JPH0345704B2 - - Google Patents
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- JPH0345704B2 JPH0345704B2 JP60109750A JP10975085A JPH0345704B2 JP H0345704 B2 JPH0345704 B2 JP H0345704B2 JP 60109750 A JP60109750 A JP 60109750A JP 10975085 A JP10975085 A JP 10975085A JP H0345704 B2 JPH0345704 B2 JP H0345704B2
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は、制振制及び加工制に優れた制振性複
合鋼板に関するものである。 近年、道路交通網の発達や、工場の住宅地域へ
の隣接により、騒音公害が問題となつており、各
種の交通機関、機械、構造物等より発生する騒音
に対する低減対策が重要になつてきた。特に、自
動車のエンジン回りの部品、金属加工機械、家電
部品等において騒音低減が強く望まれている。 このような騒音対策の1つに制振性複合鋼板の
使用があり、これは制振層として用いられている
粘弾性物質の剪断変形による内部摩擦を利用して
振動を軽減させるものである。制振用複合鋼板
は、前記のような騒音発生源を囲む形で使用され
るため、板状の外、曲げ加工や絞り加工によつて
所望の形状に加工される。 [従来の技術] 従来、制振性複合鋼板の中間層として制振用に
用いられる樹脂組成物としては、例えばスチレ
ン・アクリル酸エステル共重合体+鱗片状無機質
粉末の水分散体(特開昭57−167360号公報明細
書)、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性さ
れた結晶性ポリオレフイン+無定形重合体(特開
昭59−80454号公報明細書)、エチレン系酸性共重
合体+粘弾性物質(特公昭54−1354号公報明細
書)等の各種のものが知られている。 [発明が解決しようとする課題] これら従来技術において、制振性樹脂組成物を
用いた制振性複合鋼板は、制振性と曲げ加工や深
絞り等の加工性との両面バランスの点で必ずしも
満足のいくものではなかつた。 一方、本発明者らによる研究の結果、耐熱性及
び剛性に優れる結晶性ポリオレフインに、アクリ
ル酸エステルとビニル芳香族単量体との共重合物
をポリオレフインとの共重合を介して配合した組
成物が、複合鋼板の制振制の改良に有効であるこ
とを見出したが、このものもまた、制振制には優
れるものの、複合鋼板とした場合の加工性及び接
着性において不満足であつた。 本発明は、上記の制振性に優れる結晶性ポリオ
レフインとアクリル酸エステル・ビニル芳香族単
量体との組成物を用いた制振性複合鋼板の加工性
を改良し、制振性、機械的強度、接着性及び加工
性のバランスに優れる制振性複合鋼板を提供する
ものである。 [課題を解決するための手段] 本発明者らは、制振性複合鋼板の制振性と加工
性について種々検討した結果、加工性には制振層
の接着性が重要であり、単一の制振層では制振性
と接着性を共に高く保つことが困難なこと、ま
た、接着層として変性ポリオレフイン層を新たに
設けても、それにより制振性樹脂層の厚みが薄く
なるにも拘らず、同一厚みの制振性樹脂層と比較
し、制振性が低下しないことを見出し、本発明に
到達した。 すなわち、本発明は、結晶性のエチレン系重合
体、プロピレン系重合体又はブテン−1系重合体
A95〜10重量%とアクリル酸エステル及びビニル
芳香族単量体から誘導される重合体B5〜90重量
%を含有し、該重合体Bのアクリル酸エステル及
びビニル芳香族単量体のうち少なくとも一種の
0.5%以上が前記重合体Aに共重合されている樹
脂組成物Cからなる中間層が、該樹脂組成物に用
いられたと同種の結晶性重合体Aを不飽和カルボ
ン酸又はその無水物によりグラフト変性して得ら
れる変性ポリオレフインDの層を介して鋼板と積
層されていることを特徴とする制振性複合鋼板で
ある。 本発明で用いる結晶性エチレン系重合体、プロ
ピレン系重合体又はブテン−1系重合体Aは、エ
チレン、プロピレンの単独又はこれらの共重合
体、あるいはこれらを主成分とする他の単量体と
の共重合体であり、例えば低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、アイソタクチツクポリプロ
ピレン、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチ
レン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレ
ン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・オクテン
−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体
等であり、剛性及び耐熱性の点から高密度ポリエ
チレン等の線状ポリエチレン、プロピレン系重合
体、ブテン−1系重合体が好ましく、特にプロピ
レン系重合体、ブテン−1系重合体がよい。 一方、本発明で用いられるアクリル酸エステル
及びビニル芳香族単量体から誘導される重合体B
には、この両者のみからなる共重合体の外、上記
ポリオレフインに共重合したアクリル酸エステル
及び又はビニル芳香族単量体も含まれる。 アクリル酸エステルとしては、アクリル酸又は
メタクリル酸のエステルであり、例えばアクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタク
リル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸ベンジルなどを用いることがで
きる。 また、ビニル芳香族単量体としては、スチレ
ン、該置換スチレン例えばメチルスチレン、ジメ
チルスチレン、クロルスチレン、α置換スチレン
例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン
などを用いることができる。 アクリル酸エステルとビニル芳香族単量体のみ
からなる共重合体の製造法としては通常の溶液重
合、エマルジヨン重合、サスペンジヨン重合等の
ランダム重合法が適当である。得られた共重合体
は、2種以上を併用しても構わない。 この誘導される重合体中におけるアクリル酸エ
ステルの割合は、η最大値を示す温度を制振性複
合鋼板の使用温度に合わせるように適宜選ぶこと
ができるが、一般には5〜95重量%である。な
お、この重合体には必要によりさらに第三成分と
しての他の単量体が少量、例えば30重量%以下共
存して重合されていてもよいものである。 上記結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重
合体又はブテン−1系重合体は、95〜10重量%、
好ましくは80〜30重量%、特に好ましくは70〜40
重量%必要であり、この範囲より少ないと制振性
複合鋼板の加工性が悪化し、この範囲より多いと
制振性が低下して好ましくない。 また、一般に騒音発生源の環境温度及び発生す
る騒音の周波数範囲はそれぞれ0〜150℃、20〜
20000Hzであり、制振性複合鋼板は前記温度及び
周波数において効果的な制振性を発揮する必要が
ある。制振性複合鋼板のηは、振動減衰効果の点
から0.05、好ましくは0.1以上必要であり、アク
リル酸エステルとビニル芳香族単量体から誘導さ
れる重合体は、制振性複合鋼板のη改良の点から
少なくとも5〜90重量%、好ましくは20〜70重量
%、特に好ましくは30〜60重量%必要である。こ
の範囲より低いと、制振性複合鋼板のηが低くな
り、逆にこの範囲より高いと制振性複合鋼板の加
工性が悪くなり好ましくない。 本発明の樹脂組成物においては、アクリル酸エ
ステルとビニル芳香族単量体から誘導される重合
体Bには、結晶性エチレン系重合体、プロピレン
系重合体又はブテン−1系重合体Aと共重合され
ている成分も含まれる。 すなわち、本発明の組成物で用いられる結晶性
エチレン系重合体、プロピレン系重合体又はブテ
ン−1系重合体Aは2種以上を併用しても差支え
ないが、その少なくとも一部が前記したアクリル
酸エステル又はビニル芳香族単量体もしくはその
両者で共重合されており、その共重合量は、アク
リル酸エステルとビニル芳香族単量体から誘導さ
れる重合体Bの総量0.5重量%以上、好ましくは
1重量%以上、特に好ましくは3重量%以上であ
る。結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重合
体又はブテン−1系重合体に対する共重合量がこ
の量を下回ると、得られる組成物に所期の機械的
強度が得られず、複合鋼板の成形加工法も劣る。 結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重合体
又はブテン−1系重合体との共重合の手段として
は、例えば特開昭58−198529号、特開昭59−
27934号、特公昭58−53003号等の各明細書に記載
された各種のブロツク共重合やグラフト共重合の
手段を用いることができる。 本発明の組成物は、これらの各成分を通常の混
練法によつて混練して得てもよいが、制振性複合
鋼板の曲げ加工、絞り加工の点及び組成物の製造
の容易さの点からすると、結晶性ポリオレフイン
と所定量のアクリル酸エステル及びビニル芳香族
単量体を懸濁系、溶液系又は溶融系、中でも好ま
しくは水性懸濁系でグラフト共重合条件に付して
得られる変性物が本発明の組成物として特に好ま
しい。 本発明の組成物には、本発明の目的を損なわな
い範囲で、各種の添加剤、可塑剤、フイラー、エ
ラストマー等を配合することができる。可塑剤は
組成物のtanδ最大値を示す温度を低温側に移行さ
せ、制振性複合鋼板の制振温度範囲を調節する効
果を有すると共に、組成物を柔軟にして脆さを改
良する点で有用である。また、フイラーは組成物
のtanδ最大値を示す温度における剛性率を高く保
つ効果を有し、その点でηの改善効果を有する。
エラストマーとしては、物性改良の目的でスチレ
ン・ブタジエンブロツク共重合体又はその水添
物、エチレン・プロピレンゴム等の配合が好まし
い。 本発明で前記樹脂組成物を鋼板に積層するため
に用いられる変性ポリオレフインとしては、前記
結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重合体又
はブテン−1系重合体Aとして挙げたポリオレフ
インと同種のポリオレフインに不飽和カルボン酸
又はその無水物をグラフトしたものである。 不飽和カルボン酸又はその無水物としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、無水マレイン酸等が挙げられるが、中でも無
水マレイン酸が最も好ましい。 グラフト変性する方法は、これらの成分をペル
オキシド若しくはアゾ化合物等のラジカル発生剤
の存在下ないしは不存在下に、溶融グラフト又は
溶液グラフト等通常の手法で行なわれる。 変性ポリオレフイン中の不飽和カルボン酸又は
その無水物の含量は、鋼板との接着性の点から、
0.01重量%以上必要である。 また変性ポリオレフインのMFRは、フイルム
の成形性、制振性複合鋼板の加工性、接着性等の
点から、好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ま
しくは1〜10g/10分である。 樹脂組成物がエチレン系の場合には変性ポリオ
レフインとしてはエチレン系樹脂の変性物が、ま
た、プロピレン系の場合にはプロピレン系樹脂の
変性物が、また、ブテン−1系の場合にはプロピ
レン系又はブテン−1系樹脂の変性物が好適に用
いられる。 さらに、本発明の組成物又は変性ポリオレフイ
ンには、制振性複合鋼板の溶接性、塗装性の改良
を目的として導電性を付与するため、カーボンブ
ラツク、金属繊維等各種の導電性フイラーを配合
することができる。また、難燃性の改良を目的と
して、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等
各種の難燃化剤を配合することもできる。 本発明で用いる鋼板は、例えば熱延鋼板、軟質
冷延鋼板、高張力鋼板、ステンレス鋼板又は電気
亜鉛メツキ鋼板、溶融亜鉛メツキ鋼板、これらの
合金化処理鋼板、例えば亜鉛系合金メツキ鋼板や
ジンクロメタル等、アルミメツキ鋼板、ニツケル
メツキ鋼板、スズメツキ鋼板などの各種表面処理
鋼板等が挙げられる。中でも防蝕処理を施した表
面処理鋼板が好ましい。 本発明の制振性複合鋼板の鋼板の厚みは0.2〜
3.2mm、変性ポリオレフイン層の厚みは0.005〜0.1
mmであり、樹脂組成物層の厚みは0.03〜0.5mmで
あり、好ましくはそれぞれ0.2〜2.0mm、0.005〜
0.05mm、0.03〜0.3mmである。 変性ポリオレフイン層の厚みが上記範囲より少
ないとフイルム成形が困難であり、鋼板との接着
の安定性が劣るために好ましくない。一方、上記
範囲より多いと制振性及び複合鋼板の加工性が劣
り好ましくない。 樹脂組成物の厚みが上記範囲より少ないと制振
性が劣るため好ましくない。一方、上記範囲より
多いと複合鋼板の加工性が劣り好ましくない。 鋼板を厚みが上記範囲より少ないと複合鋼板の
加工性が劣り好ましくない。一方、上記範囲より
多いと複合鋼板の制振性が劣り好ましくない、ま
た鋼板と樹脂層の比は20対1〜1対1が好適であ
る。 本発明の制振性複合鋼板を製造するには各種の
公知の手法が採用し得る。例えば、不飽和カルボ
ン酸又はその無水物をグラフトした変性ポリオレ
フインを溶液にして鋼板の間に塗布し、乾燥した
後、樹脂組成物フイルムと熱圧着する方法、樹脂
組成物と変性ポリオレフインを共押出で、又は
別々にフイルム状に成形した後、鋼板の間に挟ん
でプレス又はホツトロールで積層する方法、ある
いは樹脂組成物と変性ポリオレフインを鋼板の間
に共押出で、又は別々に溶融状態でフイルム状に
押出して積層する方法等がある。特に共押出によ
る方法が工程が簡略化できるので好ましい。 また、鋼板との積層に際して、フイルム状の変
性ポリオレフインをコロナ処理、火炎処理等の表
面処理を行なつた後、必要あれば接着剤を用いて
鋼板と貼り合せてもよい。 [作用及び効果] 本発明に用いる樹脂組成物と変性ポリオレフイ
ンは、溶融状態でフイルム状に成形可能であるの
で、従来の制振性材料に比して、制振性複合鋼板
の製造工程の簡略化が可能である。 また本発明の制振性複合鋼板の制振層には、接
着樹脂層と制振性樹脂層とが設けられており、そ
の結果、複合鋼板として厚さを同一にした場合、
制振性樹脂層の厚みは相対的に薄くなるにも拘ら
ず制振性の低下は見られない。従つて、本発明に
よる制振性複合鋼板は、制振性を低下することな
く鋼板との積層に起因する問題点を解決できるた
め、制振性と加工性が共に優れた制振性複合鋼板
を設計することができるものである。 [実施例] 次に実施例を示すが、以下の実施例における制
振性複合鋼板は、組成物をフイルムにした後、2
枚の鋼板の間に挟んで圧縮成形法により積層した
ものであつて、鋼板の厚みは0.8mm、樹脂層の厚
みは0.1mmである。 制振性複合鋼板のηは、機械的インピーダンス
法の共振応答法により、1000Hzにて測定された損
失係数ηである。 複合鋼板のTピール密着力(JIS−K6854)及
び剪断密着力(JIS−K6850)は試験速度がそれ
ぞれ50mm/分、4mm/分にて測定を行なつた。 ポリオレフインに共重合している単量体の測定
法は、得られた改質プロピレン・エチレン共重合
体を沸騰キシレン中に溶解し、アセトンにて再沈
したものを真空乾燥し、赤外分析法によりスチレ
ン及びアクリル酸エステルの含量を測定する方法
で行なつた。 実施例 1 グラフト共重合体の製造 50容量のオートクレープに純水20Kg、懸濁剤
の第三リン酸カルシウム0.6Kg及びドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.06Kgを混入して水性
媒質とし、それに粒径3〜4mmのプロピレン・エ
チレン共重合体(MFR4g/10分、エチレン含量
8重量%。以下PPと略称する)粒子4Kgを撹拌
により懸濁させた、別に、ベンゾイルペルオキシ
ド18gをスチレン4.2Kg及びアクリル酸2−エチ
ルヘキシル1.8Kgに溶解し、これを先の懸濁系に
添加し、オートクレープ内に窒素を導入し、系内
を置換した。さらにオートクレーブ内を60℃に昇
温し、この温度で撹拌しながら5時間放置して重
合開始剤等を含むスチレンとアクリル酸2−エチ
ルヘキシルをPP粒子中に含浸させた。 次にこの懸濁液を80℃に昇温し、この温度で撹
拌しながら5時間放置して重合を行ない、さらに
90℃に昇温して重合を完結させた。冷却後、内容
固形物を取出して水洗し、スチレン・アクリル酸
2−エチルヘキシル改質プロピレン・エチレン共
重合体(以下改質PPと省略する)粒子10Kgを得
た。得られた改質PP中のスチレン含量は42重量
%、アクリル酸2−エチルヘキシル含量は18重量
%及びそれらのグラフト共重合量はそれぞれ8.8
重量%、3.8重量%であつた。 得られた改質PP粒子に酸化防止剤を添加した
ものを用いて、組成物の引張伸びを測定した結
果、620%であつた。 3層フイルムの製造 内外層として無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン(三菱油化社製「モデイツクP−300M」)を用
い、中間層として上記改質PP粒子に酸化防止剤
を添加したものを用いて、共押出2樹脂3層フイ
ルム成形機により内層/中間層/外層がそれぞれ
15μm/70μm/15μmの三層フイルムを成形し
た。 この3層フイルムを0.8mmの冷延鋼板2枚の間
に挟んで複合鋼板とした。中間樹脂層の厚さは
0.1mmであつた。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を第1表に示す。
合鋼板に関するものである。 近年、道路交通網の発達や、工場の住宅地域へ
の隣接により、騒音公害が問題となつており、各
種の交通機関、機械、構造物等より発生する騒音
に対する低減対策が重要になつてきた。特に、自
動車のエンジン回りの部品、金属加工機械、家電
部品等において騒音低減が強く望まれている。 このような騒音対策の1つに制振性複合鋼板の
使用があり、これは制振層として用いられている
粘弾性物質の剪断変形による内部摩擦を利用して
振動を軽減させるものである。制振用複合鋼板
は、前記のような騒音発生源を囲む形で使用され
るため、板状の外、曲げ加工や絞り加工によつて
所望の形状に加工される。 [従来の技術] 従来、制振性複合鋼板の中間層として制振用に
用いられる樹脂組成物としては、例えばスチレ
ン・アクリル酸エステル共重合体+鱗片状無機質
粉末の水分散体(特開昭57−167360号公報明細
書)、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性さ
れた結晶性ポリオレフイン+無定形重合体(特開
昭59−80454号公報明細書)、エチレン系酸性共重
合体+粘弾性物質(特公昭54−1354号公報明細
書)等の各種のものが知られている。 [発明が解決しようとする課題] これら従来技術において、制振性樹脂組成物を
用いた制振性複合鋼板は、制振性と曲げ加工や深
絞り等の加工性との両面バランスの点で必ずしも
満足のいくものではなかつた。 一方、本発明者らによる研究の結果、耐熱性及
び剛性に優れる結晶性ポリオレフインに、アクリ
ル酸エステルとビニル芳香族単量体との共重合物
をポリオレフインとの共重合を介して配合した組
成物が、複合鋼板の制振制の改良に有効であるこ
とを見出したが、このものもまた、制振制には優
れるものの、複合鋼板とした場合の加工性及び接
着性において不満足であつた。 本発明は、上記の制振性に優れる結晶性ポリオ
レフインとアクリル酸エステル・ビニル芳香族単
量体との組成物を用いた制振性複合鋼板の加工性
を改良し、制振性、機械的強度、接着性及び加工
性のバランスに優れる制振性複合鋼板を提供する
ものである。 [課題を解決するための手段] 本発明者らは、制振性複合鋼板の制振性と加工
性について種々検討した結果、加工性には制振層
の接着性が重要であり、単一の制振層では制振性
と接着性を共に高く保つことが困難なこと、ま
た、接着層として変性ポリオレフイン層を新たに
設けても、それにより制振性樹脂層の厚みが薄く
なるにも拘らず、同一厚みの制振性樹脂層と比較
し、制振性が低下しないことを見出し、本発明に
到達した。 すなわち、本発明は、結晶性のエチレン系重合
体、プロピレン系重合体又はブテン−1系重合体
A95〜10重量%とアクリル酸エステル及びビニル
芳香族単量体から誘導される重合体B5〜90重量
%を含有し、該重合体Bのアクリル酸エステル及
びビニル芳香族単量体のうち少なくとも一種の
0.5%以上が前記重合体Aに共重合されている樹
脂組成物Cからなる中間層が、該樹脂組成物に用
いられたと同種の結晶性重合体Aを不飽和カルボ
ン酸又はその無水物によりグラフト変性して得ら
れる変性ポリオレフインDの層を介して鋼板と積
層されていることを特徴とする制振性複合鋼板で
ある。 本発明で用いる結晶性エチレン系重合体、プロ
ピレン系重合体又はブテン−1系重合体Aは、エ
チレン、プロピレンの単独又はこれらの共重合
体、あるいはこれらを主成分とする他の単量体と
の共重合体であり、例えば低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、アイソタクチツクポリプロ
ピレン、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチ
レン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレ
ン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・オクテン
−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体
等であり、剛性及び耐熱性の点から高密度ポリエ
チレン等の線状ポリエチレン、プロピレン系重合
体、ブテン−1系重合体が好ましく、特にプロピ
レン系重合体、ブテン−1系重合体がよい。 一方、本発明で用いられるアクリル酸エステル
及びビニル芳香族単量体から誘導される重合体B
には、この両者のみからなる共重合体の外、上記
ポリオレフインに共重合したアクリル酸エステル
及び又はビニル芳香族単量体も含まれる。 アクリル酸エステルとしては、アクリル酸又は
メタクリル酸のエステルであり、例えばアクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタク
リル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸ベンジルなどを用いることがで
きる。 また、ビニル芳香族単量体としては、スチレ
ン、該置換スチレン例えばメチルスチレン、ジメ
チルスチレン、クロルスチレン、α置換スチレン
例えばα−メチルスチレン、α−エチルスチレン
などを用いることができる。 アクリル酸エステルとビニル芳香族単量体のみ
からなる共重合体の製造法としては通常の溶液重
合、エマルジヨン重合、サスペンジヨン重合等の
ランダム重合法が適当である。得られた共重合体
は、2種以上を併用しても構わない。 この誘導される重合体中におけるアクリル酸エ
ステルの割合は、η最大値を示す温度を制振性複
合鋼板の使用温度に合わせるように適宜選ぶこと
ができるが、一般には5〜95重量%である。な
お、この重合体には必要によりさらに第三成分と
しての他の単量体が少量、例えば30重量%以下共
存して重合されていてもよいものである。 上記結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重
合体又はブテン−1系重合体は、95〜10重量%、
好ましくは80〜30重量%、特に好ましくは70〜40
重量%必要であり、この範囲より少ないと制振性
複合鋼板の加工性が悪化し、この範囲より多いと
制振性が低下して好ましくない。 また、一般に騒音発生源の環境温度及び発生す
る騒音の周波数範囲はそれぞれ0〜150℃、20〜
20000Hzであり、制振性複合鋼板は前記温度及び
周波数において効果的な制振性を発揮する必要が
ある。制振性複合鋼板のηは、振動減衰効果の点
から0.05、好ましくは0.1以上必要であり、アク
リル酸エステルとビニル芳香族単量体から誘導さ
れる重合体は、制振性複合鋼板のη改良の点から
少なくとも5〜90重量%、好ましくは20〜70重量
%、特に好ましくは30〜60重量%必要である。こ
の範囲より低いと、制振性複合鋼板のηが低くな
り、逆にこの範囲より高いと制振性複合鋼板の加
工性が悪くなり好ましくない。 本発明の樹脂組成物においては、アクリル酸エ
ステルとビニル芳香族単量体から誘導される重合
体Bには、結晶性エチレン系重合体、プロピレン
系重合体又はブテン−1系重合体Aと共重合され
ている成分も含まれる。 すなわち、本発明の組成物で用いられる結晶性
エチレン系重合体、プロピレン系重合体又はブテ
ン−1系重合体Aは2種以上を併用しても差支え
ないが、その少なくとも一部が前記したアクリル
酸エステル又はビニル芳香族単量体もしくはその
両者で共重合されており、その共重合量は、アク
リル酸エステルとビニル芳香族単量体から誘導さ
れる重合体Bの総量0.5重量%以上、好ましくは
1重量%以上、特に好ましくは3重量%以上であ
る。結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重合
体又はブテン−1系重合体に対する共重合量がこ
の量を下回ると、得られる組成物に所期の機械的
強度が得られず、複合鋼板の成形加工法も劣る。 結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重合体
又はブテン−1系重合体との共重合の手段として
は、例えば特開昭58−198529号、特開昭59−
27934号、特公昭58−53003号等の各明細書に記載
された各種のブロツク共重合やグラフト共重合の
手段を用いることができる。 本発明の組成物は、これらの各成分を通常の混
練法によつて混練して得てもよいが、制振性複合
鋼板の曲げ加工、絞り加工の点及び組成物の製造
の容易さの点からすると、結晶性ポリオレフイン
と所定量のアクリル酸エステル及びビニル芳香族
単量体を懸濁系、溶液系又は溶融系、中でも好ま
しくは水性懸濁系でグラフト共重合条件に付して
得られる変性物が本発明の組成物として特に好ま
しい。 本発明の組成物には、本発明の目的を損なわな
い範囲で、各種の添加剤、可塑剤、フイラー、エ
ラストマー等を配合することができる。可塑剤は
組成物のtanδ最大値を示す温度を低温側に移行さ
せ、制振性複合鋼板の制振温度範囲を調節する効
果を有すると共に、組成物を柔軟にして脆さを改
良する点で有用である。また、フイラーは組成物
のtanδ最大値を示す温度における剛性率を高く保
つ効果を有し、その点でηの改善効果を有する。
エラストマーとしては、物性改良の目的でスチレ
ン・ブタジエンブロツク共重合体又はその水添
物、エチレン・プロピレンゴム等の配合が好まし
い。 本発明で前記樹脂組成物を鋼板に積層するため
に用いられる変性ポリオレフインとしては、前記
結晶性エチレン系重合体、プロピレン系重合体又
はブテン−1系重合体Aとして挙げたポリオレフ
インと同種のポリオレフインに不飽和カルボン酸
又はその無水物をグラフトしたものである。 不飽和カルボン酸又はその無水物としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、無水マレイン酸等が挙げられるが、中でも無
水マレイン酸が最も好ましい。 グラフト変性する方法は、これらの成分をペル
オキシド若しくはアゾ化合物等のラジカル発生剤
の存在下ないしは不存在下に、溶融グラフト又は
溶液グラフト等通常の手法で行なわれる。 変性ポリオレフイン中の不飽和カルボン酸又は
その無水物の含量は、鋼板との接着性の点から、
0.01重量%以上必要である。 また変性ポリオレフインのMFRは、フイルム
の成形性、制振性複合鋼板の加工性、接着性等の
点から、好ましくは0.5〜20g/10分、特に好ま
しくは1〜10g/10分である。 樹脂組成物がエチレン系の場合には変性ポリオ
レフインとしてはエチレン系樹脂の変性物が、ま
た、プロピレン系の場合にはプロピレン系樹脂の
変性物が、また、ブテン−1系の場合にはプロピ
レン系又はブテン−1系樹脂の変性物が好適に用
いられる。 さらに、本発明の組成物又は変性ポリオレフイ
ンには、制振性複合鋼板の溶接性、塗装性の改良
を目的として導電性を付与するため、カーボンブ
ラツク、金属繊維等各種の導電性フイラーを配合
することができる。また、難燃性の改良を目的と
して、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム等
各種の難燃化剤を配合することもできる。 本発明で用いる鋼板は、例えば熱延鋼板、軟質
冷延鋼板、高張力鋼板、ステンレス鋼板又は電気
亜鉛メツキ鋼板、溶融亜鉛メツキ鋼板、これらの
合金化処理鋼板、例えば亜鉛系合金メツキ鋼板や
ジンクロメタル等、アルミメツキ鋼板、ニツケル
メツキ鋼板、スズメツキ鋼板などの各種表面処理
鋼板等が挙げられる。中でも防蝕処理を施した表
面処理鋼板が好ましい。 本発明の制振性複合鋼板の鋼板の厚みは0.2〜
3.2mm、変性ポリオレフイン層の厚みは0.005〜0.1
mmであり、樹脂組成物層の厚みは0.03〜0.5mmで
あり、好ましくはそれぞれ0.2〜2.0mm、0.005〜
0.05mm、0.03〜0.3mmである。 変性ポリオレフイン層の厚みが上記範囲より少
ないとフイルム成形が困難であり、鋼板との接着
の安定性が劣るために好ましくない。一方、上記
範囲より多いと制振性及び複合鋼板の加工性が劣
り好ましくない。 樹脂組成物の厚みが上記範囲より少ないと制振
性が劣るため好ましくない。一方、上記範囲より
多いと複合鋼板の加工性が劣り好ましくない。 鋼板を厚みが上記範囲より少ないと複合鋼板の
加工性が劣り好ましくない。一方、上記範囲より
多いと複合鋼板の制振性が劣り好ましくない、ま
た鋼板と樹脂層の比は20対1〜1対1が好適であ
る。 本発明の制振性複合鋼板を製造するには各種の
公知の手法が採用し得る。例えば、不飽和カルボ
ン酸又はその無水物をグラフトした変性ポリオレ
フインを溶液にして鋼板の間に塗布し、乾燥した
後、樹脂組成物フイルムと熱圧着する方法、樹脂
組成物と変性ポリオレフインを共押出で、又は
別々にフイルム状に成形した後、鋼板の間に挟ん
でプレス又はホツトロールで積層する方法、ある
いは樹脂組成物と変性ポリオレフインを鋼板の間
に共押出で、又は別々に溶融状態でフイルム状に
押出して積層する方法等がある。特に共押出によ
る方法が工程が簡略化できるので好ましい。 また、鋼板との積層に際して、フイルム状の変
性ポリオレフインをコロナ処理、火炎処理等の表
面処理を行なつた後、必要あれば接着剤を用いて
鋼板と貼り合せてもよい。 [作用及び効果] 本発明に用いる樹脂組成物と変性ポリオレフイ
ンは、溶融状態でフイルム状に成形可能であるの
で、従来の制振性材料に比して、制振性複合鋼板
の製造工程の簡略化が可能である。 また本発明の制振性複合鋼板の制振層には、接
着樹脂層と制振性樹脂層とが設けられており、そ
の結果、複合鋼板として厚さを同一にした場合、
制振性樹脂層の厚みは相対的に薄くなるにも拘ら
ず制振性の低下は見られない。従つて、本発明に
よる制振性複合鋼板は、制振性を低下することな
く鋼板との積層に起因する問題点を解決できるた
め、制振性と加工性が共に優れた制振性複合鋼板
を設計することができるものである。 [実施例] 次に実施例を示すが、以下の実施例における制
振性複合鋼板は、組成物をフイルムにした後、2
枚の鋼板の間に挟んで圧縮成形法により積層した
ものであつて、鋼板の厚みは0.8mm、樹脂層の厚
みは0.1mmである。 制振性複合鋼板のηは、機械的インピーダンス
法の共振応答法により、1000Hzにて測定された損
失係数ηである。 複合鋼板のTピール密着力(JIS−K6854)及
び剪断密着力(JIS−K6850)は試験速度がそれ
ぞれ50mm/分、4mm/分にて測定を行なつた。 ポリオレフインに共重合している単量体の測定
法は、得られた改質プロピレン・エチレン共重合
体を沸騰キシレン中に溶解し、アセトンにて再沈
したものを真空乾燥し、赤外分析法によりスチレ
ン及びアクリル酸エステルの含量を測定する方法
で行なつた。 実施例 1 グラフト共重合体の製造 50容量のオートクレープに純水20Kg、懸濁剤
の第三リン酸カルシウム0.6Kg及びドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.06Kgを混入して水性
媒質とし、それに粒径3〜4mmのプロピレン・エ
チレン共重合体(MFR4g/10分、エチレン含量
8重量%。以下PPと略称する)粒子4Kgを撹拌
により懸濁させた、別に、ベンゾイルペルオキシ
ド18gをスチレン4.2Kg及びアクリル酸2−エチ
ルヘキシル1.8Kgに溶解し、これを先の懸濁系に
添加し、オートクレープ内に窒素を導入し、系内
を置換した。さらにオートクレーブ内を60℃に昇
温し、この温度で撹拌しながら5時間放置して重
合開始剤等を含むスチレンとアクリル酸2−エチ
ルヘキシルをPP粒子中に含浸させた。 次にこの懸濁液を80℃に昇温し、この温度で撹
拌しながら5時間放置して重合を行ない、さらに
90℃に昇温して重合を完結させた。冷却後、内容
固形物を取出して水洗し、スチレン・アクリル酸
2−エチルヘキシル改質プロピレン・エチレン共
重合体(以下改質PPと省略する)粒子10Kgを得
た。得られた改質PP中のスチレン含量は42重量
%、アクリル酸2−エチルヘキシル含量は18重量
%及びそれらのグラフト共重合量はそれぞれ8.8
重量%、3.8重量%であつた。 得られた改質PP粒子に酸化防止剤を添加した
ものを用いて、組成物の引張伸びを測定した結
果、620%であつた。 3層フイルムの製造 内外層として無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン(三菱油化社製「モデイツクP−300M」)を用
い、中間層として上記改質PP粒子に酸化防止剤
を添加したものを用いて、共押出2樹脂3層フイ
ルム成形機により内層/中間層/外層がそれぞれ
15μm/70μm/15μmの三層フイルムを成形し
た。 この3層フイルムを0.8mmの冷延鋼板2枚の間
に挟んで複合鋼板とした。中間樹脂層の厚さは
0.1mmであつた。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を第1表に示す。
【表】
レン・エチレン重合体を示す。
比較例 1 実施例1の3層フイルムの代りに、上記の改質
PPに酸化防止剤を添加したものを用いて、フイ
ルム成形機により100μmの単層フイルムを成形
し、0.8mmの鋼板2枚の間に挟んで複合鋼板とし
た。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を同様に第1表に示す。 比較例 2 スチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重
合体(SAE)の製造 50の容量のオートクレーブに純水35Kg、懸濁
剤のポリビニルアルコール320gを混入して水性
媒質とし、これにベンゾイルペルオキシド180g
をスチレン12.6Kg及びアクリル酸2−エチルヘキ
シル5.4Kgに溶解した後添加し、撹拌して懸濁さ
せた。 オートクレーブ内に窒素を導入し、系内を窒素
置換した後、オートクレーブ内を6℃に昇温し、
この温度で撹拌しながら5時間放置して予備重合
させた後、撹拌速度を上げながらオートクレーブ
内を90℃に昇温し、この温度で撹拌しながら3時
間放置して重合を完結させた。 冷却後、内容固形物を取出して水洗し、スチレ
ン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体
(SAE)17.5Kgを得た。得られたSAE中のスチレ
ン含量は70重量%、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル含量は30重量%であつた。 このSAE60重量%及び実施例1でグラフト共
重合体の製造に用いたPP40重量%に酸化防止剤
を添加したものを用いて、実施例1と同様にして
測定し組成物の引張伸びは20%であつた。 実施例 2 グラフト共重合体の製造 50容量のオートクレープに純水20Kg、懸濁剤
の第三リン酸カルシウル0.6Kg、及びドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.06Kgを混入して水
性媒質としそれに粒径3〜4mmのエチレン系重合
体(MFR9g/10分、密度0.95g/cm3)(以下PE
と略称する)粒子5Kgを撹拌により懸濁させた。
別に、ベンゾイルペルオキシド15gをスチレン
3.5Kg及びアクリル酸2−エチルヘキシル1.5Kgに
溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレ
ープ内に窒素を導入して系内を窒素置換した。さ
らにオートクレーブ内を60℃に昇温し、この温度
で撹拌しながら5時間放置して重合開始剤等を含
むスチレンとアクリル酸2−エチルヘキシルを
PE粒子中に含浸させた。 次にこの懸濁液を80℃に昇温し、この温度で撹
拌しながら5時間放置して重合を行ない、さらに
90℃に昇温して5時間維持して重合を完結させ
た。 冷却後、内容固形物を取出して水洗し、スチレ
ン・アクリル酸2−エチルヘキシル改質エチレン
系重合体(以下改質PEと省略する)粒子10Kgを
得た。得られた改質PE中のスチレン含量は35重
量%、アクリル酸2−エチルヘキシル含量は15重
量%で、それらのグラフト共重合体はそれぞれ7
重量%、3重量%であつた。 得られた改質PE粒子に酸化防止剤を添加した
ものを用いて、実施例1と同様にして測定した組
成物の引張伸びは450%であつた。 3層フイルムの製造 内外層として無水マレイン酸変性ポリエチレン
(三菱油化(株)製「モデイツクH−400M」)を用い、
中間層として上記改質PP粒子に酸化防止剤を添
加したものを用いて、共押出2樹脂3層フイルム
成形機により内層/中間層/外層がそれぞれ15μ
m/70μm/15μmの三層フイルムを成形した。 この3層フイルムを0.8mmの冷延鋼板2枚の間
に挟んで複合鋼板とした。中間樹脂層の厚さは
0.1mmであつた。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を第2表に示す。
比較例 1 実施例1の3層フイルムの代りに、上記の改質
PPに酸化防止剤を添加したものを用いて、フイ
ルム成形機により100μmの単層フイルムを成形
し、0.8mmの鋼板2枚の間に挟んで複合鋼板とし
た。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を同様に第1表に示す。 比較例 2 スチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重
合体(SAE)の製造 50の容量のオートクレーブに純水35Kg、懸濁
剤のポリビニルアルコール320gを混入して水性
媒質とし、これにベンゾイルペルオキシド180g
をスチレン12.6Kg及びアクリル酸2−エチルヘキ
シル5.4Kgに溶解した後添加し、撹拌して懸濁さ
せた。 オートクレーブ内に窒素を導入し、系内を窒素
置換した後、オートクレーブ内を6℃に昇温し、
この温度で撹拌しながら5時間放置して予備重合
させた後、撹拌速度を上げながらオートクレーブ
内を90℃に昇温し、この温度で撹拌しながら3時
間放置して重合を完結させた。 冷却後、内容固形物を取出して水洗し、スチレ
ン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体
(SAE)17.5Kgを得た。得られたSAE中のスチレ
ン含量は70重量%、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル含量は30重量%であつた。 このSAE60重量%及び実施例1でグラフト共
重合体の製造に用いたPP40重量%に酸化防止剤
を添加したものを用いて、実施例1と同様にして
測定し組成物の引張伸びは20%であつた。 実施例 2 グラフト共重合体の製造 50容量のオートクレープに純水20Kg、懸濁剤
の第三リン酸カルシウル0.6Kg、及びドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.06Kgを混入して水
性媒質としそれに粒径3〜4mmのエチレン系重合
体(MFR9g/10分、密度0.95g/cm3)(以下PE
と略称する)粒子5Kgを撹拌により懸濁させた。
別に、ベンゾイルペルオキシド15gをスチレン
3.5Kg及びアクリル酸2−エチルヘキシル1.5Kgに
溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレ
ープ内に窒素を導入して系内を窒素置換した。さ
らにオートクレーブ内を60℃に昇温し、この温度
で撹拌しながら5時間放置して重合開始剤等を含
むスチレンとアクリル酸2−エチルヘキシルを
PE粒子中に含浸させた。 次にこの懸濁液を80℃に昇温し、この温度で撹
拌しながら5時間放置して重合を行ない、さらに
90℃に昇温して5時間維持して重合を完結させ
た。 冷却後、内容固形物を取出して水洗し、スチレ
ン・アクリル酸2−エチルヘキシル改質エチレン
系重合体(以下改質PEと省略する)粒子10Kgを
得た。得られた改質PE中のスチレン含量は35重
量%、アクリル酸2−エチルヘキシル含量は15重
量%で、それらのグラフト共重合体はそれぞれ7
重量%、3重量%であつた。 得られた改質PE粒子に酸化防止剤を添加した
ものを用いて、実施例1と同様にして測定した組
成物の引張伸びは450%であつた。 3層フイルムの製造 内外層として無水マレイン酸変性ポリエチレン
(三菱油化(株)製「モデイツクH−400M」)を用い、
中間層として上記改質PP粒子に酸化防止剤を添
加したものを用いて、共押出2樹脂3層フイルム
成形機により内層/中間層/外層がそれぞれ15μ
m/70μm/15μmの三層フイルムを成形した。 この3層フイルムを0.8mmの冷延鋼板2枚の間
に挟んで複合鋼板とした。中間樹脂層の厚さは
0.1mmであつた。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を第2表に示す。
【表】
系重合体を示す。
比較例 3 実施例2の3層フイルムの代りに、上記の改質
PEに酸化防止剤を添加したものを用いて、フイ
ルム成形機により100μmの単層フイルムを成形
し、0.8mmの鋼板2枚の間に挟んで複合鋼板とし
た。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を同様に第2表に示す。 比較例 4 比較例2で得られたSAE50重量%及び実施例
2でグラフト共重合体の製造に用いたPE50重量
%に酸化防止剤を添加したものを用いて、実施例
2と同様にして組成物の引張伸びを測定した結果
は10%であつた。 実施例 3 グラフト共重合体の製造 50容量のオートクレープに純水20Kg、懸濁剤
の第三リン酸カルシウル0.6Kg、及びドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.06Kgを混入して水
性媒質とし、それに粒径3〜4mmのブテン−1系
重合体(MFR4/10分、密度0.90g/cm3)(以下
PBと略称する)粒子5Kgを撹拌により懸濁させ
た。別に、ベンゾイルペルオキシド15gをスチレ
ン3Kg及びアクリル酸2−エチルヘキシル2Kgに
溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレ
ーブ内を窒素置換した。さらにオートクレープ内
を60℃に昇温し、この温度で撹拌しながら5時間
放置して重合開始剤等を含むスチレンとアクリル
酸2−エチルヘキシルをPB粒子中に含浸させた。 次にこの懸濁液を80℃に昇温し、この温度で撹
拌しながら5時間放置して重合を行ない、さらに
90℃に昇温して5時間維持して重合を完結させ
た。 冷却後、内容固形物を取出して水洗し、スチレ
ン・アクリル酸2−エチルヘキシル改質ブテン−
1系重合体(以下改質PBと略称する)粒子10Kg
を得た。得られた改質PB中のスチレン含量は30
重量%、アクリル酸2−エチルヘキシル含量は20
重量%で、それらのグラフト共重合体はそれぞれ
6重量%、4重量%であつた。 得られた改質PB粒子に酸化防止剤を添加した
ものを用いて、実施例1と同様にして測定した組
成物の引張伸びは500%であつた。 3層フイルムの製造 内外層として無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン(三菱油化(株)製「モデイツクP−300M」)を用
い、中間層として上記改質PB粒子に酸化防止剤
を添加したものを用いて、共押出2樹脂3層フイ
ルム成形機により内層/中間層/外層がそれぞれ
15μm/70μm/15μmの三層フイルムを成形し
た。 この3層フイルムを0.8mmの冷延鋼板2枚の間
に挟んで複合鋼板とした。中間樹脂層の厚さは
0.1mmであつた。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を第3表に示す。
比較例 3 実施例2の3層フイルムの代りに、上記の改質
PEに酸化防止剤を添加したものを用いて、フイ
ルム成形機により100μmの単層フイルムを成形
し、0.8mmの鋼板2枚の間に挟んで複合鋼板とし
た。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を同様に第2表に示す。 比較例 4 比較例2で得られたSAE50重量%及び実施例
2でグラフト共重合体の製造に用いたPE50重量
%に酸化防止剤を添加したものを用いて、実施例
2と同様にして組成物の引張伸びを測定した結果
は10%であつた。 実施例 3 グラフト共重合体の製造 50容量のオートクレープに純水20Kg、懸濁剤
の第三リン酸カルシウル0.6Kg、及びドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.06Kgを混入して水
性媒質とし、それに粒径3〜4mmのブテン−1系
重合体(MFR4/10分、密度0.90g/cm3)(以下
PBと略称する)粒子5Kgを撹拌により懸濁させ
た。別に、ベンゾイルペルオキシド15gをスチレ
ン3Kg及びアクリル酸2−エチルヘキシル2Kgに
溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレ
ーブ内を窒素置換した。さらにオートクレープ内
を60℃に昇温し、この温度で撹拌しながら5時間
放置して重合開始剤等を含むスチレンとアクリル
酸2−エチルヘキシルをPB粒子中に含浸させた。 次にこの懸濁液を80℃に昇温し、この温度で撹
拌しながら5時間放置して重合を行ない、さらに
90℃に昇温して5時間維持して重合を完結させ
た。 冷却後、内容固形物を取出して水洗し、スチレ
ン・アクリル酸2−エチルヘキシル改質ブテン−
1系重合体(以下改質PBと略称する)粒子10Kg
を得た。得られた改質PB中のスチレン含量は30
重量%、アクリル酸2−エチルヘキシル含量は20
重量%で、それらのグラフト共重合体はそれぞれ
6重量%、4重量%であつた。 得られた改質PB粒子に酸化防止剤を添加した
ものを用いて、実施例1と同様にして測定した組
成物の引張伸びは500%であつた。 3層フイルムの製造 内外層として無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ン(三菱油化(株)製「モデイツクP−300M」)を用
い、中間層として上記改質PB粒子に酸化防止剤
を添加したものを用いて、共押出2樹脂3層フイ
ルム成形機により内層/中間層/外層がそれぞれ
15μm/70μm/15μmの三層フイルムを成形し
た。 この3層フイルムを0.8mmの冷延鋼板2枚の間
に挟んで複合鋼板とした。中間樹脂層の厚さは
0.1mmであつた。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を第3表に示す。
【表】
比較例 5
実施例3の3層フイルムの代りに、上記の改質
PBに酸化防止剤を添加したものを用いて、フイ
ルム成形機により100μmの単層フイルムを成形
し、0.8mmの鋼板2枚の間に挟んで複合鋼板とし
た。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を同様に第3表に示す。 比較例 6 比較例2のSAE製造において、スチレン10.8Kg
及びアクリル酸2−エチルヘキシル7.2Kgを用い
た以外は同様にして、SAE17.5Kgを得た。得られ
たSAE中のスチレン含量は60重量%、アクリル
酸2−エチルヘキシル含量は40重量%であつた。 得られたSAE50重量%及び実施例3でグラフ
ト共重合体の製造に用いたPB50重量%に酸化防
止剤を添加したものを用いて、実施例3と同様に
して組成物の引張伸びを測定した結果は10%であ
つた。
PBに酸化防止剤を添加したものを用いて、フイ
ルム成形機により100μmの単層フイルムを成形
し、0.8mmの鋼板2枚の間に挟んで複合鋼板とし
た。 得られた複合鋼板のTピール密着力、剪断密着
力、制振性能の1000Hzにおける最大値(ηmax)
を同様に第3表に示す。 比較例 6 比較例2のSAE製造において、スチレン10.8Kg
及びアクリル酸2−エチルヘキシル7.2Kgを用い
た以外は同様にして、SAE17.5Kgを得た。得られ
たSAE中のスチレン含量は60重量%、アクリル
酸2−エチルヘキシル含量は40重量%であつた。 得られたSAE50重量%及び実施例3でグラフ
ト共重合体の製造に用いたPB50重量%に酸化防
止剤を添加したものを用いて、実施例3と同様に
して組成物の引張伸びを測定した結果は10%であ
つた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 結晶性のエチレン系重合体、プロピレン系重
合体又はブテン−1系重合体A95〜10重量%とア
クリル酸エステル及びビニル芳香族単量体から誘
導される重合体B5〜90重量%を含有し、該重合
体Bのアクリル酸エステル及びビニル芳香族単量
体のうちの少なくとも一種の0.5%以上が前記重
合体Aに共重合されている樹脂組成物Cからなる
中間層が、該樹脂組成物に用いられたと同種の結
晶性重合体Aを不飽和カルボン酸又はその無水物
によりグラフト変性して得られる変性ポリオレフ
インDの層を介して鋼板と積層されていることを
特徴とする制振性複合鋼板。 2 樹脂組成物Cが、結晶性のエチレン系重合
体、プロピレン系重合体又はブテン−1系重合体
Aとアクリル酸エステル及びビニル芳香族単量体
とをグラフト共重合の条件下に処理して得られる
変性物である、特許請求の範囲第1項に記載の制
振性複合鋼板。 3 不飽和カルボン酸の無水物が無水マレイン酸
である、特許請求の範囲第1項又は第2項に記載
の制振性複合鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10975085A JPS61268440A (ja) | 1985-05-22 | 1985-05-22 | 制振性複合鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10975085A JPS61268440A (ja) | 1985-05-22 | 1985-05-22 | 制振性複合鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61268440A JPS61268440A (ja) | 1986-11-27 |
| JPH0345704B2 true JPH0345704B2 (ja) | 1991-07-11 |
Family
ID=14518302
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10975085A Granted JPS61268440A (ja) | 1985-05-22 | 1985-05-22 | 制振性複合鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61268440A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04185336A (ja) * | 1990-11-16 | 1992-07-02 | Sekisui Jushi Co Ltd | 金属積層板の製造方法 |
| NL9201968A (nl) * | 1992-11-11 | 1994-06-01 | Hoogovens Hylite B V | Aluminium-polypropyleen-aluminium laminaat. |
| CN104842502A (zh) * | 2010-11-05 | 2015-08-19 | 株式会社钟化 | 嵌件成型用层叠粘接膜和嵌件成型方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57153064A (en) * | 1981-03-18 | 1982-09-21 | Sumitomo Chem Co Ltd | Adhesive resin composition |
-
1985
- 1985-05-22 JP JP10975085A patent/JPS61268440A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61268440A (ja) | 1986-11-27 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |