JPH0260047B2 - - Google Patents

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JPH0260047B2
JPH0260047B2 JP8673385A JP8673385A JPH0260047B2 JP H0260047 B2 JPH0260047 B2 JP H0260047B2 JP 8673385 A JP8673385 A JP 8673385A JP 8673385 A JP8673385 A JP 8673385A JP H0260047 B2 JPH0260047 B2 JP H0260047B2
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tcnq
oxide film
capacitor
salt
solvent
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Shigeru Uzawa
Hozumi Nakada
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SHINEI TSUSHIN KOGYO KK
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SHINEI TSUSHIN KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の技術分野] 本発明は7,7,8,8−テトラシアノキノジ
メタン塩に基づく固体電解質を用いた固体電解コ
ンデンサの製造方法に関するもので、特に本発明
はエージング特性を向上させることにより、小
型、大容量で信頼性に優れた固体電解コンデンサ
の製造方法に関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 一般に、電解コンデンサはAl(アルミニウム)、
Ta(タンタル)のような弁金属を陽極とし、その
表面に形成した陽極酸化皮膜(以下酸化皮膜とい
う)を誘電体として用い、更にその酸化皮膜上に
電解質層を介在して陰極を対向配置した構造のコ
ンデンサである。このような電解コンデンサは、
電解質として液状電解質(以下電解液という)を
用いたものと、固体電解質を用いたものとに大別
され、何れも大容量化が可能であることから種々
の電子回路に使用されている。 上記電解コンデンサ用の電解質としての具備す
べき条件としては第1に酸化皮膜を修復形成(再
化成)するに足りる十分な陽極酸化性を発現し得
ること、第2に電解コンデンサの抵抗成分に大き
く影響する電解質抵抗が広い温度範囲に亘つて低
いこと、第3に酸化皮膜の全表面にわたつて物理
的および電気的に緻密に接着し得ることである。
(以下、この物理的および電気的な接着度合を静
電容量の具現率で表わし、被覆率と称する。) 上記電解コンデンサの内、電解液を用いた電解
コンデンサとしてアルミニウム電解コンデンサが
一般的であり、例えばエチレングリコール−有機
酸塩から成る電解液が使われている。陽極及び陰
極には表面積拡大のため電気化学的に拡面処理
(以下エツチングという)されたアルミニウム箔
を用い、陽極箔にはコンデンサの定格電圧の約
1.5倍の耐圧を有する酸化皮膜が形成されている。
陽極箔、陰極箔は両箔間に隔離紙(セパレータ)
を挟んで巻回され、上記電解液は例えば真空含浸
法により上記隔離紙に含浸することによつて酸化
皮膜上及び陽、陰極間に充填されている。 上記の電解液を用いた電解コンデンサは、酸化
皮膜に対する電解液の被覆率は90%以上で非常に
高く、電解液の陽極酸化性が優れており、酸化皮
膜に熱劣化を生ずるような製造工程がないため過
剰の耐圧を有する酸化皮膜の形成が不必要となる
ので、小型化及び大容量化が可能である。しか
し、電解液の電導機構はイオン電導であるため、
低温特性及び高周波特性に劣るという欠点を有す
る。 一方、固体電解質を用いた固体電解コンデンサ
としては、タンタル固体電解コンデンサが広く知
られており、硝酸マンガン溶液の熱分解により形
成した二酸化マンガン(MnO2)を固体電解質と
して使用している。陽極にはタンタル粉末の成型
体を焼結した多孔質の陽極体を用い、その表面に
定格電圧の約5倍の耐圧を有する酸化皮膜が形成
されている。上記MnO2の固体電解質層は、硝酸
マンガン溶液へ陽極体を浸漬し約300℃で熱分解
する工程を数回繰り返すことによつて形成され、
電解質層の上にグラフアイト、銀ペースト、はん
だから成る陰極層が設けられている。 上記固体電解質を用いた電解コンデンサは、
MnO2の電気抵抗が低く電子電導が主であるため
低温特性に優れた小型、高信頼性のコンデンサが
得られる。しかし、MnO2層形成時の熱分解工程
における酸化皮膜の損傷が大きい上にMnO2の陽
極酸化性が乏しいため熱分解の度に電解液を用い
た陽極酸化を必要とするなど複雑な工程を要する
という欠点がある。また、上述の酸化皮膜の損傷
に起因する漏れ電流の増大や耐圧低下を避けるた
めに過剰の耐圧を有する酸化皮膜を形成する必要
がある。 このような状況下において、電解コンデンサの
電解質として高電導性が得られる有機半導体が有
効であることが提唱されて従来のMnO2固体電解
質の欠点を改善し、より優れた特性の固体電解コ
ンデンサを得るために7,7,8,8−テトラシ
アノキノジメタン(以下TCNQという)による
TCNQ塩を固体電解質として用いた固体電解コ
ンデンサの研究が進められている。TCNQ塩は
TCNQをアニオンとする高電導性の有機半導体
で10-2〜101Ωcmの低抵抗を示し、これらの塩の
あるものはMnO2に比べて良好な陽極酸化性を示
すことが報告されている。 TCNQ塩を電解コンデンサの固体電解質とし
て利用する初期の試みは、MnO2固体電解質の場
合に顕著であつたところの酸化皮膜の熱的損傷を
極力避けて酸化皮膜上にTCNQ塩から成る固体
電解質層を形成することを目的としている。これ
は例えば米国特許第3214648号や特公昭57−41041
号、特公昭57−45050号公報において開示されて
いる。 米国特許第3214648号では、有機溶媒に溶解さ
せたTCNQ塩を、陽極体へ塗布し、溶媒を蒸発
させることで固体電解質層を形成している。酸化
皮膜の熱による損傷を防ぐために、沸点が125℃
以下の溶媒を選び125℃以下で処理している。 また、特公昭57−41041号公報ではTCNQ塩と
ポリビニルピリジン等の窒素含有重合体組成物を
固体電解質に用い、特公昭57−45050号公報では
TCNQ塩に高分子バインダとしてポリビニルブ
チラールを含有させた固体電解質を用いることを
特徴としており、これらもまた有機溶媒を用いた
TCNQ塩溶液の塗布、乾燥により固体電解質層
を形成するものである。 しかしながら、上述のようなTCNQ塩から成
る固体電解質層の形成方法は、酸化皮膜に対して
均一で、緻密でしかも強固な接着を要求される固
体電解質としては未だ不十分であり実用には至つ
ていない。即ち、TCNQ塩の陽極酸化性が乏し
いことから、酸化皮膜が熱による損傷を受けない
ようにするためにTCNQ塩の溶液は低温状態
(125℃以下)での塗着を行い、しかも低温塗着の
ために溶液中のTCNQ塩の濃度は必然的に低く
なつている。従つて、電解コンデンサ用の高度に
エツチングされた電極或は多孔質焼結体から成る
陽極体の微細孔内部の酸化皮膜上にTCNQ塩を
付着量させるために陽極体のTCNQ塩溶液への
浸漬及びその後の乾燥工程を繰り返し行つても微
細孔の外側表面にTCNQ塩が析出し、微細孔内
部まで均一に付着させることは非常に困難であ
る。それ故に、酸化皮膜に対する被覆率は極めて
低く、この結果としてコンデンサは所望の静電容
量が得られないと共にコンデンサの抵抗分である
tanδが増大するという欠点を有する。また、酸化
皮膜への接着強度が非常に弱く、固体電解質の剥
れによる特性不良が生ずるという欠点がある。こ
れらの欠点を改良する目的でTCNQ塩に高分子
化合物を添加しているが十分な効果が得られず、
しかも前記高分子化合物は絶縁物であるので電解
質の抵抗分が増大するという問題が生じる。 上述の有機溶媒を用いる方法とは別の試みとし
てTCNQ塩を単独でしかも高温で固体電解質と
して形成することが特開昭57−173928号公報及び
特開昭58−17609号公報において提案されている。
これらは、酸化皮膜に対する接着性をより強固に
して、しかも1回の操作によつて高い被覆率を得
ることを目的としたものである。即ち、融点以上
の温度に加熱することによつて融解液化した溶融
状態のTCNQ塩中に陽極体或いはコンデンサ素
子を浸漬してTCNQ塩を含浸し、短時間の内に
冷却、固化させることにより、TCNQ塩のみか
ら成る固体電解質層を形成している。 この方法によれば、TCNQ塩の低濃度溶液を
用いた時のように塗布及び乾燥する工程を何回も
繰り返すことなく、ある程度の被覆率を達成で
き、酸化皮膜への接着性が強固である。しかしな
がら、このようにして製造した固体電解コンデン
サにはTCNQ塩の陽極酸化性が電解液とは比較
にならないほど非常に乏しいという事実に由来す
る次のような大きな問題が残されている。 すなわち、酸化皮膜は本来完全なものではな
く、それ自身に多数の欠陥部を有するものであ
り、また上記方法によつては、TCNQ塩を約250
℃以上の高温で融解液化して含浸することによる
酸化皮膜の熱劣化及び溶融TCNQ塩による酸化
皮膜の溶解が生ずる。これらは酸化皮膜の耐圧の
低下を引き起こしコンデンサの漏れ電流の増大や
短絡故障につながる。従つて、製造したコンデン
サを製品として提供するには、漏れ電流の低減と
安定化のために安定化処理を行う必要がある。こ
の安定化処理はコンデンサのエージングと称され
るもので、これはコンデンサに直流電圧を適当な
時間印加することによつて行われる。ところが、
上述したようにTCNQ塩は陽極酸化性が乏しい
ために、多くの場合はMnO2を用いた固体電解コ
ンデンサと同様に極めて長時間のエージング工程
を必要とするばかりでなく信頼性を得るためには
定格電圧に対して過剰の耐圧を有する酸化皮膜を
用いなくてはならないことになる。 一般に、電解コンデンサの静電容量Cは次式で
表すことができる。 C=K・(S/d)=K′・(S/V) ここで、K、K′は定数、dは酸化皮膜厚、S
は電極面積、Vは酸化皮膜の耐圧である。 上式から明らかなように、酸化皮膜の耐圧が5
倍になればコンデンサの静電容量は1/5になり、
同一容量を得るためには5倍の電極面積が必要と
なる。このため、高信頼のコンデンサを得るに
は、その製造工程が複雑化すると共に、小型化或
はコスト面で非常に不利である。また、TCNQ
塩は融点と分解点が近接しており、融点以上の温
度で含浸処理することは、TCNQ塩成分の昇華
等を起こし電導度の低下を招き、極端な場合には
絶縁物となつてしまう危険性があつた。 [発明の目的] 本発明の目的は上述した問題に鑑み、TCNQ
塩から成る固体電解質層の形成方法を改善するこ
とにより、得られる固体電解質に優れた陽極酸化
性を付与し、極めて短時間のエージングによつて
酸化皮膜の修復及び漏れ電流の減少が図られ、小
型化及び大容量化を可能とし、信頼性の高い固体
電解コンデンサの製造方法を提供することであ
る。 [発明の概要] 本発明は、アルミニウム、タンタル等の金属に
酸化皮膜が形成された陽極体とこれに対向して配
設される陰極体との間に固体電解質を介在させて
製造される固体電解コンデンサの製造方法におい
て、TCNQ塩と少量の溶媒とから成る混合物を
加熱溶解し、冷却固化したものを固体電解質と
し、エージングの後で前記溶媒を除去するための
乾燥を行うことを特徴する。 [発明の実施例] 以下、本発明に係る固体電解コンデンサの実施
例を説明する。以下の実施例は、一般のアルミニ
ウム電解コンデンサに使用されている巻回構造の
コンデンサ素子に適用した場合について説明す
る。 最初に、本発明の第1実施例について説明す
る。 まず、アルミニウム箔を電気化学的にエツチン
グ処理し、リン酸塩水溶液中にて陽極酸化して表
面に酸化皮膜を形成し、その後電極引出し用リー
ド線を取り付けてアルミニウム陽極箔を作成する
一方、アルミニウム箔にエツチング処理を施した
後電極引出し用リード線を取り付けてアルミニウ
ム陰極箔を作成し、上記陽極箔と上記陰極箔間に
セパレータ紙を重ね合わせて巻回することにより
コンデンサ素子(ここに云うコンデンサ素子は
陽、陰極箔間に電解質がまで含浸されていない状
態の素子である)を製作する。この場合、25V、
1μF定格用のコンデンサ素子を製作する。 一方、固体電解質用のTCNQ塩としては、N
−n−ブチルイソキノリンとTCNQから成る
(N−n−ブチルイソキノリン)+(TCNQ)-
(TCNQ)塩を用い、溶媒としてγ−ブチロラク
トンを用いる。(N−n−ブチルイソキノリン)+
(TCNQ)-(TCNQ)塩に0.5重量%〜10重量%の
γ−ブチロラクトンを添加し、例えば乳鉢を使用
して混合することにより混合物を調合作成する。 上記コンデンサ素子に対して電解質層を形成し
て固体電解コンデンサを得る方法は次の通りであ
る。即ち、(N−n−ブチルイソキノリン)+
(TCNQ)-(TCNQ)塩とγ−ブチロラクトンか
ら成る混合物を電気炉中で急速に加熱して溶解さ
せる。加熱時の昇温速度が遅くなるとγ−ブチロ
ラクトンの蒸発が優先してしまうため、急速に行
うことが望ましく昇温速度を10℃/sec以上とし
て行つた。また、溶解温度はγ−ブチロラクトン
の添加量により異るが上記添加量(0.5〜10重量
%)では210℃で行つた。次に、予め溶解温度と
ほぼ同じ温度に予熱しておいたコンデンサ素子を
溶解した混合物溶液中に浸漬することにより、コ
ンデンサ素子内に(N−n−ブチルイソキノリ
ン)+(TCNQ)-(TCNQ)塩及びγ−ブチロラク
トンの溶液を含浸する。この場合、溶液はコンデ
ンサ素子中のセパレータ紙に含浸する。所定の含
浸時間後、コンデンサ素子を溶液から取り出して
冷却固化することにより、上記コンデンサ素子の
陽、陰極箔間に電解質層が形成される。ここで、
混合物溶液中における上記含浸時間については、
電解質層が適量のγ−ブチロラクトンを含有した
状態に形成されるように適当な含浸時間が選択さ
れる必要があり、この実施例では加熱時点から含
浸を経て固化に至るまで50〜90秒で行つた。続い
て、電解質層が形成されたコンデンサ素子を、酸
化皮膜の修復(再化成)及び漏れ電流の低減と安
定化のためにエージングを行う。エージン終了
後、γ−ブチロラクトンを除去するために85℃〜
125℃で2〜20時間乾燥を行つた。乾燥の温度及
び時間は溶媒の添加量により変化させた。また、
場合によつては真空乾燥も行つた。最後にエポキ
シ樹脂で樹脂外装して固体電解コンデンサを製作
した。 以上述べた第1実施例のコンデンサと比較する
ために、同一のコンデンサ素子を用いて(N−n
−ブチルイソキノリン)+(TCNQ)-(TCNQ)塩
を単独で250℃にて融解させて含浸した後、上記
と同様にして従来例の固体電解コンデンサを製作
した。 図は上記第1実施例の製造方法による固体電解
コンデンサと上記従来の製造方法による固体電解
コンデンサについてエージング特性を比較して示
したものである。この図ではエージングの初期に
おけるエージング時間に対するエージング電流の
変化を示し、図中A,B,C,E,Hは上記第1
実施例においてγ−ブチロラクトンを夫々0.5、
1.0、2.0、4.0、10.0重量%添加して製造したもの
を示し、Iは従来例を示している。ここで、エー
ジン電流とは一定の直流電圧を印加している状態
で酸化皮膜の形成、修復(再化成)のために流れ
る電流を意味し、酸化皮膜の生成に伴い減少して
くるべきものである。 図より明らかなように、第1実施例のものA,
B,C,E,Hは従来例Iに比べてエージング電
流は極めて短時間のうちに減少し、酸化皮膜が順
調に形成、修復されており、エージング効果が格
段に優れていることが分る。特に、γ−ブチロラ
クトンを1重量%以上添加した場合は、効果が著
しく、短時間のエージングでエージング電流は激
減する。即ち、第1実施例の製造方法において形
成される電解質層は酸化皮膜の生成に対する非常
に優れた陽極酸化性を示すことは明らかである。
一方、従来例IのTCNQ塩のみで形成される固
体電解質層はエージング電流の減少が鈍く、
TCNQ塩の陽極酸化性が非常に乏しいことを示
している。従来例のように、エージング中に長時
間にわたつて大電流が流れる傾向を有している場
合には、ジユール熱によるTCNQ塩の変質が起
き特性上好ましくなく、更にエージング電流によ
る熱暴走によつて短絡不良が生じ歩留り(良品
率)が著しく低下する。 次に、第1表に、γ−ブチロラクトンの添加量
を0.5〜10.0重量%まで変化した第1実施例A〜
Hの場合と従来例Iの場合とで得られた固体電解
コンデンサについて、120Hzでの静電容量(nF)、
120Hzでのtanδ(%)及び漏れ電流(μA)に関し
て、初期特性と、25V電圧印加状態での85℃、
1000時間の高温負荷試験後の特性を測定した結果
を示す。
【表】 第1表に示す実施例A〜H及び従来例Iにおけ
るエージング時間はアルミニウム電解コンデンサ
で通常行われている条件である1時間に設定し
た。上表から分るように、第1図で示されたエー
ジング効果がそのままコンデンサの漏れ電流特性
に現われており、γ−ブチロラクトンを添加した
上記実施例A〜Hのコンデンサの漏れ電流は従来
例Iに比べて極めて小さい。以上のことから、本
発明実施例A〜Hは固体電解質の陽極酸化性が優
れていることが分る。 このように、固体電解質の陽極酸化性が優れて
いれば、コンデンサの定格電圧を酸化皮膜の耐圧
に近づけることが可能となり、コンデンサの小型
化、大容量化を実現することができる。更に、固
体電解質の形成の度に、コンデンサ素子を電解液
中で陽極酸化したり或いは固体電解質形成前に酸
化皮膜の修復形成を行う必要がなく、工程の簡素
化が可能となり、製品のコストダウンにつなが
る。一方、同一のエージングが行われたにもかか
わらず、従来例の固体電解コンデンサの初期にお
ける漏れ電流は非常に大きく、このままでは実用
に供し得ない。従来例において、コンデンサの漏
れ電流を低減し、安定化するためには、例えば約
48時間というような極めて長時間のエージング時
間を必要とする。漏れ電流はコンデンサ特性を左
右する大きな因子であり、漏れ電流が大きかつた
り安定性に欠けたりすると、カツプリング用や時
定数用コンデンサとしては満足するものは得難
い。なお、コンデンサの静電容量、tanδは初期及
び85℃、1000時間の高温負荷試験後において従来
例と同等である。 上記本発明実施例では、(N−n−ブチルイソ
キノリン)+(TCNQ)-(TCNQ)塩が90%以上で
ある高濃度溶液を用いているために1回の含浸操
作で十分な量の電解質層を形成することができ
る。更に、適量のγ−ブチロラクトンの存在によ
り微細なエツチング孔の内部まで電解質層を形成
することが可能であり、高い被覆率が得られる。
また、酸化皮膜との接着も強固であり、特性も安
定している。γ−ブチロラクトンの添加量は極端
に少ないと(N−n−ブチルイソキノリン)+
(TCNQ)-(TCNQ)塩を溶解することができず
含浸不良を生じて所望の静容量が得られない。ま
た、γ−ブチロラクトンの添加量が10重量%を越
えた場合には、γ−ブチロラクトンが乾燥時に除
去されることによつて固体電解質層に空隙が生じ
て特性上好ましくない。エージング後に溶媒を乾
燥除去するのは、溶媒が固体電解質中に残留して
いると寿命試験において悪影響を及ぼすためであ
る。 次に、本発明の第2実施例について説明する。
この実施例は、コンデンサ素子としては第1実施
例と同一の25V、1μF定格用の巻回構造のものを
用い、固体電解質用のTCNQ塩としては(N−
n−ブチルイソキノリン)+(TCNQ)-(TCNQ)
塩を用い、これに第2表に示す割合で各種溶媒を
少量添加、混合して記号J〜Mに対応した4種類
の混合物を調合作成する。
【表】 第2表に示す混合物を用いてコンデンサ素子に
電解質層を形成し、固体電解コンデンサを得る方
法は次の通りである。即ち、上記混合物を赤外線
加熱炉にて急速に加熱し溶解させる。この時の溶
解温度は210〜215℃になるように設定される。次
に、予め溶解温度とほぼ同じ温度に予熱しておい
たコンデンサ素子を溶解した混合物溶液中に浸漬
して、この溶液を含浸する。これによつて、溶液
はコンデンサ素子中のセパレータ紙に含浸され
る。所定の含浸時間後、コンデンサ素子を溶液か
ら取り出して冷却することにより、コンデンサ素
子の陽、陰極箔間に上記混合物から成る電解質層
が形成される。加熱時点から冷却までの時間は50
〜90秒で行つた。このようにして電解質層が形成
されたコンデンサ素子は、続いてエージングさ
れ、エージング終了後、85〜125℃で2〜20時間
乾燥した。最後に外装ケースに入れ、エポキシ樹
脂で樹脂封止して固体電解コンデンサを製作し
た。 以上述べた第2実施例のコンデンサと比較する
ために、同一のコンデンサ素子内に(N−n−ブ
チルイソキノリン)+(TCNQ)-(TCNQ)塩を単
独で250℃にて融解含浸した後、上記と同様にし
て従来例の固体電解コンデンサを製作した。 第3表は第2表J〜Mに対応した混合物を用い
て製造される固体電解コンデンサと上記従来例
(記号Pにて示す)の固体電解コンデンサについ
て、120Hzでの静電容量(nF)、120Hzでのtanδ
(%)及び漏れ電流(μA)を測定した結果を示し
たものである。なお、初期特性のみを示した。
【表】 上表の結果から、第2実施例においても少量の
溶媒の存在が固体電解コンデンサの漏れ電流の低
減に極めて効果的であることは明らかである。即
ち、漏れ電流はコンデンサ特性を大きく左右する
ものであり、従来例Pの固体電解コンデンサの漏
れ電流は非常に大きく、このままでは実用に供す
ることができない状態となつている。 尚、本発明に使用されるTCNQ塩とこれに混
合される溶媒とから成る混合物は、高電導性を有
するTCNQ塩とこれを溶解する少量の溶媒で構
成されていてばよく、上記第1、第2実施例に挙
げたTCNQ塩及び溶媒に限定されるものではな
い。また、混合物中の溶媒は第1、第2実施例に
示すように1種類の溶媒に依らず2種類以上の溶
媒を混合して使用することも可能である。また、
コンデンサ素子の構造についてもエツチングで拡
面された陽極体を用いたコンデンサに限らず焼結
形の陽極体を用いたコンデンサなどにも適用する
ことが可能である。また、陽極体についてもアル
ミニウムに限らずタンタル等の他の弁金属(陽極
酸化を可能とする金属)を使用した構成も可能で
あり、陰極体についてもアルミニウム以外の他の
金属(銅、鉛等)を使用した構成も可能である。 更に、上記第1、第2実施例では、コンデンサ
素子を混合物溶液中に浸漬して含浸することによ
り電解質層を形成しているが、本発明はこれに限
らずコンデンサ素子製作時に陽極体に混合物溶液
を塗布することにより電解質を形成するようにし
てもよい。 [発明の効果] 以上述べたように本発明の固体電解コンデンサ
の製造方法によれば、酸化皮膜が形成された陽極
体と、これに対向して配置される陰極体間に形成
される電解質中に少量の溶媒が存在することによ
り顕著な陽極酸化性が発現されるのでコンデンサ
のエージング特性が著しく向上し、極めて短時間
のエージングでコンデンサの漏れ電流を低減し安
定化することができる。従つて、酸化皮膜の欠陥
部や損傷部も瞬時に修復されるので、予め過剰な
耐圧を有する酸化皮膜を形成することを要せずに
信頼性を高めることができ、小型で大容量の固体
電解コンデンサを実質できる。また、TCNQ塩
を融点以上に加熱する必要がないためTCNQ塩
の熱による変質を防止することができる。更に、
非常に高濃度のTCNQ塩溶液が得られるため、
1回の含浸で十分な被覆率を達成でき、特に微細
な凹凸を孔を有する陽極体を用いた場合にも溶媒
の作用により被覆率の低下を避けることができ
る。従つて、固体電解コンデンサの製造工程を簡
素化でき、生産性を向上させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の製造方法によつて製作される固体
電解コンデンサのエージング電流の変化を従来例
と比較して示すグラフである。 A,B,C,E,H……γ−ブチロラクトン添
加量を変えて測定した本発明実施例におけるエー
ジング電流、I……従来例におけるエージング電
流。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属面に酸化皮膜が形成された陽極体とこの
    陽極体に対向して配設される陰極体との間に固体
    電解質を介在させて製造される固体電解コンデン
    サの製造方法において、7,7,8,8−テトラ
    シアノキノジメタン塩と少量の溶媒とから成る混
    合物を加熱溶解し、冷却固化したものを固体電解
    質とし、エージングの後で前記溶媒を除去するた
    めの乾燥を行うことを特徴とする固体電解コンデ
    ンサの製造方法。 2 前記混合物は99.5〜90重量%の7,7,8,
    8−テトラシアノキノジメタン塩と0.5〜10重量
    %の溶媒とを混合して成ることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の固体電解コンデンサの製
    造方法。 3 前記溶媒はγ−ブチロラクトン、グルタルニ
    トリル、ジエチレングリコール−モノ−n−ブチ
    ルエーテル、イソキノリン、エチレングリコール
    の何れか1つ又は2つ以上を混合したものである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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