JPH0315521B2 - - Google Patents
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- JPH0315521B2 JPH0315521B2 JP5099683A JP5099683A JPH0315521B2 JP H0315521 B2 JPH0315521 B2 JP H0315521B2 JP 5099683 A JP5099683 A JP 5099683A JP 5099683 A JP5099683 A JP 5099683A JP H0315521 B2 JPH0315521 B2 JP H0315521B2
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Description
本発明は、強度特性に優れ、しかも単繊維の径
が極めて小さい炭素繊維を石膏内に混入して、吸
水率を低下せしめることなく強度、熱的特性等を
向上せしめた陶磁器成形用炭素繊維強化石膏型の
製造方法に関するものである。 従来、陶磁器成形用石膏型(以下、単に石膏型
という)の強度を増大させるには種々の方法が採
用されている。例えばβ型半水石膏を主体として
その中にα型半水石膏を混合して混水量を減少せ
しめたり、石膏内にセメント或るいは樹脂を混入
させたりする方法があり、更に石膏内に麻等の天
然繊維、或るいはガラス繊維を混入させる方法も
ある。 しかし、β型水石膏内にα型半水石膏を混合し
て混水量を減少せしめた場合には、強度自体は向
上するが、吸水率が低下するという欠点を有して
いる。石膏型の吸水率、特に泥漿流し込み時の吸
水率が良好であることは、石膏型に要求される最
も重要な条件の一つである。即ち、石膏型の吸水
率が悪い場合は、製品一個当りの成形時間が長く
なつて成形効率の低下を招来し、特に吸水率が悪
い場合には、取り出し時の生強度が弱いため変形
し、製品の仕上り形状が悪くなる。よつて、石膏
型において吸水率の低下は、致命的な欠点であ
る。 又、石膏内にセメント或るいは樹脂を混入する
場合も、強度自体の増大は図られるが、同様に吸
水率が低下するという欠点を有している。又、石
膏内に麻等の天然繊維を混入する場合、天然繊維
は引張強さが小さいので、石膏に対する混入量を
多くしなければ強度の増大を図ることができない
と共に、天然繊維の混入量の増大により必然的に
石膏型の吸水率の低下を招来し、しかも、天然繊
維は単繊維自体が太いので、石膏型の表層部に入
り込んだ繊維の端部が成形面に露出し易く、露出
した繊維端により成形品の表面を傷付け、成形不
良を生じ易い等の欠点を有している。又、石膏内
にガラス繊維を混入する場合は、石膏型の強度は
僅かに向上するが、ガラス繊維は硬直性を有する
ので、表層部に入り込んだガラス繊維の端部が成
形面に露出し、これにより成形品の表面を傷付け
るという欠点がある。 そこで、本発明者は、炭素繊維の有する優れた
強度特性、柔軟性、軽量性、径の細さ、熱膨張率
が極めて小さい等の特質に着目し、所定長さに切
断した炭素繊維を無数本の単繊維に分散させ、こ
の分散させた無数本の単繊維を石膏型内に均一に
拡散せしめて石膏型の吸水率を低下せしめること
なく強度を増大させるべく種々の実験と研究を積
み重ねた結果、本発明を完成するに至つたのであ
る。 本発明は、上述した従来技術を背景にし、石膏
型内に僅かの炭素繊維を均一に拡散せしめて、吸
水率を低下せしめることなく石膏型本来の機能を
保持したまま石膏型の機械的・熱的強度を増大せ
しめることを目的としてなされたもので、その要
旨は、炭素繊維を5乃至70mmの長さに切断した後
に塗布されたサイジング剤を加熱除去する工程
と、上記長さに切断された炭素繊維を水中におい
て超音波振動を加えつつかく拌して炭素繊維を無
数本の単繊維に分散せしめる工程と、石膏粉末
と、該石膏粉末に対して0.03乃至1重量%の分散
された前記炭素繊維と、水と、必要に応じて他の
添加剤とを混合かく拌して炭素繊維の単繊維が均
一に拡散された炭素繊維入り石膏泥漿をつくる工
程と、ケース型内に前記炭素繊維入り石膏泥漿を
流し込み、硬化後に脱型して乾燥させる工程、又
はケース型内に予め純粋な石膏泥漿を流し込んで
薄膜を形成し、しかる後に前記炭素繊維入り石膏
泥漿を流し込み、硬化後に脱型して乾燥させる工
程とにより、石膏型内に炭素繊維を均一に拡散せ
しめることである。 以下、好ましい実施態様を挙げて本発明を詳細
に説明する。本発明に用いる炭素繊維は、ポリア
クリロニトリル系、ピツチ系或るいはレーヨン系
のいずれでもよいが、石膏型の強度を増大させる
関係から高強度或るいは高弾性の炭素繊維が望ま
しく、具体的には引張強さ200Kg/mm2(Kg/mm2)
以上、引張弾性係数20000Kgf/mm2(Kg/mm2)以
上のものが望ましい。又、本発明においては、団
塊状になり易い炭素繊維を母材の石膏内に団塊を
生ずることなく均一に拡散せしめることが極めて
重要な要素であり、かかる観点から強化材として
石膏内に混入せしめる炭素繊維の長さ、および石
膏に対する重量割合が定められる。 炭素繊維を無数本の単繊維に分散せしめて母材
の石膏内に混入するのであるが、後述する理由に
より単繊維の長さは5乃至70mm、望ましくは20乃
至30mmにすることが必要である。 第1図に、石膏100重量部、水60重量部、炭素
繊維0.5重量部の割合から成る15×25×250mmの石
膏試験片における炭素繊維の長さと、抗折強度
(曲げ強度)との関係を示す試験結果のグラフが
表されており、これから明らかのように炭素繊維
の長さが15mm以下では抗折強度が急激に低下する
ことがわかる。ここで、母材の石膏内に拡散せし
める炭素繊維の長さを5乃至70mmと限定したの
は、3mm未満であると母材の石膏粒子と炭素繊維
の単繊維との総接着面積の不足により石膏型の十
分な強度の向上が図れなく、又10mmを超えると、
単繊維への分散時、石膏粉末および水との混合か
く拌時或るいはケース型内への流し込む時におけ
る取扱いが面倒になると共に、石膏型内への均一
分散が困難となるためである。 まず、常法により製造された炭素繊維を5乃至
70mmの長さに切断した後に、この炭素繊維を酸化
雰囲気中で加熱して表面に塗布された取扱い安定
化用のサイジング剤を酸化させて除去する。加熱
温度は、表面に塗布されたサイジング剤との関係
により相対的に定められるものであるが、炭素繊
維の一般的な安全使用最高温度である300℃前後
で行うことが望ましい。サイジング剤を加熱除去
した炭素繊維は、該炭素繊維を構成する無数本
(通常は1000乃至2400本)の極めて径の小さい
(通常は5乃至10μm)単繊維に分散され易くな
る。 次に、サイジング剤を加熱除去して5乃至70mm
の長さに切断された炭素繊維を水槽内に投入し、
超音波振動を加えつつかく拌羽根により緩やかに
回転させると、サイジング剤が除去されて分散さ
れ易くなつた炭素繊維は、超音波振動と緩やかな
かく拌との相乗作用により、団塊を生ずることな
く無数本の径の極めて小さい単繊維に分散され
る。かく拌の際に、かく拌羽根により炭素繊維が
傷付けられることがないように、その回転数は、
直径60cm程度の水槽において40乃至60rpmにする
必要がある。分散処理後に、分散された無数本の
単繊維を水槽より取り出し、脱水して乾燥する。 次に、単繊維に分散された上記炭素繊維を混入
した石膏泥漿をつくるのであるが、石膏粉末に対
する炭素繊維の割合は、後述の理由により0.03乃
至1重量%、望ましくは0.1乃至0.3重量%にする
ことが必要である。第2図に、石膏100重量部、
水60重量部、長さ20mmの炭素繊維所要重量部の割
合から成る15×25×250mmの石膏試験片における
混入炭素繊維の石膏に対する重量%と、抗折強度
との関係を示す試験結果のグラフが表されてお
り、又第3図に、石膏に混入する炭素繊維の割合
と、吸水率との関係を示す試験結果のグラフが表
されている。第2図および第3図から明らかのよ
うに、石膏に混入する炭素繊維の割合が高くなる
程、抗折強度が大きくなると共に、吸水率が高く
なることがわかる。吸水率が高くなるのは、石膏
の粒子が針状であると共に、炭素繊維の断面形状
が円形若しくはこれに近似した形状であり、しか
も石膏の粒子の大きさと炭素繊維の直径とが余り
異ならないために、炭素繊維と石膏粒子との間に
新たな空隙が形成されることに起因しているもの
を解される。ここで、石膏粉末に対する炭素繊維
の混入割合を0.03乃至1重量%とするのは、0.01
重量%末満では石膏に対する割合が少な過ぎて石
膏型の十分な強度の向上を図ることができず、又
1.2重量%を超えると石膏泥漿をつくる際に炭素
繊維の割合が多過ぎて、石膏泥漿内に炭素繊維を
均一に拡散させることができず団塊を生じ易くな
ると共に、石膏泥漿をケース型内に流し込む際の
流動性が悪くなつて作業困難となり、更に成形さ
れる石膏型の吸水性等の物性が変化し、陶磁器用
成形型材としての条件を満足していないこと、お
よび石膏型内部に炭素繊維の団塊が生じ易くなる
ためである。 そして、炭素繊維が均一に拡散された石膏泥漿
をつくるには、第4図に示されるような容器1内
に、一回の混合量に適合した水並びに硬化遅延
剤、減水剤等の必要な添加剤を予め入れておき、
次にこの容器1内に予め計量された所定量の分散
された炭素繊維を投入し、最後に所定量の石膏粉
末を投入し、この容器1を真空かく拌機に装着す
ると共に、直径60cm程度の容器1において100乃
至200rpmの低速回転でかく拌羽根を数分間回転
させて混合かく拌すると、炭素繊維の単繊維が石
膏泥漿内に均一に拡散されると共に、脱気されて
炭素繊維の入つた石膏泥漿が得られる。ここで、
炭素繊維が石膏泥漿内に均一に拡散されるのは、
石膏に対する炭素繊維の割合が極めて少ないから
であると解され、又混合かく拌の際に、かく拌羽
根を低速回転させるのは、かく拌羽根により炭素
繊維が損傷されるのを防止するためである。 次に、炭素繊維が均一に拡散された上記石膏泥
漿を、第5図に示されるようなケース型2内に静
かに流し込んで所定時間放置し、硬化後にケース
型2に軽い衝撃を与えてケース型2を互いに分離
させて脱型し、しかる後に所定温度で十分乾燥す
ると、第6図に示されるような皿をロクロ成形す
るための外鏝用石膏型(使用型)Aが得られる。
炭素繊維は豊かな柔軟性を有しているので、流し
込み成形後も、自在に変形して石膏の粒子の間に
無理なく入り込んでいるものと解され、又流し込
み成形された石膏型の成形面には、その表層部に
入り込んでいる炭素繊維の端部が露出することは
殆んどないが、仮に露出しても、前述の如く炭素
繊維の単繊維の径は極めて小さく、しかも豊かな
柔軟性を有しているので、石膏型の成形面に露出
した炭素繊維により成形品の表面が傷付けられる
ことは殆んどない。このように、仮に炭素繊維の
端部が成形面に露出しても、成形品の表面が傷付
けられることは殆んどないが、特に成形品が高級
品であつて極めて滑らかな成形面を得る必要があ
る場合は、第7図に示されるように、ケース型2
を低速回転させつつ純石膏泥漿を少量流し込んで
厚さ1乃至3mm程度の薄膜3を予め形成してお
き、その後ケース型2の回転を停止させて直ちに
炭素繊維が均一に分散された前記石膏泥漿を静か
に流し込み、以後上述と同様の操作を行うと、第
8図に示されるように、成形面である外周面に純
石膏から成る薄膜3が被覆された皿をロクロ成形
するための外鏝用石膏型(使用型)A′が得られ、
炭素繊維が成形面に露出するのを確実に防止でき
る。 又、上記外鏝用石膏型(使用型)A′は、成形
品の内周面を成形するための石膏型において、成
形面に純石膏から成る薄膜3を被覆して、成形面
に炭素繊維が露出するのを防止する場合について
述べたが、成形品の外周面を成形するための内鏝
用石膏型においては、第9図に示されるように、
ケース型4を低速回転させつつ純石膏泥漿を流し
込んで、ケース型4の突出した成形部4aの外周
面に厚さ1mm乃至3程度の薄膜5を予め形成して
おき、しかる後にケース型4の回転を停止させて
直ちに炭素繊維が均一に分散された前記石膏泥漿
を静かに流し込み、以後上述と同様の操作を行う
と、第10図に示されるように、成形面である内
周面に純石膏から成る薄膜5が被覆されたカツプ
をロクロ成形するための内鏝用石膏型(使用型)
Bが得られる。 尚、本発明により製造し得る陶磁器成形用石膏
型は、上記したロクロ成形用石膏型のみならず、
鋳込み成形用石膏型,プレス成形用石膏型,射出
成形用石膏型,耐火物成形用石膏型等更にアルミ
ナ,炭化珪素,窒化珪素、部分安定化ジルコニ
ア,サイアロン等の原料調合に粘土類を含まない
いわゆるニユーセラミツク用のプレス成形用石膏
型,射出成形用石膏型等のほぼすべてのセラミツ
ク成形用石膏型が含まれる。 次に、本発明の実施例並びに比較例を挙げる。 実施例 1 ポリアクリロニトリル系繊維を約300℃で熱処
理した後に、更に窒素ガス雰囲気中で約1300℃で
熱処理して黒鉛化し、直径約7μmの単繊維を約
6000本一束とした炭素繊維を用いた。この炭素繊
維の物性は、引張強さ300Kgf/mm2(Kg/mm2)、引
張弾性係数23000Kgf/mm2(Kg/mm2)、密度1.75
g/cm3、線膨張係数0.0×10-6/℃、熱伝導率
15kcal/m・hr・℃、熱容量0.17cal/g・℃で
あつた。この炭素繊維を約20mmの長さに切断して
水中にて超音波振動とかく拌の相乗作用により無
数本の単繊維に分散させ、しかる後に石膏粉末
100重量部、炭素繊維0.1重量部および硼砂(硬化
遅延剤)0.2重量部の割合で混合かく拌して、炭
素繊維の単繊維が均一に拡散された石膏泥漿をつ
くり、この石膏泥漿をケース型内に流し込んで皿
を成形するためのロクロ成形用石膏型を得た。こ
のロクロ成形用石膏型は、断面を含めて全体に亘
つて炭素繊維の単繊維が均一に拡散され、その拡
散状況は肉眼で見ることが可能な程度であつた。 実施例 2 実施例1と同一の条件で炭素繊維の単繊維が均
一に拡散された石膏泥漿をつくり、ケース型を低
速回転させつつ予め純石膏泥漿を流し込んで厚さ
1乃至3mm程度の薄膜を形成しておき、しかる後
にケース型の回転を停止させて炭素繊維が混入さ
れた前記石膏泥漿を流し込んで、皿を成形するた
めのロクロ成形用石膏型を得た。このロクロ成形
用石膏型の成形面である外周面は、純石膏から成
る薄膜で被覆されており、成形面には炭素繊維は
全く露出していなかつた。 実施例 3 ポリアクリロニトリル系繊維を約300℃で熱処
理した後に、更に窒素ガス雰囲気中において約
2500℃で特殊熱処理して黒鉛化し、直径約7μmの
単繊維を約6000本一束にした炭素繊維を用いた。
この炭素繊維の物性は、引張強さ250Kgf/mm2
(Kg/mm2)、引張弾性係数35000Kgf/mm2(Kg/
mm2)、密度1.77g/cm3、線膨張率0.0×10-6/℃、熱
伝導率100kcal/m・hr・℃,熱容量0.17cal/
g・℃であつた。この炭素繊維を約25mmに切断し
た後に、実施例1と同様にして分散させ、しかる
後に石膏粉末100重量部、水60重量部、炭素繊維
0.3重量部および味の素(株)製のパフタード(硬化
遅延剤)0.2重量部の割合で混合かく拌して、炭
素繊維の単繊維が均一に拡散された石膏泥漿をつ
くり、この石膏泥漿をケース型内に流し込んで楕
円皿を成形するための鋳込み成形用石膏型を得
た。この鋳込み成形用石膏型の炭素繊維の拡散状
況は、実施例1と同様にほぼ均一であつた。 比較例 石膏粉末100重量部、水60重量部および硼砂0.2
重量部の割合で混合かく拌して炭素繊維の入つて
いない純石膏泥漿をつくり、この純石膏泥漿をケ
ース型内に流し込んで皿を成形するためのロクロ
成形用石膏型を得た。 上記各実施例1,2,3および比較例の各石膏
型の抗折強度、吸水率、大気中における破壊温度
差、嵩比重並びに硬化時膨張率は、下表の通りで
あつた。
が極めて小さい炭素繊維を石膏内に混入して、吸
水率を低下せしめることなく強度、熱的特性等を
向上せしめた陶磁器成形用炭素繊維強化石膏型の
製造方法に関するものである。 従来、陶磁器成形用石膏型(以下、単に石膏型
という)の強度を増大させるには種々の方法が採
用されている。例えばβ型半水石膏を主体として
その中にα型半水石膏を混合して混水量を減少せ
しめたり、石膏内にセメント或るいは樹脂を混入
させたりする方法があり、更に石膏内に麻等の天
然繊維、或るいはガラス繊維を混入させる方法も
ある。 しかし、β型水石膏内にα型半水石膏を混合し
て混水量を減少せしめた場合には、強度自体は向
上するが、吸水率が低下するという欠点を有して
いる。石膏型の吸水率、特に泥漿流し込み時の吸
水率が良好であることは、石膏型に要求される最
も重要な条件の一つである。即ち、石膏型の吸水
率が悪い場合は、製品一個当りの成形時間が長く
なつて成形効率の低下を招来し、特に吸水率が悪
い場合には、取り出し時の生強度が弱いため変形
し、製品の仕上り形状が悪くなる。よつて、石膏
型において吸水率の低下は、致命的な欠点であ
る。 又、石膏内にセメント或るいは樹脂を混入する
場合も、強度自体の増大は図られるが、同様に吸
水率が低下するという欠点を有している。又、石
膏内に麻等の天然繊維を混入する場合、天然繊維
は引張強さが小さいので、石膏に対する混入量を
多くしなければ強度の増大を図ることができない
と共に、天然繊維の混入量の増大により必然的に
石膏型の吸水率の低下を招来し、しかも、天然繊
維は単繊維自体が太いので、石膏型の表層部に入
り込んだ繊維の端部が成形面に露出し易く、露出
した繊維端により成形品の表面を傷付け、成形不
良を生じ易い等の欠点を有している。又、石膏内
にガラス繊維を混入する場合は、石膏型の強度は
僅かに向上するが、ガラス繊維は硬直性を有する
ので、表層部に入り込んだガラス繊維の端部が成
形面に露出し、これにより成形品の表面を傷付け
るという欠点がある。 そこで、本発明者は、炭素繊維の有する優れた
強度特性、柔軟性、軽量性、径の細さ、熱膨張率
が極めて小さい等の特質に着目し、所定長さに切
断した炭素繊維を無数本の単繊維に分散させ、こ
の分散させた無数本の単繊維を石膏型内に均一に
拡散せしめて石膏型の吸水率を低下せしめること
なく強度を増大させるべく種々の実験と研究を積
み重ねた結果、本発明を完成するに至つたのであ
る。 本発明は、上述した従来技術を背景にし、石膏
型内に僅かの炭素繊維を均一に拡散せしめて、吸
水率を低下せしめることなく石膏型本来の機能を
保持したまま石膏型の機械的・熱的強度を増大せ
しめることを目的としてなされたもので、その要
旨は、炭素繊維を5乃至70mmの長さに切断した後
に塗布されたサイジング剤を加熱除去する工程
と、上記長さに切断された炭素繊維を水中におい
て超音波振動を加えつつかく拌して炭素繊維を無
数本の単繊維に分散せしめる工程と、石膏粉末
と、該石膏粉末に対して0.03乃至1重量%の分散
された前記炭素繊維と、水と、必要に応じて他の
添加剤とを混合かく拌して炭素繊維の単繊維が均
一に拡散された炭素繊維入り石膏泥漿をつくる工
程と、ケース型内に前記炭素繊維入り石膏泥漿を
流し込み、硬化後に脱型して乾燥させる工程、又
はケース型内に予め純粋な石膏泥漿を流し込んで
薄膜を形成し、しかる後に前記炭素繊維入り石膏
泥漿を流し込み、硬化後に脱型して乾燥させる工
程とにより、石膏型内に炭素繊維を均一に拡散せ
しめることである。 以下、好ましい実施態様を挙げて本発明を詳細
に説明する。本発明に用いる炭素繊維は、ポリア
クリロニトリル系、ピツチ系或るいはレーヨン系
のいずれでもよいが、石膏型の強度を増大させる
関係から高強度或るいは高弾性の炭素繊維が望ま
しく、具体的には引張強さ200Kg/mm2(Kg/mm2)
以上、引張弾性係数20000Kgf/mm2(Kg/mm2)以
上のものが望ましい。又、本発明においては、団
塊状になり易い炭素繊維を母材の石膏内に団塊を
生ずることなく均一に拡散せしめることが極めて
重要な要素であり、かかる観点から強化材として
石膏内に混入せしめる炭素繊維の長さ、および石
膏に対する重量割合が定められる。 炭素繊維を無数本の単繊維に分散せしめて母材
の石膏内に混入するのであるが、後述する理由に
より単繊維の長さは5乃至70mm、望ましくは20乃
至30mmにすることが必要である。 第1図に、石膏100重量部、水60重量部、炭素
繊維0.5重量部の割合から成る15×25×250mmの石
膏試験片における炭素繊維の長さと、抗折強度
(曲げ強度)との関係を示す試験結果のグラフが
表されており、これから明らかのように炭素繊維
の長さが15mm以下では抗折強度が急激に低下する
ことがわかる。ここで、母材の石膏内に拡散せし
める炭素繊維の長さを5乃至70mmと限定したの
は、3mm未満であると母材の石膏粒子と炭素繊維
の単繊維との総接着面積の不足により石膏型の十
分な強度の向上が図れなく、又10mmを超えると、
単繊維への分散時、石膏粉末および水との混合か
く拌時或るいはケース型内への流し込む時におけ
る取扱いが面倒になると共に、石膏型内への均一
分散が困難となるためである。 まず、常法により製造された炭素繊維を5乃至
70mmの長さに切断した後に、この炭素繊維を酸化
雰囲気中で加熱して表面に塗布された取扱い安定
化用のサイジング剤を酸化させて除去する。加熱
温度は、表面に塗布されたサイジング剤との関係
により相対的に定められるものであるが、炭素繊
維の一般的な安全使用最高温度である300℃前後
で行うことが望ましい。サイジング剤を加熱除去
した炭素繊維は、該炭素繊維を構成する無数本
(通常は1000乃至2400本)の極めて径の小さい
(通常は5乃至10μm)単繊維に分散され易くな
る。 次に、サイジング剤を加熱除去して5乃至70mm
の長さに切断された炭素繊維を水槽内に投入し、
超音波振動を加えつつかく拌羽根により緩やかに
回転させると、サイジング剤が除去されて分散さ
れ易くなつた炭素繊維は、超音波振動と緩やかな
かく拌との相乗作用により、団塊を生ずることな
く無数本の径の極めて小さい単繊維に分散され
る。かく拌の際に、かく拌羽根により炭素繊維が
傷付けられることがないように、その回転数は、
直径60cm程度の水槽において40乃至60rpmにする
必要がある。分散処理後に、分散された無数本の
単繊維を水槽より取り出し、脱水して乾燥する。 次に、単繊維に分散された上記炭素繊維を混入
した石膏泥漿をつくるのであるが、石膏粉末に対
する炭素繊維の割合は、後述の理由により0.03乃
至1重量%、望ましくは0.1乃至0.3重量%にする
ことが必要である。第2図に、石膏100重量部、
水60重量部、長さ20mmの炭素繊維所要重量部の割
合から成る15×25×250mmの石膏試験片における
混入炭素繊維の石膏に対する重量%と、抗折強度
との関係を示す試験結果のグラフが表されてお
り、又第3図に、石膏に混入する炭素繊維の割合
と、吸水率との関係を示す試験結果のグラフが表
されている。第2図および第3図から明らかのよ
うに、石膏に混入する炭素繊維の割合が高くなる
程、抗折強度が大きくなると共に、吸水率が高く
なることがわかる。吸水率が高くなるのは、石膏
の粒子が針状であると共に、炭素繊維の断面形状
が円形若しくはこれに近似した形状であり、しか
も石膏の粒子の大きさと炭素繊維の直径とが余り
異ならないために、炭素繊維と石膏粒子との間に
新たな空隙が形成されることに起因しているもの
を解される。ここで、石膏粉末に対する炭素繊維
の混入割合を0.03乃至1重量%とするのは、0.01
重量%末満では石膏に対する割合が少な過ぎて石
膏型の十分な強度の向上を図ることができず、又
1.2重量%を超えると石膏泥漿をつくる際に炭素
繊維の割合が多過ぎて、石膏泥漿内に炭素繊維を
均一に拡散させることができず団塊を生じ易くな
ると共に、石膏泥漿をケース型内に流し込む際の
流動性が悪くなつて作業困難となり、更に成形さ
れる石膏型の吸水性等の物性が変化し、陶磁器用
成形型材としての条件を満足していないこと、お
よび石膏型内部に炭素繊維の団塊が生じ易くなる
ためである。 そして、炭素繊維が均一に拡散された石膏泥漿
をつくるには、第4図に示されるような容器1内
に、一回の混合量に適合した水並びに硬化遅延
剤、減水剤等の必要な添加剤を予め入れておき、
次にこの容器1内に予め計量された所定量の分散
された炭素繊維を投入し、最後に所定量の石膏粉
末を投入し、この容器1を真空かく拌機に装着す
ると共に、直径60cm程度の容器1において100乃
至200rpmの低速回転でかく拌羽根を数分間回転
させて混合かく拌すると、炭素繊維の単繊維が石
膏泥漿内に均一に拡散されると共に、脱気されて
炭素繊維の入つた石膏泥漿が得られる。ここで、
炭素繊維が石膏泥漿内に均一に拡散されるのは、
石膏に対する炭素繊維の割合が極めて少ないから
であると解され、又混合かく拌の際に、かく拌羽
根を低速回転させるのは、かく拌羽根により炭素
繊維が損傷されるのを防止するためである。 次に、炭素繊維が均一に拡散された上記石膏泥
漿を、第5図に示されるようなケース型2内に静
かに流し込んで所定時間放置し、硬化後にケース
型2に軽い衝撃を与えてケース型2を互いに分離
させて脱型し、しかる後に所定温度で十分乾燥す
ると、第6図に示されるような皿をロクロ成形す
るための外鏝用石膏型(使用型)Aが得られる。
炭素繊維は豊かな柔軟性を有しているので、流し
込み成形後も、自在に変形して石膏の粒子の間に
無理なく入り込んでいるものと解され、又流し込
み成形された石膏型の成形面には、その表層部に
入り込んでいる炭素繊維の端部が露出することは
殆んどないが、仮に露出しても、前述の如く炭素
繊維の単繊維の径は極めて小さく、しかも豊かな
柔軟性を有しているので、石膏型の成形面に露出
した炭素繊維により成形品の表面が傷付けられる
ことは殆んどない。このように、仮に炭素繊維の
端部が成形面に露出しても、成形品の表面が傷付
けられることは殆んどないが、特に成形品が高級
品であつて極めて滑らかな成形面を得る必要があ
る場合は、第7図に示されるように、ケース型2
を低速回転させつつ純石膏泥漿を少量流し込んで
厚さ1乃至3mm程度の薄膜3を予め形成してお
き、その後ケース型2の回転を停止させて直ちに
炭素繊維が均一に分散された前記石膏泥漿を静か
に流し込み、以後上述と同様の操作を行うと、第
8図に示されるように、成形面である外周面に純
石膏から成る薄膜3が被覆された皿をロクロ成形
するための外鏝用石膏型(使用型)A′が得られ、
炭素繊維が成形面に露出するのを確実に防止でき
る。 又、上記外鏝用石膏型(使用型)A′は、成形
品の内周面を成形するための石膏型において、成
形面に純石膏から成る薄膜3を被覆して、成形面
に炭素繊維が露出するのを防止する場合について
述べたが、成形品の外周面を成形するための内鏝
用石膏型においては、第9図に示されるように、
ケース型4を低速回転させつつ純石膏泥漿を流し
込んで、ケース型4の突出した成形部4aの外周
面に厚さ1mm乃至3程度の薄膜5を予め形成して
おき、しかる後にケース型4の回転を停止させて
直ちに炭素繊維が均一に分散された前記石膏泥漿
を静かに流し込み、以後上述と同様の操作を行う
と、第10図に示されるように、成形面である内
周面に純石膏から成る薄膜5が被覆されたカツプ
をロクロ成形するための内鏝用石膏型(使用型)
Bが得られる。 尚、本発明により製造し得る陶磁器成形用石膏
型は、上記したロクロ成形用石膏型のみならず、
鋳込み成形用石膏型,プレス成形用石膏型,射出
成形用石膏型,耐火物成形用石膏型等更にアルミ
ナ,炭化珪素,窒化珪素、部分安定化ジルコニ
ア,サイアロン等の原料調合に粘土類を含まない
いわゆるニユーセラミツク用のプレス成形用石膏
型,射出成形用石膏型等のほぼすべてのセラミツ
ク成形用石膏型が含まれる。 次に、本発明の実施例並びに比較例を挙げる。 実施例 1 ポリアクリロニトリル系繊維を約300℃で熱処
理した後に、更に窒素ガス雰囲気中で約1300℃で
熱処理して黒鉛化し、直径約7μmの単繊維を約
6000本一束とした炭素繊維を用いた。この炭素繊
維の物性は、引張強さ300Kgf/mm2(Kg/mm2)、引
張弾性係数23000Kgf/mm2(Kg/mm2)、密度1.75
g/cm3、線膨張係数0.0×10-6/℃、熱伝導率
15kcal/m・hr・℃、熱容量0.17cal/g・℃で
あつた。この炭素繊維を約20mmの長さに切断して
水中にて超音波振動とかく拌の相乗作用により無
数本の単繊維に分散させ、しかる後に石膏粉末
100重量部、炭素繊維0.1重量部および硼砂(硬化
遅延剤)0.2重量部の割合で混合かく拌して、炭
素繊維の単繊維が均一に拡散された石膏泥漿をつ
くり、この石膏泥漿をケース型内に流し込んで皿
を成形するためのロクロ成形用石膏型を得た。こ
のロクロ成形用石膏型は、断面を含めて全体に亘
つて炭素繊維の単繊維が均一に拡散され、その拡
散状況は肉眼で見ることが可能な程度であつた。 実施例 2 実施例1と同一の条件で炭素繊維の単繊維が均
一に拡散された石膏泥漿をつくり、ケース型を低
速回転させつつ予め純石膏泥漿を流し込んで厚さ
1乃至3mm程度の薄膜を形成しておき、しかる後
にケース型の回転を停止させて炭素繊維が混入さ
れた前記石膏泥漿を流し込んで、皿を成形するた
めのロクロ成形用石膏型を得た。このロクロ成形
用石膏型の成形面である外周面は、純石膏から成
る薄膜で被覆されており、成形面には炭素繊維は
全く露出していなかつた。 実施例 3 ポリアクリロニトリル系繊維を約300℃で熱処
理した後に、更に窒素ガス雰囲気中において約
2500℃で特殊熱処理して黒鉛化し、直径約7μmの
単繊維を約6000本一束にした炭素繊維を用いた。
この炭素繊維の物性は、引張強さ250Kgf/mm2
(Kg/mm2)、引張弾性係数35000Kgf/mm2(Kg/
mm2)、密度1.77g/cm3、線膨張率0.0×10-6/℃、熱
伝導率100kcal/m・hr・℃,熱容量0.17cal/
g・℃であつた。この炭素繊維を約25mmに切断し
た後に、実施例1と同様にして分散させ、しかる
後に石膏粉末100重量部、水60重量部、炭素繊維
0.3重量部および味の素(株)製のパフタード(硬化
遅延剤)0.2重量部の割合で混合かく拌して、炭
素繊維の単繊維が均一に拡散された石膏泥漿をつ
くり、この石膏泥漿をケース型内に流し込んで楕
円皿を成形するための鋳込み成形用石膏型を得
た。この鋳込み成形用石膏型の炭素繊維の拡散状
況は、実施例1と同様にほぼ均一であつた。 比較例 石膏粉末100重量部、水60重量部および硼砂0.2
重量部の割合で混合かく拌して炭素繊維の入つて
いない純石膏泥漿をつくり、この純石膏泥漿をケ
ース型内に流し込んで皿を成形するためのロクロ
成形用石膏型を得た。 上記各実施例1,2,3および比較例の各石膏
型の抗折強度、吸水率、大気中における破壊温度
差、嵩比重並びに硬化時膨張率は、下表の通りで
あつた。
【表】
上表から明らかのように、炭素繊維を混入した
石膏型は、混入しない石膏型に比較して機械的・
熱的強度が大巾に向上していると共に、吸水率も
僅かに向上し、上記したいずれの物性においても
優れていることが判明した。 ここで抗折強度の大巾な向上により、石膏型の
機械的強度が増大し、特に、従来成形時の外圧力
により破損されていた部分の機械的強度が増大せ
しめられることにより石膏型の破損が防止される
と共に、高サイクルの成形が可能となり、ひいて
は、成形効率が向上する。又、成形中の石膏型の
破損により成形機が損傷され、これに起因して生
産が中断したり、或るいは損傷部品を交換して再
調整する等の手間を省くことができる。更に、機
械的強度の大巾な向上により、石膏型自体の厚さ
を薄くすることが可能となり、ひいては使用石膏
量が削減される。 又、炭素繊維の混入により大気中における破壊
温度差が向上するのは、温度上昇により石膏自体
は所定量膨張するが、炭素繊維自体は殆んど膨張
しないので、石膏型内部において炭素繊維自体に
はその長さ方向に引張力が加わつていると共に石
膏自体には圧縮力が加わり、このため炭素繊維の
長さ方向に内部応力が生じてプレストレスが導入
されれた状態になつているためであると解され
る。大気中における破壊温度差の大巾な上昇は、
石膏型が大きな温度変化(温度差)に対しても耐
え得ることを意味し、石膏型の乾燥温度を上げる
ことが可能となる。従つて、成形毎の石膏型の乾
燥時間を短縮させることが可能となつて、成形サ
イクルを向上せしめることができ、ひいては成形
効率を向上せしめることができる。このため、成
形品の生産個数に対する稼動石膏型の数を減少せ
しめることができるので、少量多品種の製品の成
形に適していると共に、製品原価の低減を図るこ
とができる。同様の理由により、石膏型成形時に
おけ石膏型自体の成形効率も向上する。 又、吸水率の向上は、ロクロ成形用石膏型にお
いては、成形を終了してから脱型までの時間が短
縮されて成形効率が向上し、鋳込み成形用石膏型
においては、泥漿の着肉時間が短くなり、同じく
成形効率が向上する。嵩比重の低下は、石膏型自
体が軽量化され、ひいては石膏型の運搬或るいは
取扱い性が向上する。更に、硬化時膨張率の僅か
の減少は、石膏型成形時におけるケース型に加わ
る圧力が小さくなつて脱型が容易になると同時
に、ケース型の破損を防止することができる。 上述したことを総合すると、本発明には次のよ
うな効果がある。 (1) 炭素繊維を5乃至70mmに切断した後にサイジ
ング剤を加熱除去し、水中において超音波振動
を加えつつかく拌することにより、径が極めて
小さく、しかも柔軟性に富んだ束状の炭素繊維
を無数本の単繊維に容易に分散できるので、石
膏泥漿内に炭素繊維の無数本の単繊維を均一に
拡散せしめることができ、ひいては石膏型内に
炭素繊維を均一に混入させることができる。 (2) 石膏型の強化材として、径が極めて小さく強
度が大きく、しかも柔軟性に富んだ炭素繊維を
用いているので、石膏に対する強化材の混入割
合が少なくても石膏型の強度を増大させること
ができると共に、強化材の混入割合が少ないの
で、石膏型の基本的な機能である吸水率を低下
させることがなく、しかも成型後は石膏型内に
おいて炭素繊維は自在に変形して石膏の粒子間
に入り込んでいるものと解されるので、石膏型
内において石膏の粒子と炭素繊維とが良好にな
じんでいる。 (3) 石膏型の表層部に混入された炭素繊維の端部
が、仮に成形面に露出していたとしても、炭素
繊維の単繊維の径は極めて小さく、しかも柔軟
性に富んでいるので、成形の際に成形品が傷付
けられることは殆んどない。特に、石膏型の成
型面を純石膏から成る薄膜で被覆する場合は、
炭素繊維の端部が成形面に露出するのを確実に
防止することができる。 (4) 燃焼可能な炭素繊維を強化材として混入して
あるので、使用中に破損したり、或るいは使用
不可能となつた石膏型内から炭素繊維のみを容
易に焼失除去せしめることができ、石膏型の再
利用が可能となる。この点、ガラス繊維等の不
燃物を強化材として混入した場合は、混入物の
みを除去して石膏型の再生或るいは再利用する
ことは、極めて困難か、或るいは不可能であ
る。 (5) 石膏型の機械的強度が大巾に増大されて成形
時の外圧力による石膏型の破損を防止できると
同時に、熱的強度も大巾に増大されて成形毎の
石膏型の乾燥温度を上げることが可能となつて
乾燥時間を短縮せしめることができ、ひいては
成形効率を著しく向上せしめることが可能とな
る。
石膏型は、混入しない石膏型に比較して機械的・
熱的強度が大巾に向上していると共に、吸水率も
僅かに向上し、上記したいずれの物性においても
優れていることが判明した。 ここで抗折強度の大巾な向上により、石膏型の
機械的強度が増大し、特に、従来成形時の外圧力
により破損されていた部分の機械的強度が増大せ
しめられることにより石膏型の破損が防止される
と共に、高サイクルの成形が可能となり、ひいて
は、成形効率が向上する。又、成形中の石膏型の
破損により成形機が損傷され、これに起因して生
産が中断したり、或るいは損傷部品を交換して再
調整する等の手間を省くことができる。更に、機
械的強度の大巾な向上により、石膏型自体の厚さ
を薄くすることが可能となり、ひいては使用石膏
量が削減される。 又、炭素繊維の混入により大気中における破壊
温度差が向上するのは、温度上昇により石膏自体
は所定量膨張するが、炭素繊維自体は殆んど膨張
しないので、石膏型内部において炭素繊維自体に
はその長さ方向に引張力が加わつていると共に石
膏自体には圧縮力が加わり、このため炭素繊維の
長さ方向に内部応力が生じてプレストレスが導入
されれた状態になつているためであると解され
る。大気中における破壊温度差の大巾な上昇は、
石膏型が大きな温度変化(温度差)に対しても耐
え得ることを意味し、石膏型の乾燥温度を上げる
ことが可能となる。従つて、成形毎の石膏型の乾
燥時間を短縮させることが可能となつて、成形サ
イクルを向上せしめることができ、ひいては成形
効率を向上せしめることができる。このため、成
形品の生産個数に対する稼動石膏型の数を減少せ
しめることができるので、少量多品種の製品の成
形に適していると共に、製品原価の低減を図るこ
とができる。同様の理由により、石膏型成形時に
おけ石膏型自体の成形効率も向上する。 又、吸水率の向上は、ロクロ成形用石膏型にお
いては、成形を終了してから脱型までの時間が短
縮されて成形効率が向上し、鋳込み成形用石膏型
においては、泥漿の着肉時間が短くなり、同じく
成形効率が向上する。嵩比重の低下は、石膏型自
体が軽量化され、ひいては石膏型の運搬或るいは
取扱い性が向上する。更に、硬化時膨張率の僅か
の減少は、石膏型成形時におけるケース型に加わ
る圧力が小さくなつて脱型が容易になると同時
に、ケース型の破損を防止することができる。 上述したことを総合すると、本発明には次のよ
うな効果がある。 (1) 炭素繊維を5乃至70mmに切断した後にサイジ
ング剤を加熱除去し、水中において超音波振動
を加えつつかく拌することにより、径が極めて
小さく、しかも柔軟性に富んだ束状の炭素繊維
を無数本の単繊維に容易に分散できるので、石
膏泥漿内に炭素繊維の無数本の単繊維を均一に
拡散せしめることができ、ひいては石膏型内に
炭素繊維を均一に混入させることができる。 (2) 石膏型の強化材として、径が極めて小さく強
度が大きく、しかも柔軟性に富んだ炭素繊維を
用いているので、石膏に対する強化材の混入割
合が少なくても石膏型の強度を増大させること
ができると共に、強化材の混入割合が少ないの
で、石膏型の基本的な機能である吸水率を低下
させることがなく、しかも成型後は石膏型内に
おいて炭素繊維は自在に変形して石膏の粒子間
に入り込んでいるものと解されるので、石膏型
内において石膏の粒子と炭素繊維とが良好にな
じんでいる。 (3) 石膏型の表層部に混入された炭素繊維の端部
が、仮に成形面に露出していたとしても、炭素
繊維の単繊維の径は極めて小さく、しかも柔軟
性に富んでいるので、成形の際に成形品が傷付
けられることは殆んどない。特に、石膏型の成
型面を純石膏から成る薄膜で被覆する場合は、
炭素繊維の端部が成形面に露出するのを確実に
防止することができる。 (4) 燃焼可能な炭素繊維を強化材として混入して
あるので、使用中に破損したり、或るいは使用
不可能となつた石膏型内から炭素繊維のみを容
易に焼失除去せしめることができ、石膏型の再
利用が可能となる。この点、ガラス繊維等の不
燃物を強化材として混入した場合は、混入物の
みを除去して石膏型の再生或るいは再利用する
ことは、極めて困難か、或るいは不可能であ
る。 (5) 石膏型の機械的強度が大巾に増大されて成形
時の外圧力による石膏型の破損を防止できると
同時に、熱的強度も大巾に増大されて成形毎の
石膏型の乾燥温度を上げることが可能となつて
乾燥時間を短縮せしめることができ、ひいては
成形効率を著しく向上せしめることが可能とな
る。
第1図は、石膏内に混入する炭素繊維の長さ
と、石膏の抗折強度との関係を示すグラフ、第2
図は石膏内に混入する炭素繊維の石膏に対する重
量%と、石膏の抗折強度との関係を示すグラフ、
第3図は、石膏に混入する炭素繊維の重量%と、
石膏の吸水率との関係を示すグラフ、第4図イ,
ロは、それぞれ炭素繊維が拡散された石膏泥漿を
つくるための容器の平面図および正面断面図、第
5図は、皿内周面成形用の外鏝用石膏型を成型し
ている状態の断面図、第6図は、成型された外鏝
用石膏型Aの一部を破断した斜視図、第7図は、
外周面を純石膏から成る薄膜3で被覆した皿内周
面成形用の外鏝用石膏型を成型している状態の断
面図、第8図は、成型された外鏝用石膏型A′の
一部を破断した斜視図、第9図は、内周面を純石
膏から成る薄膜5で被覆したカツプ外周面成形用
の内鏝用石膏型を成型している状態の断面図、第
10図は、成形された内鏝用石膏型Bの縦断面図
である。 主要部分の符号の説明、1:容器、2,4:ケ
ース型、3,5:薄膜、A,A′:外鏝用石膏型、
B:内鏝用石膏型。
と、石膏の抗折強度との関係を示すグラフ、第2
図は石膏内に混入する炭素繊維の石膏に対する重
量%と、石膏の抗折強度との関係を示すグラフ、
第3図は、石膏に混入する炭素繊維の重量%と、
石膏の吸水率との関係を示すグラフ、第4図イ,
ロは、それぞれ炭素繊維が拡散された石膏泥漿を
つくるための容器の平面図および正面断面図、第
5図は、皿内周面成形用の外鏝用石膏型を成型し
ている状態の断面図、第6図は、成型された外鏝
用石膏型Aの一部を破断した斜視図、第7図は、
外周面を純石膏から成る薄膜3で被覆した皿内周
面成形用の外鏝用石膏型を成型している状態の断
面図、第8図は、成型された外鏝用石膏型A′の
一部を破断した斜視図、第9図は、内周面を純石
膏から成る薄膜5で被覆したカツプ外周面成形用
の内鏝用石膏型を成型している状態の断面図、第
10図は、成形された内鏝用石膏型Bの縦断面図
である。 主要部分の符号の説明、1:容器、2,4:ケ
ース型、3,5:薄膜、A,A′:外鏝用石膏型、
B:内鏝用石膏型。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炭素繊維を5乃至70mmの長さに切断した後に
塗布されたサイジング剤を加熱除去する工程と、 上記長さに切断された炭素繊維を水中において
超音波振動を加えつつかく拌して炭素繊維を無数
本の単繊維に分散せしめる工程と、 石膏粉末と、該石膏粉末に対して0.03乃至1重
量%の分散された前記炭素繊維と、水と、必要に
応じて他の添加剤とを混合かく拌して炭素繊維の
単繊維が均一に拡散された炭素繊維入り石膏泥漿
をつくる工程と、 ケース型内に前記炭素繊維入り石膏泥漿を流し
込み、硬化後に脱型して乾燥させる工程と、 から成る陶磁器成形用炭素繊維強化石膏型の製造
方法。 2 炭素繊維を5乃至70mmの長さに切断した後に
塗布されたサイイジング剤を加熱除去する工程
と、 上記長さに切断された炭素繊維を水中において
超音波振動を加えつつかく拌して炭素繊維を無数
本の単繊維に分散せしめる工程と、 石膏粉末と、該石膏粉末に対して0.03乃至1重
量%の分散された前記炭素繊維と、水と、必要に
応じて他の添加剤とを混合かく拌して炭素繊維の
単繊維が均一に拡散された炭素繊維入り石膏泥漿
をつくる工程と、 ケース型内に予め純粋な石膏泥漿を流し込んで
薄膜を形成し、しかる後に前記炭素繊維入り石膏
泥漿を流し込み、硬化後に脱型して乾燥させる工
程と、 から成る陶磁器成形用炭素繊維強化石膏型の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5099683A JPS59192520A (ja) | 1983-03-26 | 1983-03-26 | 陶磁器成形用炭素繊維強化石膏型の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5099683A JPS59192520A (ja) | 1983-03-26 | 1983-03-26 | 陶磁器成形用炭素繊維強化石膏型の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59192520A JPS59192520A (ja) | 1984-10-31 |
| JPH0315521B2 true JPH0315521B2 (ja) | 1991-03-01 |
Family
ID=12874392
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5099683A Granted JPS59192520A (ja) | 1983-03-26 | 1983-03-26 | 陶磁器成形用炭素繊維強化石膏型の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59192520A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6121956A (ja) * | 1984-07-10 | 1986-01-30 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 炭素繊維複合強化石膏ボ−ド及びその製造方法 |
| JPS6183665A (ja) * | 1984-09-27 | 1986-04-28 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 炭素繊維強化石膏製成形型および石膏粉末、並びにこれらの製造方法 |
| JPH06157117A (ja) * | 1993-04-05 | 1994-06-03 | Noritake Co Ltd | 炭素繊維強化石膏製成形型および石膏粉末、並びにこれらの製造方法 |
-
1983
- 1983-03-26 JP JP5099683A patent/JPS59192520A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59192520A (ja) | 1984-10-31 |
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