JPH0158122B2 - - Google Patents
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- JPH0158122B2 JPH0158122B2 JP57182986A JP18298682A JPH0158122B2 JP H0158122 B2 JPH0158122 B2 JP H0158122B2 JP 57182986 A JP57182986 A JP 57182986A JP 18298682 A JP18298682 A JP 18298682A JP H0158122 B2 JPH0158122 B2 JP H0158122B2
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- vanadium
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
本発明は、沃化アンモニウムを酸化して沃素を
得る方法に関するものである。 沃素は、有機合成の中間体や、触媒、医薬、保
健薬、殺菌剤、家畜飼料添加剤、有機化合物安定
剤、染料、写真製版、農薬、稀有金属の精練、分
析試薬などに幅広く使われている有用な化合物で
ある。工業的には、塩水中に含まれる沃素アニオ
ンを硫酸銅()と硫酸鉄()水溶液によつて
酸化する方法が多くとられている。 この方法は、通常、強酸酸性下で行なわれるの
で、硫酸ナトリウム等の、強酸と強アルカリの塩
が副生物として生じ、その処理に問題点がある。 沃化アンモニウムから沃素を得る方法として
は、電解による方法(米国特許第3975439号明細
書)、第二銅化合物による方法(特開昭53−50122
号公報)、酸素酸化による方法(特開昭53−73489
号公報)などがあげられる。 電解を用いる方法(米国特許第3975439号明細
書)では、反応が稀薄な溶液で行なわれ、隔膜が
必要であることから、装置が大規模になり、また
大量の電力を消費することで、工業的に有利な方
法とは言えない。第二銅化合物による方法(特開
昭53−50122号公報)では、化学量論的反応であ
るので、第二銅化合物は触媒として作用せず大量
の沃素を製造するには不利である。酸素酸化によ
る方法(特開昭53−73489号公報)では、アンモ
ニア水溶液中で、銅化合物を触媒とし、酸素によ
つて沃化アンモニウムを酸化し、沃素を得てい
る。一般に沃素アニオンの酸化に際しては強酸を
必要とするが(J.Chim.phys.55、407(1958).)こ
の方法では、アンモニア性アルカリ条件下で、沃
素生成反応が行なわれているので、沃素生成速度
が極めて遅く、沃素の生成に供いアンモニアが生
成するので、さらに反応が遅くなることが予想さ
れる。またアンモニア性アルカリ条件下では、化
学大辞典(共立出版、第9巻、447頁)などでも
明らかなごとく、爆発性の沃化窒素を生成しやす
く、工業的に有利とは言えない。 本発明者らは、沃化アンモニウムを酸化して沃
素を得る方法を検討していたが、バナジウム化合
物と弱酸を組合わせることによつて、分子状酸素
の存在下で、沃化アンモニウムを酸化せしめるこ
とにより、沃化窒素などの副生物がなく、高収率
で沃素が得られることを見い出し、本発明に到達
したものである。 すなわち、本発明は、上記のごとき知見に基づ
くもので、沃化アンモニウムを酸素又は空気で酸
化して分子状沃素を得るに際し、酸化反応を、バ
ナジウム化合物及び弱酸を含有する水性媒体中で
行う沃素の製法である。特に本発明は、弱酸を用
いることにより、充分な沃素生成速度を得、さら
に発生した沃素を抽出するか、あるいは適当な反
応で消費する等の方法で、沃素を系外に取り出し
た後に、生成した弱酸のアンモニウム塩を加熱分
解し弱酸を回収し、沃素生成反応に再利用するこ
とによつて、極めて効率的に沃素を得る方法を与
えるものである。 本発明の反応は、バナジウム化合物と燐酸二水
素アンモニウムを使用した場合を例に用いると、
次のような反応機構で沃素が生成すると推定され
る。 2I-+V5+→I2+V3+ (1) V3++1/2O2+H2O→V5++2OH- (2) 2NH4H2PO4+2OH-+2NH4I →2(NH4)2HPO4+2I-+2H2O (3) 従つて、触媒として用いるバナジウム化合物
は、単にバナジウムイオンの供給源であると考え
られ、バナジウム化合物のアニオン側の種類は、
反応の本質には関係なく、特別な制限はないと考
えられる。バナジウム化合物としては特に限定は
なく、ほとんどのバナジウム化合物が用いられる
が、一酸化バナジウム、水酸化バナジウム()、
二塩化バナジウム、硫酸バナジウム()、K4
〔V(CN)6〕、三酸化二バナジウム、水酸化バナジ
ウム()、三弗化バナジウム、M2VF5(M=
Na、K、NH4)、三塩化バナジウム、三臭化バ
ナジウム、三沃化バナジウム、硫酸バナジウム
()、MV(SO4)2(M=Na、K、NH4)、K3〔V
(CN)6〕、二酸化バナジウム、M2V4O9(M=Na、
K、NH4)、四弗化バナジウム、M2〔VOF4
(OH)2〕(M=Na、K、NH4)、四塩化バナジウ
ム、オキシ二塩化バナジウム、硫酸バナジル、
M2〔VO(SO4)2〕(M=Na、K、NH4)、五酸化
バナジウム、メタバナジウム酸ナトリウム、メタ
バナジウム酸カリウム、メタバナジウム酸アンモ
ニウム、オルトバナジウム酸ナトリウム、オルト
バナジウム酸カリウム、オルトバナジウム酸アン
モニウム、ピロバナジウム酸ナトリウム、ピロバ
ナジウム酸カリウム、ピロバナジウム酸アンモニ
ウム、五バナジウム酸ナトリウム、五バナジウム
酸カリウム、五バナジウム酸アンモニウム、五弗
化バナジウム、MVF6(M=Na、K、NH4)、オ
キシ三弗化バナジウム、オキシ三塩化バナジウ
ム、オキシ三臭化バナジウム、VO2Cl、等が好ま
しい。 これらのバナジウム化合物は単独で用いてもよ
いし二種以上混合して用いてもよい。 使用されるバナジウム化合物の量は特に限定は
ないが、実用上は水100gに対して3×10-4〜
0.3molが好ましい。また、バナジウム化合物は
水性媒体中に溶解していても溶解していなくても
よい。 使用される沃化アンモニウムの量は特に限定は
ないが、水性媒体中での濃度が高い方が、沃素の
生成速度は早くなる傾向がある。実用上好ましく
は、水100gに対して10〜200gである。 使用される酸素としては、酸素ガスは勿論、空
気でも充分に本法の目的を達することができる。
酸素圧力あるいは分圧は特に限定はないが、高い
圧力の方が沃素生成速度は早くなる傾向がある。
実用上好ましくは0.2〜10atmである。 酸化反応は温度が高い程早いが、温度が高すぎ
ると弱酸のアンモニウム塩が分解し、系内のアン
モニア濃度が高まるので、酸化が遅くなる。通
常、好ましくは室温から100℃の間である。 弱酸はアンモニアの生成を防止し、系内のPHを
低く押え、酸化反応速度を早め、沃化窒素の生成
を防止するために用いられるものである。また必
要に応じて生成した弱酸のアンモニウム塩を加熱
分解し、弱酸を回収し、沃素発生反応に再使用す
ることが好ましい。使用される弱酸としては、そ
のアンモニウム塩を加熱すると、アンモニアを放
出するものであればよく、燐酸、燐酸二水素アン
モニウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カ
リウム、硼酸、砒酸、クロム酸、テルル酸、珪酸
バナジン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸等の
有機酸、などが上げられるが、好ましくは燐酸、
燐酸二水素アンモニウム、有機酸である。さらに
燐酸二水素アンモニウムの場合、そのアンモニウ
ム塩である燐酸一水素アンモニウムを加熱すると
短時間で定量的にアンモニアを放出し、燐酸二水
素アンモニウムに戻るので特に好ましい。 本発明において弱酸を回収するには、発生する
沃素をエーテル等による抽出あるいは適当な沃素
消費反応等の方法で、系外に取り出した後に、生
成した弱酸のアンモニウム塩を含む水性媒体を加
熱すればよい。ここで回収され弱酸は、再び沃素
生成反応の原料として用いることができ、新たに
酸を加えるなどの必要性は特に生じない。弱酸の
アンモニウム塩の分解温度は、高い方が分解速度
および分解率がよく、好ましくは100〜210℃であ
る。 本発明における水性媒体は、水単独を主たる媒
体とするが、ベンゼン、クロルベンゼンのごとき
この系において実質的に沃素と反応しないものを
水と併用することができる。水性媒体の水素イオ
ン濃度は、使用する酸や条件によつて異なるので
限定はされないが、水素イオン濃度は大である方
が、沃素生成速度は早い傾向がある。 本発明の方法は、沃素の生成速度が早く、収率
がよく、弱酸は回収再使用でき、沃化窒素等の副
生物がなく産業廃棄物の生じない極めて有利な沃
素の工業的製法と言える。その他に、本発明の方
法では、沃素の発生と同時に、沃化反応を行え
ば、沃素を精製単離することなく、有用な沃化物
を得る方法にも応用できる。また弱酸の回収時に
はアンモニアが発生するので、必要に応じてこの
アンモニアを回収し、他の用途に用いることも可
能である。 以下に実施例をあげ、本発明を更に具体的に説
明する。 以下の実施例では酸化反応は弱酸の例として、
燐酸二水素アンモニウムを用いた場合下記(1)式に
従うと仮定し、(2)式より沃素の収率を求めた。 1/2O2+2NH4I+2NH4H2PO4Vn+(n=2−5
) ―――――――――→ I2+2(NH4)2HPO4+H2O (1) 沃素収率(%)=発生沃素モル数/弱酸仕込モル数×2/
1×100(2) また弱酸の加熱分解は、弱酸として燐酸二水素
アンモニウムを用いた場合(3)式に従うと仮定し、
(4)より弱酸の回収率を求めた。 (NH4)2HPO4→NH4H2PO4+NH3 回収率(%) =発生したアンモニアモル数/生成した弱酸のアンモ
ニウム塩のモル数 ×100 (4) また、他の弱酸を用いた場合も(2)、(4)式を用い
て計算を行つた。 実施例 1 (1) 沃素の発生 500mlの耐圧ガラス製オートクレーブに沃化
アンモニウム75g(0.517mol)五酸化バナジ
ウム2.4g(0.0132mol)、燐酸二水素アンモニ
ウム25g(0.217mol)、純水50ml、ベンゼン50
mlを仕込み、酸素圧6〜8Kg/cm2(ゲージ圧)、
温度70℃の条件で撹拌下反応を行つた。4.5時
間後、発生した沃素を、0.1Nチオ硫酸ナトリ
ウム水溶液で定量したところ12.4g
(0.0488mol)であつた。沃素の収率は45%で
あつた。 (2) 弱酸の回収 (1)で得た沃素水溶液に150mlの純水を加えた
のちに、250mlのジエチルエーテルで沃素の抽
出を3回行つたところ、発生した沃素はほぼ全
量回収できた。さらに水溶液中に微量残存して
いた沃素をチオ硫酸ナトリウムで還元し、分子
状沃素を含まない水溶液を得た。この水溶液を
500mlのSUS316製オートクレーブに仕込み、
窒素雰囲気下170〜210℃で加熱撹拌し、オート
クレーブの上部に備えたノズルより、水蒸気と
共にアンモニアを放出させ、冷却管を通じ、2
時間でアンモニア水約150c.c.を得た。発生した
アンモニアは、1N硫酸水溶液で定量したとこ
ろ1.66g(0.0976mol)であつた。弱酸の回収
率は100%であつた。 (3) 再酸化 (2)で得た水溶液に消費された沃化アンモニウ
ムと同量の沃化アンモニウム14.2g
(0.0976mol)を加え、耐圧ガラス製オートク
レーブを用いて、酸素6〜8Kg/cm2(ゲージ
圧)加圧、温度70℃の条件で再び酸化反応を行
つたところ、4時間で40%の収率で沃素を得
た。 実施例 2〜7 表1で示した組成で、実施例1と同様な方法に
より反応を行つた。得られた結果を表1に示す。 実施例 8〜11 表1で示した組成で、実施例1の(1)と同様な方
法により反応を行つた。得られた結果を表1に示
す。
得る方法に関するものである。 沃素は、有機合成の中間体や、触媒、医薬、保
健薬、殺菌剤、家畜飼料添加剤、有機化合物安定
剤、染料、写真製版、農薬、稀有金属の精練、分
析試薬などに幅広く使われている有用な化合物で
ある。工業的には、塩水中に含まれる沃素アニオ
ンを硫酸銅()と硫酸鉄()水溶液によつて
酸化する方法が多くとられている。 この方法は、通常、強酸酸性下で行なわれるの
で、硫酸ナトリウム等の、強酸と強アルカリの塩
が副生物として生じ、その処理に問題点がある。 沃化アンモニウムから沃素を得る方法として
は、電解による方法(米国特許第3975439号明細
書)、第二銅化合物による方法(特開昭53−50122
号公報)、酸素酸化による方法(特開昭53−73489
号公報)などがあげられる。 電解を用いる方法(米国特許第3975439号明細
書)では、反応が稀薄な溶液で行なわれ、隔膜が
必要であることから、装置が大規模になり、また
大量の電力を消費することで、工業的に有利な方
法とは言えない。第二銅化合物による方法(特開
昭53−50122号公報)では、化学量論的反応であ
るので、第二銅化合物は触媒として作用せず大量
の沃素を製造するには不利である。酸素酸化によ
る方法(特開昭53−73489号公報)では、アンモ
ニア水溶液中で、銅化合物を触媒とし、酸素によ
つて沃化アンモニウムを酸化し、沃素を得てい
る。一般に沃素アニオンの酸化に際しては強酸を
必要とするが(J.Chim.phys.55、407(1958).)こ
の方法では、アンモニア性アルカリ条件下で、沃
素生成反応が行なわれているので、沃素生成速度
が極めて遅く、沃素の生成に供いアンモニアが生
成するので、さらに反応が遅くなることが予想さ
れる。またアンモニア性アルカリ条件下では、化
学大辞典(共立出版、第9巻、447頁)などでも
明らかなごとく、爆発性の沃化窒素を生成しやす
く、工業的に有利とは言えない。 本発明者らは、沃化アンモニウムを酸化して沃
素を得る方法を検討していたが、バナジウム化合
物と弱酸を組合わせることによつて、分子状酸素
の存在下で、沃化アンモニウムを酸化せしめるこ
とにより、沃化窒素などの副生物がなく、高収率
で沃素が得られることを見い出し、本発明に到達
したものである。 すなわち、本発明は、上記のごとき知見に基づ
くもので、沃化アンモニウムを酸素又は空気で酸
化して分子状沃素を得るに際し、酸化反応を、バ
ナジウム化合物及び弱酸を含有する水性媒体中で
行う沃素の製法である。特に本発明は、弱酸を用
いることにより、充分な沃素生成速度を得、さら
に発生した沃素を抽出するか、あるいは適当な反
応で消費する等の方法で、沃素を系外に取り出し
た後に、生成した弱酸のアンモニウム塩を加熱分
解し弱酸を回収し、沃素生成反応に再利用するこ
とによつて、極めて効率的に沃素を得る方法を与
えるものである。 本発明の反応は、バナジウム化合物と燐酸二水
素アンモニウムを使用した場合を例に用いると、
次のような反応機構で沃素が生成すると推定され
る。 2I-+V5+→I2+V3+ (1) V3++1/2O2+H2O→V5++2OH- (2) 2NH4H2PO4+2OH-+2NH4I →2(NH4)2HPO4+2I-+2H2O (3) 従つて、触媒として用いるバナジウム化合物
は、単にバナジウムイオンの供給源であると考え
られ、バナジウム化合物のアニオン側の種類は、
反応の本質には関係なく、特別な制限はないと考
えられる。バナジウム化合物としては特に限定は
なく、ほとんどのバナジウム化合物が用いられる
が、一酸化バナジウム、水酸化バナジウム()、
二塩化バナジウム、硫酸バナジウム()、K4
〔V(CN)6〕、三酸化二バナジウム、水酸化バナジ
ウム()、三弗化バナジウム、M2VF5(M=
Na、K、NH4)、三塩化バナジウム、三臭化バ
ナジウム、三沃化バナジウム、硫酸バナジウム
()、MV(SO4)2(M=Na、K、NH4)、K3〔V
(CN)6〕、二酸化バナジウム、M2V4O9(M=Na、
K、NH4)、四弗化バナジウム、M2〔VOF4
(OH)2〕(M=Na、K、NH4)、四塩化バナジウ
ム、オキシ二塩化バナジウム、硫酸バナジル、
M2〔VO(SO4)2〕(M=Na、K、NH4)、五酸化
バナジウム、メタバナジウム酸ナトリウム、メタ
バナジウム酸カリウム、メタバナジウム酸アンモ
ニウム、オルトバナジウム酸ナトリウム、オルト
バナジウム酸カリウム、オルトバナジウム酸アン
モニウム、ピロバナジウム酸ナトリウム、ピロバ
ナジウム酸カリウム、ピロバナジウム酸アンモニ
ウム、五バナジウム酸ナトリウム、五バナジウム
酸カリウム、五バナジウム酸アンモニウム、五弗
化バナジウム、MVF6(M=Na、K、NH4)、オ
キシ三弗化バナジウム、オキシ三塩化バナジウ
ム、オキシ三臭化バナジウム、VO2Cl、等が好ま
しい。 これらのバナジウム化合物は単独で用いてもよ
いし二種以上混合して用いてもよい。 使用されるバナジウム化合物の量は特に限定は
ないが、実用上は水100gに対して3×10-4〜
0.3molが好ましい。また、バナジウム化合物は
水性媒体中に溶解していても溶解していなくても
よい。 使用される沃化アンモニウムの量は特に限定は
ないが、水性媒体中での濃度が高い方が、沃素の
生成速度は早くなる傾向がある。実用上好ましく
は、水100gに対して10〜200gである。 使用される酸素としては、酸素ガスは勿論、空
気でも充分に本法の目的を達することができる。
酸素圧力あるいは分圧は特に限定はないが、高い
圧力の方が沃素生成速度は早くなる傾向がある。
実用上好ましくは0.2〜10atmである。 酸化反応は温度が高い程早いが、温度が高すぎ
ると弱酸のアンモニウム塩が分解し、系内のアン
モニア濃度が高まるので、酸化が遅くなる。通
常、好ましくは室温から100℃の間である。 弱酸はアンモニアの生成を防止し、系内のPHを
低く押え、酸化反応速度を早め、沃化窒素の生成
を防止するために用いられるものである。また必
要に応じて生成した弱酸のアンモニウム塩を加熱
分解し、弱酸を回収し、沃素発生反応に再使用す
ることが好ましい。使用される弱酸としては、そ
のアンモニウム塩を加熱すると、アンモニアを放
出するものであればよく、燐酸、燐酸二水素アン
モニウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カ
リウム、硼酸、砒酸、クロム酸、テルル酸、珪酸
バナジン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸等の
有機酸、などが上げられるが、好ましくは燐酸、
燐酸二水素アンモニウム、有機酸である。さらに
燐酸二水素アンモニウムの場合、そのアンモニウ
ム塩である燐酸一水素アンモニウムを加熱すると
短時間で定量的にアンモニアを放出し、燐酸二水
素アンモニウムに戻るので特に好ましい。 本発明において弱酸を回収するには、発生する
沃素をエーテル等による抽出あるいは適当な沃素
消費反応等の方法で、系外に取り出した後に、生
成した弱酸のアンモニウム塩を含む水性媒体を加
熱すればよい。ここで回収され弱酸は、再び沃素
生成反応の原料として用いることができ、新たに
酸を加えるなどの必要性は特に生じない。弱酸の
アンモニウム塩の分解温度は、高い方が分解速度
および分解率がよく、好ましくは100〜210℃であ
る。 本発明における水性媒体は、水単独を主たる媒
体とするが、ベンゼン、クロルベンゼンのごとき
この系において実質的に沃素と反応しないものを
水と併用することができる。水性媒体の水素イオ
ン濃度は、使用する酸や条件によつて異なるので
限定はされないが、水素イオン濃度は大である方
が、沃素生成速度は早い傾向がある。 本発明の方法は、沃素の生成速度が早く、収率
がよく、弱酸は回収再使用でき、沃化窒素等の副
生物がなく産業廃棄物の生じない極めて有利な沃
素の工業的製法と言える。その他に、本発明の方
法では、沃素の発生と同時に、沃化反応を行え
ば、沃素を精製単離することなく、有用な沃化物
を得る方法にも応用できる。また弱酸の回収時に
はアンモニアが発生するので、必要に応じてこの
アンモニアを回収し、他の用途に用いることも可
能である。 以下に実施例をあげ、本発明を更に具体的に説
明する。 以下の実施例では酸化反応は弱酸の例として、
燐酸二水素アンモニウムを用いた場合下記(1)式に
従うと仮定し、(2)式より沃素の収率を求めた。 1/2O2+2NH4I+2NH4H2PO4Vn+(n=2−5
) ―――――――――→ I2+2(NH4)2HPO4+H2O (1) 沃素収率(%)=発生沃素モル数/弱酸仕込モル数×2/
1×100(2) また弱酸の加熱分解は、弱酸として燐酸二水素
アンモニウムを用いた場合(3)式に従うと仮定し、
(4)より弱酸の回収率を求めた。 (NH4)2HPO4→NH4H2PO4+NH3 回収率(%) =発生したアンモニアモル数/生成した弱酸のアンモ
ニウム塩のモル数 ×100 (4) また、他の弱酸を用いた場合も(2)、(4)式を用い
て計算を行つた。 実施例 1 (1) 沃素の発生 500mlの耐圧ガラス製オートクレーブに沃化
アンモニウム75g(0.517mol)五酸化バナジ
ウム2.4g(0.0132mol)、燐酸二水素アンモニ
ウム25g(0.217mol)、純水50ml、ベンゼン50
mlを仕込み、酸素圧6〜8Kg/cm2(ゲージ圧)、
温度70℃の条件で撹拌下反応を行つた。4.5時
間後、発生した沃素を、0.1Nチオ硫酸ナトリ
ウム水溶液で定量したところ12.4g
(0.0488mol)であつた。沃素の収率は45%で
あつた。 (2) 弱酸の回収 (1)で得た沃素水溶液に150mlの純水を加えた
のちに、250mlのジエチルエーテルで沃素の抽
出を3回行つたところ、発生した沃素はほぼ全
量回収できた。さらに水溶液中に微量残存して
いた沃素をチオ硫酸ナトリウムで還元し、分子
状沃素を含まない水溶液を得た。この水溶液を
500mlのSUS316製オートクレーブに仕込み、
窒素雰囲気下170〜210℃で加熱撹拌し、オート
クレーブの上部に備えたノズルより、水蒸気と
共にアンモニアを放出させ、冷却管を通じ、2
時間でアンモニア水約150c.c.を得た。発生した
アンモニアは、1N硫酸水溶液で定量したとこ
ろ1.66g(0.0976mol)であつた。弱酸の回収
率は100%であつた。 (3) 再酸化 (2)で得た水溶液に消費された沃化アンモニウ
ムと同量の沃化アンモニウム14.2g
(0.0976mol)を加え、耐圧ガラス製オートク
レーブを用いて、酸素6〜8Kg/cm2(ゲージ
圧)加圧、温度70℃の条件で再び酸化反応を行
つたところ、4時間で40%の収率で沃素を得
た。 実施例 2〜7 表1で示した組成で、実施例1と同様な方法に
より反応を行つた。得られた結果を表1に示す。 実施例 8〜11 表1で示した組成で、実施例1の(1)と同様な方
法により反応を行つた。得られた結果を表1に示
す。
【表】
比較例 1〜2
酸化反応に際して弱酸を用いずに表2に示した
組成で、実施例1の(1)と同様な方法で反応を行つ
たところ、沃素は使用した触媒量以下あるいは同
程度しか生じなかつた。反応開始時は、系内は中
性であつたが、沃素が生成するに従い、アルカリ
性になつた。また比較例2では、沃化窒素が生成
し、これは乾燥すると軽い衝撃で爆発した。
組成で、実施例1の(1)と同様な方法で反応を行つ
たところ、沃素は使用した触媒量以下あるいは同
程度しか生じなかつた。反応開始時は、系内は中
性であつたが、沃素が生成するに従い、アルカリ
性になつた。また比較例2では、沃化窒素が生成
し、これは乾燥すると軽い衝撃で爆発した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 沃化アンモニウムを酸素又は空気で酸化して
分子状沃素を得るに際し、酸化反応をバナジウム
化合物及び弱酸を含有する水性媒体中で行うこと
を特徴とする沃素の製法。 2 弱酸が、少なくとも一部、酸化反応で生じた
弱酸のアンモニウム塩を加熱分解して得られる弱
酸よりなる特許請求の範囲第1項記載の製法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18298682A JPS5973406A (ja) | 1982-10-20 | 1982-10-20 | 沃素の製法 |
| EP83304570A EP0101282B1 (en) | 1982-08-10 | 1983-08-08 | A method for producing iodine or iodine derivatives |
| DE8383304570T DE3369308D1 (en) | 1982-08-10 | 1983-08-08 | A method for producing iodine or iodine derivatives |
| US06/521,232 US4487752A (en) | 1982-08-10 | 1983-08-08 | Method for producing iodine or iodine derivatives |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18298682A JPS5973406A (ja) | 1982-10-20 | 1982-10-20 | 沃素の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5973406A JPS5973406A (ja) | 1984-04-25 |
| JPH0158122B2 true JPH0158122B2 (ja) | 1989-12-08 |
Family
ID=16127759
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18298682A Granted JPS5973406A (ja) | 1982-08-10 | 1982-10-20 | 沃素の製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5973406A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5373489A (en) * | 1976-12-14 | 1978-06-29 | Teijin Ltd | Production of iodine |
-
1982
- 1982-10-20 JP JP18298682A patent/JPS5973406A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5973406A (ja) | 1984-04-25 |
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