JPH0333838B2 - - Google Patents
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- JPH0333838B2 JPH0333838B2 JP16954081A JP16954081A JPH0333838B2 JP H0333838 B2 JPH0333838 B2 JP H0333838B2 JP 16954081 A JP16954081 A JP 16954081A JP 16954081 A JP16954081 A JP 16954081A JP H0333838 B2 JPH0333838 B2 JP H0333838B2
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Description
本発明は防火性と屈曲性に優れたシート状物、
その製造方法に関する。さらに詳しくは、イ)不
燃性繊維状物質80〜97重量%およびロ)バインダ
ー樹脂3〜20重量%からなる厚さが0.5〜25mmで
あり、みかけ密度が0.08〜0.4g/cm3のシート状物
であつて、a)該シート状物の層内の繊維状物質
のシート面に対する配向度が3〜30度であり、
b)該シート状物の中間層のバインダー量が2重
量%以上でかつ全層の平均値の0.25倍量以上であ
り、c)不燃性織状物質が架橋結合されているバ
インダー樹脂により接合されているシート状物、
該シート状物がさらに難燃材として(ハ)該バインダ
ー100重量部に対して5〜50重量部のアンチモン
化合物と10〜100重量部の芳香族臭素化合物とを
含有するシート状物、該シート状物を製造するに
好適な湿式抄造法による製造方法および該シート
状物からなる断熱工材に関するものであり、かか
るシート状物は防火性、耐火性、断熱性、防音
性、防露性、耐候性、機械的強度、折板加工性等
に優れた断熱材および建築資材であり、広く構築
物や各種のブランド類機器類に応用できるもので
ある。 近年省エネルギーの推進によつて、各種断熱材
が多くの分野で用いられてきているいる。断熱材
の中でも、ポリウレタンフオームやポリスチレン
フオームの如き有機質フオームは防火性能上大き
な欠点があり、火災の危険性のある建築物や機器
に対しては主としてガラス繊維やロツクウールな
どの無機質繊維を原料とする断熱材が用いられて
きている。しかしこれらの非常に軽量な無機質断
熱材は、一般にはノーバインダーか極く少量のフ
エノール樹脂を不均質に付着せしめているがため
に、断熱特性には優れるが非常に脆く、取扱い性
が悪く、たとえば折返屋根用断熱材のような激し
い取扱いを受ける個所には使用できない。したが
つて、このような激しい取扱いを受ける分野の断
熱材として無機質繊維を各種バインダーで接合し
た厚さ5〜25mm程度の適度の屈曲性を有するシー
ト状物を用いることも試みられてきた。しかし、
かかる従来のシート状物はいずれも乾式法と呼ば
れる製造方法で得られたシートであり、バインダ
ーが少量であつて無機質繊維表面を均一に覆うこ
とができなかつたり、シート状物の中間層のバイ
ンダーが欠除しているために、無機質繊維本来の
脆さを改良することはできず、たとえば折返屋根
用断熱材として使用される場合には、折返加工ロ
ールを通る過程で繊維が粉砕されてちぎれ、、該
用途に対しては不適当であつた。一方、無機質繊
維状物を湿式抄造法によつて板状もしくは紙状に
成形する技術は従来よりガラス紙、石綿紙、ロツ
クウール天井板、石綿スレート板等の分野で広く
用いられてきているが、従来の湿式抄造法で得ら
れる紙又はボードはいずれもバインダー量が少な
く、かつ比重が0.40以上であり、紙状のものは可
撓性はあるが、脆くてて屈曲性に乏しく、かつ薄
くて断熱性がない。一方ボード状のものは強度的
には優れるが可撓性がなく、脆くて前述のような
折板屋根用断熱材等としては使用できるものでは
ない。またかかる欠点を改良するために、例えば
特公昭49−43485号に記載されている特定の界面
活性剤を用いてロツクウーを分散して湿式抄造す
るシート状物の製造方法等も知られているが、分
散性を改良するのみではシート状物の基本的な性
質を大幅に改良することはできず、またパルパ
ー、ピーター等の従来のパルプ系原料を用いた製
紙工程と同様の解繊分散機を用いているために無
機質繊維の切断は避けられず、得られたシート状
物は紙様物の領域を出るものではなかつた。 本発明者等はかかる現状を鑑み、防火性に優れ
かつ激しい取扱いにも耐えうる断熱材を開発すべ
く鋭意検討を重ねた結果本発明に至つた。すなわ
ち本発明はイ)不燃性繊維状物質80〜97重量%お
よびロ)バインダー樹脂3〜20重量%からなる厚
さが0.5〜25mmであり、みかけ密度が0.08〜0.4g/
cm3のシート状物であつて、a)該シート状物の層
内の繊維状物質のシート面に対する配向度が3〜
30度であり、b)該シート状物の中間層のバイン
ダー量が2重量%以上でかつ全層の平均値の0.25
以上であるシート状物を以上であり、c)不燃性
繊維状物質が架橋結合されているバインダー樹脂
により接合されているシート状物該シート状物が
さらに難燃剤として(ハ)該バインダー100重量部に
対して5〜50重量部のアンチモン化合物と10〜
100重量部の芳香族臭素化合物とを含有するシー
ト状物、該シート状物を製造するに好適な湿式抄
造法による製造方法特に厚さが0.5〜25mmであり、
みかけ密度が0.08〜0.4g/cm3の範囲にあるシート
状物は断熱材として優れており、防火性、耐火
性、断熱性、防音性、耐候性、耐水性、防露性等
の建材および断熱材として要求されるすべての性
能を満足しうるものである。例えば該シート状物
は薄い金属板と、もしくは中間層にポリエチレン
フオーム等をはさんで薄い金属板と複合された後
に折板加工ローラーを通すことによつて、60度か
ら90度の角度に折曲げても表面の該シート状物は
何ら損傷することなく、かつ優れた厚さ復元力を
有しており、このような厳しい取扱い・加工にも
耐えるものであり、特に断熱折板構造屋根材の断
熱材、断熱材、下地材、防露材、防音材、耐火被
覆材として優れた性能を与えるものである。かか
るシート状物は以下に述べるような湿式抄造法に
より得ることができるが、本発明は上記の構造を
有するシート状物そのものに最大の要点があり、
下記の製造方法により得られるシート状物のみに
限定されるものではない。 以下本発明を具体的かつ詳細に述べる。 本発明に用いられる不燃性繊維状物質としては
石綿、ロツクウール、ガラス繊維、ケイ酸アルミ
質等のセラミツク繊維、アルミナ繊維、炭素繊維
等を挙げることができる。その他一般に500℃以
下では溶融もしくは燃焼せず、平均直径が0.1〜
20μmであり、平均繊維長が1〜30mm程度の繊維
状物質でればいかなる物質でも用いることができ
る。石綿ではできる限り繊維長の長いものが好ま
しい。ロツクウールは本発明の目的には最適の材
料であり、天然岩石及び鉱さい(スラグ)のいず
れを原料としたものでも用いることができる。粒
子の含有量の少ないものが好ましく、粒状綿もし
くは層状綿といわれる材料を出発原料とすること
ができる。ガラス繊維はチヨツプドストランドも
しくはグラスウールを出発原料として用いること
ができる。また本発明において特に防火性を低下
させない範囲内において、弾力性、屈曲性、皮膚
への刺激を緩和せしめる目的で不燃性繊維状物質
の一部を有機質繊維で代替することも可能であ
る。かかる有機質繊維としては、ビニロン、レー
ヨン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、塩
化ビニル、エステル等を原料としたものが使用で
きる。 本発明において無機質繊維の表面を被覆し、か
らみを助長して得られたシート状物の強度や弾性
回復力、加工性を増大させる目的で使用される熱
可塑性樹脂を主成分とするバインダーとしては水
に溶解もしくは分散可能な性状のものが好まし
く、水溶性高分子もしくはエマルジヨンまたはラ
テツクス状樹脂が好適である。水溶性高分子とし
ては例えばポリビニルアルコール系重合体、ポリ
アクリル酸系重合体、ポリエチレンオキサイド、
カルボキシメチルセルロース、カゼイン、澱粉等
を挙げることができ、広く合成及び天然の水溶性
高分子材料を用いることができる。エマルジヨン
またはラテツクス状樹脂としては、例えばエマル
ジヨンの形態を有するポリ酢酸ビニル及びその共
重合体、ポリ塩化ビニル及びその共重合体、ポリ
アクリル酸エステル及びその共重合体、ポリエチ
レン及びその共重合体、ポリウレタン系重合体等
を挙げることができ、又、エチレン−アクリル酸
塩共重合体等のハイドロゾルもこの範ちゆうに含
めることができる。 本発明において特に柔軟性、屈曲性を必要とす
る用途に供するためのシート状物を得る上におい
は、特に熱可塑性樹脂としてそのガラス転移点が
−50〜30℃の範囲内にある樹脂をバインダーとし
て用いることが好ましく、例えばエチレン−酢酸
ビニル共重合体、可塑化塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体等をを挙げることができる。ガラ
ス転移点の測定方法としては、例えばJISK7213
のねじり振子によるプラスチツクのせん断弾性率
及び力学的減衰の試験方法またはパイプロン等の
装置で測定することができ、弾性率の転移領域温
度もしくは力学的減衰のピーク温度で代表させる
ことが可能である。 本発明においては特に該熱可塑性樹脂を主成分
とするバインダーのシート状物中における厚さ方
向の分布が重要であり、前述のような特定の範囲
の分布を有する場合のみ折板加工等の激しい取扱
いにも耐えうる有効なシート状物となりうる。先
ず、表裏面スキン層は折板加工時のローラーでの
こすれや取扱い時の表面保護の面や、耐候性等の
上からも、内部層よりも若干バインダーが多いか
同等程度が好ましく、次に中間層のバインダー量
は折板加工時に無機質繊維が粉砕されない程度に
均一に無機質繊維上を被覆するに必要な量から下
限値が求まり、防火性能上より上限値が求まる。
すなわち、該シート状物の全層のバインダー量が
3〜20重量%好ましくは5〜15重量%の範囲にあ
り、中間層のバインダー量が2重量%以上でかつ
全量層の平均値の0.25倍量以上の比較的均質なバ
インダー分布を有しておれば上述の条件を満足し
うるものである。 本発明で述べてきたシート状物中のバインダー
量の測定方法としては、たとえば厚さ方向の分布
を求める場合は、拡げた或るシート状物Aの任意
の点を中心に直径20〜50mmの円柱状の試験体をい
くつか打抜き、次に各試験体を均等の厚さになる
ように面に平行にさらにn層(n=3〜8)に切
断した各層を層別に集めた後1〜nの番号を付け
る。ここで、1およびnは表面層に相当し、2−
n−1が中間層に相当する。かかる試料を室温の
デシケーター中で一昼夜放置した後夫々別の磁製
ルツボにに入れて550〜600℃の電気炉で30〜60分
間焼いた時の第m層の減量をAm重量%とし、同
じ方法で該バインダーを一切使用せずに作製した
シート状物Bに対しても同様にして求めた第m層
の減量をBmとした場合に、第m層のバインダー
量はXm=Am−Bmとして求めることができる。
シート状物中の有機質分がバインダーのみである
場合には便宜上Xm=Amとして求めてもよい。
シート状物全体のバインダー量は1〜nの平均値
で、中間層のバインダー量は2〜n−1の平均値
で求められる。 本発明において、シート状物の熱可塑性樹脂を
主成分とするバインダーの表面移行を防止し、所
定のバインダー分布になるようにコントロールし
たり、耐水・耐候性および強度を向上させる上で
は用いられる熱可塑性樹脂に対する適当な架橋剤
を用いることが重要な技術となり、場合によつて
はたとえば自己架橋型エマルジヨンや感熱凝固ラ
テツクスのように使用される熱可塑性樹脂自身が
ある条件下でで適当な架橋もしくは凝固作用を生
じて架橋剤を用いたと同等の働きをせしめること
もある。架橋剤の種類は使用される熱可塑性樹脂
に対応して選択されるべきであり、例えばポリビ
ニルアルコール系重合体に対してはイソシアネー
ト化合物、尿素化合物、ホウ酸およびその塩類、
ジルコニア化合物、チタン酸化合物等挙げること
ができ、ポリ酢酸ビニル系エマルジヨンやポリア
クリル酸エステル系エマルジヨンに対しては変性
ポリアミドイミドエポキシ樹脂やイソシアネート
系エマルジヨンを挙げることができる。架橋剤の
添加量はその効力に応じて適宜決定されるべきで
あり、一般には熱可塑性樹脂を主成分とするバイ
ンダーに対し、0.1〜30重量%の範囲内で使用さ
れる。添加時期は予め熱可塑性樹脂と混合めさせ
た水溶液としてシート状物に使用してもよく、ま
たシート状物に含浸させてもよい。 また本発明においては得られたシート状物の防
火性及び耐火性を著しく高めるために適当な難燃
剤を併用することが好ましい。特に本発明に適し
た優れた難効果を発揮できる化合物の組合せとし
ては、該バインダー100重量部に対して5〜500重
量部のアンチモン化合物と、10〜100重量部の芳
香族臭化合物の組合せが好ましく、該アンチモン
化合物と該芳香族臭素化合物との含有量の重量比
が1:1〜1:10の範囲にある組合せが好まし
い。該バインダー100重量部に対して、アンチモ
ン化合物50重量部、芳香族臭素化合物100重量部
を越えて添加すると難燃性はさらに向上するが屈
曲性が低下するために好ましくない。該アンチモ
ン化合物としては例えば三酸化アンチモン、五塩
化アンチモン、三塩化アンチモン、三硫化アンチ
モンのいずれかもしくはその混合物が挙げられ、
また該芳香族臭素化合物としては特に分解温度が
280℃以上であり、臭素含有量が50重量%以上の
化合物が好ましく、例えばテトラブロムベンゼ
ン、ペンタブロムメチルベンゼン、ヘキサブロム
ベンゼン、ヘキサブロロムジフエニルエーテル、
デカブロムジフエニルエーテル、テトラブロムビ
スフエノールA等の化合物もしくはその混合物を
挙げることができる。かかる難燃剤が配合された
シート状物において特にバインダー量が4〜8重
量%の範囲にあるシート状物は有機系のバインダ
ーを使用しているにもかかわらずシート状物単独
で昭和45年建設省告示第1828号に指定された試験
方法において「不燃材料」に合格しうる最高級レ
ベルの防火性を有し、かつ該シート状物を断熱材
とした折板屋根構造物は昭和44年建設省告示第
2999号に指定された試験方法で「屋根30分耐火」
に合格しうる最高級レベルの耐火性を有するもの
である。 本発明において、該シート状物中のバインダー
量およびその厚さ方向の分布と共に重要な要因は
該シート状物の層内の該繊維維状物貿のシート面
に対する配向度であり、3〜30度好ましくは5〜
15度の配向度を有することが必須条件である。本
発明でいう層内の繊維状物質の配向度とは次に示
す方法で測定することができる。所定の大きさの
該シート状物の表裏面を接着剤を用いて金属平板
と貼り合せる。次に上下の金属平板を夫々チヤツ
クでつかみ、一定速度でクロスヘツドを上昇させ
て試料を破断に導く通常の層間破断強度測定を行
なうことによつて該シート状物は層内の不燃性繊
維状物質の配向した層状界面より切断が生ずる。
ここに破断後の試験片の金属平板面と破断面とが
なす角度を測定することにより層内の繊維状物質
の配向度が求まる。本発明における配向度は該シ
ート状物のみかけ密度および断熱性、防火性、防
音性、防露性に対する重要な要因であり、従来技
術によつて得られた紙様シート状物にあつては該
配向度はほとんど0度であり、面方向のタテ、ヨ
コの強度は発現されるが層間の強度に乏しく、ま
た低みかけ密度のシート状物は得られ難い。また
ロツクウール層状綿を一定長に切断し、切断長が
厚さになるように切口をそろえて貼り合せた配管
用ブラケツト状断熱材も市販されているが、かか
る断熱材は該配向度が90度でみかけ密度は大幅に
低下し、屈曲性に富んでいるが非常に脆くて取扱
い性に欠ける。以上の理由により、前述の目的に
供するシート状物としては層内の繊維状物のシー
ト面に対する配向度が3〜30度好ましくは5〜15
度であることが要求され、かかる配向度を有する
シート状物は例えば後述の製造方法によつて得ら
れる。 本発明においてはさらに断熱材・建材等として
の性能を高める目的で、各種の染料、顔料等の着
色剤、防かび剤、撥水剤を添加もしくは塗布する
ことも可能である。さらには防火性能を高せる目
的で水酸化アルミニウム、二水石こう、ホウ砂、
炭酸カルシウム等のフイラーや、軽量化を目的と
してバーライト、シラスバルーン、発泡蛭石、中
空ガラス球、雲母等の軽量フイラーを添加しても
よい。 本発明においてはシート状物の強度や耐水性、
防火性、防湿性を高める目的で、シート状物の中
間層もしくは表面にシート状補強材を複合するこ
とも可能である。シート状補強材としては特に防
湿・防水性を要求される場合には各種フイルムや
金属箔等が好適であり、透湿性、吸湿性が要求さ
れる場合には布、紙、寒冷紗、不織布、網等の多
孔質材料が好適である。これらのシート状補強材
は抄造成形時に同時成形して複合することも可能
であり、また得られたシート状物に接着剤を界し
て複合せしめることも可能である。 つぎに本発明による防火性と屈曲性に優れたシ
ート状物の製造方法を具体的に説明する。まず一
定量の前述の不熱性繊維状物質および必要に応じ
て前述の有機質繊維や各種の添加剤、さらに前述
の水溶性熱可塑性樹脂もしくはエマルジヨンまた
はラテツクス状の熱可塑性樹脂を主成分とするバ
インダーを該熱可塑性樹脂の架橋剤もしくは高分
子凝集剤(ポリアクリルアミド系、ポリエチレン
イミン系、ポリアクリル酸ソーダ系等)と共に水
中に均一に分散溶解させてスラリー原液を調整す
る。この時点で分散効果を高めるために適宜界面
活性剤を加えてもよい。また、本発明においては
この時点でさらに脱水効率を高め、該シート状物
のバインダー量をコントロールする目的で泡安定
剤を用いることができる。この泡安定剤としては
一般にはノニオン系界面活性剤が有効であり、そ
の作用は、スラリー原液中に添加された水溶性熱
可塑性樹脂もしくはエマルジヨンまたはラテツク
ス状の熱可塑性樹脂の作用により該スラリー原液
は若干起泡してくるが、この気泡を均一微細化
し、減圧脱水時に繊維状物質間に適当な水膜を形
成せしめて空気の素抜けを防止し、脱水率を常に
一定に保つこことである。分散方法はチエスト等
での比較的ゆるやかな撹拌が好ましく、ピーター
等の装置で激しく打解すると繊維状物質が破断し
たり、球状の集合体を形成して好ましくない。該
不燃性繊維状物質および該バインダーの分散濃度
は共に0.1〜5重量%が好ましく、得られるシー
ト状物の使用目的によつて適宜選択されるべきで
ある。次に該スラリー原液をタンクから繊維状物
質が球状の集合体にならないような構造を有する
スラリー用ポンプで輸送するか、上部より落下さ
せる方法により抄造部へ導き、走行もしくは回転
する網状または多孔質状の基材の面と5〜60度好
ましくは20〜45度の角度を有する方向から供給し
て該基材上にシート状に抄造成形し、3〜30度の
配向度を有するウエツトマツトを作製する。この
時点で該基材面より濾水したバインダーを含む白
水は、脱水工程での白水と共にスラリー原液調整
槽へ戻されて再使用される。 得られた不燃性繊維状物質のウエツトマツトは
次に減圧法で脱水される。従来ロツクウール天井
材や石綿スレート板等の分野ではこの工程で(ロ
ーラー)プレスにかけられ、脱水と同時に厚薄精
度や表面平滑性もしくは表面模様を付与せしめて
いるが、本発明によるシート状物の製造において
はかかる(ローラー)プレス法では目的とする軽
量で屈曲性を有するシート状物が得られず、脱水
方法としては減圧脱水法が最適である。固形分に
対して約5〜8倍の水を含有する抄造後のウエツ
トマツトはマツト単独もしくは基材と共に減圧ゾ
ーンへ送られて片面もしくは両面より内部の水分
を吸引された後乾燥ゾーンへ送られる。脱水率を
高める乾燥工程は短縮できて経済的であるが、シ
ートがへたり、比重が増大するので最終的な含水
量は0.5〜2倍にとどめるのが好ましい。この工
程でシートのへたりを防止した上で脱水率を高め
るのに内部の微細な気泡が有効に働く。その理由
は繊維間にできた水膜が特定個所からの空気の吹
き抜けを防止するためであると考えられる。脱水
後のマツトは適当な方法で乾燥されてシート状物
となる。乾燥方法は熱風棚段方式、熱風吹付け方
式、熱ローラー接触方式等のいずれも採用するこ
とができ、乾燥温度は80〜200℃が適温である。 本発明において前述の難燃剤を添加する方法は
スラリー原液調整時に内添する方法や乾燥前に表
面にコートする方法も可能であるが、該スラリー
原液を供給し、抄造直前に難燃剤を添加剤を添加
混合して共に抄造成形する方法が最もバインダー
成分との分散が良好であり、難燃効果を高める上
では有効である。さらに本発明において必要に応
じてシート状物と複合されるシート状補強材との
複合方法については前述の通りである。 本発明によるシート状物は前にも述べた如く、
屈曲性、防火性、耐火性、断熱性、防露性、防音
性、制振性、耐熱性、耐水耐候性、クツシヨン性
等に優れており、このような特性を生かして土木
建築、機器プラント、家電家具、自動車および他
の車輌船舶およびその他の工業分野においても広
く利用できるものである。用途例の一例を挙げれ
ば、先ず土木建築の分野では防火・耐火性を生か
してビル等の鉄骨の耐火被覆、耐火壁の耐火目地
材として使用でき、断熱・防露性を特徴とした一
般の天井・壁・床空間の断熱材の他に前述の折板
屋根用断熱シート、側壁金属サイデング材の内貼
り材、温水プール、浴室等の水滴防止材としての
用途は本発明によるシート状物の特性を発揮でき
る分野であり、さらに防音・制振性を生かして駅
舎・ホール等の金属パネル・シエルターの内貼り
材、フラツシユ扉、金属雨戸、シヤツターの収納
ボツクス等の内貼り・裏貼り材、デツキプレー
ト、非常階段等の金属床の裏貼り材、防音パネル
の芯材等に使用でき、その他塩ビ系クツシヨンフ
ロアのバツクアツプ材、防火壁紙の裏打紙、屋
根・屋上のシーリング材の芯材等の用途に対して
も有効である。次に工場プラントの分野では断熱
性ゆ生かして各種ライン配管の断熱保冷材、各種
タンク類の防火断熱材として使用でき、防音・制
振性を生かした空調ダクトの裏打材、ラギング
材、空気輸送ラインダクトの裏打材、空調ダクト
ダンパーのクツシヨン材等の用途が挙げられる。
機器部品への応用としてはガス・オイルヒーター
のバルクアツプ材、空調機、温水ボイラーの吸音
断熱材、保冷庫・定温冷凍倉庫の断熱材の他防
音・制振性を生かして削岩機、ハンデイドリル、
チエインソー、リベツト等の制振材(白ろう病防
止)、ポンプ、エジエクター、ブロア、ボールミ
ル、ホツパー、サイクロン、オイルセパレータ
ー、コンプレツサー、ダスターシユート、振動ふ
るい、振動フイーダー、コンベア、鍛造機、プレ
ス、カツター、ドリル、圧延機、発電機等の各種
機器のハウジングおよびモーターカバー等の防
音・制振材、タイプライター、電算機のラインプ
リンター、穿孔機等一般事務機器のハウジング裏
打材等の用途例が挙げられる。家電・家具の分野
では耐火性を生かして風呂釜のシール材、断熱・
耐熱性を生かしたオーブン、レンジ等の調理器、
アイロン、自動販売機等の断熱材、およびスステ
レンス流台、風呂の防露・防音用裏打材、さらに
防音・制振性を生かして冷蔵庫、エアコン、クー
ラー、皿洗機等のハウジングおよび配管、モータ
ーカバーの内貼り材、机、キヤビネツト、ロツカ
ー等のスチール家具の裏貼り材、オーデイオ製品
の制振材としての用途もあり、また含浸加工によ
りガス器具のパツキング材、シール材としても使
用できる。自動車の分野では車体天井の断熱材、
エンジンルームと運転席との隔壁の断熱吸音材、
排気管の防音材、ドアの防音・制振内貼り材、エ
ンジンロツカーカバー、エンジンエンクロージヤ
ー板内貼り材、オイルパン、ガソリンタンクの防
火・断熱防振内貼り材、トランクルーム、カウル
インナー、フロントフードのエンジン部の防音内
貼り材、フロアの防音・防水マツト、エアクリー
ナーのフイルターの他に含浸加工によりブレーキ
ライニング、クラツチフエーシング、ガスケツト
としての使用も可能である。その他大型車輌、船
舶の分野ではエンジンカバーの内貼り材、温清
水、燃料油等のライン配管の断熱材、居住区の防
熱・防露・防音材、冷凍車の保冷庫の断熱材、地
下鉄等の側壁、天井の吸音材、モーターボード、
漁船等のエンジンルームの防音材、電車、地下鉄
等の車輪部シエルターの防音材、デツキの防音・
防錆裏打材等の用途が挙げられる。その他平炉、
転炉、電気炉等の落しぶた、鋳型の目地材、航空
機のジエツトエンジンまわりの防音・制振材とし
ての使用も可能である。以上述べてきた用途例は
いずれも本発明によるシート状物単独での使用例
であるが、さらに従来から多く使用されているポ
リエチレンフオーム、ポリスチレンフオーム、ポ
リウレタンフオーム等の有機発泡断熱材の表面材
として使用する場合には、該有機発泡体の欠点で
ある可燃性を改良し、適当な組合せによつては不
燃材料としての取扱いも可能であり、その用途は
大幅に広がるものである。 本発明によるシート状物の防火性能はシート単
独もしくは薄い金属板との複合物にした場合で
も、昭和45年建設省告示第1828号及び昭和51年建
設省告示第1231号に指定された試験方法において
「不燃材料」に合格しうる性能を有している。一
方、耐火性能については、該シート状物を断熱材
として使用した折板構造屋根は昭和44年建設省告
示第2999号に指定された試験方法で「屋根30分耐
火」に合格しうる性能を有している。該シート状
物の熱伝導率は0.025〜0.06Kcal/mh℃であり、
優れた断熱性能を有している。したがつて、本発
明のシート状物を上述の種々の断熱材として用い
ることはとくに効果的である。また該シート状物
の吸音率は10mmの厚さのもので、1000Hzに音に対
して約0.6、25mmの厚さのもので約0.8であり、優
れた吸音性能をも有している。該ート状物の耐候
性については、ウエザー促進試験において500時
間連続照射しても外観及び厚さの変化は殆んどな
く、約3分の1の厚さに減少してしまう従来のガ
ラスウールやロツクウール断熱材に比べて非常に
優れている。このよ本発明によるシート状物は建
材、断熱材として要求されるあらゆる性能を満足
するものであり、以上述べてきた用途以外にも広
く使用できるものである。 以下実施例により本発明を具体的に説明するが
これらの実施例により本発明は何等限定されるも
のではない。実施例中、特に断わない限り「部」
は全て重量部を意味する。 実施例 1 水18000部に熱可塑性樹脂としてカルボキシル
変成エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジヨン
(ガラス転移点−10℃、固形分50重量%)108部、
架橋剤として特殊ポリアミドエピクロルヒドリン
樹脂液(固形分30重量%)25部、泡安定剤として
ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテルよ
りなるノニオン系界面活性剤溶液(濃度10重量
%)5部、凝集剤としてポリアクリルアミド溶液
(濃度0.2重量%)15部を添加溶解させ、さらにロ
ツクウール粒状綿180部を添加し、ゆるやかに30
分間撹拌して分散せしめ、スラリー原液を調整し
た。続いてスラリー原液を溶積型ロータリーポン
プを用いて一定量ずつ抄造部へ輸送し、斜めに走
行する50メツシユのステンレス製金網に対して30
度の角度をつけて設けられた滑り台状のガイド板
に導かれて流下せしめ、金網上に抄造した。大過
剰の白水がほとんどは金網下へ濾水した後、エツ
トマツトは所定の間隙を有する2本のローラーの
間を通つて表面平滑性および厚薄むらを整えら
れ、さらに減圧脱水ゾーンに送られて含水率100
重量%(乾燥後シートベース)になるまで脱水さ
れた。最後に150℃の熱風で両面より20分間乾燥
することにより、厚さ5.3mm、みかけ密度0.16g/
cm3のシート状物を得た。本シート状物は平均バイ
ンダー量8.4重量%で、第1表に示すような非常
に均一な厚さ方向のバインダー分布を有してい
る。層内の繊維状物質の配向度は14度であつた。
本シート状物のJISA1412による25℃における熱
伝率測定結果は0.034Kcal/mh℃であり、
JISA1409による1000Hzの吸音率は0.35であつて、
断熱材、防音材として優れた性質を有している。
長尺の本シート状物をクロロプレン系接着剤(固
形分23重量%、塗布量150g/m2)を用いて、ラ
ミネーターにて0.6mmの厚さのカラー鉄板と連続
的に機械貼りし、接着が完了後ローラー型折板機
を用いてルーフ500型(働き幅500mm、山高150mm
mm)に折板加工した。折板加工性は良好であり、
コーナー部の切れ、むしられ等は無く、ローラー
に当つた個所の弾性回復性も良好で、屋根材とし
て外観上全く問題は無かつた。またJISA1415に
よる耐候性促進試験500時間後でも外観上の変化
は全く無かつた。本複合物は昭和45年建設省告示
第1828号に規定する防火性能試験において、表面
試験でのtdθは0、CAは13.1、基材試験での温度
差は−24℃であつて不燃に合格するものと認めら
れた。 実施例 2 水18000部のスチレン−アクリル酸エステル共
重合体系エマルジヨン(ガラス転移点−6℃、固
形分45重量%)150部、実施例1で用いた架橋剤
45部および実施例1で用いた泡安定剤と凝集剤を
実施例1と同量添加溶解させ、さらにロツクウー
ル粒状綿135部およびカツト長13mmのガラスチヨ
ツプドストランド15部を添加し、実施例1と同様
にスラリー原液を調整した。続いて実施例1と同
一の装置を用いて走行するステンレス金網に対し
て45度の角度よりスラリー原液を流下せしめ、シ
ート状に成形した。ただし本試験では、ガイド板
上で難燃剤である三酸化アンチモンとペンタプロ
ムメチルベンゼン(分解温度370℃以上、臭素含
有量82重量%)の重量比1:2の混合粉体を
60g/m2の割合で均一に添加した。しかる後の工
程は実施例1と同様に処理し、厚さ9.8mm、みか
け密度0.14g/cm3のシート状物を得た。本シート
状物の平均バインダー量は7.6重量%であり、第
1表に示すようにな均一な厚さ方向のバインダー
分布を有している。層内の繊維状物質の配向度は
23度であり、熱伝導率は0,032Kcal/mh℃、
1000Hzにおける吸音率は0.68であつた。本シート
状物は前述の防火性能試験においてシート単独で
表面試験でのtdθは0、CAは9.5、基材試験での
温度差は41℃でああつて不燃に合格するものと認
められた。 比較例 1 実施例1と全く同様にスラリー原液を調整した
のち、該スラリー原液を通常の長網式抄造機に送
り、水平に走行する金網の真上よりスラリー原液
を落下させ、90度の角度にて抄造した。抄造後の
ウエツトマツトは表面平滑性が非常に悪く、一定
厚さのシート状物にするには何度もローラー間を
通す必要があり、シート密度は上昇した。また繊
維状物質のむらが多くて脱水効率が悪く、得られ
たシート状物のバインダー量は多くなつた。乾燥
後のシート状物の厚さは3.2mm、みかけ密度は
0.35であり、平均バインダー量は21.5重量%であ
つた。第1表に示すようにバインダー分布は比較
的均一であるが、層内の繊維状物質の配向度は0
で、バインダー量が多いにもかかわらずゴワゴワ
した感じであり、実施例1と同様にに0.60mmの厚
さのカラー鉄板と複合後折板加工試験を行なつた
ところ、シシート状物に割れが生じた。また前述
の防火性能試験ではシート単独もしくは鋼板複合
の場合でも不燃には合格できず、熱伝導率も
0.069Kcal/mh℃となり、表面荒れが激しくて外
観も悪いので折板鋼板屋根用断熱材としては適さ
なかつた。 比較例 2 ロツクウール粒状綿200部を水5000部中に完全
けん化ポリビニルアルコール(濃度10重量%)
200部、コーンスターチ(濃度10重量%)200部お
よびカチオン性ノニオン活性剤2.0部と共に均一
分散させ、スラリー原液を調整した。このスラリ
ー原液から比較例1と同様にウエツトマツトを抄
造し、さららにこのマツトを減圧脱水と同時にロ
ーラープレスにても脱水した後同様に熱風乾燥し
て厚さ7.5mm、みかけ密度0.40g/cm2のシート状物
を得た。該シート状物は従来のロツクウール天井
板と同様の製造で得られたものであるが、シート
中でバインダーの架橋化が行われないために乾燥
時のバインダーの表面移行が激しく、第1表に示
すような不均一なバインダー分布を有している。
また層内の繊維状物質の配向度は0であり、硬く
て層間強度が弱く、折板加工ローラーによる折曲
げ時には表面が割れたり、層間剥離が生じたりし
て折板用断熱材としては不適当であつた。 比較例 3 水10000部にロツクウール粒状綿100部をジオキ
シエチレンステアリルアミミン系のカチオン性界
面活性剤(濃度10重量%)3部と共に添加し、ピ
ーターにて30秒間打解分散せしめた後、実施例1
で用いた架橋剤をここでは定着剤として10部添加
して撹拌し、さらにポリ酢酸ビニル樹脂エマルジ
ヨン(ガラス転移点35℃、固形分45重量%)60部
を添加して充分撹拌し、スラリー原液を調整し
た。該スラリー原液を比較例1と同様に抄造、脱
水・乾燥し、厚さ1.7mm、みかけ密度0.49g/cm2の
シート状物を得た。該シート状物は公知の特公昭
49−43485号に準じて作製したものであるが、カ
チオン性界面活性剤を用いたために分散は良好で
あり、そのためにみかけ密度は大きくなるという
欠点を有している。またピーターによる打解のた
めに繊維状物質の切断はまぬがれ得ず、繊維状物
質のからみ合のいがなくなり、さらに通常の長網
抄造法によるために層内の繊維状物質の配向度は
0となり、かかる原因で得られたシート状物は紙
様の固くて脆い材料となつた。該シート状物を実
施例1と同様に折板加工試験を行なつたところ、
シート状物にクラツクが生じ、同目的に対しては
不適当であつた。以上のことより特公昭49−
43485号により得られるシート状物は層内の繊維
状物質の配向度等が適当でなく、本発明で目的と
するシート状物は公知の製造方法では得られな
い。 比較例 4 解繊されたカナダ産クリソタイルアスベスト
(3クラス)を連続的に落下させる途中で、1号
けい酸ソーダ水溶液(濃度40重量%)をアスベス
ト100部に対して25部の割合いになるように一定
量ずつ散布し、マツトを形成させた後ローラプレ
スにかけて均質なウエツトマツトにした。さらに
このエトマツトを160℃の熱風乾燥機にて約40分
間乾燥して厚さ5.0mm、みかけ密度0.09g/cm3のシ
ート状物を得た。該シート状物は無機質バインダ
ーを用いているために、前述の方法でのバインダ
ー分布の測定は不可能であるが、バインダーの表
面移行が激しく、ゴワゴワした感じであり、折板
加工時にはシートがむしられる等のトラブルが生
じた。また耐候性も悪く、ウエザー促進試験200
時間後にはシートがほぐれて散乱してしまつた。
以上のことより、該比較例で得られたシート状物
は建材や断熱材としての特性は本発明によるシー
ト状物よりも劣つている。
その製造方法に関する。さらに詳しくは、イ)不
燃性繊維状物質80〜97重量%およびロ)バインダ
ー樹脂3〜20重量%からなる厚さが0.5〜25mmで
あり、みかけ密度が0.08〜0.4g/cm3のシート状物
であつて、a)該シート状物の層内の繊維状物質
のシート面に対する配向度が3〜30度であり、
b)該シート状物の中間層のバインダー量が2重
量%以上でかつ全層の平均値の0.25倍量以上であ
り、c)不燃性織状物質が架橋結合されているバ
インダー樹脂により接合されているシート状物、
該シート状物がさらに難燃材として(ハ)該バインダ
ー100重量部に対して5〜50重量部のアンチモン
化合物と10〜100重量部の芳香族臭素化合物とを
含有するシート状物、該シート状物を製造するに
好適な湿式抄造法による製造方法および該シート
状物からなる断熱工材に関するものであり、かか
るシート状物は防火性、耐火性、断熱性、防音
性、防露性、耐候性、機械的強度、折板加工性等
に優れた断熱材および建築資材であり、広く構築
物や各種のブランド類機器類に応用できるもので
ある。 近年省エネルギーの推進によつて、各種断熱材
が多くの分野で用いられてきているいる。断熱材
の中でも、ポリウレタンフオームやポリスチレン
フオームの如き有機質フオームは防火性能上大き
な欠点があり、火災の危険性のある建築物や機器
に対しては主としてガラス繊維やロツクウールな
どの無機質繊維を原料とする断熱材が用いられて
きている。しかしこれらの非常に軽量な無機質断
熱材は、一般にはノーバインダーか極く少量のフ
エノール樹脂を不均質に付着せしめているがため
に、断熱特性には優れるが非常に脆く、取扱い性
が悪く、たとえば折返屋根用断熱材のような激し
い取扱いを受ける個所には使用できない。したが
つて、このような激しい取扱いを受ける分野の断
熱材として無機質繊維を各種バインダーで接合し
た厚さ5〜25mm程度の適度の屈曲性を有するシー
ト状物を用いることも試みられてきた。しかし、
かかる従来のシート状物はいずれも乾式法と呼ば
れる製造方法で得られたシートであり、バインダ
ーが少量であつて無機質繊維表面を均一に覆うこ
とができなかつたり、シート状物の中間層のバイ
ンダーが欠除しているために、無機質繊維本来の
脆さを改良することはできず、たとえば折返屋根
用断熱材として使用される場合には、折返加工ロ
ールを通る過程で繊維が粉砕されてちぎれ、、該
用途に対しては不適当であつた。一方、無機質繊
維状物を湿式抄造法によつて板状もしくは紙状に
成形する技術は従来よりガラス紙、石綿紙、ロツ
クウール天井板、石綿スレート板等の分野で広く
用いられてきているが、従来の湿式抄造法で得ら
れる紙又はボードはいずれもバインダー量が少な
く、かつ比重が0.40以上であり、紙状のものは可
撓性はあるが、脆くてて屈曲性に乏しく、かつ薄
くて断熱性がない。一方ボード状のものは強度的
には優れるが可撓性がなく、脆くて前述のような
折板屋根用断熱材等としては使用できるものでは
ない。またかかる欠点を改良するために、例えば
特公昭49−43485号に記載されている特定の界面
活性剤を用いてロツクウーを分散して湿式抄造す
るシート状物の製造方法等も知られているが、分
散性を改良するのみではシート状物の基本的な性
質を大幅に改良することはできず、またパルパ
ー、ピーター等の従来のパルプ系原料を用いた製
紙工程と同様の解繊分散機を用いているために無
機質繊維の切断は避けられず、得られたシート状
物は紙様物の領域を出るものではなかつた。 本発明者等はかかる現状を鑑み、防火性に優れ
かつ激しい取扱いにも耐えうる断熱材を開発すべ
く鋭意検討を重ねた結果本発明に至つた。すなわ
ち本発明はイ)不燃性繊維状物質80〜97重量%お
よびロ)バインダー樹脂3〜20重量%からなる厚
さが0.5〜25mmであり、みかけ密度が0.08〜0.4g/
cm3のシート状物であつて、a)該シート状物の層
内の繊維状物質のシート面に対する配向度が3〜
30度であり、b)該シート状物の中間層のバイン
ダー量が2重量%以上でかつ全層の平均値の0.25
以上であるシート状物を以上であり、c)不燃性
繊維状物質が架橋結合されているバインダー樹脂
により接合されているシート状物該シート状物が
さらに難燃剤として(ハ)該バインダー100重量部に
対して5〜50重量部のアンチモン化合物と10〜
100重量部の芳香族臭素化合物とを含有するシー
ト状物、該シート状物を製造するに好適な湿式抄
造法による製造方法特に厚さが0.5〜25mmであり、
みかけ密度が0.08〜0.4g/cm3の範囲にあるシート
状物は断熱材として優れており、防火性、耐火
性、断熱性、防音性、耐候性、耐水性、防露性等
の建材および断熱材として要求されるすべての性
能を満足しうるものである。例えば該シート状物
は薄い金属板と、もしくは中間層にポリエチレン
フオーム等をはさんで薄い金属板と複合された後
に折板加工ローラーを通すことによつて、60度か
ら90度の角度に折曲げても表面の該シート状物は
何ら損傷することなく、かつ優れた厚さ復元力を
有しており、このような厳しい取扱い・加工にも
耐えるものであり、特に断熱折板構造屋根材の断
熱材、断熱材、下地材、防露材、防音材、耐火被
覆材として優れた性能を与えるものである。かか
るシート状物は以下に述べるような湿式抄造法に
より得ることができるが、本発明は上記の構造を
有するシート状物そのものに最大の要点があり、
下記の製造方法により得られるシート状物のみに
限定されるものではない。 以下本発明を具体的かつ詳細に述べる。 本発明に用いられる不燃性繊維状物質としては
石綿、ロツクウール、ガラス繊維、ケイ酸アルミ
質等のセラミツク繊維、アルミナ繊維、炭素繊維
等を挙げることができる。その他一般に500℃以
下では溶融もしくは燃焼せず、平均直径が0.1〜
20μmであり、平均繊維長が1〜30mm程度の繊維
状物質でればいかなる物質でも用いることができ
る。石綿ではできる限り繊維長の長いものが好ま
しい。ロツクウールは本発明の目的には最適の材
料であり、天然岩石及び鉱さい(スラグ)のいず
れを原料としたものでも用いることができる。粒
子の含有量の少ないものが好ましく、粒状綿もし
くは層状綿といわれる材料を出発原料とすること
ができる。ガラス繊維はチヨツプドストランドも
しくはグラスウールを出発原料として用いること
ができる。また本発明において特に防火性を低下
させない範囲内において、弾力性、屈曲性、皮膚
への刺激を緩和せしめる目的で不燃性繊維状物質
の一部を有機質繊維で代替することも可能であ
る。かかる有機質繊維としては、ビニロン、レー
ヨン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、塩
化ビニル、エステル等を原料としたものが使用で
きる。 本発明において無機質繊維の表面を被覆し、か
らみを助長して得られたシート状物の強度や弾性
回復力、加工性を増大させる目的で使用される熱
可塑性樹脂を主成分とするバインダーとしては水
に溶解もしくは分散可能な性状のものが好まし
く、水溶性高分子もしくはエマルジヨンまたはラ
テツクス状樹脂が好適である。水溶性高分子とし
ては例えばポリビニルアルコール系重合体、ポリ
アクリル酸系重合体、ポリエチレンオキサイド、
カルボキシメチルセルロース、カゼイン、澱粉等
を挙げることができ、広く合成及び天然の水溶性
高分子材料を用いることができる。エマルジヨン
またはラテツクス状樹脂としては、例えばエマル
ジヨンの形態を有するポリ酢酸ビニル及びその共
重合体、ポリ塩化ビニル及びその共重合体、ポリ
アクリル酸エステル及びその共重合体、ポリエチ
レン及びその共重合体、ポリウレタン系重合体等
を挙げることができ、又、エチレン−アクリル酸
塩共重合体等のハイドロゾルもこの範ちゆうに含
めることができる。 本発明において特に柔軟性、屈曲性を必要とす
る用途に供するためのシート状物を得る上におい
は、特に熱可塑性樹脂としてそのガラス転移点が
−50〜30℃の範囲内にある樹脂をバインダーとし
て用いることが好ましく、例えばエチレン−酢酸
ビニル共重合体、可塑化塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体等をを挙げることができる。ガラ
ス転移点の測定方法としては、例えばJISK7213
のねじり振子によるプラスチツクのせん断弾性率
及び力学的減衰の試験方法またはパイプロン等の
装置で測定することができ、弾性率の転移領域温
度もしくは力学的減衰のピーク温度で代表させる
ことが可能である。 本発明においては特に該熱可塑性樹脂を主成分
とするバインダーのシート状物中における厚さ方
向の分布が重要であり、前述のような特定の範囲
の分布を有する場合のみ折板加工等の激しい取扱
いにも耐えうる有効なシート状物となりうる。先
ず、表裏面スキン層は折板加工時のローラーでの
こすれや取扱い時の表面保護の面や、耐候性等の
上からも、内部層よりも若干バインダーが多いか
同等程度が好ましく、次に中間層のバインダー量
は折板加工時に無機質繊維が粉砕されない程度に
均一に無機質繊維上を被覆するに必要な量から下
限値が求まり、防火性能上より上限値が求まる。
すなわち、該シート状物の全層のバインダー量が
3〜20重量%好ましくは5〜15重量%の範囲にあ
り、中間層のバインダー量が2重量%以上でかつ
全量層の平均値の0.25倍量以上の比較的均質なバ
インダー分布を有しておれば上述の条件を満足し
うるものである。 本発明で述べてきたシート状物中のバインダー
量の測定方法としては、たとえば厚さ方向の分布
を求める場合は、拡げた或るシート状物Aの任意
の点を中心に直径20〜50mmの円柱状の試験体をい
くつか打抜き、次に各試験体を均等の厚さになる
ように面に平行にさらにn層(n=3〜8)に切
断した各層を層別に集めた後1〜nの番号を付け
る。ここで、1およびnは表面層に相当し、2−
n−1が中間層に相当する。かかる試料を室温の
デシケーター中で一昼夜放置した後夫々別の磁製
ルツボにに入れて550〜600℃の電気炉で30〜60分
間焼いた時の第m層の減量をAm重量%とし、同
じ方法で該バインダーを一切使用せずに作製した
シート状物Bに対しても同様にして求めた第m層
の減量をBmとした場合に、第m層のバインダー
量はXm=Am−Bmとして求めることができる。
シート状物中の有機質分がバインダーのみである
場合には便宜上Xm=Amとして求めてもよい。
シート状物全体のバインダー量は1〜nの平均値
で、中間層のバインダー量は2〜n−1の平均値
で求められる。 本発明において、シート状物の熱可塑性樹脂を
主成分とするバインダーの表面移行を防止し、所
定のバインダー分布になるようにコントロールし
たり、耐水・耐候性および強度を向上させる上で
は用いられる熱可塑性樹脂に対する適当な架橋剤
を用いることが重要な技術となり、場合によつて
はたとえば自己架橋型エマルジヨンや感熱凝固ラ
テツクスのように使用される熱可塑性樹脂自身が
ある条件下でで適当な架橋もしくは凝固作用を生
じて架橋剤を用いたと同等の働きをせしめること
もある。架橋剤の種類は使用される熱可塑性樹脂
に対応して選択されるべきであり、例えばポリビ
ニルアルコール系重合体に対してはイソシアネー
ト化合物、尿素化合物、ホウ酸およびその塩類、
ジルコニア化合物、チタン酸化合物等挙げること
ができ、ポリ酢酸ビニル系エマルジヨンやポリア
クリル酸エステル系エマルジヨンに対しては変性
ポリアミドイミドエポキシ樹脂やイソシアネート
系エマルジヨンを挙げることができる。架橋剤の
添加量はその効力に応じて適宜決定されるべきで
あり、一般には熱可塑性樹脂を主成分とするバイ
ンダーに対し、0.1〜30重量%の範囲内で使用さ
れる。添加時期は予め熱可塑性樹脂と混合めさせ
た水溶液としてシート状物に使用してもよく、ま
たシート状物に含浸させてもよい。 また本発明においては得られたシート状物の防
火性及び耐火性を著しく高めるために適当な難燃
剤を併用することが好ましい。特に本発明に適し
た優れた難効果を発揮できる化合物の組合せとし
ては、該バインダー100重量部に対して5〜500重
量部のアンチモン化合物と、10〜100重量部の芳
香族臭化合物の組合せが好ましく、該アンチモン
化合物と該芳香族臭素化合物との含有量の重量比
が1:1〜1:10の範囲にある組合せが好まし
い。該バインダー100重量部に対して、アンチモ
ン化合物50重量部、芳香族臭素化合物100重量部
を越えて添加すると難燃性はさらに向上するが屈
曲性が低下するために好ましくない。該アンチモ
ン化合物としては例えば三酸化アンチモン、五塩
化アンチモン、三塩化アンチモン、三硫化アンチ
モンのいずれかもしくはその混合物が挙げられ、
また該芳香族臭素化合物としては特に分解温度が
280℃以上であり、臭素含有量が50重量%以上の
化合物が好ましく、例えばテトラブロムベンゼ
ン、ペンタブロムメチルベンゼン、ヘキサブロム
ベンゼン、ヘキサブロロムジフエニルエーテル、
デカブロムジフエニルエーテル、テトラブロムビ
スフエノールA等の化合物もしくはその混合物を
挙げることができる。かかる難燃剤が配合された
シート状物において特にバインダー量が4〜8重
量%の範囲にあるシート状物は有機系のバインダ
ーを使用しているにもかかわらずシート状物単独
で昭和45年建設省告示第1828号に指定された試験
方法において「不燃材料」に合格しうる最高級レ
ベルの防火性を有し、かつ該シート状物を断熱材
とした折板屋根構造物は昭和44年建設省告示第
2999号に指定された試験方法で「屋根30分耐火」
に合格しうる最高級レベルの耐火性を有するもの
である。 本発明において、該シート状物中のバインダー
量およびその厚さ方向の分布と共に重要な要因は
該シート状物の層内の該繊維維状物貿のシート面
に対する配向度であり、3〜30度好ましくは5〜
15度の配向度を有することが必須条件である。本
発明でいう層内の繊維状物質の配向度とは次に示
す方法で測定することができる。所定の大きさの
該シート状物の表裏面を接着剤を用いて金属平板
と貼り合せる。次に上下の金属平板を夫々チヤツ
クでつかみ、一定速度でクロスヘツドを上昇させ
て試料を破断に導く通常の層間破断強度測定を行
なうことによつて該シート状物は層内の不燃性繊
維状物質の配向した層状界面より切断が生ずる。
ここに破断後の試験片の金属平板面と破断面とが
なす角度を測定することにより層内の繊維状物質
の配向度が求まる。本発明における配向度は該シ
ート状物のみかけ密度および断熱性、防火性、防
音性、防露性に対する重要な要因であり、従来技
術によつて得られた紙様シート状物にあつては該
配向度はほとんど0度であり、面方向のタテ、ヨ
コの強度は発現されるが層間の強度に乏しく、ま
た低みかけ密度のシート状物は得られ難い。また
ロツクウール層状綿を一定長に切断し、切断長が
厚さになるように切口をそろえて貼り合せた配管
用ブラケツト状断熱材も市販されているが、かか
る断熱材は該配向度が90度でみかけ密度は大幅に
低下し、屈曲性に富んでいるが非常に脆くて取扱
い性に欠ける。以上の理由により、前述の目的に
供するシート状物としては層内の繊維状物のシー
ト面に対する配向度が3〜30度好ましくは5〜15
度であることが要求され、かかる配向度を有する
シート状物は例えば後述の製造方法によつて得ら
れる。 本発明においてはさらに断熱材・建材等として
の性能を高める目的で、各種の染料、顔料等の着
色剤、防かび剤、撥水剤を添加もしくは塗布する
ことも可能である。さらには防火性能を高せる目
的で水酸化アルミニウム、二水石こう、ホウ砂、
炭酸カルシウム等のフイラーや、軽量化を目的と
してバーライト、シラスバルーン、発泡蛭石、中
空ガラス球、雲母等の軽量フイラーを添加しても
よい。 本発明においてはシート状物の強度や耐水性、
防火性、防湿性を高める目的で、シート状物の中
間層もしくは表面にシート状補強材を複合するこ
とも可能である。シート状補強材としては特に防
湿・防水性を要求される場合には各種フイルムや
金属箔等が好適であり、透湿性、吸湿性が要求さ
れる場合には布、紙、寒冷紗、不織布、網等の多
孔質材料が好適である。これらのシート状補強材
は抄造成形時に同時成形して複合することも可能
であり、また得られたシート状物に接着剤を界し
て複合せしめることも可能である。 つぎに本発明による防火性と屈曲性に優れたシ
ート状物の製造方法を具体的に説明する。まず一
定量の前述の不熱性繊維状物質および必要に応じ
て前述の有機質繊維や各種の添加剤、さらに前述
の水溶性熱可塑性樹脂もしくはエマルジヨンまた
はラテツクス状の熱可塑性樹脂を主成分とするバ
インダーを該熱可塑性樹脂の架橋剤もしくは高分
子凝集剤(ポリアクリルアミド系、ポリエチレン
イミン系、ポリアクリル酸ソーダ系等)と共に水
中に均一に分散溶解させてスラリー原液を調整す
る。この時点で分散効果を高めるために適宜界面
活性剤を加えてもよい。また、本発明においては
この時点でさらに脱水効率を高め、該シート状物
のバインダー量をコントロールする目的で泡安定
剤を用いることができる。この泡安定剤としては
一般にはノニオン系界面活性剤が有効であり、そ
の作用は、スラリー原液中に添加された水溶性熱
可塑性樹脂もしくはエマルジヨンまたはラテツク
ス状の熱可塑性樹脂の作用により該スラリー原液
は若干起泡してくるが、この気泡を均一微細化
し、減圧脱水時に繊維状物質間に適当な水膜を形
成せしめて空気の素抜けを防止し、脱水率を常に
一定に保つこことである。分散方法はチエスト等
での比較的ゆるやかな撹拌が好ましく、ピーター
等の装置で激しく打解すると繊維状物質が破断し
たり、球状の集合体を形成して好ましくない。該
不燃性繊維状物質および該バインダーの分散濃度
は共に0.1〜5重量%が好ましく、得られるシー
ト状物の使用目的によつて適宜選択されるべきで
ある。次に該スラリー原液をタンクから繊維状物
質が球状の集合体にならないような構造を有する
スラリー用ポンプで輸送するか、上部より落下さ
せる方法により抄造部へ導き、走行もしくは回転
する網状または多孔質状の基材の面と5〜60度好
ましくは20〜45度の角度を有する方向から供給し
て該基材上にシート状に抄造成形し、3〜30度の
配向度を有するウエツトマツトを作製する。この
時点で該基材面より濾水したバインダーを含む白
水は、脱水工程での白水と共にスラリー原液調整
槽へ戻されて再使用される。 得られた不燃性繊維状物質のウエツトマツトは
次に減圧法で脱水される。従来ロツクウール天井
材や石綿スレート板等の分野ではこの工程で(ロ
ーラー)プレスにかけられ、脱水と同時に厚薄精
度や表面平滑性もしくは表面模様を付与せしめて
いるが、本発明によるシート状物の製造において
はかかる(ローラー)プレス法では目的とする軽
量で屈曲性を有するシート状物が得られず、脱水
方法としては減圧脱水法が最適である。固形分に
対して約5〜8倍の水を含有する抄造後のウエツ
トマツトはマツト単独もしくは基材と共に減圧ゾ
ーンへ送られて片面もしくは両面より内部の水分
を吸引された後乾燥ゾーンへ送られる。脱水率を
高める乾燥工程は短縮できて経済的であるが、シ
ートがへたり、比重が増大するので最終的な含水
量は0.5〜2倍にとどめるのが好ましい。この工
程でシートのへたりを防止した上で脱水率を高め
るのに内部の微細な気泡が有効に働く。その理由
は繊維間にできた水膜が特定個所からの空気の吹
き抜けを防止するためであると考えられる。脱水
後のマツトは適当な方法で乾燥されてシート状物
となる。乾燥方法は熱風棚段方式、熱風吹付け方
式、熱ローラー接触方式等のいずれも採用するこ
とができ、乾燥温度は80〜200℃が適温である。 本発明において前述の難燃剤を添加する方法は
スラリー原液調整時に内添する方法や乾燥前に表
面にコートする方法も可能であるが、該スラリー
原液を供給し、抄造直前に難燃剤を添加剤を添加
混合して共に抄造成形する方法が最もバインダー
成分との分散が良好であり、難燃効果を高める上
では有効である。さらに本発明において必要に応
じてシート状物と複合されるシート状補強材との
複合方法については前述の通りである。 本発明によるシート状物は前にも述べた如く、
屈曲性、防火性、耐火性、断熱性、防露性、防音
性、制振性、耐熱性、耐水耐候性、クツシヨン性
等に優れており、このような特性を生かして土木
建築、機器プラント、家電家具、自動車および他
の車輌船舶およびその他の工業分野においても広
く利用できるものである。用途例の一例を挙げれ
ば、先ず土木建築の分野では防火・耐火性を生か
してビル等の鉄骨の耐火被覆、耐火壁の耐火目地
材として使用でき、断熱・防露性を特徴とした一
般の天井・壁・床空間の断熱材の他に前述の折板
屋根用断熱シート、側壁金属サイデング材の内貼
り材、温水プール、浴室等の水滴防止材としての
用途は本発明によるシート状物の特性を発揮でき
る分野であり、さらに防音・制振性を生かして駅
舎・ホール等の金属パネル・シエルターの内貼り
材、フラツシユ扉、金属雨戸、シヤツターの収納
ボツクス等の内貼り・裏貼り材、デツキプレー
ト、非常階段等の金属床の裏貼り材、防音パネル
の芯材等に使用でき、その他塩ビ系クツシヨンフ
ロアのバツクアツプ材、防火壁紙の裏打紙、屋
根・屋上のシーリング材の芯材等の用途に対して
も有効である。次に工場プラントの分野では断熱
性ゆ生かして各種ライン配管の断熱保冷材、各種
タンク類の防火断熱材として使用でき、防音・制
振性を生かした空調ダクトの裏打材、ラギング
材、空気輸送ラインダクトの裏打材、空調ダクト
ダンパーのクツシヨン材等の用途が挙げられる。
機器部品への応用としてはガス・オイルヒーター
のバルクアツプ材、空調機、温水ボイラーの吸音
断熱材、保冷庫・定温冷凍倉庫の断熱材の他防
音・制振性を生かして削岩機、ハンデイドリル、
チエインソー、リベツト等の制振材(白ろう病防
止)、ポンプ、エジエクター、ブロア、ボールミ
ル、ホツパー、サイクロン、オイルセパレータ
ー、コンプレツサー、ダスターシユート、振動ふ
るい、振動フイーダー、コンベア、鍛造機、プレ
ス、カツター、ドリル、圧延機、発電機等の各種
機器のハウジングおよびモーターカバー等の防
音・制振材、タイプライター、電算機のラインプ
リンター、穿孔機等一般事務機器のハウジング裏
打材等の用途例が挙げられる。家電・家具の分野
では耐火性を生かして風呂釜のシール材、断熱・
耐熱性を生かしたオーブン、レンジ等の調理器、
アイロン、自動販売機等の断熱材、およびスステ
レンス流台、風呂の防露・防音用裏打材、さらに
防音・制振性を生かして冷蔵庫、エアコン、クー
ラー、皿洗機等のハウジングおよび配管、モータ
ーカバーの内貼り材、机、キヤビネツト、ロツカ
ー等のスチール家具の裏貼り材、オーデイオ製品
の制振材としての用途もあり、また含浸加工によ
りガス器具のパツキング材、シール材としても使
用できる。自動車の分野では車体天井の断熱材、
エンジンルームと運転席との隔壁の断熱吸音材、
排気管の防音材、ドアの防音・制振内貼り材、エ
ンジンロツカーカバー、エンジンエンクロージヤ
ー板内貼り材、オイルパン、ガソリンタンクの防
火・断熱防振内貼り材、トランクルーム、カウル
インナー、フロントフードのエンジン部の防音内
貼り材、フロアの防音・防水マツト、エアクリー
ナーのフイルターの他に含浸加工によりブレーキ
ライニング、クラツチフエーシング、ガスケツト
としての使用も可能である。その他大型車輌、船
舶の分野ではエンジンカバーの内貼り材、温清
水、燃料油等のライン配管の断熱材、居住区の防
熱・防露・防音材、冷凍車の保冷庫の断熱材、地
下鉄等の側壁、天井の吸音材、モーターボード、
漁船等のエンジンルームの防音材、電車、地下鉄
等の車輪部シエルターの防音材、デツキの防音・
防錆裏打材等の用途が挙げられる。その他平炉、
転炉、電気炉等の落しぶた、鋳型の目地材、航空
機のジエツトエンジンまわりの防音・制振材とし
ての使用も可能である。以上述べてきた用途例は
いずれも本発明によるシート状物単独での使用例
であるが、さらに従来から多く使用されているポ
リエチレンフオーム、ポリスチレンフオーム、ポ
リウレタンフオーム等の有機発泡断熱材の表面材
として使用する場合には、該有機発泡体の欠点で
ある可燃性を改良し、適当な組合せによつては不
燃材料としての取扱いも可能であり、その用途は
大幅に広がるものである。 本発明によるシート状物の防火性能はシート単
独もしくは薄い金属板との複合物にした場合で
も、昭和45年建設省告示第1828号及び昭和51年建
設省告示第1231号に指定された試験方法において
「不燃材料」に合格しうる性能を有している。一
方、耐火性能については、該シート状物を断熱材
として使用した折板構造屋根は昭和44年建設省告
示第2999号に指定された試験方法で「屋根30分耐
火」に合格しうる性能を有している。該シート状
物の熱伝導率は0.025〜0.06Kcal/mh℃であり、
優れた断熱性能を有している。したがつて、本発
明のシート状物を上述の種々の断熱材として用い
ることはとくに効果的である。また該シート状物
の吸音率は10mmの厚さのもので、1000Hzに音に対
して約0.6、25mmの厚さのもので約0.8であり、優
れた吸音性能をも有している。該ート状物の耐候
性については、ウエザー促進試験において500時
間連続照射しても外観及び厚さの変化は殆んどな
く、約3分の1の厚さに減少してしまう従来のガ
ラスウールやロツクウール断熱材に比べて非常に
優れている。このよ本発明によるシート状物は建
材、断熱材として要求されるあらゆる性能を満足
するものであり、以上述べてきた用途以外にも広
く使用できるものである。 以下実施例により本発明を具体的に説明するが
これらの実施例により本発明は何等限定されるも
のではない。実施例中、特に断わない限り「部」
は全て重量部を意味する。 実施例 1 水18000部に熱可塑性樹脂としてカルボキシル
変成エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジヨン
(ガラス転移点−10℃、固形分50重量%)108部、
架橋剤として特殊ポリアミドエピクロルヒドリン
樹脂液(固形分30重量%)25部、泡安定剤として
ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテルよ
りなるノニオン系界面活性剤溶液(濃度10重量
%)5部、凝集剤としてポリアクリルアミド溶液
(濃度0.2重量%)15部を添加溶解させ、さらにロ
ツクウール粒状綿180部を添加し、ゆるやかに30
分間撹拌して分散せしめ、スラリー原液を調整し
た。続いてスラリー原液を溶積型ロータリーポン
プを用いて一定量ずつ抄造部へ輸送し、斜めに走
行する50メツシユのステンレス製金網に対して30
度の角度をつけて設けられた滑り台状のガイド板
に導かれて流下せしめ、金網上に抄造した。大過
剰の白水がほとんどは金網下へ濾水した後、エツ
トマツトは所定の間隙を有する2本のローラーの
間を通つて表面平滑性および厚薄むらを整えら
れ、さらに減圧脱水ゾーンに送られて含水率100
重量%(乾燥後シートベース)になるまで脱水さ
れた。最後に150℃の熱風で両面より20分間乾燥
することにより、厚さ5.3mm、みかけ密度0.16g/
cm3のシート状物を得た。本シート状物は平均バイ
ンダー量8.4重量%で、第1表に示すような非常
に均一な厚さ方向のバインダー分布を有してい
る。層内の繊維状物質の配向度は14度であつた。
本シート状物のJISA1412による25℃における熱
伝率測定結果は0.034Kcal/mh℃であり、
JISA1409による1000Hzの吸音率は0.35であつて、
断熱材、防音材として優れた性質を有している。
長尺の本シート状物をクロロプレン系接着剤(固
形分23重量%、塗布量150g/m2)を用いて、ラ
ミネーターにて0.6mmの厚さのカラー鉄板と連続
的に機械貼りし、接着が完了後ローラー型折板機
を用いてルーフ500型(働き幅500mm、山高150mm
mm)に折板加工した。折板加工性は良好であり、
コーナー部の切れ、むしられ等は無く、ローラー
に当つた個所の弾性回復性も良好で、屋根材とし
て外観上全く問題は無かつた。またJISA1415に
よる耐候性促進試験500時間後でも外観上の変化
は全く無かつた。本複合物は昭和45年建設省告示
第1828号に規定する防火性能試験において、表面
試験でのtdθは0、CAは13.1、基材試験での温度
差は−24℃であつて不燃に合格するものと認めら
れた。 実施例 2 水18000部のスチレン−アクリル酸エステル共
重合体系エマルジヨン(ガラス転移点−6℃、固
形分45重量%)150部、実施例1で用いた架橋剤
45部および実施例1で用いた泡安定剤と凝集剤を
実施例1と同量添加溶解させ、さらにロツクウー
ル粒状綿135部およびカツト長13mmのガラスチヨ
ツプドストランド15部を添加し、実施例1と同様
にスラリー原液を調整した。続いて実施例1と同
一の装置を用いて走行するステンレス金網に対し
て45度の角度よりスラリー原液を流下せしめ、シ
ート状に成形した。ただし本試験では、ガイド板
上で難燃剤である三酸化アンチモンとペンタプロ
ムメチルベンゼン(分解温度370℃以上、臭素含
有量82重量%)の重量比1:2の混合粉体を
60g/m2の割合で均一に添加した。しかる後の工
程は実施例1と同様に処理し、厚さ9.8mm、みか
け密度0.14g/cm3のシート状物を得た。本シート
状物の平均バインダー量は7.6重量%であり、第
1表に示すようにな均一な厚さ方向のバインダー
分布を有している。層内の繊維状物質の配向度は
23度であり、熱伝導率は0,032Kcal/mh℃、
1000Hzにおける吸音率は0.68であつた。本シート
状物は前述の防火性能試験においてシート単独で
表面試験でのtdθは0、CAは9.5、基材試験での
温度差は41℃でああつて不燃に合格するものと認
められた。 比較例 1 実施例1と全く同様にスラリー原液を調整した
のち、該スラリー原液を通常の長網式抄造機に送
り、水平に走行する金網の真上よりスラリー原液
を落下させ、90度の角度にて抄造した。抄造後の
ウエツトマツトは表面平滑性が非常に悪く、一定
厚さのシート状物にするには何度もローラー間を
通す必要があり、シート密度は上昇した。また繊
維状物質のむらが多くて脱水効率が悪く、得られ
たシート状物のバインダー量は多くなつた。乾燥
後のシート状物の厚さは3.2mm、みかけ密度は
0.35であり、平均バインダー量は21.5重量%であ
つた。第1表に示すようにバインダー分布は比較
的均一であるが、層内の繊維状物質の配向度は0
で、バインダー量が多いにもかかわらずゴワゴワ
した感じであり、実施例1と同様にに0.60mmの厚
さのカラー鉄板と複合後折板加工試験を行なつた
ところ、シシート状物に割れが生じた。また前述
の防火性能試験ではシート単独もしくは鋼板複合
の場合でも不燃には合格できず、熱伝導率も
0.069Kcal/mh℃となり、表面荒れが激しくて外
観も悪いので折板鋼板屋根用断熱材としては適さ
なかつた。 比較例 2 ロツクウール粒状綿200部を水5000部中に完全
けん化ポリビニルアルコール(濃度10重量%)
200部、コーンスターチ(濃度10重量%)200部お
よびカチオン性ノニオン活性剤2.0部と共に均一
分散させ、スラリー原液を調整した。このスラリ
ー原液から比較例1と同様にウエツトマツトを抄
造し、さららにこのマツトを減圧脱水と同時にロ
ーラープレスにても脱水した後同様に熱風乾燥し
て厚さ7.5mm、みかけ密度0.40g/cm2のシート状物
を得た。該シート状物は従来のロツクウール天井
板と同様の製造で得られたものであるが、シート
中でバインダーの架橋化が行われないために乾燥
時のバインダーの表面移行が激しく、第1表に示
すような不均一なバインダー分布を有している。
また層内の繊維状物質の配向度は0であり、硬く
て層間強度が弱く、折板加工ローラーによる折曲
げ時には表面が割れたり、層間剥離が生じたりし
て折板用断熱材としては不適当であつた。 比較例 3 水10000部にロツクウール粒状綿100部をジオキ
シエチレンステアリルアミミン系のカチオン性界
面活性剤(濃度10重量%)3部と共に添加し、ピ
ーターにて30秒間打解分散せしめた後、実施例1
で用いた架橋剤をここでは定着剤として10部添加
して撹拌し、さらにポリ酢酸ビニル樹脂エマルジ
ヨン(ガラス転移点35℃、固形分45重量%)60部
を添加して充分撹拌し、スラリー原液を調整し
た。該スラリー原液を比較例1と同様に抄造、脱
水・乾燥し、厚さ1.7mm、みかけ密度0.49g/cm2の
シート状物を得た。該シート状物は公知の特公昭
49−43485号に準じて作製したものであるが、カ
チオン性界面活性剤を用いたために分散は良好で
あり、そのためにみかけ密度は大きくなるという
欠点を有している。またピーターによる打解のた
めに繊維状物質の切断はまぬがれ得ず、繊維状物
質のからみ合のいがなくなり、さらに通常の長網
抄造法によるために層内の繊維状物質の配向度は
0となり、かかる原因で得られたシート状物は紙
様の固くて脆い材料となつた。該シート状物を実
施例1と同様に折板加工試験を行なつたところ、
シート状物にクラツクが生じ、同目的に対しては
不適当であつた。以上のことより特公昭49−
43485号により得られるシート状物は層内の繊維
状物質の配向度等が適当でなく、本発明で目的と
するシート状物は公知の製造方法では得られな
い。 比較例 4 解繊されたカナダ産クリソタイルアスベスト
(3クラス)を連続的に落下させる途中で、1号
けい酸ソーダ水溶液(濃度40重量%)をアスベス
ト100部に対して25部の割合いになるように一定
量ずつ散布し、マツトを形成させた後ローラプレ
スにかけて均質なウエツトマツトにした。さらに
このエトマツトを160℃の熱風乾燥機にて約40分
間乾燥して厚さ5.0mm、みかけ密度0.09g/cm3のシ
ート状物を得た。該シート状物は無機質バインダ
ーを用いているために、前述の方法でのバインダ
ー分布の測定は不可能であるが、バインダーの表
面移行が激しく、ゴワゴワした感じであり、折板
加工時にはシートがむしられる等のトラブルが生
じた。また耐候性も悪く、ウエザー促進試験200
時間後にはシートがほぐれて散乱してしまつた。
以上のことより、該比較例で得られたシート状物
は建材や断熱材としての特性は本発明によるシー
ト状物よりも劣つている。
【表】
実施例 3
実施例1でシート状物を得た後の濾水および脱
水工程で得られた白水をすべて回収し、さらに水
を足して18000部とした溶液に、実施例1で用い
た熱可塑性樹脂エマルジヨン23部、架橋剤溶液5
部、泡安定剤溶液5部、凝集剤溶液15部を追加し
て溶解せしめ、さらにロツクウール粒状綿150部
およびクリソタイルアスベスト(5クラス)6部
を添加して実施例1と同様にスラリリー原液を調
整した。該スラリー原液を実施例1と同様に2台
のロータリーポンプで2個の吐出口へ導き、走行
する金網に対して30度の角度を有するように設け
られた2台のガイド板上から流下せしめ抄造し
た。ただし、本試験では1段目のガイド板と2段
目のガイド板の間より、目開き5mmのガラス繊維
製ネツトを導入することによつて、該ネツトを層
内に入れて抄合せを行なつた。さらに本試験では
実施例2と同様の方法で難燃剤である三酸化アン
チモンとテトラブロムビスフエノールA(分解温
度320℃、臭素含有量59重量%)の重量比1:5
の混合粉体を45g/m2の割合いで均一に添加し
た。しかる後は実施例1と同様に処理し、厚さ
2.1mm、みかけ密度0.33g/cm2、バインダー量5.3重
量%、繊維状物の配向度5度のシート状物を得
た。該シート状物はネツトにより補強されている
ために非常に強く、引張強度約50Kg/cm3、伸度約
4%であり、消防法施行規則第4条の3に基づく
試験において2分加熱区分に合格しうる防炎性能
を有している。以上のことより該シート状物は浴
室や厨房等に天井材や公共建物の天井・壁面材と
して広く利用でき、またクツシヨンフロア等のバ
ツキング材としても用いられるものである。 実施例 4 実施例1で得られた厚さ5.3mm、みかけ密度
0.16g/cm3のシート状物と0.6mmのカラー鉄板との
複合折板屋根材、および同様に試作した厚さ4.0
mm、みかけ密度0.024g/cm3のポリエチレンフオー
ムシートを断熱材とする複合折板屋根材より小片
を切りし、断熱材側を内側として室温30℃、相対
湿度95〜100%にコントロールされた大型容器の
屋根ぶたとし、鉄板面である屋根上に3.5〜.0
℃の冷却水を流してモデル的に冬期の結露促進実
験を行つた。断熱材表面に結露した水が最終的に
滴下するまでの時間を測定した結果、本発明によ
るシート状物の場合は約17時間後に対して、ポリ
エチレンフオームシートは3時間後には滴下に至
り、熱伝導率はほぼ同じか若干劣るが、本発明に
よるシート状物は吸放湿効果により、特に防露性
に優れていることが明らかであつた。 実施例 5 実施例2と全く同様の組成および方法で得た厚
さ5.1mm、みかけ密度0.14g/cm3のシート状物を厚
さ0.80の亜鉛鉄板とクロロブレン系接着剤で複合
し、山高150mm、働き幅500mmの断熱屋根材に折板
加工した。該屋根材の一部を切出し、モデル的に
昭和44年建省告示第2999号に指定された方法に準
じて、所定の屋内1級加熱曲線になるように、該
シート状物側より30分間で840℃まで加納熱した
時、裏面の鉄板表面温度の最高値は430℃であり、
赤熱、変形等は生ぜず、また試験後断熱材である
該シート状物の脱落・破壊等もなく、屋根30分耐
火に合格しうる程度の耐火性を有していた。 実施例 6 セラミツク繊維のバルク状物(繊維の径が3μ
以下、繊維長が30mm以下のもの)160部を用い、
実施例1と同様にして、厚さ6.2mm、みかけ密度
0.11g/cm3のシート状物を得た。本シート状物の
物性は第2表に示した。シートは非常に均一な厚
さ方向のバインダー分布を有している。本シート
状物のJISA1412による25℃における熱伝導率測
定結果は0.027Kcal/m・h・℃であり、
JISA1409による1000Hzの吸音率は0.37であつて、
断熱材、防音材として優れた性質を有している。
実施例1と同様に折板加工性も良好であり、
JISA1415による耐候性促進試験500時間後外観上
の変化は認められなかつた。鋼板(厚さ0.6mm)
との複合物は、昭和45年建設省告示第1828号に規
定する防火性能試験において、表面試験でのtdo
は0、CAは12.5、基材試験での温度差は−25℃
であつて、不燃に合格するものと認められた。 実施例 4 炭素繊維の短繊維(繊維長3.0mm、繊維径10μ)
120部を用い、実施例1と同様にして、厚さ6.0
mm、みかけ密度0.08g/cm3のシート状物を得た。 シートは第1表に示すように非常に均一な厚さ
方向のバインダー分布を有している。実施例6と
同様の方法で測定した物性は、熱伝導率
0.025Keal/m・h・℃、1000Hzの吸音率0.35で
あり、折板加工性も良好であつた。また耐候性促
進試験500時間後の外観上の変化も認められず、
防火性能試験においても表面試験でのtdoはO、
CAは18、基材試験での温度差は−24℃であつて
不燃に合格するものと認められた。
水工程で得られた白水をすべて回収し、さらに水
を足して18000部とした溶液に、実施例1で用い
た熱可塑性樹脂エマルジヨン23部、架橋剤溶液5
部、泡安定剤溶液5部、凝集剤溶液15部を追加し
て溶解せしめ、さらにロツクウール粒状綿150部
およびクリソタイルアスベスト(5クラス)6部
を添加して実施例1と同様にスラリリー原液を調
整した。該スラリー原液を実施例1と同様に2台
のロータリーポンプで2個の吐出口へ導き、走行
する金網に対して30度の角度を有するように設け
られた2台のガイド板上から流下せしめ抄造し
た。ただし、本試験では1段目のガイド板と2段
目のガイド板の間より、目開き5mmのガラス繊維
製ネツトを導入することによつて、該ネツトを層
内に入れて抄合せを行なつた。さらに本試験では
実施例2と同様の方法で難燃剤である三酸化アン
チモンとテトラブロムビスフエノールA(分解温
度320℃、臭素含有量59重量%)の重量比1:5
の混合粉体を45g/m2の割合いで均一に添加し
た。しかる後は実施例1と同様に処理し、厚さ
2.1mm、みかけ密度0.33g/cm2、バインダー量5.3重
量%、繊維状物の配向度5度のシート状物を得
た。該シート状物はネツトにより補強されている
ために非常に強く、引張強度約50Kg/cm3、伸度約
4%であり、消防法施行規則第4条の3に基づく
試験において2分加熱区分に合格しうる防炎性能
を有している。以上のことより該シート状物は浴
室や厨房等に天井材や公共建物の天井・壁面材と
して広く利用でき、またクツシヨンフロア等のバ
ツキング材としても用いられるものである。 実施例 4 実施例1で得られた厚さ5.3mm、みかけ密度
0.16g/cm3のシート状物と0.6mmのカラー鉄板との
複合折板屋根材、および同様に試作した厚さ4.0
mm、みかけ密度0.024g/cm3のポリエチレンフオー
ムシートを断熱材とする複合折板屋根材より小片
を切りし、断熱材側を内側として室温30℃、相対
湿度95〜100%にコントロールされた大型容器の
屋根ぶたとし、鉄板面である屋根上に3.5〜.0
℃の冷却水を流してモデル的に冬期の結露促進実
験を行つた。断熱材表面に結露した水が最終的に
滴下するまでの時間を測定した結果、本発明によ
るシート状物の場合は約17時間後に対して、ポリ
エチレンフオームシートは3時間後には滴下に至
り、熱伝導率はほぼ同じか若干劣るが、本発明に
よるシート状物は吸放湿効果により、特に防露性
に優れていることが明らかであつた。 実施例 5 実施例2と全く同様の組成および方法で得た厚
さ5.1mm、みかけ密度0.14g/cm3のシート状物を厚
さ0.80の亜鉛鉄板とクロロブレン系接着剤で複合
し、山高150mm、働き幅500mmの断熱屋根材に折板
加工した。該屋根材の一部を切出し、モデル的に
昭和44年建省告示第2999号に指定された方法に準
じて、所定の屋内1級加熱曲線になるように、該
シート状物側より30分間で840℃まで加納熱した
時、裏面の鉄板表面温度の最高値は430℃であり、
赤熱、変形等は生ぜず、また試験後断熱材である
該シート状物の脱落・破壊等もなく、屋根30分耐
火に合格しうる程度の耐火性を有していた。 実施例 6 セラミツク繊維のバルク状物(繊維の径が3μ
以下、繊維長が30mm以下のもの)160部を用い、
実施例1と同様にして、厚さ6.2mm、みかけ密度
0.11g/cm3のシート状物を得た。本シート状物の
物性は第2表に示した。シートは非常に均一な厚
さ方向のバインダー分布を有している。本シート
状物のJISA1412による25℃における熱伝導率測
定結果は0.027Kcal/m・h・℃であり、
JISA1409による1000Hzの吸音率は0.37であつて、
断熱材、防音材として優れた性質を有している。
実施例1と同様に折板加工性も良好であり、
JISA1415による耐候性促進試験500時間後外観上
の変化は認められなかつた。鋼板(厚さ0.6mm)
との複合物は、昭和45年建設省告示第1828号に規
定する防火性能試験において、表面試験でのtdo
は0、CAは12.5、基材試験での温度差は−25℃
であつて、不燃に合格するものと認められた。 実施例 4 炭素繊維の短繊維(繊維長3.0mm、繊維径10μ)
120部を用い、実施例1と同様にして、厚さ6.0
mm、みかけ密度0.08g/cm3のシート状物を得た。 シートは第1表に示すように非常に均一な厚さ
方向のバインダー分布を有している。実施例6と
同様の方法で測定した物性は、熱伝導率
0.025Keal/m・h・℃、1000Hzの吸音率0.35で
あり、折板加工性も良好であつた。また耐候性促
進試験500時間後の外観上の変化も認められず、
防火性能試験においても表面試験でのtdoはO、
CAは18、基材試験での温度差は−24℃であつて
不燃に合格するものと認められた。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (イ) 不燃性繊維状物質80〜97重量%および (ロ) バインダー樹脂3〜20重量%からなる厚さが
0.5〜25mmであり、みかけ密度が0.08〜0.4g/cm3
のシート状物であつて、(a)該シート状物の層内
の繊維状物質のシート面に対する配向度が3〜
30度であり、(b)該シート状物の中間層のバイン
ダー量が2重量%以上でかつ全層の平均値の
0.25倍量以上であり、(c)不燃性繊維状物質が架
橋結合されているバインダー樹脂によつて接合
されていることを特徴とするシート状物。 ただし、本発明にいう中間層とはシート状物を
均等に厚さになるように面に平行にn層(n=3
〜8)に切断し、各層に1〜nの番号を付ける。
このときの2〜n−1が中間層である。 2 該不燃性繊維状物質が石綿、ロツクウール、
ガラス繊維、セラミツクス繊維、アルミナ繊維ま
たは炭素繊維のいずれかもしくはその混合物であ
る特許請求の範囲1に記載のシート状物。 3 該シート状物の層内の繊維状物質のシート面
に対する配向度が5〜15度である特許請求の範囲
1または2に記載のシート状物。 4 該バインダーを5〜15重量%含有する特許請
求の範囲1,2またはは3に記載のシート状物。 5 該シート状物の内部もしくは表面にシート状
捕強材が複合一体化されている特許請求の範囲
1,2,3または4に記載のシート状物。 6 該シート状補強材が布、紙、寒冷紗、不織布
または網からなる通気性を有する材料である特許
請求の範囲5に記載のシート状物。 7 該シート状補強材がフイルムまたは金属箔か
らなる通気性を有さない材料である特許請求の範
囲5に記載のシート状物。 8 (イ) 不燃性繊維状物質を80〜97重量%および
ロ)バインダー樹脂3〜20重量%からなり、ハ)
該バインダー100重量部に対して5〜50重量部の
アンチモン化合物と10〜100重量部の芳香族臭素
化合物とを含有する厚さが0.5〜25mmであり、み
かけ密度が0.08〜0.4g/cm3のシート状物であつ
て、a)該シート状物の層内の繊維状物質のシー
ト面に対する配向度が3〜30度であり、b)該シ
ート状物の中間層のバインダー量が2重量%以上
でかつ全層の平均値の0.25倍量以上であり、c)
不燃性繊維状物質が架橋結合されているバインダ
ー樹脂により接合されていることを特徴とするシ
ート状物。 9 該不燃性繊維状物質が石綿、ロツクウール、
ガラス繊維、セラミツク繊維、アルミナ繊維また
は炭素繊維のいずれかもしくはその混合物である
特許請求の範囲8に記載のシート状物。 10 該シート状物の層内の繊維状物質のシート
面に対する配向度が5〜15度である特許請求の範
囲8または9に記載のシート状物。 11 該バインダーを4〜8重量%含有する特許
請求の範囲8,9または10に記載のシート状
物。 12 該アンチモン化合物が三酸化アンチモン、
五塩化アンチモン、三塩化アンチモン、三硫化ア
ンチモンのいずれかもしくはその混合物である特
許請求の範囲8,9,10または11に記載のシ
ート状物。 13 該芳香族臭素化合物がテトラブロムベンゼ
ン、ペンタブロムメチルベンゼン、ヘキサブロム
ベンゼン、ヘキサブロムジフエニルエーテル、デ
カブロムジフエニルエーテル、テトラブロムビス
フエノールAのいずれかもしくはその混合物であ
り、分解温度が280℃以上であり、臭素含有量が
50重量%以上の化合物である特許請求の範囲8,
9,10,11または12に記載のシート状物。 14 該アンチモン化合物と該芳香族臭素化合物
との含有量の重量比が1:1〜1:10の範囲にあ
る特許請求の範囲、8,9,10,11,12ま
たは13に記載のシート状物。 15 該シート状物の内部もしくは表面にシート
状補強材が複合一体化されている特許請求の範囲
8,9,10,11,12,13または14に記
載のシート状物。 16 該シート状補強材が布、紙、寒冷紗、不織
布または網からなる通気性を有する材料である特
許請求の範囲15に記載のシート状物。 17 該シート状補強材がフイルムまたは金属箔
からなる通気性を有さない材料である特許請求の
範囲15に記載にシート状物。 18 イ) 不燃性繊維状物質およびロ)水溶性
熱可塑性樹脂もしくはエマルジヨンまたはラテツ
クス状の熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー
を該熱可塑性樹脂の架橋剤もしくは高分子凝集剤
と共に水中に分散溶解させてスラリー原液を調整
し、該スラリー原液を走行もしくは回転する網状
または多孔質状の基材の面と5〜60度の角度を有
する方向から供給して基材上にシート状物を抄造
成形し、続いて脱水・乾燥させることを特徴とす
るイ)不燃性繊維状物質80〜97重量%およびロ)
バインダー樹脂3〜20重量%からなる厚さ0.5〜
25mmであり、みかけ密度が0.80〜0.4g/cm3のシー
ト状物であつて、a)該シート状物の層内の繊維
状物質のシート面に対する配向度が3〜30度であ
り、b)該シート状物の中間層のバインダー量が
2重量%以上でかつ全層の平均値の0.25倍量以上
であり、c)不燃性繊維状物質が架橋結合されて
いるバインダー樹脂によつて接合されているシー
ト状物の製造方法。 ただし、本発明にいう中間層とはシート状物を
均等の厚さになるように面に平行にn層(n=3
〜8)に切断し、各層に1〜nの番号を付ける。
このときの2〜n−1が中間層である。 19 該スラリー原液を該基材の面と20〜45度の
角度を有する方向から供給して基材上に抄造成形
する特許請求の範囲18に記載のシート状物の製
造方法。 20 該スラリー原液を供給し、抄造直前に難燃
剤を添加混合し、て共に抄造成形する特許請求の
範囲18または19に記載のシート状物の製造方
法。 21 該スラリー原液を調整するに際し、さらに
泡安定性を有する界面活性剤を添加混合して該ス
ラリー原液が調整されてなる特許請求の範囲1
8,19または20に記載のシート状物の製造方
法。 22 該熱可塑性樹脂が、そのガラス転移点が−
50〜30℃の範囲にある熱可塑性樹脂である特許請
求の範囲18,19,20または21に記載のシ
ート状物の製造方法。 23 該熱可塑性樹脂が自己架橋型の樹脂である
特許請求の範囲18,19,20または21に記
載のシート状物の製造方法。 24 該バインダーが該熱可塑性樹脂に対し0.1
〜30重量%の該熱可塑性樹脂の架橋剤を含有する
ものである特許請求の範囲18,19,20,2
1,22または23に記載のシート状物の製造方
法。 25 該繊維状物質を抄造する時もしくはシート
状に成形した後にさらにシート状補強材を該シー
ト状物の内部もしくは表面に複合一体化せしめる
特許請求の範囲18,19,20,21,22,
23または24に記載のシート状物の製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16954081A JPS5869047A (ja) | 1981-10-22 | 1981-10-22 | シート状物およびその製造方法 |
| US06/435,638 US4433020A (en) | 1981-10-22 | 1982-10-21 | Sheet-like material, heat-insulating material derived therefrom and methods of manufacturing same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16954081A JPS5869047A (ja) | 1981-10-22 | 1981-10-22 | シート状物およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5869047A JPS5869047A (ja) | 1983-04-25 |
| JPH0333838B2 true JPH0333838B2 (ja) | 1991-05-20 |
Family
ID=15888375
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16954081A Granted JPS5869047A (ja) | 1981-10-22 | 1981-10-22 | シート状物およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5869047A (ja) |
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| ES2099119T3 (es) * | 1990-12-05 | 1997-05-16 | Ppg Industries Inc | Material fibroso termoplastico formado humedo y dispersion acuosa para su preparacion. |
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-
1981
- 1981-10-22 JP JP16954081A patent/JPS5869047A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5869047A (ja) | 1983-04-25 |
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