】 無投与マウスの足蹠の厚さ
その結果、表2に示す如くBF−127物質の経
口投与はいずれの量でもDTH反応を30〜50%
増強した。BF−127物質の細胞性免疫増強作用
は、他系統の週令は異なるマウスでもみられ
た。 CDF1(DBA/2×BALB/CF1)雄性、9
週令マウスを用い、前述の如く免疫を施し、
BF−127物質の各を腹腔内注射、または経口投
与してその結果をみた(表3)。 【表】 無処理マウスの足蹠の厚さ
その結果は表3に示すように、腹腔内注射お
よび経口投与のいずれにおいてもその増強がみ
られた。 以上のようにBF−127物質が細胞性免疫増強
に作用することを明らかにしたが、このことは
癌の免疫化学療法に用い得ることを示唆してい
る。以下、BF−127物質の動物多植腫瘍に対す
る効果を検討した。 (2) 動物多植腫瘍に対する作用 (イ) Gardner lymphomaに対する効果 雌性、10週令のC3H/Heマウスに週1回、
移植継代されているGardner lymphoma細
胞105個を、1群5匹の同系マウス鼠踰部皮
下に移植し、7日後から1日1回、5日間、
BF−127物質を10μg/マウス、1μg/マウ
ス、および0.1μg/マウス腹腔内注射し、腫
瘍を摘出してその重量を測定し、効果を判定
した(表4)。 【表】 その結果、BF−127物質10μg/マウスの
投与は対照に比し腫瘍増殖を抑制し、その阻
止率は56.5%であつた。 (ロ) IMC Carcinomaに対する作用 IMC CarcinomaはCDF1マウスに自然発
生した腹水型腫瘍を微生物化学研究所におい
て同系マウスに移植継代している腫瘍で、本
腫瘍は上皮性未分化腫瘍であることが病理学
的検索によつて明らかにされている。IMC
腫瘍細胞5×106個を1群5匹のCDF1マウス
鼠蹊部皮下に移植し、8日後よりBF−127の
100μg〜1μg/マウスを1日1回、5日間
投与し、移植後30日目に腫瘍を摘出し、その
結果を検討した。同時に制癌物質マイトマイ
シンc20μg/マウス、およびブレオマイシ
ン100μg/マウスを対照として用いた(表
5−A)。表5−Aに示すようにBF−127物
質の10μg〜1μg/マウスの投与は、制癌物
質ブレオマイシンおよびマイトマイシンCと
同様の抑制効果を示した。また1×106個の
細胞を移植し、同様にBF−127物質を10μg
〜1μg/マウスを腹腔内注射または経口投
与してその効果をみた(表5−B)。表5−
Bに示すように腹腔内注射および経口投与と
もに更に優れた抑制効果を示した。 【表】 【表】 BF−127物質は細胞毒性のない物質である
から本物質の各種腫瘍に対する抑制効果は宿
主を仲介している反応によるものと考えられ
る。以上の実施例からBF−127物質は担癌生
体の免疫不全、癌の免疫および化学療法、転
移の阻止に有用であることは明らかである。 更に免疫不全が原因と考えられる疾病、例
えばリウマトイド、多発性硬化症、膠原病、
全身性紅斑性狼瘡などに用いることができ
る。 また、本発明の一般式()の化合物は低
毒性の化合物であり、その代表化合物とし
て、例えばBF−127を6週齢のマウスに経口
投与したときのLD50は1.0g/Kg以上である。
従つて、本発明化合物は、免疫賦活剤として
使用することができる。 本発明の化合物()を主成分とする免疫
賦活剤は、化合物()またはその薬理上許
容し得る塩、またはその化合物の水加物、ま
たは水加物の塩のいずれかを含有するもので
あつてもよい。 投与形態は経口、注射、直脹坐剤のいずれ
でもよく、注射剤を調製する場合は、上記主
薬にPH調整剤、緩衝剤、安定化剤、賦形剤な
どを添加してもよく、さらに常法により凍結
乾燥を行ない、凍結乾燥注射剤を作ることが
でき、また主薬にPH調整剤、緩衝剤、安定化
剤、等張剤、局麻剤等を添加し、常法により
皮下、筋肉内、静脈内用注射剤を作ることも
できる。 経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に
賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊
剤、滑択剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤などを
加えたのち、常法により錠剤、被覆錠剤、顆
粒剤、散剤、カプセル剤等を作ることができ
る。 経口用液体製剤を調製する場合は、主薬に
矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加え
て、常法によりシロツプ剤を作ることができ
る。 直脹坐薬を調製する場合には、主薬に賦形
剤、さらに必要に応じて界面活性剤を加えた
のち、常法により坐薬とすることができる。 化合物()の投与量は症状により異なる
が、通常、成人に対する1回投与量は、化合
物()として0.02mg〜200mgで、1日1回、
あるいは症状により1日1回以上投与するの
がよい。 次に本発明の化合物の製造例並びに調剤例を実
施例について説明するが、これに限定されるもの
でない。 実施例 1 本発明の化合物()10gを蒸溜水に溶解して
1000mlとし、常法により除菌したのち、2mlずつ
バイアルに分注し、凍結乾燥した。 本剤は使用に際し、蒸溜水で希釈し、注射液と
する。 実施例 2 本発明の化合物()1部、乳糖200部、コー
ンスターチ50部を混合し、常法によりエタノール
で造粒乾燥整粒し、これに0.5%のステアリン酸
マグネシウムを加え、混合後、常法により1錠
3.6mgの錠剤とする。 実施例 3 本発明の化合物()1部、乳糖900部をよく
混合し、これを50メツシユの篩で篩別し、散剤と
する。 参考例 1 ヒドロキシテレフタル酸ジメチルエステル580
mgを無水メタノール30mlに溶解し、水素化ホウ素
ナトリウム2.5gをゆつくり添加した。添加終了
後、室温で1時間撹伴したのち、氷冷下、6規定
塩酸を用いてPH1.95に調節した。ブタノールで抽
出し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフイー(ベンゼン−酢酸エチ
ル=9:1〜4:1)にて精製し、3−ヒドロキ
シ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸メチルエ
ステル418mgを得た。収率83%。ベンゼン−メタ
ノール、エチルエーテルから結晶化して、無色結
晶320mgを得た。 融点 104.5〜105℃ 赤外線吸収スペクトル γKBr nax(cm-1):3430、3200、2920、1708、1695、
1612、1590、1517、1440、1420、1370、
1360、1310、1295、1280、1255、1235、
1220、1190、1178、1110、1095、1030、978、
950、923、880、872、840、805、790、756 核磁気共鳴収スペクトル (60MHz、重メタノール溶液) δTMS ppn:3.88(3H.S)、4.72(2H.S)、7.3〜7.7(
3H) 参考例 2 3−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)安
息香酸メチルエステル316mgをメタノール1mlに
溶解し、1規定苛性ソーダ5mlを加え、室温で
1.5時間ケン化反応を行なつた。 反応後、水で希釈し、1規定塩酸5mlを加え
て、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを減圧
下、留去して−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメ
チル)安息香酸272mgを得た。収率93%。ベンゼ
ン−エタノール混液より結晶化を行ない、無色結
晶154mgを得た。 融点 173.5〜174.5℃(分解) 赤外線吸収スペクトル υKBr nax(cm-1):3390、3080、2960、2880、2800、
2700、〜2150、1660、1615、1588、1520、
1425、1395、1365、1303、1248、1195、
1125、1098、1033、982、940、888、850、
793、770、760、 核磁気共鳴吸収スペクトル (60MHz)、重ジオキサン+重水) δTMS ppn:4.68(2H.S)、7.35〜7.6(3H) 参考例 3 ヒドロキシテレフタル酸ジエチルエステルを原
料化合物とし、実施例1と同様な方法により3−
ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)安息香酸
エチルエステルを得た。 融点92〜94℃ 元素分析 実験値 C:61.14、H:6.24 理論値(C10H12O4として)C:61.21、H:
6.17 紫外部吸収スペクトル λEtoll nax(nm)::213(ε25000)、245(ε10000
)、300
(ε3500) 赤外線吸収スペクトル νKBr nax(cm-1):3430、3140、1675、1585、1420、
1290、1235、1090、1035、1010、985、945、
890、825、765 核磁気共鳴吸収スペクトル (60MHz、重ジメチルスルフオキサイド) δTMS nax:1.30(3H.t)、4.26(2H.q)、4.55(2H.s
)、
5.10(1H.s)、7.44(3H.s)、9.70(1H.s)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式() (式中、Rは水素原子または直鎖もしくは分岐の
低級アルキル基を示す)で表わされる化合物およ
びその薬理上許容し得る塩ならびに該化合物の水
加物またはその塩を有効成分とする免疫賦活剤。 2 一般式() (式中、Rは水素原子または直鎖もしくは分岐の
低級アルキル基を示す)で表わされる化合物およ
びその薬理上許容し得る塩ならびに該化合物の水
加物またはその塩を免疫制癌剤として使用するこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の免疫
賦活剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7554586A JPS61233613A (ja) | 1978-07-17 | 1986-04-03 | 免疫賦活剤 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8617878A JPS5513238A (en) | 1978-07-17 | 1978-07-17 | Novel compound having immunoactivating action, its preparation and application |
| JP7554586A JPS61233613A (ja) | 1978-07-17 | 1986-04-03 | 免疫賦活剤 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8617878A Division JPS5513238A (en) | 1978-07-17 | 1978-07-17 | Novel compound having immunoactivating action, its preparation and application |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61233613A JPS61233613A (ja) | 1986-10-17 |
| JPH0153848B2 true JPH0153848B2 (ja) | 1989-11-15 |
Family
ID=26416682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7554586A Granted JPS61233613A (ja) | 1978-07-17 | 1986-04-03 | 免疫賦活剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61233613A (ja) |
-
1986
- 1986-04-03 JP JP7554586A patent/JPS61233613A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61233613A (ja) | 1986-10-17 |
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