JPH0238668B2 - - Google Patents
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- JPH0238668B2 JPH0238668B2 JP61084788A JP8478886A JPH0238668B2 JP H0238668 B2 JPH0238668 B2 JP H0238668B2 JP 61084788 A JP61084788 A JP 61084788A JP 8478886 A JP8478886 A JP 8478886A JP H0238668 B2 JPH0238668 B2 JP H0238668B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は種々の塩化アルカリ電解に使用できる
陽極、特に塩素−アルカリ製造用電解槽、塩素酸
アルカリ製造用電解槽、海水電解槽の陽極として
好ましい電解用陽極に関する。 (従来の技術) 近年イオン交換膜式食塩電解槽が実用化される
につれ、陽イオン交換膜の性能を劣化させない低
塩素過電圧かつ高酸素過電圧を示す電極の出現が
望まれている。特公昭46−21884号明細書にはバ
ルブ金属基体上に酸化ルテニウムと酸化チタンと
の混晶物質を被覆した電極が記載されており、工
業規模の電解槽において広く利用され、寿命は十
分満足すべきものであつた。しかし酸素発生量が
比較的多く塩素ガスの発生効率が低いという問題
点があつた。この酸素発生機構は次式の様な反応
である。 H2O→2H++1/2O2+2e 陽極液は水素イオンのため酸性となる。また官
能基としてカルボン酸基を有する陽イオン交換膜
はこの水素イオンによりR−COOHとなり、弱
解離性のために絶縁体となり、膜抵抗が増大し、
陽イオン交換膜が損傷し、性能が劣化するという
問題があり、特に陽極液のPHが2以下ではこの傾
向が著しかつた。これは混晶物質中に酸化ルテニ
ウムが30モル%以上含まれているためであり、20
モル%程度に減らせば酸素発生量は若干減少させ
ることはできるが塩素過電圧が高くなるという欠
点を有していた。また公知の白金−酸化イリジウ
ム混合物被覆電極や白金−イリジウム合金被覆電
極は塩素過電圧が低く、酸素過電圧が高いので、
塩素発生効率が良好でありイオン交換膜式食塩電
解槽や塩素酸アルカリ製造用電解槽、海水電解槽
に非常に有利であつたが、使用中に被覆の剥離等
が生じやすいという問題点があり、さらに耐久性
のある電極が望まれていた。 本出願人はこれらの問題点を解決するために上
記白金−酸化イリジウム混合物層の上にMnOX
(Xは1.5以上で2.0より小)で表わされる非化学
量論的化合物を含む酸化マンガン2〜50重量%と
ルチル構造を有する酸化チタン50〜98重量%との
混合物である第2被覆層を設けることにより、白
金−酸化イリジウムの触媒活性層が剥離、溶解、
摩粍することを著しく低下できることを見出して
いる(特開昭58−136790号)。 しかしながら、耐久性についてさらに改善され
ることが望ましい。 特に最近のイオン交換膜式食塩電解槽に使用さ
れている陽極は電流密度30A/dm2において約
100mVの塩素過電圧を有しており、さらに低下
させる余地が残つている。特に電力代の高い近年
においては省エネルギー型の電解槽が望まれてお
り、陽極においても塩素過電圧が低く、塩素発生
量の少ない陽極の開発が重要である。 (発明の構成) 本発明は以上の問題点を解決するためのもので
ある。 すなわち本発明は、バルブ金属基体上に(a)白金
20〜80モル%とルチル構造体を有する酸化イリジ
ウム20〜80モル%との混合物よりなる第1被覆
層、(b)ルチル構造を有する、酸化イリジウム3〜
15モル%と酸化ルテニウム5〜25モル%及び酸化
チタン60〜92モル%の混合物よりなる第2被覆
層、上記(a)(b)単位層を複数層設けたことを特徴と
する塩化アルカリ電解用陽極である。 白金−酸化イリジウム混合物の被覆層は塩素過
電圧が低く、電流密度30A/dm2において約40m
Vの塩素過電圧を有するに過ぎず、塩素発生に非
常に触媒活性な層である。しかしながら電解中に
発生ガスによる剥離や溶解が生じ易いという欠点
がある。 本発明者らは、この白金−酸化イリジウム被覆
層上に酸化イリジウム−酸化ルテニウム−酸化チ
タン混合物の第2被覆層を設けることにより白金
−酸化イリジウム層の剥離・溶解・摩粍等の欠点
を著しく改善することが可能であり、且つ塩素過
電圧は上昇せず塩素過電圧の低下も生じないこと
を見出したものである。 第2被覆層は塩素発生に触媒活性な第1被覆層
の保護層としての役割を果たしているが、この層
自体塩素発生に対する触媒能を或る程度有してい
る。 例えば酸化イリジウム10モル%、酸化ルテニウ
ム15モル%及び酸化チタン75モル%の混合物より
なる第2被覆層を有する電極の塩素過電圧を飽和
食塩水(NaCl310g/、PH1.0)中80℃でカレ
ントインタプラター法にて測定した結果を第1表
に示した。 また、触媒活性な白金70モル%と酸化イリジウ
ム30モル%の混合物よりなる第1被覆層を有する
電極の塩素過電圧を同条件で測定した結果を第1
表に併せて示した。
陽極、特に塩素−アルカリ製造用電解槽、塩素酸
アルカリ製造用電解槽、海水電解槽の陽極として
好ましい電解用陽極に関する。 (従来の技術) 近年イオン交換膜式食塩電解槽が実用化される
につれ、陽イオン交換膜の性能を劣化させない低
塩素過電圧かつ高酸素過電圧を示す電極の出現が
望まれている。特公昭46−21884号明細書にはバ
ルブ金属基体上に酸化ルテニウムと酸化チタンと
の混晶物質を被覆した電極が記載されており、工
業規模の電解槽において広く利用され、寿命は十
分満足すべきものであつた。しかし酸素発生量が
比較的多く塩素ガスの発生効率が低いという問題
点があつた。この酸素発生機構は次式の様な反応
である。 H2O→2H++1/2O2+2e 陽極液は水素イオンのため酸性となる。また官
能基としてカルボン酸基を有する陽イオン交換膜
はこの水素イオンによりR−COOHとなり、弱
解離性のために絶縁体となり、膜抵抗が増大し、
陽イオン交換膜が損傷し、性能が劣化するという
問題があり、特に陽極液のPHが2以下ではこの傾
向が著しかつた。これは混晶物質中に酸化ルテニ
ウムが30モル%以上含まれているためであり、20
モル%程度に減らせば酸素発生量は若干減少させ
ることはできるが塩素過電圧が高くなるという欠
点を有していた。また公知の白金−酸化イリジウ
ム混合物被覆電極や白金−イリジウム合金被覆電
極は塩素過電圧が低く、酸素過電圧が高いので、
塩素発生効率が良好でありイオン交換膜式食塩電
解槽や塩素酸アルカリ製造用電解槽、海水電解槽
に非常に有利であつたが、使用中に被覆の剥離等
が生じやすいという問題点があり、さらに耐久性
のある電極が望まれていた。 本出願人はこれらの問題点を解決するために上
記白金−酸化イリジウム混合物層の上にMnOX
(Xは1.5以上で2.0より小)で表わされる非化学
量論的化合物を含む酸化マンガン2〜50重量%と
ルチル構造を有する酸化チタン50〜98重量%との
混合物である第2被覆層を設けることにより、白
金−酸化イリジウムの触媒活性層が剥離、溶解、
摩粍することを著しく低下できることを見出して
いる(特開昭58−136790号)。 しかしながら、耐久性についてさらに改善され
ることが望ましい。 特に最近のイオン交換膜式食塩電解槽に使用さ
れている陽極は電流密度30A/dm2において約
100mVの塩素過電圧を有しており、さらに低下
させる余地が残つている。特に電力代の高い近年
においては省エネルギー型の電解槽が望まれてお
り、陽極においても塩素過電圧が低く、塩素発生
量の少ない陽極の開発が重要である。 (発明の構成) 本発明は以上の問題点を解決するためのもので
ある。 すなわち本発明は、バルブ金属基体上に(a)白金
20〜80モル%とルチル構造体を有する酸化イリジ
ウム20〜80モル%との混合物よりなる第1被覆
層、(b)ルチル構造を有する、酸化イリジウム3〜
15モル%と酸化ルテニウム5〜25モル%及び酸化
チタン60〜92モル%の混合物よりなる第2被覆
層、上記(a)(b)単位層を複数層設けたことを特徴と
する塩化アルカリ電解用陽極である。 白金−酸化イリジウム混合物の被覆層は塩素過
電圧が低く、電流密度30A/dm2において約40m
Vの塩素過電圧を有するに過ぎず、塩素発生に非
常に触媒活性な層である。しかしながら電解中に
発生ガスによる剥離や溶解が生じ易いという欠点
がある。 本発明者らは、この白金−酸化イリジウム被覆
層上に酸化イリジウム−酸化ルテニウム−酸化チ
タン混合物の第2被覆層を設けることにより白金
−酸化イリジウム層の剥離・溶解・摩粍等の欠点
を著しく改善することが可能であり、且つ塩素過
電圧は上昇せず塩素過電圧の低下も生じないこと
を見出したものである。 第2被覆層は塩素発生に触媒活性な第1被覆層
の保護層としての役割を果たしているが、この層
自体塩素発生に対する触媒能を或る程度有してい
る。 例えば酸化イリジウム10モル%、酸化ルテニウ
ム15モル%及び酸化チタン75モル%の混合物より
なる第2被覆層を有する電極の塩素過電圧を飽和
食塩水(NaCl310g/、PH1.0)中80℃でカレ
ントインタプラター法にて測定した結果を第1表
に示した。 また、触媒活性な白金70モル%と酸化イリジウ
ム30モル%の混合物よりなる第1被覆層を有する
電極の塩素過電圧を同条件で測定した結果を第1
表に併せて示した。
【表】
第1表から明らかなように、第1被覆層と第2
被覆層の塩素過電圧は電流密度30A/dm2におい
て100mVの差異がある。 酸素過電圧について、同じ第1又は第2被覆層
を夫々有する電極を2N−H2SO4水溶液中80℃で
カレントインタラプター法にて測定した結果を第
2表に示した。
被覆層の塩素過電圧は電流密度30A/dm2におい
て100mVの差異がある。 酸素過電圧について、同じ第1又は第2被覆層
を夫々有する電極を2N−H2SO4水溶液中80℃で
カレントインタラプター法にて測定した結果を第
2表に示した。
【表】
この表から第1被覆層と第2被覆層の酸素過電
圧は電流密度30A/dm2において僅か10mVの差
異であり、第2被覆層の方が低いことが分る。 本発明は第1被覆層である触媒活性層と第2被
覆層である触媒保護層を単位層とし、これを複数
層設けてなる陽極であり、その塩素過電圧は触媒
活性層の示す低い値を示し、その酸素過電圧は触
媒活性層の示す高い値を低下させず、白金−酸化
イリジウム層の剥離、溶解を最小限に抑えた耐久
性のある陽極を提供するものである。 本発明の陽極は触媒活性層の性能劣化が生じて
も電圧の急激な上昇がなく、高々触媒保護層の示
す電位となるので、その状態になれば電解を停止
して陽極を再コーテイングすればよく、電解槽の
管理が非常に容易になるのも特徴の1つである。 本発明の第1被覆層は白金20〜80モル%と酸化
イリジウム20〜80モル%の組成である。 酸化イリジウムが20モル%未満では電極電位の
安定性が得られず塩素過電圧の経時変動が生じ易
い。 また80モル%を超えると塩素発生効率が低下す
る傾向にある。 本発明の第2被覆層は酸化イリジウム3〜15モ
ル%と酸化ルテニウム5〜25モル%及び酸化チタ
ン60〜92モル%の組成である。 酸化イリジウムと酸化ルテニウムは上記範囲よ
り小なるときは塩素過電圧が上昇する傾向にあ
り、逆に上記範囲より大なるときは酸素過電圧が
低下するのでいずれも好ましくない。 酸化イリジウムや酸化ルテニウムは単独では酸
素過電圧が低いが、本発明のように両者を混合す
ることにより高い酸素過電圧を示すことが分つ
た。この理由ははつきりしないが、酸化イリジウ
ムと酸化ルテニウムとが混合されると結晶構造に
歪みが生じ電気化学的特性に変化をもたらすもの
と考えられる。 本発明のバルブ金属基体に用いられる金属とし
ては、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオ
ブ、タングステン、モリブデン等の不働態皮膜を
形成する金属及び/又はその合金が挙げられる。
通常は経済性、電気的機械的性質や加工性等の点
からみてチタン及び/又はその合金が好ましく用
いられる。 電極としては、板状、棒状、エキスパンド状、
多孔状等種々の形状が可能である。 本発明の被覆層の形成は次のようにして行われ
る。 (a)の第1被覆層は上記バルブ金属基体の表面を
脱脂後、酸処理、ブラスト処理等の方法でエツチ
ングを行い表面を粗面化させ、白金化合物とイリ
ジウム化合物との混合溶液をハケ塗り、ロール塗
り、スプレー法、浸漬法等の手段で塗布する。 該白金化合物としては塩化白金酸、塩化白金酸
アンモニウム、塩化白金酸カリウム、ジニトロジ
アミノ白金酸等が、該イリジウム化合物としては
三塩化イリジウム、塩化イリジウム酸、塩化イリ
ジウム酸アンモン、塩化イリジウム酸ソーダ等が
挙げられ、該混合溶液の触媒としては、水、エチ
ルアルコール、メチルアルコール、プロピルアル
コール、ブチルアルコール、ラベンダー油、アニ
ス油、リナロエ油、テレビン油、トルエン、メチ
ルエーテル、エチルエーテル等が挙げられる。 これを塗布後、溶媒を蒸発させるために150〜
200℃で数十分間乾燥し、空気又は酸素雰囲気の
電気炉中で300〜800℃にて10〜20分間熱処理を行
う。 熱処理温度が300℃未満では熱分解が完全に起
らず、800℃を超えると金属基体の酸化が進行し
て基体が損傷を受ける。 (b)の第2被覆層は上記第1被覆層の表面に、四
塩化チタン、ブチルチタネートの如きチタン化合
物、塩化ルテニウム、塩化ルテニウム酸の如きル
テニウム化合物及び塩化イリジウム、塩化イリジ
ウム酸の如きイリジウム化合物の混合溶液を塗布
して乾燥及び焼成して形成させる。溶媒として
は、水、エチルアルコール、メチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチル
エーテル、エチルエーテル等が用いられる。中で
もアルコール類が好ましい。 塗布後150〜200℃にて数十分乾燥して溶媒を蒸
発させ、次いで空気又は酸素雰囲気の電気炉中で
400〜600℃にて熱処理を行うことにより、これら
の化合物の熱分解を行う。 この様にして生成した第1被覆層をなす白金−
酸化イリジウム混合物及び第2被覆層をなす酸化
チタンと酸化ルテニウム及び酸化イリジウムは上
記焼成温度では共通のルチル構造を有する結晶を
多く含み、単位格子体積も類似しているのでこれ
ら異種金属相互間の密着性が高まり二層間の密着
力が高まるものと思われる。 本発明においては上記(a)(b)層を交互に多数回積
層被着させることが必要であり、そのような陽極
を使用することによりその効果は顕著に現われ
る。 通常の使用目的においては(a)(b)各被覆層を夫々
3回以上被着させることが望ましく、その操作は
溶媒量を適当に調節することによつて可能とな
る。 (a)層の白金−酸化イリジウムの合計量は7g/
m2もあれば充分であり高価な白金族金属の使用を
節減することができる。 また(b)層の酸化チタンと酸化ルテニウム及び酸
化イリジウムの合計量は4g/m2以上必要であ
り、それ未満では触媒保護層としての能力が十分
でない。 (発明の効果) この様にして白金−酸化イリジウム被覆層の有
する低い塩素過電圧と高い酸素過電圧を保持しつ
つ且つ高価な白金族金属の電解液中における溶解
剥離現象を抑制しつつ耐久性のある塩化アルカリ
電解用陽極を得ることが可能である。 以下実施例により本発明を更に詳説する。例中
の組成%は特記なき限りモル基準である。 実施例1比較例1 市販チタン板(1×10×0.1cm)をアセトン脱
脂後10重量%熱蓚酸溶液中でエツチング処理を行
い、その表面に下記組成の溶液を塗布した。 H2PtCl6・6H2O 1.00g H2IrO6・6H2O 0.43〃 テレビン油 2.0ml ラベンダー油 10.0〃 エチルアルコール 20.0〃 濃塩酸 0.5〃 これを120℃で20分間乾燥し、その後500℃の電
気炉内で10分間焼成することによりPt70%と
IrO230%の第1被覆層を形成させた。この表面に
下記組成の溶液を塗布した。 ブチルチタネート 6.70g RuCl3・3H2O 1.00〃 H2IrCl6・6H2O 1.30〃 濃塩酸 1.0ml n−ブチルアルコール 30.0〃 これを120℃で20分間乾燥し、その後480℃の電
気炉内で10分間焼成することによりTiO275%と
RuO215%とIrO210%の第2被覆層を形成させた。 この第1、2被覆層の被着操作を交互に4回ず
つ繰返すことにより、第1被覆層は合計0.46mg/
cm2、第2被覆層は合計0.50mg/cm2となつた。 上記の第1被覆層のみを同様に合計0.46mg/cm2
被覆した電極を比較電極として各塩素過電圧を飽
和食塩水(NaCl310g/、PH1.0)中80℃でカ
レントインタラプター法にて測定した。 その結果両電極とも電流密度30A/dm2にて塩
素過電圧は30mVを示した。 次に1NH2SO4中80℃の酸素過電圧を測定した
ところ、電流密度30A/dm2にて本発明電極は
405mV、比較電極は410mVであり、酸素過電圧
に殆んど差はなかつた。 更に、両電極をHClO4(2mol/)とNaCl
(1mol/)との混合液中において50℃、電流密
度200A/dm2にて促進消耗試験を行い、電極表
面が不働態化し急激に電位上昇するまでの時間を
測定した。その結果本発明電極は290時間、比較
電極は56時間で電位上昇が生じ、前者は後者の5
倍以上の耐久性を示し、耐久性に大きな差のある
ことが分つた。 実施例2比較例2 実施例1における第1被覆層(4回塗布)は同
様にし、第2被覆層(4回塗布0.50mg/cm2)の組
成比を第5表の如く変化させた以外は実施例1と
同様にして電極を作製した。この電極の塩素過電
圧を飽和食塩水(NaCl300g/、PH2.0)中80
℃、電流密度30A/dm2で実施例1と同様に塩素
過電圧を測定した。 また発生する塩素中に含まれる酸素量をガスク
ロマトグラフイーで分析し、第3表の結果を得
た。
圧は電流密度30A/dm2において僅か10mVの差
異であり、第2被覆層の方が低いことが分る。 本発明は第1被覆層である触媒活性層と第2被
覆層である触媒保護層を単位層とし、これを複数
層設けてなる陽極であり、その塩素過電圧は触媒
活性層の示す低い値を示し、その酸素過電圧は触
媒活性層の示す高い値を低下させず、白金−酸化
イリジウム層の剥離、溶解を最小限に抑えた耐久
性のある陽極を提供するものである。 本発明の陽極は触媒活性層の性能劣化が生じて
も電圧の急激な上昇がなく、高々触媒保護層の示
す電位となるので、その状態になれば電解を停止
して陽極を再コーテイングすればよく、電解槽の
管理が非常に容易になるのも特徴の1つである。 本発明の第1被覆層は白金20〜80モル%と酸化
イリジウム20〜80モル%の組成である。 酸化イリジウムが20モル%未満では電極電位の
安定性が得られず塩素過電圧の経時変動が生じ易
い。 また80モル%を超えると塩素発生効率が低下す
る傾向にある。 本発明の第2被覆層は酸化イリジウム3〜15モ
ル%と酸化ルテニウム5〜25モル%及び酸化チタ
ン60〜92モル%の組成である。 酸化イリジウムと酸化ルテニウムは上記範囲よ
り小なるときは塩素過電圧が上昇する傾向にあ
り、逆に上記範囲より大なるときは酸素過電圧が
低下するのでいずれも好ましくない。 酸化イリジウムや酸化ルテニウムは単独では酸
素過電圧が低いが、本発明のように両者を混合す
ることにより高い酸素過電圧を示すことが分つ
た。この理由ははつきりしないが、酸化イリジウ
ムと酸化ルテニウムとが混合されると結晶構造に
歪みが生じ電気化学的特性に変化をもたらすもの
と考えられる。 本発明のバルブ金属基体に用いられる金属とし
ては、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオ
ブ、タングステン、モリブデン等の不働態皮膜を
形成する金属及び/又はその合金が挙げられる。
通常は経済性、電気的機械的性質や加工性等の点
からみてチタン及び/又はその合金が好ましく用
いられる。 電極としては、板状、棒状、エキスパンド状、
多孔状等種々の形状が可能である。 本発明の被覆層の形成は次のようにして行われ
る。 (a)の第1被覆層は上記バルブ金属基体の表面を
脱脂後、酸処理、ブラスト処理等の方法でエツチ
ングを行い表面を粗面化させ、白金化合物とイリ
ジウム化合物との混合溶液をハケ塗り、ロール塗
り、スプレー法、浸漬法等の手段で塗布する。 該白金化合物としては塩化白金酸、塩化白金酸
アンモニウム、塩化白金酸カリウム、ジニトロジ
アミノ白金酸等が、該イリジウム化合物としては
三塩化イリジウム、塩化イリジウム酸、塩化イリ
ジウム酸アンモン、塩化イリジウム酸ソーダ等が
挙げられ、該混合溶液の触媒としては、水、エチ
ルアルコール、メチルアルコール、プロピルアル
コール、ブチルアルコール、ラベンダー油、アニ
ス油、リナロエ油、テレビン油、トルエン、メチ
ルエーテル、エチルエーテル等が挙げられる。 これを塗布後、溶媒を蒸発させるために150〜
200℃で数十分間乾燥し、空気又は酸素雰囲気の
電気炉中で300〜800℃にて10〜20分間熱処理を行
う。 熱処理温度が300℃未満では熱分解が完全に起
らず、800℃を超えると金属基体の酸化が進行し
て基体が損傷を受ける。 (b)の第2被覆層は上記第1被覆層の表面に、四
塩化チタン、ブチルチタネートの如きチタン化合
物、塩化ルテニウム、塩化ルテニウム酸の如きル
テニウム化合物及び塩化イリジウム、塩化イリジ
ウム酸の如きイリジウム化合物の混合溶液を塗布
して乾燥及び焼成して形成させる。溶媒として
は、水、エチルアルコール、メチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコール、メチル
エーテル、エチルエーテル等が用いられる。中で
もアルコール類が好ましい。 塗布後150〜200℃にて数十分乾燥して溶媒を蒸
発させ、次いで空気又は酸素雰囲気の電気炉中で
400〜600℃にて熱処理を行うことにより、これら
の化合物の熱分解を行う。 この様にして生成した第1被覆層をなす白金−
酸化イリジウム混合物及び第2被覆層をなす酸化
チタンと酸化ルテニウム及び酸化イリジウムは上
記焼成温度では共通のルチル構造を有する結晶を
多く含み、単位格子体積も類似しているのでこれ
ら異種金属相互間の密着性が高まり二層間の密着
力が高まるものと思われる。 本発明においては上記(a)(b)層を交互に多数回積
層被着させることが必要であり、そのような陽極
を使用することによりその効果は顕著に現われ
る。 通常の使用目的においては(a)(b)各被覆層を夫々
3回以上被着させることが望ましく、その操作は
溶媒量を適当に調節することによつて可能とな
る。 (a)層の白金−酸化イリジウムの合計量は7g/
m2もあれば充分であり高価な白金族金属の使用を
節減することができる。 また(b)層の酸化チタンと酸化ルテニウム及び酸
化イリジウムの合計量は4g/m2以上必要であ
り、それ未満では触媒保護層としての能力が十分
でない。 (発明の効果) この様にして白金−酸化イリジウム被覆層の有
する低い塩素過電圧と高い酸素過電圧を保持しつ
つ且つ高価な白金族金属の電解液中における溶解
剥離現象を抑制しつつ耐久性のある塩化アルカリ
電解用陽極を得ることが可能である。 以下実施例により本発明を更に詳説する。例中
の組成%は特記なき限りモル基準である。 実施例1比較例1 市販チタン板(1×10×0.1cm)をアセトン脱
脂後10重量%熱蓚酸溶液中でエツチング処理を行
い、その表面に下記組成の溶液を塗布した。 H2PtCl6・6H2O 1.00g H2IrO6・6H2O 0.43〃 テレビン油 2.0ml ラベンダー油 10.0〃 エチルアルコール 20.0〃 濃塩酸 0.5〃 これを120℃で20分間乾燥し、その後500℃の電
気炉内で10分間焼成することによりPt70%と
IrO230%の第1被覆層を形成させた。この表面に
下記組成の溶液を塗布した。 ブチルチタネート 6.70g RuCl3・3H2O 1.00〃 H2IrCl6・6H2O 1.30〃 濃塩酸 1.0ml n−ブチルアルコール 30.0〃 これを120℃で20分間乾燥し、その後480℃の電
気炉内で10分間焼成することによりTiO275%と
RuO215%とIrO210%の第2被覆層を形成させた。 この第1、2被覆層の被着操作を交互に4回ず
つ繰返すことにより、第1被覆層は合計0.46mg/
cm2、第2被覆層は合計0.50mg/cm2となつた。 上記の第1被覆層のみを同様に合計0.46mg/cm2
被覆した電極を比較電極として各塩素過電圧を飽
和食塩水(NaCl310g/、PH1.0)中80℃でカ
レントインタラプター法にて測定した。 その結果両電極とも電流密度30A/dm2にて塩
素過電圧は30mVを示した。 次に1NH2SO4中80℃の酸素過電圧を測定した
ところ、電流密度30A/dm2にて本発明電極は
405mV、比較電極は410mVであり、酸素過電圧
に殆んど差はなかつた。 更に、両電極をHClO4(2mol/)とNaCl
(1mol/)との混合液中において50℃、電流密
度200A/dm2にて促進消耗試験を行い、電極表
面が不働態化し急激に電位上昇するまでの時間を
測定した。その結果本発明電極は290時間、比較
電極は56時間で電位上昇が生じ、前者は後者の5
倍以上の耐久性を示し、耐久性に大きな差のある
ことが分つた。 実施例2比較例2 実施例1における第1被覆層(4回塗布)は同
様にし、第2被覆層(4回塗布0.50mg/cm2)の組
成比を第5表の如く変化させた以外は実施例1と
同様にして電極を作製した。この電極の塩素過電
圧を飽和食塩水(NaCl300g/、PH2.0)中80
℃、電流密度30A/dm2で実施例1と同様に塩素
過電圧を測定した。 また発生する塩素中に含まれる酸素量をガスク
ロマトグラフイーで分析し、第3表の結果を得
た。
【表】
実施例 3
エキスパンドチタン(10×10×0.12cm、目開き
8.0lw×3.6sw×1.2st、wは長径mm、sw短径mm、
stは切り幅mm)に、実施例1と同様の方法でPt70
%とIrO230%の第1被覆層及びTiO275%と
IrO210%とRuO215%の第2被覆層を交互に6回
ずつ被覆して第1被覆層は合計0.69mg/cm2、第2
被覆層は合計0.75mg/cm2とした。 この電極を陽イオン交換膜(商品名ナフイオン
901、デユポン社製)を設けた電解槽の陽極とし、
略同面積のニツケル製エキスパンドメタルを陰極
として極間距離3mmとして食塩水の電解を行つ
た。陽極液組成はNaCl280g/、PH3.0、陰極
液組成は32重量%NaOH水溶液である。電解温
度80℃、電流密度30A/dm2にて塩素過電圧を測
定したところ30mVであり、600日間の運転期間
中略一定であつた。 また、この間の塩素ガス中の酸素ガス濃度は約
0.6容量%で運転中略一定であつた。 実施例4比較例3 市販チタン板(30×25×0.3cm)に実施例1と
同様の方法でPt40%とIrO260%の第1被覆層と
TiO275%とIrO215%とRuO210%の第2被覆層を
交互に6回ずつ被覆して第1被覆層は合計0.69
mg/cm2、第2被覆層は合計0.75mg/cm2とした。こ
の電極を陽極とし、略同面積のステンレス鋼板
(sus304製)を陰極として極間距離3mmで海水電
解を行つた。電流密度15A/dm2にて槽電圧は
3.85vとなり、400日間の運転期間中槽電圧の上昇
は認められなかつた。また塩素発生の効率は85%
であつた。 比較のために、上記第1被覆層のみを6回被覆
して合計0.69mg/cm2とした以外は実施例4と同様
に試験した。初期の槽電圧は3.85vと略一定であ
り、塩素発生効率は85%であつたが、運転開始後
93日目より徐々に槽電圧が上昇し、150日経過後
には4.25vとなつた。また塩素発生効率は76%に
低下していた。
8.0lw×3.6sw×1.2st、wは長径mm、sw短径mm、
stは切り幅mm)に、実施例1と同様の方法でPt70
%とIrO230%の第1被覆層及びTiO275%と
IrO210%とRuO215%の第2被覆層を交互に6回
ずつ被覆して第1被覆層は合計0.69mg/cm2、第2
被覆層は合計0.75mg/cm2とした。 この電極を陽イオン交換膜(商品名ナフイオン
901、デユポン社製)を設けた電解槽の陽極とし、
略同面積のニツケル製エキスパンドメタルを陰極
として極間距離3mmとして食塩水の電解を行つ
た。陽極液組成はNaCl280g/、PH3.0、陰極
液組成は32重量%NaOH水溶液である。電解温
度80℃、電流密度30A/dm2にて塩素過電圧を測
定したところ30mVであり、600日間の運転期間
中略一定であつた。 また、この間の塩素ガス中の酸素ガス濃度は約
0.6容量%で運転中略一定であつた。 実施例4比較例3 市販チタン板(30×25×0.3cm)に実施例1と
同様の方法でPt40%とIrO260%の第1被覆層と
TiO275%とIrO215%とRuO210%の第2被覆層を
交互に6回ずつ被覆して第1被覆層は合計0.69
mg/cm2、第2被覆層は合計0.75mg/cm2とした。こ
の電極を陽極とし、略同面積のステンレス鋼板
(sus304製)を陰極として極間距離3mmで海水電
解を行つた。電流密度15A/dm2にて槽電圧は
3.85vとなり、400日間の運転期間中槽電圧の上昇
は認められなかつた。また塩素発生の効率は85%
であつた。 比較のために、上記第1被覆層のみを6回被覆
して合計0.69mg/cm2とした以外は実施例4と同様
に試験した。初期の槽電圧は3.85vと略一定であ
り、塩素発生効率は85%であつたが、運転開始後
93日目より徐々に槽電圧が上昇し、150日経過後
には4.25vとなつた。また塩素発生効率は76%に
低下していた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 バルブ金属基体上に (a) 白金20〜80モル%とルチル構造を有する酸化
イリジウム20〜80モル%との混合物よりなる第
1被覆層、 (b) ルチル構造を有する、酸化イリジウム3〜15
モル%と酸化ルテニウム5〜25モル%及び酸化
チタン60〜92モル%の混合物よりなる第2被覆
層、 上記(a)(b)単位層を複数層設けたことを特徴とす
る塩化アルカリ電解用陽極。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61084788A JPS62240780A (ja) | 1986-04-11 | 1986-04-11 | 塩化アルカリ電解用陽極 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61084788A JPS62240780A (ja) | 1986-04-11 | 1986-04-11 | 塩化アルカリ電解用陽極 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62240780A JPS62240780A (ja) | 1987-10-21 |
| JPH0238668B2 true JPH0238668B2 (ja) | 1990-08-31 |
Family
ID=13840436
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61084788A Granted JPS62240780A (ja) | 1986-04-11 | 1986-04-11 | 塩化アルカリ電解用陽極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62240780A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2390385B1 (en) * | 2010-05-25 | 2015-05-06 | Permelec Electrode Ltd. | Anode for electrolysis and manufacturing method thereof |
| JP5456744B2 (ja) | 2010-11-04 | 2014-04-02 | ペルメレック電極株式会社 | 金属電解採取方法 |
| CN104562078B (zh) * | 2014-12-24 | 2017-05-10 | 蓝星(北京)化工机械有限公司 | 电解用电极及其制备方法以及电解槽 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5328262A (en) * | 1976-08-30 | 1978-03-16 | Nippon Electric Co | Method of examining capacitor |
| JPS5964788A (ja) * | 1982-09-30 | 1984-04-12 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 電解用電極およびその製造方法 |
-
1986
- 1986-04-11 JP JP61084788A patent/JPS62240780A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62240780A (ja) | 1987-10-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |