JPH0321644B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0321644B2 JPH0321644B2 JP60186572A JP18657285A JPH0321644B2 JP H0321644 B2 JPH0321644 B2 JP H0321644B2 JP 60186572 A JP60186572 A JP 60186572A JP 18657285 A JP18657285 A JP 18657285A JP H0321644 B2 JPH0321644 B2 JP H0321644B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bar
- yarn
- roll
- yarns
- rolls
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
(イ) 産業上の利用分野
本発明は、連続的に供給される糸条を湿式処理
する対ロール式湿式糸条処理方法および装置に関
し、特に、生産性を上げるために2本の糸条を1
対のロールで処理するに際し2本の糸条の不均一
性をなくすための改善に関する。 (ロ) 従来の技術 従来、一般に対ロール式、湿式糸条処理では、
繊維便覧443頁、図2・42(昭和43年11月30日発
行、丸善)に示される如く、軸線を互いに傾けた
一対の上下ロールを用い、供給される1本の糸条
をこの上下ロールにラセン状に巻付けて走行せし
め、精練、乾燥処理した後、糸条を巻き取つてい
た。この工程は効率が悪く、その改善案が種々提
案されているが、工業的に実施するには、それぞ
れ問題点を抱えており、その改善が永く望まれて
いた。 処理ロールで複数の糸条を処理する方法および
装置として、既にドラム式連続紡糸方法およびそ
の装置が提案されている(例えば、特公昭31−
2364号および米国特許第2883259号明細書)。しか
しながら、この方法及び装置では、各糸条間の走
行路長及びロールとの接触長を同一にすることが
できず、従つて、各糸条間の不均一性を解消させ
ることができなかつた。 複数本の処理された糸条の不均一性を解決させ
るため、各糸条間の走行路長及びロールとの接触
長を同一にする方法として、2本の糸条を1対の
ロール上で相離れた2重ラセン状に走行させる方
法が提案されている(特公昭53−49119号および
米国特許第2294871号明細書)。しかしながら、こ
の方法では、常に2本の糸条を相離して走行させ
るため、隣り合う糸条が付着して絡み合う現象を
防止するために一定以上のラセン間隔をとる必要
があり、ロールは長大なものが必要となるために
工業的実施には大きな困難を伴う。 これらの方法によるそれぞれの抱える欠点を改
良すべく、特開昭59−204907号において、対ロー
ル式連続湿式紡糸方法及び装置に関する提案がな
されている。この提案は複数の糸条を対ロール上
に走行せしめ、各糸条が上ロールを経て下ロール
に達する間は同一走行路をとり、下ロールを経て
上ロールに達する間は分離ロールにより、各糸条
が分離されて異つた走行路をとるものであつた。
この試みは各糸条間の物性差をなくし、処理速度
の上昇にも有効な手段ではあつたが、分離ロール
が高回転であるため、作業上の危険性が高く、ま
た分離ロールを有するため、設備費が高くなると
いう欠点があつた。この欠点は糸条走行速度を上
昇させるに従つて増大し、工業的実施に対して不
利であつた。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、上述のような従来の対ロール
式湿式糸条処理方法及び装置にみられる欠点、す
なわち、得られた糸条の物性の不均一性、長大な
ロールの必要性等、工業的に不利な点を改善し、
糸条の物性を均一にするとともに、設備の効率を
向上させ、さらには工業的運転上安全で且つ安定
な方法および装置を供給することにある。 (ニ) 問題点を解決するための手段 本発明の湿式糸条処理方法においては、2本の
糸条を同一ラセン状で対ロール上に巻付けて走行
させ、上ロールから下ロール、あるいは下ロール
から上ロールへ向つて走行する2本の糸条は、そ
のロール間の走行路上に配置したバーにより、そ
のバーの設置された側では各糸条が分離されて異
つた走行路をとり、上下ロール上及びロールから
離された後、1本目のバーに至る間の走行糸条は
同一の走行路を走行せしめられる。つまり糸条が
ロールから離された後最初に接触する1本目のバ
ーには2本の糸条が同一周面に接触し、次いで、
糸条がロールから離された後2番目に回転せぬよ
う固定された2本目のバーには、そのバーを挟ん
で互いにバーの反対周面に当接しながら走行させ
る。 このようにして、2本の糸条のロール入口位置
を同一にしても、上下ロールを糸条が1周する毎
に繰返し絶えず分離され、ロール上で発生する仮
撚が破壊され、ロール出口では容易に元の2本の
糸条に分離され、安定した糸条走行状態が得られ
る。また、2本の糸条のラセン間隔を1本だけ走
行させる場合に対して拡大しなくともよいので、
長大なロールを設置する必要がなく、設備費の増
大を極めて小さくすることができる。 更に、2本の糸条を対ロール上に導き、同一ラ
セン状で上下ロールの外周を走行させ、その間に
糸条の反応、精練、乾燥処理を施す。2本の糸条
の分離点においては、2本の糸条をその走行路上
に設置した2本目のバーを挟んで互いに該バーの
反対周面に当接させながら、各糸条は分離されて
異つた走行路をとるが、その走行路は対称になつ
ており、走行路長に差異を生じない。したがつ
て、2本の糸条は極めて均等な条件で反応、精
練、乾燥等の処理を受けており、得られた糸条間
の物性差を小さくすることができる。 本発明の方法のように1本目のバーに2本の糸
条を該バーの片側周面に当接させ、その下流で2
本の糸条を分離する方法においては、1本目のバ
ーにより糸条がしごかれ、2本目のバーと、次に
糸条が走行するロールとの間の糸条張力を適正に
調節することができ、糸条の走行性を安定させる
ことができる。逆に、1本目のバーに当接する前
の糸条張力は低くなるが、バーの位置を調節する
ことにより、走行路長を短くすれば、糸の横ゆれ
も小さくなり、これらのバーを使用することによ
る糸条走行の不安定化を回避することができる。 1本目のバーの役割は、回転するロールから離
れる2本の糸条の分離位置を同一にすることにあ
る。回転しているロールから2本の糸条を分離す
るとき、その分離位置が互に異なる場合は先に分
離される糸条の単糸が後から分離される糸条に取
られ易く、2本の糸条の繊度斑、毛羽、切糸を発
生し易い。これは先に分離された糸条と後から分
離される糸条の間にできる液膜が、先に分離され
た糸条を後から分離される糸条の方向へ引つ張る
ために発生するものである。これを防ぐために
は、ロールからの分離は2本同一点で行い、2本
の糸条の分離は固定もしくはゆつくり回転するバ
ーから行う。 さらに、本発明方法においては、1本目のバー
により、糸条の付着液滴の液切りが行われるため
糸条の走行安定性が向上するとともに、精練薬液
の入れ替りが充分に行われるため、精練効率も向
上させることができる。 さらには、処理速度や糸条の持込み水量等、供
給される糸条の条件によつて2本目のバーの径の
選択が制約される度合が低くなり、処理糸条の条
件に合せて、より適したバーの選択ができるとと
もに、糸条にとつてより好適な条件で処理できる
ようになる。 本発明方法はビスコースレーヨン、銅アンモニ
アレーヨン、アクリロニトリル系ポリマー糸条、
全芳香族ポリアミド糸条等の湿式糸条の処理に使
用できる。 次に、本発明方法の実施に使用する対ロール式
湿式糸条処理装置を説明する。 本発明のように、糸条がロールから離れた後、
接触する1本目と2本目のバーを使用して2本の
糸条を分離する装置は、2本のバーを下ロールが
上向きに回転する側、上ロールが下向きに回転す
る側のいずれの側に配置してもよく、これは装置
の設計上、あるいは作業性により選択することが
できる。 バーの設置位置は下ロールが上向きに回転する
側に設置する場合は、下ロールに近く、上ロール
が下向きに回転する側に設置する場合は、上ロー
ル近くにそれぞれ設置することが好ましい。詳し
くは、2本目のバーにより分離された糸条がロー
ルに入る地点では2本の糸条が互いに接触して、
ラセン間隔が同一になつていることが好ましく、
このためには、糸条に付着している凝固液や精練
薬液の表面張力により、糸条を互いに接触させる
ことができる位置に第2のバーを設置することが
望ましい。すなわち、2本目のバーを通過した後
のロールまでの糸条走行路が長くなるように設置
することが望ましい。 また、2本の糸条を2本目のバーを挟んで互い
に該バーの反対周面に当接させるために、2本目
のバーの中心は、1本目のバーの中心が上下ロー
ルの共通外接線の内側にある場合は1本目のバー
と糸条走行方向のロールとの共通内接線上もしく
は、該内接線からの距離が2本目のバーの半径以
内の位置に、また、1本目のバーの中心が上下ロ
ールの共通外接線の外側にある場合は1本目のバ
ーと糸条走行方向のロールとの共通外接線上もし
くは、該外接線からの距離が2本目のバーの半径
以内の位置に設置することが必要である。 2本の糸条を2本目のバーを挟んで互いに該バ
ーの反対周面に当接させる必要性は、2本の糸条
の走行路長および糸条張力を均等化するととも
に、糸条に同伴する凝固液、精練薬液等がバーに
よつてしごかれてバー上で液滴となるが、この液
滴を成長させずに接している糸条に持ち去らせる
ことにある。2本目のバーの片側のみに糸条を当
接させた場合には、バー上に液滴が成長し、この
液滴の表面張力により、隣接して走行する糸条の
ラセンと接触し、互いに絡まつて糸切れを発生す
る。 更に、本発明をより好適に実施するためには、
2本目のバーの中心は、1本目のバーの中心が上
下ロールの共通外接線の内側にある場合は1本目
のバーと糸条走行方向のロールとの共通内接線上
に、1本目のバーの中心が上下ロールの共通外接
線の外側にある場合は1本目のバーと糸条走行方
向のロールとの共通外接線上に設置することがよ
い。これにより、2本の糸条の走行路長および糸
条張力を実質的に同一とすることができるととも
に、バーによつてしごかれバー上で液滴となつた
凝固液、精練薬液等を糸条が持ち去る効果も大き
くなり、糸条の物性の均一性および糸条の走行安
定性が一層良好なものとなる。 バーの直径はいずれも2.0mmφ〜30mmφの範囲
である。2.0mmφ未満の直径が極めて小さいバー
を1本目のバーとして使用すると、糸条の張力に
よりバーが弓状となり、2番目のバーの両面に2
本の糸条を当接させることができにくくなり、液
滴の成長による隣接糸条の接触による切糸、2本
の糸条の張力履歴の差の増大による物性差の増大
等が発生する。2.0mmφ未満の直径が極めて小さ
いバーを2番目のバーとして使用すると、2本の
糸条の分離角度が小さくなり、 一方の糸条の単糸が他方の糸条に取られ易くな
り、2本の糸条間の繊度及び単糸数の不揃いが発
生し易くなるとともに羽毛数の増加、切糸の増加
を生じ易い。30mmφを超える直径の大きいバーを
1番目のバーとして使用すると、糸条にかかる摩
擦力が大きくなり、ロールと1本目のバーの間の
糸条張力が減少して、糸条スパイラルの横揺れ
や、ロールへの単糸巻付が発生し易くなるととも
に、1本目のバーから次のロール間の糸条張力が
増大し、その結果、伸度が低下していく。2本目
のバーに30mmφを超える直径の大きいバーを使用
すると、バーの下部に生成する液滴が多量に落下
し、 2本の糸条走行路の分離位置の不揃いや、糸条
の走行ラセンの横揺れを発生させ易くする。ま
た、糸条にかかる摩擦力が大きくなり、1本目と
2本目のバーの間の糸条張力の減少による糸条ス
パイラルの横揺れや、2本目のバーから次のロー
ル間の糸条張力が増大し、その結果、伸度の低下
をきたし易い。 さらに好ましくは、バーの直径を3mmφ〜10mm
φの範囲にするとよい。その理由は、糸条にかか
る摩擦力を小さくして、糸条の走行ラセンの横揺
れや伸度の低下を小さく抑えるとともに、2本目
のバーの下部に生ずる液滴をバーの両面を走行し
ている糸条に持ち去らせ、成長して落下する液滴
を減らすことによつて、2本の糸条走行路の分離
位置の不揃いや、糸条の走行ラセンの横揺れの頻
度を減少させることにある。糸条の走行速度を大
きくすると、この効果はさらに顕著になる。 また、バーの直径は、走行する糸条の張力、同
拌液量、糸条走行速度等により、適宜選定するこ
とが好ましく、特に、ロール上で反応・精練・乾
燥等の処理を行う場合、たとえば、精練薬液を積
極的にかけ、糸条の同拌液量が多くなり、かつそ
の薬液によつて糸条が膨潤するような精練をロー
ル上で行う場合には、2本目のバーの直径を大き
くして、糸条の分離角度を大きくするとともに、
糸条張力を増して走行させることが好ましい。1
本目のバーは静止したものであつても支障はない
が、長期にわたり糸条を安定して走行させるため
にはバーを緩やかに動かすことが望ましい。対ロ
ール上で、反応・精練・乾燥等の処理を行う場合
反応副生成物、低重合度物、薬液の分解物等がバ
ーに付着あるいは成長し、糸条の走行安定性や品
質の低下をきたすことがあるが、これは、バーを
緩やかに動かす、好ましくは、緩やかに回転さ
せ、かつ軸線方向に緩やかに往復運動させること
によつて解消させることができる。バーの回転お
よび往復運動速度は極めてゆつくりしたものでも
よく、たとえば10分間に1回転もしくは1往復の
速度でも充分である。 ここで言う「ゆつくり」とは40回転/分以下の
回転速度および10往復/分以下の往復動速度であ
り、このような速度では作業上の危険を伴う心配
も少く、かつ糸条の走行方向と逆方向、もしくは
直角方向の運動による糸条走行安定性の悪化をき
たさない。 以下、本発明を添付図面について具体的に説明
する。 第1図は、本発明に係る対ロール式湿式糸条処
理装置の一例を示す斜視図である。1対の上ロー
ル1と下ロール2に対し、糸条が、下ロールが上
側に回転する側の内側(上下ロールの共通接線の
内側)に2本のバー11及び12を設けた例であ
る。この湿式糸条処理装置は、互いに軸線を傾け
た上ロール1、下ロール2とバー11及び12か
らなり、ここでは精練薬液供給装置5と乾燥装置
7及び8が付加されている。糸条10及び10′
の上ロール1への入口位置、上ロール1から下ロ
ール2に向う側の上下ロール間の糸条走行路、下
ロール2上、及び下ロールから1本目のバー11
までの糸条走行路を同一になるようにしてある。
次いで、1本目のバー11から上ロール1へ向う
走行路では、その走行路上に配置した2本目のバ
ー12を挾んで2本の糸条10,10′がバー1
2の反対周面に当接しながら異つた走行路をと
る。2本目のバー12により分離された糸条1
0,10′は上ロール1に到達する点では互いに
付着し、同一の走行路をとりながら上ロール1上
を走行する。以上の走行形態を繰り返しながら、
糸条は乾燥装置7及び8に達し、乾燥処理後巻き
取られる。 第1図では糸条が下ロール2が上向きに回転す
る側の内側に2本のバー11及び12を設置した
例を示しているが、第2図イ,ロ,ハおよびニに
数例を示したように、バー11,12の設置位置
は、下ロール2が上向きに回転する側の内側イ或
は外側ロ、上ロール1が下向きに回転する側の内
側ハもしくは外側ニのいずれであつてもよい。 さらに、図示はしていないが、下ロール2が上
向きに回転する側と上ロール1が下向きに回転す
る側の両方に、それぞれ2本のバー11,12を
設置し、処理することも可能である。 (ホ) 発明の効果 本発明の方法においては、2本の糸条を処理す
るのに、1本の糸条を処理する場合と同一のロー
ルを採用することができるとともに、回転するロ
ールから糸条が離れる点を同一にすることができ
るため処理する2本の糸条の走行路長、ロールと
の接触長を同一にすることができ、2本の糸条を
均等な条件下で反応、洗練等の処理を行うことが
できる。その結果、得られる2本の糸条の物性の
不均一性を極めて小さくすることができる。 また、1本目と2本目のバーを用いるためロー
ル上の糸条の処理条件に応じて好適なバーの直径
を選択することが容易であり、糸条の張力の調整
及び糸条持込液量等の好適な状態維持が可能とな
り、糸条の走行安定性を大巾に向上させることが
できるとともに、糸条の走行速度を大きくするこ
とができる。 本発明の装置は、1本の糸条を処理する場合と
同一のロールが採用でき、さらに、ほとんどある
いは全く回転しないバーを用いることができるた
め、設備費用は単位糸量当り大巾に安価なものと
することができる。また、バーへの糸条の巻きつ
きが発生せず、しかも回転させる場合もその回転
速度も極めて小さくてよいため、作業上の安全性
も格段に向上させることができる。 (ヘ) 実施例 以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。 実施例 1 本発明の対ロール式湿式糸条処理方法及び装置
を利用して、ビスコースレーヨン糸を処理した。
用いた装置は第1図に示すタイプのもので、バー
の設置位置は第2図イのとおりとした。 上、下ロールの直径は150mmとし、バーの直径
は2本とも6mmとした。バーの取付け位置は、1
本目のバーを下ロールの中心から90mm、上下ロー
ルの共通外接線からの距離が内側へ10mm位置に固
定して取り付け、2本目のバーを1本目のバーと
上ロールとの共通内接線上で1本目のバーの中心
から20mmの位置に固定して取り付けた。糸条ラセ
ン間隔は5mmとして、75デニール/26フイラメン
トの糸条を走行速度300m/分で2本供給し、ロ
ールに入る位置を同一として、対ロール上を走行
させた。2本の糸条には、上ロールから下ロール
を経て1本目のバーまでの間は同一の走行路をと
らせ、1本目のバーから上ロールまで走行させる
間は別々の走行路を第2図イに示す状態で走行さ
せた。糸条が上下ロールを走行する間に、ロール
上の一部で、糸条に精練処理と乾燥処理を行い、
その後で巻取機により糸条を巻き取つた。 得られた糸条の性質と処理中の切糸率を表1に
示す。
する対ロール式湿式糸条処理方法および装置に関
し、特に、生産性を上げるために2本の糸条を1
対のロールで処理するに際し2本の糸条の不均一
性をなくすための改善に関する。 (ロ) 従来の技術 従来、一般に対ロール式、湿式糸条処理では、
繊維便覧443頁、図2・42(昭和43年11月30日発
行、丸善)に示される如く、軸線を互いに傾けた
一対の上下ロールを用い、供給される1本の糸条
をこの上下ロールにラセン状に巻付けて走行せし
め、精練、乾燥処理した後、糸条を巻き取つてい
た。この工程は効率が悪く、その改善案が種々提
案されているが、工業的に実施するには、それぞ
れ問題点を抱えており、その改善が永く望まれて
いた。 処理ロールで複数の糸条を処理する方法および
装置として、既にドラム式連続紡糸方法およびそ
の装置が提案されている(例えば、特公昭31−
2364号および米国特許第2883259号明細書)。しか
しながら、この方法及び装置では、各糸条間の走
行路長及びロールとの接触長を同一にすることが
できず、従つて、各糸条間の不均一性を解消させ
ることができなかつた。 複数本の処理された糸条の不均一性を解決させ
るため、各糸条間の走行路長及びロールとの接触
長を同一にする方法として、2本の糸条を1対の
ロール上で相離れた2重ラセン状に走行させる方
法が提案されている(特公昭53−49119号および
米国特許第2294871号明細書)。しかしながら、こ
の方法では、常に2本の糸条を相離して走行させ
るため、隣り合う糸条が付着して絡み合う現象を
防止するために一定以上のラセン間隔をとる必要
があり、ロールは長大なものが必要となるために
工業的実施には大きな困難を伴う。 これらの方法によるそれぞれの抱える欠点を改
良すべく、特開昭59−204907号において、対ロー
ル式連続湿式紡糸方法及び装置に関する提案がな
されている。この提案は複数の糸条を対ロール上
に走行せしめ、各糸条が上ロールを経て下ロール
に達する間は同一走行路をとり、下ロールを経て
上ロールに達する間は分離ロールにより、各糸条
が分離されて異つた走行路をとるものであつた。
この試みは各糸条間の物性差をなくし、処理速度
の上昇にも有効な手段ではあつたが、分離ロール
が高回転であるため、作業上の危険性が高く、ま
た分離ロールを有するため、設備費が高くなると
いう欠点があつた。この欠点は糸条走行速度を上
昇させるに従つて増大し、工業的実施に対して不
利であつた。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、上述のような従来の対ロール
式湿式糸条処理方法及び装置にみられる欠点、す
なわち、得られた糸条の物性の不均一性、長大な
ロールの必要性等、工業的に不利な点を改善し、
糸条の物性を均一にするとともに、設備の効率を
向上させ、さらには工業的運転上安全で且つ安定
な方法および装置を供給することにある。 (ニ) 問題点を解決するための手段 本発明の湿式糸条処理方法においては、2本の
糸条を同一ラセン状で対ロール上に巻付けて走行
させ、上ロールから下ロール、あるいは下ロール
から上ロールへ向つて走行する2本の糸条は、そ
のロール間の走行路上に配置したバーにより、そ
のバーの設置された側では各糸条が分離されて異
つた走行路をとり、上下ロール上及びロールから
離された後、1本目のバーに至る間の走行糸条は
同一の走行路を走行せしめられる。つまり糸条が
ロールから離された後最初に接触する1本目のバ
ーには2本の糸条が同一周面に接触し、次いで、
糸条がロールから離された後2番目に回転せぬよ
う固定された2本目のバーには、そのバーを挟ん
で互いにバーの反対周面に当接しながら走行させ
る。 このようにして、2本の糸条のロール入口位置
を同一にしても、上下ロールを糸条が1周する毎
に繰返し絶えず分離され、ロール上で発生する仮
撚が破壊され、ロール出口では容易に元の2本の
糸条に分離され、安定した糸条走行状態が得られ
る。また、2本の糸条のラセン間隔を1本だけ走
行させる場合に対して拡大しなくともよいので、
長大なロールを設置する必要がなく、設備費の増
大を極めて小さくすることができる。 更に、2本の糸条を対ロール上に導き、同一ラ
セン状で上下ロールの外周を走行させ、その間に
糸条の反応、精練、乾燥処理を施す。2本の糸条
の分離点においては、2本の糸条をその走行路上
に設置した2本目のバーを挟んで互いに該バーの
反対周面に当接させながら、各糸条は分離されて
異つた走行路をとるが、その走行路は対称になつ
ており、走行路長に差異を生じない。したがつ
て、2本の糸条は極めて均等な条件で反応、精
練、乾燥等の処理を受けており、得られた糸条間
の物性差を小さくすることができる。 本発明の方法のように1本目のバーに2本の糸
条を該バーの片側周面に当接させ、その下流で2
本の糸条を分離する方法においては、1本目のバ
ーにより糸条がしごかれ、2本目のバーと、次に
糸条が走行するロールとの間の糸条張力を適正に
調節することができ、糸条の走行性を安定させる
ことができる。逆に、1本目のバーに当接する前
の糸条張力は低くなるが、バーの位置を調節する
ことにより、走行路長を短くすれば、糸の横ゆれ
も小さくなり、これらのバーを使用することによ
る糸条走行の不安定化を回避することができる。 1本目のバーの役割は、回転するロールから離
れる2本の糸条の分離位置を同一にすることにあ
る。回転しているロールから2本の糸条を分離す
るとき、その分離位置が互に異なる場合は先に分
離される糸条の単糸が後から分離される糸条に取
られ易く、2本の糸条の繊度斑、毛羽、切糸を発
生し易い。これは先に分離された糸条と後から分
離される糸条の間にできる液膜が、先に分離され
た糸条を後から分離される糸条の方向へ引つ張る
ために発生するものである。これを防ぐために
は、ロールからの分離は2本同一点で行い、2本
の糸条の分離は固定もしくはゆつくり回転するバ
ーから行う。 さらに、本発明方法においては、1本目のバー
により、糸条の付着液滴の液切りが行われるため
糸条の走行安定性が向上するとともに、精練薬液
の入れ替りが充分に行われるため、精練効率も向
上させることができる。 さらには、処理速度や糸条の持込み水量等、供
給される糸条の条件によつて2本目のバーの径の
選択が制約される度合が低くなり、処理糸条の条
件に合せて、より適したバーの選択ができるとと
もに、糸条にとつてより好適な条件で処理できる
ようになる。 本発明方法はビスコースレーヨン、銅アンモニ
アレーヨン、アクリロニトリル系ポリマー糸条、
全芳香族ポリアミド糸条等の湿式糸条の処理に使
用できる。 次に、本発明方法の実施に使用する対ロール式
湿式糸条処理装置を説明する。 本発明のように、糸条がロールから離れた後、
接触する1本目と2本目のバーを使用して2本の
糸条を分離する装置は、2本のバーを下ロールが
上向きに回転する側、上ロールが下向きに回転す
る側のいずれの側に配置してもよく、これは装置
の設計上、あるいは作業性により選択することが
できる。 バーの設置位置は下ロールが上向きに回転する
側に設置する場合は、下ロールに近く、上ロール
が下向きに回転する側に設置する場合は、上ロー
ル近くにそれぞれ設置することが好ましい。詳し
くは、2本目のバーにより分離された糸条がロー
ルに入る地点では2本の糸条が互いに接触して、
ラセン間隔が同一になつていることが好ましく、
このためには、糸条に付着している凝固液や精練
薬液の表面張力により、糸条を互いに接触させる
ことができる位置に第2のバーを設置することが
望ましい。すなわち、2本目のバーを通過した後
のロールまでの糸条走行路が長くなるように設置
することが望ましい。 また、2本の糸条を2本目のバーを挟んで互い
に該バーの反対周面に当接させるために、2本目
のバーの中心は、1本目のバーの中心が上下ロー
ルの共通外接線の内側にある場合は1本目のバー
と糸条走行方向のロールとの共通内接線上もしく
は、該内接線からの距離が2本目のバーの半径以
内の位置に、また、1本目のバーの中心が上下ロ
ールの共通外接線の外側にある場合は1本目のバ
ーと糸条走行方向のロールとの共通外接線上もし
くは、該外接線からの距離が2本目のバーの半径
以内の位置に設置することが必要である。 2本の糸条を2本目のバーを挟んで互いに該バ
ーの反対周面に当接させる必要性は、2本の糸条
の走行路長および糸条張力を均等化するととも
に、糸条に同伴する凝固液、精練薬液等がバーに
よつてしごかれてバー上で液滴となるが、この液
滴を成長させずに接している糸条に持ち去らせる
ことにある。2本目のバーの片側のみに糸条を当
接させた場合には、バー上に液滴が成長し、この
液滴の表面張力により、隣接して走行する糸条の
ラセンと接触し、互いに絡まつて糸切れを発生す
る。 更に、本発明をより好適に実施するためには、
2本目のバーの中心は、1本目のバーの中心が上
下ロールの共通外接線の内側にある場合は1本目
のバーと糸条走行方向のロールとの共通内接線上
に、1本目のバーの中心が上下ロールの共通外接
線の外側にある場合は1本目のバーと糸条走行方
向のロールとの共通外接線上に設置することがよ
い。これにより、2本の糸条の走行路長および糸
条張力を実質的に同一とすることができるととも
に、バーによつてしごかれバー上で液滴となつた
凝固液、精練薬液等を糸条が持ち去る効果も大き
くなり、糸条の物性の均一性および糸条の走行安
定性が一層良好なものとなる。 バーの直径はいずれも2.0mmφ〜30mmφの範囲
である。2.0mmφ未満の直径が極めて小さいバー
を1本目のバーとして使用すると、糸条の張力に
よりバーが弓状となり、2番目のバーの両面に2
本の糸条を当接させることができにくくなり、液
滴の成長による隣接糸条の接触による切糸、2本
の糸条の張力履歴の差の増大による物性差の増大
等が発生する。2.0mmφ未満の直径が極めて小さ
いバーを2番目のバーとして使用すると、2本の
糸条の分離角度が小さくなり、 一方の糸条の単糸が他方の糸条に取られ易くな
り、2本の糸条間の繊度及び単糸数の不揃いが発
生し易くなるとともに羽毛数の増加、切糸の増加
を生じ易い。30mmφを超える直径の大きいバーを
1番目のバーとして使用すると、糸条にかかる摩
擦力が大きくなり、ロールと1本目のバーの間の
糸条張力が減少して、糸条スパイラルの横揺れ
や、ロールへの単糸巻付が発生し易くなるととも
に、1本目のバーから次のロール間の糸条張力が
増大し、その結果、伸度が低下していく。2本目
のバーに30mmφを超える直径の大きいバーを使用
すると、バーの下部に生成する液滴が多量に落下
し、 2本の糸条走行路の分離位置の不揃いや、糸条
の走行ラセンの横揺れを発生させ易くする。ま
た、糸条にかかる摩擦力が大きくなり、1本目と
2本目のバーの間の糸条張力の減少による糸条ス
パイラルの横揺れや、2本目のバーから次のロー
ル間の糸条張力が増大し、その結果、伸度の低下
をきたし易い。 さらに好ましくは、バーの直径を3mmφ〜10mm
φの範囲にするとよい。その理由は、糸条にかか
る摩擦力を小さくして、糸条の走行ラセンの横揺
れや伸度の低下を小さく抑えるとともに、2本目
のバーの下部に生ずる液滴をバーの両面を走行し
ている糸条に持ち去らせ、成長して落下する液滴
を減らすことによつて、2本の糸条走行路の分離
位置の不揃いや、糸条の走行ラセンの横揺れの頻
度を減少させることにある。糸条の走行速度を大
きくすると、この効果はさらに顕著になる。 また、バーの直径は、走行する糸条の張力、同
拌液量、糸条走行速度等により、適宜選定するこ
とが好ましく、特に、ロール上で反応・精練・乾
燥等の処理を行う場合、たとえば、精練薬液を積
極的にかけ、糸条の同拌液量が多くなり、かつそ
の薬液によつて糸条が膨潤するような精練をロー
ル上で行う場合には、2本目のバーの直径を大き
くして、糸条の分離角度を大きくするとともに、
糸条張力を増して走行させることが好ましい。1
本目のバーは静止したものであつても支障はない
が、長期にわたり糸条を安定して走行させるため
にはバーを緩やかに動かすことが望ましい。対ロ
ール上で、反応・精練・乾燥等の処理を行う場合
反応副生成物、低重合度物、薬液の分解物等がバ
ーに付着あるいは成長し、糸条の走行安定性や品
質の低下をきたすことがあるが、これは、バーを
緩やかに動かす、好ましくは、緩やかに回転さ
せ、かつ軸線方向に緩やかに往復運動させること
によつて解消させることができる。バーの回転お
よび往復運動速度は極めてゆつくりしたものでも
よく、たとえば10分間に1回転もしくは1往復の
速度でも充分である。 ここで言う「ゆつくり」とは40回転/分以下の
回転速度および10往復/分以下の往復動速度であ
り、このような速度では作業上の危険を伴う心配
も少く、かつ糸条の走行方向と逆方向、もしくは
直角方向の運動による糸条走行安定性の悪化をき
たさない。 以下、本発明を添付図面について具体的に説明
する。 第1図は、本発明に係る対ロール式湿式糸条処
理装置の一例を示す斜視図である。1対の上ロー
ル1と下ロール2に対し、糸条が、下ロールが上
側に回転する側の内側(上下ロールの共通接線の
内側)に2本のバー11及び12を設けた例であ
る。この湿式糸条処理装置は、互いに軸線を傾け
た上ロール1、下ロール2とバー11及び12か
らなり、ここでは精練薬液供給装置5と乾燥装置
7及び8が付加されている。糸条10及び10′
の上ロール1への入口位置、上ロール1から下ロ
ール2に向う側の上下ロール間の糸条走行路、下
ロール2上、及び下ロールから1本目のバー11
までの糸条走行路を同一になるようにしてある。
次いで、1本目のバー11から上ロール1へ向う
走行路では、その走行路上に配置した2本目のバ
ー12を挾んで2本の糸条10,10′がバー1
2の反対周面に当接しながら異つた走行路をと
る。2本目のバー12により分離された糸条1
0,10′は上ロール1に到達する点では互いに
付着し、同一の走行路をとりながら上ロール1上
を走行する。以上の走行形態を繰り返しながら、
糸条は乾燥装置7及び8に達し、乾燥処理後巻き
取られる。 第1図では糸条が下ロール2が上向きに回転す
る側の内側に2本のバー11及び12を設置した
例を示しているが、第2図イ,ロ,ハおよびニに
数例を示したように、バー11,12の設置位置
は、下ロール2が上向きに回転する側の内側イ或
は外側ロ、上ロール1が下向きに回転する側の内
側ハもしくは外側ニのいずれであつてもよい。 さらに、図示はしていないが、下ロール2が上
向きに回転する側と上ロール1が下向きに回転す
る側の両方に、それぞれ2本のバー11,12を
設置し、処理することも可能である。 (ホ) 発明の効果 本発明の方法においては、2本の糸条を処理す
るのに、1本の糸条を処理する場合と同一のロー
ルを採用することができるとともに、回転するロ
ールから糸条が離れる点を同一にすることができ
るため処理する2本の糸条の走行路長、ロールと
の接触長を同一にすることができ、2本の糸条を
均等な条件下で反応、洗練等の処理を行うことが
できる。その結果、得られる2本の糸条の物性の
不均一性を極めて小さくすることができる。 また、1本目と2本目のバーを用いるためロー
ル上の糸条の処理条件に応じて好適なバーの直径
を選択することが容易であり、糸条の張力の調整
及び糸条持込液量等の好適な状態維持が可能とな
り、糸条の走行安定性を大巾に向上させることが
できるとともに、糸条の走行速度を大きくするこ
とができる。 本発明の装置は、1本の糸条を処理する場合と
同一のロールが採用でき、さらに、ほとんどある
いは全く回転しないバーを用いることができるた
め、設備費用は単位糸量当り大巾に安価なものと
することができる。また、バーへの糸条の巻きつ
きが発生せず、しかも回転させる場合もその回転
速度も極めて小さくてよいため、作業上の安全性
も格段に向上させることができる。 (ヘ) 実施例 以下、本発明を実施例にて具体的に説明する。 実施例 1 本発明の対ロール式湿式糸条処理方法及び装置
を利用して、ビスコースレーヨン糸を処理した。
用いた装置は第1図に示すタイプのもので、バー
の設置位置は第2図イのとおりとした。 上、下ロールの直径は150mmとし、バーの直径
は2本とも6mmとした。バーの取付け位置は、1
本目のバーを下ロールの中心から90mm、上下ロー
ルの共通外接線からの距離が内側へ10mm位置に固
定して取り付け、2本目のバーを1本目のバーと
上ロールとの共通内接線上で1本目のバーの中心
から20mmの位置に固定して取り付けた。糸条ラセ
ン間隔は5mmとして、75デニール/26フイラメン
トの糸条を走行速度300m/分で2本供給し、ロ
ールに入る位置を同一として、対ロール上を走行
させた。2本の糸条には、上ロールから下ロール
を経て1本目のバーまでの間は同一の走行路をと
らせ、1本目のバーから上ロールまで走行させる
間は別々の走行路を第2図イに示す状態で走行さ
せた。糸条が上下ロールを走行する間に、ロール
上の一部で、糸条に精練処理と乾燥処理を行い、
その後で巻取機により糸条を巻き取つた。 得られた糸条の性質と処理中の切糸率を表1に
示す。
【表】
【表】
表1に示されるように、得られた2本の糸条は
均一な品質を示しており、糸条の走行状態も良好
であつた。 実施例 2 本発明の対ロール式、湿式糸条処理方法及び装
置を利用して銅アンモニア式レーヨン糸を処理し
た。用いた装置は第1図に示すタイプのもので、
バーの取付位置は第2図ロのとおりとした。上下
ロールの直径は150mmとし、バーの直径は1本目
のバーを5mm、2本目のバーの直径を8mmとし
た。バーの取付け位置は、1本目のバーを下ロー
ルの中心から110mm、上下ロールの共通外接線か
らの距離が外側へ15mmの位置に取り付け、2本目
のバーを1本目のバーと上ロールとの共通外接線
上で、1本目のバーの中心から30mmの位置に取り
付けた。取り付けた1本目のバーは1回転/分で
下ロールと反対方向に回転させ、かつ軸方向に
0.2往復/分の速度で5mm動かした。糸条ラセン
間隔は5mmとして、60デニール/46フイラメント
の糸条を走行速度400m/分にて、2本の糸条を
供給し、ロールに入る位置を同一として、対ロー
ル上に走行させた。2本の糸条には、上ロールか
ら下ロールを経て、1本目のバーまでの間は同一
の走行路をとらせ、1本目のバーから上ロールま
で走行させる間は別々の走行路を第2図ロに示す
状態で走行させた。糸条が上下ロールを走行する
間に、ロール上の一部で、10%硫酸による処理と
水洗処理、乾燥処理を行つた後、巻取機にて糸条
を巻き取つた。 得られた糸条の性質と処理中の切糸率を表2に
示す。
均一な品質を示しており、糸条の走行状態も良好
であつた。 実施例 2 本発明の対ロール式、湿式糸条処理方法及び装
置を利用して銅アンモニア式レーヨン糸を処理し
た。用いた装置は第1図に示すタイプのもので、
バーの取付位置は第2図ロのとおりとした。上下
ロールの直径は150mmとし、バーの直径は1本目
のバーを5mm、2本目のバーの直径を8mmとし
た。バーの取付け位置は、1本目のバーを下ロー
ルの中心から110mm、上下ロールの共通外接線か
らの距離が外側へ15mmの位置に取り付け、2本目
のバーを1本目のバーと上ロールとの共通外接線
上で、1本目のバーの中心から30mmの位置に取り
付けた。取り付けた1本目のバーは1回転/分で
下ロールと反対方向に回転させ、かつ軸方向に
0.2往復/分の速度で5mm動かした。糸条ラセン
間隔は5mmとして、60デニール/46フイラメント
の糸条を走行速度400m/分にて、2本の糸条を
供給し、ロールに入る位置を同一として、対ロー
ル上に走行させた。2本の糸条には、上ロールか
ら下ロールを経て、1本目のバーまでの間は同一
の走行路をとらせ、1本目のバーから上ロールま
で走行させる間は別々の走行路を第2図ロに示す
状態で走行させた。糸条が上下ロールを走行する
間に、ロール上の一部で、10%硫酸による処理と
水洗処理、乾燥処理を行つた後、巻取機にて糸条
を巻き取つた。 得られた糸条の性質と処理中の切糸率を表2に
示す。
【表】
表2に示されるように、得られた2本の糸条は
均一な品質を示しており、糸条の走行状態も良好
であつた。 実施例 3 本発明の対ロール式湿式糸条処理装置を利用し
て、ビスコースレーヨン糸を漂白処理した。用い
た装置は第1図に対応するもので、糸条が対ロー
ルに入る前に水分を糸条にく付与するノズル及
び、精練処理の前に漂白液をかける装置を付加し
た他は実施例1と同様の装置で処理を行つた。漂
白液として、0.05%の過酸化水素水溶液を用い
た。 得られた糸条の性質と処理中の切糸率を表3に
示す。
均一な品質を示しており、糸条の走行状態も良好
であつた。 実施例 3 本発明の対ロール式湿式糸条処理装置を利用し
て、ビスコースレーヨン糸を漂白処理した。用い
た装置は第1図に対応するもので、糸条が対ロー
ルに入る前に水分を糸条にく付与するノズル及
び、精練処理の前に漂白液をかける装置を付加し
た他は実施例1と同様の装置で処理を行つた。漂
白液として、0.05%の過酸化水素水溶液を用い
た。 得られた糸条の性質と処理中の切糸率を表3に
示す。
【表】
表3に示されるように、得られた2本の糸条は
均一な品質を示しており、糸条の走行状態も良好
であつた。 比較例 2本目のバーを1本目のバーと上ロールとの共
通内接線の外側5mmの位置に設置し、他の条件は
実施例1と同一にして2本の糸条を走行させ処理
を行つた。処理中の糸条走行状態は、精練処理部
分で特に悪く、糸条ラセンの揺れ、2本の糸条の
分離点の不揃い等が多発し、切糸率も4.50回/
24Hrと悪いものであつた。 実施例 4〜21 対ロール式湿式糸条処理装置を用いてビスコー
スレーヨン糸を処理し、本発明の方法及び装置の
効果を確認した。用いた装置は第1図に示すタイ
プのものである。本発明の効果を確認すべく、実
施例4〜11では1本目のバーの直径を、実施例7
及び12〜18では2本目のバーの直径を、実施例7
及び19〜21ではバーの取付け位置を変えて、2本
の糸条を処理した例をそれぞれ比較テストした。 上下ロールの直径は150mmφのものを用い、ま
たバーの取付け位置は第2図に示す位置を用い、
表4中のバーの取付け位置の欄に示した。上下ロ
ール上を走行する糸条のラセン間隔を5mmとし、
120デニール/40フイラメントの糸条を300m/
minの走行速度で処理し、ロール上に入る位置を
同一とした。糸条の走行状態は第2図に示す如
く、1本目のバーを糸条が通過後、2本目のバー
を経て、糸条走行方向の次のロールに入る迄の間
は糸条は別々の走行路を通り、それ以外の部分は
同一の走行路を通過させた。上下ロール間を糸条
が走行する間に、糸条に精練処理と乾燥処理を行
つた後、巻取機で糸条を巻取つた。 処理中の切糸率を表4に示す。 表4の切糸率の結果から本発明の効果は明らか
であり、対ロール式、湿式糸条処理において、本
発明の方法及び装置を用いれば、複数の糸条を効
率よく処理できることが判る。
均一な品質を示しており、糸条の走行状態も良好
であつた。 比較例 2本目のバーを1本目のバーと上ロールとの共
通内接線の外側5mmの位置に設置し、他の条件は
実施例1と同一にして2本の糸条を走行させ処理
を行つた。処理中の糸条走行状態は、精練処理部
分で特に悪く、糸条ラセンの揺れ、2本の糸条の
分離点の不揃い等が多発し、切糸率も4.50回/
24Hrと悪いものであつた。 実施例 4〜21 対ロール式湿式糸条処理装置を用いてビスコー
スレーヨン糸を処理し、本発明の方法及び装置の
効果を確認した。用いた装置は第1図に示すタイ
プのものである。本発明の効果を確認すべく、実
施例4〜11では1本目のバーの直径を、実施例7
及び12〜18では2本目のバーの直径を、実施例7
及び19〜21ではバーの取付け位置を変えて、2本
の糸条を処理した例をそれぞれ比較テストした。 上下ロールの直径は150mmφのものを用い、ま
たバーの取付け位置は第2図に示す位置を用い、
表4中のバーの取付け位置の欄に示した。上下ロ
ール上を走行する糸条のラセン間隔を5mmとし、
120デニール/40フイラメントの糸条を300m/
minの走行速度で処理し、ロール上に入る位置を
同一とした。糸条の走行状態は第2図に示す如
く、1本目のバーを糸条が通過後、2本目のバー
を経て、糸条走行方向の次のロールに入る迄の間
は糸条は別々の走行路を通り、それ以外の部分は
同一の走行路を通過させた。上下ロール間を糸条
が走行する間に、糸条に精練処理と乾燥処理を行
つた後、巻取機で糸条を巻取つた。 処理中の切糸率を表4に示す。 表4の切糸率の結果から本発明の効果は明らか
であり、対ロール式、湿式糸条処理において、本
発明の方法及び装置を用いれば、複数の糸条を効
率よく処理できることが判る。
【表】
第1図は、本発明の湿式糸条処理装置及び方法
を示す斜視図である。第2図イ,ロ,ハ,ニは本
発明の湿式糸条処理装置及び方法におけるロール
およびバーの設置位置の数例を示す側面図であ
る。 1……対ロールの上ロール、2……対ロールの
下ロール、3……上ロールの回転方向を示す矢
印、4……下ロールの回転方向を示す矢印、5…
…精練薬液供給ノズル、6……精練域、7及び8
……乾燥装置、9……糸道、10及び10′……
糸条、11……1本目のバー、12……2本目の
バー、13……糸条のラセン間隔。
を示す斜視図である。第2図イ,ロ,ハ,ニは本
発明の湿式糸条処理装置及び方法におけるロール
およびバーの設置位置の数例を示す側面図であ
る。 1……対ロールの上ロール、2……対ロールの
下ロール、3……上ロールの回転方向を示す矢
印、4……下ロールの回転方向を示す矢印、5…
…精練薬液供給ノズル、6……精練域、7及び8
……乾燥装置、9……糸道、10及び10′……
糸条、11……1本目のバー、12……2本目の
バー、13……糸条のラセン間隔。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 上ロール及び下ロールからなる対ロールを用
い、糸条をこの対ロールにラセン状に巻付けて進
行させながら連続的に湿式処理する方法におい
て、2本の糸条を対ロール上に走行せしめ、糸条
がロールから離された後、最初に接触する1本目
のバーに2本の糸条を同一の側に接触させ、次い
で糸条がロールから離された後、2番目に接触す
る回転せぬよう固定した2本目のバーにはそのバ
ーを挾んで互いに反対周面に当接させて各糸条が
分離されて異つた走行路をとり、かつ、少くとも
上下ロールの周上とロールから離された後1本目
のバーに至る間とを走行する糸条は同一走行路を
走行せしめることを特徴とする湿式糸条処理方
法。 2 バーの直径が2mmφ〜30mmφの範囲のものを
用いる特許請求の範囲第1項に記載の湿式糸条処
理方法。 3 ゆつくり回転し、かつ軸線方向にゆつくり往
復運動するバーを用いる特許請求の範囲第1項に
記載の湿式糸条処理方法。 4 上ロール及び下ロールからなる対ロールを用
い、糸条をこの対ロールにラセン状に巻付けて進
行させながら連続的に湿式処理する装置におい
て、糸条がロールから離された後最初に接触する
直径が2mmφ〜30mmφの1本目のバーと糸条走行
方向のロールとの間に糸条がロールから離された
後2番目に接触する回転せぬよう固定された直径
が2mmφ〜30mmφの2本目のバーを設置し、かつ
該2本目のバーを、1本目のバーの片側周面を通
過した2本の糸条が2本目のバーの互いに反対の
周面にそれぞれ当接する位置に設置し、かつ該2
本目のバーの中心を、1本目のバーの中心が上下
ロールの共通外接線の内側にある場合は1本目の
バーと糸条走行方向のロールとの共通内接線上も
しくは該内接線からの距離が2本目のバーの半径
以内の位置に、また、1本目のバーの中心が上下
ロールの共通外接線の外側にある場合は1本目の
バーと糸条走行方向のロールとの共通外接線上も
しくは該外接線からの距離が2本目のバーの半径
以内の位置に設置することを特徴とする湿式糸条
処理装置。 5 1本目のバーがゆつくり回転し、かつ軸線方
向にゆつくりピストン運動する特許請求の範囲第
4項に記載の湿式糸条処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18657285A JPS6253411A (ja) | 1985-08-27 | 1985-08-27 | 湿式糸条処理方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18657285A JPS6253411A (ja) | 1985-08-27 | 1985-08-27 | 湿式糸条処理方法及びその装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6253411A JPS6253411A (ja) | 1987-03-09 |
| JPH0321644B2 true JPH0321644B2 (ja) | 1991-03-25 |
Family
ID=16190879
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18657285A Granted JPS6253411A (ja) | 1985-08-27 | 1985-08-27 | 湿式糸条処理方法及びその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6253411A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03130230U (ja) * | 1990-04-12 | 1991-12-27 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6010124B2 (ja) * | 1976-10-13 | 1985-03-15 | 旭化成株式会社 | ドラム式連続紡糸処理方法 |
| JPS59204907A (ja) * | 1983-05-02 | 1984-11-20 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 連続湿式紡糸方法及び装置 |
| JPS6010124A (ja) * | 1983-06-30 | 1985-01-19 | Teraoka Seiko Co Ltd | 組合せ秤における被計量物の集合ホツパ− |
-
1985
- 1985-08-27 JP JP18657285A patent/JPS6253411A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6253411A (ja) | 1987-03-09 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US2346696A (en) | Manufacture of rayon | |
| CN110872732B (zh) | 通过偏转而纺织长丝的方法和装置 | |
| CN113388903A (zh) | 用于化学纤维的湿法纺丝的紧凑的模块 | |
| US6067928A (en) | Filament guide assembly especially useful in combination with filament finish applicators | |
| US2356026A (en) | Reel | |
| US5034250A (en) | Method for reducing threadline breakage | |
| JPH0321644B2 (ja) | ||
| JPS622043B2 (ja) | ||
| US2440226A (en) | Method and apparatus for producing and stretching artificial yarn | |
| US4056240A (en) | Yarn guide | |
| US2788256A (en) | Method of spinning filamentary strands | |
| US4234312A (en) | Process and device for the continuous spinning of viscose rayon | |
| US2620258A (en) | Method for the manufacture of viscose rayon | |
| JPH0280609A (ja) | レーヨンフィラメントの連続製造方法およびその装置 | |
| US2780347A (en) | Apparatus for the treatment of thread | |
| US2439829A (en) | Method of producing artificial yarn | |
| US2677949A (en) | Thread wiper-guide for use in thread-spinning apparatus | |
| EP0552274B1 (en) | Improved yarn separation at start-up | |
| JP2004068198A (ja) | 糸状体の案内装置および案内方法 | |
| JPH0331805B2 (ja) | ||
| US4000960A (en) | Apparatus for manufacturing synthetic tow for stretch-cut spinning process | |
| US2618042A (en) | Method and apparatus for the handling of continuous materials | |
| JP2003328226A (ja) | 繊維、同繊維の製造装置及びその製造方法 | |
| JPS602402B2 (ja) | ビスコ−ス法再生繊維糸条の連続処理方法 | |
| JPS6010124B2 (ja) | ドラム式連続紡糸処理方法 |