JPH0328518B2 - - Google Patents

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JPH0328518B2
JPH0328518B2 JP21926384A JP21926384A JPH0328518B2 JP H0328518 B2 JPH0328518 B2 JP H0328518B2 JP 21926384 A JP21926384 A JP 21926384A JP 21926384 A JP21926384 A JP 21926384A JP H0328518 B2 JPH0328518 B2 JP H0328518B2
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Shingo Nomura
Hirohiko Sakai
Hidetoshi Nishimoto
Masatoshi Iwai
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は複層電気めつき鋼板に関し、さらに詳
しくは、裸耐蝕性、化成処理性、電着塗装性、塗
装後の耐水密着性、塗装後の耐蝕性、プレス加工
性、スポツト溶接性等に優れた複層電気めつき鋼
板に関するものである。 [従来技術] 最近になつて、自動車車体の腐蝕に対処するた
めに亜鉛系めつき鋼板が広く使用されており、特
に、Zn−Ni系合金電気めつき鋼板が工業的に生
産されるようになり、自動車用防錆鋼板として使
用されてきている。 そして、このZn−Ni系合金電気めつき鋼板は
塗装しない状態における耐蝕性(裸耐蝕性とい
う)が、従来の溶融亜鉛めつき、電気亜鉛めつ
き、合金化溶融亜鉛めつき等に比較して優れてい
るために、自動車部品としてのドア、フエンダ
ー、ロツカー、パネル等の袋構造部内側のように
塗料が廻り込まない部分の孔あき腐蝕
(pcrfolation)に効果を発揮している。 また、自動車外面の塗膜への種々の原因による
疵を基点とする塗膜面のかさぶた状の腐蝕
(scabcorrsion)に対処するために、いままでは、
冷間圧延鋼板が使用されていた自動車外面へめつ
きを施すことが検討され、部分的には施されてい
る。 このめつき鋼板の使用についてみると、めつき
鋼板は冷間圧延鋼板と同等の塗装特性を有するこ
とが要求されるが、Zn−Ni系合金電気めつき鋼
板は他の亜鉛系めつき鋼板と同様に、塗装特性、
例えば、燐酸塩処理性、塗膜耐水密着性、塗装後
の耐蝕性、カチオン電着塗装時のクレーター特性
等が冷間圧延鋼板に比較して劣つている。 このZn−Ni系合金めつき鋼板の塗装後の特性
を改良するために、本発明者はZn−Ni系合金電
気めつきの上に、Feめつき或いはZn含有量が
40wt%以下のFe−Zn系合金めつき層を施した二
層めつき鋼板を提案し、このZn−Fe/Zn−Ni系
二層めつき鋼板は、自動車用の3コート塗装を行
なつた後の耐水密着性および電着塗装後の塩水噴
霧試験により評価した塗装後の耐蝕性がZn−Ni
系合金めつきより優れている。 しかしながら、本発明者は上記に説明したZn
−Fe系合金めつき層を上層とし、Zn−Ni系合金
めつき層を下層とする二層めつき鋼板も自動車用
として適用しようとして、種々調査を行なつたと
ころ以下に説明するような欠点があることがわか
つた。 (1) Zn−Fe系合金めつきは、めつき表面にめつ
き時のめつき液の流れに沿つたムラが生成し易
く、このムラは塗装前処理として自動車用鋼板
に対し一般に実施されている燐酸亜鉛処理を行
なつた後でも色の濃淡として残り、甚しい場合
には、電着塗装を行なつた後でも表面が不均一
になることで残り、塗装外観を劣化させてい
る。このZn−Fe系合金めつきのムラ、表面不
均一はFe含有量が約80wt%以下の場合に著し
くなよ傾向がある。 (2) 塗装を行なつたこの二層めつき鋼板を、自動
車外板をシユミレートした塩水噴霧→湿湿潤→
乾燥のサイクル試験を実施すると塗膜に膨れが
生じていなのに疵の周囲の塗膜が剥離する現象
がみられ、この現象は塗膜に疵がつき、下地の
めつき層が露出した部分がアノードなり、この
疵の周囲の塗膜下のめつき層がカソードとなつ
て腐蝕反応が進行することにより、疵の周囲の
塗膜にアルカリが生成され、このアルカリが塗
膜と下地のめつき層との接着力を劣化させるた
めに起るのである。そして、この現象は、Zn
−Fe系合金めつき層の上層のFe含有量が約
80wt%以上で著しくなる傾向にあり、従つて、
(1)で説明しためつきのムラと上記に説明した塗
膜のカソード剥離との両方を、Zn−Fe系合金
めつき層の上層におけるFe含有量を調節する
ことでは解消することは不可能であり、他の何
等かの方法をとらざるを得ない。 (3) さらに、この二層めつき鋼板は従来の亜鉛系
めつき鋼板に比較して、カチオン電着塗装時の
クレーター特性が向上したが、冷間圧延鋼板と
比較するとやや劣る傾向にあり、めつき鋼板の
外使いの量が増加するにつれてクレーターは従
来に比べ発生し易くなることが懸念され、クレ
ーター特性の一層の向上が要求されるのであ
る。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記に説明したように、従来における
自動者用の鋼板として、種々のめつき鋼板が使用
されていたが未だ充分といえないこと、また、本
発明者の自動車用めつき鋼板に対する数々の知見
により、さらに、本発明者が鋭意研究の結果、耐
蝕性、加工性、溶接性、表面処理成、塗装性等の
特性の優れた、めつき層を三層構造とする複層電
気めつき鋼板を開発したのである。 [問題点を解決するための手段] 本発明に係る複層電気めつき鋼板の特徴とする
ところは、鋼板上にZn−Ni系合金めつき層を第
1層、Fe含有量60〜90wt%のZn−Fe系合金めつ
き層を第2層および付着量が0.1〜3g/m2でFe
含有量が60wt%未満のZn−Fe系合金めつき層を
最上層として設けたことにある。 なお、付着量5〜50g/m2でNi含有量が8〜
15wt%のZn−Ni系合金めつき層を第1層とする
こと、また、付着量1〜10g/m2でFe含有量が
70〜80wt%のZn−Fe合金系めつき層を第2層と
すること、さらに、付着量0.5〜2.0g/m2でFe含
有量が30〜55wt%のZn−Fe系合金めつき層を最
上層とすることもできる。 本発明に係る複層電気めつき鋼板について、以
下詳細に説明する。 先ず、Zn−Ni系合金めつき層の第1層、Fe含
有量60〜90wt%のZn−Fe系合金めつき層の第2
層および付着量が0.1〜3g/m2でFe含有量が
60wt%未満のZn−Fe系合金めつき層の最上層の
夫々について説明する。 (1) 第1層について。 この第1層としてのZn−Ni系合金めつき層
は、複合電気めつき鋼板の耐蝕性を発揮させる
層であり、この第1層をZn−Ni系合金めつき
層としたのは、同一めつき付着量で比較した場
合、裸耐蝕性、特に孔あき腐蝕に対する耐蝕性
が亜鉛系めつき中で最も優れているためであ
り、Ni含有量として8〜15wt%の範囲が裸耐
蝕性の点からみて好適であり、また、このZn
−Ni系合金めつき層に微量のFe、Co、Cr、
Mo等を含有させて裸耐蝕性をさらに向上させ
ることができる。 (2) 第2層について。 Zn−Ni系合金めつき層の第1層の上に、Fe
含有量60〜90wt%のZn−Fe系合金めつき層の
第2層を設けるが、この第2層は、Zn−Ni系
合金めつき層の第1層との相剰効果により、裸
使用の場合の孔あき耐蝕性を改良すると共に、
付着量が0.1〜3g/m2でFe含有量が60wt%未
満のZn−Fe系合金めつき層の第3層との相剰
効果によりカチオン電着塗装時のクレーター特
性、燐酸塩処理時のムラを制御するのに有効で
ある。 先ず、孔あき耐蝕性について説明すると、従
来下層にZn−Ni系、Zn−Fe系等の亜鉛系合金
めつき層と、その上層にFe含有量が約60wt%
以上のZn−Fe系合金めつきを有する場合には、
上層は塗装性を改良する層と考えられ、この層
における孔あき耐蝕性について考慮されていな
かつた。 これは、上層のZn含有量が40wt%以下であ
り、かつ、めつき付着量が4g/m2程度であつ
て、下層のZn−Ni系合金めつき層の典型的な
付着量である20〜40g/m2に比較して少ないた
め、上層が孔あき耐蝕性に効果があるとは考え
られなかつたためである。 しかし、本発明者が、Zn−Ni(13wt%)系
合金めつきの一層めつき鋼板(付着量30g/
m2)と、Zn−Fe系(80wt%)合金めつき層の
上層(付着量4g/m2)、Zn−Ni(13wt%)系
合金めつき層の下層(付着量26g/m2)の二層
めつき鋼板を、塩水噴霧(35℃×6Hr)→乾燥
(50℃×4Hr)→湿潤(50℃、相対湿度95%×
14Hr)の1サイクル24Hrの腐蝕試験を30サイ
クル実施したところ、Zn−Ni(13wt%)系合
金めつき層の一層めつき鋼板は板厚0.8mmを貫
通する孔あき腐蝕が生じたが、二層めつき鋼板
においては最大0.5mmの浸蝕しか生じていなか
つた。 この実験から明らかなように、Zn−Ni系合
金めつき層の上のZn−Fe系合金めつき層は、
Zn−Ni系合金めつき層との相乗効果によつて
孔あき耐蝕性の向上に貢献していることがわか
つた。 この原因は、Zn−Ni系合金めつき層が耐蝕
される場合は、Znが選択的に耐蝕され、噴霧
する食塩水中の電位は次第に貴な方向に移行
し、逐には素地の鋼板よりも貴となる、所謂、
電位の逆転現象が生じ、そのため、Zn−Ni系
合金めつき層一層めつき鋼板の場合は、腐蝕が
進行し、素地の鋼板が露出すると素地鋼板の促
進される可能性があるが、これに対し、Zn−
Ni合金系めつき層の上にZn−Fe系合金めつき
層がある二層めつき鋼板では、先ず、上層の
Zn−Fe系合金めつき層が耐蝕するが、下層の
Zn−Ni系合金めつき層が一部露出するとZn−
Ni系合金めつき層の方がZn−Fe系合金めつき
層より卑であるため、Zn−Ni系合金めつき層
が優先的に耐蝕するのでZn−Fe系合金めつき
層の腐蝕は抑制されるのである。 しかし、Zn−Ni系合金めつき層も腐蝕の進
行と共に貴となり、逐にはZn−Fe系合金めつ
き層の電位より貴とななり、Zn−Ni系合金め
つき層の腐蝕は抑制され、再び、Zn−Fe系合
金めつき層が腐蝕される。 このように、二層めつき鋼板の場合には、
Zn−Fe系合金めつき層の上層とZn−Ni系合金
めつき層の下層との間において、ガルバニツ
ク・アクシヨンが交互に発生している間は腐蝕
反応が停滞するため、めつき層の電位が鋼板の
電位と同一になるまでの時間が、Zn−Ni系合
金めつき層が一層のめつき鋼板に比較して長く
なる。 従つて、Zn−Fe系合金めつき層の上層とZn
−Ni系合金めつき層の下層とを有するめつき
鋼板は、Zn−Ni系合金層一層の鋼板よりも、
鋼板を犠牲陽極作用により保護している時間が
長く、その結果として、孔あき耐蝕性が良好と
なるものと推測される。 そして、上記の説明から明らかであるが、
Zn−Fe系合金めつき層の上層はZn−Ni系合金
めつき層の下層との電位の交互に移動するとい
うやりとり、即ち、相互作用により孔あき耐蝕
性を向上させるものであり、単なる塗装性改良
のためのものではない。 しかして、Zn−Fe系合金めつき層の孔あき
耐蝕性を向上させるのは、Fe含有量と密接な
関係があり、Fe含有量が60wt%以上において
Zn−Fe系合金めつき層の電位が貴なところで、
孔あき耐蝕性の効果が顕著であり、さらに、こ
のZn−Fe系合金めつき層は塗装後の塩水噴霧
試験による塗膜の膨れ防止、塗膜耐水密着性に
著しい効果があるが、これは、このめつき層が
燐酸塩処理において耐蝕性に好ましい
Phosphophyllite(Zn2Fe(PO42・4H2O)を主
体とする燐酸塩皮膜を生成するためであり、ま
た、Fe含有量が90wt%までは著しい塗膜のカ
ソード剥離が起らないのである。よつて、Fe
含有量は60〜90wt%とする。 このように、Fe含有量60〜90wt%のZn−Fe
系合金めつき層の第2層とZn−Ni系合金めつ
き層の第1層との相剰効果により孔あき耐蝕性
の改善には、この第2層の付着量が1〜10g/
m2であることが望ましく、付着量が1g/m2
満では孔あき耐蝕性の改善効果は少なく、ま
た、10g/m2を越える付着量ではこの効果が飽
和してしまい、かつ、電着応力の大きい第2層
が過大となるため第2層のめつき層の加工性が
劣化するようになる。 (3) 最上層めつき層について。 上記詳細に説明したように、Zn−Ni系合金
めつき層を第1層とし、Zn−Fe(60〜90wt%)
系合金めつき層を第2層とする鋼板を、自動車
用防錆鋼板として使用した場合には、燐酸塩処
理時の外観ムラ、カチオン電着塗装時のクレー
ター特性には依然として問題があり、この問題
を解決するために、付着量0.1〜3g/m2でFe
含有量60wt%未満のZn−Fe系合金めつき層の
最上層を上記説明したFe含有量60〜90wt%の
Zn−Fe系合金めつき層の第2層の上に設ける
ものであり、そのため、最上層と第2層との相
互作用により燐酸塩処理時の外観ムラを抑制
し、さらに、カチオン電着塗装時のクレーター
特性を向上させるのである。 この最上層の付着量とカチオン電着塗装時の
クレーター特性の関係について説明すると、一
般に、いままでは、カチオン電着塗装時のクレ
ーター発生の防止には、表層にFe含有量が
60wt%以上のZn−Fe系連続被覆層を設けるの
が有利とされていたが、本発明者は、このFe
含有量60wt%以上のZn−Fe系合金めつき層の
第2層の上に、さらに、最上層として、クレー
ター特性が劣るとされているFe含有量60wt%
未満のZn−Fe系合金めつき層を付着量0.1〜3
g/m2でめつき層を施し、燐酸塩処理およびカ
チオン電着塗装を行なつたところ、燐酸塩処理
後のムラが低減され、さらに、第1図に示すよ
うに、最上層のめつき付着量が0.1〜3.0g/m2
の範囲においてクレーター発生個数が極めて少
ないことがわかつた。そして、このクレーター
発生の減少は最上層のめつき付着量が0.5〜2.0
g/m2の範囲において特に著しいのである。な
お、電着塗装の条件は電圧250V、アノード対
カソードの面積比は25:1で、電圧は入槽後ス
テツプ的に付与した。 最上層のめつき層としては、Fe含有量が
60wt%未満のZn−Fe系合金めつきとする必要
があり、Fe含有量は少なくとも30wt%以上と
することが望ましい。 このような、最上層の現象、付着量およびFe
含有量等と燐酸塩処理時における最上層の作用お
よび/または効果について説明すると、燐酸塩処
理は一種の電気化学的反応であり、試料表面が燐
酸塩処理液に接触すると、表面の種々の不均一に
より局所アノードと局所カソードが形成され、局
所アノードでは試料が溶解し、局所カソードでは
水素が発生すると共に燐酸塩の核が形成され、こ
の核が成長して燐酸塩結晶となつて表面を覆うよ
うになる。 燐酸塩処理では、この反応初期における結晶核
の生成量が多い程、燐酸塩結晶が微細で均一とな
り好ましいとされ、従つて、表面のミクロな電位
的な不均一が多い程結晶は微細で均一なムラのな
いものとなり、最上層のZn−Fe系合金めつき層
は、表面のミクロな電位的不均一をもたらしたも
のといえる。 Zn−Fe(60wt%未満)系合金めつき層の最上
層における、例えば、Fe含有量30〜55wt%のZn
−Fe合金系めつき層の場合、α、Γ、δ1、η等
のZn−Fe系合金相のうち2種以上を含む混相と
なり、これら異相合金相は当然電位が異なるので
異相合金相の結晶間でアノード・カソード対を形
成し、燐酸塩皮膜は均一となる。 また、Zn−Fe(60wt%未満)系合金めつき層
の最上層の付着量が0.1〜3.0g/m2という微小付
着量では、一般に第2層表面は完全には被覆され
ず、部分的に第2層が露出していることがあり、
この第2層露出部と最上層との間のFe含有量の
差に基づく電位の差もアノード・カソード対を形
成し、燐酸塩皮膜の均一化、微細化に寄与する。
よつて、最上層の付着量が3.0g/m2を越えるよ
うに過大になると不都合なことおよび第2層の最
上層との相互作用が重要であることがわかる。 なお、燐酸塩処理時に局所アノードは溶解する
が、溶解量は通常1g/m2程度であるので最上層
の相当な部分および第2層の1部は溶解するもの
と考えられる。 そして、Zn−Fe(60〜90wt%)系合金めつき
層の第2層およびZn−Fe(60wt%未満)系合金
めつき層の最上層は、共にFeを含有しているの
で溶解したFeイオンは一部分は燐酸塩皮膜に加
えられてPhopshophylliteに転換され、この燐酸
塩皮膜中のPhopshophylliteの比率が高い程、塗
装後の耐蝕性、耐水密着性が良好であり、従つ
て、Fe含有量が第2層に比較して少ない最上層
の付着量が過大になることおよび最上層のFe含
有量が30wt%未満と過小になることは燐酸塩結
晶に加わるFeイオン量の減少となり、燐酸塩皮
膜のPhopshophyllite比率が減少することにもな
るので好ましくない。 なお、最上層の電着塗装時のクレーター発生の
抑制効果も、上記した燐酸塩結晶の微細化により
達成できるものである。 燐酸塩結晶は絶縁体であるが、燐酸塩結晶相互
の間に隙間があり、電着塗装時にはこの隙間(空
孔)を通じて電流が流れ、水素ガスが発生すると
共に塗料樹脂の付着が起り、そして、この隙間
(空孔)は燐酸塩結晶が微細化すると共に数は多
くはなるが、個々の空孔(隙間)の面積は減少
し、全体として隙間(空孔)の面積率は減少し、
水素発生のサイトが分散され、各サイトに流れる
電流も減少する。 また、クレーター発生の機構には、発生した水
素が塗膜中にとり込まれ焼付時の塗膜樹脂の流動
によつて、水素の逃げた後が補修されずクレータ
ーとして残るという説と、過剰な電流により水素
発生サイトの周辺の温度が上昇するため樹脂が変
質し、焼付け時の樹脂の流動の際、まわりの樹脂
をはじくことによりクレーターが発生するという
説があるが、これらの何れが正しいにせよ燐酸塩
結晶が微細化すると各水素発生サイトへの電流が
減少するのでクレーター発生は抑制される。 第2図に第1図の試料の燐酸塩処理後の空孔率
と平均結晶径を示すが、第1図でクレーター発生
が低減される最上層付着量0.1〜3.0g/m2の範囲
で空孔率は減少し結晶粒も微細化していることが
わかる。 なお、第2図と最上層との製法について説明す
ると、第2層、最上層は共にZn−Fe系合金めつ
きであり、Fe含有量が異なつており、Zn−Fe系
合金めつきのFe含有量を変える方法としては、
めつき浴ののZnイオンの比率、即ち、めつき浴
組成を変化させる方法以外に、陰極電流密度を変
化させる方法があるが、この電流密度制御法を使
用すれば第2層と最上層を同一組成のめつき浴で
めつきすることが可能となり装置を簡略化でき
る。 1例として、 硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O) 300g/ 硫酸亜鉛(ZnSO4・7H2O) 25g/ 硫酸アンモニウム(NH42SO4) 30g/ の組成のめつき浴を用い、浴温60℃、浴のPHPH
2.0の条件で、陰極電流密度30A/dm2とすると、
第2層めつき層に適したFe含有量75wt%のZn−
Fe系合金めつき層が製造でき、また、陰極電流
密度5A/dm2とすれば最上層めつき層に適した
Fe含有量50wt%のZn−Fe系合金めつき層が得ら
れる。なお、これ以外の従来から知られている
Zn−Fe系合金電気めつき法を使用してもよい。 [実施例] 本発明に係る被層電気めつき鋼板の実施例を説
明し、併せて比較例を説明する。 実施例 第1表に示す本発明に係る複層電気めつき鋼板
および比較例のめつき鋼板を電気めつき方法によ
り作製して、(1)裸材孔あき耐蝕性試験、(2)燐酸塩
処理皮膜の均一性、(3)カチオン電着塗装時のクレ
ーター特性、(4)塗膜の耐カソード剥離性、(5)塗膜
の耐水密着性の試験を行ない、その結果を第2表
に示す。 なお、めつき原板は全べて0.8mm厚さのアルミ
キルド冷間圧延鋼板を使用した。
【表】
【表】 (1) 裸材孔あき耐蝕性試験 めつきしたままの試片を端面、裏面をシール
した後、次の腐蝕サイクル試験を30サイクル実
施した。 塩水噴霧((35℃×6Hr)→乾燥(50℃×
4Hr)→湿潤(50℃×14Hr、相対湿度95%)
→塩水噴霧…[休日は終日湿潤としサイクルに
は数えない。] 試験後の試片は除錆し、最大浸蝕深さを測定
した。なお、めつきを行なわない0.8mm厚の冷
間圧延鋼板では腐蝕は20サイクルで裏面まで貫
通した。 評 価 最大浸蝕深さ 〇 0.4mm以下 △ 0.4〜0.8mm × 孔あき貫通(0.8mm) (2) 燐酸塩処理皮膜の均一性 市販の自動車用浸漬型燐酸亜鉛処理液を用
い、燐酸塩処理を行なつた後の外観を次の3段
階で評価した。 〇:均一で色ムラがない。 △:めつき液の流れに沿つた色ムラが少々認め
られる。 ×:ムラが著しい (3) カチオン電着塗装時のクレーター特性 燐酸塩処理後の試片にカチオン電着塗装を行
ない、表面に発生したクレーター状の欠陥の数
を測定した。クレーター発生個数が少ない程ク
レーター特性は良好である。なお、電着塗装は
電圧250V、アノードとカソードの面積比はア
ノード:カソード=25:1、電圧は試片を入槽
後ステツプ状に印加して実施した。 評 価 クレーターの数 〇 10個/dm2以下 △ 11〜100個/dm2 × 101固/dm2以上 (4) 塗膜の耐カソード剥離性 浸漬型燐酸塩処理→カチオン電着塗装→中上
塗の3コート塗装を行なつた試片に、グラベロ
メーターで塗膜にチツピング疵を与え、次の腐
蝕サイクル試験を30サイクル実施した。 塩水噴霧(35℃×2Hr)→乾燥(50℃×
8Hr)→湿潤(50℃×14Hr、相対湿度95%)
→塩水噴霧…[休日は終日湿潤としサイクルに
は数えない。] 試験後の試片はテーピング後塗膜剥離面積を
測定し、全面積に対する剥離面積率を測定し
た。ただし、チツピングの際、塗膜の剥離した
部分は塗膜剥離面積から除外した。 評 価 剥離面積率 〇 2%以下 △ 2〜20% × 20%以上 (5) 塗膜の耐水密着性 上記説明した(4)項と同一の3コート塗装を行
なつた試片を、脱イオン水中に40℃の温度で10
日間浸漬後、カツターナイフで2mm間隔の碁盤
目も100個切り、テーピング後残留した碁盤目
の数で評価した。 評 価 残留した碁盤目数 〇 100個 △ 99〜50個 × 50個以下 第2表から次のことがわかる。 実施例1〜7の本発明に係る複層電気めつき鋼
板は、最上層の付着量が0.1〜3g/m2の範囲内
であり(3)のクレーター特性が良好である。 比較例1の最上層がないもの、比較例2の最上
層付着量が過剰なものはカチオン電着塗装時のク
レーター特性が劣つている。 比較例3の第2層がないものは裸材の孔あき耐
蝕性、カチオン電着塗装時のクレーター特性が劣
つている。 比較例4の第2層のFe含有量が95wt%と多い
ものは塗膜の耐カソード剥離性が劣つている。 比較例5のZn−Ni系合金めつきの一層の鋼板
では裸材孔あき耐蝕性、カチオン電着塗装時のク
レーター特性および塗膜の耐水密着性が劣つてい
る。 なお、第2図における燐酸塩の空孔率は、燐酸
塩処理前後の鋼板を5%食塩水中で2mV/sec
の走査速度でカソード方向に分極し、自然電位−
200mVの電位における電流値を測定し、次式に
より計算した。 空孔率(%)={燐酸塩処理後の電流値(A/cm
2)}/{燐酸塩処理前の電流値(A/cm2)}×100 [発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る複層電気め
つき鋼板は上記の構成を有しているものであるか
ら、裸材孔あき耐蝕性、燐酸塩処理性、電着塗装
性、塗装後の耐蝕性等に優れており、自動車用の
材料として優れた防錆鋼板である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明に係る複層電気め
つき鋼板の最上層の付着量とクレーター発生数お
よび燐酸塩の空孔率を示した図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼板上にZn−Ni系合金めつき層を第1層、
    Fe含有量60〜90wt%のZn−Fe系合金めつき層を
    第2層および付着量が0.1〜3g/m2でFe含有量
    が60wt%未満のZn−Fe系合金めつき層を最上層
    としたことを特徴とする複層電気めつき鋼板。 2 付着量5〜50g/m2でNi含有量が8〜15wt
    %のZn−Ni系合金めつき層を第1層とすること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の複層電
    気めつき鋼板。 3 付着量1〜10g/m2でFe含有量が70〜80wt
    %のZn−Fe合金系めつき層を第2層とすること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項記載
    の複層電気めつき鋼板。 4 付着量0.5〜2.0g/m2でFe含有量が30〜55wt
    %のZn−Fe系合金めつき層を最上層とすること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項およ
    び第3項記載の複層電気めつき鋼板。
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