JPH0210854B2 - - Google Patents
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- JPH0210854B2 JPH0210854B2 JP60135035A JP13503585A JPH0210854B2 JP H0210854 B2 JPH0210854 B2 JP H0210854B2 JP 60135035 A JP60135035 A JP 60135035A JP 13503585 A JP13503585 A JP 13503585A JP H0210854 B2 JPH0210854 B2 JP H0210854B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、ブリキ、テインフリーステイールシ
ート等の表面処理原板の製造方法に関し、特に、
連続焼鈍によつてT−1、T−2グレードの軟質
表面処理原板を製造する方法に関するものであ
る。 (従来の技術) ブリキ、テインフリー鋼板はその調質度がJIS
G3303によつて規定されており、ロツクウエル硬
度(HR−30T)で軟質なものから、T−1(49±
3)、T−2(53±3)、T−3(57±3)、T−4
(61±3)、T−5(65±3)、T−6(69±3)、
DR−8、DR−9およびDR−10に区分されてい
る。このうちT−1〜T−3のいわゆる軟質板は
従来箱焼鈍法により、T−4以上の硬質材は連続
焼鈍法で製造されていた。しかし箱焼鈍では連続
焼鈍に比し、形状が劣り、コイル長手方向の機械
的性質が不均一、かつ生産性が劣るという欠点を
有し、しかも製造コストが高い。 このようなT−1〜T−3の軟質表面処理原板
の製造に連続焼鈍を用いれば上記の箱焼鈍の欠点
を克服することができるので、過去に研究がなさ
れているが、箱焼鈍法に比較して多くの問題点を
有し連続焼鈍法が実用化されてない。その大きな
理由は製鋼コストの増大あるいは熱延作業の不安
定さ、および製品特性が劣ることにある。 連続焼鈍法を用いて軟質表面処理原板を製造す
る従来技術として特公昭55−45574号、特開昭58
−197224号公報で開示されている。 特公昭55−45574号公報の技術思想はC、Mn、
Al、N量を規定したアルミ・キルド鋼を用い、
熱延を(オーステナイト+フエライト)の2相域
の圧延と巻取時にAlNの析出、熱延板の結晶粒
の粗大化により、焼鈍時の粒成長を計る点にあ
る。しかし熱間圧延を2相域(オーステナイト+
フエライト)で行なうと良く知られているよう
に、フエライトとオーステナイトの変形能、変形
応力のちがいのため熱延時の通板性に問題があ
り、また鋼帯の形状が悪く低炭素アルミ・キルド
鋼では、得られた成品の面内異方性が大きくな
る。 特開昭58−197224号の技術思想はC量を0.0040
%以下と極低炭素化による軟質化を計り、必要に
応じNb添加によりNbCを析出させることで時効
による硬度上昇を低減しようとする点にある。ま
たr値の面内異方性を小さくする方法として、熱
延をオーステナイト+フエライトの2相域で圧延
する点にある。しかし、C量を0.004%以下に低
減するためには通常の転炉製鋼法のみで溶製する
ことが不可能で、真空脱ガス処理を行なう必要が
あり、コストが高くなる。またNbの添加もコス
トが高くなる。この方法でも熱延仕上温度を700
〜880℃とオーステナイト+フエライトの2相域
圧延を必要とするため、熱延時の通板性および鋼
板の形状が悪くなり、安定な操業を行なうのがむ
ずかしいという欠点もある。 ブリキ、テインフリー鋼板は、0.2〜0.30mm程
度の極薄板が主流であり、この場合、必然的に冷
間圧延では高圧下率冷延となる。そのため冷延時
の圧延負荷が大きくなり、しかも冷延時の板破断
の発生も多くなり、冷延の生産性を阻害する原因
となつている。 ブリキ、テインフリーの軟質鋼板は3ピース缶
の胴板に使用されていたが、近年、多段絞り加
工、深絞り加工後にしごき加工等で缶体にも使用
されている。缶体に使用される場合には軟質であ
ることのほかにプレス加工性が優れていることが
必要であり、プレス加工時にイヤリングが大きい
と歩留りが低下するため、値と共に値の面内
異方性が小さいことが要求される。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は、軟質表面処理原板を連続焼鈍法で製
造する際の、従来法における上記問題点を解決す
ることを目的としてなされた。 (課題を解決するための手段) 本発明の特徴とする処は、 重量%で、 C:0.010〜0.050%、 Mn:0.10〜0.30%、 P≦0.010%、 Al:0.030〜0.10%、 N≦0.0050%、 残部:Feおよび不可避的不純物からなる低炭
素アルミ・キルド鋼片を、T(℃)=6875/
(3.865−log[Al%])−270なる関係を満足する温
度(T(℃))以下の温度域に加熱して熱間圧延
し、次いで80%以上の圧下率を適用する冷間圧延
を施した後、再結晶温度〜850℃の温度域で5秒
〜3分間の、連続焼鈍法による再結晶焼鈍を施
し、調質圧延し、次いでレベラ加工を施すことを
特徴とする連続焼鈍による軟質表面処理原板の製
造法にある。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の鋼成分においては、Cは鋼を硬質化す
るので、その上限を0.050%とする。C量をより
少なくすることにより本発明の特徴を顕現するの
で、下限値は現在の製鉄技術で可能な0.001%程
度まで包含するが、Cを0.01%以下とするために
は真空脱ガス処理等の特殊処理が必要となり、コ
スト上昇をまねくので、工業的な観点から0.010
%以上とすることが好ましい。またC量が高くな
ると焼鈍温度の上昇とラインスピードを遅くする
必要があるので、0.035%以下とすることが好ま
しい。 Mnは不可避的不純物であるSによる熱間脆性
を防止するため0.05%以上含有させる必要がある
が、0.50%を超えるとCと同様に鋼を硬質化し、
本発明の特徴を失う。好ましい範囲は0.10〜0.30
%である。 Alは本発明の重要な構成要件である。Al量と
熱延加熱温度を特定することで、顕著な軟質化と
良加工性の表面処理原板が安定して製造できる。
すなわち熱延仕上温度がAr3点以上で操業できる
ので、熱延の通板性、板形状が良好で、しかも板
厚精度がすぐれた熱延ができる。またブリキ原板
のように高圧下率の冷間圧延しても板破断が少な
く、加えて連続焼鈍によりテンパー度T−1、T
−2の高r値、低Δrの軟質表面処理原板の製造
が可能である。 第1図は、C:0.015〜0.025%、Mn:0.15〜
0.25%、P:0.006%〜0.010%、Al:0.030〜0.100
%、N:0.0040%以下の鋼について、熱延加熱温
度(T℃)=[6875/(3.865−log[Al%])−270]
とブリキ板の硬度、r値、Δrの関係を示す。第
1図は多数の実験の範囲で示した。 第1図の製造条件は次のとおりである。 Γ熱延仕上温度:870〜910℃ Γ熱延巻取温度:550〜650℃ Γ冷間圧延率:87〜91% Γ焼鈍条件:700℃×30秒+400℃×60秒 Γ調質圧延:1.5% Γメツキ:電気スズメツキ+リフロー処理 第1図よりわかるように、熱延加熱温度TがT
℃6875/(3.865−log[Al%])−270を満足すれ
ば硬度(HR30T)が低くなり、T−1グレード
(T−2グレードの下限も含む)で、値が高く、
Δrも小さくなることがわかる。値は加工性
(深絞り性)の指標であり、値が高いほど加工
性が優れている。Δrは深絞り加工時のフランジ
異方性の原因となり、Δrの絶対値が少ないほど
フランジの異方性が少なくなる。即ち成品歩留り
が高くなる。T℃=6875/(3.865−log[Al%])
−270は鋼成分、熱延条件とブリキ板の硬度との
関係について、有意な関係にあり、Al量、加熱
温度について実験的に求めた式である。 Alは0.030%以下になるとT℃=6875/(3.865
−log[Al%])−270の関係により、加熱温度が低
くなり、現在の製鉄技術ではAr3点以上で熱延を
終了することが困難になる。したがつて本発明の
目的の一つである操業の安定性を悪くするため、
0.03%以上を必要とする。Al量が0.10%を超える
と鋼を硬質化し、また表面疵も増加する。好まし
い範囲は0.045〜0.090%である。 Pは鋼板を硬質化する元素であるため、0.015
%以下にする必要がある。好ましい範囲は0.010
%以下である。 Nは鋼の溶製過程で空気中のNより混入する結
果、不純物として含有されるが、Nが鋼中に固溶
すると、また微細なAlNとして析出すると、軟
質な鋼板が得られないので、0.0050%以下にする
必要がある。好ましい範囲は0.0040%以下であ
り、少ないほど好ましい。しかし、現行製鋼技術
ではNの低減によつてコストアツプを招くが、本
発明ではAl量と熱延加熱温度の特定によつてN
量を20ppm以下にまで低減させる必要はないの
で、本発明では製鋼作業も容易かつ低コストであ
るという特徴を有する。 本発明の鋼片は転炉等の通常の溶解炉で溶製さ
れ、必要に応じ、真空脱ガス処理され、造塊・分
塊され、または連続鋳造し、製造される。 熱延のための加熱温度は先に述べたようにT
(℃)=6875/(3.865−log[Al%])−270以下の範
囲で行なわれる。 熱延仕上温度はAr3点以上にすることが好まし
い。仕上温度がAr3点以下となると鋼帯の形状が
悪くなり、安定な操業を行なうのがむずかしくな
り、しかも成品の材質特性の面内異方性が大きく
なる。勿論、これらの問題点が無い場合、仕上温
度をAr3点以下にすることによつて、本発明鋼板
は従来法よりもさらに軟質にすることができる。 巻取温度は連続焼鈍材の材質特性に影響するこ
とが知られている。深絞り用冷延鋼板を連続焼鈍
で製造する場合、高温巻取により炭化物が塊状化
し、成品の加工性(値、伸び)の向上を計つて
いるが、ブリキ、T.F.S.のように板厚の薄いもの
は、加工時に割れが発生しやすくなる。したがつ
て炭化物の形状、分布の関係から巻取温度は710
℃以下とすることが望ましい。また巻取温度があ
まり低くなると鋼板を硬質化する。好ましい範囲
は575〜690℃である。 ついで脱スケール処理を行ない、冷間圧延に供
される。冷延率は通常の表面処理鋼板(ブリキ、
T.F.S.)と同様に80%以上の高圧下冷延を行な
う。 第2図は第1図と同一素材を用いて、P量とT
℃−{6875/(3.865−log[Al%])−270}と板破
断の関係を示したものである。板破断は実験室で
板厚3.2mmの熱延コイルの端部に切欠ノツチを入
れ板厚0.32mmまで(冷延率:90%)冷延し、板破
断した本数(同一条件の試験数:10本)で評価し
た。図中の数字は破断本数である。したがつて数
字の多いほど冷延性能が悪いことを意味する。P
が0.015%以下、ΔTが0以下になれば冷延時の板
破断が少なくなり、本発明範囲で冷延性能が優れ
ていることがわかる。 焼鈍は従来法の箱焼鈍でなく、連続焼鈍で行な
う。焼鈍サイクルは再結晶温度〜850℃の温度域
で5秒〜3分間の短時間再結晶焼鈍を行なう。好
ましい範囲は680℃〜750℃である。必要に応じ
て、(250〜450)℃×(30秒〜5分)の過時効処理
を行なうが、過時効処理を行なうことによつて軟
質ブリキ原板が安定して得られるので、(250〜
450℃)×30秒以上の過時効処理を行なうことが好
ましい。 引続いて、スキンパス圧延を行なう。スキンパ
スは表面処理ラインを通板する時の腰折れ発生防
止、表面処理後の製缶時のフルーテイングと呼ば
れている腰折れ発生防止等、シヤープな降伏点現
象に起因する不都合を無くするため必要である。 しかしながら、スキンパス圧延のみでは、T−
1グレードのフルーテイング性の良好な鋼板を製
造することができない。そこで発明者等は、T−
1グレードの表面処理原板のフルーテイング性を
良好ならしめる技術的手段について種々検討を重
ねた結果、通常行われる、0.5〜1.5%程度のスキ
ンパス圧延の後に、鋼板にレベラ加工を施し、表
面処理に供すれば、表面処理鋼板のフルーテイン
グ性を良好ならしめ得ることを知見した。 第3図はスキンパス圧延後のレベラー加工の有
無により、表面処理鋼板の硬度−フルーテイング
性を示したものである。図からわかるようにスキ
ンパス圧延のみの時は、スキンパス率が2.0%以
上でフルーテイング性が良好となる。しかし2.0
%以上のスキンパス圧延材は硬度が高くなり、T
−1グレードの軟質ブリキ板となり得ない。一方
スキンパス圧延後にレベラー加工を行なつたもの
は1.0%程度のスキンパスでフルーテイング性が
良好となる。 なおフルーテイング性の評価は1〜5段階の評
点をつけて行なつた。評点1は全く腰折れが無い
もの、評点5は著しく腰折れが発生したもの、1
〜5の中間を腰折れの状況より2、3、4の評点
とした。 冷延鋼板ではスキンパス圧延後にレベラー加工
を行なうと時効による降伏点伸びの回復が早くな
るといわれているが、逆に本発明でスキンパス後
にレベラー加工をすればフルーテイング性が良好
になる。したがつてスキンパス後レベラー加工を
行なうことによつてT−1、T−2の軟質な表面
処理鋼板が安定して得られる。 上述のように、本発明の方法によれば連続焼鈍
でT−1グレードが容易に製造可能である。した
がつて、焼鈍後にスキンパス率を変えて表面処理
原板のテンパー度を調整する方法(特公昭51−
4116号公報で提案されている)を本発明と組合せ
れば鋼成分、熱延、焼鈍条件を一定として、スキ
ンパス率を変えることにより全グレードの表面処
理原板(ブリキ、T.F.S.)の製造も可能である。 (実施例) 第1表に示す鋼を転炉で溶製し、連続鋳造した
鋼片を第1表記載の条件で2.7mmまで熱延し、続
いて0.32mmまで冷間圧延した。続いて第1表記載
の条件で焼鈍し、スキンパス、レベラーを行な
い、表面処理を行なつた。その成品の硬度および
フルーテイング性を同様に第1表に示した。本発
明範囲内の1〜4のコイルフルーテイング性が優
れており、しかも硬度が低く、T−1、T−2レ
ベルとなつている。 一方、比較材の内、コイルNo.5〜8は成分、製
造条件とも上述のコイルと同様であるが、No.5は
スキンパス率が2%以上、レベラー無しであり、
No.6〜8はレベラー無しの場合であり、またコイ
ルNo.9は熱延加熱温度が本発明より外れた場合で
ある。この場合、コイルNo.5はフルーテイング性
が良いが硬度は高くなつており、No.9は如何に適
正なスキンパス、レベラーを加えても硬度、フル
ーテイング性が劣つていることを示している。
ート等の表面処理原板の製造方法に関し、特に、
連続焼鈍によつてT−1、T−2グレードの軟質
表面処理原板を製造する方法に関するものであ
る。 (従来の技術) ブリキ、テインフリー鋼板はその調質度がJIS
G3303によつて規定されており、ロツクウエル硬
度(HR−30T)で軟質なものから、T−1(49±
3)、T−2(53±3)、T−3(57±3)、T−4
(61±3)、T−5(65±3)、T−6(69±3)、
DR−8、DR−9およびDR−10に区分されてい
る。このうちT−1〜T−3のいわゆる軟質板は
従来箱焼鈍法により、T−4以上の硬質材は連続
焼鈍法で製造されていた。しかし箱焼鈍では連続
焼鈍に比し、形状が劣り、コイル長手方向の機械
的性質が不均一、かつ生産性が劣るという欠点を
有し、しかも製造コストが高い。 このようなT−1〜T−3の軟質表面処理原板
の製造に連続焼鈍を用いれば上記の箱焼鈍の欠点
を克服することができるので、過去に研究がなさ
れているが、箱焼鈍法に比較して多くの問題点を
有し連続焼鈍法が実用化されてない。その大きな
理由は製鋼コストの増大あるいは熱延作業の不安
定さ、および製品特性が劣ることにある。 連続焼鈍法を用いて軟質表面処理原板を製造す
る従来技術として特公昭55−45574号、特開昭58
−197224号公報で開示されている。 特公昭55−45574号公報の技術思想はC、Mn、
Al、N量を規定したアルミ・キルド鋼を用い、
熱延を(オーステナイト+フエライト)の2相域
の圧延と巻取時にAlNの析出、熱延板の結晶粒
の粗大化により、焼鈍時の粒成長を計る点にあ
る。しかし熱間圧延を2相域(オーステナイト+
フエライト)で行なうと良く知られているよう
に、フエライトとオーステナイトの変形能、変形
応力のちがいのため熱延時の通板性に問題があ
り、また鋼帯の形状が悪く低炭素アルミ・キルド
鋼では、得られた成品の面内異方性が大きくな
る。 特開昭58−197224号の技術思想はC量を0.0040
%以下と極低炭素化による軟質化を計り、必要に
応じNb添加によりNbCを析出させることで時効
による硬度上昇を低減しようとする点にある。ま
たr値の面内異方性を小さくする方法として、熱
延をオーステナイト+フエライトの2相域で圧延
する点にある。しかし、C量を0.004%以下に低
減するためには通常の転炉製鋼法のみで溶製する
ことが不可能で、真空脱ガス処理を行なう必要が
あり、コストが高くなる。またNbの添加もコス
トが高くなる。この方法でも熱延仕上温度を700
〜880℃とオーステナイト+フエライトの2相域
圧延を必要とするため、熱延時の通板性および鋼
板の形状が悪くなり、安定な操業を行なうのがむ
ずかしいという欠点もある。 ブリキ、テインフリー鋼板は、0.2〜0.30mm程
度の極薄板が主流であり、この場合、必然的に冷
間圧延では高圧下率冷延となる。そのため冷延時
の圧延負荷が大きくなり、しかも冷延時の板破断
の発生も多くなり、冷延の生産性を阻害する原因
となつている。 ブリキ、テインフリーの軟質鋼板は3ピース缶
の胴板に使用されていたが、近年、多段絞り加
工、深絞り加工後にしごき加工等で缶体にも使用
されている。缶体に使用される場合には軟質であ
ることのほかにプレス加工性が優れていることが
必要であり、プレス加工時にイヤリングが大きい
と歩留りが低下するため、値と共に値の面内
異方性が小さいことが要求される。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は、軟質表面処理原板を連続焼鈍法で製
造する際の、従来法における上記問題点を解決す
ることを目的としてなされた。 (課題を解決するための手段) 本発明の特徴とする処は、 重量%で、 C:0.010〜0.050%、 Mn:0.10〜0.30%、 P≦0.010%、 Al:0.030〜0.10%、 N≦0.0050%、 残部:Feおよび不可避的不純物からなる低炭
素アルミ・キルド鋼片を、T(℃)=6875/
(3.865−log[Al%])−270なる関係を満足する温
度(T(℃))以下の温度域に加熱して熱間圧延
し、次いで80%以上の圧下率を適用する冷間圧延
を施した後、再結晶温度〜850℃の温度域で5秒
〜3分間の、連続焼鈍法による再結晶焼鈍を施
し、調質圧延し、次いでレベラ加工を施すことを
特徴とする連続焼鈍による軟質表面処理原板の製
造法にある。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の鋼成分においては、Cは鋼を硬質化す
るので、その上限を0.050%とする。C量をより
少なくすることにより本発明の特徴を顕現するの
で、下限値は現在の製鉄技術で可能な0.001%程
度まで包含するが、Cを0.01%以下とするために
は真空脱ガス処理等の特殊処理が必要となり、コ
スト上昇をまねくので、工業的な観点から0.010
%以上とすることが好ましい。またC量が高くな
ると焼鈍温度の上昇とラインスピードを遅くする
必要があるので、0.035%以下とすることが好ま
しい。 Mnは不可避的不純物であるSによる熱間脆性
を防止するため0.05%以上含有させる必要がある
が、0.50%を超えるとCと同様に鋼を硬質化し、
本発明の特徴を失う。好ましい範囲は0.10〜0.30
%である。 Alは本発明の重要な構成要件である。Al量と
熱延加熱温度を特定することで、顕著な軟質化と
良加工性の表面処理原板が安定して製造できる。
すなわち熱延仕上温度がAr3点以上で操業できる
ので、熱延の通板性、板形状が良好で、しかも板
厚精度がすぐれた熱延ができる。またブリキ原板
のように高圧下率の冷間圧延しても板破断が少な
く、加えて連続焼鈍によりテンパー度T−1、T
−2の高r値、低Δrの軟質表面処理原板の製造
が可能である。 第1図は、C:0.015〜0.025%、Mn:0.15〜
0.25%、P:0.006%〜0.010%、Al:0.030〜0.100
%、N:0.0040%以下の鋼について、熱延加熱温
度(T℃)=[6875/(3.865−log[Al%])−270]
とブリキ板の硬度、r値、Δrの関係を示す。第
1図は多数の実験の範囲で示した。 第1図の製造条件は次のとおりである。 Γ熱延仕上温度:870〜910℃ Γ熱延巻取温度:550〜650℃ Γ冷間圧延率:87〜91% Γ焼鈍条件:700℃×30秒+400℃×60秒 Γ調質圧延:1.5% Γメツキ:電気スズメツキ+リフロー処理 第1図よりわかるように、熱延加熱温度TがT
℃6875/(3.865−log[Al%])−270を満足すれ
ば硬度(HR30T)が低くなり、T−1グレード
(T−2グレードの下限も含む)で、値が高く、
Δrも小さくなることがわかる。値は加工性
(深絞り性)の指標であり、値が高いほど加工
性が優れている。Δrは深絞り加工時のフランジ
異方性の原因となり、Δrの絶対値が少ないほど
フランジの異方性が少なくなる。即ち成品歩留り
が高くなる。T℃=6875/(3.865−log[Al%])
−270は鋼成分、熱延条件とブリキ板の硬度との
関係について、有意な関係にあり、Al量、加熱
温度について実験的に求めた式である。 Alは0.030%以下になるとT℃=6875/(3.865
−log[Al%])−270の関係により、加熱温度が低
くなり、現在の製鉄技術ではAr3点以上で熱延を
終了することが困難になる。したがつて本発明の
目的の一つである操業の安定性を悪くするため、
0.03%以上を必要とする。Al量が0.10%を超える
と鋼を硬質化し、また表面疵も増加する。好まし
い範囲は0.045〜0.090%である。 Pは鋼板を硬質化する元素であるため、0.015
%以下にする必要がある。好ましい範囲は0.010
%以下である。 Nは鋼の溶製過程で空気中のNより混入する結
果、不純物として含有されるが、Nが鋼中に固溶
すると、また微細なAlNとして析出すると、軟
質な鋼板が得られないので、0.0050%以下にする
必要がある。好ましい範囲は0.0040%以下であ
り、少ないほど好ましい。しかし、現行製鋼技術
ではNの低減によつてコストアツプを招くが、本
発明ではAl量と熱延加熱温度の特定によつてN
量を20ppm以下にまで低減させる必要はないの
で、本発明では製鋼作業も容易かつ低コストであ
るという特徴を有する。 本発明の鋼片は転炉等の通常の溶解炉で溶製さ
れ、必要に応じ、真空脱ガス処理され、造塊・分
塊され、または連続鋳造し、製造される。 熱延のための加熱温度は先に述べたようにT
(℃)=6875/(3.865−log[Al%])−270以下の範
囲で行なわれる。 熱延仕上温度はAr3点以上にすることが好まし
い。仕上温度がAr3点以下となると鋼帯の形状が
悪くなり、安定な操業を行なうのがむずかしくな
り、しかも成品の材質特性の面内異方性が大きく
なる。勿論、これらの問題点が無い場合、仕上温
度をAr3点以下にすることによつて、本発明鋼板
は従来法よりもさらに軟質にすることができる。 巻取温度は連続焼鈍材の材質特性に影響するこ
とが知られている。深絞り用冷延鋼板を連続焼鈍
で製造する場合、高温巻取により炭化物が塊状化
し、成品の加工性(値、伸び)の向上を計つて
いるが、ブリキ、T.F.S.のように板厚の薄いもの
は、加工時に割れが発生しやすくなる。したがつ
て炭化物の形状、分布の関係から巻取温度は710
℃以下とすることが望ましい。また巻取温度があ
まり低くなると鋼板を硬質化する。好ましい範囲
は575〜690℃である。 ついで脱スケール処理を行ない、冷間圧延に供
される。冷延率は通常の表面処理鋼板(ブリキ、
T.F.S.)と同様に80%以上の高圧下冷延を行な
う。 第2図は第1図と同一素材を用いて、P量とT
℃−{6875/(3.865−log[Al%])−270}と板破
断の関係を示したものである。板破断は実験室で
板厚3.2mmの熱延コイルの端部に切欠ノツチを入
れ板厚0.32mmまで(冷延率:90%)冷延し、板破
断した本数(同一条件の試験数:10本)で評価し
た。図中の数字は破断本数である。したがつて数
字の多いほど冷延性能が悪いことを意味する。P
が0.015%以下、ΔTが0以下になれば冷延時の板
破断が少なくなり、本発明範囲で冷延性能が優れ
ていることがわかる。 焼鈍は従来法の箱焼鈍でなく、連続焼鈍で行な
う。焼鈍サイクルは再結晶温度〜850℃の温度域
で5秒〜3分間の短時間再結晶焼鈍を行なう。好
ましい範囲は680℃〜750℃である。必要に応じ
て、(250〜450)℃×(30秒〜5分)の過時効処理
を行なうが、過時効処理を行なうことによつて軟
質ブリキ原板が安定して得られるので、(250〜
450℃)×30秒以上の過時効処理を行なうことが好
ましい。 引続いて、スキンパス圧延を行なう。スキンパ
スは表面処理ラインを通板する時の腰折れ発生防
止、表面処理後の製缶時のフルーテイングと呼ば
れている腰折れ発生防止等、シヤープな降伏点現
象に起因する不都合を無くするため必要である。 しかしながら、スキンパス圧延のみでは、T−
1グレードのフルーテイング性の良好な鋼板を製
造することができない。そこで発明者等は、T−
1グレードの表面処理原板のフルーテイング性を
良好ならしめる技術的手段について種々検討を重
ねた結果、通常行われる、0.5〜1.5%程度のスキ
ンパス圧延の後に、鋼板にレベラ加工を施し、表
面処理に供すれば、表面処理鋼板のフルーテイン
グ性を良好ならしめ得ることを知見した。 第3図はスキンパス圧延後のレベラー加工の有
無により、表面処理鋼板の硬度−フルーテイング
性を示したものである。図からわかるようにスキ
ンパス圧延のみの時は、スキンパス率が2.0%以
上でフルーテイング性が良好となる。しかし2.0
%以上のスキンパス圧延材は硬度が高くなり、T
−1グレードの軟質ブリキ板となり得ない。一方
スキンパス圧延後にレベラー加工を行なつたもの
は1.0%程度のスキンパスでフルーテイング性が
良好となる。 なおフルーテイング性の評価は1〜5段階の評
点をつけて行なつた。評点1は全く腰折れが無い
もの、評点5は著しく腰折れが発生したもの、1
〜5の中間を腰折れの状況より2、3、4の評点
とした。 冷延鋼板ではスキンパス圧延後にレベラー加工
を行なうと時効による降伏点伸びの回復が早くな
るといわれているが、逆に本発明でスキンパス後
にレベラー加工をすればフルーテイング性が良好
になる。したがつてスキンパス後レベラー加工を
行なうことによつてT−1、T−2の軟質な表面
処理鋼板が安定して得られる。 上述のように、本発明の方法によれば連続焼鈍
でT−1グレードが容易に製造可能である。した
がつて、焼鈍後にスキンパス率を変えて表面処理
原板のテンパー度を調整する方法(特公昭51−
4116号公報で提案されている)を本発明と組合せ
れば鋼成分、熱延、焼鈍条件を一定として、スキ
ンパス率を変えることにより全グレードの表面処
理原板(ブリキ、T.F.S.)の製造も可能である。 (実施例) 第1表に示す鋼を転炉で溶製し、連続鋳造した
鋼片を第1表記載の条件で2.7mmまで熱延し、続
いて0.32mmまで冷間圧延した。続いて第1表記載
の条件で焼鈍し、スキンパス、レベラーを行な
い、表面処理を行なつた。その成品の硬度および
フルーテイング性を同様に第1表に示した。本発
明範囲内の1〜4のコイルフルーテイング性が優
れており、しかも硬度が低く、T−1、T−2レ
ベルとなつている。 一方、比較材の内、コイルNo.5〜8は成分、製
造条件とも上述のコイルと同様であるが、No.5は
スキンパス率が2%以上、レベラー無しであり、
No.6〜8はレベラー無しの場合であり、またコイ
ルNo.9は熱延加熱温度が本発明より外れた場合で
ある。この場合、コイルNo.5はフルーテイング性
が良いが硬度は高くなつており、No.9は如何に適
正なスキンパス、レベラーを加えても硬度、フル
ーテイング性が劣つていることを示している。
【表】
【表】
(発明の効果)
本発明は素材コストが安く、しかも製造時の操
業性が安定し、且つ、低コストで加工性の優れた
軟質表面処理鋼板を提供することができるので、
その工業的効果は甚大である。
業性が安定し、且つ、低コストで加工性の優れた
軟質表面処理鋼板を提供することができるので、
その工業的効果は甚大である。
第1図はT℃(熱延加熱温度)−[6875/
(3.865−log[Al%])−270]と成品板のHR30T、
r、Δrの関係を示した図、第2図はT℃(熱延
加熱温度)−[6875/(3.865−log[Al%])−270]
とP量と冷延時の板破断の関係を示した図、第3
図はスキンパス率とフルーテイング性、HR30T
におよぼすレベラー附加の影響を示す図である。
(3.865−log[Al%])−270]と成品板のHR30T、
r、Δrの関係を示した図、第2図はT℃(熱延
加熱温度)−[6875/(3.865−log[Al%])−270]
とP量と冷延時の板破断の関係を示した図、第3
図はスキンパス率とフルーテイング性、HR30T
におよぼすレベラー附加の影響を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、 C:0.010〜0.050%、 Mn:0.10〜0.30%、 P≦0.010%、 Al:0.030〜0.10%、 N≦0.0050%、 残部:Feおよび不可避的不純物からなる低炭
素アルミ・キルド鋼片を、T(℃)=6875/
(3.865−log[Al%])−270なる関係を満足する温
度(T(℃))以下の温度域に加熱して熱間圧延
し、次いで80%以上の圧下率を適用する冷間圧延
を施した後、再結晶温度〜850℃の温度域で5秒
〜3分間の、連続焼鈍法による再結晶焼鈍を施
し、調質圧延し、次いでレベラ加工を施すことを
特徴とする連続焼鈍による軟質表面処理原板の製
造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13503585A JPS61291922A (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | 連続焼鈍による軟質表面処理原板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13503585A JPS61291922A (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | 連続焼鈍による軟質表面処理原板の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61291922A JPS61291922A (ja) | 1986-12-22 |
| JPH0210854B2 true JPH0210854B2 (ja) | 1990-03-09 |
Family
ID=15142419
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13503585A Granted JPS61291922A (ja) | 1985-06-20 | 1985-06-20 | 連続焼鈍による軟質表面処理原板の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61291922A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2602699B2 (ja) * | 1988-09-07 | 1997-04-23 | 日新製鋼株式会社 | 極低炭素Tiキルド冷延鋼板のフクレ疵の防止方法 |
| JPH0328324A (ja) * | 1989-06-23 | 1991-02-06 | Nippon Steel Corp | アルミ添加による軟質容器材料用鋼板の製造法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59173222A (ja) * | 1983-03-24 | 1984-10-01 | Nippon Steel Corp | 軟質表面処理用原板の製造法 |
| JPS6123719A (ja) * | 1984-07-09 | 1986-02-01 | Nippon Steel Corp | 連続焼鈍による耐フル−テイング性の優れた軟質表面処理用鋼板の製造方法 |
| JPS6126724A (ja) * | 1984-07-18 | 1986-02-06 | Nippon Steel Corp | 連続焼鈍による極軟質表面処理用原板の製造方法 |
| JPS61207520A (ja) * | 1985-03-13 | 1986-09-13 | Kawasaki Steel Corp | 軟質の非時効性表面処理用鋼板の製造方法 |
-
1985
- 1985-06-20 JP JP13503585A patent/JPS61291922A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61291922A (ja) | 1986-12-22 |
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|---|---|---|---|
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