JPH0357924B2 - - Google Patents
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- JPH0357924B2 JPH0357924B2 JP6174783A JP6174783A JPH0357924B2 JP H0357924 B2 JPH0357924 B2 JP H0357924B2 JP 6174783 A JP6174783 A JP 6174783A JP 6174783 A JP6174783 A JP 6174783A JP H0357924 B2 JPH0357924 B2 JP H0357924B2
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- vinyl
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Description
本発明は末端にメルカプト基を有するポリビニ
ルエステル系重合体に関する。更に詳しくは一般
式P・SHで表わされ、Pは下記構造単位A,B
を含み、Bの含量が50モル%を越えて100モル%
以下で、その重合度が3500以下である、末端にメ
ルカプト基を有するポリビニルエステル系重合体
に関する。 重合体中のメルカプト基は、システインを含む
たんぱく質や酵素にみられるように、ジスルフイ
ド結合の形成による二次構造、活性などに重要な
役割を演じており、生化学の領域においては極め
て興味深い問題である。合成高分子の分野でも酸
化−還元能を有する重合体やメルカプチド形成に
よる重金属捕捉能を有する重合体を目的として、
メルカプト基を有する重合体の合成が多数工夫さ
れている。またメルカプト基の大きな反応性を利
用した高分子反応による重合体の改質等も試みら
れ、研究例も多い。しかしその一方でメルカプト
基は極めて酸化されやすく、ある程度のメルカプ
ト基量を有する重合体は空気中で酸化され、ジス
ルフイド結合を形成、架橋して不溶化するという
欠点を持つために、ごく一部を除いて工業的な利
用は行なわれていない。 本発明者らは、高反応性のメルカプト基を有
し、かつ酸化によつて不溶化することがないメル
カプト基を有するポリビニルエステル系重合体に
ついて検討した結果、一般式P・SHで表わされ、
Pは下記構造単位A,Bを含み、Aの含量が50モ
ル%を越えて100モル%以下で、その重合度が
3500以下である末端にメルカプト基を有するポリ
ビニルエステル系重合体 (ここにR1=Hまたは炭素数1から6までの
炭化水素基をあらわす。R2=Hまたは炭素数1
から20までの炭化水素基をあらわす。) が上記の性質を満足するものであることを見出
し、本発明を完成させたものである。このように
して得られたポリビニルアルコール系重合体は分
子の片末端にのみメルカプト基を有するため、酸
化によりジスルフイド結合を形成しても従来知ら
れている分子の主鎖中にメルカプト基がランダム
に分布するメルカプト基を有する重合体のように
不溶化することもなく、取扱いやすいものであ
る。 本発明のポリビニルエステル系重合体は一般式
P・SHで表わされ、下記の構造単位A,Bを含
み、かつ構造単位Bの含量が50〜100モル%(た
だし50モル%を除く) (ここにR1=Hまたは炭素数1から6までの
炭化水素基、たとえばアルキル基をあらわす。
R2=Hまたは炭素数1から20までの炭化水素基、
たとえばアルキル基をあらわす。) であることが必須である。構造単位Aとして具体
的には、ビニルアルコール、α−メチルビニルア
ルコール、α−エチルビニルアルコール、α−プ
ロピルビニルアルコール、α−ブチルビニルアル
コール、α−ヘキシルビニルアルコール等が、構
造単位Bとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニルおよびこれらのα置換体があげられ
る。さらに本発明のポリビニルエステル系重合体
は上記構造単位A,Bを含むことが必須である
が、構造単位A,B以外の構造単位を含むことは
何らさしつかえなく、重合体の中に構造単位とし
てA,Bを含み、かつBの含量が50モル%を越え
ておれば他の構造単位の存在は何ら問題ないが、
有機溶剤に対する溶解性の点からは70モル%以上
であることが好ましい。この他の構造単位として
は、たとえばエチレン、プロピレン、イソブテ
ン、アクリル酸、メタクリル酸又はその塩あるい
はこれらのアルキルエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、トリメチル(−3−アクリルアミド
−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリ
ド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビ
ニル、フツ化ビニル、塩化ビニリデン、フツ化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン、構造単位B
以外のビニルエステル類等があげられる。 本発明のポリビニルエステル系重合体の重合度
は特に制限はないが、分子の片末端にのみ存在す
るメルカプト基を有効に作用させるという観点か
ら重合度3500以下、好ましくは2000以下、さらに
好ましくは1000以下である。 本発明で得られるポリビニルエステル系重合体
は、もちろん従来からの用途たとえば塗料用ビヒ
クル等に用いてもその効果を充分に発揮するが、
本発明の重合体の特徴である末端のメルカプト基
の反応性たとえば二重結合を有した化合物への付
加、ハロゲン化合物への置換反応、酸化剤との組
合せによるレドツクス分解反応等を利用して極め
て広範囲に利用可能な高反応性の新規な材料であ
る。その中でも末端にのみメルカプト基を有する
ことを利用して本発明のポリビニルエステル系重
合体の存在下にラジカル重合可能なモノマーをラ
ジカル重合することにより、ポリビニルエステル
系重合体を一成分とするブロツク共重合体が得ら
れる。 本発明の重合体はチオール酸の存在下に酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類を主体とするビニルモ
ノマーを重合して、末端にチオエステル基を有す
るポリビニルエステル系重合体を製造し、この重
合体をアンモニア等のアミン類で処理することに
より主鎖中のビニルエステル単位のエステル結合
は分解せずに末端のチオエステル結合を主として
分解して末端にメルカプト基を有するポリビニル
エステル系重合体を製造することができる。 本発明で使用されるチオール酸は−COSH基を
有する有機チオール酸を包含する。例えばチオー
ル酢酸、チオールプロピオン酸、チオール酪酸、
チオール吉草酸等があげられるが、中でもチオー
ル酢酸が重合体末端のチオール酸エステルの分解
性もよく最も好ましい。 また、ビニルエステルはラジカル重合可能なビ
ニルエステルであれば使用できる。例えばギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、三弗化酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、バーサテイツク酸ビニル、ラウリル
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等があげられる
が、中でも酢酸ビニルが最も重合性およびエステ
ル結合の安定性がよく好ましい。またこれらビニ
ルエステルと共重合可能なモノマーを共存させ、
共重合することもできる。例えばエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、アクリル酸、メタクリル
酸又はその塩あるいはこれらのアルキルエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル(−
3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−−
アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、
塩化ビニル、臭化ビニル、フツ化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フツ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレン等があげられる。 本発明のチオール酸の存在下の酢酸ビニル等の
ビニルエステル類を主体とするビニルモノマーの
重合はラジカル重合開始剤の存在下塊状重合法、
溶液重合法、パール重合法、乳化重合法などいず
れの方法でも行なうことができるが、メタノール
を溶媒とする溶液重合法が工業的には最も有利で
ある。重合中に存在させるチオール酸の重合系へ
の添加量、添加方法には特に制限はなく、目的と
するポリビニルエステル系重合体の物性値によつ
て適宜決定さるべきものである。重合方式として
は回分式、半連続式、連続式等公知の方式を採用
しうる。 ラジカル重合開始剤としては2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化
カーボネート等公知のラジカル重合開始剤が使用
できるが、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ系開始剤が取扱いやすく好ましい。また
放射線、電子線光等の公知の開始系も使用でき
る。重合温度は使用する開始剤の種類により適当
な温度を採用することが望ましいが、通常30℃〜
90℃の範囲から選ばれる。所定時間重合した後未
重合のビニルエステル類を通常の方法で除去する
ことにより末端にチオール酸エステル基を有する
ポリビニルエステル系重合体がえられる。末端に
チオール酸エステル基を有するポリビニルエステ
ル系重合体にアンモニア等のアミン類を反応分解
することにより、主鎖中のエステル結合は分解さ
せずに末端のチオール酸エステル結合を主として
分解し末端にメルカプト基を有するビニルエステ
ル系重合体をえることができる。 末端にチオール酸エステル基を有するポリビニ
ルエステル系重合体とアンモニアまたはアミン類
との接触反応方法は種々の方法を採用しうるが、
ポリビニルエステル系重合体を溶解または膨潤さ
せる溶媒中で反応させるのが、反応の速度および
選択性もよく好ましい。例えばメタノール、エタ
ノール、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、トル
エン等があげられるが、工業的には安価で反応も
より円滑に進み、また重合溶剤としても適当であ
るメタノールが最も好ましい。アンモニアまたは
アミン類としてはアンモニアあるいはメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン等のア
ルキルアミン類、エタノールアミン、プロパノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン等のアル
カノールアミン類、アニリン、ジメチルアニリン
等の芳香族アミン類などが使用できるが、工業的
にはアンモニアをアンモニア水、液状またはガス
状の形態で使用するのが最も有利である。 反応温度および時間は使用するアミン類の種類
により適宜決められるが、末端のチオール酸エス
テル基をより選択的に分解し、主鎖中のエステル
結合の分解するためには温度および時間を必要以
上に高温および長時間にしないようにすることが
望ましい。好ましい温度範囲は20℃〜60℃であ
る。 反応終了後はポリマーを非溶媒により析出分離
等の操作により取出し、さらに水等の非溶媒で洗
浄したり、あるいはポリマーを溶剤例えばアセト
ンに溶解し、水中で再沈殿することにより精製す
ることが望ましい。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによつて何等限定されるも
のではない。 なお実施例中部および%はいずれも重量基準を
意味する。 実施例 1 酢酸ビニル(以下VAcと略記)2400部、メタ
ノール580部およびチオール酢酸0.93部を反応容
器にとり、内部を充分に窒素置換した後、外温を
65℃にあげ、内温が60℃に達したところで、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル0.868部を含む
メタノール20部を加えた。直ちにチオール酢酸
17.4部を含むメタノール溶液60部を5時間にわた
つて均一に加えた。5時間後の重合率は50.4%で
あつた。5時間後に容器を冷却し、減圧下に残留
するVAcをメタノールとともに蒸発系外へ追出
す操作をメタノールを追加しながら行ない、
PVAcのメタノール溶液を得た。(濃度64.5%) 次にこのメタノール溶液31gをとり、25%アン
モニア水5mlを加えて25℃で10分撹拌した。その
後水中へ投入し重合体を析出させ、アセトン−水
系で2回再沈殿操作をくり返して精製した。 このようにして得られたポリ酢酸ビニル重合体
は、アセトン中30℃での〔η〕の測定より〔η〕
=7.94×10-3×P 0.62で計算した重合度は125であ
り、けん化度から求めたビニルアルコール単位含
量は10.2モル%であつた。またメタノール/水
(80/20重量)系でのヨウ素による滴定の結果、
1.41×10-4当量/g−PVAcのメルカプト基の存
在が確認された。このように粘度平均重合度が
125、〔SH〕の滴定値から計算される数平均重合
度は82であり、重合機構も合せ考えるとメルカプ
ト基は分子の末端にのみ存在すると言える。 実施例 2 酢酸ビニル(以下VAcと略記)2400部、メタ
ノール580部を反応容器にとり、内部を充分に窒
素置換したのち、外温を65℃にあげ、内温が60℃
に達したところで、あらかじめ窒素置換したチオ
ール酢酸5部を加えたのち、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.868部を含むメタノール20部
を加え、重合を開始させた。2時間後に重合率
20.5%のところで冷却し、減圧下に残留するVAc
をメタノールとともに系外へ追出す操作をメタノ
ールを追加しながら行ない、PVAcのメタノール
溶液を得た。(濃度45.2%) 次にこのメタノール溶液44.3をとり、25%アン
モニア水5mlを加えて25℃で10分撹拌した。その
後水中へ投入し重合体を析出させ、アセトン−水
系で2回再沈操作をくり返して精製した。 このようにして得られたポリ酢酸ビニル重合体
は、実施例1と同様な方法で求めた重合度は92で
あり、ビニルアルコール含量は9.8モル%であつ
た。またメタノール/水(80/20重量)系でのヨ
ウ素による滴定の結果、1.50×10-4当量/g−
PVAcのメルカプト基の存在が確認された。 実施例 3−5 実施例1と同様にしてチオール酢酸量を変更し
て重合を行ない、PVAcを得、25%アンモニア水
で処理してメルカプト基を有するPVAcを得た。
結果をまとめて表1表に示す。
ルエステル系重合体に関する。更に詳しくは一般
式P・SHで表わされ、Pは下記構造単位A,B
を含み、Bの含量が50モル%を越えて100モル%
以下で、その重合度が3500以下である、末端にメ
ルカプト基を有するポリビニルエステル系重合体
に関する。 重合体中のメルカプト基は、システインを含む
たんぱく質や酵素にみられるように、ジスルフイ
ド結合の形成による二次構造、活性などに重要な
役割を演じており、生化学の領域においては極め
て興味深い問題である。合成高分子の分野でも酸
化−還元能を有する重合体やメルカプチド形成に
よる重金属捕捉能を有する重合体を目的として、
メルカプト基を有する重合体の合成が多数工夫さ
れている。またメルカプト基の大きな反応性を利
用した高分子反応による重合体の改質等も試みら
れ、研究例も多い。しかしその一方でメルカプト
基は極めて酸化されやすく、ある程度のメルカプ
ト基量を有する重合体は空気中で酸化され、ジス
ルフイド結合を形成、架橋して不溶化するという
欠点を持つために、ごく一部を除いて工業的な利
用は行なわれていない。 本発明者らは、高反応性のメルカプト基を有
し、かつ酸化によつて不溶化することがないメル
カプト基を有するポリビニルエステル系重合体に
ついて検討した結果、一般式P・SHで表わされ、
Pは下記構造単位A,Bを含み、Aの含量が50モ
ル%を越えて100モル%以下で、その重合度が
3500以下である末端にメルカプト基を有するポリ
ビニルエステル系重合体 (ここにR1=Hまたは炭素数1から6までの
炭化水素基をあらわす。R2=Hまたは炭素数1
から20までの炭化水素基をあらわす。) が上記の性質を満足するものであることを見出
し、本発明を完成させたものである。このように
して得られたポリビニルアルコール系重合体は分
子の片末端にのみメルカプト基を有するため、酸
化によりジスルフイド結合を形成しても従来知ら
れている分子の主鎖中にメルカプト基がランダム
に分布するメルカプト基を有する重合体のように
不溶化することもなく、取扱いやすいものであ
る。 本発明のポリビニルエステル系重合体は一般式
P・SHで表わされ、下記の構造単位A,Bを含
み、かつ構造単位Bの含量が50〜100モル%(た
だし50モル%を除く) (ここにR1=Hまたは炭素数1から6までの
炭化水素基、たとえばアルキル基をあらわす。
R2=Hまたは炭素数1から20までの炭化水素基、
たとえばアルキル基をあらわす。) であることが必須である。構造単位Aとして具体
的には、ビニルアルコール、α−メチルビニルア
ルコール、α−エチルビニルアルコール、α−プ
ロピルビニルアルコール、α−ブチルビニルアル
コール、α−ヘキシルビニルアルコール等が、構
造単位Bとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニルおよびこれらのα置換体があげられ
る。さらに本発明のポリビニルエステル系重合体
は上記構造単位A,Bを含むことが必須である
が、構造単位A,B以外の構造単位を含むことは
何らさしつかえなく、重合体の中に構造単位とし
てA,Bを含み、かつBの含量が50モル%を越え
ておれば他の構造単位の存在は何ら問題ないが、
有機溶剤に対する溶解性の点からは70モル%以上
であることが好ましい。この他の構造単位として
は、たとえばエチレン、プロピレン、イソブテ
ン、アクリル酸、メタクリル酸又はその塩あるい
はこれらのアルキルエステル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、トリメチル(−3−アクリルアミド
−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリ
ド、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビ
ニル、フツ化ビニル、塩化ビニリデン、フツ化ビ
ニリデン、テトラフルオロエチレン、構造単位B
以外のビニルエステル類等があげられる。 本発明のポリビニルエステル系重合体の重合度
は特に制限はないが、分子の片末端にのみ存在す
るメルカプト基を有効に作用させるという観点か
ら重合度3500以下、好ましくは2000以下、さらに
好ましくは1000以下である。 本発明で得られるポリビニルエステル系重合体
は、もちろん従来からの用途たとえば塗料用ビヒ
クル等に用いてもその効果を充分に発揮するが、
本発明の重合体の特徴である末端のメルカプト基
の反応性たとえば二重結合を有した化合物への付
加、ハロゲン化合物への置換反応、酸化剤との組
合せによるレドツクス分解反応等を利用して極め
て広範囲に利用可能な高反応性の新規な材料であ
る。その中でも末端にのみメルカプト基を有する
ことを利用して本発明のポリビニルエステル系重
合体の存在下にラジカル重合可能なモノマーをラ
ジカル重合することにより、ポリビニルエステル
系重合体を一成分とするブロツク共重合体が得ら
れる。 本発明の重合体はチオール酸の存在下に酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類を主体とするビニルモ
ノマーを重合して、末端にチオエステル基を有す
るポリビニルエステル系重合体を製造し、この重
合体をアンモニア等のアミン類で処理することに
より主鎖中のビニルエステル単位のエステル結合
は分解せずに末端のチオエステル結合を主として
分解して末端にメルカプト基を有するポリビニル
エステル系重合体を製造することができる。 本発明で使用されるチオール酸は−COSH基を
有する有機チオール酸を包含する。例えばチオー
ル酢酸、チオールプロピオン酸、チオール酪酸、
チオール吉草酸等があげられるが、中でもチオー
ル酢酸が重合体末端のチオール酸エステルの分解
性もよく最も好ましい。 また、ビニルエステルはラジカル重合可能なビ
ニルエステルであれば使用できる。例えばギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、三弗化酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、バーサテイツク酸ビニル、ラウリル
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等があげられる
が、中でも酢酸ビニルが最も重合性およびエステ
ル結合の安定性がよく好ましい。またこれらビニ
ルエステルと共重合可能なモノマーを共存させ、
共重合することもできる。例えばエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、アクリル酸、メタクリル
酸又はその塩あるいはこれらのアルキルエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル(−
3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−−
アンモニウムクロリド、エチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、
塩化ビニル、臭化ビニル、フツ化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フツ化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレン等があげられる。 本発明のチオール酸の存在下の酢酸ビニル等の
ビニルエステル類を主体とするビニルモノマーの
重合はラジカル重合開始剤の存在下塊状重合法、
溶液重合法、パール重合法、乳化重合法などいず
れの方法でも行なうことができるが、メタノール
を溶媒とする溶液重合法が工業的には最も有利で
ある。重合中に存在させるチオール酸の重合系へ
の添加量、添加方法には特に制限はなく、目的と
するポリビニルエステル系重合体の物性値によつ
て適宜決定さるべきものである。重合方式として
は回分式、半連続式、連続式等公知の方式を採用
しうる。 ラジカル重合開始剤としては2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化
カーボネート等公知のラジカル重合開始剤が使用
できるが、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ系開始剤が取扱いやすく好ましい。また
放射線、電子線光等の公知の開始系も使用でき
る。重合温度は使用する開始剤の種類により適当
な温度を採用することが望ましいが、通常30℃〜
90℃の範囲から選ばれる。所定時間重合した後未
重合のビニルエステル類を通常の方法で除去する
ことにより末端にチオール酸エステル基を有する
ポリビニルエステル系重合体がえられる。末端に
チオール酸エステル基を有するポリビニルエステ
ル系重合体にアンモニア等のアミン類を反応分解
することにより、主鎖中のエステル結合は分解さ
せずに末端のチオール酸エステル結合を主として
分解し末端にメルカプト基を有するビニルエステ
ル系重合体をえることができる。 末端にチオール酸エステル基を有するポリビニ
ルエステル系重合体とアンモニアまたはアミン類
との接触反応方法は種々の方法を採用しうるが、
ポリビニルエステル系重合体を溶解または膨潤さ
せる溶媒中で反応させるのが、反応の速度および
選択性もよく好ましい。例えばメタノール、エタ
ノール、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、トル
エン等があげられるが、工業的には安価で反応も
より円滑に進み、また重合溶剤としても適当であ
るメタノールが最も好ましい。アンモニアまたは
アミン類としてはアンモニアあるいはメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン等のア
ルキルアミン類、エタノールアミン、プロパノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン等のアル
カノールアミン類、アニリン、ジメチルアニリン
等の芳香族アミン類などが使用できるが、工業的
にはアンモニアをアンモニア水、液状またはガス
状の形態で使用するのが最も有利である。 反応温度および時間は使用するアミン類の種類
により適宜決められるが、末端のチオール酸エス
テル基をより選択的に分解し、主鎖中のエステル
結合の分解するためには温度および時間を必要以
上に高温および長時間にしないようにすることが
望ましい。好ましい温度範囲は20℃〜60℃であ
る。 反応終了後はポリマーを非溶媒により析出分離
等の操作により取出し、さらに水等の非溶媒で洗
浄したり、あるいはポリマーを溶剤例えばアセト
ンに溶解し、水中で再沈殿することにより精製す
ることが望ましい。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによつて何等限定されるも
のではない。 なお実施例中部および%はいずれも重量基準を
意味する。 実施例 1 酢酸ビニル(以下VAcと略記)2400部、メタ
ノール580部およびチオール酢酸0.93部を反応容
器にとり、内部を充分に窒素置換した後、外温を
65℃にあげ、内温が60℃に達したところで、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル0.868部を含む
メタノール20部を加えた。直ちにチオール酢酸
17.4部を含むメタノール溶液60部を5時間にわた
つて均一に加えた。5時間後の重合率は50.4%で
あつた。5時間後に容器を冷却し、減圧下に残留
するVAcをメタノールとともに蒸発系外へ追出
す操作をメタノールを追加しながら行ない、
PVAcのメタノール溶液を得た。(濃度64.5%) 次にこのメタノール溶液31gをとり、25%アン
モニア水5mlを加えて25℃で10分撹拌した。その
後水中へ投入し重合体を析出させ、アセトン−水
系で2回再沈殿操作をくり返して精製した。 このようにして得られたポリ酢酸ビニル重合体
は、アセトン中30℃での〔η〕の測定より〔η〕
=7.94×10-3×P 0.62で計算した重合度は125であ
り、けん化度から求めたビニルアルコール単位含
量は10.2モル%であつた。またメタノール/水
(80/20重量)系でのヨウ素による滴定の結果、
1.41×10-4当量/g−PVAcのメルカプト基の存
在が確認された。このように粘度平均重合度が
125、〔SH〕の滴定値から計算される数平均重合
度は82であり、重合機構も合せ考えるとメルカプ
ト基は分子の末端にのみ存在すると言える。 実施例 2 酢酸ビニル(以下VAcと略記)2400部、メタ
ノール580部を反応容器にとり、内部を充分に窒
素置換したのち、外温を65℃にあげ、内温が60℃
に達したところで、あらかじめ窒素置換したチオ
ール酢酸5部を加えたのち、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.868部を含むメタノール20部
を加え、重合を開始させた。2時間後に重合率
20.5%のところで冷却し、減圧下に残留するVAc
をメタノールとともに系外へ追出す操作をメタノ
ールを追加しながら行ない、PVAcのメタノール
溶液を得た。(濃度45.2%) 次にこのメタノール溶液44.3をとり、25%アン
モニア水5mlを加えて25℃で10分撹拌した。その
後水中へ投入し重合体を析出させ、アセトン−水
系で2回再沈操作をくり返して精製した。 このようにして得られたポリ酢酸ビニル重合体
は、実施例1と同様な方法で求めた重合度は92で
あり、ビニルアルコール含量は9.8モル%であつ
た。またメタノール/水(80/20重量)系でのヨ
ウ素による滴定の結果、1.50×10-4当量/g−
PVAcのメルカプト基の存在が確認された。 実施例 3−5 実施例1と同様にしてチオール酢酸量を変更し
て重合を行ない、PVAcを得、25%アンモニア水
で処理してメルカプト基を有するPVAcを得た。
結果をまとめて表1表に示す。
【表】
実施例 6
酢酸ビニル(以下VAcと略記)1920部、バー
サテイツク酸ビニル(Veova10シエル化学製)
480部、メタノール580部およびチオール酢酸0.50
部を反応容器にとり、内部を充分に窒素置換した
後、外温を65℃にあげ、内温が60℃に達したとこ
ろで、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
0.868部を含むメタノール20部を加えた。直ちに
チオール酢酸11.5部を含むメタノール溶液60部を
5時間にわたつて均一に加えた。5時間後の重合
率は49.6%であつた。5時間後に容器を冷却し、
減圧下に残留するVAcをメタノールとともに蒸
発系外へ追出す操作をメタノールを追加しながら
行ない、酢酸ビニル−バーサテイツク酸ビニルの
共重合体のメタノール溶液を得た。(濃度47.2%) 次にこのメタノール溶液42.4gをとり、50%ジ
メチルアミン3mlを加えて25℃で10分撹拌した。
その後水中へ投入し重合体を析出させ、アセトン
−ヘキサン系で2回再沈精製をくり返して精製し
た。このようにして得られた酢酸ビニル−バーサ
テイツク酸ビニルの共重合体はアセトン中30℃で
の〔η〕=0.14であり、けん化度から求めたビニ
ルアルコール含量は9.8モル%であつた。またメ
タノール/水(80/20重量比)系でのヨウ素によ
る滴定の結果、0.98×10-4当量/g−ポリマーの
メルカプト基の存在が確認された。
サテイツク酸ビニル(Veova10シエル化学製)
480部、メタノール580部およびチオール酢酸0.50
部を反応容器にとり、内部を充分に窒素置換した
後、外温を65℃にあげ、内温が60℃に達したとこ
ろで、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
0.868部を含むメタノール20部を加えた。直ちに
チオール酢酸11.5部を含むメタノール溶液60部を
5時間にわたつて均一に加えた。5時間後の重合
率は49.6%であつた。5時間後に容器を冷却し、
減圧下に残留するVAcをメタノールとともに蒸
発系外へ追出す操作をメタノールを追加しながら
行ない、酢酸ビニル−バーサテイツク酸ビニルの
共重合体のメタノール溶液を得た。(濃度47.2%) 次にこのメタノール溶液42.4gをとり、50%ジ
メチルアミン3mlを加えて25℃で10分撹拌した。
その後水中へ投入し重合体を析出させ、アセトン
−ヘキサン系で2回再沈精製をくり返して精製し
た。このようにして得られた酢酸ビニル−バーサ
テイツク酸ビニルの共重合体はアセトン中30℃で
の〔η〕=0.14であり、けん化度から求めたビニ
ルアルコール含量は9.8モル%であつた。またメ
タノール/水(80/20重量比)系でのヨウ素によ
る滴定の結果、0.98×10-4当量/g−ポリマーの
メルカプト基の存在が確認された。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式P・SHで表わされ、Pは下記構造単
位A、Bを含み、Bの含量が50モル%を越えて
100モル%以下で、その重合度が3500以下である
末端にメルカプト基を有するポリビニルエステル
系重合体。 (ここでR1=Hまたは炭素数1から6までの
炭化水素基をあらわし、R2=Hまたは炭素数1
から20までの炭化水素基をあらわす。) 2 R1=H,R2=CH3である特許請求の範囲第
1項記載のポリビニルエステル系重合体。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6174783A JPS59187004A (ja) | 1983-04-07 | 1983-04-07 | 末端にメルカプト基を有するポリビニルエステル系重合体およびその製法 |
| US06/592,476 US4565854A (en) | 1983-04-07 | 1984-03-22 | Polymer having thiol end group |
| DE8484103842T DE3476210D1 (en) | 1983-04-07 | 1984-04-06 | Polymer having thiol end group, process for producing same, and block copolymer based on polymer having thiol end group |
| EP84103842A EP0124782B1 (en) | 1983-04-07 | 1984-04-06 | Polymer having thiol end group, process for producing same, and block copolymer based on polymer having thiol end group |
| DE198484103842T DE124782T1 (de) | 1983-04-07 | 1984-04-06 | Thiol-endgruppen enthaltende polymerisate, verfahren zur ihrer herstellung und auf thiol-endgruppen enthaltenden polymerisaten basierte blockcopolymerisate. |
| US06/752,603 US4699950A (en) | 1983-04-07 | 1985-07-08 | Block copolymer based on polymer having thiol end group and linked by divalent sulfur |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6174783A JPS59187004A (ja) | 1983-04-07 | 1983-04-07 | 末端にメルカプト基を有するポリビニルエステル系重合体およびその製法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1125790A Division JPH0341109A (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | 末端にメルカプト基を有するポリビニルエステル系重合体の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59187004A JPS59187004A (ja) | 1984-10-24 |
| JPH0357924B2 true JPH0357924B2 (ja) | 1991-09-03 |
Family
ID=13180066
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6174783A Granted JPS59187004A (ja) | 1983-04-07 | 1983-04-07 | 末端にメルカプト基を有するポリビニルエステル系重合体およびその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59187004A (ja) |
-
1983
- 1983-04-07 JP JP6174783A patent/JPS59187004A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59187004A (ja) | 1984-10-24 |
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