JPH0212239B2 - - Google Patents
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- JPH0212239B2 JPH0212239B2 JP14875581A JP14875581A JPH0212239B2 JP H0212239 B2 JPH0212239 B2 JP H0212239B2 JP 14875581 A JP14875581 A JP 14875581A JP 14875581 A JP14875581 A JP 14875581A JP H0212239 B2 JPH0212239 B2 JP H0212239B2
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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Description
本発明は、ジペプチドエステルとアミノ酸エス
テルとの付加化合物の処理方法に関するものであ
る。更に詳しくはジペプチドエステルとアミノ酸
エステルとの付加化合物を含む水性懸濁液を有機
溶媒で分離したのち酸で分解して両成分を分離す
る方法に関するものである。 ジペプチドエステル、例えばN−ベンジルオキ
シカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フエ
ニルアラニン低級アルキルエステルとアミノ酸エ
ステル、例えばフエニルアラニン低級アルキルエ
ステル、やバリン低級アルキルエステルなどとの
付加化合物は、甘味剤であるα−L−アスパルチ
ル−L−フエニルアラニン低級アルキルエステル
への中間体として、あるいはラセミ体アミノ酸エ
ステルの光学分割の中間体などとして有用な化合
物である。 この様な付加化合物はN−保護アミノジカルボ
ン酸とアミノ酸エステルを水性媒体中、蛋白分解
酵素の存在下で反応させることにより(特開昭53
−92729、特開昭54−9226)、あるいはジペプチド
エステルとアミノ酸エステルとを水などの溶媒中
で反応させること(特開昭55−19234、特開昭55
−73644)などにより得られる。これらの反応で
は付加化合物は溶媒中へ固相の形で析出する。従
つてこの様な溶媒、特に水性媒体からこの付加化
合物をいかに効率よく回収し、構成成分であるジ
ペプチドエステルとアミノ酸エステルに分解して
両成分を分離するかは重要な課題である。 前述した公知の方法ではこの付加化合物の分離
を過で行ない、ジペプチドエステルへの分解及
びアミノ酸エステルとの分離を酸水溶液による分
解及びそれに引続く過又は有機溶媒による抽出
によつて行つている。また付加化合物を過によ
つて分離後水と有機溶媒との混合溶液に溶解し、
H−型イオン交換樹脂で処理して分解分離するこ
とも開示されている。 一方この付加化合物を溶媒抽出により、有機溶
媒中への均一溶液として分離することも知られて
いる(特開昭54−11295)。 しかしながら抽出を効率よく行うためには、水
と相分離可能で付加化合物等に対する溶解力の大
きい有機溶媒を使用する必要があるが、この様な
有機溶媒は酢酸エチル等のエステル類やクロロホ
ルム、二塩化エタン等のハロゲン化アルキル類等
比較的限られている。しかし、エステル類につい
ては加水分解の恐れがある。またハロゲン化アル
キル類については発ガン性の問題がある等の点
で、食品原料となり得る付加化合物の処理工程で
の使用は極力避けるべきである。 一方付加化合物等に対する溶解力の小さい有機
溶媒を用いるとすれば、溶解による抽出を前提と
する限り大量に使用することが必要となり、経済
上も問題がある。 本発明者らはこの様な問題点を解決するため、
付加化合物の分離、分解及び分解生成物の分離等
について更に検討した結果、水相と有機溶媒相の
二相系において付加化合物の結晶が固相状態で有
機溶媒相に取り込まれること及びこの有機溶媒相
を水相と分離後水及び酸で処理すると分解生成す
るジペプチドエステルは有機溶媒相に残り、アミ
ノ酸エステルは水相に移ることを見出して本発明
を完成した。 即ち本発明は一般式 で表わされるジペプチドエステルとアミノ酸エス
テルとの付加化合物(式中R1及びR4は低級アル
キル基、R2及びR3はアミノ酸の側鎖基、Xは核
に置換基を有することのあるベンジルオキシカル
ボニル基であり、nは1又は2である)を固相で
含む水性混合液に水と二相を形成することのでき
る有機溶媒を加えて混合し、この付加化合物の実
質的部分を固相で含む有機溶媒相と水相との二液
相を形成させ、有機溶媒相を水相から分離し、有
機溶媒相に水及び酸を加えて混合接触させ、一般
式 で表わされるジペプチドエステル(式中R3、R4、
X及びnは前記同様である)を含む有機溶媒相
と、一般式 で表わされるアミノ酸エステル(式中R1及びR2
は前記同様である)を含む水相との二液相を形成
させ、有機溶媒相と水相を分離することを特徴と
するジペプチドエステルとアミノ酸エステルとの
付加化合物の処理方法を提供するものである。 本発明で、出発原料として用いる水性混合液中
に固相で含まれる一般式()の付加化合物は、
その式中nが1のときアスパラギン酸のnが2の
ときブルタミン酸の骨格を含むものである。 R2およびR4はそれぞれ互に共通又は別異のメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低
級アルキル基である。 R2およびR3はそれぞれメチル基、イソプロピ
ル基、イソブチル基、イソアミル基、ベンジル
基、p−ヒドロキシベンジル基等のアミノ酸の側
鎖基であり、互に共通のときと別異のときを含
む。R3としてはベンジル基が特に好ましい。 Xはベンジルオキシカルボニル基、p−メトキ
シベンジルオキシカルボニル基の様な核に置換基
を有することのあるベンジルオキシカルボニル基
である。 一般式()で表わされる付加化合物を固相で
含む水性混合液は一般式 で表わされるアミノ酸エステルと一般式 で表わされるN−保護アミノジカルボン酸(式中
X及びnは前記同様の意味を表わす)を水性媒体
中、蛋白分解酵素の存在下で反応させて、水性媒
体中に一般式()で表わされる付加化合物を析
出させることにより調製することができる。この
場合R3はR2とR4はR1と共通である。またこの場
合、一般式()で表わされるアミノ酸エステル
及び一般式()で表わされるN−保護アミノジ
カルボン酸として、各々のL−体を用いてもラセ
ミ体を用いても得られる一般式()で表わされ
る付加化合物のジペプチド部分は常にLL−型で
ある。アミノ酸エステル部分は用いる一般式
()で表わされるアミノ酸エステルがL−体の
ときはこれに従うが、ラセミ体のときはほとんど
D−型である。 なお以下一般式()で表わされる付加化合
物、同()で表わされるジペプチドエステル、
同()で表わされるアミノ酸エステル及び同
()で表わされるN−保護アミノジカルボン酸
はそれぞれ付加化合物、ジペプチドエステル、ア
ミノ酸エステル及びN−保護アミノジカルボン酸
と云う。 上述の方法による付加化合物の調製は特開昭53
−92729号公報等に記載されている公知の条件に
従つてよい。 この水性混合液はまた特開昭55−19234号公報
及び同55−73644号公報等に開示されている様に
ジペプチドエステルを水性溶媒中でアミノ酸エス
テルと反応させることによつても調製できる。こ
の場合、ジペプチドエステルのLL−体を用いて
ラセミ体のアミノ酸エステルと反応させると主に
D−体のアミノ酸エステルと付加化合物を形成す
る。このようにして得られた付加化合物を含む水
性混合液を本発明に従つて処理すれば、光学分割
をうけたアミノ酸エステルを水相から、有機相か
らジペプチドエステルをそれぞれ回収することが
できる。 本発明で用いる水性混合液中の付加化合物に対
する水の量は付加化合物1重量部に対して約0.3
ないし、約20重量部、好ましくは約0.5ないし約
15重量部、最も好ましくは約1ないし約10重量部
である。 本発明の方法において使用される有機溶媒とし
ては、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類
n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等
の脂肪族系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル等のエーテル類、メチルイソ
ブチルケトン、ジブチルケトン等の水と二相を形
成することのできるケトン類、又は、これらの混
合液を好適な例として挙げることができる。これ
ら以外の有機溶媒についても二相の形成を妨げな
い程度であれば、これら有機溶媒と混合して使用
してもさしつかえない。 本発明では付加化合物を有機溶媒中へのスラリ
ーとして分離して処理するものであるから、有機
溶媒は付加化合物の実質的部分を溶解する程多量
に用いるものでなく、その添加量は付加化合物1
重量部に対して約1ないし約20重量部、好ましく
は約2ないし約15重量部、最も好ましくは約3な
いし約10重量部である。 本発明の方法において、ジペプチドエステルの
Xがベンジルオキシカルボニル基の場合には有機
溶媒としてトルエンを用いると後述の様に容易に
回収、反復使用ができるので特に有利である。 本発明で付加化合物の実質的部分を固相で含む
有機溶媒相として分離した有機溶媒相に添加する
水の量は付加化合物1重量部に対して後述する酸
から由来する水と合せて約0.5ないし約15重量部
好ましくは約1ないし約10重量部である。酸を水
溶液として用いるときは、必要な水を酸の水溶液
の形で添加してもよい。そのときは水を別個に添
加しなくてもよい。 本発明の方法において付加化合物と反応させる
ために水とともに添加する酸としては、無機又は
有機のブロンステツド酸を用いる。無機のブロン
ステツド酸の例としては塩酸、臭化水素酸、硫
酸、リン酸等を挙げることができる。有機のブロ
ンステツド酸の例としてはギ酸、酢酸、クエン
酸、トルエンスルホン酸等を挙げることができ
る。これらの酸は水溶液の形で用いることができ
る。その濃度には格別の限定はないので、水の添
加量が前述した範囲となる様他律的に定めてよ
い。 またH−型陽イオン交換樹脂等の固体の酸も使
用することができる。この場合、この様な固体酸
は系の最下部に沈降する。 本発明の出発原料である水性混合液中の付加化
合物に対する酸の使用量は本発明が本質的に付加
化合物のアミノ酸エステルの部分を酸によつて電
離させ、その塩の水溶液とするものである(ただ
し固体酸を用いるときはアミノ酸エステルは固体
酸の水素イオンとイオン交換されて液相系外へ出
る。)から、化学量論量又はそれ以上即ち付加化
合物1モルに対して約1ないし約100当量、好ま
しくは約1ないし約20当量、最も好ましくは約1
ないし約10当量程度である。しかし、目的により
付加化合物は必ずしもそれ程の高純度を必要とし
ない場合もあり得るので、その様な場合は化学量
論以下の量を用いることを妨げるものでない。 本発明では付加化合物の分解後のジペプチドエ
ステルの分離は通常有機溶媒中へのスラリーの形
で行われる。しかし有機溶媒として水と二相を形
成することのできるケトン類を用いる場合はそれ
らの溶液の形で行なうことができる。 本発明の方法において付加化合物を処理すると
きの温度は通常約0ないし約100℃、好ましくは
約5ないし約80℃である。付加化合物の分解反応
は撹拌が十分であれば、通常10分以内以内程度で
終結する。 但し、保護基Xが比較的加水分解され易い基、
例えばp−メトキシベンジルオキシカルボニル基
の様な場合は、積極的にこれらの基の離脱を同時
に行なう場合及びその離脱を許しても支障のない
場合を除き、これらの基の離脱を起さない様、反
応時間及び反応温度に注意する必要がある。 付加化合物は、固体であるが酸との接触によつ
て分解されて、ジペプチドエステル及びアミノ酸
エステルと酸との塩となる。ジペプチドエステル
は、酸性水溶液に対する溶解度が小さいので、そ
の実質的部分がスラリー又は溶質として有機相に
存在する。一方アミノ酸エステルの塩は酸性水溶
液によく溶解するので、液相中に溶け込む。固体
酸を用いたときはその塩として沈殿する。 こうして反応系は付加化合物をスラリー又は溶
質として含む有機相と通常アミノ酸エステルの塩
の水溶液との二相系になる。得られた二相系の分
離は慣用の液液分離の方法により行うことができ
る。アミノ酸エステル固体酸塩からの回収も慣用
の手段で容易にできる。 有機スラリー相からは慣用の方法、例えば
過、遠心沈降もしくは有機溶媒を留去すること等
により、ジペプチドエステルを回収することがで
きる。また、有機スラリー相は、そのまま次工程
において脱保護基反応等を行うことができる。特
にジペプチドエステルの一般式()中のXがベ
ンジルオキシカルボニル基で有機溶媒がトルエン
の場合にはこの分離した有機スラリー相に水を加
え、還元的にベンジルオキシカルボニル基の離脱
を行うと、アミノ酸の保護基の離脱したジペプチ
ドエステルが水相に移るので効果的にN−保護基
の離脱を行なうことができると同時に、離脱した
保護基はトルエンとなり、これは溶媒のトルエン
と共通であるので、この離脱反応で溶媒を汚染す
ることがない。それ故こうして使用された溶媒ト
ルエンは容易に回収され再使用できる。 この方法は付加化合物の一般式()中のR1
及びR4がメチル基、nが1の場合に適用して低
カロリー甘味剤であるアスパルテームを製造する
工業的方法として特に有効である。 本発明の方法において有機相から分離した酸性
水相からは、慣用の方法、例えばこれを濃縮して
アミノ酸エステルを塩の形で晶出させるとか、或
は液性をアルカリ性とした後、適当な有機溶媒で
抽出する等の方法によつてアミノ酸エステルを回
収することができる。固体酸塩からのアミノ酸エ
ステルの回収も慣用の手法で容易にできる。 なお、本発明で用いる原料の成分である付加化
合物を前述した特開昭53−92729号の方法で得た
場合には、そのジペプチドエステル部分はLL−
型であるが、アミノ酸エステル部分はL−型の場
合、D−型の場合及び両者の混合型の場合があり
得る。本発明の方法はこのいずれの場合にも適用
可能である。またジペプチドエステル部分がDD
−型、DL−型、又はLD−型の場合にも適用可能
である。 本発明で得られるジペプチドエステルは、ペプ
チド合成での中間体として、それ自体有用である
が、そのアミノ基の保護基Xを離脱させて得られ
るジペプチドエステルも亦有用な化合物である。
例えば、すでに述べた様にα−L−アスパルチル
−L−フエニルアラニンメチルエステルは甘味剤
として有用である。またジペプチドエステルとラ
セミ体アミノ酸エステルとを混合して形成した付
加化合物からは、光学分割を受けたアミノ酸エス
テルを得ることができるので、光学分割法として
も有用である。 以上の説明から明らかな様に本発明の方法によ
れば付加化合物を溶解する必要がないので、少量
の有機溶媒を用いて効果的に付加化合物の処理を
行うことができるので、工業的に有利なことは明
らかである。 実施例 1 N−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラ
ギン酸53.45gとDL−フエニルアラニンメチルエ
ステル塩酸塩107.84gを2のフラスコにとり蒸
留水400ml、5N水酸化ナトリウム水溶液100mlお
よび粗製サーモライシン(サーモアーゼPS−
160、商標、大和化成(株)製)7.2g、酢酸カルシウ
ム・一水塩1.3gを加え、40℃で撹拌しながら反応
させた。8時間後反応混合液は反応生成物を懸濁
状で含む水性混合液となつた。この水性混合液に
トルエン700mlを加え、40℃で20分間撹拌混合し
た。撹拌を止めると固形物を懸濁状で含有するト
ルエン相と均一透明な水相とに分離した。固形物
は、一部サンプリングして酢酸エチル−n−ヘキ
サンより再結晶後、分析を行い元素分析、
NMR、IRおよび旋光度が、特開昭53−92729号
に開示されたデーターと一致することから、N−
ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチ
ル−L−フエニルアラニンメチルエステル(以下
Z−APMと云う)と主にD−体のフエニルアラ
ニンメチルエステル(以下D−PMという)との
1:1付加化合物であることを確認した。 トルエン相は水相から分離したのち、1N−塩
酸水溶液500mlを加え60℃で1時間撹拌混合した。
約20分間静置したのち、固形分を含むトルエン相
を均一透明水相から分離した。 トルエン相は200mlの蒸留水で60℃で2回洗浄
後、室温まで冷却し、トルエン相の結晶をガラス
フイルターにより減圧下に取し、乾燥後Z−
APM73.42g(原料からの総合収率85.2%、純度
99.4%)を得た。 実施例 2 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アス
パラギン酸53.45gとL−フエニルアラニンメチル
エステル塩酸塩86.27gを2のフラスコにとり、
蒸留水350ml、5N−水酸化ナトリウム水溶液90ml
および、粗製サーモライシン(サーモアーゼPS
−160、商標、大和化成(株)製)4.8g、酢酸カルシ
ウム一水塩0.9gを加え40℃で撹拌しながら反応さ
せた。5時間後に反応混合液にトルエン600mlを
加え40℃で20分間撹拌混合した。撹拌を止めると
固形物を懸濁状で含有するトルエン相と均一透明
な水相とに分離した。固形物は、一部サンプリン
グして酢酸エチル−n−ヘキサンより再結晶後分
析を行い、元素分析、NMR、IRおよび旋光度が
特開昭53−92729号に開示されたデーターと一致
することから、N−ベンジルオキシカルボニル−
α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメ
チルエステル(Z−APM)とL−フエニルアラ
ニンメチルエステル(以下L−PMと云う)との
1:1付加化合物であることを確認した。 トルエン相は水相から分離したのち、1N−塩
酸水溶液500mlを加え60℃で1時間撹拌混合した。
約20分間静置したのち固形分を含むトルエン相と
均一透明水相とを分離した。室温まで冷却後トル
エン相の結晶をガラスフイルターにより、減圧下
に取し乾燥後Z−APM73.27g(原料からの総合
収率85.3%、純度99.7%)を得た。 実施例 3 Z−APMとD−PMとの1:1付加化合物
4.25gをトルエン35mlに懸濁させた液に1N−塩酸
水溶液10mlおよび蒸留水20mlを加え60℃で30分間
撹拌した。約20分間静置後、固形分を含むトルエ
ン相を均一透明な水相から分離した。トルエン相
は20mlの蒸留水で2回洗浄後、ロータリーエバポ
レーターで溶媒を留出させZ−APM2.92g(純度
99.7%)を得た。 実施例 4 トルエンのかわりにジイソプロピルエーテルを
用いた以外は、実施例3と同様にして操作を行つ
た。固形分を含むイソプロピルエーテル相は、ロ
ータリーエバポレーターで溶媒を留去させZ−
APM2.96g(純度98.0%)を得た。 実施例 5 付加化合物のトルエン懸濁液と塩酸水溶液との
撹拌混合の温度および時間を25℃および60分に変
更した以外は実施例3と同様の操作を行つた。Z
−APM2.96g(純度98.1%)を得た。 実施例 6 実施例3において塩酸のかわりに95%硫酸
0.715mlを用い、蒸留水20mlのかわりに同26.3ml
を使用した以外は、実施例3と同様にして操作を
行つた。Z−APM2.96g(純度99.6%)を得た。 実施例 7 95%硫酸のかわりに酢酸0.733mlを用いた以外
は実施例6と同様にして操作を行つた。Z−
APM3.06g(純度91.7%)を得た。 実施例 8 トルエンのかわりにn−ヘプタンを用いた以外
は、実施例3と同様にして操作を行つた。 Z−APM3.12g(純度89.6%)を得た。 実施例 9 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アス
パチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの
ナトリウム塩5.0gを20mlの水に溶解し、この液を
DL−バリンメチルエステルの塩酸塩5.0gを含む
20mlの水溶液中に撹拌しながら滴加したところ、
反応生成物が析出し反応混合液は懸濁液となつ
た。この懸濁液を室温に2時間静置したのち、こ
れに50mlのメチルイソブチルケトンを加えて撹拌
静定したところ、反応生成物を含むメチルイソブ
チルケトン懸濁相と均一透明な水相とに分離し
た。メチルイソブチルケトン懸濁相を水相から分
離し、これに1N−塩酸水溶液10mlおよび水20ml
を加え60℃で30分間撹拌したのち静定したとこ
ろ、均一なメチルイソプチルケトン相と均一な水
相とに分離した。 メチルイソブチルケトン相からロータリーエバ
ポレーターでメチルイソブチルケトンを留去し、
Z−APM4.5g(純度99.5%)を得た。 一方水相は、炭酸ナトリウムを加えてPH8とし
たのち、ジクロルメタンで抽出した。ジクロルメ
タン相は無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥、
塩化水素ガスを吹込んだのち濃縮した。更にこれ
にジエチルエーテルを加えて結晶を析出させ、こ
れを取した。D−バリンメチルエステル塩酸塩
の結晶1.6g(光学純度69%)を得た。 実施例 10〜13 Z−APMとD−PMの1:1付加化合物のか
わりにZ−APMとフエニルアラニンメチルエス
テル以外の他のアミノ酸エステルとの1:1付加
化合物5.00gを用いて実施例3と同様の操作を行
つた。その結果を下表に示した。
テルとの付加化合物の処理方法に関するものであ
る。更に詳しくはジペプチドエステルとアミノ酸
エステルとの付加化合物を含む水性懸濁液を有機
溶媒で分離したのち酸で分解して両成分を分離す
る方法に関するものである。 ジペプチドエステル、例えばN−ベンジルオキ
シカルボニル−α−L−アスパルチル−L−フエ
ニルアラニン低級アルキルエステルとアミノ酸エ
ステル、例えばフエニルアラニン低級アルキルエ
ステル、やバリン低級アルキルエステルなどとの
付加化合物は、甘味剤であるα−L−アスパルチ
ル−L−フエニルアラニン低級アルキルエステル
への中間体として、あるいはラセミ体アミノ酸エ
ステルの光学分割の中間体などとして有用な化合
物である。 この様な付加化合物はN−保護アミノジカルボ
ン酸とアミノ酸エステルを水性媒体中、蛋白分解
酵素の存在下で反応させることにより(特開昭53
−92729、特開昭54−9226)、あるいはジペプチド
エステルとアミノ酸エステルとを水などの溶媒中
で反応させること(特開昭55−19234、特開昭55
−73644)などにより得られる。これらの反応で
は付加化合物は溶媒中へ固相の形で析出する。従
つてこの様な溶媒、特に水性媒体からこの付加化
合物をいかに効率よく回収し、構成成分であるジ
ペプチドエステルとアミノ酸エステルに分解して
両成分を分離するかは重要な課題である。 前述した公知の方法ではこの付加化合物の分離
を過で行ない、ジペプチドエステルへの分解及
びアミノ酸エステルとの分離を酸水溶液による分
解及びそれに引続く過又は有機溶媒による抽出
によつて行つている。また付加化合物を過によ
つて分離後水と有機溶媒との混合溶液に溶解し、
H−型イオン交換樹脂で処理して分解分離するこ
とも開示されている。 一方この付加化合物を溶媒抽出により、有機溶
媒中への均一溶液として分離することも知られて
いる(特開昭54−11295)。 しかしながら抽出を効率よく行うためには、水
と相分離可能で付加化合物等に対する溶解力の大
きい有機溶媒を使用する必要があるが、この様な
有機溶媒は酢酸エチル等のエステル類やクロロホ
ルム、二塩化エタン等のハロゲン化アルキル類等
比較的限られている。しかし、エステル類につい
ては加水分解の恐れがある。またハロゲン化アル
キル類については発ガン性の問題がある等の点
で、食品原料となり得る付加化合物の処理工程で
の使用は極力避けるべきである。 一方付加化合物等に対する溶解力の小さい有機
溶媒を用いるとすれば、溶解による抽出を前提と
する限り大量に使用することが必要となり、経済
上も問題がある。 本発明者らはこの様な問題点を解決するため、
付加化合物の分離、分解及び分解生成物の分離等
について更に検討した結果、水相と有機溶媒相の
二相系において付加化合物の結晶が固相状態で有
機溶媒相に取り込まれること及びこの有機溶媒相
を水相と分離後水及び酸で処理すると分解生成す
るジペプチドエステルは有機溶媒相に残り、アミ
ノ酸エステルは水相に移ることを見出して本発明
を完成した。 即ち本発明は一般式 で表わされるジペプチドエステルとアミノ酸エス
テルとの付加化合物(式中R1及びR4は低級アル
キル基、R2及びR3はアミノ酸の側鎖基、Xは核
に置換基を有することのあるベンジルオキシカル
ボニル基であり、nは1又は2である)を固相で
含む水性混合液に水と二相を形成することのでき
る有機溶媒を加えて混合し、この付加化合物の実
質的部分を固相で含む有機溶媒相と水相との二液
相を形成させ、有機溶媒相を水相から分離し、有
機溶媒相に水及び酸を加えて混合接触させ、一般
式 で表わされるジペプチドエステル(式中R3、R4、
X及びnは前記同様である)を含む有機溶媒相
と、一般式 で表わされるアミノ酸エステル(式中R1及びR2
は前記同様である)を含む水相との二液相を形成
させ、有機溶媒相と水相を分離することを特徴と
するジペプチドエステルとアミノ酸エステルとの
付加化合物の処理方法を提供するものである。 本発明で、出発原料として用いる水性混合液中
に固相で含まれる一般式()の付加化合物は、
その式中nが1のときアスパラギン酸のnが2の
ときブルタミン酸の骨格を含むものである。 R2およびR4はそれぞれ互に共通又は別異のメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低
級アルキル基である。 R2およびR3はそれぞれメチル基、イソプロピ
ル基、イソブチル基、イソアミル基、ベンジル
基、p−ヒドロキシベンジル基等のアミノ酸の側
鎖基であり、互に共通のときと別異のときを含
む。R3としてはベンジル基が特に好ましい。 Xはベンジルオキシカルボニル基、p−メトキ
シベンジルオキシカルボニル基の様な核に置換基
を有することのあるベンジルオキシカルボニル基
である。 一般式()で表わされる付加化合物を固相で
含む水性混合液は一般式 で表わされるアミノ酸エステルと一般式 で表わされるN−保護アミノジカルボン酸(式中
X及びnは前記同様の意味を表わす)を水性媒体
中、蛋白分解酵素の存在下で反応させて、水性媒
体中に一般式()で表わされる付加化合物を析
出させることにより調製することができる。この
場合R3はR2とR4はR1と共通である。またこの場
合、一般式()で表わされるアミノ酸エステル
及び一般式()で表わされるN−保護アミノジ
カルボン酸として、各々のL−体を用いてもラセ
ミ体を用いても得られる一般式()で表わされ
る付加化合物のジペプチド部分は常にLL−型で
ある。アミノ酸エステル部分は用いる一般式
()で表わされるアミノ酸エステルがL−体の
ときはこれに従うが、ラセミ体のときはほとんど
D−型である。 なお以下一般式()で表わされる付加化合
物、同()で表わされるジペプチドエステル、
同()で表わされるアミノ酸エステル及び同
()で表わされるN−保護アミノジカルボン酸
はそれぞれ付加化合物、ジペプチドエステル、ア
ミノ酸エステル及びN−保護アミノジカルボン酸
と云う。 上述の方法による付加化合物の調製は特開昭53
−92729号公報等に記載されている公知の条件に
従つてよい。 この水性混合液はまた特開昭55−19234号公報
及び同55−73644号公報等に開示されている様に
ジペプチドエステルを水性溶媒中でアミノ酸エス
テルと反応させることによつても調製できる。こ
の場合、ジペプチドエステルのLL−体を用いて
ラセミ体のアミノ酸エステルと反応させると主に
D−体のアミノ酸エステルと付加化合物を形成す
る。このようにして得られた付加化合物を含む水
性混合液を本発明に従つて処理すれば、光学分割
をうけたアミノ酸エステルを水相から、有機相か
らジペプチドエステルをそれぞれ回収することが
できる。 本発明で用いる水性混合液中の付加化合物に対
する水の量は付加化合物1重量部に対して約0.3
ないし、約20重量部、好ましくは約0.5ないし約
15重量部、最も好ましくは約1ないし約10重量部
である。 本発明の方法において使用される有機溶媒とし
ては、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類
n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等
の脂肪族系炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル等のエーテル類、メチルイソ
ブチルケトン、ジブチルケトン等の水と二相を形
成することのできるケトン類、又は、これらの混
合液を好適な例として挙げることができる。これ
ら以外の有機溶媒についても二相の形成を妨げな
い程度であれば、これら有機溶媒と混合して使用
してもさしつかえない。 本発明では付加化合物を有機溶媒中へのスラリ
ーとして分離して処理するものであるから、有機
溶媒は付加化合物の実質的部分を溶解する程多量
に用いるものでなく、その添加量は付加化合物1
重量部に対して約1ないし約20重量部、好ましく
は約2ないし約15重量部、最も好ましくは約3な
いし約10重量部である。 本発明の方法において、ジペプチドエステルの
Xがベンジルオキシカルボニル基の場合には有機
溶媒としてトルエンを用いると後述の様に容易に
回収、反復使用ができるので特に有利である。 本発明で付加化合物の実質的部分を固相で含む
有機溶媒相として分離した有機溶媒相に添加する
水の量は付加化合物1重量部に対して後述する酸
から由来する水と合せて約0.5ないし約15重量部
好ましくは約1ないし約10重量部である。酸を水
溶液として用いるときは、必要な水を酸の水溶液
の形で添加してもよい。そのときは水を別個に添
加しなくてもよい。 本発明の方法において付加化合物と反応させる
ために水とともに添加する酸としては、無機又は
有機のブロンステツド酸を用いる。無機のブロン
ステツド酸の例としては塩酸、臭化水素酸、硫
酸、リン酸等を挙げることができる。有機のブロ
ンステツド酸の例としてはギ酸、酢酸、クエン
酸、トルエンスルホン酸等を挙げることができ
る。これらの酸は水溶液の形で用いることができ
る。その濃度には格別の限定はないので、水の添
加量が前述した範囲となる様他律的に定めてよ
い。 またH−型陽イオン交換樹脂等の固体の酸も使
用することができる。この場合、この様な固体酸
は系の最下部に沈降する。 本発明の出発原料である水性混合液中の付加化
合物に対する酸の使用量は本発明が本質的に付加
化合物のアミノ酸エステルの部分を酸によつて電
離させ、その塩の水溶液とするものである(ただ
し固体酸を用いるときはアミノ酸エステルは固体
酸の水素イオンとイオン交換されて液相系外へ出
る。)から、化学量論量又はそれ以上即ち付加化
合物1モルに対して約1ないし約100当量、好ま
しくは約1ないし約20当量、最も好ましくは約1
ないし約10当量程度である。しかし、目的により
付加化合物は必ずしもそれ程の高純度を必要とし
ない場合もあり得るので、その様な場合は化学量
論以下の量を用いることを妨げるものでない。 本発明では付加化合物の分解後のジペプチドエ
ステルの分離は通常有機溶媒中へのスラリーの形
で行われる。しかし有機溶媒として水と二相を形
成することのできるケトン類を用いる場合はそれ
らの溶液の形で行なうことができる。 本発明の方法において付加化合物を処理すると
きの温度は通常約0ないし約100℃、好ましくは
約5ないし約80℃である。付加化合物の分解反応
は撹拌が十分であれば、通常10分以内以内程度で
終結する。 但し、保護基Xが比較的加水分解され易い基、
例えばp−メトキシベンジルオキシカルボニル基
の様な場合は、積極的にこれらの基の離脱を同時
に行なう場合及びその離脱を許しても支障のない
場合を除き、これらの基の離脱を起さない様、反
応時間及び反応温度に注意する必要がある。 付加化合物は、固体であるが酸との接触によつ
て分解されて、ジペプチドエステル及びアミノ酸
エステルと酸との塩となる。ジペプチドエステル
は、酸性水溶液に対する溶解度が小さいので、そ
の実質的部分がスラリー又は溶質として有機相に
存在する。一方アミノ酸エステルの塩は酸性水溶
液によく溶解するので、液相中に溶け込む。固体
酸を用いたときはその塩として沈殿する。 こうして反応系は付加化合物をスラリー又は溶
質として含む有機相と通常アミノ酸エステルの塩
の水溶液との二相系になる。得られた二相系の分
離は慣用の液液分離の方法により行うことができ
る。アミノ酸エステル固体酸塩からの回収も慣用
の手段で容易にできる。 有機スラリー相からは慣用の方法、例えば
過、遠心沈降もしくは有機溶媒を留去すること等
により、ジペプチドエステルを回収することがで
きる。また、有機スラリー相は、そのまま次工程
において脱保護基反応等を行うことができる。特
にジペプチドエステルの一般式()中のXがベ
ンジルオキシカルボニル基で有機溶媒がトルエン
の場合にはこの分離した有機スラリー相に水を加
え、還元的にベンジルオキシカルボニル基の離脱
を行うと、アミノ酸の保護基の離脱したジペプチ
ドエステルが水相に移るので効果的にN−保護基
の離脱を行なうことができると同時に、離脱した
保護基はトルエンとなり、これは溶媒のトルエン
と共通であるので、この離脱反応で溶媒を汚染す
ることがない。それ故こうして使用された溶媒ト
ルエンは容易に回収され再使用できる。 この方法は付加化合物の一般式()中のR1
及びR4がメチル基、nが1の場合に適用して低
カロリー甘味剤であるアスパルテームを製造する
工業的方法として特に有効である。 本発明の方法において有機相から分離した酸性
水相からは、慣用の方法、例えばこれを濃縮して
アミノ酸エステルを塩の形で晶出させるとか、或
は液性をアルカリ性とした後、適当な有機溶媒で
抽出する等の方法によつてアミノ酸エステルを回
収することができる。固体酸塩からのアミノ酸エ
ステルの回収も慣用の手法で容易にできる。 なお、本発明で用いる原料の成分である付加化
合物を前述した特開昭53−92729号の方法で得た
場合には、そのジペプチドエステル部分はLL−
型であるが、アミノ酸エステル部分はL−型の場
合、D−型の場合及び両者の混合型の場合があり
得る。本発明の方法はこのいずれの場合にも適用
可能である。またジペプチドエステル部分がDD
−型、DL−型、又はLD−型の場合にも適用可能
である。 本発明で得られるジペプチドエステルは、ペプ
チド合成での中間体として、それ自体有用である
が、そのアミノ基の保護基Xを離脱させて得られ
るジペプチドエステルも亦有用な化合物である。
例えば、すでに述べた様にα−L−アスパルチル
−L−フエニルアラニンメチルエステルは甘味剤
として有用である。またジペプチドエステルとラ
セミ体アミノ酸エステルとを混合して形成した付
加化合物からは、光学分割を受けたアミノ酸エス
テルを得ることができるので、光学分割法として
も有用である。 以上の説明から明らかな様に本発明の方法によ
れば付加化合物を溶解する必要がないので、少量
の有機溶媒を用いて効果的に付加化合物の処理を
行うことができるので、工業的に有利なことは明
らかである。 実施例 1 N−ベンジルオキシカルボニル−L−アスパラ
ギン酸53.45gとDL−フエニルアラニンメチルエ
ステル塩酸塩107.84gを2のフラスコにとり蒸
留水400ml、5N水酸化ナトリウム水溶液100mlお
よび粗製サーモライシン(サーモアーゼPS−
160、商標、大和化成(株)製)7.2g、酢酸カルシウ
ム・一水塩1.3gを加え、40℃で撹拌しながら反応
させた。8時間後反応混合液は反応生成物を懸濁
状で含む水性混合液となつた。この水性混合液に
トルエン700mlを加え、40℃で20分間撹拌混合し
た。撹拌を止めると固形物を懸濁状で含有するト
ルエン相と均一透明な水相とに分離した。固形物
は、一部サンプリングして酢酸エチル−n−ヘキ
サンより再結晶後、分析を行い元素分析、
NMR、IRおよび旋光度が、特開昭53−92729号
に開示されたデーターと一致することから、N−
ベンジルオキシカルボニル−α−L−アスパルチ
ル−L−フエニルアラニンメチルエステル(以下
Z−APMと云う)と主にD−体のフエニルアラ
ニンメチルエステル(以下D−PMという)との
1:1付加化合物であることを確認した。 トルエン相は水相から分離したのち、1N−塩
酸水溶液500mlを加え60℃で1時間撹拌混合した。
約20分間静置したのち、固形分を含むトルエン相
を均一透明水相から分離した。 トルエン相は200mlの蒸留水で60℃で2回洗浄
後、室温まで冷却し、トルエン相の結晶をガラス
フイルターにより減圧下に取し、乾燥後Z−
APM73.42g(原料からの総合収率85.2%、純度
99.4%)を得た。 実施例 2 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アス
パラギン酸53.45gとL−フエニルアラニンメチル
エステル塩酸塩86.27gを2のフラスコにとり、
蒸留水350ml、5N−水酸化ナトリウム水溶液90ml
および、粗製サーモライシン(サーモアーゼPS
−160、商標、大和化成(株)製)4.8g、酢酸カルシ
ウム一水塩0.9gを加え40℃で撹拌しながら反応さ
せた。5時間後に反応混合液にトルエン600mlを
加え40℃で20分間撹拌混合した。撹拌を止めると
固形物を懸濁状で含有するトルエン相と均一透明
な水相とに分離した。固形物は、一部サンプリン
グして酢酸エチル−n−ヘキサンより再結晶後分
析を行い、元素分析、NMR、IRおよび旋光度が
特開昭53−92729号に開示されたデーターと一致
することから、N−ベンジルオキシカルボニル−
α−L−アスパルチル−L−フエニルアラニンメ
チルエステル(Z−APM)とL−フエニルアラ
ニンメチルエステル(以下L−PMと云う)との
1:1付加化合物であることを確認した。 トルエン相は水相から分離したのち、1N−塩
酸水溶液500mlを加え60℃で1時間撹拌混合した。
約20分間静置したのち固形分を含むトルエン相と
均一透明水相とを分離した。室温まで冷却後トル
エン相の結晶をガラスフイルターにより、減圧下
に取し乾燥後Z−APM73.27g(原料からの総合
収率85.3%、純度99.7%)を得た。 実施例 3 Z−APMとD−PMとの1:1付加化合物
4.25gをトルエン35mlに懸濁させた液に1N−塩酸
水溶液10mlおよび蒸留水20mlを加え60℃で30分間
撹拌した。約20分間静置後、固形分を含むトルエ
ン相を均一透明な水相から分離した。トルエン相
は20mlの蒸留水で2回洗浄後、ロータリーエバポ
レーターで溶媒を留出させZ−APM2.92g(純度
99.7%)を得た。 実施例 4 トルエンのかわりにジイソプロピルエーテルを
用いた以外は、実施例3と同様にして操作を行つ
た。固形分を含むイソプロピルエーテル相は、ロ
ータリーエバポレーターで溶媒を留去させZ−
APM2.96g(純度98.0%)を得た。 実施例 5 付加化合物のトルエン懸濁液と塩酸水溶液との
撹拌混合の温度および時間を25℃および60分に変
更した以外は実施例3と同様の操作を行つた。Z
−APM2.96g(純度98.1%)を得た。 実施例 6 実施例3において塩酸のかわりに95%硫酸
0.715mlを用い、蒸留水20mlのかわりに同26.3ml
を使用した以外は、実施例3と同様にして操作を
行つた。Z−APM2.96g(純度99.6%)を得た。 実施例 7 95%硫酸のかわりに酢酸0.733mlを用いた以外
は実施例6と同様にして操作を行つた。Z−
APM3.06g(純度91.7%)を得た。 実施例 8 トルエンのかわりにn−ヘプタンを用いた以外
は、実施例3と同様にして操作を行つた。 Z−APM3.12g(純度89.6%)を得た。 実施例 9 N−ベンジルオキシカルボニル−α−L−アス
パチル−L−フエニルアラニンメチルエステルの
ナトリウム塩5.0gを20mlの水に溶解し、この液を
DL−バリンメチルエステルの塩酸塩5.0gを含む
20mlの水溶液中に撹拌しながら滴加したところ、
反応生成物が析出し反応混合液は懸濁液となつ
た。この懸濁液を室温に2時間静置したのち、こ
れに50mlのメチルイソブチルケトンを加えて撹拌
静定したところ、反応生成物を含むメチルイソブ
チルケトン懸濁相と均一透明な水相とに分離し
た。メチルイソブチルケトン懸濁相を水相から分
離し、これに1N−塩酸水溶液10mlおよび水20ml
を加え60℃で30分間撹拌したのち静定したとこ
ろ、均一なメチルイソプチルケトン相と均一な水
相とに分離した。 メチルイソブチルケトン相からロータリーエバ
ポレーターでメチルイソブチルケトンを留去し、
Z−APM4.5g(純度99.5%)を得た。 一方水相は、炭酸ナトリウムを加えてPH8とし
たのち、ジクロルメタンで抽出した。ジクロルメ
タン相は無水硫酸マグネシウムを添加して乾燥、
塩化水素ガスを吹込んだのち濃縮した。更にこれ
にジエチルエーテルを加えて結晶を析出させ、こ
れを取した。D−バリンメチルエステル塩酸塩
の結晶1.6g(光学純度69%)を得た。 実施例 10〜13 Z−APMとD−PMの1:1付加化合物のか
わりにZ−APMとフエニルアラニンメチルエス
テル以外の他のアミノ酸エステルとの1:1付加
化合物5.00gを用いて実施例3と同様の操作を行
つた。その結果を下表に示した。
【表】
エステル
実施例 14 Z−APMとD−PMの1:1付加化合物のか
わりにN−ベンジルオキシカルボニル−α−L−
アスパルチル−L−フエニルアラニンエチルエス
テル(Z−APE)とD−PMの1:1付加化合物
5.00gを用いた以外は、実施例3と同様にして操
作を行つた。Z−APEを3.42g(純度98.8%)得
た。 実施例 15 Z−APMとD−PMの1:1付加化合物のか
わりにN−p−メトキシベンジルオキシカルボニ
ル−α−L−アスパルテル−L−フエニルアラニ
ンメチルエステル(PMZ−APM)とD−PMの
1:1付加化合物5.00gを用いトルエン懸濁液と
塩酸水溶液との接融温度を20℃にした以外は実施
例3と同様にして操作を行つた。 PMZ−APMを3.45g(純度97.2%)得た。
実施例 14 Z−APMとD−PMの1:1付加化合物のか
わりにN−ベンジルオキシカルボニル−α−L−
アスパルチル−L−フエニルアラニンエチルエス
テル(Z−APE)とD−PMの1:1付加化合物
5.00gを用いた以外は、実施例3と同様にして操
作を行つた。Z−APEを3.42g(純度98.8%)得
た。 実施例 15 Z−APMとD−PMの1:1付加化合物のか
わりにN−p−メトキシベンジルオキシカルボニ
ル−α−L−アスパルテル−L−フエニルアラニ
ンメチルエステル(PMZ−APM)とD−PMの
1:1付加化合物5.00gを用いトルエン懸濁液と
塩酸水溶液との接融温度を20℃にした以外は実施
例3と同様にして操作を行つた。 PMZ−APMを3.45g(純度97.2%)得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 で表わされるジペプチドエステルとアミノ酸エス
テルとの付加化合物(式中R1及びR4は低級アル
キル基、R2及びR3はアミノ酸の側鎖基、Xは核
に置換基を有することのあるベンジルオキシカル
ボニル基であり、nは1又は2である)を固相で
含む水性混合液に水と二相を形成することのでき
る有機溶媒を加えて混合し、この付加化合物の実
質的部分を固相で含む有機溶媒相と水相との二液
相を形成させ、有機溶媒相を水相から分離し、有
機溶媒相に水及び酸を加えて混合接触させ、一般
式 で表わされるジペプチドエステル(式中R3、R4、
X及びnは前記同様である)を含む有機溶媒相
と、一般式 で表わされるアミノ酸エステル(式中R1及びR2
は前記同様である)を含む水相との二液相を形成
させ、有機溶媒相と水相を分離することを特徴と
するジペプチドエステルとアミノ酸エステルとの
付加化合物の処理方法。 2 水と二相を形成することのできる有機溶媒が
水と二相を形成することのできるケトン類、脂肪
族系もしくは芳香族系の炭化水素類、エーテル類
またはこれらの混合物である特許請求の範囲第1
項記載の処理方法。 3 水と二相を形成することのできる有機溶媒と
してトルエンを用いる特許請求の範囲第1項記載
の処理方法。 4 水と二相を形成することのできる有機溶媒
を、付加化合物を完全に溶解できる量未満の量で
用いる特許請求の範囲第1項ないし第3項のいず
れかの項記載の処理方法。 5 水と二相を形成することのできる有機溶媒を
付加化合物1重量部に対して約1ないし約20重量
部の量加える特許請求の範囲第1項ないし第3項
のいずれかの項記載の処理方法。 6 水性混合物中の水の量が付加化合物1重量部
に対して約1ないし10重量部である特許請求の範
囲第1項ないし第5項のいずれかの項記載の処理
方法。 7 酸として無機のブロンステツド酸を用いる特
許請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかの項
記載の処理方法。 8 酸として有機のブロンステツド酸を用いる特
許請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかの項
記載の処理方法。 9 酸の使用量が付加化合物1モル当り約1ない
し約10当量である特許請求の範囲第1項ないし第
8項のいずれかの項記載の処理方法。 10 酸とともに添加する水の量が付加化合物1
重量部当り約1重量部ないし約10重量部である特
許請求の範囲第1項ないし第9項記載の処理方
法。 11 付加化合物のジペプチド部分がLL−型で
ある特許請求の範囲第1項ないし第10項のいず
れかの項記載の処理方法。 12 R1及びR4がメチル基、R2がベンジル基、
R3がメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、
ベンジル基又はp−ヒドロキシベンジル基、Xが
ベンジルオキシカルボニル基又はp−メトキシベ
ンジルオキシカルボニル基であり、nが1である
特許請求の範囲第1項ないし第11項のいずれか
の項記載の処理方法。 13 水性混合液が一般式 で表わされるアミノ酸エステル(式中R1は低級
アルキル基、R2はアミノ酸の側鎖基である)と
一般式 で表わされるN−保護アミノジカルボン酸(式中
Xは核に置換基を有することのあるベンジルオキ
シカルボニル基でありnは1又は2である)を水
性媒体中、蛋白分解酵素の存在下で反応させて一
般式 で表わされるジペプチドエステルとアミノ酸エス
テルとの付加化合物(式中R1、R2、X及びnは
前記同様であり、R3及びR4はそれぞれR2及びR1
と同一の基である)を生成させた反応生成液であ
る特許請求の範囲第1項ないし第11項のいずれ
かの項記載の処理方法。 14 付加化合物、ジペプチドエステル、アミノ
酸エステル及びN−保護アミノカルボン酸の一般
式中のR1及びR4がメチル基又はエチル基、R2及
びR3がベンジル基、Xがベンジルオキシカルボ
ニル基又はp−メトキシベンジルオキシカルボニ
ル基であり、nが1である特許請求の範囲第13
項記載の処理方法。 15 用いるアミノ酸エステル及びN−保護アミ
ノジカルボン酸がそれぞれ独立にL−型又はL−
型とD−型の混合物である特許請求の範囲第13
項又は第14項記載の処理方法。 16 分離した有機溶媒相をジペプチドエステル
の保護基の脱離反応に用いる特許請求の範囲第1
項ないし第15項のいずれかの項記載の処理方
法。 17 分離した水相からアミノ酸エステルを回収
する特許請求の範囲第1項ないし第16項のいず
れかの項記載の処理方法。
Priority Applications (9)
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|---|---|---|---|
| JP14875581A JPS5852251A (ja) | 1981-09-22 | 1981-09-22 | ジペプチドエステルとアミノ酸エステルとの付加化合物の処理方法 |
| DE8282108116T DE3274985D1 (en) | 1981-09-21 | 1982-09-02 | Process for recovering a dipeptide derivative |
| EP82108116A EP0075160B1 (en) | 1981-09-21 | 1982-09-02 | Process for recovering a dipeptide derivative |
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| US06/415,912 US4487717A (en) | 1981-09-21 | 1982-09-08 | Process for recovering a dipeptide derivative |
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| CA000411792A CA1186648A (en) | 1981-09-21 | 1982-09-20 | Process for recovering a dipeptide derivative |
| DD24340782A DD216451A5 (de) | 1981-09-21 | 1982-09-21 | Verfahren zur gewinnung eines dipeptidderivats |
| DD82272585A DD232499A5 (de) | 1981-09-21 | 1982-09-21 | Verfahren zur gewinnung eines dipeptidderivats |
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|---|---|---|---|
| JP14875581A JPS5852251A (ja) | 1981-09-22 | 1981-09-22 | ジペプチドエステルとアミノ酸エステルとの付加化合物の処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14875581A Granted JPS5852251A (ja) | 1981-09-21 | 1981-09-22 | ジペプチドエステルとアミノ酸エステルとの付加化合物の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5852251A (ja) |
-
1981
- 1981-09-22 JP JP14875581A patent/JPS5852251A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5852251A (ja) | 1983-03-28 |
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