JPH0219121B2 - - Google Patents
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- JPH0219121B2 JPH0219121B2 JP61125347A JP12534786A JPH0219121B2 JP H0219121 B2 JPH0219121 B2 JP H0219121B2 JP 61125347 A JP61125347 A JP 61125347A JP 12534786 A JP12534786 A JP 12534786A JP H0219121 B2 JPH0219121 B2 JP H0219121B2
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Description
産業上の利用分野
本発明は、クレブシエラ属に属する微生物によ
り生産される、増粘剤又は乳化安定剤等の食品添
加物として有用な高粘性物質及びその製造法に関
する。 ここでは、上記高粘性物質を高粘性BS−1物
質と称することにする。 技術的背景 微生物により生産される高粘性物質としては、
キサントモナス・カンペストリスにより生産され
るキサンタンガム、ロイコ)ストツク・メセンテ
ロイデスにより生産されるデキストラン、オーレ
オバシデイウム・プリランスにより生産されるプ
ルラン等の多糖類が良く知られており、これらの
物質は、増粘剤、分散剤、品質改良剤の食品添加
物として、更には、代替血漿剤として食品、医薬
品分野において広く用いられている。 しかし、これらの物質は、比較的高濃度の添加
量で用いないと目的の性能を達成し難く、また長
期安定性に劣る等の欠点を有している。したがつ
て、食品、医薬品分野をはじめとする各種分野に
おいて、低濃度で高い粘性を示し、且つ安定性に
優れた高粘性物質の開発が要望されていた。 発明が解決しようとする課題 本発明は、上述したごとき状況に鑑みなされた
ものであつて、特定な微生物を利用することによ
り得られる、比較的低濃度の添加量で安定性の良
好な高い粘性を示す高粘性BS−1物質とその製
造法を提供することを課題とする。 本発明者らは、クレブシエラ属に属するクレブ
シエラ・ニユーモニアの菌株を培養することによ
り、上記高粘性BS−1物質が生産されることを
見出し、本発明をなすに至つた。 以下本発明を詳しく説明する。 発明の構成 本発明に係る高粘性BS−1物質は、クレブシ
エラ属(Klebsiella)に属する微生物により生産
される高粘性を示す物質であつて、該微生物の培
養物から分離、採取される物質は下記性質を有す
ることを特徴とする。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2000〜3000センスポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース50〜70%、マンノース0.5〜3%、
グルコース1〜5%、グルクロン酸25〜37%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陽性 f 分子量: 10万〜1000万 g 元素分析値:C 5.0〜40.0 H 2.0〜6.0 N 0〜1.0 h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日本分光DS−701G型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1420,1300,1140,1080,
800 また、本発明に係る精製した高粘性BS−1物
質は、クレブシエラ属に属する微生物により生産
される高粘性物質を更に精製することにより得ら
れる物質であつて、下記性質を有することを特徴
とする。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2400〜2600センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース60〜65%、マンノース1.5〜2.5
%、グルコー2〜3%、グルクロン酸30〜35
%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 f 分子量: 200万〜1000万 g 元素分析値:C 37.5〜39% H 5.5〜6% N 0〜0.2% h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日光分析A−100型で測定)
(cm-1) 3400,2920,1620,1400,1360,1280,1220,
1140,1060,920,860,800,760 次に、本発明に係る高粘性BS−1物質の製造
法の特徴は、クレブシエラ・ニユーモニア
(Klebsiella pneumoniae)の菌株を塔養し、培
養物から高粘性を示すBS−1物質を分離、採取
することにある。 課題を解決するための手段 本発明に係る高粘性BS−1物質を生産するの
に利用されるクレブシエラ・ニユーモニアの菌株
は、東京都の隅田川より分離、同定したものであ
つて、その菌学的性質を調べた結果、「バージエ
イズ・マニユアル・オブ・デタ−ミネイテイブ・
バクテリオロジー(Bergey′s Manual of
Determinative Bacteriology)1974版」に記載
されたクレブシエラ・ニユーモニア(Klebsiella
pneumoniae)に属し、MRテストが陰性で、VP
テストが陽性であることから、フリードレンダー
(Friedl¨ander)の肺炎桿菌とは異なり、広義の
クレブシエラ・ニユーモニアと推定し得る。以下
に本菌株の菌学的性質を示す。 形態:莢膜を有する桿菌、単一細胞、無胞
子、 0.7〜0.9×1.0〜2.0μmの大きさ。 グラム染色:陰性 寒天培地上の所見: 白色、円形又は不定形のコロニー、スライム状
の粘質物形成。 各培地における生育状態: イ 肉汁寒天平板培養で良好に生育する ロ 肉汁寒天斜面培養で良好に生育する ハ 肉汁液体培養で良好に生育する ニ 肉汁ゼラチン穿刺培養で生育する ホ リトマス・ミルクでは良好に生育し、カゼ
インの凝集が認められる 運動性: 陰性 カタラーゼ: 陽性 オキシダーゼ: 陰性 β−ガラクトシターゼ: 陽性 グルコースからのガス産生: 陽性 炭水化物からの酸生成: アラビノース、イノシトール、ラクトース、マ
ルトース、マンニトール、ソルビトール、シユ
ークロスース、キシロース、ラムノース、ラフ
イノース、トレハロース、及びサリシンからの
酸生成 陽性 アドニトールからの酸生成 陰性 クエン酸塩の利用: 陽性 マロン酸塩の利用 陽性 グルコン酸塩の利用 陽性 VP(Voges Proskauer)テスト: 陽性 MR(メチルレツド)テスト: 陰性 硝酸塩の還元: 陽性 尿素の加水分解: 陽性 アルギニンの加水分解: 陰性 ゼラチンの加水分解: 陰性 フエニルアラニンテスト: 陰性 インドールの生成: 陰性 リジンデカルボキシラーゼ: 陽性 〓〓オルニチンデカルボキシラーゼ: 陰性 脱窒反応: 陰性 〓〓 硫化水素の生成: 陰性 〓〓 でんぷんの加水分解: 陽性 〓〓 無機窒素源の利用: 陽性 無機窒素源として硝酸アンモニウム、硝酸カリ
ウム、尿素、リン酸2水素アンモニウム、リン
酸水素2アンモニウム、リン酸アンモニウムナ
トリウム及び硫酸アンモニウムを利用。 〓〓 ウレアーゼ: 陽性 〓〓 生育の範囲: イ PHを4.0〜13.5(耐アルカリ性) ロ 温度 10℃では増殖せず、44.5℃でラクト
ースからガスを産生し、かつメリジトースを
醗酵しない。 〓〓 酵素に対する態度:通性好気性 OFテスト:D−グルコース、シユークロー
ス、ラクトース、イヌリン、L−ソルボー
ス、L−アラビノース、ミオーイノシトー
ル、D−マンニトール、L−ラムノース、
ラフイノース、D−ソルビトール、ドルシ
トールを基質とした時(F)、D−メリジ
トースの時(O) 下記の糖類からの酸及びガスの生成: D−マンノース 酸及びガス生成 D−フラクトース 同 上 D−ガラクトース 同 上 グリセリン 同 上 でんぷん 同 上 上記菌学的性質を有する菌株は、クレブシエ
ラ・ニユーモニアKPS5002の菌株名で工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研条寄第625号の
受託番号で寄託されている。 なお、クレブシエラ・ニユーモニア
(Klebsiella pneumoniae)は、良く知られてい
るとおり、紫外線、X線、放射線などの照射及び
突然変異源(例えば、ニトロソグアニジン、ナイ
トロゲンマスタード、アクソシンオレンジ)など
の変異手段により容易に変異し得るので、このよ
うにして得られる変異株であつても、高粘性BS
−1物質の生産能を有するものは全て本発明で利
用されるクレブシエラ・ニユーモニアの菌株に包
含されるものと理解すべきである。 次に、クレブシエラ・ニユーモニアの菌株を利
用して高粘性BS−1物質を製造する方法につい
て説明する。 本発明に係る高粘性BS−1物質は、上記菌株
を、炭素源、窒素及びその他の生育に必要な栄養
成分を含む固体培地もしくは液体培地中で、湯盪
培養や通気撹拌培養のような好気的培養を行うこ
とにより生産される。ここで培地に用いる炭素源
としては、ラクトース、シユークロース、マルト
ース、ガラクトース、グルコース、フラクトース
等の糖類を例示し得るが、中でもラクトースが好
ましい。これら糖類の培地中における濃度は使用
菌が生育し得る程度であれば特に限定されない
が、通常1〜10%(W/V)、好ましく3〜5%
(W/V)である。また、窒素源としては、ポリ
ペプトン、酵母エキス、肉エキス、トリブチケー
スのような有機物、又は硝酸塩、アンモニウム塩
のような無機物を例示し得るが、BS−1物質の
生産性の観点からは有機態の窒素源が好ましいと
いえる。さらに、培地には必要に応じて、リン酸
一カリウムやリン酸二カリウムのようなリン酸
塩、鉄、銅、マグネシウム、マンガン、モリブテ
ン、亜鉛、ホウ素等の微量金属類及びビオチン、
チアミン、ビタミンB12等のビタミン類及び核酸
類等を添加してもよい。 上記培地中での培養温度は、使用菌の増殖至適
温度範囲である20〜37℃好ましくは25〜32℃であ
る。培養に際しての培地のPHは特に限定されない
が、4〜8、好ましくは中性付近である。また、
培養時間は、培地の粘度が最大に達するまで行え
ばよいが、実際上は生産効率の点から通常3〜7
日間でよい。 上記菌株を、上述のような培養条件下に培養す
ると、経時的に培地の粘度が上昇し、5日後には
200〜300センチポイスに達し、BS−1物質が培
地中に生産、蓄積されたことがわかる。 培養終了後、培地中のBS−1物質を常法に従
つて分離、採取する。この分離、採取は、例えば
液体培地を用いた場合には、培養終了後培養液を
水で希釈し、遠心分離などにより菌体等の不純物
を除去し、次いで除菌した培養液にエチルアルコ
ール、メチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、アセトンのごとき有機溶媒またはセチルトリ
メチルアンモニウムやブチルアマイドのような第
4級アミンを加えると粗BS−1物質が沈澱する。
この沈澱を洗浄した後、さらにアセトンで脱水及
び脱脂した後乾燥させることにより、高粘性BS
−1物質が得られる。 このようにして得られる高粘性BS−1物質は
下記性質を有する。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2000〜3000センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース50〜70%、マンノース0.5〜3%、
グルコース1〜5%、グルクロン酸25〜37%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陽性 f 分子量: 10万〜1000万 g 元素分析値:C 5.0〜40.0 H 2.0〜6.0 N 0〜1.0 h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日本分光DS−701G型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1420,1300,1140,1080,
800 本発明では、上述のごとくして得られた高粘性
BS−1物質を下記のより更に精製処理して精製
高粘性BS−1物質を得ることもできる。 上記高粘性BS−1物質をエチルアルコールを
用いて再析出させる操作を繰り返し行い、更に必
要に応じて析出処理もしくはクロマトグラフイー
で処理して精製する。このようにして得られる精
製高粘性BS−1物質は下記性質を有する。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2400〜2600センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース60〜65%、マンノース1.5〜2.5
%、グルコース2〜3%、グルクロン酸30〜35
%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 f 分子量: 200万〜1000万 g 元素分析値:C 37.5〜39% H 5.5〜6% N 0〜0.2% h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日光分析A−100型で測定)
(cm-1) 3400,2920,1620,1400,1360,1280,1220,
1140,1060,920,860,800,760 上述のようにして得られる高粘性BS−1物質
及びそれを更に精製した精製高粘性BS−1物質
は、水に容易に溶けて非ニユートン性の透明な溶
液となり、低濃度で高い粘性を示すことから、増
粘剤、タレ防止剤、分散剤、食感改善剤、凍結安
定剤、代用血漿等として食品及び医薬品分野で広
範囲な用途に供することができる。 また、これら物質は低濃度で高い乳化安定性も
示すので、乳化安定剤としても優れた性能を呈す
る。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 1 高粘性BS−1物質の製造: クレブシエラ・ニユーモニア(Klebsiella
pneumoniae)KPS5002(微工研条寄第625号)
を、ラクトース3wt%、トリプチケース0.35wt
%、リン酸一カリウム0.6wt%、硫酸マグネシウ
ム0.07wt%及び寒天1.4wt%から成る斜面培地に
おいて増殖させたものを白金耳でかき取り、上記
培地において寒天を除いた液体培地10mlに接種
し、30℃で1日間振盪培養で前培養を行つた。 次いで、上記前培養に用いたと同様な組成の液
体培地を120℃15分間加熱滅菌したものの1に、
上記前培養したものを無菌的に接種して、30℃で
日間振盪培養(120rpm)を行つた。培養の進行
に伴ない培養液は粘稠となり、BS−1物質の生
産、蓄積が認められた。 得られた培養液を18000rpmで15分間遠心分離
を行つて菌体を除去したものに、2倍量のエタノ
ールを加えてBS−1物質を析出させた。この析
出したBS−1物質をガラス棒でからめ取り、エ
タノールによる洗浄を繰り返して行つた後、アセ
トンを加えてホモゲナイズし、次いでアセトンを
除去してデシケーター内で乾燥し、乾燥物9gを
得た。得られた乾燥物の理化学的性質を調べた結
果、下記に示すとおりであつて、高粘性BS−1
物質であると確認された。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2000〜3000センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース62.1%、マンノース1.5%、グル
コース3.2%、グルクロン酸33.2%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 ± f 分子量: 10万〜1000万 g 元素分析値:C 5.0〜40.0 H 2.0〜6.0 N 0〜1.0 h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日本分光DS−701G型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1420,1300,1140,1080,
800, なお、添付の第1図に、ここで得られた高粘性
BS−1物質の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤
法)を示す。 高粘性BS−1物質の精製: 上述のごとくして得られた高粘性BS−1物質
9gを蒸留水に溶解し、遠心分離により夾雑物を
除去したものに、エタノールを加えてBS−1物
質を再析出させる操作を2回繰り返して行つた
後、析出物を蒸留水に溶解した。この水溶液を透
析膜に入れ、純水に対して24時間透析を行い、次
いで真空凍結乾燥を行い、白色塊状の精製物6g
を得た。得られた精製物の理化学的性質は下記に
示すとおりであつて、精製高粘性BS−1物質で
あると確認された。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2400〜2600センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 構成成分: ガラクトース55.9%、マンノース1.6%、グル
コース2.4%、グルクロン酸28.9%。 (主要構成糖成分比率): ガラクトース62.9%、マンノース1.8%、グル
コース2.6%、グルクロン酸32.6%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 f 分子量: 200万〜1000万 g 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ h元素分析値: C 38.5% H 5.8% N 0.1% i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日光分析A−100型で測定)
(cm-1) 3400,2920,1620,1400,1360,1280,1220,
1140,1060,920,860,800,760 なお、添付の第2図に、ここで得られた精製高
粘性BS−1物質の赤外線吸収スペクトル(KBr
錠剤法)を示す。 次に、本発明による高粘性BS−1物質の有用
性を説明するために、該物質を増粘剤ならびに乳
化安定剤として用いた例を実施例2ならびに3と
してそれぞれ示す。 実施例 2 実施例1で得られた高粘性BS−1物質の1%
の水溶液を調製し、一方、比較例として市販のキ
サンタンガム、カラギーナン並びにトラガントガ
ムの1%濃度水溶液をそれぞれ調製し、これらの
各水溶液の20℃における粘度を測定した。 その結果は第3図に示すとおりであつて、同図
にみられるとおり、BS−1物質の粘度は全ての
ずり速度において最も高い値を示し、ずり速度
1sec-1の場合には約7000センチポイスに達した。 また、BS−1物質の水溶液は無色透明である
ので増粘剤として有利に利用し得るものといえ
る。 実施例 3 実施例1で得られた高粘性BS−1物質0.5wt%
(対全量)を60〜70℃に加熱した蒸留水に加えて
ホモジナイザーで撹拌して溶解させ、これに同温
度に加熱した大豆油を全量の20wt%並びに40wt
%添加して再びホモジナイズを行い、O/W比が
2/8並びに4/6のエマルジヨンを作成した。
これらのエマルジヨンを目盛り付試験管に移して
室温に放置し、1日後、7日後、及び1ケ月後の
エマルジヨンの安定性を観察した。 なお、比較例として、シヨ糖モノステアリン
酸、Tween80並びにCMC(カルボキシメチルセ
ルロース)をそれぞれ同量を用いて上記と同様の
手順でエマルジヨンの安定性を同時に観察した。 結果は表1に示すとおりである。
り生産される、増粘剤又は乳化安定剤等の食品添
加物として有用な高粘性物質及びその製造法に関
する。 ここでは、上記高粘性物質を高粘性BS−1物
質と称することにする。 技術的背景 微生物により生産される高粘性物質としては、
キサントモナス・カンペストリスにより生産され
るキサンタンガム、ロイコ)ストツク・メセンテ
ロイデスにより生産されるデキストラン、オーレ
オバシデイウム・プリランスにより生産されるプ
ルラン等の多糖類が良く知られており、これらの
物質は、増粘剤、分散剤、品質改良剤の食品添加
物として、更には、代替血漿剤として食品、医薬
品分野において広く用いられている。 しかし、これらの物質は、比較的高濃度の添加
量で用いないと目的の性能を達成し難く、また長
期安定性に劣る等の欠点を有している。したがつ
て、食品、医薬品分野をはじめとする各種分野に
おいて、低濃度で高い粘性を示し、且つ安定性に
優れた高粘性物質の開発が要望されていた。 発明が解決しようとする課題 本発明は、上述したごとき状況に鑑みなされた
ものであつて、特定な微生物を利用することによ
り得られる、比較的低濃度の添加量で安定性の良
好な高い粘性を示す高粘性BS−1物質とその製
造法を提供することを課題とする。 本発明者らは、クレブシエラ属に属するクレブ
シエラ・ニユーモニアの菌株を培養することによ
り、上記高粘性BS−1物質が生産されることを
見出し、本発明をなすに至つた。 以下本発明を詳しく説明する。 発明の構成 本発明に係る高粘性BS−1物質は、クレブシ
エラ属(Klebsiella)に属する微生物により生産
される高粘性を示す物質であつて、該微生物の培
養物から分離、採取される物質は下記性質を有す
ることを特徴とする。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2000〜3000センスポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース50〜70%、マンノース0.5〜3%、
グルコース1〜5%、グルクロン酸25〜37%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陽性 f 分子量: 10万〜1000万 g 元素分析値:C 5.0〜40.0 H 2.0〜6.0 N 0〜1.0 h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日本分光DS−701G型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1420,1300,1140,1080,
800 また、本発明に係る精製した高粘性BS−1物
質は、クレブシエラ属に属する微生物により生産
される高粘性物質を更に精製することにより得ら
れる物質であつて、下記性質を有することを特徴
とする。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2400〜2600センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース60〜65%、マンノース1.5〜2.5
%、グルコー2〜3%、グルクロン酸30〜35
%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 f 分子量: 200万〜1000万 g 元素分析値:C 37.5〜39% H 5.5〜6% N 0〜0.2% h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日光分析A−100型で測定)
(cm-1) 3400,2920,1620,1400,1360,1280,1220,
1140,1060,920,860,800,760 次に、本発明に係る高粘性BS−1物質の製造
法の特徴は、クレブシエラ・ニユーモニア
(Klebsiella pneumoniae)の菌株を塔養し、培
養物から高粘性を示すBS−1物質を分離、採取
することにある。 課題を解決するための手段 本発明に係る高粘性BS−1物質を生産するの
に利用されるクレブシエラ・ニユーモニアの菌株
は、東京都の隅田川より分離、同定したものであ
つて、その菌学的性質を調べた結果、「バージエ
イズ・マニユアル・オブ・デタ−ミネイテイブ・
バクテリオロジー(Bergey′s Manual of
Determinative Bacteriology)1974版」に記載
されたクレブシエラ・ニユーモニア(Klebsiella
pneumoniae)に属し、MRテストが陰性で、VP
テストが陽性であることから、フリードレンダー
(Friedl¨ander)の肺炎桿菌とは異なり、広義の
クレブシエラ・ニユーモニアと推定し得る。以下
に本菌株の菌学的性質を示す。 形態:莢膜を有する桿菌、単一細胞、無胞
子、 0.7〜0.9×1.0〜2.0μmの大きさ。 グラム染色:陰性 寒天培地上の所見: 白色、円形又は不定形のコロニー、スライム状
の粘質物形成。 各培地における生育状態: イ 肉汁寒天平板培養で良好に生育する ロ 肉汁寒天斜面培養で良好に生育する ハ 肉汁液体培養で良好に生育する ニ 肉汁ゼラチン穿刺培養で生育する ホ リトマス・ミルクでは良好に生育し、カゼ
インの凝集が認められる 運動性: 陰性 カタラーゼ: 陽性 オキシダーゼ: 陰性 β−ガラクトシターゼ: 陽性 グルコースからのガス産生: 陽性 炭水化物からの酸生成: アラビノース、イノシトール、ラクトース、マ
ルトース、マンニトール、ソルビトール、シユ
ークロスース、キシロース、ラムノース、ラフ
イノース、トレハロース、及びサリシンからの
酸生成 陽性 アドニトールからの酸生成 陰性 クエン酸塩の利用: 陽性 マロン酸塩の利用 陽性 グルコン酸塩の利用 陽性 VP(Voges Proskauer)テスト: 陽性 MR(メチルレツド)テスト: 陰性 硝酸塩の還元: 陽性 尿素の加水分解: 陽性 アルギニンの加水分解: 陰性 ゼラチンの加水分解: 陰性 フエニルアラニンテスト: 陰性 インドールの生成: 陰性 リジンデカルボキシラーゼ: 陽性 〓〓オルニチンデカルボキシラーゼ: 陰性 脱窒反応: 陰性 〓〓 硫化水素の生成: 陰性 〓〓 でんぷんの加水分解: 陽性 〓〓 無機窒素源の利用: 陽性 無機窒素源として硝酸アンモニウム、硝酸カリ
ウム、尿素、リン酸2水素アンモニウム、リン
酸水素2アンモニウム、リン酸アンモニウムナ
トリウム及び硫酸アンモニウムを利用。 〓〓 ウレアーゼ: 陽性 〓〓 生育の範囲: イ PHを4.0〜13.5(耐アルカリ性) ロ 温度 10℃では増殖せず、44.5℃でラクト
ースからガスを産生し、かつメリジトースを
醗酵しない。 〓〓 酵素に対する態度:通性好気性 OFテスト:D−グルコース、シユークロー
ス、ラクトース、イヌリン、L−ソルボー
ス、L−アラビノース、ミオーイノシトー
ル、D−マンニトール、L−ラムノース、
ラフイノース、D−ソルビトール、ドルシ
トールを基質とした時(F)、D−メリジ
トースの時(O) 下記の糖類からの酸及びガスの生成: D−マンノース 酸及びガス生成 D−フラクトース 同 上 D−ガラクトース 同 上 グリセリン 同 上 でんぷん 同 上 上記菌学的性質を有する菌株は、クレブシエ
ラ・ニユーモニアKPS5002の菌株名で工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研条寄第625号の
受託番号で寄託されている。 なお、クレブシエラ・ニユーモニア
(Klebsiella pneumoniae)は、良く知られてい
るとおり、紫外線、X線、放射線などの照射及び
突然変異源(例えば、ニトロソグアニジン、ナイ
トロゲンマスタード、アクソシンオレンジ)など
の変異手段により容易に変異し得るので、このよ
うにして得られる変異株であつても、高粘性BS
−1物質の生産能を有するものは全て本発明で利
用されるクレブシエラ・ニユーモニアの菌株に包
含されるものと理解すべきである。 次に、クレブシエラ・ニユーモニアの菌株を利
用して高粘性BS−1物質を製造する方法につい
て説明する。 本発明に係る高粘性BS−1物質は、上記菌株
を、炭素源、窒素及びその他の生育に必要な栄養
成分を含む固体培地もしくは液体培地中で、湯盪
培養や通気撹拌培養のような好気的培養を行うこ
とにより生産される。ここで培地に用いる炭素源
としては、ラクトース、シユークロース、マルト
ース、ガラクトース、グルコース、フラクトース
等の糖類を例示し得るが、中でもラクトースが好
ましい。これら糖類の培地中における濃度は使用
菌が生育し得る程度であれば特に限定されない
が、通常1〜10%(W/V)、好ましく3〜5%
(W/V)である。また、窒素源としては、ポリ
ペプトン、酵母エキス、肉エキス、トリブチケー
スのような有機物、又は硝酸塩、アンモニウム塩
のような無機物を例示し得るが、BS−1物質の
生産性の観点からは有機態の窒素源が好ましいと
いえる。さらに、培地には必要に応じて、リン酸
一カリウムやリン酸二カリウムのようなリン酸
塩、鉄、銅、マグネシウム、マンガン、モリブテ
ン、亜鉛、ホウ素等の微量金属類及びビオチン、
チアミン、ビタミンB12等のビタミン類及び核酸
類等を添加してもよい。 上記培地中での培養温度は、使用菌の増殖至適
温度範囲である20〜37℃好ましくは25〜32℃であ
る。培養に際しての培地のPHは特に限定されない
が、4〜8、好ましくは中性付近である。また、
培養時間は、培地の粘度が最大に達するまで行え
ばよいが、実際上は生産効率の点から通常3〜7
日間でよい。 上記菌株を、上述のような培養条件下に培養す
ると、経時的に培地の粘度が上昇し、5日後には
200〜300センチポイスに達し、BS−1物質が培
地中に生産、蓄積されたことがわかる。 培養終了後、培地中のBS−1物質を常法に従
つて分離、採取する。この分離、採取は、例えば
液体培地を用いた場合には、培養終了後培養液を
水で希釈し、遠心分離などにより菌体等の不純物
を除去し、次いで除菌した培養液にエチルアルコ
ール、メチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、アセトンのごとき有機溶媒またはセチルトリ
メチルアンモニウムやブチルアマイドのような第
4級アミンを加えると粗BS−1物質が沈澱する。
この沈澱を洗浄した後、さらにアセトンで脱水及
び脱脂した後乾燥させることにより、高粘性BS
−1物質が得られる。 このようにして得られる高粘性BS−1物質は
下記性質を有する。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2000〜3000センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース50〜70%、マンノース0.5〜3%、
グルコース1〜5%、グルクロン酸25〜37%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陽性 f 分子量: 10万〜1000万 g 元素分析値:C 5.0〜40.0 H 2.0〜6.0 N 0〜1.0 h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日本分光DS−701G型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1420,1300,1140,1080,
800 本発明では、上述のごとくして得られた高粘性
BS−1物質を下記のより更に精製処理して精製
高粘性BS−1物質を得ることもできる。 上記高粘性BS−1物質をエチルアルコールを
用いて再析出させる操作を繰り返し行い、更に必
要に応じて析出処理もしくはクロマトグラフイー
で処理して精製する。このようにして得られる精
製高粘性BS−1物質は下記性質を有する。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2400〜2600センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース60〜65%、マンノース1.5〜2.5
%、グルコース2〜3%、グルクロン酸30〜35
%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 f 分子量: 200万〜1000万 g 元素分析値:C 37.5〜39% H 5.5〜6% N 0〜0.2% h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日光分析A−100型で測定)
(cm-1) 3400,2920,1620,1400,1360,1280,1220,
1140,1060,920,860,800,760 上述のようにして得られる高粘性BS−1物質
及びそれを更に精製した精製高粘性BS−1物質
は、水に容易に溶けて非ニユートン性の透明な溶
液となり、低濃度で高い粘性を示すことから、増
粘剤、タレ防止剤、分散剤、食感改善剤、凍結安
定剤、代用血漿等として食品及び医薬品分野で広
範囲な用途に供することができる。 また、これら物質は低濃度で高い乳化安定性も
示すので、乳化安定剤としても優れた性能を呈す
る。 以下実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 1 高粘性BS−1物質の製造: クレブシエラ・ニユーモニア(Klebsiella
pneumoniae)KPS5002(微工研条寄第625号)
を、ラクトース3wt%、トリプチケース0.35wt
%、リン酸一カリウム0.6wt%、硫酸マグネシウ
ム0.07wt%及び寒天1.4wt%から成る斜面培地に
おいて増殖させたものを白金耳でかき取り、上記
培地において寒天を除いた液体培地10mlに接種
し、30℃で1日間振盪培養で前培養を行つた。 次いで、上記前培養に用いたと同様な組成の液
体培地を120℃15分間加熱滅菌したものの1に、
上記前培養したものを無菌的に接種して、30℃で
日間振盪培養(120rpm)を行つた。培養の進行
に伴ない培養液は粘稠となり、BS−1物質の生
産、蓄積が認められた。 得られた培養液を18000rpmで15分間遠心分離
を行つて菌体を除去したものに、2倍量のエタノ
ールを加えてBS−1物質を析出させた。この析
出したBS−1物質をガラス棒でからめ取り、エ
タノールによる洗浄を繰り返して行つた後、アセ
トンを加えてホモゲナイズし、次いでアセトンを
除去してデシケーター内で乾燥し、乾燥物9gを
得た。得られた乾燥物の理化学的性質を調べた結
果、下記に示すとおりであつて、高粘性BS−1
物質であると確認された。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2000〜3000センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース62.1%、マンノース1.5%、グル
コース3.2%、グルクロン酸33.2%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 ± f 分子量: 10万〜1000万 g 元素分析値:C 5.0〜40.0 H 2.0〜6.0 N 0〜1.0 h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日本分光DS−701G型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1420,1300,1140,1080,
800, なお、添付の第1図に、ここで得られた高粘性
BS−1物質の赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤
法)を示す。 高粘性BS−1物質の精製: 上述のごとくして得られた高粘性BS−1物質
9gを蒸留水に溶解し、遠心分離により夾雑物を
除去したものに、エタノールを加えてBS−1物
質を再析出させる操作を2回繰り返して行つた
後、析出物を蒸留水に溶解した。この水溶液を透
析膜に入れ、純水に対して24時間透析を行い、次
いで真空凍結乾燥を行い、白色塊状の精製物6g
を得た。得られた精製物の理化学的性質は下記に
示すとおりであつて、精製高粘性BS−1物質で
あると確認された。 a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に易溶、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2400〜2600センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 構成成分: ガラクトース55.9%、マンノース1.6%、グル
コース2.4%、グルクロン酸28.9%。 (主要構成糖成分比率): ガラクトース62.9%、マンノース1.8%、グル
コース2.6%、グルクロン酸32.6%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 f 分子量: 200万〜1000万 g 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ h元素分析値: C 38.5% H 5.8% N 0.1% i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日光分析A−100型で測定)
(cm-1) 3400,2920,1620,1400,1360,1280,1220,
1140,1060,920,860,800,760 なお、添付の第2図に、ここで得られた精製高
粘性BS−1物質の赤外線吸収スペクトル(KBr
錠剤法)を示す。 次に、本発明による高粘性BS−1物質の有用
性を説明するために、該物質を増粘剤ならびに乳
化安定剤として用いた例を実施例2ならびに3と
してそれぞれ示す。 実施例 2 実施例1で得られた高粘性BS−1物質の1%
の水溶液を調製し、一方、比較例として市販のキ
サンタンガム、カラギーナン並びにトラガントガ
ムの1%濃度水溶液をそれぞれ調製し、これらの
各水溶液の20℃における粘度を測定した。 その結果は第3図に示すとおりであつて、同図
にみられるとおり、BS−1物質の粘度は全ての
ずり速度において最も高い値を示し、ずり速度
1sec-1の場合には約7000センチポイスに達した。 また、BS−1物質の水溶液は無色透明である
ので増粘剤として有利に利用し得るものといえ
る。 実施例 3 実施例1で得られた高粘性BS−1物質0.5wt%
(対全量)を60〜70℃に加熱した蒸留水に加えて
ホモジナイザーで撹拌して溶解させ、これに同温
度に加熱した大豆油を全量の20wt%並びに40wt
%添加して再びホモジナイズを行い、O/W比が
2/8並びに4/6のエマルジヨンを作成した。
これらのエマルジヨンを目盛り付試験管に移して
室温に放置し、1日後、7日後、及び1ケ月後の
エマルジヨンの安定性を観察した。 なお、比較例として、シヨ糖モノステアリン
酸、Tween80並びにCMC(カルボキシメチルセ
ルロース)をそれぞれ同量を用いて上記と同様の
手順でエマルジヨンの安定性を同時に観察した。 結果は表1に示すとおりである。
【表】
表1にみられるとおり、BS−1物質は最も優
れた乳化安定性を示し、また、該物質を用いて作
成したエマルジヨンは非常にキメが細かくクリー
ム状を呈し、1ケ月を経過してもこの性状が保た
れた。
れた乳化安定性を示し、また、該物質を用いて作
成したエマルジヨンは非常にキメが細かくクリー
ム状を呈し、1ケ月を経過してもこの性状が保た
れた。
添付の第1図は、本発明の高粘性BS−1物質
の赤外線吸収スペクトルを示し、第2図は精製し
た高粘性BS−1物質の赤外線吸収スペクトルを
示す。第3図は高粘性BS−1物質の粘度を市販
の増粘剤と比較した結果を示したものである。
の赤外線吸収スペクトルを示し、第2図は精製し
た高粘性BS−1物質の赤外線吸収スペクトルを
示す。第3図は高粘性BS−1物質の粘度を市販
の増粘剤と比較した結果を示したものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 クレブシエラ属(Klebsiella)に属する微生
物により生産される高粘性物質であつて、下記性
質を有することを特徴とする高粘性BS−1物
質; a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に容易、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2000〜3000センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース50〜70%、マンノース0.5〜3%、
グルコース1〜5%、グルクロン酸25〜37%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陽性 f 分子量: 10万〜1000万 g 元素分析値:C 5.0〜40.0 H 2.0〜6.0 N 0〜1.0 h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr錠剤法、日本分光DS−701G型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1420,1300,1140,1080,
800, 2 下記性質を有する精製された、特許請求の範
囲第1項に記載の高粘性BS−1物質: a 外観:無味、無臭の白色粉末。 b 溶解性:水に容易、 メタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベン
ゼンに難溶、鉱酸により加水分解。 c 粘度: 2400〜2600センチポイス(1%水溶液、温度30
℃、ずり速度3.83sec-1)。 d 主要構成糖成分: ガラクトース60〜65%、マンノース1.5〜2.5
%、グルコース2〜3%、グルクロン酸30〜35
%。 e 呈色反応: フエノール硫酸反応: 陽性 カルバゾール硫酸反応 陽性 モーリツシユ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 f 分子量: 200万〜1000万 g 元素分析値:C 37.5〜39% H 5.5〜6% N 0〜0.2% h 比旋光度:〔α〕27 D=+127゜ i 赤外線吸収スペクトル: (KBr 錠剤法、日光分析A−100型で測
定)(cm-1) 3400,2920,1620,1400,1360,1280,1220,
1140,1060,920,860,800,760 3 クレブシエラ属に属する微生物がクレブシエ
ラ・ニユーモニア(Klebsiella pneumoniae)
KPS5002(微工研条寄第625号)である特許請求
の範囲第1項記載の高粘性BS−1物質。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61125347A JPS62282592A (ja) | 1986-05-30 | 1986-05-30 | 高粘性bs−1物質及びその製造法 |
| US07/054,264 US4975371A (en) | 1986-05-30 | 1987-05-26 | High viscous substance BS-1 and process for producing the same |
| EP87304795A EP0247899B1 (en) | 1986-05-30 | 1987-05-29 | Substance useful as a thickening agent and/or emulsion stabilizer |
| DE8787304795T DE3780360T2 (de) | 1986-05-30 | 1987-05-29 | Verbindung, verwendbar als verdickungsmittel und emulsionsstabilisator. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61125347A JPS62282592A (ja) | 1986-05-30 | 1986-05-30 | 高粘性bs−1物質及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62282592A JPS62282592A (ja) | 1987-12-08 |
| JPH0219121B2 true JPH0219121B2 (ja) | 1990-04-27 |
Family
ID=14907868
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61125347A Granted JPS62282592A (ja) | 1986-05-30 | 1986-05-30 | 高粘性bs−1物質及びその製造法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4975371A (ja) |
| EP (1) | EP0247899B1 (ja) |
| JP (1) | JPS62282592A (ja) |
| DE (1) | DE3780360T2 (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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| US5989874A (en) * | 1995-03-27 | 1999-11-23 | Tayca Corporation | Humectant, antistatic agent, dispersant and film-forming agent having polysaccharide as active principle, preparation process of polysaccharides, and Kliebsiella ocytoca TNM-3 strain |
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