JPH0351081B2 - - Google Patents
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- JPH0351081B2 JPH0351081B2 JP57075915A JP7591582A JPH0351081B2 JP H0351081 B2 JPH0351081 B2 JP H0351081B2 JP 57075915 A JP57075915 A JP 57075915A JP 7591582 A JP7591582 A JP 7591582A JP H0351081 B2 JPH0351081 B2 JP H0351081B2
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- ribbon
- noise
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F3/00—Cores, Yokes, or armatures
- H01F3/04—Cores, Yokes, or armatures made from strips or ribbons
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
発明の背景
技術分野
本発明はノイズフイルター用磁心に関する。さ
らに詳しくは、パルス状雑音除去用のノイズフイ
ルターとして用いる各種コイルの磁心に関する。 先行技術とその問題点 例えば、電源ラインあるいは電源回路から機器
に入力するような場合、パイル雑音が、偶発的
に、機器内部に侵入したり、あるいは機器から外
部に漏出したりすることがあり、このため電源ラ
イン用のノイズフイルターを電源ラインあるいは
電源回路に挿入し、これを阻止している。 このような電源ライン用等のノイズフイルター
としては、その堅ろう性等から、フイルター機能
素子としてコイルを用いるのが有利な場合が多
く、電源回路の入力あるいは出力からの非周期的
かつ非定期的なパルス状の雑音を除去するため
の、コイルないしコモンモードやデイフアレンシ
アルモードのLCノイズフイルター等が多用され
ている。 このような電源ライン用等のノイズフイルター
における各種コイルの磁心を形成する材料として
は、従来、フエライト、圧粉材料等が用いられて
いる。 しかし、フエライト磁心は飽和磁束密度(Bs)
が小さく、例えば、それをコモンモードチヨーク
コイルとして、コモンモードノイズフイルタを形
成し、AC100Vの電源ラインに挿入したような場
合、大電圧雑音が入力すると、磁心が飽和してし
まい、それを有効に阻止することができず、機器
の誤動作を招いてしまう。 また、圧粉磁心は飽和磁束密度は大きいが、透
磁率が小さく、入力電圧に対するインダクタンス
が小さく、必要な特性を得るためには形状の大き
なコアを使用する必要があり、実用上大きな欠点
となつている。 このような実状の中で、この出願の出願人は、
先に、電源ライン用のノイズフイルターのコイル
の磁心として、実質的に完全に非晶質の磁性合金
からなる閉磁路磁心を用いる旨の提案を行つてい
る。この先の提案に係る磁心は、従来の磁心と比
較して、大電圧の雑音電流パルスの阻止能が格段
と向上したものである。 しかしながら、この電源ラインあるいは電源回
路に重畳するような雑音電流パルスは、しばしば
1000V以上、1μsec以上ものきわめて大きなパル
ス状電圧として生ずるものである。そして、この
ような大電圧パルス状雑音に対しては、上記の実
質的に完全に非晶質の閉磁路磁心も未だ実用に耐
えないことが判明した。 そこで、本発明者はさらに研究を重ね、先に、
非晶質の磁性合金中に、部分的に結晶質を導入す
ると、大電圧のパルス状雑音の除去能が向上する
旨を提案している。 しかし、このように部分的に結晶質を含む非晶
質磁性合金の薄帯から形成される磁心をもつノイ
ズフイルターも、パルス状の大電圧雑音の除去能
について、より一層の改良が望まれ、また、耐食
性、耐久性、耐衝撃性、耐高電圧パルス性等の信
頼性の点で未だ不十分である。 発明の目的 この出願の発明は、このような実状に鑑みなさ
れたものであつて、その主たる目的は、直流また
は交流に、偶発的に重畳する、特に大電圧のパル
ス状雑音を除去するためのノイズフイルター用の
非晶質磁性合金からなる磁心を改良して、すぐれ
た雑音除去能を有し、しかも耐食性、耐久性、耐
衝撃性、耐高電圧パルス性等の信頼性にすぐれた
ノイズフイルター用磁心を提供することにある。 本発明者は、このような目的につき鋭意研究を
行い、この出願の発明をなすに至つた。 すなわち、この出願の第1の発明は、部分的に
結晶質を含み、結晶質/非晶質の比が0.1〜50%
であり、下記式[1]で示される組成をもつ非晶
質磁性合金の薄帯を巻回してなる巻回体から形成
されてなることを特徴とするノイズフイルター用
磁心である。 式[] MxMny(SipBqCr)z [上式中、Mは、FeまたはFeとFeに対し10at%
以下のFeおよびMn以外の他の遷移金属元素の1
種以上との組合せを表わし、x+y+z=100at
%であり、このうち、yは0.1〜10at%、zは16
〜32at%である。 さらに、p+q+r=100%であり、このうち
pは20〜80%、r/qは0.01〜0.4である。 加えて、(1/5)p+6≦z≦−(1/2)p+67で
ある。 また、第2の発明は部分的に結晶質を含み、結
晶質/非晶質の比が0.1〜50%であり、下記式
[]で示される組成をもつ非晶質磁性合金の薄
帯を巻回してなる巻回体から形成されてなること
を特徴とするノイズフイルター用磁心である。 式[] MxMny(SipBqCrPs)z [上式中、Mは、FeまたはFeとFeに対し10at%
以下のFeおよびMn以外の他の遷移金属元素の1
種以上との組合せを表わし、x+y+z=100at
%であり、このうち、yは0.1〜10at%、zは16
〜32at%である。 さらに、p+q+r+s=100%であり、この
うち、pは20〜80%、sは5%以下、r/qは
0.01〜0.4である。 加えて、(1/5)p+6≦z≦−(1/2)p+67で
ある。 発明の具体的構成 以下、この出願の発明の具体的構成について詳
細に説明する。 この出願の第1および第2の発明の非晶質磁性
合金薄帯は、それぞれ上記式〔〕および〔〕
に示される組成を有する。 上式〔〕および〔〕において、Mは、Fe
またはFeと他の遷移金属元素(Sc〜Zn、Y
Cd、La〜Hg、Ac〜)を表わすが、Feと組みあ
わせて含有される元素の好ましい具体例として
は、Co、Ni、Cr、Cu、Mo、Nb、Ti、W、V、
Zr、Ta、Yあるいは希土類元素等の1種以上を
挙げることができる。 この場合、他の元素は、Feに対し10at%以下、
一般に0.1〜5at%含有することができる。 一方、薄帯中に必須成分として含有されるMn
の含有量yは、0.1〜10at%である。 0.1%未満では、インダクタンスの経時変化が
大きい。また、後述する微結晶析出のための熱処
理に必要な温度と時間の制限が厳しくなり、結晶
質を所望のごとく含有させることが困難となる。 yが10at%を超えると、薄帯が作りにくくな
る。また、飽和磁化が減少し、大電圧雑音に対す
る除去能が低下する。 これに対し、yが0.1〜10at%、好ましくは0.1
〜5at%では、このような不都合が解消する。 他方、Si、BおよびC、あるいはSi、B、Pお
よびCからなるガラス化元素の元有量zは、16〜
32at%である。 zが16at%未満となると、薄帯が作りにくくな
る。また、結晶化温度も低くなり、熱処理が困難
となる。 zが32at%を超えると、やはり薄帯が作りにく
くなる。また、飽和磁化が低下し、磁気特性上問
題が生じ、さらに熱処理も困難となる。 これに対し、zが16〜32%であると、このよう
な欠点はきわめて少なくなる。 さらに、ガラス化元素中のSi含有比pは、20〜
80%である。 pが20%未満となると、インダクタンスの経時
変化が大きく、安定した磁心が得られない。 pが80%を超えると、薄帯が作りにくくなる。
また、熱処理が困難となる。 これに対し、pが20〜80%となると、このよう
な欠点は解消する。 また、ガラス化元素の総計(Si+B+C、ある
いはSi+B+C+P)の含有量z at%と、Si含
有比p%との間には、(1/5)p+6≦z≦−(1/
2)P+67なる関係が存在しなければならない。 これは、z>−(1/2)p+67であつたり、z<
(1/5)p+6であつたりすると、薄帯が作りにく
くなり、熱処理が困難となるからである。 なお、ガラス化元素の総計の含有量z(at%)
とSi含有比p(%)との間には、上記したように、
16≦z≦32、20≦p≦80、かつ(1/5)p+6≦
z≦−(1/2)p+67なる関係がある。 これらの関係を第1図に従い説明するならば、
縦軸にz(at%)、横軸にp(%)をとり、(p、
z)の座標で表わしたとき、A(20、32)、B(70、
32)、C(80、27)、D(80、22)、E(50、16)、F
(20、16)およびAを順次直線で結び、これらの
直線上とこれらの直線で囲まれる領域とが、この
出願の両発明においてzとpとが満足すべき条件
である。 加えて、ガラス化元素中の炭素C含有比rを、
B含有比qで除した値r/qは0.01〜0.4である。 0.01未満では十分なこの出願の発明所定の効果
が得られない。 0.4をこえると、薄帯化が困難となり、また磁
気特性に問題が生じる。 一方、この出願の第1の発明においては、ガラ
ス化元素は、Si、BおよびCからなるが、第2の
発明においては、Si、BおよびCに加えて、Pが
含有される。 ガラス化元素中にPを含有させることによつ
て、インダクタンスの経時変化が抑えられ、耐久
性が向上する。 この場合、上式〔〕において、P含有量s
は、5%以下である。 これは、sが5%を超えると、大電圧雑音の除
去能力が低下してしまうからである。 なお、sが0.01%未満では、p添加による耐久
性の向上の効果が顕著ではないので、P含有量s
は、0.01〜5%、より好ましくは0.01〜2%であ
る。 なお、このようなガラス化元素には、必要に応
じ、ガラス化元素総量の10%以下の範囲で、さら
にAl、Be、Ge、Sb、In等の1種以上が含有され
ていても、この出願の発明の効果は減じられな
い。 以上詳述したような組成をもつこの出願の第1
および第2の発明における非晶質磁性合金の薄帯
は、部分的に結晶質を含むものである。 薄帯内において、非晶質中に部分的に含まれる
結晶質は、一般に、微結晶が析出して、非晶質中
に混在しているものである。 従つて、薄帯のX線回折を行うと、回折スペク
トルは、非晶質特有のハローの上に、結晶質の存
在を示すピークが重畳されたパターンを示す。ま
た、回折像にはハロー上にスポツトが重畳され、
所定の環径と環幅をもつデバイーシエーラー環が
現われる。 そして、回折スペクトルのハローとピークとの
面積比をとれば、薄帯中の結晶質と非晶質との存
在比が求められるものであるが、このように得ら
れる結晶質/非晶質の比は、0.1〜50%である。 また、析出した微結晶は、通常、デバイーシエ
ーラー環の環径と環幅とから、概ね10〜1000Å程
度の平均粒径をもつものと考えられるものであ
る。 そして、前記したような組成をもつ薄帯中に、
このように部分的に微結晶を含ませることによ
り、薄帯からノイズフイルター用磁心を形成した
とき、大電圧パルス状雑音の除去能が格段と向上
し、しかも熱的安定性も向上する。 この出願の第1および第2の発明における薄帯
は、以上詳述した条件さえ満足すれば、他の条件
につき、特に制限はない。 ただ、薄帯中に結晶質が部分的に導入された結
果、特に薄帯面内の所定方向に磁気異方性が付与
されると、透磁率が向上したり、雑音除去能がよ
り一層向上したり、更には各種磁気特性の調整が
容易となる点で好ましい。 この場合、磁気異方性は、薄帯面内における所
定の一方向に、通常一軸異方性として導入される
ことが好ましい。 すなわち、ほぼ完全に非晶質の磁性合金の薄帯
を、後述するように巻回する前、あるいは場合に
よつては巻回の後に無磁場中で熱処理することに
よつて、微結晶を析出させると、通常、薄帯長手
方向に一軸異方性が付与され、そのとき透磁率が
向上する。 また、薄帯長手方向と所定の角度をなす方向
に、薄帯巻回前、あるいは巻回後に磁場を印加し
て熱処理することにより、微結晶を析出させる
と、薄帯長手方向と所定の角度をなす方向に、一
軸異方性が付与され、そのとき、異方性方向を所
定の方向とすることにより、角形比やB−Hルー
プの不飽和領域を所望のごとく調整することがで
き、しかも、大電圧雑音の除去能をさらに向上さ
せることができる。 このような磁気異方性の存在は、常法に従い、
トルク曲線を測定したりすることなどにより容易
に検証される。 以上詳述してきたような薄帯は、概ね10〜
100μm程度の厚さと、概ね0.1〜50cm程度の巾を
もつ長尺の薄板である。 この出願の第1および第2の発明におけるノイ
ズフイルター用磁心は、このような薄帯を巻回し
てなる巻回体から構成される。 すなわち、薄帯を巻回してなる巻回自体から磁
心が形成されてもよい。 あるいは、巻回体を切断してU字、C字、I
字、L字状等の切断体とし、この切断体をカツト
コアとし、このカツトコア同志を突きあわせて磁
心としてもよい。 更には、切断体を接続して所定形状、例えばE
字状等のカツトコアとなし、このカツトコア同志
を、あるいは、このカツトコアと上記のI字状等
の切断体からなるカツトコアとを突きあわせて磁
心としてもよい。 このように、磁心をカツトコア形状とするとき
には、捲線作業が容易となる。 このように、この出願の発明の磁心は、薄帯の
巻回体から構成されるものであり、薄帯を所定の
形状となして積層してなるものではない。これは
以下のような理由による。 すなわち、上記のように、薄帯には、微結晶の
析出により、薄帯面内の所定方向に一軸性の磁気
異方性が付与されると好ましい結果を得る。そし
て、このような微結晶析出のための処理は、通
常、巻回体形成前に施すことになるが、このと
き、巻回体における容易軸の方向は、磁路方向に
対し一定となるため、雑音除去能等の特性は高い
ものが得られる。 これに対し、積層構造とするときには、面内に
所定の異方性をもつ薄帯を例えばホトエツチング
したり、打抜いて、これを積層するので、磁路と
容易軸の方向は、一定とはならず、雑音除去能等
の特性として高いものが得られない。 さらには、巻回後微結晶析出のための処理を施
すときにも、巻回体から形成するときには、磁路
に対し、所望の任意の一定の角度をもつ容易軸を
容易に導入することができる。反面、積層型で
は、両者のなす角度を、磁路中一定の角度にて、
任意の値とすることはできず、また、そのように
できるとしても、その制御が非常に難かしい。 そして、この出願の発明の磁心は、巻回体自体
からなる場合はもとより、上記のように、種々の
カツトコア形状とするときでも、さらには磁路中
に必要に応じ空隙を設けるときでも、容易軸が磁
路方向となす角度は、常に一定でしかもそれを任
意の角度となすことができる。 なお、コア加工時の特性劣化も、巻回型の方が
すぐれている。 そして、この出願の発明の磁心は、このように
巻回体から構成される結果、製造が容易となり、
製造コストが低廉となる。 このように巻回体から磁心を構成する場合、通
常、巻回体は、薄帯を所定の巻枠、巻心等に巻回
し、その端部を固定して形成される。 この場合、巻枠、巻心等の構造、形状等は種々
のものとすることができる。そして、その材質
は、磁器、ガラス、樹脂等の他、金属であつても
よく、さらには、ケイ素鋼板、パーマロイ等の磁
性体であつてもよい。また、薄帯端部の固定は、
接着剤、溶接、テープ等によつたり、あるいは、
巻枠等に設けられたかしめ爪によつてかしめる等
によつてもよい。 なお、巻回される薄帯間には、絶縁材料を介在
させることもできる。 また、薄帯の巻回形状は、円輪状とする他、角
輪状等としてもよい。 この出願の発明の磁心は、通常、以下のように
して作製される。 まず、対応する組成の母合金から、公知の高速
急冷法に従い、ほぼ完全に非晶質の薄帯を得る。 次いで、通常は、この薄帯に、微結晶析出のた
めの処理を施す。 このような処理は通常、無磁場中にて、結晶化
温度付近の温度で適当な時間加熱し、これを冷
却、例えば空冷することによつて行う。加熱温
度、加熱時間、冷却速度等は、必要とする特性値
に応じ、容易に実験的に求めることができる。な
お、このような熱処理の雰囲気は、空気中、真空
中、不活性ガス中、非酸化性ガス中等いずれであ
つてもよい。 あるいは、この他、上記のような熱処理を静磁
場中で行うこともできる。この場合、印加磁場
は、例えば100Oe程度とする。 そして、このとき、薄帯面内の長手方向と所定
の角度をなす異方性が付与される。また、熱処理
を張力を印加しながら行つたり、さらには場合に
よつては、回転磁場中で行うこともできる。 次いで、上記したようにこの薄帯を巻回し、巻
回体を得、これをそのまま磁心としたり、これか
ら各種カツトコアを形成し、磁心としたり、さら
には必要に応じて磁路中に空隙を設けたりして、
この出願の発明のノイズフイルター用磁心が形成
される。 なお、薄帯に予め微結晶析出のための処理を施
さず、巻回体作製後、カツトコア形成後、あるい
は空隙形成後のいずれかに、処理を施すこともで
きる。 また、薄帯に予め微結晶析出のための処理を施
して、その後巻回体を得るときには、巻回体作製
後等に、別途歪除法のため熱処理を施すこともで
きる。 発明の具体的作用 このようにして、上式〔〕または〔〕で示
される組成を有するこの出願の発明の磁心が作成
されることになるが、このような磁心には巻線が
巻装され、その他所定の加工が施され、ノイズフ
イルターに用いる各種コイルとされる。 このようなコイルは、電源ラインなどに挿入さ
れるノイズフイルター用のコイル、デイフアレン
シヤルモードまたはコモンモードのLCノイズフ
イルターに用いるコイル等として、雑音除去用に
用いられ、きわめて有用である。 このような場合、磁心に巻線を施し、ノイズフ
イルターとして用いるチヨークコイルとすること
ができ、電源ラインに挿入して、1000Vもの大電
圧のパルズ状雑音を有効に除去することができ
る。 また、第2図に示されるように磁心1に2つの
巻線31,32を巻装して、コモンモードチヨー
クコイル40を構成することもできる。 この場合、巻線31,32は、往復電流による
磁束が相殺されるようにして巻線方向が定められ
ており、例えば第2図に示されるような回路を構
成して電源ライン用のコモンモードノイズフイル
ターが形成される。 この場合、第2図においては、コモンモードチ
ヨークコイル40の一対の巻線31,32間の一
端にはコンデンサC1が、また、他端にはコンデ
ンサC2,C3,C4および抵抗R1,R2が接続され、
コンデンサC3,C4および抵抗R1,R2の接続点は
接地される。 このようなコモンモードノイズフイルタを電源
ラインに挿入したとき、1000Vもの大電圧のパル
ス状雑音が入力しても、雑音出力電圧はきわめて
小さな値を示し、きわめて有効なノイズフイルタ
機能を発揮する。 発明の具体的効果 この出願の第1および第2の発明のノイズフイ
ルター用磁心は、ノイズフイルターとして、雑音
除去能がきわめて高い。 しかも、経時により雑音除去能等の特性が劣化
するなどの欠点がなく、耐食性、耐久性、耐衝撃
性、耐高電圧パルス性等の信頼性がきわめて高
い。 さらに、熱処理温度巾も広く、製造が容易であ
る。 そして、第2の発明の磁心は、より一層良好な
耐食性、耐久性を示す。 発明の具体的実施例 次に、この出願の発明の実施例を示し、この出
願の発明を更に詳細に説明する。 実施例 1 上記した式〔〕に含まれる組成
Fe75Mn1Si14.4B9.4C0.2(z=24at%、p=60%、
r/q=0.02)をもつ非晶質磁性合金薄帯No.1と
を高速急冷法により得た。薄帯はほぼ完全に非晶
質であり、厚さ30μm、巾8mmである。 次いで、この薄帯No.1につき、それぞれを5分
割し、その1つは何ら処理を施さず、又、他の4
つには、下記表1のような温度と時間にて無磁場
中熱処理を行い、試料No.1−1〜1−6を得た。
らに詳しくは、パルス状雑音除去用のノイズフイ
ルターとして用いる各種コイルの磁心に関する。 先行技術とその問題点 例えば、電源ラインあるいは電源回路から機器
に入力するような場合、パイル雑音が、偶発的
に、機器内部に侵入したり、あるいは機器から外
部に漏出したりすることがあり、このため電源ラ
イン用のノイズフイルターを電源ラインあるいは
電源回路に挿入し、これを阻止している。 このような電源ライン用等のノイズフイルター
としては、その堅ろう性等から、フイルター機能
素子としてコイルを用いるのが有利な場合が多
く、電源回路の入力あるいは出力からの非周期的
かつ非定期的なパルス状の雑音を除去するため
の、コイルないしコモンモードやデイフアレンシ
アルモードのLCノイズフイルター等が多用され
ている。 このような電源ライン用等のノイズフイルター
における各種コイルの磁心を形成する材料として
は、従来、フエライト、圧粉材料等が用いられて
いる。 しかし、フエライト磁心は飽和磁束密度(Bs)
が小さく、例えば、それをコモンモードチヨーク
コイルとして、コモンモードノイズフイルタを形
成し、AC100Vの電源ラインに挿入したような場
合、大電圧雑音が入力すると、磁心が飽和してし
まい、それを有効に阻止することができず、機器
の誤動作を招いてしまう。 また、圧粉磁心は飽和磁束密度は大きいが、透
磁率が小さく、入力電圧に対するインダクタンス
が小さく、必要な特性を得るためには形状の大き
なコアを使用する必要があり、実用上大きな欠点
となつている。 このような実状の中で、この出願の出願人は、
先に、電源ライン用のノイズフイルターのコイル
の磁心として、実質的に完全に非晶質の磁性合金
からなる閉磁路磁心を用いる旨の提案を行つてい
る。この先の提案に係る磁心は、従来の磁心と比
較して、大電圧の雑音電流パルスの阻止能が格段
と向上したものである。 しかしながら、この電源ラインあるいは電源回
路に重畳するような雑音電流パルスは、しばしば
1000V以上、1μsec以上ものきわめて大きなパル
ス状電圧として生ずるものである。そして、この
ような大電圧パルス状雑音に対しては、上記の実
質的に完全に非晶質の閉磁路磁心も未だ実用に耐
えないことが判明した。 そこで、本発明者はさらに研究を重ね、先に、
非晶質の磁性合金中に、部分的に結晶質を導入す
ると、大電圧のパルス状雑音の除去能が向上する
旨を提案している。 しかし、このように部分的に結晶質を含む非晶
質磁性合金の薄帯から形成される磁心をもつノイ
ズフイルターも、パルス状の大電圧雑音の除去能
について、より一層の改良が望まれ、また、耐食
性、耐久性、耐衝撃性、耐高電圧パルス性等の信
頼性の点で未だ不十分である。 発明の目的 この出願の発明は、このような実状に鑑みなさ
れたものであつて、その主たる目的は、直流また
は交流に、偶発的に重畳する、特に大電圧のパル
ス状雑音を除去するためのノイズフイルター用の
非晶質磁性合金からなる磁心を改良して、すぐれ
た雑音除去能を有し、しかも耐食性、耐久性、耐
衝撃性、耐高電圧パルス性等の信頼性にすぐれた
ノイズフイルター用磁心を提供することにある。 本発明者は、このような目的につき鋭意研究を
行い、この出願の発明をなすに至つた。 すなわち、この出願の第1の発明は、部分的に
結晶質を含み、結晶質/非晶質の比が0.1〜50%
であり、下記式[1]で示される組成をもつ非晶
質磁性合金の薄帯を巻回してなる巻回体から形成
されてなることを特徴とするノイズフイルター用
磁心である。 式[] MxMny(SipBqCr)z [上式中、Mは、FeまたはFeとFeに対し10at%
以下のFeおよびMn以外の他の遷移金属元素の1
種以上との組合せを表わし、x+y+z=100at
%であり、このうち、yは0.1〜10at%、zは16
〜32at%である。 さらに、p+q+r=100%であり、このうち
pは20〜80%、r/qは0.01〜0.4である。 加えて、(1/5)p+6≦z≦−(1/2)p+67で
ある。 また、第2の発明は部分的に結晶質を含み、結
晶質/非晶質の比が0.1〜50%であり、下記式
[]で示される組成をもつ非晶質磁性合金の薄
帯を巻回してなる巻回体から形成されてなること
を特徴とするノイズフイルター用磁心である。 式[] MxMny(SipBqCrPs)z [上式中、Mは、FeまたはFeとFeに対し10at%
以下のFeおよびMn以外の他の遷移金属元素の1
種以上との組合せを表わし、x+y+z=100at
%であり、このうち、yは0.1〜10at%、zは16
〜32at%である。 さらに、p+q+r+s=100%であり、この
うち、pは20〜80%、sは5%以下、r/qは
0.01〜0.4である。 加えて、(1/5)p+6≦z≦−(1/2)p+67で
ある。 発明の具体的構成 以下、この出願の発明の具体的構成について詳
細に説明する。 この出願の第1および第2の発明の非晶質磁性
合金薄帯は、それぞれ上記式〔〕および〔〕
に示される組成を有する。 上式〔〕および〔〕において、Mは、Fe
またはFeと他の遷移金属元素(Sc〜Zn、Y
Cd、La〜Hg、Ac〜)を表わすが、Feと組みあ
わせて含有される元素の好ましい具体例として
は、Co、Ni、Cr、Cu、Mo、Nb、Ti、W、V、
Zr、Ta、Yあるいは希土類元素等の1種以上を
挙げることができる。 この場合、他の元素は、Feに対し10at%以下、
一般に0.1〜5at%含有することができる。 一方、薄帯中に必須成分として含有されるMn
の含有量yは、0.1〜10at%である。 0.1%未満では、インダクタンスの経時変化が
大きい。また、後述する微結晶析出のための熱処
理に必要な温度と時間の制限が厳しくなり、結晶
質を所望のごとく含有させることが困難となる。 yが10at%を超えると、薄帯が作りにくくな
る。また、飽和磁化が減少し、大電圧雑音に対す
る除去能が低下する。 これに対し、yが0.1〜10at%、好ましくは0.1
〜5at%では、このような不都合が解消する。 他方、Si、BおよびC、あるいはSi、B、Pお
よびCからなるガラス化元素の元有量zは、16〜
32at%である。 zが16at%未満となると、薄帯が作りにくくな
る。また、結晶化温度も低くなり、熱処理が困難
となる。 zが32at%を超えると、やはり薄帯が作りにく
くなる。また、飽和磁化が低下し、磁気特性上問
題が生じ、さらに熱処理も困難となる。 これに対し、zが16〜32%であると、このよう
な欠点はきわめて少なくなる。 さらに、ガラス化元素中のSi含有比pは、20〜
80%である。 pが20%未満となると、インダクタンスの経時
変化が大きく、安定した磁心が得られない。 pが80%を超えると、薄帯が作りにくくなる。
また、熱処理が困難となる。 これに対し、pが20〜80%となると、このよう
な欠点は解消する。 また、ガラス化元素の総計(Si+B+C、ある
いはSi+B+C+P)の含有量z at%と、Si含
有比p%との間には、(1/5)p+6≦z≦−(1/
2)P+67なる関係が存在しなければならない。 これは、z>−(1/2)p+67であつたり、z<
(1/5)p+6であつたりすると、薄帯が作りにく
くなり、熱処理が困難となるからである。 なお、ガラス化元素の総計の含有量z(at%)
とSi含有比p(%)との間には、上記したように、
16≦z≦32、20≦p≦80、かつ(1/5)p+6≦
z≦−(1/2)p+67なる関係がある。 これらの関係を第1図に従い説明するならば、
縦軸にz(at%)、横軸にp(%)をとり、(p、
z)の座標で表わしたとき、A(20、32)、B(70、
32)、C(80、27)、D(80、22)、E(50、16)、F
(20、16)およびAを順次直線で結び、これらの
直線上とこれらの直線で囲まれる領域とが、この
出願の両発明においてzとpとが満足すべき条件
である。 加えて、ガラス化元素中の炭素C含有比rを、
B含有比qで除した値r/qは0.01〜0.4である。 0.01未満では十分なこの出願の発明所定の効果
が得られない。 0.4をこえると、薄帯化が困難となり、また磁
気特性に問題が生じる。 一方、この出願の第1の発明においては、ガラ
ス化元素は、Si、BおよびCからなるが、第2の
発明においては、Si、BおよびCに加えて、Pが
含有される。 ガラス化元素中にPを含有させることによつ
て、インダクタンスの経時変化が抑えられ、耐久
性が向上する。 この場合、上式〔〕において、P含有量s
は、5%以下である。 これは、sが5%を超えると、大電圧雑音の除
去能力が低下してしまうからである。 なお、sが0.01%未満では、p添加による耐久
性の向上の効果が顕著ではないので、P含有量s
は、0.01〜5%、より好ましくは0.01〜2%であ
る。 なお、このようなガラス化元素には、必要に応
じ、ガラス化元素総量の10%以下の範囲で、さら
にAl、Be、Ge、Sb、In等の1種以上が含有され
ていても、この出願の発明の効果は減じられな
い。 以上詳述したような組成をもつこの出願の第1
および第2の発明における非晶質磁性合金の薄帯
は、部分的に結晶質を含むものである。 薄帯内において、非晶質中に部分的に含まれる
結晶質は、一般に、微結晶が析出して、非晶質中
に混在しているものである。 従つて、薄帯のX線回折を行うと、回折スペク
トルは、非晶質特有のハローの上に、結晶質の存
在を示すピークが重畳されたパターンを示す。ま
た、回折像にはハロー上にスポツトが重畳され、
所定の環径と環幅をもつデバイーシエーラー環が
現われる。 そして、回折スペクトルのハローとピークとの
面積比をとれば、薄帯中の結晶質と非晶質との存
在比が求められるものであるが、このように得ら
れる結晶質/非晶質の比は、0.1〜50%である。 また、析出した微結晶は、通常、デバイーシエ
ーラー環の環径と環幅とから、概ね10〜1000Å程
度の平均粒径をもつものと考えられるものであ
る。 そして、前記したような組成をもつ薄帯中に、
このように部分的に微結晶を含ませることによ
り、薄帯からノイズフイルター用磁心を形成した
とき、大電圧パルス状雑音の除去能が格段と向上
し、しかも熱的安定性も向上する。 この出願の第1および第2の発明における薄帯
は、以上詳述した条件さえ満足すれば、他の条件
につき、特に制限はない。 ただ、薄帯中に結晶質が部分的に導入された結
果、特に薄帯面内の所定方向に磁気異方性が付与
されると、透磁率が向上したり、雑音除去能がよ
り一層向上したり、更には各種磁気特性の調整が
容易となる点で好ましい。 この場合、磁気異方性は、薄帯面内における所
定の一方向に、通常一軸異方性として導入される
ことが好ましい。 すなわち、ほぼ完全に非晶質の磁性合金の薄帯
を、後述するように巻回する前、あるいは場合に
よつては巻回の後に無磁場中で熱処理することに
よつて、微結晶を析出させると、通常、薄帯長手
方向に一軸異方性が付与され、そのとき透磁率が
向上する。 また、薄帯長手方向と所定の角度をなす方向
に、薄帯巻回前、あるいは巻回後に磁場を印加し
て熱処理することにより、微結晶を析出させる
と、薄帯長手方向と所定の角度をなす方向に、一
軸異方性が付与され、そのとき、異方性方向を所
定の方向とすることにより、角形比やB−Hルー
プの不飽和領域を所望のごとく調整することがで
き、しかも、大電圧雑音の除去能をさらに向上さ
せることができる。 このような磁気異方性の存在は、常法に従い、
トルク曲線を測定したりすることなどにより容易
に検証される。 以上詳述してきたような薄帯は、概ね10〜
100μm程度の厚さと、概ね0.1〜50cm程度の巾を
もつ長尺の薄板である。 この出願の第1および第2の発明におけるノイ
ズフイルター用磁心は、このような薄帯を巻回し
てなる巻回体から構成される。 すなわち、薄帯を巻回してなる巻回自体から磁
心が形成されてもよい。 あるいは、巻回体を切断してU字、C字、I
字、L字状等の切断体とし、この切断体をカツト
コアとし、このカツトコア同志を突きあわせて磁
心としてもよい。 更には、切断体を接続して所定形状、例えばE
字状等のカツトコアとなし、このカツトコア同志
を、あるいは、このカツトコアと上記のI字状等
の切断体からなるカツトコアとを突きあわせて磁
心としてもよい。 このように、磁心をカツトコア形状とするとき
には、捲線作業が容易となる。 このように、この出願の発明の磁心は、薄帯の
巻回体から構成されるものであり、薄帯を所定の
形状となして積層してなるものではない。これは
以下のような理由による。 すなわち、上記のように、薄帯には、微結晶の
析出により、薄帯面内の所定方向に一軸性の磁気
異方性が付与されると好ましい結果を得る。そし
て、このような微結晶析出のための処理は、通
常、巻回体形成前に施すことになるが、このと
き、巻回体における容易軸の方向は、磁路方向に
対し一定となるため、雑音除去能等の特性は高い
ものが得られる。 これに対し、積層構造とするときには、面内に
所定の異方性をもつ薄帯を例えばホトエツチング
したり、打抜いて、これを積層するので、磁路と
容易軸の方向は、一定とはならず、雑音除去能等
の特性として高いものが得られない。 さらには、巻回後微結晶析出のための処理を施
すときにも、巻回体から形成するときには、磁路
に対し、所望の任意の一定の角度をもつ容易軸を
容易に導入することができる。反面、積層型で
は、両者のなす角度を、磁路中一定の角度にて、
任意の値とすることはできず、また、そのように
できるとしても、その制御が非常に難かしい。 そして、この出願の発明の磁心は、巻回体自体
からなる場合はもとより、上記のように、種々の
カツトコア形状とするときでも、さらには磁路中
に必要に応じ空隙を設けるときでも、容易軸が磁
路方向となす角度は、常に一定でしかもそれを任
意の角度となすことができる。 なお、コア加工時の特性劣化も、巻回型の方が
すぐれている。 そして、この出願の発明の磁心は、このように
巻回体から構成される結果、製造が容易となり、
製造コストが低廉となる。 このように巻回体から磁心を構成する場合、通
常、巻回体は、薄帯を所定の巻枠、巻心等に巻回
し、その端部を固定して形成される。 この場合、巻枠、巻心等の構造、形状等は種々
のものとすることができる。そして、その材質
は、磁器、ガラス、樹脂等の他、金属であつても
よく、さらには、ケイ素鋼板、パーマロイ等の磁
性体であつてもよい。また、薄帯端部の固定は、
接着剤、溶接、テープ等によつたり、あるいは、
巻枠等に設けられたかしめ爪によつてかしめる等
によつてもよい。 なお、巻回される薄帯間には、絶縁材料を介在
させることもできる。 また、薄帯の巻回形状は、円輪状とする他、角
輪状等としてもよい。 この出願の発明の磁心は、通常、以下のように
して作製される。 まず、対応する組成の母合金から、公知の高速
急冷法に従い、ほぼ完全に非晶質の薄帯を得る。 次いで、通常は、この薄帯に、微結晶析出のた
めの処理を施す。 このような処理は通常、無磁場中にて、結晶化
温度付近の温度で適当な時間加熱し、これを冷
却、例えば空冷することによつて行う。加熱温
度、加熱時間、冷却速度等は、必要とする特性値
に応じ、容易に実験的に求めることができる。な
お、このような熱処理の雰囲気は、空気中、真空
中、不活性ガス中、非酸化性ガス中等いずれであ
つてもよい。 あるいは、この他、上記のような熱処理を静磁
場中で行うこともできる。この場合、印加磁場
は、例えば100Oe程度とする。 そして、このとき、薄帯面内の長手方向と所定
の角度をなす異方性が付与される。また、熱処理
を張力を印加しながら行つたり、さらには場合に
よつては、回転磁場中で行うこともできる。 次いで、上記したようにこの薄帯を巻回し、巻
回体を得、これをそのまま磁心としたり、これか
ら各種カツトコアを形成し、磁心としたり、さら
には必要に応じて磁路中に空隙を設けたりして、
この出願の発明のノイズフイルター用磁心が形成
される。 なお、薄帯に予め微結晶析出のための処理を施
さず、巻回体作製後、カツトコア形成後、あるい
は空隙形成後のいずれかに、処理を施すこともで
きる。 また、薄帯に予め微結晶析出のための処理を施
して、その後巻回体を得るときには、巻回体作製
後等に、別途歪除法のため熱処理を施すこともで
きる。 発明の具体的作用 このようにして、上式〔〕または〔〕で示
される組成を有するこの出願の発明の磁心が作成
されることになるが、このような磁心には巻線が
巻装され、その他所定の加工が施され、ノイズフ
イルターに用いる各種コイルとされる。 このようなコイルは、電源ラインなどに挿入さ
れるノイズフイルター用のコイル、デイフアレン
シヤルモードまたはコモンモードのLCノイズフ
イルターに用いるコイル等として、雑音除去用に
用いられ、きわめて有用である。 このような場合、磁心に巻線を施し、ノイズフ
イルターとして用いるチヨークコイルとすること
ができ、電源ラインに挿入して、1000Vもの大電
圧のパルズ状雑音を有効に除去することができ
る。 また、第2図に示されるように磁心1に2つの
巻線31,32を巻装して、コモンモードチヨー
クコイル40を構成することもできる。 この場合、巻線31,32は、往復電流による
磁束が相殺されるようにして巻線方向が定められ
ており、例えば第2図に示されるような回路を構
成して電源ライン用のコモンモードノイズフイル
ターが形成される。 この場合、第2図においては、コモンモードチ
ヨークコイル40の一対の巻線31,32間の一
端にはコンデンサC1が、また、他端にはコンデ
ンサC2,C3,C4および抵抗R1,R2が接続され、
コンデンサC3,C4および抵抗R1,R2の接続点は
接地される。 このようなコモンモードノイズフイルタを電源
ラインに挿入したとき、1000Vもの大電圧のパル
ス状雑音が入力しても、雑音出力電圧はきわめて
小さな値を示し、きわめて有効なノイズフイルタ
機能を発揮する。 発明の具体的効果 この出願の第1および第2の発明のノイズフイ
ルター用磁心は、ノイズフイルターとして、雑音
除去能がきわめて高い。 しかも、経時により雑音除去能等の特性が劣化
するなどの欠点がなく、耐食性、耐久性、耐衝撃
性、耐高電圧パルス性等の信頼性がきわめて高
い。 さらに、熱処理温度巾も広く、製造が容易であ
る。 そして、第2の発明の磁心は、より一層良好な
耐食性、耐久性を示す。 発明の具体的実施例 次に、この出願の発明の実施例を示し、この出
願の発明を更に詳細に説明する。 実施例 1 上記した式〔〕に含まれる組成
Fe75Mn1Si14.4B9.4C0.2(z=24at%、p=60%、
r/q=0.02)をもつ非晶質磁性合金薄帯No.1と
を高速急冷法により得た。薄帯はほぼ完全に非晶
質であり、厚さ30μm、巾8mmである。 次いで、この薄帯No.1につき、それぞれを5分
割し、その1つは何ら処理を施さず、又、他の4
つには、下記表1のような温度と時間にて無磁場
中熱処理を行い、試料No.1−1〜1−6を得た。
【表】
これら試料No.1−1〜1−6につき、X線回折
を行つたところ、上記表1に示される結果を得
た。なお、試料No.1−3および1−4の結晶質/
非晶質の比は0.1〜50%、試料No.1−6の結晶
質/非晶質の比は50%超であつた。 これとは別に、上記薄帯1を各5分割して、内
径19mm、外径31mm、巾8mmのトロイダル状に巻回
し、計5個の巻回体を得た。 このようにして得た計5個の巻回体1−1〜1
−6につき、上記表1に示される5種の熱処理を
行つた後、巻回体にエポキシ系樹脂を含浸させ、
樹脂硬化させ、磁心No.1−1〜1−6を得た。 次いで、このようにして得た磁心1−1〜1−
8につき、往復電流による磁束が相殺されるよう
にして、所定巻数の2つの巻線31,32を巻装
して、コモンモードチヨークコイルを作成した。 そして、このようにして作成したコモンモード
チヨークコイルを用い、コンデンサC1,C2,C3,
C4を用い、第2図に示されるようなコモンモー
ドノイズフイルターを作成した。 この場合、巻線31,32の一端の間には
0.22μFのコンデンサC1が接続され、又その他端
には、0.22μFのコンデンサC2とそれぞれ5000pF
のC3,C4が接続されている。 このようなコモンモードノイズフイルタを用
い、第2図に示されるように、コンデンサC1の
一端を50Ωの抵抗R3を介し、接地しまた、その
他端を、アテニユエータAを介しパルス発生器
PGと接続し、さらにコンデンサC3,C4とそれぞ
れ並列に50Ωの抵抗R1,R2を接続し、抵抗R1,
R2の接続点を接地し、抵抗R1の一端をオシロス
コープに接続した。 このような測定回路を用い、磁心1−1〜1−
6それぞれにつき構成したコモンモードノイズフ
イルタに対し、パルス発生器PGにより、アテニ
ユエータAを介し、1000V、1μsecのパルスを入
力し、その際の出力電圧を測定した。結果を表2
に示す。
を行つたところ、上記表1に示される結果を得
た。なお、試料No.1−3および1−4の結晶質/
非晶質の比は0.1〜50%、試料No.1−6の結晶
質/非晶質の比は50%超であつた。 これとは別に、上記薄帯1を各5分割して、内
径19mm、外径31mm、巾8mmのトロイダル状に巻回
し、計5個の巻回体を得た。 このようにして得た計5個の巻回体1−1〜1
−6につき、上記表1に示される5種の熱処理を
行つた後、巻回体にエポキシ系樹脂を含浸させ、
樹脂硬化させ、磁心No.1−1〜1−6を得た。 次いで、このようにして得た磁心1−1〜1−
8につき、往復電流による磁束が相殺されるよう
にして、所定巻数の2つの巻線31,32を巻装
して、コモンモードチヨークコイルを作成した。 そして、このようにして作成したコモンモード
チヨークコイルを用い、コンデンサC1,C2,C3,
C4を用い、第2図に示されるようなコモンモー
ドノイズフイルターを作成した。 この場合、巻線31,32の一端の間には
0.22μFのコンデンサC1が接続され、又その他端
には、0.22μFのコンデンサC2とそれぞれ5000pF
のC3,C4が接続されている。 このようなコモンモードノイズフイルタを用
い、第2図に示されるように、コンデンサC1の
一端を50Ωの抵抗R3を介し、接地しまた、その
他端を、アテニユエータAを介しパルス発生器
PGと接続し、さらにコンデンサC3,C4とそれぞ
れ並列に50Ωの抵抗R1,R2を接続し、抵抗R1,
R2の接続点を接地し、抵抗R1の一端をオシロス
コープに接続した。 このような測定回路を用い、磁心1−1〜1−
6それぞれにつき構成したコモンモードノイズフ
イルタに対し、パルス発生器PGにより、アテニ
ユエータAを介し、1000V、1μsecのパルスを入
力し、その際の出力電圧を測定した。結果を表2
に示す。
【表】
さらに、これら各磁心を、120℃にて1000時間
放置した後、上記と同様の測定を行い耐久性の試
験を行つたところ、No.1−3〜1−6はほどんど
特性に変化がなかつたのに対し、No.1−1、1−
2は10〜20%特性劣化が生じた。 これらの結果から、この出願の発明の効果があ
きらかである。 なお、第3図に示されるように、第2図に示さ
れる場合と異なり、コンデンサC1の両端を接続
した測定回路を用いる場合にも、上記と全く同様
の結果を得た。 実施例 2 下記表3に示されるようなz、pをもつ組成の
各種非晶質磁性合金薄帯を作成し、実施例1と同
一のサイズの巻回体を得たのち、440℃、30分間、
無磁場中の熱処理を行つた。各薄帯のX線回折ス
ペクトルには、ハローとピークが存在していた。 次いで、エポキシ系樹脂を含浸し、固定して各
磁心No.3〜14を得た。 なお、No.11は、良好な薄帯を得ることができな
かつた。 このような各磁心につき、実施例1と同一の条
件で、1000V、1μsecに対する出力電圧を測定し
たところ、表3に示される結果を得た。
放置した後、上記と同様の測定を行い耐久性の試
験を行つたところ、No.1−3〜1−6はほどんど
特性に変化がなかつたのに対し、No.1−1、1−
2は10〜20%特性劣化が生じた。 これらの結果から、この出願の発明の効果があ
きらかである。 なお、第3図に示されるように、第2図に示さ
れる場合と異なり、コンデンサC1の両端を接続
した測定回路を用いる場合にも、上記と全く同様
の結果を得た。 実施例 2 下記表3に示されるようなz、pをもつ組成の
各種非晶質磁性合金薄帯を作成し、実施例1と同
一のサイズの巻回体を得たのち、440℃、30分間、
無磁場中の熱処理を行つた。各薄帯のX線回折ス
ペクトルには、ハローとピークが存在していた。 次いで、エポキシ系樹脂を含浸し、固定して各
磁心No.3〜14を得た。 なお、No.11は、良好な薄帯を得ることができな
かつた。 このような各磁心につき、実施例1と同一の条
件で、1000V、1μsecに対する出力電圧を測定し
たところ、表3に示される結果を得た。
【表】
【表】
〓比較
13
13
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 部分的に結晶質を含み、結晶質/非晶質の比
が0.1〜50%であり、下記式[]で示される組
成をもつ非晶質磁性合金の薄帯を巻回してなる巻
回体から形成されてなることを特徴とするノイズ
フイルター用磁心。 式[] MxMny(SipBqCr)z [上式中、Mは、FeまたはFeとFeに対し10at%
以下のFeおよびMn以外の他の遷移金属元素の1
種以上との組合せを表わし、x+y+z=100at
%であり、このうち、yは0.1〜10at%、zは16
〜32at%である。 さらに、p+q+r=100%であり、このうち
pは20〜80%、r/qは0.01〜0.4である。 加えて、(1/5)p+6≦z≦−(1/2)p+67で
ある。] 2 部分的に結晶質を含み、結晶質/非晶質の比
が0.1〜50%であり、下記式[]で示される組
成をもつ非晶質磁性合金の薄帯を巻回してなる巻
回体から形成されてなることを特徴とするノイズ
フイルター用磁心。 式[] MxMny(SipBqCFPs)z [上式中、Mは、FeまたはFeとFeに対し10at%
以下のFeおよびMn以外の他の遷移金属元素の1
種以上との組合せを表わし、x+y+z=100at
%であり、このうち、yは0.1〜10at%、zは16
〜32at%である。 さらに、p+q+r+s=100%であり、この
うち、pは20〜80%、sは5%以下、r/qは
0.01〜0.4である。 加えて、(1/5)p+6≦z≦−(1/2)p+67で
ある。] 3 sが0.01〜5%である特許請求の範囲第2項
に記載のノイズフイルター用磁心。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57075915A JPS58192309A (ja) | 1982-05-06 | 1982-05-06 | ノイズフイルタ−用磁心 |
| US06/730,140 US4637843A (en) | 1982-05-06 | 1985-05-03 | Core of a noise filter comprised of an amorphous alloy |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57075915A JPS58192309A (ja) | 1982-05-06 | 1982-05-06 | ノイズフイルタ−用磁心 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58192309A JPS58192309A (ja) | 1983-11-09 |
| JPH0351081B2 true JPH0351081B2 (ja) | 1991-08-05 |
Family
ID=13590090
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57075915A Granted JPS58192309A (ja) | 1982-05-06 | 1982-05-06 | ノイズフイルタ−用磁心 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58192309A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6166909U (ja) * | 1984-10-09 | 1986-05-08 | ||
| JPH0328489Y2 (ja) * | 1984-11-08 | 1991-06-19 | ||
| JPS61114812U (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-19 | ||
| JP2792916B2 (ja) * | 1989-06-16 | 1998-09-03 | 日立フェライト電子株式会社 | ノイズフイルタ |
| JP6089430B2 (ja) * | 2012-03-30 | 2017-03-08 | セイコーエプソン株式会社 | 軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56166358A (en) * | 1980-05-28 | 1981-12-21 | Hitachi Ltd | Amorphous ferromagnetic alloy |
| JPS5724519A (en) * | 1980-07-21 | 1982-02-09 | Tdk Corp | Coil core for power line filter |
| JPS5754242A (en) * | 1980-09-19 | 1982-03-31 | Hitachi Ltd | Metal-metallic amorphous alloy and electromagnetic filter using the alloy |
-
1982
- 1982-05-06 JP JP57075915A patent/JPS58192309A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58192309A (ja) | 1983-11-09 |
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