JPH0354555B2 - - Google Patents
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- JPH0354555B2 JPH0354555B2 JP7967988A JP7967988A JPH0354555B2 JP H0354555 B2 JPH0354555 B2 JP H0354555B2 JP 7967988 A JP7967988 A JP 7967988A JP 7967988 A JP7967988 A JP 7967988A JP H0354555 B2 JPH0354555 B2 JP H0354555B2
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Description
産業上の利用分野
本発明は、強い血圧上昇作用を有し、興味深い
生理活性ペプチドであるアンジオテンシン(ア
スパラギン酸(AsP)−アルギニン(Arg)−バリ
ン(Val)−チロシン(Tyr)−イソロイシン
(Ile)−ヒスチジン(His)−プロリン(Pro)−フ
エニルアラニン(Phe)の8個のアミノ酸配列よ
りなるペプチド、以下、ANG2と略す。)を含む
融合タンパク質を大量に生産可能とする新規組換
えプラスミドpANG2−11、pANG2−11を含有
する大腸菌、ANG2を酵素のカルボキシ末端側に
有するジヒドロ葉酸還元酵素−ANG2融合タンパ
ク質(以下、DHFR−ANG2と略す。)、DHFR
−ANG2の分離精製方法、およびANG2の製造方
法に関するものである。本発明の新規組換えプラ
スミドpANG2−11は、第1図において示される
DNA配列を有する。本発明は、発酵工業、医薬
品工業等の分野に好適である。 従来の技術 ANG2は、血中ペプチドであり、血圧をコント
ロールすると考えられているレニン−アンジオテ
ンシン系の中心物質である。ANG2は、末梢動脈
のANG2レセプターに作用し、血管収縮による血
圧上昇作用と副賢皮質の球状層に作用し、アルデ
ステロン分泌促進作用を有する興味深い生理活性
ペプチドである。 本発明の技術的背景としては、いわゆる遺伝子
操作技術がある。しかしながら、遺伝子操作を利
用した効率のよいANG2の製造方法に関しては、
知られていない。 一方、既に、本発明者らは、大腸菌由来のジヒ
ドロ葉酸還元酵素(以下、DHFRと略す。)遺伝
子に関して、その遺伝子の改変の結果、異種遺伝
子発現用プラスミドベクターpTP70−1(特開昭
63−46193号公報)及びそれを利用した融合遺伝
子の作成方法(特開平1−144992号公報)を開発
している。これらの方法を利用した場合、融合遺
伝子の発現の結果得られる融合タンパク質の大腸
菌菌体の蓄積量は、全菌体タンパク質の約20%が
期待される。しかしながら、ANG2の生産に上記
発現ベクターを用いた例はない。 発明の目的 本発明の目的は、いまだ確立されていない、遺
伝子操作の手法を用いたANG2の大量生産方法を
開発することにある。 既に、本発明者らは(1)大腸菌のDHFRを大量
に発現する発現プラスミドを構築していること
(特開昭62−69990号公報)、(2)大腸菌のDHFRの
カルボキシ末端側の配列を変化させても、酵素活
性が失われないこと、(3)大腸菌のDHFRのカル
ボキシ末端側に異種ペプチドを融合させることを
可能とするプラスミドベクターpTP70−1を構
築していること(特開63−46193号公報)、(4)
pTP70−1上の改変DHFRは、大腸菌で効率良
く発現すること、を明らかにしている。 本発明者らは、上記の知見を利用し、鋭意研究
の結果、ANG2遺伝子を化学合成し、pTP70−
1に組み込むことにより、ANG2遺伝子と
DHFR遺伝子の融合遺伝子を作成し、融合遺伝
子を大腸菌で発現させることにより、DHFR−
ANG2を大量に生産できることを見いだし、さら
に、DHFR−ANG2を用いることにより効果的
にANG2を作成できることを明らかにし、本発明
を完成させた。 発明の構成 本発明は、(1)DHFR−ANG2の大量発現を可
能にする新規組換えプラスミドpANG2−11、(2)
pANG2−11を含有する大腸菌菌体、(3)pANG2
−11を含有する大腸菌が生産するDHFR−
ANG2、(4)pANG2−11を含有する大腸菌からの
DHFR−ANG2の分離精製、および(5)DHFR−
ANG2を用いたANG2の製造方法、の発明により
構成される。 (1) 新規組換えプラスミドpANG2−11 第1図は、本発明のpANG2−11の全塩基配
列を示している。図は、2本鎖環状DNAのう
ち片方のDNA鎖配列だけを、プラスミド中に
2箇所存在する制限酵素Cla部位のうちHind
部位に近い方の切断認識部位、5′−
ATCGAT−3′、の最初の“A”を1番として
数えて、5′末端から3′末端の方向に記述してい
る。本発明のpANG2−11は、新規な組換えプ
ラスミドである。pANG2−11は、4651塩基対
の大きさであり、宿主である大腸菌にトリメト
プリムおよびアンピシリン耐性を付与すること
ができる。pANG2−11は、pTP70−1の
BamH部位にANG2を暗号化する配列を含
む43塩基対の化学合成DNAが結合した構造を
していてる。第1図において、533番目から575
番目迄の配列が化学合成DNA由来の配列であ
る。それ以外の配列がpTP70−1由来の配列
である。 化学合成したDNAの配列には、制限酵素
Kpnの認識切断部位、5′−GGTACC−3′(第
1図の、570番目から575番目までの配列)、を
含ませてある。pTP70−1由来の部分には、
Kpn部位が存在しない。従つて、pANG2−
11のBamH部位(第1図の532番目から537
番目までの配列)からKpn部位までの配列を
他の配列に置き換えることにより、方向を定め
て異種DNAの導入を行い、DHFR遺伝子との
融合遺伝子の作成をさらに容易に行うことがで
きる。 第1図の57番目から566番目まで配列は、
DHFRのカルボキシ末端側にANG2がメチオ
ニン(Met)を介して結合したDHFR−ANG2
を暗号化している。 DHFR−ANG2を暗号化する配列の上流に
は、DHFR−ANG2遺伝子の発現を効率良く
行わせる配列が存在する(特開昭63−46193号
公報)。即ち、43番目から50番目までの配列が
SD配列と呼ばれるもので、効率の良い翻訳に、
また、4609番目から4637番目までが、コンセン
サス転写プロモーターであり、効率の良い転写
に貢献する。このことから、pANG2−11は、
大腸菌に導入された場合、多種のDHFR−
ANG2を作る。作られたDHFR−ANG2は、菌
体内に可溶性の状態で、菌体タンパク質の約20
%程度蓄積する。このことによつて、pANG2
−11を含有する大腸菌はトリメトプリム耐性を
示すようになる。また、pANG2−11は、
pPT70−1由来の、アンピシリン耐性遺伝子
を有している。このことから、pANG2−11が
導入された大腸菌は、アンピシリン耐性をも示
す。pANG2−11は、大腸菌に導入されて安定
状態に保たれ、pANG2−11を含有する大腸菌
は、微工研にFERMBP−1815として寄託され
ている。 このような特長を有するpANG2−11は、実
施例1に従つて作成することができるが、組換
えプラスミドの作成方法によつて本発明が制限
されるものではない。 (2) pANG2−11を含有する大腸菌 pANG2−11を含有する大腸菌は、トリメト
プリム及びアンピシリンに対して耐性を示す。
pANG2−11を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG2遺伝子の効率のよい発現の結果、
DHFR−ANG2を菌体内に可溶性の状態で大
量に蓄積する。pANG2−11を含有する大腸菌
をYT+Ap培地(培地1l中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキス、及
び50mgのアンピシリンナトリウムを含む液体培
地)を用いて、37℃で定常期まで培養した場
合、蓄積するDHFR−ANG2は、菌体タンパ
ク質の約20%に達する。培養菌体を、リン酸緩
衝液などの適当な緩衝液に懸濁し、フレンチプ
レス法もしくは音波破砕法で破砕し、これを遠
心分離法により上清と沈澱に分離した場合、ほ
とんど全てのDHFR−ANG2は上清中に回収
される。pANG2−11を含有する大腸菌は、微
工研にFERMBP−1815として寄託されてい
る。 (3) DHFR−ANG2 第2図は、DHFR−ANG2を暗号化する部
分のDNA配列とそれから作られると予想され
るタンパク質のアミノ酸配列を示している。
DHFR−ANG2は、170アミノ酸よりなる新規
なタンパク質である。アミノ末端側から数え
て、1から159番目までの配列が、大腸菌の野
生型DHFRに1箇所アミノ酸置換置換が起こ
つた(Cys−152(Wild type)→Glu−152)配
列であり、163番目から170番目までがANG2の
配列である。ANG2の配列の直前のアミノ酸は
メチオニン(Met)である。このことにより、
DHFR−ANG2をブロムシアンで処理するこ
とにより、ANG2を特異的に切り出すことがで
きる。160と161番目のイソロイシン(Ile)−ロ
イシン(Leu)の配列は、pTP70−1のBamH
部位にANG2を暗号化するDNAを導入する
際に、遺伝暗号の読み取り枠を合わせるために
生じた配列である。pTP70−1が作るDHFR
は、162個のアミノ酸よりなり、第2図の
DHFR−ANG2のアミノ酸配列のうち、アミ
ノ末端側から数えて、1から160番目までの配
列に、Gln−Ileの2個のアミノ酸配列が結合し
た配列をしている。DHFR−ANG2の分子量
は、19、410である。 DHFR−ANG2は、新規なタンパク質であ
る。DHFR−ANG2はDHFRのカルボキシ末
端側に、ANG2が融合した構造をしているにも
かかわらず、DHFR酵素活性を有する。この
ため、大腸菌がDHFR−ANG2を多量につく
ると、DHFRの阻害剤であり抗細菌剤である
トリメトプリムに対して、耐性を示すようにな
る。 (4) DHFR−ANG2の分離精製 本発明のDHFR−ANG2の分離精製法は、
菌体の培養、菌体の破砕、DEAE−トヨ
パールカラム処理、メソトリキセート
(MTX)結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー、およびDEAE−トヨパールカラムクロマ
トグラフイーの過程より成り立つている。 菌体の培養 pANG2−11を含有する大腸菌の培養は、
YT+Ap培地(培地1l中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキスお
よび50mgのアンピシリンナトリウムを含む液
体培地。)で培養することができる。培地と
しては、この他にST+Ap培地(培地1l中
に、2gのグルコース、1gのリン酸2カリ
ウム、5gのポリペプトン、5gのイースト
エキスおよび50mgのアンピシリンナトリウム
を含む液体培地。)など、菌体が成長する培
地であれば、どの様な培地でも用いることが
できるが、調べた限りでは、DHFR−
ANG2の生産にはYT+Ap培地が最適であつ
た。 pANG2−11を含有する大腸菌を、培地に
接種し、37℃で対数成長期の後期もしくは定
常期まで培養する。培養温度により菌体中の
DHFR−ANG2の蓄積量が変動し、調べた
限りでは、培養温度が高いほど蓄積量が大で
あつた。培養した菌体は、5000回転/分の遠
心分離により集める。培地1lより湿重量2か
ら4gの菌体が得られる。 集菌およびこれ以後の操作は、特に断わら
ない限り低温(0から10℃の間、4℃が望ま
しい)で行う。 菌体の破砕 培養して得られた菌体を、湿重量の3倍の
緩衝液1(0.1mM エチレンジアミン4酢酸
ナトリウム(EDTA)を含む10mMリン酸
カリウム緩衝液、PH7.0)に懸濁し、フレン
チプレスを用いて菌体を破砕する。菌体破砕
液を5000回転、10分間遠心分離し、上清を得
る。さらに、上清を、35000回転、1時間超
遠心分離し、上清を得る(無細胞抽出液)。 DEAE−トヨパールカラム処理 この操作は、次の精製過程の前処理の目的
で行う。無細胞抽出液を、あらかじめ0.1M
のKClを含む緩衝液1で平衡化したDEAEト
ヨパールカラムにかけ、0.1MのKClを含む
緩衝液1でカラムを洗う。酵素の溶出は、
0.3MのKClを含む緩衝液1を用いて行う。
溶出液を一定量ずつフラクシヨンコレクター
を用いて分画する。分画した溶出液について
DHFR活性を測定し、酵素活性が含まれる
画分を集める。 MTX結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー 上記の操作により得られた酵素液を、あら
かじめ緩衝液1で平衡化したMTX結合
Sepharoseアフイニテイカラムに吸着させ
る。吸着後、1MのKClを含む緩衝液2(0.1
mM EDTAを含む10mMリン酸カリウム
緩衝液、PH8.5)で洗う。洗いは、カラムか
らの溶出液の280nmの吸光度を測定し、吸
光度が0.1以下になるまで同緩衝液を流し続
ける。酵素の溶出は、1MのKClと3mMの
葉酸を含む緩衝液2を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液についてDHFR
活性を測定し、酵素活性が含まれる画分を集
める。得られた酵素液を、緩衝液1に対し
て、3回透析する。この段階で、純度90%以
上のDHFR−ANG2が得られる。 DEAE−トヨパールカラムクロマトグラフ
イー 透析した酵素液を、あらかじめ緩衝液1で
平衡化したDEAE−トヨパールカラムに吸着
させる。吸着後、0.1MKClを含む緩衝液1
で洗う。洗いは、カラムからの溶出液の
280nmの吸光度を測定し、吸光度が0.01以下
になるまで同緩衝液を流し続ける。酵素の溶
出は、緩衝液1を用いて0.1Mから0.3Mの
KClの直線濃度勾配を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液について280nm
の吸光度とDHFR活性とを測定する。酵素
活性/280nmの吸光度の値が、一定な画分
を集める。 以上の操作により、DHFR−ANG2の高度
精製均一化を、再現性良く行うことができる。 本発明に従うと、DHFR−ANG2の精製は、
培養を含めて一週間以内に行うことができ、回
収率45%以上で、均一な酵素標品を得ることが
できる。 DHFR酵素活性は、反応液(0.05mMのジヒ
ドロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−
メルカプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液
(PH7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに
酵素液を加え、340nmの吸光度の時間変化を
測定することにより行う。酵素1ユニツトは、
上記反応条件において、1分間に1マイクロモ
ルのジヒドロ葉酸を還元するのに必要な酵素量
として定義する。この測定は、分光光度計を用
いて容易に行うことができる。 (5) DHFR−ANG2を用いたANG2の製造 精製したDHFR−ANG2からのANG2の切
断・分離は、ブロムシアン処理することにより
行う。精製したDHFR−ANG2を凍結乾燥し、
これに1から10mgタンパク質/mlとなるように
70%蟻酸を加え、溶解した後、タンパク質量の
約20倍量の結晶ブロムシアンを加え密栓し、窒
素雰囲気下、室温で撹拌しながら24時間反応さ
せる。反応液を10倍量の水で希釈した後、凍結
乾燥し過剰の試薬等を除く。凍結乾燥試料を1
から10mgタンパク質/mlとなるように30%酢酸
に溶かす。溶かした試料を、HPLC装置(島津
LC−4A、inertsil−ODSカラム)を用いて、
0.1%トリフルオロ酢酸中、15%から50%のア
セトニトリルの濃度勾配を用いて溶出・分離す
ることができる。溶出物は、220nmにおける
吸光度の測定により検出することができる。第
3図は、ブロムシアン処理したDHFR−
ANG2試料の高速液体クロマトグラムを示して
いる。試料注入後約17分後のピークがANG2で
ある。このピーク画分を分離する。分離した溶
出液をエバホレーターで乾燥後、少量の水を加
え凍結乾燥し溶媒を除き、ANG2を得ることが
できる。また、得られたペプチドを酸加水分解
後、アミノ酸分析することによりアミノ酸組成
を確かめることができる。 本発明の実施例においては、3lの培地から湿
重量約6gの菌体が得られ、この菌体(計算
上、約48mgのDHFR−ANG2、約2.6mgの
ANG2を含む。)から、約23mgのDHFR−
ANG2(収率、48.3%、計算上約1.2mgのANG2
を含む。)を精製して得ることができ、このう
ち、10mgのDHFR−ANG2をブロムシアン処
理後、HPLCで分離・精製することにより、約
0.28mgのANG2を得ることができた。 次に本発明の実施例および参考例を示す。 実施例 1 pANG2−11の作成 ANG2を暗号化するDNAとしては、 1.5′− GATCCTGATGGATCGCGTGTACATCCA
CCCGTTCTAAGGTACC−3′ 2.5′− CATCGGTACCTTAGAACGGGTGGATGT
ACACGCGATCCATCAG−3′ の2本の43ヌクレオチドからなるDNAをホスホ
アミダイト法に従つて化学合成し、精製後、ポリ
ヌクレオチドキナーゼを用いて、各DNAの5′末
端をリン酸化した。リン酸化したDNAを約0.1ml
(約0.01μgのDNAを含んでいる。)ずつ取り、こ
れを60℃でインキユベートすることによつて両
DNAをアニールさせた(これをDNA1と呼ぶ)。 約1μgのpTP70−1を、BamHで切断した
後、アルカリホスフアターゼ処理をした。アルカ
リホスフアターゼ処理したDNAをフエノール処
理することにより、共存する酵素タンパク質を変
性除去し、その後エタノールでDNAを沈澱させ
た。沈澱したDNAを70%エタノールで洗つた後、
エタノールを除き、減圧下に沈澱を乾燥させた。
BamHによるDNAの切断、アルカリホスフア
ターゼ処理、フエノール処理、およびエタノール
沈澱の各操作は、いずれも、“Molecular
Cloning A Loboratory Manual”(T.
Maniatis、E.F.Fritsch、J.Sambrook、eds.Cold
Spring Harbor Laboratory(1982)、以下、文献
1と呼ぶ。)に記載している方法に従つて行つた。
乾燥させたDNAを50μのリガーゼ用反応液
(10mM Tris−HCl、PH7.4、5mM MgCl2、
10mMジチオトレイトール、5mM ATP)に
溶解後、5μのDNA1を加え、これに1ユニツ
トのT4−DNAリガーゼを加えて、10℃で、12時
間DNAの連結反応を行わせた。この反応物を、
形質転換法(transformation method、上記文献
1に記載)に従つて、大腸菌に取り込ませた。こ
の処理をした菌体を、50mg/のアンピシリンナ
トリウムおよび10mg/のトリメトプリムを含む
栄養寒天培地(培地1l中に、2gのグルコース、
1gのリン酸2カリウム、5gのイーストエキ
ス、5gのポリペプトン、15gの寒天を含む。)
上に塗布し、37℃で24時間培養することにより、
45個のコロニーを得ることができた。これらのコ
ロニーから適当に8個選び、1.5mlのYT+Ap培
地(培地1l中に、5gのNaCl、5gのイースト
エキス、8gのトリプトン、50mgのアンピシリン
ナトリウムを含む。)で、37℃、1晩、菌体を培
養した。培養液を、各々エツペンドルフ遠心管に
とり、12000回転/分で10分間遠心分離し、菌体
を沈澱として集めた。これに、0.1mlの電気泳動
用サンプル調製液(0.0625MのTris−HCl、PH
6.8、2%のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、10
%のグリセリン、5%の2−メルカプトエタノー
ル、0.001%のブロムフエノールブルーを含む。)
を加え、菌体を懸濁し、これを沸騰水中に5分間
保ち、菌体を溶かした。この処理をしたサンプル
をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
(U.K.Lammli;Nature、vol.227、p.680(1970))
に従つて分析した。標準サンプルとしてpTP70
−1を含有する大腸菌に同様な処理をしたもの、
および分子量マーカーとしてラクトアルブミン
(分子量14200)、トリプシンインヒビター(分子
量20100)、トリプシノーゲン(分子量24000)、カ
ルボニツクアンヒドラーゼ(分子量29000)、グリ
セロアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(分
子量36000)、卵アルブミン(分子量45000)、およ
び牛血清アルブミン(分子量66000)を含むサン
プルをポリアクリルアミド濃度の10から20%濃度
勾配ゲルで泳動した。その結果、8個のコロニー
のうち、3個ではpTP70−1のDHFRのバンド
が消失し、それより明らかに分子量が大きくなつ
たタンパク質(分子量約22500と推定される。)を
新たに生産していること、また、残りの5個で
は、DHFRとほぼ同じ大きさのタンパク質を生
産すること、pTP70−1のDHFR(分子量18379)
は、この条件で分子量約21000のタンパク質とし
て泳動することが明らかになつた。分子量の大き
い新たなタンパク質を生産するコロニーのうちか
ら、適当に一株選び、各々、これをYT+Ap培
地で培養し、TanakaとWeisblumの方法(T.
Tanaka、B.Weisblum J.Bacteriology、
vol.121、p.354(1975))に従つて、プラスミドを
調製した。得られたプラスミドをpANG2−11と
名づけた。pANG2−11は、pTP70−1のBamH
部位に、化学合成したDNA配列が挿入した構
造をしているはずである。合成DNAには、制限
酵素Kpn切で断認識される配列、5′−
GGTACC−3′、が含まれているので、Kpnで
pANG2−11の切断を試みたところ、確かに切断
された。また、pANG2−11のEcoR(第1図
の471−476番目の配列)とSal(第1図の868−
873番目の配列)による切断によつて得られる約
400ヌクレオチド長のDNAについて、M13フアー
ジを用いたジデオキシ法(J.Messing;Mehtods
in Enzymology、vol.101、p.20(1983))に従つ
て、塩基配列を決定した。その結果、第1図に示
す配列の471番目から約873番目迄の配列が確かめ
られた。 pTP70−1の塩基配列は、本発明者らによつ
て明らかにされている(特開昭63−46193号公
報)。pANG2−11のEcoR−Salの配列は、
pTP70−1のEcoR−Salの間にあるBamH
部位に、43ヌクレオチド長の配列が挿入された
配列である。 また、pANG2−11のEcoR−Sal切断によ
つて得られる約4.2キロ塩基対のDNAは、Pst、
Hind、Hpa、Aat、Pvu、Bgl、およ
びClaを用いた制限酵素による切断実験の結
果、pTP70−1のEcoR−Sal切断によつて
得られる約4.2キロ塩基対のDNAと全く同一であ
ることが示された。 以上の結果から、pANG2−11の全塩基配列が
第1図に示した配列であることが決められた。 実施例 2 pANG2−11を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG2 pANG2−11を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG2のアミノ酸配列は、DHFR−ANG2遺伝子
の塩基配列から予想することができる。第1図の
57番目から566番目の配列がDHFR−ANG2を暗
号化していることから、トルプレツト暗号表を用
いて、アミノ酸配列を推定した。その結果第2図
に示すアミノ酸配列が得られた。 pANG2−11を含有する大腸菌から、DHFR−
ANG2を分離精製し、精製したタンパク質の性質
を調べた。 DHFR−ANG2の精製 A 用いた菌体量:湿重量 6g B 酵素精製表 表における精製過程は無細胞抽出液、
DEAE−トヨパールカラム処理、メソトリキセ
ート結合アフイニテイクロマトグラフイー、およ
びDEAE−トヨパールカラムクロマトグラフイ
ーを表す。
生理活性ペプチドであるアンジオテンシン(ア
スパラギン酸(AsP)−アルギニン(Arg)−バリ
ン(Val)−チロシン(Tyr)−イソロイシン
(Ile)−ヒスチジン(His)−プロリン(Pro)−フ
エニルアラニン(Phe)の8個のアミノ酸配列よ
りなるペプチド、以下、ANG2と略す。)を含む
融合タンパク質を大量に生産可能とする新規組換
えプラスミドpANG2−11、pANG2−11を含有
する大腸菌、ANG2を酵素のカルボキシ末端側に
有するジヒドロ葉酸還元酵素−ANG2融合タンパ
ク質(以下、DHFR−ANG2と略す。)、DHFR
−ANG2の分離精製方法、およびANG2の製造方
法に関するものである。本発明の新規組換えプラ
スミドpANG2−11は、第1図において示される
DNA配列を有する。本発明は、発酵工業、医薬
品工業等の分野に好適である。 従来の技術 ANG2は、血中ペプチドであり、血圧をコント
ロールすると考えられているレニン−アンジオテ
ンシン系の中心物質である。ANG2は、末梢動脈
のANG2レセプターに作用し、血管収縮による血
圧上昇作用と副賢皮質の球状層に作用し、アルデ
ステロン分泌促進作用を有する興味深い生理活性
ペプチドである。 本発明の技術的背景としては、いわゆる遺伝子
操作技術がある。しかしながら、遺伝子操作を利
用した効率のよいANG2の製造方法に関しては、
知られていない。 一方、既に、本発明者らは、大腸菌由来のジヒ
ドロ葉酸還元酵素(以下、DHFRと略す。)遺伝
子に関して、その遺伝子の改変の結果、異種遺伝
子発現用プラスミドベクターpTP70−1(特開昭
63−46193号公報)及びそれを利用した融合遺伝
子の作成方法(特開平1−144992号公報)を開発
している。これらの方法を利用した場合、融合遺
伝子の発現の結果得られる融合タンパク質の大腸
菌菌体の蓄積量は、全菌体タンパク質の約20%が
期待される。しかしながら、ANG2の生産に上記
発現ベクターを用いた例はない。 発明の目的 本発明の目的は、いまだ確立されていない、遺
伝子操作の手法を用いたANG2の大量生産方法を
開発することにある。 既に、本発明者らは(1)大腸菌のDHFRを大量
に発現する発現プラスミドを構築していること
(特開昭62−69990号公報)、(2)大腸菌のDHFRの
カルボキシ末端側の配列を変化させても、酵素活
性が失われないこと、(3)大腸菌のDHFRのカル
ボキシ末端側に異種ペプチドを融合させることを
可能とするプラスミドベクターpTP70−1を構
築していること(特開63−46193号公報)、(4)
pTP70−1上の改変DHFRは、大腸菌で効率良
く発現すること、を明らかにしている。 本発明者らは、上記の知見を利用し、鋭意研究
の結果、ANG2遺伝子を化学合成し、pTP70−
1に組み込むことにより、ANG2遺伝子と
DHFR遺伝子の融合遺伝子を作成し、融合遺伝
子を大腸菌で発現させることにより、DHFR−
ANG2を大量に生産できることを見いだし、さら
に、DHFR−ANG2を用いることにより効果的
にANG2を作成できることを明らかにし、本発明
を完成させた。 発明の構成 本発明は、(1)DHFR−ANG2の大量発現を可
能にする新規組換えプラスミドpANG2−11、(2)
pANG2−11を含有する大腸菌菌体、(3)pANG2
−11を含有する大腸菌が生産するDHFR−
ANG2、(4)pANG2−11を含有する大腸菌からの
DHFR−ANG2の分離精製、および(5)DHFR−
ANG2を用いたANG2の製造方法、の発明により
構成される。 (1) 新規組換えプラスミドpANG2−11 第1図は、本発明のpANG2−11の全塩基配
列を示している。図は、2本鎖環状DNAのう
ち片方のDNA鎖配列だけを、プラスミド中に
2箇所存在する制限酵素Cla部位のうちHind
部位に近い方の切断認識部位、5′−
ATCGAT−3′、の最初の“A”を1番として
数えて、5′末端から3′末端の方向に記述してい
る。本発明のpANG2−11は、新規な組換えプ
ラスミドである。pANG2−11は、4651塩基対
の大きさであり、宿主である大腸菌にトリメト
プリムおよびアンピシリン耐性を付与すること
ができる。pANG2−11は、pTP70−1の
BamH部位にANG2を暗号化する配列を含
む43塩基対の化学合成DNAが結合した構造を
していてる。第1図において、533番目から575
番目迄の配列が化学合成DNA由来の配列であ
る。それ以外の配列がpTP70−1由来の配列
である。 化学合成したDNAの配列には、制限酵素
Kpnの認識切断部位、5′−GGTACC−3′(第
1図の、570番目から575番目までの配列)、を
含ませてある。pTP70−1由来の部分には、
Kpn部位が存在しない。従つて、pANG2−
11のBamH部位(第1図の532番目から537
番目までの配列)からKpn部位までの配列を
他の配列に置き換えることにより、方向を定め
て異種DNAの導入を行い、DHFR遺伝子との
融合遺伝子の作成をさらに容易に行うことがで
きる。 第1図の57番目から566番目まで配列は、
DHFRのカルボキシ末端側にANG2がメチオ
ニン(Met)を介して結合したDHFR−ANG2
を暗号化している。 DHFR−ANG2を暗号化する配列の上流に
は、DHFR−ANG2遺伝子の発現を効率良く
行わせる配列が存在する(特開昭63−46193号
公報)。即ち、43番目から50番目までの配列が
SD配列と呼ばれるもので、効率の良い翻訳に、
また、4609番目から4637番目までが、コンセン
サス転写プロモーターであり、効率の良い転写
に貢献する。このことから、pANG2−11は、
大腸菌に導入された場合、多種のDHFR−
ANG2を作る。作られたDHFR−ANG2は、菌
体内に可溶性の状態で、菌体タンパク質の約20
%程度蓄積する。このことによつて、pANG2
−11を含有する大腸菌はトリメトプリム耐性を
示すようになる。また、pANG2−11は、
pPT70−1由来の、アンピシリン耐性遺伝子
を有している。このことから、pANG2−11が
導入された大腸菌は、アンピシリン耐性をも示
す。pANG2−11は、大腸菌に導入されて安定
状態に保たれ、pANG2−11を含有する大腸菌
は、微工研にFERMBP−1815として寄託され
ている。 このような特長を有するpANG2−11は、実
施例1に従つて作成することができるが、組換
えプラスミドの作成方法によつて本発明が制限
されるものではない。 (2) pANG2−11を含有する大腸菌 pANG2−11を含有する大腸菌は、トリメト
プリム及びアンピシリンに対して耐性を示す。
pANG2−11を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG2遺伝子の効率のよい発現の結果、
DHFR−ANG2を菌体内に可溶性の状態で大
量に蓄積する。pANG2−11を含有する大腸菌
をYT+Ap培地(培地1l中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキス、及
び50mgのアンピシリンナトリウムを含む液体培
地)を用いて、37℃で定常期まで培養した場
合、蓄積するDHFR−ANG2は、菌体タンパ
ク質の約20%に達する。培養菌体を、リン酸緩
衝液などの適当な緩衝液に懸濁し、フレンチプ
レス法もしくは音波破砕法で破砕し、これを遠
心分離法により上清と沈澱に分離した場合、ほ
とんど全てのDHFR−ANG2は上清中に回収
される。pANG2−11を含有する大腸菌は、微
工研にFERMBP−1815として寄託されてい
る。 (3) DHFR−ANG2 第2図は、DHFR−ANG2を暗号化する部
分のDNA配列とそれから作られると予想され
るタンパク質のアミノ酸配列を示している。
DHFR−ANG2は、170アミノ酸よりなる新規
なタンパク質である。アミノ末端側から数え
て、1から159番目までの配列が、大腸菌の野
生型DHFRに1箇所アミノ酸置換置換が起こ
つた(Cys−152(Wild type)→Glu−152)配
列であり、163番目から170番目までがANG2の
配列である。ANG2の配列の直前のアミノ酸は
メチオニン(Met)である。このことにより、
DHFR−ANG2をブロムシアンで処理するこ
とにより、ANG2を特異的に切り出すことがで
きる。160と161番目のイソロイシン(Ile)−ロ
イシン(Leu)の配列は、pTP70−1のBamH
部位にANG2を暗号化するDNAを導入する
際に、遺伝暗号の読み取り枠を合わせるために
生じた配列である。pTP70−1が作るDHFR
は、162個のアミノ酸よりなり、第2図の
DHFR−ANG2のアミノ酸配列のうち、アミ
ノ末端側から数えて、1から160番目までの配
列に、Gln−Ileの2個のアミノ酸配列が結合し
た配列をしている。DHFR−ANG2の分子量
は、19、410である。 DHFR−ANG2は、新規なタンパク質であ
る。DHFR−ANG2はDHFRのカルボキシ末
端側に、ANG2が融合した構造をしているにも
かかわらず、DHFR酵素活性を有する。この
ため、大腸菌がDHFR−ANG2を多量につく
ると、DHFRの阻害剤であり抗細菌剤である
トリメトプリムに対して、耐性を示すようにな
る。 (4) DHFR−ANG2の分離精製 本発明のDHFR−ANG2の分離精製法は、
菌体の培養、菌体の破砕、DEAE−トヨ
パールカラム処理、メソトリキセート
(MTX)結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー、およびDEAE−トヨパールカラムクロマ
トグラフイーの過程より成り立つている。 菌体の培養 pANG2−11を含有する大腸菌の培養は、
YT+Ap培地(培地1l中に、5gのNaCl、
8gのトリプトン、5gのイーストエキスお
よび50mgのアンピシリンナトリウムを含む液
体培地。)で培養することができる。培地と
しては、この他にST+Ap培地(培地1l中
に、2gのグルコース、1gのリン酸2カリ
ウム、5gのポリペプトン、5gのイースト
エキスおよび50mgのアンピシリンナトリウム
を含む液体培地。)など、菌体が成長する培
地であれば、どの様な培地でも用いることが
できるが、調べた限りでは、DHFR−
ANG2の生産にはYT+Ap培地が最適であつ
た。 pANG2−11を含有する大腸菌を、培地に
接種し、37℃で対数成長期の後期もしくは定
常期まで培養する。培養温度により菌体中の
DHFR−ANG2の蓄積量が変動し、調べた
限りでは、培養温度が高いほど蓄積量が大で
あつた。培養した菌体は、5000回転/分の遠
心分離により集める。培地1lより湿重量2か
ら4gの菌体が得られる。 集菌およびこれ以後の操作は、特に断わら
ない限り低温(0から10℃の間、4℃が望ま
しい)で行う。 菌体の破砕 培養して得られた菌体を、湿重量の3倍の
緩衝液1(0.1mM エチレンジアミン4酢酸
ナトリウム(EDTA)を含む10mMリン酸
カリウム緩衝液、PH7.0)に懸濁し、フレン
チプレスを用いて菌体を破砕する。菌体破砕
液を5000回転、10分間遠心分離し、上清を得
る。さらに、上清を、35000回転、1時間超
遠心分離し、上清を得る(無細胞抽出液)。 DEAE−トヨパールカラム処理 この操作は、次の精製過程の前処理の目的
で行う。無細胞抽出液を、あらかじめ0.1M
のKClを含む緩衝液1で平衡化したDEAEト
ヨパールカラムにかけ、0.1MのKClを含む
緩衝液1でカラムを洗う。酵素の溶出は、
0.3MのKClを含む緩衝液1を用いて行う。
溶出液を一定量ずつフラクシヨンコレクター
を用いて分画する。分画した溶出液について
DHFR活性を測定し、酵素活性が含まれる
画分を集める。 MTX結合アフイニテイクロマトグラフイ
ー 上記の操作により得られた酵素液を、あら
かじめ緩衝液1で平衡化したMTX結合
Sepharoseアフイニテイカラムに吸着させ
る。吸着後、1MのKClを含む緩衝液2(0.1
mM EDTAを含む10mMリン酸カリウム
緩衝液、PH8.5)で洗う。洗いは、カラムか
らの溶出液の280nmの吸光度を測定し、吸
光度が0.1以下になるまで同緩衝液を流し続
ける。酵素の溶出は、1MのKClと3mMの
葉酸を含む緩衝液2を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液についてDHFR
活性を測定し、酵素活性が含まれる画分を集
める。得られた酵素液を、緩衝液1に対し
て、3回透析する。この段階で、純度90%以
上のDHFR−ANG2が得られる。 DEAE−トヨパールカラムクロマトグラフ
イー 透析した酵素液を、あらかじめ緩衝液1で
平衡化したDEAE−トヨパールカラムに吸着
させる。吸着後、0.1MKClを含む緩衝液1
で洗う。洗いは、カラムからの溶出液の
280nmの吸光度を測定し、吸光度が0.01以下
になるまで同緩衝液を流し続ける。酵素の溶
出は、緩衝液1を用いて0.1Mから0.3Mの
KClの直線濃度勾配を用いて行い、溶出液を
一定量ずつフラクシヨンコレクターを用いて
分画する。分画した溶出液について280nm
の吸光度とDHFR活性とを測定する。酵素
活性/280nmの吸光度の値が、一定な画分
を集める。 以上の操作により、DHFR−ANG2の高度
精製均一化を、再現性良く行うことができる。 本発明に従うと、DHFR−ANG2の精製は、
培養を含めて一週間以内に行うことができ、回
収率45%以上で、均一な酵素標品を得ることが
できる。 DHFR酵素活性は、反応液(0.05mMのジヒ
ドロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−
メルカプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液
(PH7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに
酵素液を加え、340nmの吸光度の時間変化を
測定することにより行う。酵素1ユニツトは、
上記反応条件において、1分間に1マイクロモ
ルのジヒドロ葉酸を還元するのに必要な酵素量
として定義する。この測定は、分光光度計を用
いて容易に行うことができる。 (5) DHFR−ANG2を用いたANG2の製造 精製したDHFR−ANG2からのANG2の切
断・分離は、ブロムシアン処理することにより
行う。精製したDHFR−ANG2を凍結乾燥し、
これに1から10mgタンパク質/mlとなるように
70%蟻酸を加え、溶解した後、タンパク質量の
約20倍量の結晶ブロムシアンを加え密栓し、窒
素雰囲気下、室温で撹拌しながら24時間反応さ
せる。反応液を10倍量の水で希釈した後、凍結
乾燥し過剰の試薬等を除く。凍結乾燥試料を1
から10mgタンパク質/mlとなるように30%酢酸
に溶かす。溶かした試料を、HPLC装置(島津
LC−4A、inertsil−ODSカラム)を用いて、
0.1%トリフルオロ酢酸中、15%から50%のア
セトニトリルの濃度勾配を用いて溶出・分離す
ることができる。溶出物は、220nmにおける
吸光度の測定により検出することができる。第
3図は、ブロムシアン処理したDHFR−
ANG2試料の高速液体クロマトグラムを示して
いる。試料注入後約17分後のピークがANG2で
ある。このピーク画分を分離する。分離した溶
出液をエバホレーターで乾燥後、少量の水を加
え凍結乾燥し溶媒を除き、ANG2を得ることが
できる。また、得られたペプチドを酸加水分解
後、アミノ酸分析することによりアミノ酸組成
を確かめることができる。 本発明の実施例においては、3lの培地から湿
重量約6gの菌体が得られ、この菌体(計算
上、約48mgのDHFR−ANG2、約2.6mgの
ANG2を含む。)から、約23mgのDHFR−
ANG2(収率、48.3%、計算上約1.2mgのANG2
を含む。)を精製して得ることができ、このう
ち、10mgのDHFR−ANG2をブロムシアン処
理後、HPLCで分離・精製することにより、約
0.28mgのANG2を得ることができた。 次に本発明の実施例および参考例を示す。 実施例 1 pANG2−11の作成 ANG2を暗号化するDNAとしては、 1.5′− GATCCTGATGGATCGCGTGTACATCCA
CCCGTTCTAAGGTACC−3′ 2.5′− CATCGGTACCTTAGAACGGGTGGATGT
ACACGCGATCCATCAG−3′ の2本の43ヌクレオチドからなるDNAをホスホ
アミダイト法に従つて化学合成し、精製後、ポリ
ヌクレオチドキナーゼを用いて、各DNAの5′末
端をリン酸化した。リン酸化したDNAを約0.1ml
(約0.01μgのDNAを含んでいる。)ずつ取り、こ
れを60℃でインキユベートすることによつて両
DNAをアニールさせた(これをDNA1と呼ぶ)。 約1μgのpTP70−1を、BamHで切断した
後、アルカリホスフアターゼ処理をした。アルカ
リホスフアターゼ処理したDNAをフエノール処
理することにより、共存する酵素タンパク質を変
性除去し、その後エタノールでDNAを沈澱させ
た。沈澱したDNAを70%エタノールで洗つた後、
エタノールを除き、減圧下に沈澱を乾燥させた。
BamHによるDNAの切断、アルカリホスフア
ターゼ処理、フエノール処理、およびエタノール
沈澱の各操作は、いずれも、“Molecular
Cloning A Loboratory Manual”(T.
Maniatis、E.F.Fritsch、J.Sambrook、eds.Cold
Spring Harbor Laboratory(1982)、以下、文献
1と呼ぶ。)に記載している方法に従つて行つた。
乾燥させたDNAを50μのリガーゼ用反応液
(10mM Tris−HCl、PH7.4、5mM MgCl2、
10mMジチオトレイトール、5mM ATP)に
溶解後、5μのDNA1を加え、これに1ユニツ
トのT4−DNAリガーゼを加えて、10℃で、12時
間DNAの連結反応を行わせた。この反応物を、
形質転換法(transformation method、上記文献
1に記載)に従つて、大腸菌に取り込ませた。こ
の処理をした菌体を、50mg/のアンピシリンナ
トリウムおよび10mg/のトリメトプリムを含む
栄養寒天培地(培地1l中に、2gのグルコース、
1gのリン酸2カリウム、5gのイーストエキ
ス、5gのポリペプトン、15gの寒天を含む。)
上に塗布し、37℃で24時間培養することにより、
45個のコロニーを得ることができた。これらのコ
ロニーから適当に8個選び、1.5mlのYT+Ap培
地(培地1l中に、5gのNaCl、5gのイースト
エキス、8gのトリプトン、50mgのアンピシリン
ナトリウムを含む。)で、37℃、1晩、菌体を培
養した。培養液を、各々エツペンドルフ遠心管に
とり、12000回転/分で10分間遠心分離し、菌体
を沈澱として集めた。これに、0.1mlの電気泳動
用サンプル調製液(0.0625MのTris−HCl、PH
6.8、2%のラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、10
%のグリセリン、5%の2−メルカプトエタノー
ル、0.001%のブロムフエノールブルーを含む。)
を加え、菌体を懸濁し、これを沸騰水中に5分間
保ち、菌体を溶かした。この処理をしたサンプル
をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法
(U.K.Lammli;Nature、vol.227、p.680(1970))
に従つて分析した。標準サンプルとしてpTP70
−1を含有する大腸菌に同様な処理をしたもの、
および分子量マーカーとしてラクトアルブミン
(分子量14200)、トリプシンインヒビター(分子
量20100)、トリプシノーゲン(分子量24000)、カ
ルボニツクアンヒドラーゼ(分子量29000)、グリ
セロアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(分
子量36000)、卵アルブミン(分子量45000)、およ
び牛血清アルブミン(分子量66000)を含むサン
プルをポリアクリルアミド濃度の10から20%濃度
勾配ゲルで泳動した。その結果、8個のコロニー
のうち、3個ではpTP70−1のDHFRのバンド
が消失し、それより明らかに分子量が大きくなつ
たタンパク質(分子量約22500と推定される。)を
新たに生産していること、また、残りの5個で
は、DHFRとほぼ同じ大きさのタンパク質を生
産すること、pTP70−1のDHFR(分子量18379)
は、この条件で分子量約21000のタンパク質とし
て泳動することが明らかになつた。分子量の大き
い新たなタンパク質を生産するコロニーのうちか
ら、適当に一株選び、各々、これをYT+Ap培
地で培養し、TanakaとWeisblumの方法(T.
Tanaka、B.Weisblum J.Bacteriology、
vol.121、p.354(1975))に従つて、プラスミドを
調製した。得られたプラスミドをpANG2−11と
名づけた。pANG2−11は、pTP70−1のBamH
部位に、化学合成したDNA配列が挿入した構
造をしているはずである。合成DNAには、制限
酵素Kpn切で断認識される配列、5′−
GGTACC−3′、が含まれているので、Kpnで
pANG2−11の切断を試みたところ、確かに切断
された。また、pANG2−11のEcoR(第1図
の471−476番目の配列)とSal(第1図の868−
873番目の配列)による切断によつて得られる約
400ヌクレオチド長のDNAについて、M13フアー
ジを用いたジデオキシ法(J.Messing;Mehtods
in Enzymology、vol.101、p.20(1983))に従つ
て、塩基配列を決定した。その結果、第1図に示
す配列の471番目から約873番目迄の配列が確かめ
られた。 pTP70−1の塩基配列は、本発明者らによつ
て明らかにされている(特開昭63−46193号公
報)。pANG2−11のEcoR−Salの配列は、
pTP70−1のEcoR−Salの間にあるBamH
部位に、43ヌクレオチド長の配列が挿入された
配列である。 また、pANG2−11のEcoR−Sal切断によ
つて得られる約4.2キロ塩基対のDNAは、Pst、
Hind、Hpa、Aat、Pvu、Bgl、およ
びClaを用いた制限酵素による切断実験の結
果、pTP70−1のEcoR−Sal切断によつて
得られる約4.2キロ塩基対のDNAと全く同一であ
ることが示された。 以上の結果から、pANG2−11の全塩基配列が
第1図に示した配列であることが決められた。 実施例 2 pANG2−11を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG2 pANG2−11を含有する大腸菌が作るDHFR−
ANG2のアミノ酸配列は、DHFR−ANG2遺伝子
の塩基配列から予想することができる。第1図の
57番目から566番目の配列がDHFR−ANG2を暗
号化していることから、トルプレツト暗号表を用
いて、アミノ酸配列を推定した。その結果第2図
に示すアミノ酸配列が得られた。 pANG2−11を含有する大腸菌から、DHFR−
ANG2を分離精製し、精製したタンパク質の性質
を調べた。 DHFR−ANG2の精製 A 用いた菌体量:湿重量 6g B 酵素精製表 表における精製過程は無細胞抽出液、
DEAE−トヨパールカラム処理、メソトリキセ
ート結合アフイニテイクロマトグラフイー、およ
びDEAE−トヨパールカラムクロマトグラフイ
ーを表す。
【表】
DHFR酵素活性は、反応液(0.05mMのジヒド
ロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−メル
カプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液(PH
7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに酵素液
を加え、340nmの吸光度の時間変化を測定する
ことにより行つた。酵素1ユニツトは、上記反応
条件において、1分間に1マイクロモルのジヒド
ロ葉酸を還元するのに必要な酵素量として定義し
た。 得られた酵素タンパク質をSDS電気泳動法(上
記実施例に記載の方法)により分析したところ、
約22500の単一なタンパク質バンドが示され、得
られた酵素標品が均一であることが示された。 分離精製したDHFR−ANG2の性質 精製したDHFR活性を示すタンパク質をエン
ザイムイムノアツセイにより検討したところ、
ANG2に対する抗体と反応することが示された。
即ち、精製して得られたタンパク質は免疫学的に
ANG2と同等の構造を有することが明らかとなつ
た。 精製して得られたタンパク質のカルボキシ末端
側のアミノ酸配列を明らかにするために、カルボ
キシペプチダーゼYを、精製タンパク質に時間を
変化させて作用させ、遊離してくるアミノ酸を定
量した(カルボキシペプチダーゼ法によるカルボ
キシ末端側のアミノ酸配列の決定法)。その結果、
−Tyr−Ile−His−Pro−Phe(カルボキシ末端)
であることが予想された。また、精製して得られ
たタンパク質を酸加水分解した後、アミノ酸分析
したところ、塩基配列の結果予想されるアミノ酸
組成と一致した結果が得られた。 実施例 3 精製分離したDHFR−ANG2からのANG2の分
離 実施例2で得られた精製タンパク質(約10mg、
約508nmoleのDHFR−ANG2)を凍結乾燥し、
これを2mlの70%蟻酸に溶かし、これに約200mg
のブロムシアンを加え溶かし、窒素雰囲気下に密
栓し、室温で24時間撹拌しながら反応させた。反
応後、20mlの水を加え、その後、凍結乾燥した。
凍結乾燥して得られた標品を、10mlの30%酢酸に
溶かした。そのうちの0.5mlを(約25nmoleの
DHFR−ANG2を含むはず)をとり、HPLC装置
(島津LC−4A)を用い、Inertsil−0DS5μmカラ
ムで分離した。溶出は、0.1%トリフルオロ酢酸
中、アセトニトリルの濃度勾配(15%から50%)
をかけることにより行つた。0から2分までは、
15%のアセトニトリルを用い、2分から32分まで
は、15%から50%のアセトニトリルの直線濃度勾
配をかけた。その結果、第3図に示すような溶出
曲線が得られた。試料注入後約17分後のピークを
分取し、分離した溶出液をエバポレーターで乾燥
後、少量の水を加え凍結乾燥し溶媒を除き、ペプ
チドを得た。得られたペプチドを酸加水分解し、
その5分の1容をアミノ酸分析に用いた。その結
果、アスパラギン酸(Asp)、バリン(Val)、イ
ソロイシン(Ile)、チロシン(Tyr)、フエニル
アラニン(Phe)、ヒスチジン(His)、アルギニ
ン(Arg)、およびプロリン(Pro)が、それぞ
れ、2.5、2.5、2.3、2.6、2.8、2.5、2.6、および
2.7nmoleずつ検出された。アミノ酸組成は、
ANG2のそれと一致した値であり、またアミノ酸
分析に用いた標品は、約2.6nmole(約2.8μg)の
ANG2を含んでいたことが明かとなつた。この結
果を用いると、0.5mlのブロムシアン処理して得
られた標品をHPLCを用いて分離することによ
り、収率約52%(2.6x5nmole/25nmole)で
ANG2を回収できること、またこの操作を20回繰
り返すことにより、10mgのDHFR−ANG2から
約280μgのANG2が得られることが示される。 また、DHFR−ANG2の精製の収率が約48%
であり、DHFR−ANG2からANG2の分離の収率
が約52%であることから、大腸菌がつくる ANG2ペプチド部分の単離収率が、約25%程度
であると算出される。 発明の効果 上記のように、新規組換えプラスミドpANG2
−11は、DHFR−ANG2を暗号化しており、か
つpANG2−11を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG2を可溶性の状態で大量に蓄積生産する。さ
らに、生成したDHFR−ANG2は、DHFR酵素
活性を保持しており、精製を容易に行うことがで
きる。また、DHFR−ANG2をブロムシアン処
理後、HPLCで分離することにより、ANG2を容
易に単離することができる。このような性質を有
することから、本発明は、DHFR−ANG2とそ
れを利用したANG2の生産に有益である。また、
pANG2−11には、Kpn部位が新たに付け加え
られており、異種遺伝子の発現ベクターとして有
用であると考えられる。
ロ葉酸、0.06mMのNADPH、12mMの2−メル
カプトエタノール、50mMのリン酸緩衝液(PH
7.0))を、1mlのキユベツトとり、これに酵素液
を加え、340nmの吸光度の時間変化を測定する
ことにより行つた。酵素1ユニツトは、上記反応
条件において、1分間に1マイクロモルのジヒド
ロ葉酸を還元するのに必要な酵素量として定義し
た。 得られた酵素タンパク質をSDS電気泳動法(上
記実施例に記載の方法)により分析したところ、
約22500の単一なタンパク質バンドが示され、得
られた酵素標品が均一であることが示された。 分離精製したDHFR−ANG2の性質 精製したDHFR活性を示すタンパク質をエン
ザイムイムノアツセイにより検討したところ、
ANG2に対する抗体と反応することが示された。
即ち、精製して得られたタンパク質は免疫学的に
ANG2と同等の構造を有することが明らかとなつ
た。 精製して得られたタンパク質のカルボキシ末端
側のアミノ酸配列を明らかにするために、カルボ
キシペプチダーゼYを、精製タンパク質に時間を
変化させて作用させ、遊離してくるアミノ酸を定
量した(カルボキシペプチダーゼ法によるカルボ
キシ末端側のアミノ酸配列の決定法)。その結果、
−Tyr−Ile−His−Pro−Phe(カルボキシ末端)
であることが予想された。また、精製して得られ
たタンパク質を酸加水分解した後、アミノ酸分析
したところ、塩基配列の結果予想されるアミノ酸
組成と一致した結果が得られた。 実施例 3 精製分離したDHFR−ANG2からのANG2の分
離 実施例2で得られた精製タンパク質(約10mg、
約508nmoleのDHFR−ANG2)を凍結乾燥し、
これを2mlの70%蟻酸に溶かし、これに約200mg
のブロムシアンを加え溶かし、窒素雰囲気下に密
栓し、室温で24時間撹拌しながら反応させた。反
応後、20mlの水を加え、その後、凍結乾燥した。
凍結乾燥して得られた標品を、10mlの30%酢酸に
溶かした。そのうちの0.5mlを(約25nmoleの
DHFR−ANG2を含むはず)をとり、HPLC装置
(島津LC−4A)を用い、Inertsil−0DS5μmカラ
ムで分離した。溶出は、0.1%トリフルオロ酢酸
中、アセトニトリルの濃度勾配(15%から50%)
をかけることにより行つた。0から2分までは、
15%のアセトニトリルを用い、2分から32分まで
は、15%から50%のアセトニトリルの直線濃度勾
配をかけた。その結果、第3図に示すような溶出
曲線が得られた。試料注入後約17分後のピークを
分取し、分離した溶出液をエバポレーターで乾燥
後、少量の水を加え凍結乾燥し溶媒を除き、ペプ
チドを得た。得られたペプチドを酸加水分解し、
その5分の1容をアミノ酸分析に用いた。その結
果、アスパラギン酸(Asp)、バリン(Val)、イ
ソロイシン(Ile)、チロシン(Tyr)、フエニル
アラニン(Phe)、ヒスチジン(His)、アルギニ
ン(Arg)、およびプロリン(Pro)が、それぞ
れ、2.5、2.5、2.3、2.6、2.8、2.5、2.6、および
2.7nmoleずつ検出された。アミノ酸組成は、
ANG2のそれと一致した値であり、またアミノ酸
分析に用いた標品は、約2.6nmole(約2.8μg)の
ANG2を含んでいたことが明かとなつた。この結
果を用いると、0.5mlのブロムシアン処理して得
られた標品をHPLCを用いて分離することによ
り、収率約52%(2.6x5nmole/25nmole)で
ANG2を回収できること、またこの操作を20回繰
り返すことにより、10mgのDHFR−ANG2から
約280μgのANG2が得られることが示される。 また、DHFR−ANG2の精製の収率が約48%
であり、DHFR−ANG2からANG2の分離の収率
が約52%であることから、大腸菌がつくる ANG2ペプチド部分の単離収率が、約25%程度
であると算出される。 発明の効果 上記のように、新規組換えプラスミドpANG2
−11は、DHFR−ANG2を暗号化しており、か
つpANG2−11を含有する大腸菌は、DHFR−
ANG2を可溶性の状態で大量に蓄積生産する。さ
らに、生成したDHFR−ANG2は、DHFR酵素
活性を保持しており、精製を容易に行うことがで
きる。また、DHFR−ANG2をブロムシアン処
理後、HPLCで分離することにより、ANG2を容
易に単離することができる。このような性質を有
することから、本発明は、DHFR−ANG2とそ
れを利用したANG2の生産に有益である。また、
pANG2−11には、Kpn部位が新たに付け加え
られており、異種遺伝子の発現ベクターとして有
用であると考えられる。
第1図は、pANG2−11の全塩基配列を示した
図であり、2本鎖DNAのうち片方のDNA鎖配列
だけを、5′末端から3′末端の方向に記述してい
る。図中符号は、核酸塩基を表し、Aはアデニン
を、Cはシトシンを、Gはグアニンを、Tはチミ
ンを示している。図中番号は、pANG2−11に2
箇所存在する制限酵素Claのうち、Hind部位
に近い方のCla切断認識部位、5′−ATCGAT
−3′、の最初の“A”を1番として数えた番号を
示している。第2図は、pANG2−11中に存在す
るDHFR−ANG2を暗号化する部分の塩基配列
およびタンパク質のアミノ酸配列を示す図であ
る。図中符号は、核酸塩基およびアミノ酸を表
し、Aはアデニンを、Cはシトシンを、Gはグア
ニンを、Tはチミンを、Alaはアラニンを、Arg
はアルギニンを、Asnはアスパラギンを、Aspは
アスパラギン酸を、Cysはシステインを、Glnは
グルタミンを、Gluはグルタミン酸を、Glyはグ
リシンを、Hisはヒスチジンを、Ileはイソロイシ
ンを、Leuはロイシンを、Lysはリジンを、Met
はメチオニンを、Pheはフエニルアラニンを、
Proはプロリンを、Serはセリンを、Thrはトレ
オニンを、Trpはトリプトフアンを、Tyrはチロ
シンを、Valはバリンを示している。図中番号
は、1番目のアミノ酸であるメチオニンを暗号化
するATGコドンの“A”を1番として数えた番
号を示している。第3図は、ブロムシアン処理し
たDHFR−ANG2試料の高速液体クロマトグラ
ムを示している。横軸は、試料注入後の時間を分
単位で、縦軸は、220nmの吸光度を任意単位で
表現している。矢印で示したピークがANG2の溶
出ピークである。
図であり、2本鎖DNAのうち片方のDNA鎖配列
だけを、5′末端から3′末端の方向に記述してい
る。図中符号は、核酸塩基を表し、Aはアデニン
を、Cはシトシンを、Gはグアニンを、Tはチミ
ンを示している。図中番号は、pANG2−11に2
箇所存在する制限酵素Claのうち、Hind部位
に近い方のCla切断認識部位、5′−ATCGAT
−3′、の最初の“A”を1番として数えた番号を
示している。第2図は、pANG2−11中に存在す
るDHFR−ANG2を暗号化する部分の塩基配列
およびタンパク質のアミノ酸配列を示す図であ
る。図中符号は、核酸塩基およびアミノ酸を表
し、Aはアデニンを、Cはシトシンを、Gはグア
ニンを、Tはチミンを、Alaはアラニンを、Arg
はアルギニンを、Asnはアスパラギンを、Aspは
アスパラギン酸を、Cysはシステインを、Glnは
グルタミンを、Gluはグルタミン酸を、Glyはグ
リシンを、Hisはヒスチジンを、Ileはイソロイシ
ンを、Leuはロイシンを、Lysはリジンを、Met
はメチオニンを、Pheはフエニルアラニンを、
Proはプロリンを、Serはセリンを、Thrはトレ
オニンを、Trpはトリプトフアンを、Tyrはチロ
シンを、Valはバリンを示している。図中番号
は、1番目のアミノ酸であるメチオニンを暗号化
するATGコドンの“A”を1番として数えた番
号を示している。第3図は、ブロムシアン処理し
たDHFR−ANG2試料の高速液体クロマトグラ
ムを示している。横軸は、試料注入後の時間を分
単位で、縦軸は、220nmの吸光度を任意単位で
表現している。矢印で示したピークがANG2の溶
出ピークである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 大腸菌において安定に複製され、宿主である
大腸菌にトリメトプリム耐性およびアンピシリン
耐性を与えることができ、4651塩基対の大きさを
有し、下記に示すDNA配列を有する新規組換え
プラスミドpANG2−11。 【表】 【表】 【表】 【表】 【表】 2 pANG2−11を含有する大腸菌。 3 pANG2−11を含有する大腸菌が生産し、下
記に示すアミノ酸配列を有するジヒドロ葉酸還元
酵素−アンジオテンシン融合タンパク質。 【表】 4 pANG2−11を含有する大腸菌を培養し、ジ
ヒドロ葉酸還元酵素活性を目安に、ジヒドロ葉酸
還元酵素−アンジオテンシン融合タンパク質
を、培養菌体の無細胞抽出液から、イオン交換カ
ラム処理、メソトリキセート結合アフイニテイカ
ラムクロマトグラフイー、および陰イオン交換カ
ラムクロマトグラフイーを用いて精製することを
特徴とするジヒドロ葉酸還元酵素−アンジオテン
シン融合タンパク質の分離精製方法。 5 pANG2−11を含有する大腸菌の生産するジ
ヒドロ葉酸還元酵素−アンジオテンシン融合タ
ンパク質をブロムシアン分解法により分解した
後、アンジオテンシンを分離精製することを特
徴とするアンジオテンシンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7967988A JPH01252288A (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | アンジオテンシン2 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7967988A JPH01252288A (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | アンジオテンシン2 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01252288A JPH01252288A (ja) | 1989-10-06 |
| JPH0354555B2 true JPH0354555B2 (ja) | 1991-08-20 |
Family
ID=13696886
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7967988A Granted JPH01252288A (ja) | 1988-03-31 | 1988-03-31 | アンジオテンシン2 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01252288A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101314218B1 (ko) * | 2013-02-13 | 2013-10-02 | (주)드림텍 | 분리형 인쇄회로기판의 솔더링 접합 구조 |
-
1988
- 1988-03-31 JP JP7967988A patent/JPH01252288A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101314218B1 (ko) * | 2013-02-13 | 2013-10-02 | (주)드림텍 | 분리형 인쇄회로기판의 솔더링 접합 구조 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01252288A (ja) | 1989-10-06 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |