JPH0223517B2 - - Google Patents

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JPH0223517B2
JPH0223517B2 JP61183901A JP18390186A JPH0223517B2 JP H0223517 B2 JPH0223517 B2 JP H0223517B2 JP 61183901 A JP61183901 A JP 61183901A JP 18390186 A JP18390186 A JP 18390186A JP H0223517 B2 JPH0223517 B2 JP H0223517B2
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ethylene
powder
coating
copolymer
granular fertilizer
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Toshio Fujita
Yoshitatsu Yamashita
Shigemitsu Yoshida
Katsutoshi Yamahira
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Description

【発明の詳細な説明】
〔技術の分野〕 本発明は、分解性被膜で被覆された粒状肥料と
その製造方法に関する。更に詳しくは、ポリ3−
ハイドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸を必
須の樹脂成分とする分解性被膜で被覆された該肥
料と該製造方法に関する。 本発明に係る被膜は、土壌微生物により分解さ
れ最終的に土壌中に残留しない。本発明に係る被
膜中には、粒状肥料の溶出を調節するため種々の
助剤又は薬剤を添加できる。 〔従来の技術〕 土壌中に施用された粒状肥料中の肥効成分の溶
出を作物の生育に伴う要求と合致させるため、ま
たは粒状肥料の流通過程における吸湿又は固結を
防止するため、種々の研究がなされて来た。粒状
肥料の表面を高分子重合体で被覆する方法もその
一つである。この被覆には、熱硬化性又は熱可塑
性のいづれも使用されている。しかしながら、こ
のような高分子重合体による被覆にも後述のよう
な種々の問題点がある。 熱硬化性樹脂を用いる方法としては、例えばス
チレン化アルキツド樹脂とフエノール樹脂(英国
特許954555)、脂肪油変性アルキツド樹脂、脂肪
油ジシクロペンタジエン共重合体、ジイソシアネ
ート変性脂肪油重合体(特公昭40−28927)若し
くはフエノール樹脂等(特公昭44−28457)が示
されている。また、熱可塑性樹脂を用いる方法と
しては、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリルニトリル、ポ
リエチレンおよびポリフツ化アルカンまたは之等
の構成単位単量体の二以上からなる共重合体(英
国特許第815829)、酢酸ビニル乳化重合液(特公
昭37−15832)が示されている。 高分子重合体、特に熱可塑性樹脂溶液或いはそ
の乳化重合液等を被覆材として用いた時の問題点
として、特公昭42−13681には粒状物表面に液状
樹脂又は曳糸性樹脂を被覆させると樹脂の曳糸性
のためわずか数%樹脂が被覆される丈で粒子は粘
着し合つてブロツクを作つてしまい個々の粒状物
とならず均一に厚く被覆することは困難であるこ
とが示されている。 特開昭50−99858、特開昭51−75874、特開昭53
−98265は、本願発明者らによつて発明された粒
状肥料の被覆方法に関するものであるが、これら
公報には樹脂溶液の性質と乾燥条件の選択によつ
て被覆工程でブロツキングを起すことなく、一工
程で能率よく被覆できる方法が示されている。 特開昭50−99858には、ポリオレフインを主成
分とする被覆材で粒状肥料を被覆するに際し、粒
状肥料に被覆材料の溶液を噴霧し、被覆すると同
時に高速熱風流により乾燥し、粒状肥料を被覆す
る方法が示されている。この技術の特徴は、極
めて薄い被覆で均一に被覆できる点と、界面活
性剤を溶出調節剤として被膜に分散させ溶出速度
を調節できる点にある。 特開昭51−75674はポリ塩化ビニリデン系の樹
脂及び酢酸ビニル部分が5重量%以下のエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体がポリオレフイン樹脂と
同様に極めて薄い被膜として粒状肥料を均一に被
覆できることを開示している。 特公昭60−37074ではポリオレフイン系樹脂と
エチレン酢酸ビニル共重合体及び界面活性剤によ
る該被覆が安定性の高い溶出コントロールをもた
らこすとが可能である旨を開示している。 更に特公昭60−3040および特開昭55−1672では
タルク等の無機粉体やイオウを前記ポリオレフイ
ン系樹脂等の被膜中に分散させることにより、溶
出コントロール機能を維持し、併せて溶出後の残
留カプセルの崩壊や分解が促進されることが示さ
れている。 これら一連の本願発明者らによる被覆技術は集
約され、粒状尿素、又は化成肥料を被覆した被覆
粒状肥料として実用化され、優れた溶出コントロ
ール肥料として広く使用されるに至つた。これら
の肥料は被膜の厚みを変えることなく数時間〜数
年の溶出コントロールが連続的に調整出来るが、
基本的にSlow−releaseの溶出パターンを示し、
又肥効成分溶出後のカプセルは光により又は酸素
によつて劣化、分解してゆく性質のものである。
しかしながら、関係者から更に進んだ微生物分解
性の材料で被覆したSlow−release型及びタイム
カプセル型肥効成分溶出後のカプセルが速かに微
生物により分解される被覆粒状肥料の出現が要望
されていた。 〔発明の目的〕 これらの情況に鑑み本願発明者らは微生物分解
性の資材をベースとした任意にコントロール可能
なSlow−release型肥料や所定期間まで溶出せ
ず、その後短期に溶出するタイムカプセル型肥料
の研究を行い、本願発明に至つたものである。 本発明に必須な被覆材料であるポリ(3−ハイ
ドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸)、特に
アルキル基がメチル又はエチルである前記重合体
が優れた微生物分解性高分子材料であることを確
認した後、本発明を完成するために種々の溶剤に
溶解してコーテイングを試みた。或る溶剤溶液の
場合は、噴霧状で添加してゆくと被覆材が粘着し
て被覆中の粒子がくつつき合い、単粒の被覆がで
きなかつた。また或るものは高分子特有の強靭な
被膜が得られなかつた。試行錯誤の結果、本願発
明者らの発明による特開昭50−99858に示された
被覆法を参考にした次に述べる方法により均一な
被膜による単粒の被膜が可能になり、本発明方法
が発見され、本発明が完成された。 これらの技術を完成するには次の〜を全て
満足さす高分子材料を見出さねばならない。 土壌微生物により容易に分解される強靭な高
分子材料を見つけ出すこと その材料を用いる被覆加工技術の開発ができ
ること その材料により被覆加工されたものが溶出コ
ントロール可能であること 他の材料と複合化することにより広範囲な溶
出速度コントロールができること 土壌中に於いて土壌微生物のアタツクを受け
る条件下でも溶出コントロールができること。 これらの検索研究の初期の段階では、種々の高
分子材料が調査選択され、土壌中に埋没され土壌
微生物による分解を受けるかの評価がなされた。
この内数種の高分子材料が分解を受けることがわ
かつた。これら分解性材料を用いて種々の被覆加
工が検討されたが、大部分のものは溶出コントロ
ールに耐え得る均一な被膜加工ができなかつた。
均一な被膜に被覆加工できたものでも膜の物性や
水中溶出試験により評価された結果、大部分のも
のは実用に供用し得ないものであつた。こゝでス
クリーニングされたものは更に他の材料と組合さ
れ、複合材料として用いられ、広範囲な溶出速度
コントロールができることが水中溶出試験により
確認された。 これらのものは更に土壌中に於て、土壌微生物
に分解を受ける条件下での溶出もテストされた。
複合材料化することにより、例えば高分子材料の
内、微生物非分解性のものが多いとカプセル自体
の土壌分解が抑制されるものもあつたが、これは
現在のSlow−release型の溶出コントロール肥料
としては利用可能のものであつた。本発明はかく
の如く長期間に亘る研究開発を行つた結果達成さ
れた。 以上の記述から明らかなように、本発明の目的
は、土壌微生物により分解可能な被膜で被覆され
た粒状肥料とその製造方法を提供することであ
る。 〔発明の構成・効果〕 本発明(二発明)は、下記(1)、(6)の主要構成と
(2)〜(5)又は(7)〜(9)の実施態様的構成を有する。 (1) ポリ3−ハイドロオキシ−3−アルキルプロ
ピオン酸を有効成分とする分解性被膜で被覆さ
れてなる粒状肥料。 (2) アルキル基がメチル基若しくはエチル基であ
る前記第(1)項に記載の粒状肥料。 (3) 分解性被膜がポリ3−ハイドロオキシ−3−
アルキルプロピオン酸のほか、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリオレフイン、ゴム、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメ
タアクリレート、エチレン・一酸化炭素共重合
体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合
体、若しくはエチレン・エチルアクリレート共
重合体、エチレンメタクリル酸共重合体の樹脂
類ならびにパラフイン、硬化油、固型脂肪酸お
よびその金属塩、蜜ロウ、木ロウ石油樹脂若し
くはロジンの低分子樹脂状物質から選ばれた一
種類若しくは2種類以上の物質からなる前記第
(1)項記載の粒状肥料。 (4) 分解性被膜が無機質または有機質であつて難
水溶性又は不溶性の粉末を含有する前記第(1)項
又は第(3)項に記載の粒状肥料。 (5) 無機質粉末がタルク、クレイ、シリカ、ケイ
ソウ土、金属酸化物、若しくはイオウの粉末で
あり、有機質粉末がでんぷん若しくはクロチリ
デンジウレアの粉末である前記第(4)項に記載の
肥料。 (6) ポリ3−ハイドロオキシ−3−アルキルプロ
ピオン酸の有機溶剤溶液を流動状態の粒状肥料
に噴霧状で添加し、該添加時に該粒状肥料に高
速熱風流を吹付けて該添加された有機溶剤溶液
中の有機溶剤を瞬時に除去乾燥せしめることを
特徴とする分解性被膜で被覆された粒状肥料の
製造方法。 (7) 有機溶剤溶液にポリ3−ハイドロオキシ−3
−アルキルプロピオン酸のほか、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリオレフイン、ゴム、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリメチル
メタアクリレート、エチレン・一酸化炭素共重
合体、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重
合体、若しくはエチレン・エチルアクリレート
共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体の樹
脂類ならびにパラフイン、硬化油、固型脂肪酸
およびその金属塩、蜜ロウ、木ロウ石油樹脂若
しくはロジンの低分子樹脂状物質から選ばれた
一種類若しくは2種類以上の物質を溶解せしめ
て使用する前記第(6)項に記載の製造方法。 (8) 有機溶剤溶液に、さらに無機質または有機質
であつて難水溶性又は不溶性の粉末を混合分散
せしめて使用する前記第(6)項若しくは第(7)項に
記載の製造方法。 (9) 無機質粉末が、タルク、クレイ、シリカ、ケ
イソウ土、金属酸化物若しくはイオウの粉末で
あり、有機質粉末がでんぷん若しくはクロチリ
デンジウレアの粉末である前記第(8)項に記載の
製造方法。 本発明は分解性被膜形成用の土壌微生物分解高
分子材料としてポリ3−ハイドロオキシ−3−ア
ルキルプロピオン酸(化学構造〔〕)を使用す
ることを特徴とするが、特に好ましい材料とし
て、ポリ3−ハイドロオキシ−3−メチルプロピ
オン酸(化学構造〔〕)、ポリ3−ハイドロオキ
シ−3−エチルプロピオン酸(化学構造〔〕)
及び3−ハイドロオキシ−3−メルルプロピオン
酸と3−ハイドロオキシ−3−エチルプロピオン
酸との共重合体(化学構造〔〕)である。これ
らは基本的には下記の化学構造を有するが、共重
合体〔〕の結合はランダムであつてもブロツク
であつても良い。 本発明の粒状肥料は、これらポリ3−ハイドロ
オキシ−3−アルキルプロピオン酸系の材料によ
つて被覆された場合でも充分な溶出コントロール
機能が得られる。すなわち、例えば潮解性溶解度
共に大きい尿素等では数十日、それらの物性値が
小さい硫酸カリ等では数百日の溶出の持続性が得
られる。これら単独材料より溶出を促進させる場
合は界面活性剤を形成被膜、すなわちカプセル内
に分散させるか粉体を充填材として分散させるか
で、その分散量に応じて促進程度の調節ができ
る。しかし乍らこれらの方法では、単独材料以上
に溶出期間を短縮することはできても延ばすこと
は困難である。 本発明に使用し得る界面活性剤は陽イオン性の
もの、陰イオン性のもの、両性のもの、非イオン
性のもの何れも使用し得るが、界面活性剤の親水
性疎水性のバランスが重要である。親水性が強す
ぎる場合は被膜内に均一に分散せずに凝集して被
膜欠陥生成の原因になる。親油性の強いものは被
膜への影響はないが、溶出促進効果がやゝ劣る傾
向がある。これらの界面活性剤のHLBは15以下、
好ましくは11〜13の範囲にある。 本発明で使用されるフイラーとしての粉体は難
水溶性又は不溶性の粉体であり、無機質若しくは
有機何れのものも使用し得るが、その粒径は被膜
厚みの半分以下、好ましくは1/4以下のものが良
い。これらのフイラーは被膜内に均一に分散され
るが、分散性不良のものはシリコン等による表面
処理や界面活性剤等で分散し易くする等の分散性
改良処理が必要である。これらの無機質粉体の好
ましい例としては、タルク、炭酸カルシウム、ク
レイ、ケイソア土、シリカ及びその塩、金属酸化
物イオウ等が挙げられる。これら無機質粉体の内
イオウは微生物分解を受ける材料であり、被膜の
複合材料の成分として土壌中での分解を受け易く
する等の利点がある。一方、有機質の粉体は、フ
イラーとしては無機のものに劣るが、微生物によ
つて分解を受け易いものが多く、複合材料として
の土壌分解はイオウより優れた利点があり、例え
ばべんぷんその他でんぷん質の材料や土壌中で微
生物分解によつてNH+ 4を生成するクロチリデー
ジウレア等の緩効性窒素肥料等が好ましい材料で
ある。これら粉体をフイラーとして使用した場
合、該使用量が増えると、いづれの粉体を使用し
た場合であつても被膜強度が低下する傾向があ
る。 本発明において肥効成分の溶出をコントロール
するもう一つの方法は、被膜形成材料として他の
高分子材料やワツクス類を併用することにより得
られる。この方法は単独材料の場合より溶出を遅
延させる場合に特に有効であるが、複合化する材
料の選択によつては促進することもできる。これ
らの方法は第1の方法である界面活性剤やフイラ
ーを配合することによる促進効果と併用して使用
することが出来、望ましい場合が多い。 ポリ3−ハイドロオキシ−3−アルキルプロピ
オン酸系の材料と併用できる分解性被膜用材料と
しては、ポリ塩化ビニリデンおよびその共重合
体、ポリオレフイン系の樹脂、エチレン・一酸化
炭素共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エ
チレン・エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン・メタアクリル酸共重合体、ゴム系樹脂、ポリ
スチレン、ポリメチルメタアクリレート等であ
る。この内ポリ塩化ビニリデン及びその共重合
体、ポリオレフイン系の樹脂およびエチレン・一
酸化炭素共重合体等の高分子材料は溶出を遅延さ
せる目的からは好ましい材料である。 一方、溶出を促進させる高分子材料としてはエ
チレン・酢酸ビニル共重合体の特に酢酸ビニル含
量の多い(40重量%以上のもの)やゴム(ゴム系
樹脂)の内、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリブ
タジエン、スチレン・ブタジエンランダム共重合
体である。 一方、複合化する好ましいワツクス状材料とし
ては、パラフイン、固形油脂類特に硬化油、固形
脂肪酸とその二価、三価の金属塩、蜜ロウ、木ロ
ウ、ロジンおよび石油樹脂等であり、これらは溶
出を遅延させる材料である。 本発明によれば、ポリ3−ハイドロオキシ−3
−アルキルプロピオン酸系材料を被覆材料として
多様な機能を持つた被覆粒状肥料ができる。芯物
質として使用する粒状肥料には、成分や粒径や形
状等多様であり、同一機能を賦与する場合であつ
ても肥料の種類、粒径及び形状で被覆状態を変え
なければならない。例えば、本発明被覆粒状肥料
の実用的な膜厚は20〜300μの範囲にあるが、こ
の膜厚を保持するための被覆率は粒径(粒子の大
きさ)や形状によつて大きく変る。これらの膜厚
は20μ未満の範囲では充分な溶出抑制がむずかし
く、200μを超える膜厚が必要な場合はほとんど
ない。因に公知のSlow−release型では通常20〜
120μ、タイムカプセル型では80〜200μが好まし
い範囲である。 又、溶出期間の設定には対しても粒状肥料の性
質の影響を大いに受ける。同じ粒径や形状のもの
を使用し、同じ被覆組成で同じ膜にしても、肥料
の種類(例えば尿素、硫酸カリ等の)により溶出
の持続期間は10倍以上の差異が生ずる場合もあ
る。 本発明の被覆粒状肥料の設計に際しては、先づ
芯物質である肥料の種類、粒径及び形状が決めら
れ、つづいて膜厚、被覆率が設定される。これら
の特定条件下に於いて、Slow−release型として
は溶出の持続性が検討されるが、この方法は前述
の4種の方法、即ち界面活性剤、フイラー、特定
された高分子材料、特定されたワツクス類の一種
以上の組合せが可能であり、同一の持続性組成の
組合せは多数存在する。 例えばポリ3−ハイドロオキシ−3−アルキル
プロピオン酸系の材料だけの被膜と同一の溶出持
続性機能を有する被膜にするため先づポリエチレ
ン等の高分子材料や硬化油等のワツクス類等の溶
出を遅延する物質とポリ3−ハイドロオキシ−3
−アルキルプロピオン酸系の材料を混合して溶出
持続性を高めた組成として、これにフイラーや界
面活性剤を加えて溶出を促進させればポリ3−ハ
イドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸系の材
料と同等の溶出持続機能を有するものができるこ
とになる。 かくの如く単に溶出持続性からは無限の組合せ
があるが、他の性質からの制約がある。 第1の制約は、被膜の強度であり、フイラーが
被膜重量の80%を越えると膜強度が弱くなり、汎
用の肥料として取扱いを受ける時に被膜損傷を受
け、溶出コントロール機能が損なわれる場合があ
る。同様に溶出遅延剤として使用されるパラフイ
ンや硬化油等のワツクス類は他の高分子材料に対
し50重量%を越えると被膜強度上問題を生ずる。 第2の制約は、被膜の微生物分解性であり、被
膜内に微生物非分解性の高分子が多いと被膜の分
解が阻害される。これは微生物分解性のフイラー
の有無や量により変るが、これがない場合、高分
子材料に対し微生物非分解性樹脂は40%(重量)
以下に抑えるべきであり、又微生物分解性フイラ
ーを使用する場合でも高々60%であるべきであ
る。 本発明の被覆粒状肥料は、微生物分解性の被膜
で覆われたものであり、土壌微生物に侵されるの
で特に微生物活性の強い土壌では水中に於ける溶
出より速くなる傾向がある。これらの傾向は、
微生物非分解性高分子材料の割合を高めること、
殺菌剤を併用すること、及び表面に極薄の保
護膜で覆うことにより調整は出来るが、微生物非
分解性被膜により覆われたものと全く同一の機能
を持たせることは困難である。しかし本発明品は
溶出コントロール肥料として今日の農業にとつて
有益なものであり、且つ微生物分解性高分子材料
による世界初めての溶出コントロール肥料として
は極めて意義深いものである。 更に本発明ではSlow−release型よりも膜厚を
高めて溶出を抑え、或る期間後(微生物分解によ
つて被膜がやぶれて)短期間の間に全量溶出する
タイムカプセル型の肥料もできる。これらの溶出
抑制期間は前記、、の分解抑制より或る程
度コントロールできるが、未だ不完全である。し
かし乍ら、本発明は完全に制御されたタイムカプ
セル型肥料への道を開くものとしても有意義なも
のである。 本発明は全ゆる肥料成分を含む粒状物に適用で
きる。すなわち硫安、塩安、硝安、尿素、塩化カ
リ、硫酸カリ、硝酸カリ、硝酸ソーダ、リン酸ア
ンモニア、リン酸カリ、リン酸石灰等の水溶性肥
料として有用な単体又はこれら2種以上の成分を
含む肥料に対しては特に有効である。又OMUP
(クロチリデンジウレア)、IBDU(イソブチリデ
ンジウレア)やオキザマイド等の難溶性肥料に適
用すると、これらの肥料の有効期間を延ばすこと
ができる。 本発明方法の被覆材は、有機溶剤に溶解又は分
散して使用される。この時使用される溶剤は高分
子材料やワツクス類を溶解するものであつて、本
発明に必須なポリ3−ハイドロオキシ−3−アル
キルプロビオン酸系の材料に対し、熱時は可溶で
あるが冷時は該高分子を微細な結晶として析出し
て白濁するが、ゼリー状になる溶剤群から選択さ
れたものである。これらの被覆のための溶液又は
これに所定のフイラーを分散させた溶液は、溶液
中の高分子材料が析出又はゼリー状にならない様
に高温に保持され、噴霧状で高速熱風流と一緒に
粒状肥料に吹き付られ、溶剤を瞬時に乾燥するこ
とが必須の条件である。 本発明の方法の溶剤の選択は、被覆中に高分子
材料の粘着性によつて粒子同志がブロツク化して
ケーキ状にならないための必要な条件であり、又
高速熱風流による瞬時の乾燥は、溶液が蒸発して
冷却又は濃縮過程で高分子が析出して、高分子本
来の被膜形成を阻害されることをさけるための必
要な条件である。 本発明品はかくの如き溶剤の選定と乾燥条件を
保持して得られるが、被覆液と共に噴射される熱
風流の風速は10m/sec以上、好ましくは15m/sec
以上必要である。 本発明に係る被膜にフイラーとして粉体を使用
する場合、粉体が有機溶剤溶液中で沈降や浮上せ
ずに均一に混合する様に溶解槽等では強制的に撹
拌する必要がある。これらの被覆液は、使用する
温度で50cp以下の粘度になる様に被覆材の粘度
を調整する必要がある。50cp以上の粘度では前
記により選択された溶剤であつても、得られる被
覆粒状肥料の一部のブロツク化はさせられないの
で、この場合、被覆液は更に稀釈して使用する必
要がある。 これらの本発明方法の条件を保持しつつ被覆を
行う装置は噴流層装置が最適であり最も推奨され
る。噴流層装置の一般的な形状は下部が逆円錐形
であつて、その最下部は空気噴出口を有する。こ
の槽内に粒子を入れ、噴出口から熱風を噴出する
と粒子は上方に噴射された後、槽内に落下して再
噴出されるが如く循環する。。こゝの噴出口に被
覆液の噴霧ノズルを設置して噴出される粒子に噴
霧することにより容易に本発明品が得られる。こ
の時の被覆中の粒子温度は、高分子材料が融着せ
ず又は被膜の損傷を受けない上限に保持する。 以下実施例によつて本発明を説明する。 実施例 (1) 本発明方法に使用する溶剤の選択 大型試験管にポリ(3−ハイドロオキシ−3
−メチルプロピオン酸)0.3g(分子量750000)
と供試溶剤30ml取り油浴中に入れて撹拌し乍ら
徐々に温度を上げて(℃/minが目安)溶解す
る。この際溶解の兆候が見えたら、更に昇温速
度を遅くして溶解する温度を把握する。完全に
溶解したら撹拌を止めて、油浴から取り出して
自然放冷により徐冷する。この徐冷過程で白濁
又はゼリー状を呈するものがあるが、このとき
の温度をこの溶液のゲル化点とする。本発明に
使用できる溶剤はゲル化点を有するものであ
る。かくの如き溶剤の検索例を第1表に示す。
【表】
【表】 (2) フイラーの溶出促進効果 1 第1図は本実施例に於て試作品の製造に用
いた噴流被覆装置である。1は噴流塔で塔径
200mm、高さ1500mm、空気噴出口径45mm、円
錐角50゜で、肥料投入口2、排ガス排出口3
を有する。噴流用空気はブロアー10から送
られ、オリフイス流量計9、熱交換器8を経
て噴流塔に至るが、流量は流量計、温度は熱
交換器で管理され、排気は排気口3から塔外
に導出される。被覆に用いられる粒状肥料は
肥料投入口2から所定の熱風を通し乍ら投入
して噴流を形成させる。熱風温度はT1、被
覆中の粒子温度はT2、排気温度はT3の温度
計により検出される。T2が所定の温度にな
つたら被覆液を一流体ノズル4を通して噴霧
状で噴流に向つて吹き付ける。被覆液は液タ
ンク11で撹拌されて粉体使用の場合は粉体
が被覆液中に均一に分散されている様に攪拌
しておく。被覆液はポンプ5より送られてノ
ズルに至るが、80℃以下に温度が低下しない
様に蒸気で加熱しておく。所定の被覆率に達
したらブロアーを止め、被覆された肥料を抜
出口7より排出する。 本実施例のサンプル試作は下記の条件によ
り実施した。 溶 剤 :トリクロルエチレン 一流体ノズル :開口0.8mmフルコン型 風 量 :2.5m2/min 熱風温度 :95℃±3℃ (噴流塔入口) 肥料の種類 :5〜8mechの粒状尿素 肥料投入量 :3Kg 被覆液濃度 :固型分2%(重量) 被覆液供給量 :0.2Kg/min 被覆液供給時間:38min 被 覆 率 :5%(対肥料) 2) 溶出率測定 試作サンプルの溶出率は下記の方法により
求めた。 サンプル10gを200ml水中に浸漬して密封
下で25℃に静置する。所定期間後サンプルと
水を分けて水中に溶出した尿素を定量分析に
より求め、供試サンプル中の全尿素と溶出尿
素の百分率を求めて溶出率とする。 溶出率=水中に溶出した尿素/供試サンプル中の全尿
素×100 溶出率測定後のサンプル(被覆尿素)は再
び200mlの新水に浸漬され25℃に静置された
後同様な方法で再度溶出率を求められる。横
軸に静置日数、縦軸に溶出率累計の点をグラ
フに書いて線で結んで溶出率曲線とする。 3) 供試被覆材料及び被覆状況は第2表の通
りである。
【表】 又、溶出率測定結果は第2図の通りであ
る。 (3) ワツクス類との併用例 サンプル試作及び溶出率の測定は前示2と同
様に実施した。供試被覆材料と被覆状況は第3
表、溶出率測定結果は第3−1及び3−2図の
通りであつた。
【表】 (4) 高分子材料との併用例 本実施例では可燃性溶剤を使用するため第1
図のブロアー10に空冷分離されたN2ガスを
配管して空気の代りにN2ガスにより噴流被覆
した。サンプル試作の条件は下記の通りであ
る。 溶 剤 :トルエン ノズル:開口0.8mmフルコン型(一流体ノズル) N2 量 :2.5m2/min N2温 度 :100℃±3℃ (噴流塔入口) 肥料の種類 :5〜8meshの粒状尿素 肥料投入量 :3Kg 被覆液濃度 :固型分2%(重量) 被覆液供給量 :0.15Kg/min 被覆液供給時間 :50min 被 覆 率 :5%(対肥料) 試作サンプルの溶出率測定は前項2と同様に
実施した。供試被覆材料と被覆状況は第4表、
溶出率測定結果は第4図の通りであつた。
【表】 (5) 土壌中に於ける溶出及び被膜の土壌分解 1) 土壌溶出 水田土壌(水俣市長野町、砂壌土)を風乾
して10mesh篩で篩分けて篩下を供試した。
乾土250gに本発明の被覆粒状肥料サンプル
2gを混合して500mlのポリビンに入れ最大
容水量の150%の水を加えて水田状態にして
25℃に静置する。所定期間後サンプルを含む
土壌を全量を10mesh篩上に移して水中にて
篩分けてサンプルと土壌を分離する。篩上に
残つたサンプルは一粒づゞていねいに捨い上
げ、全量乳鉢に移してすり潰し、該すり潰さ
れたサンプルをメスフラスコ中で水で溶解し
て標線まで満たしてから乾燥濾紙で濾別した
尿素を分析して被膜内に残存する全尿素量を
求める。土壌中の溶出率は下式で計算する。 土壌中の溶出率=供試サンプル中の全尿素−被膜内
残存全尿素/供試サンプル中の全尿素×100 No.11〜14までのサンプルを供試した結果を
第5図に示す。 2) 被膜の土壌分解テスト 本発明のサンプル5gを一粒ずゝ先の鋭い
針を用いてピンホールを作り、30℃水中に2
週間静置して内の尿素を溶出させて空カプセ
ルを作る。溶出液から分離した空カプセルを
(1)で使用した土壌の乾土400gと混合し、最
大容水量の60%になる様に水を加えポリ塩化
ビニリデンフイルムで覆い30℃の恒温槽に静
置する。これを2ヶ月毎に掘り出してカプセ
ルの状況を観察し、この間蒸発水分を補正し
て継続する。これらの観察状況を第5表に示
す。
【表】
【表】 (6) 実施例(2)−1)のサンプル試作条件に於い
て、被覆液供給時間を76分(2倍)延長して被
覆率を10%(対肥料)とした第6表に示す原料
を用いてサンプルを試作した。このサンプルは
実施例(2)−2)の方法により水中溶出率を求
め、更に実施例(5)−1)の方法により土壌中の
溶出を求めた。両溶出率の測定結果は第6図の
通りであつた。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法に使用する装置のフロ
ーシートであり、第2〜6図は、本発明の実施例
の説明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリ3−ハイドロオキシ−3−アルキルプロ
    ピオン酸を有効成分とする分解性被膜で被覆され
    てなる粒状肥料。 2 アルキル基がメチル基若しくはエチル基であ
    る特許請求の範囲第1項に記載の粒状肥料。 3 分解性被膜がポリ3−ハイドロオキシ−3−
    アルキルプロピオン酸のほか、ポリ塩化ビニリデ
    ン、ポリオレフイン、ゴム、エチレン・酢酸ビニ
    ル共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタアク
    リレート、エチレン・一酸化炭素共重合体、エチ
    レン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、若しく
    はエチレン・エチルアクリレート共重合体、エチ
    レンメタクリル酸共重合体の樹脂類ならびにパラ
    フイン、硬化油、固型脂肪酸およびその金属塩、
    蜜ロウ、木ロウ石油樹脂若しくはロジンの低分子
    樹脂状物質から選ばれた一種類若しくは2種類以
    上の物質からなる特許請求の範囲第1項記載の粒
    状肥料。 4 分解性被膜が無機質または有機質であつて難
    水溶性又は不溶性の粉末を含有する特許請求の範
    囲第1項又は第3項に記載の粒状肥料。 5 無機質粉末がタルク、クレイ、シリカ、ケイ
    ソウ土、金属酸化物、若しくはイオウの粉末であ
    り、有機質粉末がでんぷん若しくはクロチリデン
    ジウレアの粉末である特許請求の範囲第4項に記
    載の肥料。 6 ポリ3−ハイドロオキシ−3−アルキルプロ
    ピオン酸の有機溶剤溶液を流動状態の粒状肥料に
    噴霧状で添加し、該添加時に該粒状肥料に高速熱
    風流を吹付けて該添加された有機溶剤溶液中の有
    機溶剤を瞬時に除去乾燥せしめることを特徴とす
    る分解性被膜で被覆された粒状肥料の製造方法。 7 有機溶剤溶液にポリ3−ハイドロオキシ−3
    −アルキルプロピオン酸のほか、ポリ塩化ビニリ
    デン、ポリオレフイン、ゴム、エチレン・酢酸ビ
    ニル共重合体、ポリスチレン、ポリメチルメタア
    クリレート、エチレン・一酸化炭素共重合体、エ
    チレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、若し
    くはエチレン・エチルアクリレート共重合体、エ
    チレンメタクリル酸共重合体の樹脂類ならびにパ
    ラフイン、硬化油、固型脂肪酸およびその金属
    塩、蜜ロウ、木ロウ石油樹脂若しくはロジンの低
    分子樹脂状物質から選ばれた一種類若しくは2種
    類以上の物質を溶解せしめて使用する特許請求の
    範囲第6項に記載の製造方法。 8 有機溶剤溶液に、さらに無機質または有機質
    であつて難水溶性又は不溶性の粉末を混合分散せ
    しめて使用する特許請求の範囲第6項若しくは第
    7項記載の製造方法。 9 無機質粉末が、タルク、クレイ、シリカ、ケ
    イソウ土、金属酸化物若しくはイオウの粉末であ
    り、有機質粉末がでんぷん若しくはクロチリデン
    ジウレアの粉末である特許請求の範囲第8項に記
    載の製造方法。
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