JPH0240727B2 - - Google Patents
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- JPH0240727B2 JPH0240727B2 JP60204680A JP20468085A JPH0240727B2 JP H0240727 B2 JPH0240727 B2 JP H0240727B2 JP 60204680 A JP60204680 A JP 60204680A JP 20468085 A JP20468085 A JP 20468085A JP H0240727 B2 JPH0240727 B2 JP H0240727B2
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- bearing alloy
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Description
「産業上の利用分野」
本発明はアルミニウム軸受合金に関し、より詳
しくは高温での強度の向上、耐焼付性の向上およ
び疲労強度の増大を図つたアルミニウム軸受合金
に関する。 「従来の技術」 従来から、アルミニウム軸受合金については、
高温での強度の向上、耐焼付性の向上、或いは疲
労強度の増大が図られており、特公昭52−12131
号公報、特公昭58−14866号公報、特公昭52−
21447号公報等が知られている。 特公昭52−12131号公報のアルミニウム軸受合
金は、重量%でSn3〜40%、Pb0.1〜5%、Sb0.1
〜3%未満、Cu0.2〜2%、および残部がAlから
なり、さらに必要に応じて、Ni、Mn、Siのいず
れか一種でその添加量が0.2〜3%となるように
添加することを要旨とするものである。 特公昭58−14866号公報のアルミニウム軸受合
金は、重量%でSn3.5〜35%、Cr0.1〜1%、Si1
〜10%、Mn、Sb、Ti、Ni、Fe、Zr、Mo、Co、
の1種又は2種以上を1〜10%でその総量が10%
以下、および残部がAlからなり、さらに必要に
応じて、Cu及び/又はMgを3.0%以下、或いは
これに代えて、又はこれとともに、Pb、Bi、In
の1種又は2種以上を9%以下添加したことを要
旨とするものである。 特公昭52−21447号公報の軸受合金は、3.5〜
4.5%の錫、3.5〜4.5%のケイ素、0.7〜1.7%の銅
並びに0.5%以下の鉄、0.2%以下のチタン、0.2%
以下のマンガン、0.2%以下のマグネシウム及び
各々0.05%以下のホウ素、カドミウム、亜鉛、鉛
等の通常の不純物を含有するアルミニウムよりな
る軸受合金を要旨とするものである。 「発明が解決しようとする問題点」 上記公知の各アルミニウム軸受合金はそれぞれ
従来のものに対して優れた性能を有するものであ
るが、近年の内燃機関のように小型化・高出力化
が要求されるようになると、軸受材料はより高荷
重、高温度の条件下で使用されることとなり、こ
のような悪条件下では従来の軸受材料は疲労破
壊、異常摩耗、焼付き等を起こしてトラブルの要
因となつていた。 「問題点を解決するための手段」 本発明者等はこれらの問題点を解決するため
に、より高温での強度の向上、耐焼付性の向上、
疲労強度の増大を図るため、上述したような各元
素の種々の組合せについて、より効果的な組合せ
を見出した。 本発明の特徴であるアルミニウム軸受合金の組
成について説明する。 本発明に係るアルミニウム軸受合金は、Alに
重量%でSn3を越え20%以下、Mn0.2%を越え1.2
%以下、Cu0.2〜2%、Si1.5〜8%、V、Nb、
Mo、Coの少なくとも1種以上をMnとの総量が
0.2%を越えて1.2%以下、添加したものである。 本発明のアルミニウム軸受合金におけるSnは
潤滑を主目的として添加される元素であつて、3
%以下では潤滑の効果がなく、20%を越えて添加
すると全体に軟らかくなつて耐荷重性、耐疲労性
が低下する。 Mnの添加量は0.2%を越え1.2%まで添加する。
0.2%以下では高温強度の改良はあまり期待でき
ず、1.2%を越えて添加すると析出物が析出しす
ぎて軸受合金としては硬くなりすぎる。さらに好
ましい範囲は0.3〜1.0%で、最も好ましい範囲は
0.4〜0.8%である。なお、Mnの添加による高温
強度の維持、組織の微細効果等は後述する。 Cuの添加量は0.2%〜2%で、これは高温下で
の強度の低下をより小さくするために添加するも
のである。0.2%未満ではその効果がそれ程期待
できず、2%を越えて添加すると硬くなりすぎて
圧延性を阻害する上、耐蝕性が低下する。さらに
好ましい範囲は0.2〜1.5%で、最も好ましい範囲
は0.5〜1.2%である。 Siは耐摩耗性を向上させる目的で添加するもの
で、その添加量は1.5〜8%である。1.5%未満で
は析出量が少なくて耐摩耗性の有効な向上が認め
られず、逆に8%を越えて添加すると析出物が析
出しすぎ、圧延性が悪くなつて圧延、焼鈍の繰り
返しが困難となり、Snの微細化が妨げられるか
らである。さらに好ましい範囲は1.5〜5%で、
最も好ましい範囲は2〜4%である。 V、Nb、Mo、Coの少なくとも1種以上で、
Mnとの総量が0.2%を越えて1.2%まで添加した
ものである。すなわちそれら自体の添加量は微量
から1%未満となる。これらの添加目的はAl地
の再結晶温度を上げると共に、これらの金属間化
合物がAl粒界の移動を防ぐことにある。Mnとの
総量が1.2%を越えるようになると粗大析出物が
生じて強度、延び、疲労に悪影響を与え望ましく
ない。 「作用」 上述したような各元素の種々の組合せについて
の効果を確認するため、第1表のアルミニウム軸
受合金について、各種の実験を行つた。
しくは高温での強度の向上、耐焼付性の向上およ
び疲労強度の増大を図つたアルミニウム軸受合金
に関する。 「従来の技術」 従来から、アルミニウム軸受合金については、
高温での強度の向上、耐焼付性の向上、或いは疲
労強度の増大が図られており、特公昭52−12131
号公報、特公昭58−14866号公報、特公昭52−
21447号公報等が知られている。 特公昭52−12131号公報のアルミニウム軸受合
金は、重量%でSn3〜40%、Pb0.1〜5%、Sb0.1
〜3%未満、Cu0.2〜2%、および残部がAlから
なり、さらに必要に応じて、Ni、Mn、Siのいず
れか一種でその添加量が0.2〜3%となるように
添加することを要旨とするものである。 特公昭58−14866号公報のアルミニウム軸受合
金は、重量%でSn3.5〜35%、Cr0.1〜1%、Si1
〜10%、Mn、Sb、Ti、Ni、Fe、Zr、Mo、Co、
の1種又は2種以上を1〜10%でその総量が10%
以下、および残部がAlからなり、さらに必要に
応じて、Cu及び/又はMgを3.0%以下、或いは
これに代えて、又はこれとともに、Pb、Bi、In
の1種又は2種以上を9%以下添加したことを要
旨とするものである。 特公昭52−21447号公報の軸受合金は、3.5〜
4.5%の錫、3.5〜4.5%のケイ素、0.7〜1.7%の銅
並びに0.5%以下の鉄、0.2%以下のチタン、0.2%
以下のマンガン、0.2%以下のマグネシウム及び
各々0.05%以下のホウ素、カドミウム、亜鉛、鉛
等の通常の不純物を含有するアルミニウムよりな
る軸受合金を要旨とするものである。 「発明が解決しようとする問題点」 上記公知の各アルミニウム軸受合金はそれぞれ
従来のものに対して優れた性能を有するものであ
るが、近年の内燃機関のように小型化・高出力化
が要求されるようになると、軸受材料はより高荷
重、高温度の条件下で使用されることとなり、こ
のような悪条件下では従来の軸受材料は疲労破
壊、異常摩耗、焼付き等を起こしてトラブルの要
因となつていた。 「問題点を解決するための手段」 本発明者等はこれらの問題点を解決するため
に、より高温での強度の向上、耐焼付性の向上、
疲労強度の増大を図るため、上述したような各元
素の種々の組合せについて、より効果的な組合せ
を見出した。 本発明の特徴であるアルミニウム軸受合金の組
成について説明する。 本発明に係るアルミニウム軸受合金は、Alに
重量%でSn3を越え20%以下、Mn0.2%を越え1.2
%以下、Cu0.2〜2%、Si1.5〜8%、V、Nb、
Mo、Coの少なくとも1種以上をMnとの総量が
0.2%を越えて1.2%以下、添加したものである。 本発明のアルミニウム軸受合金におけるSnは
潤滑を主目的として添加される元素であつて、3
%以下では潤滑の効果がなく、20%を越えて添加
すると全体に軟らかくなつて耐荷重性、耐疲労性
が低下する。 Mnの添加量は0.2%を越え1.2%まで添加する。
0.2%以下では高温強度の改良はあまり期待でき
ず、1.2%を越えて添加すると析出物が析出しす
ぎて軸受合金としては硬くなりすぎる。さらに好
ましい範囲は0.3〜1.0%で、最も好ましい範囲は
0.4〜0.8%である。なお、Mnの添加による高温
強度の維持、組織の微細効果等は後述する。 Cuの添加量は0.2%〜2%で、これは高温下で
の強度の低下をより小さくするために添加するも
のである。0.2%未満ではその効果がそれ程期待
できず、2%を越えて添加すると硬くなりすぎて
圧延性を阻害する上、耐蝕性が低下する。さらに
好ましい範囲は0.2〜1.5%で、最も好ましい範囲
は0.5〜1.2%である。 Siは耐摩耗性を向上させる目的で添加するもの
で、その添加量は1.5〜8%である。1.5%未満で
は析出量が少なくて耐摩耗性の有効な向上が認め
られず、逆に8%を越えて添加すると析出物が析
出しすぎ、圧延性が悪くなつて圧延、焼鈍の繰り
返しが困難となり、Snの微細化が妨げられるか
らである。さらに好ましい範囲は1.5〜5%で、
最も好ましい範囲は2〜4%である。 V、Nb、Mo、Coの少なくとも1種以上で、
Mnとの総量が0.2%を越えて1.2%まで添加した
ものである。すなわちそれら自体の添加量は微量
から1%未満となる。これらの添加目的はAl地
の再結晶温度を上げると共に、これらの金属間化
合物がAl粒界の移動を防ぐことにある。Mnとの
総量が1.2%を越えるようになると粗大析出物が
生じて強度、延び、疲労に悪影響を与え望ましく
ない。 「作用」 上述したような各元素の種々の組合せについて
の効果を確認するため、第1表のアルミニウム軸
受合金について、各種の実験を行つた。
【表】
試験結果は第2表の通りである。
試験機:インストロンタイプ引張試験機
引張速度:5mm/min
試験片:JIS6号
〔シエンク疲労試験〕
試験機:シエンク式平板曲げ試験機3000サイク
ル/minで107回疲労強度を測定 雰囲気温度:175±5℃ 〔往復動荷重疲労〕 試験機:曽田式動荷重試験機 回転数:2100〜3100rpm 軸径:直径40mm 軸:S50C焼入れ(Hv500〜600) 潤滑油:SAE 10W−30 油量:140±5℃ 荷重:40Kg/cm2おき 107回疲労強度を測定 さらに、第3表のアルミニウム軸受合金につい
て、疲労面圧、焼付面圧の試験を行つた。
ル/minで107回疲労強度を測定 雰囲気温度:175±5℃ 〔往復動荷重疲労〕 試験機:曽田式動荷重試験機 回転数:2100〜3100rpm 軸径:直径40mm 軸:S50C焼入れ(Hv500〜600) 潤滑油:SAE 10W−30 油量:140±5℃ 荷重:40Kg/cm2おき 107回疲労強度を測定 さらに、第3表のアルミニウム軸受合金につい
て、疲労面圧、焼付面圧の試験を行つた。
【表】
試験結果は第4表の通りである。
試験機:ジヤーナル型焼付試験機
回転数:1000rpm
軸径:直径52mm
軸:FCD70(Hv230〜250)
S50C焼入れ(Hv500〜600)
潤滑油:SAE 10W−30
油量:140±5℃
荷重:30分毎に50Kg/cm2ずつ増加
第2表、第4表より本発明のアルミニウム軸受
合金は、比較材のアルミニウム軸受合金より、高
温下での引張強度、疲労強度、疲労の面で効果が
あることが判る。 この理由を下記に詳述する。 Mn、V、Nb、Mo、CoはAl中に固溶すること
によつてAlの再結晶温度を上げ、かつ固溶する
こと自体でAl地の硬さを上昇させるが、これと
同時に数回の圧延によつても鋳造時に比して硬さ
が上昇する。再結晶温度を上げることは、内燃機
関の軸受がさらされる高温領域でも安定した機械
的性質を維持させるために効果があり、特に硬さ
については、高温下での硬さの低下を少なくして
高温領域での軸受強度の向上をもたらす。また固
溶限を過ぎて析出するAl−Mn、Al−V、Al−
Nb、Al−Mo、Al−Coの金属間化合物は、高温
でも安定して存在しこのためこの析出物が細かく
分散することは再結晶温度を上げ高温硬さの維持
を助けるので、これが適量分散することは良い効
果を生じる。 さらに、上記析出物がAl地金中に細かく分散
して存在すると、その金属間化合物が直接的には
Al粒界の移動、つまりはSn粒子の粗大化を防ぎ、
このことは圧延、焼鈍の繰り返しによつて微細化
されたSn粒子をそのままに保つことにつながり、
前記種々の効果を持つのである。またSn粒子が
微細なまま保持されてAl地金中に存在するとい
うことは、同時に232℃という低い融点をもつSn
粒子の高温化での溶出現象を防止するためにも効
果的である。 このような効果はCrにも若干あるがCrの場合
には450℃30分でSnの粗大化が始まるのに対し、
Mn、V、Nb、Mo、Coの場合には500℃30分で
もSnの粗大化を阻止する能力があり、後の実験
結果でも示すようにMnの方がCrよりも優れた効
果が得られることが判つた。 なお、Sbを添加するとAlSbの粗大析出物が生
じることから、強度、延び、疲労に悪影響を与
え、Sbについては引張強度、疲労強度の向上の
面では効果を有しないことが明らかになつた。 また、Cuの強度に関する効果はMnおよびV、
Nb、Mo、Coの1種以上と同時に添加して生じ
るもので、Cu単独では高温化での強度の上昇の
効果は期待できない。すなわちCuはAl中に添加
した場合に圧延時の硬さの上昇が大きく、同一圧
延率でも他の元素を添加したAl材料に比し、硬
さの上昇は顕著であるが、200℃近くまで加熱す
ると容易に軟化し、高温強度の維持はできない。
これに対してMnおよびV、Nb、Mo、Coの1種
以上とCuとを同時に添加すると、Cuの添加によ
つて圧延時に高くなつた硬さが焼鈍してもMn、
V、Nb、Mo、Coの添加効果によりあまり低下
しない。このため強度の高いアルミニウム軸受合
金が得られ、かつこの強度は高温下においても従
来のこの種の合金のように大きく低下することが
ない。 Siはそれ自体の硬さが高くて鋳造性に優れてお
り、またその析出物はビツカース硬さで約1000に
も達して非常に硬いため、軸との摺動による軸受
の摩耗を著しく減少させることができる。軸より
も軟らかい軸受ではその軸受面が切削されること
になり、この状況が進行すると軸受表面粗さが粗
くなつたり、軸と軸受とのクリアランスが増大し
て油膜が構成されなくなり、軸と軸受との直接接
触、つまり金属接触が多く起つて焼付に至るよう
になるが、上記析出物は焼入れ鋼軸は勿論、鋳鉄
軸よりも硬いため、鋳鉄軸を使用した場合の耐摩
耗性の向上並びに耐焼付性の向上に特に効果があ
る。このように、本来Siは軸受の耐焼付性および
耐摩耗性、特に鋳鉄軸に対しての耐焼付性を向上
させる。 また、Si、MnおよびV、Nb、Mo、Coの1種
以上を同時に添加すると、その後の圧延と焼鈍の
繰返しによりSiの形状が比較的丸くなりやすく、
その晶出径も僅かに大きくなる傾向があり、この
ことは先に述べた耐焼付性および耐摩耗性の向上
効果をより一層大きくする。 「実施例」 以下本発明のアルミニウム軸受合金を説明す
る。第5表の試料1〜10は本発明材、試料11〜14
は比較材の各成分および各種試験の結果を示した
ものである。
合金は、比較材のアルミニウム軸受合金より、高
温下での引張強度、疲労強度、疲労の面で効果が
あることが判る。 この理由を下記に詳述する。 Mn、V、Nb、Mo、CoはAl中に固溶すること
によつてAlの再結晶温度を上げ、かつ固溶する
こと自体でAl地の硬さを上昇させるが、これと
同時に数回の圧延によつても鋳造時に比して硬さ
が上昇する。再結晶温度を上げることは、内燃機
関の軸受がさらされる高温領域でも安定した機械
的性質を維持させるために効果があり、特に硬さ
については、高温下での硬さの低下を少なくして
高温領域での軸受強度の向上をもたらす。また固
溶限を過ぎて析出するAl−Mn、Al−V、Al−
Nb、Al−Mo、Al−Coの金属間化合物は、高温
でも安定して存在しこのためこの析出物が細かく
分散することは再結晶温度を上げ高温硬さの維持
を助けるので、これが適量分散することは良い効
果を生じる。 さらに、上記析出物がAl地金中に細かく分散
して存在すると、その金属間化合物が直接的には
Al粒界の移動、つまりはSn粒子の粗大化を防ぎ、
このことは圧延、焼鈍の繰り返しによつて微細化
されたSn粒子をそのままに保つことにつながり、
前記種々の効果を持つのである。またSn粒子が
微細なまま保持されてAl地金中に存在するとい
うことは、同時に232℃という低い融点をもつSn
粒子の高温化での溶出現象を防止するためにも効
果的である。 このような効果はCrにも若干あるがCrの場合
には450℃30分でSnの粗大化が始まるのに対し、
Mn、V、Nb、Mo、Coの場合には500℃30分で
もSnの粗大化を阻止する能力があり、後の実験
結果でも示すようにMnの方がCrよりも優れた効
果が得られることが判つた。 なお、Sbを添加するとAlSbの粗大析出物が生
じることから、強度、延び、疲労に悪影響を与
え、Sbについては引張強度、疲労強度の向上の
面では効果を有しないことが明らかになつた。 また、Cuの強度に関する効果はMnおよびV、
Nb、Mo、Coの1種以上と同時に添加して生じ
るもので、Cu単独では高温化での強度の上昇の
効果は期待できない。すなわちCuはAl中に添加
した場合に圧延時の硬さの上昇が大きく、同一圧
延率でも他の元素を添加したAl材料に比し、硬
さの上昇は顕著であるが、200℃近くまで加熱す
ると容易に軟化し、高温強度の維持はできない。
これに対してMnおよびV、Nb、Mo、Coの1種
以上とCuとを同時に添加すると、Cuの添加によ
つて圧延時に高くなつた硬さが焼鈍してもMn、
V、Nb、Mo、Coの添加効果によりあまり低下
しない。このため強度の高いアルミニウム軸受合
金が得られ、かつこの強度は高温下においても従
来のこの種の合金のように大きく低下することが
ない。 Siはそれ自体の硬さが高くて鋳造性に優れてお
り、またその析出物はビツカース硬さで約1000に
も達して非常に硬いため、軸との摺動による軸受
の摩耗を著しく減少させることができる。軸より
も軟らかい軸受ではその軸受面が切削されること
になり、この状況が進行すると軸受表面粗さが粗
くなつたり、軸と軸受とのクリアランスが増大し
て油膜が構成されなくなり、軸と軸受との直接接
触、つまり金属接触が多く起つて焼付に至るよう
になるが、上記析出物は焼入れ鋼軸は勿論、鋳鉄
軸よりも硬いため、鋳鉄軸を使用した場合の耐摩
耗性の向上並びに耐焼付性の向上に特に効果があ
る。このように、本来Siは軸受の耐焼付性および
耐摩耗性、特に鋳鉄軸に対しての耐焼付性を向上
させる。 また、Si、MnおよびV、Nb、Mo、Coの1種
以上を同時に添加すると、その後の圧延と焼鈍の
繰返しによりSiの形状が比較的丸くなりやすく、
その晶出径も僅かに大きくなる傾向があり、この
ことは先に述べた耐焼付性および耐摩耗性の向上
効果をより一層大きくする。 「実施例」 以下本発明のアルミニウム軸受合金を説明す
る。第5表の試料1〜10は本発明材、試料11〜14
は比較材の各成分および各種試験の結果を示した
ものである。
【表】
試験機:回転荷重試験機
回転数:8000rpm
面圧:300Kg/cm2
軸径:直径40mm
軸:S50C焼入れ(Hv500〜600)
潤滑油:SAE 10W−30
油量:120〜160℃
107回の試験に耐える軸受背面の限界温度を測
定 第5表の試験結果から、本発明のアルミニウム
軸受合金は比較材のアルミニウム軸受合金よりも
優れていることが判る。 特に、引張強度については、油温20℃の場合は
比較材と顕著な差がないのに対し、油温が175℃
になると明確な差があらわれる。従つて、Mn、
V、Nb、Mo、CoおよびCuの添加により高温下
での強度が充分維持されていることが判る。 また、S50C軸を使用した焼付試験では比較材
とあまり効果に差のない試料に対してもFCD70
軸を使用した焼付試験では顕著な差があらわれ
た。 更に、シエンク式平板曲げ試験機、曽田式動荷
重試験機および回転荷重試験機による疲労試験で
は、尚一層顕著な差が出た。 なお、第5表中に試験結果が記されていない試
料については、試験を行つていないものである。 「発明の効果」 以上のように、本発明によれば、従来材に比較
して一層高温強度の向上、耐焼付性の向上、およ
び疲労強度の増大を図ることができるという効果
が得られる。
定 第5表の試験結果から、本発明のアルミニウム
軸受合金は比較材のアルミニウム軸受合金よりも
優れていることが判る。 特に、引張強度については、油温20℃の場合は
比較材と顕著な差がないのに対し、油温が175℃
になると明確な差があらわれる。従つて、Mn、
V、Nb、Mo、CoおよびCuの添加により高温下
での強度が充分維持されていることが判る。 また、S50C軸を使用した焼付試験では比較材
とあまり効果に差のない試料に対してもFCD70
軸を使用した焼付試験では顕著な差があらわれ
た。 更に、シエンク式平板曲げ試験機、曽田式動荷
重試験機および回転荷重試験機による疲労試験で
は、尚一層顕著な差が出た。 なお、第5表中に試験結果が記されていない試
料については、試験を行つていないものである。 「発明の効果」 以上のように、本発明によれば、従来材に比較
して一層高温強度の向上、耐焼付性の向上、およ
び疲労強度の増大を図ることができるという効果
が得られる。
Claims (1)
- 1 重量%でSn3を越え20%以下、Mn0.2%を越
え1.2%以下、Cu0.2〜2%、Si1.5〜8%、V、
Nb、Mo、Coの少なくとも1種以上をMnとの総
量が0.2%を越えて1.2%以下、および残部が実質
的にAlからなるアルミニウム軸受合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20468085A JPS6263638A (ja) | 1985-09-17 | 1985-09-17 | アルミニウム軸受合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20468085A JPS6263638A (ja) | 1985-09-17 | 1985-09-17 | アルミニウム軸受合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6263638A JPS6263638A (ja) | 1987-03-20 |
| JPH0240727B2 true JPH0240727B2 (ja) | 1990-09-13 |
Family
ID=16494522
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20468085A Granted JPS6263638A (ja) | 1985-09-17 | 1985-09-17 | アルミニウム軸受合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6263638A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102869800A (zh) * | 2010-04-22 | 2013-01-09 | 大丰工业株式会社 | 轴承装置 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19750740A1 (de) * | 1997-11-15 | 1999-06-02 | Ks Gleitlager Gmbh | Gleitlagerwerkstoff |
| CN111826556A (zh) * | 2020-07-15 | 2020-10-27 | 宣城建永精密金属有限公司 | 高压电气系统导体及其铸造工艺 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57207151A (en) * | 1981-06-15 | 1982-12-18 | Taiho Kogyo Co Ltd | Sliding aluminum alloy |
| JPS59193254A (ja) * | 1983-04-14 | 1984-11-01 | Taiho Kogyo Co Ltd | アルミニウム系合金軸受の製造方法 |
-
1985
- 1985-09-17 JP JP20468085A patent/JPS6263638A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102869800A (zh) * | 2010-04-22 | 2013-01-09 | 大丰工业株式会社 | 轴承装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6263638A (ja) | 1987-03-20 |
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