JPH025836B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH025836B2 JPH025836B2 JP18776683A JP18776683A JPH025836B2 JP H025836 B2 JPH025836 B2 JP H025836B2 JP 18776683 A JP18776683 A JP 18776683A JP 18776683 A JP18776683 A JP 18776683A JP H025836 B2 JPH025836 B2 JP H025836B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pores
- magnetic metal
- oxide film
- anodic oxide
- aluminum material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
本発明はアルミニウムまたはアルミニウム合金
材に陽極酸化処理を施し、生成した陽極酸化皮膜
の微細孔を酸またはアルカリ浴中に浸漬してその
皮膜の一部を化学的に溶解し、孔径を拡大し、し
かる後に磁性金属を充填し、さらにその表面を物
理的に研削、研摩等を施して高密度磁気記録用の
材料を製造する方法に関するものである。 アルミニウムまたはアルミニウム合金材(以下
アルミニウム材と称する)に陽極酸化処理を施
し、得られた陽極酸化皮膜に無数に生成している
細孔中に磁性金属を種々の方法で充填して、磁性
皮膜をつくり、これを磁気記録材として使用する
ことはすでに公知である。 この方法によつてつくられた磁気記録材の著し
い特徴は、磁性体が陽極酸化皮膜面に垂直な細孔
中に入つているため、いわゆる「垂直磁化特性」
を示すことであり、従来の一般的な磁性材を基板
表面に塗布した水平磁化方式の磁気記録材に比較
して記録密度を飛躍的に増大させることができる
ことである。 しかして、このような陽極酸化皮膜細孔に磁性
材を充填して得られる磁性皮膜を磁気記録材とし
て用いる場合に、形成された陽極酸化皮膜面を物
理的に研削、研摩することによつて十分な平滑面
とすること、および磁気ヘツドを接触型、浮上型
の何れに使用する場合においても、ヘツドによる
破壊がなく、且つ十分な磁化特性を得るために研
摩後の皮膜厚が少くとも2μm以上であること、ま
たその磁化特性がヘツドの種類に応じた適切な値
を採ることができ、しかもその特性が材料の全面
に亘つて可及的に均質であること等が望まれる。 しかしながら、従来から行われているような一
般的な陽極酸化処理条件によつて得られた陽極酸
化皮膜においては細孔の孔径が小さいため抗磁力
(Hc)が高すぎ、記録再生ができなかつたり、出
力が小さすぎる等の磁気記録材としての磁気特性
が適正とならないという問題点があつた。 この陽極酸化皮膜における細孔径は処理にあた
つて使用される電解浴の種類によつて大きく変化
することが知られており、例えば処理浴として最
も一般的な硫酸浴を用いた場合には生成する皮膜
の細孔径は100〜200Åであるのに対し、リン酸浴
の場合は約500〜1000Åであつて、細孔径に関す
る限りリン酸浴を使用すれば孔径は十分であるが
リン酸単味の浴によつて形成される皮膜は膜質が
脆弱となり易く、たかだか2μm程度の膜厚の皮膜
しか得られなかつた。 一方、硫酸、蓚酸、スルホサリチル酸またはこ
れらの酸を主体とする浴を使用して電解処理して
得られた陽極酸化皮膜は膜質が堅固で且つ十分な
膜厚の皮膜が得られるものの、細孔の孔径が小さ
いため、二次処理によつて細孔径の拡大を行なう
必要があつた。 そこで、本発明者らは特願昭58−103978号にお
いて提案したごとく、陽極酸化皮膜の細孔拡大法
として一般的な処理浴を用いて陽極酸化処理を施
したアルミニウム材を酸またはアルカリ浴中に浸
漬することによつて化学的に皮膜の一部、即ち細
孔壁を溶解するときは細孔の上部から底部に亘つ
てほゞ一様に細孔の拡大を行ない得ること、また
このようにして化学的な溶解による細孔拡大法を
採るときは、溶解条件を適宜制御することによつ
て細孔径を比較的自由に制御しうることを見出し
出願した。 しかしながら、上記のように拡大した細孔に磁
性金属を析出させて磁気記録媒体としたとき、磁
性金属の析出量が微視的に不均一になることが多
く、高密度磁気記録用媒体として用いる出力が不
均一となりエラーの原因となるので、微視的にも
均一な金属充填が必要である。 そのため、本発明者らはさらに詳細なる検討を
行なつて上記の問題点を克服したものである。 即ち本発明はアルミニウム材に陽極酸化処理を
施して得られた陽極酸化皮膜の細孔に磁性金属を
充填して、高密度磁気記録用アルミニウム材を得
るに際し、先づアルミニウム材に厚さ4μm以上の
陽極酸化皮膜を形成した後、これを酸またはアル
カリ浴中に浸漬して陽極酸化皮膜の一部を化学的
に溶解することによつて陽極酸化皮膜における細
孔を300Å乃至1400Åの範囲の任意の孔径に拡大
し、磁性金属イオンを含む浴中において電解処理
を施して、上記細孔中に磁性金属を析出させた
後、表面の陽極酸化皮膜層を研削、研摩して細孔
中に析出した磁性金属を上記陽極酸化皮膜の表面
に露出させることを特徴としている。 次に、本発明方法を更に、具体的に添付図面に
ついて説明する。 第1図は本発明方法の工程を示す概略的模式図
である。 本発明に用いるアルミニウム材1は、特にその
種類を限定するものではないが、陽極酸化皮膜が
良くかかる材質、例えば、純アルミニウム系、5
系、6系等が好ましい。陽極酸化処
理の電解浴は、硫酸、蓚酸、クロム酸若くはこれ
らの酸を主体とした浴、又は、スルホサルチル酸
等の有機酸に無機酸を添加した浴を用いることが
でき、また、燐酸ナトリウム等を主成分としたア
ルカリ浴を用いることも可能である。 これら浴の組成と浴温度を適宜選択し、0.1〜
2.0A/dm2の電流密度、5〜20Vの電圧で陽極酸
化処理を行い、次工程で磁性金属の析出、充填が
行い易く、又、後述するようにアルミニウム材と
の関係で、研削、研摩後に少くとも2μm程度以上
の膜厚を保てるように、多孔質層2とバリヤー層
3から成る陽極酸化皮膜4の膜厚を4μm以上に生
成させる。化学的溶解後の状態を第1図イに示
す。 なお、4μm程度以下の膜厚では磁性金属が局部
的にも均一に析出し難く、即ち、一部で磁性金属
が皮膜4の表面に出ると、そこに電流が集中して
他の部分の析出が阻害され、磁性金属が細孔5の
充分上まで充填しなくなる問題が生ずる。 次に、第1図ロのように、陽極酸化処理後の細
孔5の壁を化学的に溶解して孔径を拡大する。孔
径は、抗磁力を左右するため、この処理を厳密に
行うことによつて、定量的に抗磁力を制御するこ
とが可能となる。 この化学的溶解に用いる浴は、リン酸、クロム
酸、硫酸、蓚酸若くはこれらの2種以上を成分と
する酸性浴、又は、カ性ソーダ、カ性カリの希薄
溶液やリン酸三ナトリウム溶液等のアルカリ性浴
で、温度は、通常常温乃至50℃程度が好ましい。
温度や酸若しくはアルカリ濃度が高いと、溶解が
速すぎて細孔径が不均一となり易く、皮膜4を必
要以上に劣化させるおそれがある。また、溶解の
時間は、陽極酸化処理の孔径を得ようとする望ま
しい孔径にもよるが、5〜30分、好ましくは10〜
20分に収めると制御し易い。かくすることによ
り、細孔径を300〜1400Å、好ましくは、400〜
1000Åにする。 なお、酸またはアルカリで細孔5を拡大する
と、その際細孔底のバリヤー層3は、化学的溶解
処理のため、その厚さが不均一になり、このまゝ
では均斉な磁性金属の析出を得ることができな
い。そこでバリヤー層調整のための処理を行うこ
とが好ましい。そのための通電処理は、前記化学
的溶解処理に用いた浴中で行うことができる。こ
の際、電圧は高すぎると、バリヤー層3が厚くな
りすぎて次の磁性金属の析出が行われにくく、ま
た、電圧が低くすぎるとバリヤー層3が薄くなり
すぎて磁性金属析出工程で皮膜の部分的破壊が生
じたりするため、直流では5〜25V、好ましくは
10〜20V程度がよく、また、交流では6〜20V、
好ましくは10〜17V程度がよい。なお通電時間
は、電流が安定するまで通常3〜10分を要する。
かくすることにより、100〜400Åの均一な厚さの
バリヤー層を得ることができる。 次に、前記したように細孔の拡大、またはさら
にバリヤー層の調整をしたアルミニウム材は、
Fe,Co,Ni等の磁性金属イオンを含む水溶性
塩、即ち、硫酸塩、スルフアミン酸塩等を含み、
更に電解析出を容易にするために電解されること
のない硫酸マグネシウム等の支持電解質を加えた
浴中に浸漬し、グラフアイト、ステンレス等の不
溶性の対極との間に直流(アルミニウム材が陰
極)、交流或いはこれらを重畳した電流等を通じ
て細孔中に磁性金属を析出、充填させる。 その際、直流の場合、電流密度は0.05〜1.5A/
dm2、交流の場合、10〜20Vが好ましい。 しかしながら、細孔中に析出した磁性金属は第
1図ハに模式的に示すように隣接する細孔5間で
も充填された磁性金属6の高さlが異なるため磁
性金属6の充填量が異なり、個々の充填金属柱の
磁化特性が異なる原因となる。 そこで、本発明においては、上記の傾向を避け
るため、さらに第1図ニのように陽極酸化皮膜4
の表面を物理的に削除する。削除する量は充填磁
性金属柱lの最小高さl minか、或いはそれよ
り10%程度少ない高さで、この削除後の金属柱高
さをl2とする。またl2は多孔質層2の厚さの50〜
80%程度なので、多孔質層2の削除量はその表面
から40〜60%行なうことが望ましく、これによつ
て充填磁性金属の上面すべては陽極酸化皮膜表面
に露出することになる。この結果、磁性金属柱高
さがほゞ一定に揃うので、個々の磁性金属の磁化
特性がほゞ均一化し、エンベロープ−磁気記録媒
体に記録されている交流信号の再生出力を時間軸
を短縮してチヤートに記録して得られる帯状の再
生出力図形−も良好となり、高密度が達成され
る。 即ち、第2図にエンベロープを示すが、本発明
のように陽極酸化皮膜表面を、磁性金属充填後に
削つたものは第2図ロのように良好であるのに対
し、第2図イのように該皮膜表面を削らなかつた
場合では、媒体の磁気特性が不均一であつたり、
また、媒体とヘツドの距離が一様でなく、エンベ
ロープが悪い。 以上のように本発明によれば、アルミニウム材
の表面に施された均一厚さの陽極酸化皮膜の各細
孔に磁性金属柱を細孔の深さと同じの高さで、し
かも磁性金属柱はいずれもほゞ同じ高さで充填さ
れた磁気記録用の材料を得ることができる。 その際、充填磁性金属にもよるが、例えば、
Feの場合、磁性金属柱の直径をD、高さをl2とす
れば(円柱と仮定して)l2/D>10であれば垂直
磁化特性を示し、また、Coの場合ではl2/D>20
であれば同様である。しかし垂直磁化特性を上げ
ようとDを小さくすると抗磁力が大きくなり過
ぎ、強力な磁気ヘツドを必要とする等の難点が生
じる。 なお、本発明は必ずしも垂直磁化特性をねらつ
ただけでなく、l2/D>10で垂直磁化特性を示さ
ない金属に対しては水平磁化特性を活用すること
もでき、塗布法等による従来の水平磁化に比べ十
分な高密度を達成できる。 以上得られた磁性皮膜は、水洗、乾燥して仕上
がりとすることもできるが、防食処理として常法
で熱水封孔するか、或いは乾式表面処理、例えば
酸化珪素のスパツタリング等で、表面に極く薄い
保護のためのコーテイングをすることもできる。 以下本発明の実施例を述べる。 実施例 1 JIS A5086のアルミニウムのドーナツ板(5
1/4インチ径、2mm厚さ)を下記の条件で処理し
振動式磁化測定装置により、静的磁化特性を求
め、さらに再生出力のエンベロープを求めたとこ
ろ第1表のような結果を得た。但し、バリヤー層
の調整は化学的溶解処理浴中で行ない、磁性金属
の析出、充填は硫酸第1鉄120g/、硫酸マグ
ネシウム70g/、クエン酸20g/なる浴中で
浴温30℃とし、且つグラフアイトを対極として交
流60Hz、15V、15分間通電して行つた。磁性金属
の充填後の陽極酸化皮膜は高純度(99.99%)の
アルミナ砥粒(粒径1μm)を用い、15分間バフ式
ポリツシヤーで研摩され、平均表面アラサRmax
=0.04μmを得た。 なお、比較のため物理的削除をしない場合(No.
4)及び化学的溶解処理を行なわない場合(No.
5)の測定値も第1表に掲げる。 同表から分かるように、物理的な研摩、研削等
を行なわないと動的磁化特性にバラツキを生じ磁
気記録用の材料として使用できない。
材に陽極酸化処理を施し、生成した陽極酸化皮膜
の微細孔を酸またはアルカリ浴中に浸漬してその
皮膜の一部を化学的に溶解し、孔径を拡大し、し
かる後に磁性金属を充填し、さらにその表面を物
理的に研削、研摩等を施して高密度磁気記録用の
材料を製造する方法に関するものである。 アルミニウムまたはアルミニウム合金材(以下
アルミニウム材と称する)に陽極酸化処理を施
し、得られた陽極酸化皮膜に無数に生成している
細孔中に磁性金属を種々の方法で充填して、磁性
皮膜をつくり、これを磁気記録材として使用する
ことはすでに公知である。 この方法によつてつくられた磁気記録材の著し
い特徴は、磁性体が陽極酸化皮膜面に垂直な細孔
中に入つているため、いわゆる「垂直磁化特性」
を示すことであり、従来の一般的な磁性材を基板
表面に塗布した水平磁化方式の磁気記録材に比較
して記録密度を飛躍的に増大させることができる
ことである。 しかして、このような陽極酸化皮膜細孔に磁性
材を充填して得られる磁性皮膜を磁気記録材とし
て用いる場合に、形成された陽極酸化皮膜面を物
理的に研削、研摩することによつて十分な平滑面
とすること、および磁気ヘツドを接触型、浮上型
の何れに使用する場合においても、ヘツドによる
破壊がなく、且つ十分な磁化特性を得るために研
摩後の皮膜厚が少くとも2μm以上であること、ま
たその磁化特性がヘツドの種類に応じた適切な値
を採ることができ、しかもその特性が材料の全面
に亘つて可及的に均質であること等が望まれる。 しかしながら、従来から行われているような一
般的な陽極酸化処理条件によつて得られた陽極酸
化皮膜においては細孔の孔径が小さいため抗磁力
(Hc)が高すぎ、記録再生ができなかつたり、出
力が小さすぎる等の磁気記録材としての磁気特性
が適正とならないという問題点があつた。 この陽極酸化皮膜における細孔径は処理にあた
つて使用される電解浴の種類によつて大きく変化
することが知られており、例えば処理浴として最
も一般的な硫酸浴を用いた場合には生成する皮膜
の細孔径は100〜200Åであるのに対し、リン酸浴
の場合は約500〜1000Åであつて、細孔径に関す
る限りリン酸浴を使用すれば孔径は十分であるが
リン酸単味の浴によつて形成される皮膜は膜質が
脆弱となり易く、たかだか2μm程度の膜厚の皮膜
しか得られなかつた。 一方、硫酸、蓚酸、スルホサリチル酸またはこ
れらの酸を主体とする浴を使用して電解処理して
得られた陽極酸化皮膜は膜質が堅固で且つ十分な
膜厚の皮膜が得られるものの、細孔の孔径が小さ
いため、二次処理によつて細孔径の拡大を行なう
必要があつた。 そこで、本発明者らは特願昭58−103978号にお
いて提案したごとく、陽極酸化皮膜の細孔拡大法
として一般的な処理浴を用いて陽極酸化処理を施
したアルミニウム材を酸またはアルカリ浴中に浸
漬することによつて化学的に皮膜の一部、即ち細
孔壁を溶解するときは細孔の上部から底部に亘つ
てほゞ一様に細孔の拡大を行ない得ること、また
このようにして化学的な溶解による細孔拡大法を
採るときは、溶解条件を適宜制御することによつ
て細孔径を比較的自由に制御しうることを見出し
出願した。 しかしながら、上記のように拡大した細孔に磁
性金属を析出させて磁気記録媒体としたとき、磁
性金属の析出量が微視的に不均一になることが多
く、高密度磁気記録用媒体として用いる出力が不
均一となりエラーの原因となるので、微視的にも
均一な金属充填が必要である。 そのため、本発明者らはさらに詳細なる検討を
行なつて上記の問題点を克服したものである。 即ち本発明はアルミニウム材に陽極酸化処理を
施して得られた陽極酸化皮膜の細孔に磁性金属を
充填して、高密度磁気記録用アルミニウム材を得
るに際し、先づアルミニウム材に厚さ4μm以上の
陽極酸化皮膜を形成した後、これを酸またはアル
カリ浴中に浸漬して陽極酸化皮膜の一部を化学的
に溶解することによつて陽極酸化皮膜における細
孔を300Å乃至1400Åの範囲の任意の孔径に拡大
し、磁性金属イオンを含む浴中において電解処理
を施して、上記細孔中に磁性金属を析出させた
後、表面の陽極酸化皮膜層を研削、研摩して細孔
中に析出した磁性金属を上記陽極酸化皮膜の表面
に露出させることを特徴としている。 次に、本発明方法を更に、具体的に添付図面に
ついて説明する。 第1図は本発明方法の工程を示す概略的模式図
である。 本発明に用いるアルミニウム材1は、特にその
種類を限定するものではないが、陽極酸化皮膜が
良くかかる材質、例えば、純アルミニウム系、5
系、6系等が好ましい。陽極酸化処
理の電解浴は、硫酸、蓚酸、クロム酸若くはこれ
らの酸を主体とした浴、又は、スルホサルチル酸
等の有機酸に無機酸を添加した浴を用いることが
でき、また、燐酸ナトリウム等を主成分としたア
ルカリ浴を用いることも可能である。 これら浴の組成と浴温度を適宜選択し、0.1〜
2.0A/dm2の電流密度、5〜20Vの電圧で陽極酸
化処理を行い、次工程で磁性金属の析出、充填が
行い易く、又、後述するようにアルミニウム材と
の関係で、研削、研摩後に少くとも2μm程度以上
の膜厚を保てるように、多孔質層2とバリヤー層
3から成る陽極酸化皮膜4の膜厚を4μm以上に生
成させる。化学的溶解後の状態を第1図イに示
す。 なお、4μm程度以下の膜厚では磁性金属が局部
的にも均一に析出し難く、即ち、一部で磁性金属
が皮膜4の表面に出ると、そこに電流が集中して
他の部分の析出が阻害され、磁性金属が細孔5の
充分上まで充填しなくなる問題が生ずる。 次に、第1図ロのように、陽極酸化処理後の細
孔5の壁を化学的に溶解して孔径を拡大する。孔
径は、抗磁力を左右するため、この処理を厳密に
行うことによつて、定量的に抗磁力を制御するこ
とが可能となる。 この化学的溶解に用いる浴は、リン酸、クロム
酸、硫酸、蓚酸若くはこれらの2種以上を成分と
する酸性浴、又は、カ性ソーダ、カ性カリの希薄
溶液やリン酸三ナトリウム溶液等のアルカリ性浴
で、温度は、通常常温乃至50℃程度が好ましい。
温度や酸若しくはアルカリ濃度が高いと、溶解が
速すぎて細孔径が不均一となり易く、皮膜4を必
要以上に劣化させるおそれがある。また、溶解の
時間は、陽極酸化処理の孔径を得ようとする望ま
しい孔径にもよるが、5〜30分、好ましくは10〜
20分に収めると制御し易い。かくすることによ
り、細孔径を300〜1400Å、好ましくは、400〜
1000Åにする。 なお、酸またはアルカリで細孔5を拡大する
と、その際細孔底のバリヤー層3は、化学的溶解
処理のため、その厚さが不均一になり、このまゝ
では均斉な磁性金属の析出を得ることができな
い。そこでバリヤー層調整のための処理を行うこ
とが好ましい。そのための通電処理は、前記化学
的溶解処理に用いた浴中で行うことができる。こ
の際、電圧は高すぎると、バリヤー層3が厚くな
りすぎて次の磁性金属の析出が行われにくく、ま
た、電圧が低くすぎるとバリヤー層3が薄くなり
すぎて磁性金属析出工程で皮膜の部分的破壊が生
じたりするため、直流では5〜25V、好ましくは
10〜20V程度がよく、また、交流では6〜20V、
好ましくは10〜17V程度がよい。なお通電時間
は、電流が安定するまで通常3〜10分を要する。
かくすることにより、100〜400Åの均一な厚さの
バリヤー層を得ることができる。 次に、前記したように細孔の拡大、またはさら
にバリヤー層の調整をしたアルミニウム材は、
Fe,Co,Ni等の磁性金属イオンを含む水溶性
塩、即ち、硫酸塩、スルフアミン酸塩等を含み、
更に電解析出を容易にするために電解されること
のない硫酸マグネシウム等の支持電解質を加えた
浴中に浸漬し、グラフアイト、ステンレス等の不
溶性の対極との間に直流(アルミニウム材が陰
極)、交流或いはこれらを重畳した電流等を通じ
て細孔中に磁性金属を析出、充填させる。 その際、直流の場合、電流密度は0.05〜1.5A/
dm2、交流の場合、10〜20Vが好ましい。 しかしながら、細孔中に析出した磁性金属は第
1図ハに模式的に示すように隣接する細孔5間で
も充填された磁性金属6の高さlが異なるため磁
性金属6の充填量が異なり、個々の充填金属柱の
磁化特性が異なる原因となる。 そこで、本発明においては、上記の傾向を避け
るため、さらに第1図ニのように陽極酸化皮膜4
の表面を物理的に削除する。削除する量は充填磁
性金属柱lの最小高さl minか、或いはそれよ
り10%程度少ない高さで、この削除後の金属柱高
さをl2とする。またl2は多孔質層2の厚さの50〜
80%程度なので、多孔質層2の削除量はその表面
から40〜60%行なうことが望ましく、これによつ
て充填磁性金属の上面すべては陽極酸化皮膜表面
に露出することになる。この結果、磁性金属柱高
さがほゞ一定に揃うので、個々の磁性金属の磁化
特性がほゞ均一化し、エンベロープ−磁気記録媒
体に記録されている交流信号の再生出力を時間軸
を短縮してチヤートに記録して得られる帯状の再
生出力図形−も良好となり、高密度が達成され
る。 即ち、第2図にエンベロープを示すが、本発明
のように陽極酸化皮膜表面を、磁性金属充填後に
削つたものは第2図ロのように良好であるのに対
し、第2図イのように該皮膜表面を削らなかつた
場合では、媒体の磁気特性が不均一であつたり、
また、媒体とヘツドの距離が一様でなく、エンベ
ロープが悪い。 以上のように本発明によれば、アルミニウム材
の表面に施された均一厚さの陽極酸化皮膜の各細
孔に磁性金属柱を細孔の深さと同じの高さで、し
かも磁性金属柱はいずれもほゞ同じ高さで充填さ
れた磁気記録用の材料を得ることができる。 その際、充填磁性金属にもよるが、例えば、
Feの場合、磁性金属柱の直径をD、高さをl2とす
れば(円柱と仮定して)l2/D>10であれば垂直
磁化特性を示し、また、Coの場合ではl2/D>20
であれば同様である。しかし垂直磁化特性を上げ
ようとDを小さくすると抗磁力が大きくなり過
ぎ、強力な磁気ヘツドを必要とする等の難点が生
じる。 なお、本発明は必ずしも垂直磁化特性をねらつ
ただけでなく、l2/D>10で垂直磁化特性を示さ
ない金属に対しては水平磁化特性を活用すること
もでき、塗布法等による従来の水平磁化に比べ十
分な高密度を達成できる。 以上得られた磁性皮膜は、水洗、乾燥して仕上
がりとすることもできるが、防食処理として常法
で熱水封孔するか、或いは乾式表面処理、例えば
酸化珪素のスパツタリング等で、表面に極く薄い
保護のためのコーテイングをすることもできる。 以下本発明の実施例を述べる。 実施例 1 JIS A5086のアルミニウムのドーナツ板(5
1/4インチ径、2mm厚さ)を下記の条件で処理し
振動式磁化測定装置により、静的磁化特性を求
め、さらに再生出力のエンベロープを求めたとこ
ろ第1表のような結果を得た。但し、バリヤー層
の調整は化学的溶解処理浴中で行ない、磁性金属
の析出、充填は硫酸第1鉄120g/、硫酸マグ
ネシウム70g/、クエン酸20g/なる浴中で
浴温30℃とし、且つグラフアイトを対極として交
流60Hz、15V、15分間通電して行つた。磁性金属
の充填後の陽極酸化皮膜は高純度(99.99%)の
アルミナ砥粒(粒径1μm)を用い、15分間バフ式
ポリツシヤーで研摩され、平均表面アラサRmax
=0.04μmを得た。 なお、比較のため物理的削除をしない場合(No.
4)及び化学的溶解処理を行なわない場合(No.
5)の測定値も第1表に掲げる。 同表から分かるように、物理的な研摩、研削等
を行なわないと動的磁化特性にバラツキを生じ磁
気記録用の材料として使用できない。
【表】
【表】
実施例 2
実施例1と同じアルミニウム板に実施例1(No.
1)と同様な条件の陽極酸化処理、化学的溶解処
理を行なつた後、CoおよびNiを細孔に析出、充
填した。その際、析出充填は硫酸コバルト30g/
、硫酸ニツケル70g/、ほう酸20g/、グ
リセリン2g/の浴中で浴温30℃とし、且つグ
ラフアイトを対極として交流60Hz、15V、3〜15
分間通電して実施した。次に物理的な削除量や陽
極酸化皮膜の膜厚に応じて変化させた。表面アラ
サRmax=0.03μmを得た。その磁化特性の結果
は、第2表の通りであつた。
1)と同様な条件の陽極酸化処理、化学的溶解処
理を行なつた後、CoおよびNiを細孔に析出、充
填した。その際、析出充填は硫酸コバルト30g/
、硫酸ニツケル70g/、ほう酸20g/、グ
リセリン2g/の浴中で浴温30℃とし、且つグ
ラフアイトを対極として交流60Hz、15V、3〜15
分間通電して実施した。次に物理的な削除量や陽
極酸化皮膜の膜厚に応じて変化させた。表面アラ
サRmax=0.03μmを得た。その磁化特性の結果
は、第2表の通りであつた。
第1図イ〜ニは、本発明方法の工程を概略的に
示す模式図、第2図イ及びロは、物理的な削除を
行わない場合と行つた場合の再生出力のエンベロ
ープを示す図である。 1……アルミニウム材、2……多孔質、3……
バリヤー層、4……陽極酸化皮膜、5……細孔、
6……磁性金属。
示す模式図、第2図イ及びロは、物理的な削除を
行わない場合と行つた場合の再生出力のエンベロ
ープを示す図である。 1……アルミニウム材、2……多孔質、3……
バリヤー層、4……陽極酸化皮膜、5……細孔、
6……磁性金属。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルミニウム材に陽極酸化処理を施して得ら
れた陽極酸化皮膜の細孔に磁性金属を充填して、
磁気記録用アルミニウム材を得るに際し、先づア
ルミニウム材に厚さ4μm以上の陽極酸化皮膜を形
成した後、これを酸またはアルカリ浴中に浸漬し
て陽極酸化皮膜の一部を化学的に溶解することに
よつて陽極酸化皮膜における細孔を300Å乃至
1400Åの範囲の任意の孔径に拡大し、さらに磁性
金属イオンを含む浴中において電解処理を施し
て、上記細孔中に磁性金属を析出させた後、陽極
酸化皮膜の表面を物理的に削つて、充填した磁性
金属を上記皮膜の表面に露出させることを特徴と
する磁気記録用アルミニウム材の製造法。 2 アルミニウム材に陽極酸化処理を施して得ら
れた陽極酸化皮膜の細孔に磁性金属を充填して、
磁気記録用アルミニウム材を得るに際し、先づア
ルミニウム材に厚さ4μm以上の陽極酸化皮膜を形
成した後、これを酸またはアルカリ浴中に浸漬し
て陽極酸化皮膜の一部を化学的に溶解することに
よつて陽極酸化皮膜における細孔を300Å乃至
1400Åの範囲の任意の孔径に拡大し、次いで浸漬
浴中に暫時電流を通ずることによつて、陽極酸化
皮膜におけるバリヤー層の調整を行つた後、磁性
金属イオンを含む浴中において電解処理を施し
て、上記細孔中に磁性金属を析出させ、その後、
陽極酸化皮膜の表面に物理的に削つて、充填した
磁性金属を上記皮膜の表面に露出させることを特
徴とする磁性記録用アルミニウム材の製造法。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18776683A JPS6082694A (ja) | 1983-10-07 | 1983-10-07 | 磁気記録用アルミニウム材の製造法 |
| DE19843421442 DE3421442A1 (de) | 1983-06-10 | 1984-06-08 | Verfahren zur herstellung eines magnetischen aufzeichnungsmediums |
| GB08414656A GB2142043B (en) | 1983-06-10 | 1984-06-08 | Magnetic recording media |
| US06/618,512 US4548682A (en) | 1983-06-10 | 1984-06-08 | Process of producing magnetic recording media |
| IT21347/84A IT1174167B (it) | 1983-06-10 | 1984-06-11 | Procentimento per la produzione di mezzi per la registrazione magnetica |
| NL8401849A NL8401849A (nl) | 1983-06-10 | 1984-06-12 | Werkwijze voor het vervaardigen van magnetische opname media. |
| FR8409271A FR2548813A1 (fr) | 1983-06-10 | 1984-06-12 | Procede de fabrication d'un support d'enregistrement magnetique |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18776683A JPS6082694A (ja) | 1983-10-07 | 1983-10-07 | 磁気記録用アルミニウム材の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6082694A JPS6082694A (ja) | 1985-05-10 |
| JPH025836B2 true JPH025836B2 (ja) | 1990-02-06 |
Family
ID=16211831
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18776683A Granted JPS6082694A (ja) | 1983-06-10 | 1983-10-07 | 磁気記録用アルミニウム材の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6082694A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60182019A (ja) * | 1984-02-28 | 1985-09-17 | Toshiro Takahashi | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPS6366729A (ja) * | 1986-09-08 | 1988-03-25 | Nippon Light Metal Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPH01188695A (ja) * | 1988-01-25 | 1989-07-27 | Alps Electric Co Ltd | アルミニウム陽極酸化皮膜の合金メッキ法 |
| WO2004070712A1 (ja) * | 2003-02-06 | 2004-08-19 | Fujitsu Limited | 磁気記録媒体及びその製造方法、磁気記録媒体に用いられる磁気媒体基板、並びに磁気記憶装置 |
| JP4865240B2 (ja) * | 2004-03-23 | 2012-02-01 | キヤノン株式会社 | 構造体の製造方法、磁気記録媒体の製造方法、成型体の製造方法 |
| JP4825995B2 (ja) * | 2004-11-29 | 2011-11-30 | 有限会社三恭興産 | 軽量磁性材料及びその製造法 |
| CN105332034B (zh) * | 2015-10-19 | 2017-08-04 | 博罗县东明化工有限公司 | 铝合金表面处理剂及其在铝合金表面制备纳米孔洞的方法 |
-
1983
- 1983-10-07 JP JP18776683A patent/JPS6082694A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6082694A (ja) | 1985-05-10 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4548682A (en) | Process of producing magnetic recording media | |
| JPS60231921A (ja) | 磁気デイスク用基盤の表面処理方法 | |
| JPH054727B2 (ja) | ||
| JPH025836B2 (ja) | ||
| US4525759A (en) | Aluminum storage disc | |
| JPS61229248A (ja) | 光磁気記録媒体およびその製法 | |
| CA1317906C (en) | Magnetic recording material | |
| JP2001073166A (ja) | 磁気記録媒体用アルミニウム合金基板およびその製造方法 | |
| KR890004229B1 (ko) | 자성기록 매체의 제조방법 | |
| JPS62278294A (ja) | 磁気記録媒体用基板の製造方法 | |
| US4400246A (en) | Process for applying barrier layer anodic coatings | |
| JP2500031B2 (ja) | チタン製磁気ディスク基板の製造方法 | |
| JPS59229738A (ja) | 磁気記録用アルミニウム材の製造法 | |
| JPS6043565B2 (ja) | 耐摩耗性の表面を有する磁気記録担体の製法 | |
| JPS62291721A (ja) | 磁気記録体及びその製造方法 | |
| JPH0329114A (ja) | 磁気記録材料およびその製造法 | |
| JPS61204837A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH0430325A (ja) | 磁気ディスク基板の製法 | |
| JPH01173419A (ja) | 垂直磁気記録媒体 | |
| JPS6147201B2 (ja) | ||
| JPS60223029A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH05140791A (ja) | 磁気光学薄膜の製造方法 | |
| JPH01188695A (ja) | アルミニウム陽極酸化皮膜の合金メッキ法 | |
| JP2000173050A (ja) | 磁気記録媒体及びその製造方法 | |
| JPH03273526A (ja) | 磁気ディスク基板の製法 |