JPH0252999B2 - - Google Patents

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JPH0252999B2
JPH0252999B2 JP16414383A JP16414383A JPH0252999B2 JP H0252999 B2 JPH0252999 B2 JP H0252999B2 JP 16414383 A JP16414383 A JP 16414383A JP 16414383 A JP16414383 A JP 16414383A JP H0252999 B2 JPH0252999 B2 JP H0252999B2
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JP16414383A
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Yoshibumi Noshi
Hiroyuki Naito
Kyoshi Takai
Toshio Pponma
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、粒状放射性廃棄物の固化方法に関す
るもので、より詳細には、塩類を含む粒状廃棄物
を容器内に充填された状態で固化剤の注加及び充
填が可能で、しかも固化後には体積変化によるク
ラツクの発生がなく、緻密性及び機械的強度にも
優れた粒状放射性廃棄物の固化方法に関する。 従来、原子力発電所及び放射性物質取扱い設備
等の運転に伴い種々の低レベル放射性廃棄物が発
生し、その処理が問題となつている。即ち、これ
らの低レベル廃棄物は、ドラム缶等の容器内に固
化された状態で収容され、一定の保管スペース内
に保管されるが、この貯蔵保管性の点で、この廃
棄物を如何に高い減溶化で固化するか、即ち、単
位容積当りの廃棄物重量を如何に高く固化するか
が問題となつている。 従来、放射性廃棄物の固化方法としては、廃液
やスラリーを直接セメントにより固化する方法
や、この廃液の乾燥物やこの乾燥物の造粒物(ペ
レツト等)を、セメント、水ガラス、アスフアル
ト、樹脂等で固化する方法が知られている。しか
しながら、前者の方法では減容比を大きくとるこ
とが困難であり、また後者の方法でも、アスフア
ルトや樹脂を固化剤として用いる方法では、粘度
が高いため減容比が大きくなる条件での混和が困
難であると共に、生成した固化体は熱により軟化
したり、高熱下では燃焼するという問題がある。 また、放射性廃棄物の内でも量の圧倒的に大き
い低レベル廃棄物は、沸謄水型原子力発電所
(BWR)の場合には、主として硫酸ナトリウム
(芒硝)を主成分とする再生廃液であり、一方加
圧水型原子力発電所(PWR)の場合には、ホウ
酸塩を含む廃液であり、更には、核燃料再処理施
設からは硝酸ナトリウムを含む廃液等が発生す
る。従つてこれらの廃液を乾燥して得られる廃棄
物には多量の可溶性塩が含まれるため、セメント
等の水性固化剤組成物を用いた場合には、セメン
トバチルス組成の構成を阻害させ緻密で強度のあ
る硬化体を得ることが一般に困難である。 この硬化性の問題に加えて、粒状固化方法の場
合には、固化剤の流動性の問題及び硬化後の体積
変化の問題がある。即ち、粒状個化方法では、容
器に充填する工程迄、放射線管理区域外で固化剤
を取扱えるという利点があるが、その反面粒状物
充填容器内に固化剤を注加したとき、この固化剤
が粒状物間或いは粒状物と容器との間の各空隙に
隙間なしに速やかに流動し充填するという特性が
要求される。また、水性固化剤は取扱いが容易で
あるという利点を有するが、粒状物内に塩類と固
化剤中の水媒質との相互作用により体積膨張等を
生じて、固化体にクラツク等が発生するという問
題がある。 従つて、本発明の目的は、上述した欠点が改善
された粒状放射性廃棄物の固化法を提供するにあ
る。 本発明の他の目的は、塩類を含む粒状放射性廃
棄物を、容器内に充填した状態で、水性硬化剤の
迅速で一様な充填を行うことができ、高い減容比
で廃棄物を処理し得る方法を提供するにある。 本発明の更に他の目的は、水性の無機固化剤を
用いて、体積変化によるクラツク発生等のトラブ
ルがなく、緻密性及び機械的強度に優れた固化体
に固化させ得る粒状放射性廃棄物の固化法を提供
するにある。 本発明によれば、硫酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩等
の塩類を含む放射性廃液乾燥物の粒状体を容器内
に充填し、ホウケイ酸アルカリ結着剤並びに固形
物基準でホウケイ酸アルカリ結着剤100重量部当
り10乃至30重量部のリン酸ケイ素硬化剤及50乃至
120重量部の実質上水に不溶性乃至弱溶解性の塩
基性ケイ酸塩から成る流動促進剤兼硬化助剤を含
有し且つ混水量が22乃至30重量%の範囲にある水
硬性セメントペーストを、粒状体充填容器内に注
加して、該ペーストを空隙内に充填させ、該ペー
ストを固化させることを特徴とする粒状放射性廃
棄物の固化方法が提供される。 本発明の工程を説明するための第1図におい
て、先ず工程(A)において、原子力発電設備等
より発生する廃液乃至は再生廃液1を、1次濃縮
機2により濃縮し、この濃縮液3を、濃縮乾燥機
4で乾燥粉末5とする。この乾燥粉末5を造粒機
6で造粒して、粒状物7を得、この粒状物7を廃
棄処理用容器8に充填する。次いで、工程(B)
において、固形分のみから成る粉末ワンパツケー
ジ・セメント組成物9を用意し、この粉末9と所
定量の水10とを混合槽11にて混合撹拌して、
水性ペースト12を形成させる。最後に工程
(C)において、粒状物7が充填された容器8内
に水性ペースト12を注加し、粒状物間の空隙や
粒状物−容器間空隙内に水性ペーストを充満さ
せ、ペースト12を固化させて固化体13とす
る。 本発明は、ホウケイ酸アルカリに対して特定量
のリン酸ケイ素硬化剤と特定量の塩基性ケイ酸塩
系流動促進剤兼硬化助剤とを配合した組成物は、
比較的少ない混水量で、前述した粒状物の空隙や
粒状物−容器間空隙の内部に重力の作用のみで充
満するのに十分な流動性を有しており、しかも体
積膨張によるクラツク発生のない固化体を形成し
得るという発見に基づくものである。 ホウケイ酸アルカリ結着剤とリン酸ケイ素硬化
剤との組合せから成る無機質結着剤は、本発明者
等により既に、特公昭57−42581号公報において
提案されたものではあるが、この組成物は粒状物
の固化剤としての用途に対しては未だ流動性が低
すぎるという欠点があり、粘性を下げるために混
水量を増加させた場合には、強度低下や体積変化
に伴ないクラツクを発生するという問題がある。 これに対して、本発明に用いるセメントペース
トは、先ず従来の水硬性セメント類に比して、著
しく少ない混水量で流動性を有し且つ硬化し得る
という特性を有する。即ち、この組成物は、その
配合比によつても相違するが、一般に22乃至30
%、特に24乃至28%の水分量で流動性と自己硬化
性とを示し、例えばポルトランドセメントが26乃
至35%、石膏プラスターが29乃至38%の混水量を
有するのに対して、著しく少ない混水量を有する
ことがわかる。この混水量は得られる固体化の緻
密性とも密接に関連しており、本発明によれば、
より緻密な固化体を形成させることが可能となる
ものである。 また、本発明に用いるセメントペーストは、こ
のように少ない混水量を有するにもかかわらず、
著しく流動性に優れているという利点を有する。
即ち、このような水硬性組成物の流動性は、この
組成物を傾斜板に施こし、所定時間経過後の流下
長即ち、後述する定義によるフロー値として表わ
すことができるが、従来のポルトランドセメント
スラリのフロー値は5分経時後ですでに5乃至20
cm/minの値を示ししかも離水現象(セグリケシ
ヨン)を起こす、またホウケイ酸アルカリ−ポリ
リン酸ケイ素・スラリーのフロー値は初期には高
いとしても、30分経時後には数cm/minのオーダ
ーに低下するのに対して、本発明に用いるセメン
ト組成物は、上述した混水量範囲でしかも30分経
過後においても25乃至60cm/minのフロー値を示
し、流動性に顕著に優れていることがわかる。 本発明に用いるセメントペーストは更に、ペー
ストを注加し硬化させた後での体積膨張によるク
ラツク発生が少ないという顕著な利点を有してい
る。即ち、この固化体においては、塩類を含む粒
状廃棄物が存在し、この塩類が結着媒質中の水分
を吸収し、この粒状物が体積膨張を起すことの結
果として、硬化した結着媒質にクラツクを発生せ
しめるのである。このようなクラツクの発生によ
り、固化体の機械的強度や耐水性が失われること
になるので、塩類を含む廃棄物の固化において
は、この体積膨張による固化体のクラツク発生を
如何に防止するかが重要な問題となるのである。
本発明に用いるセメントペーストが、硬化後にお
いて体積膨張によるクラツク発生がないのは、硬
化した結着媒質がメタケイ酸ナトリウムのX−線
回折ピークを示すことからみて、結着媒質中の水
分が結晶水の形で安定化されており、硬化後の結
着媒質から粒状物中の塩類への水分の移行が防止
されるためであると考えられる。 本発明では、固形物基準でホウケイ酸アルカリ
結着剤100重量部当り、ポリリン酸ケイ素系硬化
剤を10乃至30重量部の限定された量で用いること
も重量である。この量を越えると、セメントペー
ストの流動性が著しく低下するようになり、粒状
物を容器内に充填した後での硬化処理が困難とな
る。また、この範囲よりも小さいと、如何に硬化
助剤と組合せたとしても均質で強固な硬化が困難
となり、固化体は強度に劣つたものとなる。 更に、本発明では、実質上水溶性乃至弱溶解性
のアルカリ性ケイ酸塩を流動向上剤兼硬化助剤と
して用いることが前述した目的に関して重要とな
る。この水不溶性乃至弱溶解性のアルカリ性ケイ
酸塩は、用いるペーストの流動性を顕著に向上さ
せる一方で、結着剤の最終的な硬化を助ける作用
を行なう。これら2つの作用は一見相矛盾する作
用のように見受けられるが、この作用機構を、本
発明者等は次のように推定している。即ち、この
水不溶性乃至弱溶解性のアルカリ性ケイ酸塩は、
先ず、全組成当りの粘性流体となるホウケイ酸ア
ルカリ結着剤の量比を下げる働きを行い、更にポ
リリン酸ケイ素硬化剤から初期にリン酸分が放出
される場合にも、ペーストのPHを低下させないよ
うに作用するものと思われる。かくして、このペ
ーストの流動性の向上が説明できる。しかも、こ
の水不溶性乃至弱溶解性のアルカリケイ酸塩は、
固体のケイ酸質骨格を有しており、しかもホウケ
イ酸アルカリ及びポリリン酸ケイ素硬化剤との反
応で全体にわたつてケイ酸質から成るネツトワー
クを形成し、硬化を助長する作用を有するものと
思われる。 本発明においては、この塩基性ケイ酸塩流動促
進剤兼硬化助剤を、ホウケイ酸アルカリ結着剤当
り50乃至120重量部の量で用いることも重要であ
り、この量が上記範囲よりも少ないときには、流
動性及び硬化性の点で不満足な結果となり、−方
上記範囲よりも多い場合には、固化体の緻密性や
機械的強度が本発明範囲のものよりも劣つたもの
となる傾向がある。 ホウケイ酸アルカリ結着剤としては、水溶性ホ
ウケイ酸アルカリまたは水溶性ケイ酸アルカリと
アルカリ水溶液に可溶なホウ酸アルカリとの組合
せを、使用することができる。ここで用うるホウ
酸アルカリ塩としてはこのものがアルカリ性水溶
液に可溶であるという条件内で任意の塩を用いる
ことができ、例えばホウ酸ソーダ、ホウ酸カリが
好適に使用される。これらのホウ酸塩は、無水塩
でも、或いは3水塩、5水塩、7水塩、10水塩の
ような含水塩であつてもよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとは、ケイ酸
アルカリ中のSiO2に対するホウ酸アルカリ中の
B2O3のモル比が1:0.03乃至1:0.3、特に1:
0.05乃至1:0.25の範囲となるように組合せ使用
するのがよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとを、粉末混
合物として使用する代りに、これらをホウケイ酸
アルカリ水溶液の形で用いることもできる。即
ち、この水溶液は前記2つの塩を水に溶解し、所
望により加熱反応させることにより得られる。 尚、ホウ酸分(B2O3)のモル比が上記範囲よ
りも小さいときには、耐水性が低下すると共に、
安定性も低下する傾向があり、一方上記範囲より
も大きくしてもそれによる格別の利点は得られ
ず、経済的にも不利となる。 ポリリン酸ケイ素硬化剤としては、必須成分と
してリン酸分とシリカ分とを含有するものであり
且つリン酸分が縮合された形で含有されるものが
使用される。このポリリン酸ケイ素は、P2O5
SiO2のモル比で表わして、1:1.8乃至1:5、
特に1:2.0乃至1:3.3の範囲のモル比を有する
ことが望ましい。即ち、リン酸分(P2O5)のモ
ル比が上記範囲よりも小さい場合には、所望とす
る硬化性が得られず、機械的強度も低いものとな
る傾向がある。また、このモル比が上記範囲より
も大きい場合には、この組成物を水性分散液とし
たとき、早期ゲル化が部分ゲル化が生じるように
なる。 このポリリン酸ケイ素は、早期ゲル化や部分ゲ
ル化を防止し、ケイ酸アルカリ結着剤を一様にし
かも強固に硬化させるためには、リン酸分の徐放
性を有することが重要である。この点に関して、
本発明に使用するポリリン酸ケイ素は、下記式 Y=AX+B 式中、Xは前記硬化剤1グラムを4規定苛性ソ
ーダ水溶液100ml中に添加した試料溶液の120分迄
の経過時間(分)を表わし、Yは前記試料溶液中
に溶出したリン酸(P2O5)の積算溶出量(mg/
100ml)を表わす、 で定義される初期溶出量(B)が250以下、好適
には200以下、特に好適には100以下及び平均加水
分解速度定数(A)が0.2以上、特に好適には0.3
乃至1.3の範囲に夫々あることが特に望ましい。
このような徐放性リン酸質硬化剤の製法及び特性
の詳細は、米国特許第4018616号明細書に述べら
れている。 実質上水不溶性乃至は弱溶解性の塩基性ケイ酸
塩としては、50g/の濃度で水に分散させた時
のPHが8乃至13、特に10乃至12の範囲にあるケイ
酸のアルカリ土類金属塩又はアルミニウム塩が使
用される。ケイ酸のアルカリ金属塩としては、無
定形ケイ酸バリウムやメタケイ酸バリウムが好適
に使用され、またケイ酸アルミニウムとしては、
フライアツシユのようなガラス質球状ケイ酸アル
ミニウムが特に好適に用いられる。 無定形ケイ酸バリウムは、活性ケイ酸ゲルと炭
酸バリウムとを、結晶化温度よりも低い温度、例
えば700乃至900℃の温度で焼成することにより得
られ、SiO2:BaOのモル比は5:1乃至3:1
のものが有利に用いられる。この無定形ケイ酸バ
リウムは、一般に5乃至40μの粒径を有するもの
が望ましい。 結晶性メタケイ酸バリウムは、一般に無水塩の
形であることが好ましく、一般に1乃至30重量%
のBaO水可溶分を含有することが流動性改良の
見地から望ましい。 この結晶性メタケイ酸バリウムは、文献による
と、計算量の酸化バリウムと二酸化ケイ素とを融
解することにより得られるが、本発明者等の研究
によると、石英型結晶構造のケイ砂と炭酸バリウ
ム、酸化バリウム或いは水酸化バリウムとを900
乃至1200℃の温度で焼成することにより容易に得
られる。尚、本明細書において、結晶性メタケイ
酸バリウムを主体とするとは、この結晶性メタケ
イ酸バリウムが主成分であることを意味してお
り、例えば少量の二酸化ケイ素や酸化バリウム或
いは炭酸バリウムが含有されていても差支えない
ことを意味する。このメタケイ酸バリウムは、60
メツシユよりも小さい粒度を有することが望まし
い。 フライアツシユとしては、粒径が、2乃至40μ
の範囲のものが好適である。 本発明で用いるセメントスラリーには、上述し
た成分に加えて、任意の改良剤乃至助剤を配合で
きる。例えば、この組成物に、ホウケイ酸アルカ
リ100重量部当り10重量部迄の、硫酸ナトリウム
(SS)等の中性の水溶性アルカリ金属塩を加える
ことにより、硬化反応に際して助触媒的作用が得
られる。またリン酸亜鉛(ZP)等の微溶解性リ
ン酸塩をほぼ同じ量で加えることによつてもほぼ
同様な作用が達成される。助剤としては、本発明
のセメント組成物としての水性ペーストの粘性を
高めたり、廃棄物充填固化体の安定性を損なわな
い条件において、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸鉛、
ホウケイ酸塩、ケイ酸カルシウム、ポルトランド
セメント、カイヤナイト、硅砂粉等を補強剤とし
て加えることができる。 本発明において対象とする廃液は、芒硝を主体
とするBWRの再生廃液やホウ酸塩を主体する
PWRの廃液であり、更には核燃料再処理施設か
ら発生する硝酸ナトリウムを主体とする廃液であ
る。これを乾燥し造粒処理することにより上記塩
を含有する粉粒体とする。この塩類は、無水芒硝
或いはNa2SO4・10H2Oのような有水塩であつて
もよく、またホウ酸塩は、Na2OとB2O2とのモル
比が種々の塩、例えばNaBO2、Na2B4O7
NaB5O3、Na2B6O10、Na2B8O13、Na4B2O5等の
塩であることができ、これらの塩は無水塩でも含
水塩であつてもよい。更に、これらのホウ酸塩は
ナトリウム塩以外の塩、例えばカルシウム塩であ
ることができる。 放射性廃液乾燥物は、上述した塩類を主体とす
るものであるが、これらの塩類以外に、廃液処理
過程で生ずる種々のスラツジや使用済みのイオン
交換樹脂等の成分を含有していても何等差支えな
い。 この乾燥粉末を、必要によりワツクス、樹脂類
等の造粒媒体乃至バインダーを加えて、粒状体に
成形する。この放射性廃液乾燥物が粒状体であつ
て、その粒径が10m/m以上、特に40m/m以下
のものを用いることが、先ず減容比を高める上
で、重要となる。 即ちその粒径が10m/m以下になると、細密充
填された容器内に出来る間隙が微細すぎて本発明
による水性ペーストが流動性及び作業性に優ぐれ
ているとはいえ、この間隙に注入させることが困
難となり、従つて、廃棄物の充填率を小さくし、
注入される間隙まで、充填量を少なくしなければ
ならないため、その結果、減容比が小さくなる。 更に該粒径が40m/m以上になると、充填量が
著しく減少することから、これも減容比を下げる
ことから問題となる。 この粒状物、ドラム、コンクリート容器或いは
これらの複合容器内に充填し、次いで前記ペース
トを注加し、これを室温において硬化させて固化
体とする。 本発明による作用効果を次の例でより具体的に
説明する。 実施例 1 A水性分散体のセメント組成物について説明す
る。 A−1粉末ケイ酸ソーダ 下記第1表に表示する組成を有する4種の粉末
ケイ酸ソーダを市販工業薬品より選んだ。
【表】 A−2アルカリ水溶液可溶なホウ酸アルカリ下
記第2表に表示する分子式を有する3種のホウ酸
塩を市販試薬より選んだ。
【表】 A−3水溶性ホウケイ酸アルカリ 上記ケイ酸ソーダとホウ酸塩の両粉末を下記3
表に示す量割合で均質に混合して結着剤を調製し
た。
【表】 A−4ポリリン酸ケイ素(酸性硬化剤)ポリリ
ン酸ケイ素は本発明者等の2件の特許(特公昭46
−40866号および特公昭46−42711号公報及び特願
昭57−32277号公報)明細書記載の方法に準拠し
て調製された第4表に表示した試料番号PS−1
のポリリン酸ケイ素を主に選んだ。 なお、ここに調製したポリリン酸ケイ素につい
て、下記に記載する測定方法によつて分散性なら
びにゲル化時間を測定し、その結果を第4表に併
せ表示する。
【表】 A分散性ならびにゲル化時間の測定 分散性ならびにゲル化時間の測定は、本発明者
らの出願特許(特公昭57−42581号公報及び特願
昭57−32277号公報)明細書記載の方法に準拠し
て測定した。 このゲル化時間は、一般通常の無機質バインダ
ーとしては40℃で20分以上必要であり、本発明セ
メント組成物の硬化剤においても同様である。 又もちろん分散性不良の試料は本発明の硬化剤
とはならない。 A−5結晶性メタケイ酸バリウム 結晶性メタケイ酸バリウムとしては、一般市販
のものでも良いが、本実施例においては代表的調
製方法として下記参考例1に記載された方法によ
り調製した結晶性メタケイ酸バリウム粉末(試料
番号BS−110)を選んだ。 なおここに調製したBS−110は、BaO成分とし
て26重量%の水可溶分を持つ。 参考例 1 ケイ酸源にフラタリ硅砂粉末とシルトンA(水
澤化学工業(株)製の易反応性ケイ酸ゲル粉末)との
等モル混合物、バリウム源としては市販試薬の炭
酸バリウムを選び、SiO2/BaOのモル比が1に
なるように両者を混合し、15乃至20%の水で調湿
造粒にて約10mm径の顆粒状とした後、回転式キル
ンを用いて1000乃至1100℃で0.5時間、焼成し、
乾式粉砕にて粒径60μ以下95%以上に分級した結
晶性メタケイ酸バリウム塩粉末を選んだ。 B成分(C)の水可溶BaOの測定 試料5gを秤量し、200三角フラスコに入れ
蒸留水100mlを加え、密栓して30分間撹拌した後
ロ別し、その液中のBaO成分を分析し、試料
5gで徐した重量をもつて、BaO成分の水可溶
分とする。 A−6無定形ケイ酸バリウム 無定形ケイ酸バリウムとしては、一般市販のも
のでも良いが、本実施例においては代表的調製方
法として本発明者等の特許(特開昭57−32277号
公報)明細書記載の方法に準拠して調製した無定
形ケイ酸バリウム(試料番号BS−38)を主に選
んだ。 なおここに調製されたケイ酸バリウム(BS−
38)の粒度分布は、10μ以下(50重量%)、10乃
至30μ(30重量%)、30乃至60μ(20重量%)又この
ものの5%水分散PHは11及びBaOの水可溶分は
2.6重量%であつた。 A−7フライアツシユ(FA) 東北発電工業株式会社製のSiO263%、Al2O323
%の市販品を使用した。
【表】
【表】 第5表に表示した配合及び固化条件による本発
明のセメント組成物の基本特性については、下記
に記載の測定方法によつてそれぞれ評価し、その
結果を第6表に表示した。 なお本発明の特徴を明確にするために試料番号
“H−”シリーズを比較例として検討した。 C混水量 ペースト中の添加水の重量% Dフロー値 試料粉体を所定量の混水量(重量%)で均質な
水性ペーストとし、各経時毎にその一定量5mlを
注射器で傾斜角50゜のガラス傾斜板上に流し、そ
の1分間の初期落下長(cm)を測定し、その値を
フロー値(cm/min)を定義し、この値から水性
ペーストの流動特性を評価した。 E固化時間 水性ペーストが温度30℃、関係湿度75%の条件
で経時的にゲル化しつつ硬化して、固化体の表面
が硬度Hの鉛筆の芯がささらなくなる時間を計
り、固化時間(hr)とした。 F圧縮強度 水性ペーストを25φ×50mm寸法の容器に流し込
み温度20℃、関係湿度75%で7日間の固化養生し
た後、JIS−A1114に準拠して、形状比2(L/
D)の円柱体の供試体について一軸圧縮強(Kg/
cm2)を測定した。 G固化体の膨張率 JIS,ASTM規格による石膏硬化体の膨張率測
定器を用いてこれに粒状廃棄物を充填し、次いで
ペーストを注入し、水分の蒸発を防止するため検
体の表面をビニールシートで完全に覆つて、30℃
で3日間の固化養生した後、5℃の雰囲気中に保
管し下記式より固化体の膨張率を算出した。 膨張率=l/l0100〔%〕 ただし供試体寸法は30×30×200 l0=200.0mm lは測定値 H固化体の耐クラツク性 500mlのガラス製ビーカに粒状廃棄物を充填し
所定の混水量のペーストを注入し20及び35℃で固
化させ、その温度に30日以上継続保管する検体
と、固化4日後に5℃の温度条件に10日以上継続
して保管した時、固化体及びガラスビーカに発生
するクラツクの有無を確認し、いずれの条件にお
いてもクラツク発生を起こさぬ固化体をもつて、
耐クラツク性を有りとして評価した。 B粒状放射性廃棄物の固化体について説明する。 第5表に表示した固化剤及び固化条件によつ
て、第6表に表示した組成から成る粒状の模擬放
射性廃棄物をそれぞれ固化処理し、得られた固化
体について、本発明の固化剤による廃棄物充填量
と固化体の安定性について評価をし、その結果を
第7表に併せて表示した。
【表】 I粒状廃棄物の充填率 実容量200の円筒容器に粒状廃棄物を充填さ
せ、所定量のペーストを注入し、固化させた固化
体中の廃棄物の充填率を下式の如く定義した。 充填率(容量%) =廃棄物容量()×100/廃棄物容量()+ペース
ト容量()
【表】
【表】 以上の結果、第5,6及び7表から明らかなよ
うに芒硝、ホウ酸ソーダ、硝酸ソーダ等をそれぞ
れ主成分とする粒状放射性廃棄物を高い充填率で
容器内に固化処理をし、本発明の目的である該廃
棄物処理の高減容性を確保し、しかも固化体が長
期に亘つて安全に保管されるために本発明の水硬
性セメントに具備すべき特性として、第1に粒状
廃棄物を細密充填させ高減容性を確保するため容
器内に生ずる微小間隙にペーストが十分に注入さ
れることによつて緻密な固化体を成すペーストの
優ぐれた流動性は、従来の水硬性セメント、特に
比較例H−6のポルトランドセメントでは全く不
可能であるし、しかも従来の固化剤と比較して著
しく低混水量で流動性に優ぐれたペーストとなる
ことが良く理解されるし、更らに第2に固化体が
長期保管において安定であるためには、第7表か
ら理解される如く、固化体に生ずる膨張に留意し
なければならない。 このことは固化の前後を通して水性ペースト及
び固化体内において該廃棄物は湿潤、塩類の溶解
−再結晶等による体積膨張を誘発するため、固化
体が耐クラツク性を堅持するためには、この体積
異状を防止しなければならない。 従つて従来の水硬性セメント特にポルトランド
セメントに代表されるように流動性ペーストと成
すために高い混水量を必要としたり、著しい離漿
及びブリージング現象を併ない、固化体内の該廃
棄物への水の移動を生じ易い固化剤では、本発明
の目的とする高減容固化体を調製することは、特
に安定な固化体としての耐クラツク性の観点から
不可能であり、よつて本発明による水硬性セメン
トは固化の前後に亘つて保水性に優ぐれた固化剤
としても理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における原子力発電施設より発
生する放射性廃棄物の粒状物を固化処理する工程
の概略図の一例である。 工程(A) 1 廃液及び再生廃液 2 1次濃縮機 3 濃縮廃液 4 濃縮乾燥機 5 廃棄物乾燥粉末 6 造粒機 7 廃棄物粒状物 8 廃棄処理用容器 工程(B) 9 固化剤粉末 10 水 11 水性ペースト 工程(C) 12 粒状廃棄物の固化体。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 硫酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩等の塩類を含む放
    射性廃液乾燥物の粒状体を容器内に充填し、ホウ
    ケイ酸アルカリ結着剤並びに固形物基準でホウケ
    イ酸アルカリ結着剤100重量部当り10乃至30重量
    部のリン酸ケイ素硬化剤及び50乃至120重量部の
    実質上水に不溶性乃至弱溶解性の塩基性ケイ酸塩
    から成る流動促進剤兼硬化助剤を含有し且つ混水
    量が22乃至30重量%の範囲にある水硬性セメント
    ペーストを粒状廃棄物充填容器内に注加して、該
    ペーストを空隙内に充填させ、該ペーストを固化
    させることを特徴とする粒状放射性廃棄物の固化
    方法。 2 流動促進剤兼硬化助剤が、固形物基準でホウ
    ケイ酸アルカリ結着剤100重量部当り、5乃至40
    重量部の無定形ケイ酸バリウム、5乃至40重量部
    の結晶性メタケイ酸バリウム乃び0乃至40重量部
    のフライアツシユの組合せから成る特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 3 水硬性セメントスラリーが、固形物基準でホ
    ウケイ酸アルカリ結着剤100重量部当り10重量部
    迄の硬化反応助触媒を含有することから成る特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
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